JP2011006314A - 単結晶引き上げ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】引き上げによって得られる単結晶における残留応力を低減することができる単結晶引き上げ装置を提供する。
【解決手段】底部21および底部21の周縁から立ち上がる壁部22を有し、アルミナ融液を収容するるつぼ20と、るつぼ20の壁部22の外側に巻き回され、交流電流の供給によって壁部22を誘導加熱する加熱コイル30と、るつぼ20の上方に配置され、るつぼ20に収容されるアルミナ融液からサファイアインゴット200を引き上げる引き上げ棒40と、るつぼ20の底部21の下方であって引き上げ棒40にて引き上げられるサファイアインゴット200の下方且つ内側に配置され、加熱コイル30によって誘導加熱されることによりるつぼ20の底部21の中央部を加熱する筒状ヒータ16とを含む単結晶引き上げ装置。
【選択図】図7
【解決手段】底部21および底部21の周縁から立ち上がる壁部22を有し、アルミナ融液を収容するるつぼ20と、るつぼ20の壁部22の外側に巻き回され、交流電流の供給によって壁部22を誘導加熱する加熱コイル30と、るつぼ20の上方に配置され、るつぼ20に収容されるアルミナ融液からサファイアインゴット200を引き上げる引き上げ棒40と、るつぼ20の底部21の下方であって引き上げ棒40にて引き上げられるサファイアインゴット200の下方且つ内側に配置され、加熱コイル30によって誘導加熱されることによりるつぼ20の底部21の中央部を加熱する筒状ヒータ16とを含む単結晶引き上げ装置。
【選択図】図7
Description
本発明は、融液から単結晶を引き上げて成長させる単結晶引き上げ装置に関する。
チョクラルスキー法(Cz法)を用いた単結晶引き上げ装置では、るつぼ内に収容され、るつぼを介して加熱される原料融液から、目的とする材料の単結晶の引き上げを行っている。
公報記載の従来技術として、底部と底部の周縁から立ち上がる壁部とを有する金属製のるつぼを用い、このるつぼの底部の下方に金属材料を配置し、このるつぼの壁部および金属材料の外周にコイルを巻き回し、このコイルに高周波の交流電流を供給することで、るつぼの壁部および金属材料を誘導加熱し、且つ、誘導加熱された金属材料を介してるつぼの底部を加熱するようにしたものが存在する(特許文献1、2参照)。
ところで、チョクラルスキー法によって引き上げられた単結晶には、結晶成長の過程に応じた残留応力が残ることがある。このような残留応力は、結晶成長の過程において原料融液と接する単結晶の成長面が凸状になったりあるいは凹状となったりすることによって生じる。そして、得られた単結晶に存在する残留応力が大きい場合には、その後の切断工程における割れ発生の要因となるおそれがある。
本発明は、引き上げによって得られる単結晶における残留応力を低減することを目的とする。
本発明は、引き上げによって得られる単結晶における残留応力を低減することを目的とする。
本発明が適用される単結晶引き上げ装置は、底部および底部の周縁から立ち上がる壁部を有し、原料融液を収容するるつぼと、るつぼの壁部の外側に巻き回され、交流電流の供給によって壁部を誘導加熱するコイルと、るつぼの上方に配置され、るつぼに収容される原料融液から柱状の単結晶を引き上げる引き上げ部材と、るつぼの底部の下方であって引き上げ部材にて引き上げられる柱状の単結晶の下方且つ内側に配置され、コイルによって誘導加熱されることにより底部を加熱する補助加熱部材とを含んでいる。
このような単結晶引き上げ装置において、補助加熱部材は、るつぼの底部と対向する側に貫通孔が形成された円筒状の形状を有していることを特徴とすることができる。
また、るつぼおよび補助加熱部材が、イリジウム、イリジウムを含む合金、白金、あるいは白金を含む合金で構成されることを特徴とすることができる。
さらに、るつぼは、原料融液としてアルミナ融液を収容し、引き上げ部材は、るつぼに収容されたアルミナ融液から柱状のサファイア単結晶を引き上げることを特徴とすることができる。
さらにまた、引き上げ部材は、るつぼに収容されたアルミナ融液からc軸方向に成長させた柱状のサファイア単結晶を引き上げることを特徴とすることができる。
そして、補助加熱部材を昇降させることによりるつぼの底部と補助加熱部材との距離を調整する調整機構をさらに含むことを特徴とすることができる。
また、るつぼおよび補助加熱部材が、イリジウム、イリジウムを含む合金、白金、あるいは白金を含む合金で構成されることを特徴とすることができる。
さらに、るつぼは、原料融液としてアルミナ融液を収容し、引き上げ部材は、るつぼに収容されたアルミナ融液から柱状のサファイア単結晶を引き上げることを特徴とすることができる。
さらにまた、引き上げ部材は、るつぼに収容されたアルミナ融液からc軸方向に成長させた柱状のサファイア単結晶を引き上げることを特徴とすることができる。
そして、補助加熱部材を昇降させることによりるつぼの底部と補助加熱部材との距離を調整する調整機構をさらに含むことを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される単結晶引き上げ装置は、底部および底部の周縁から立ち上がる壁部を有するるつぼに収容された原料融液から、柱状の単結晶を引き上げる引き上げ手段と、るつぼの壁部を加熱する第1の加熱手段と、るつぼの底部のうち、引き上げ手段によって引き上げられる柱状の単結晶の下方且つ内側となる部位を加熱する第2の加熱手段とを含んでいる。
このような単結晶引き上げ装置において、引き上げ手段は、原料融液としてアルミナ融液が収容されたるつぼから柱状のサファイア単結晶を引き上げることを特徴とすることができる。
また、引き上げ手段は、るつぼに収容されたアルミナ融液からc軸方向に成長させた柱状のサファイア単結晶を引き上げることを特徴とすることができる。
また、引き上げ手段は、るつぼに収容されたアルミナ融液からc軸方向に成長させた柱状のサファイア単結晶を引き上げることを特徴とすることができる。
本発明によれば、引き上げによって得られる単結晶における残留応力を低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。本発明は、柱状の単結晶としてサファイア単結晶以外の結晶にも広く適用される。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態が適用される単結晶引き上げ装置1の構成の一例を説明するための図である。
この単結晶引き上げ装置1は、柱状の単結晶の一例としてのサファイア単結晶からなるサファイアインゴット200を成長させるための加熱炉10を有している。この加熱炉10は、円柱状の外形を有し、その内部には円柱状の空間が形成された断熱容器11を備えている。そして、断熱容器11は、ジルコニア製の断熱材からなる部品を組み立てることで構成されている。また、加熱炉10は、内部の空間に断熱容器11を収容するチャンバ14をさらに備えている。さらに、加熱炉10は、チャンバ14の側面に貫通形成され、チャンバ14の外部からチャンバ14を介して断熱容器11の内部にガスを供給するガス供給管12と、同じくチャンバ14の側面に貫通形成され、断熱容器11の内部からチャンバ14を介して外部にガスを排出するガス排出管13とを備えている。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態が適用される単結晶引き上げ装置1の構成の一例を説明するための図である。
この単結晶引き上げ装置1は、柱状の単結晶の一例としてのサファイア単結晶からなるサファイアインゴット200を成長させるための加熱炉10を有している。この加熱炉10は、円柱状の外形を有し、その内部には円柱状の空間が形成された断熱容器11を備えている。そして、断熱容器11は、ジルコニア製の断熱材からなる部品を組み立てることで構成されている。また、加熱炉10は、内部の空間に断熱容器11を収容するチャンバ14をさらに備えている。さらに、加熱炉10は、チャンバ14の側面に貫通形成され、チャンバ14の外部からチャンバ14を介して断熱容器11の内部にガスを供給するガス供給管12と、同じくチャンバ14の側面に貫通形成され、断熱容器11の内部からチャンバ14を介して外部にガスを排出するガス排出管13とを備えている。
また、断熱容器11の内側下方には、円筒状の外形を有することで中央部に貫通孔が形成された第1の支持台15が、その貫通孔が上下方向を向くように配置されている。この第1の支持台15は、断熱容器11と同様、ジルコニア製の断熱材にて構成されている。
さらに、第1の支持台15の貫通孔の内側には、円筒状の外形を有することで中央部に貫通孔が形成された補助加熱部材の一例としての筒状ヒータ16が、その貫通孔が上下方向を向くように配置されている。なお、筒状ヒータ16の詳細については後述する。
さらに、第1の支持台15の貫通孔の内側には、円筒状の外形を有することで中央部に貫通孔が形成された補助加熱部材の一例としての筒状ヒータ16が、その貫通孔が上下方向を向くように配置されている。なお、筒状ヒータ16の詳細については後述する。
ここで、本実施の形態では、第1の支持台15の貫通孔の内部下側において、断熱容器11の上に第2の支持台17を配置し、この第2の支持台17の上に筒状ヒータ16を積載している。すなわち、筒状ヒータ16は、第2の支持台17によって支持されている。この第2の支持台17は、上述した断熱容器11や第1の支持台15と同様、ジルコニア製の断熱材にて構成されている。
また、断熱容器11の内側下方且つ第1の支持台15の上方には、酸化アルミニウムを溶融してなる原料融液の一例としてのアルミナ融液300を収容するるつぼ20が、鉛直上方に向かって開口するように配置されている。すなわち、るつぼ20は第1の支持台15によって支持されている。
さらに、加熱炉10は、断熱容器11の下部側の側面外側であってチャンバ14の下部側の側面内側となる部位に巻き回されたコイルの一例としての金属製の加熱コイル30を備えている。この加熱コイル30は、断熱容器11を介してるつぼ20の壁面と対向し、且つ、断熱容器11および第1の支持台15を介して筒状ヒータ16の壁面と対向するように配置されている。なお、るつぼ20および加熱コイル30の詳細については後述する。
さらに、加熱炉10は、断熱容器11の下部側の側面外側であってチャンバ14の下部側の側面内側となる部位に巻き回されたコイルの一例としての金属製の加熱コイル30を備えている。この加熱コイル30は、断熱容器11を介してるつぼ20の壁面と対向し、且つ、断熱容器11および第1の支持台15を介して筒状ヒータ16の壁面と対向するように配置されている。なお、るつぼ20および加熱コイル30の詳細については後述する。
さらにまた、加熱炉10は、断熱容器11、チャンバ14それぞれの上面に設けられた貫通孔を介して上方から下方に伸びる引き上げ部材の一例としての引き上げ棒40を備えている。この引き上げ棒40は、鉛直方向への移動および軸を中心とする回転が可能となるように取り付けられている。なお、チャンバ14に設けられた貫通孔と引き上げ棒40との間には、図示しないシール材が設けられている。そして、引き上げ棒40の鉛直下方側の端部には、サファイアインゴット200を成長させるための基となる種結晶210(後述する図2参照)を装着、保持させるための保持部材41が取り付けられている。
また、単結晶引き上げ装置1は、引き上げ棒40を鉛直上方に引き上げるための引き上げ駆動部50および引き上げ棒40を回転させるための回転駆動部60を備えている。ここで、引き上げ駆動部50はモータ等で構成されており、引き上げ棒40の引き上げ速度を調整できるようになっている。また、回転駆動部60もモータ等で構成されており、引き上げ棒40の回転速度を調整できるようになっている。
さらに、単結晶引き上げ装置1は、ガス供給管12を介してチャンバ14の内部にガスを供給するガス供給部70を備えている。本実施の形態において、ガス供給部70は、例えば窒素等の不活性ガスを供給することができる。また、ガス供給部70は、必要に応じて、窒素等の不活性ガスに加えて酸素を供給することもできる。そして、ガス供給部70は、例えば酸素と窒素との混合比を可変することで混合ガス中の酸素の濃度を調整したり、あるいは、チャンバ14の内部に供給する混合ガスの流量を調整したりすることも可能となっている。
一方、単結晶引き上げ装置1は、ガス排出管13を介してチャンバ14の内部からガスを排出する排気部80を備えている。排気部80は例えば真空ポンプ等を備えており、チャンバ14内の減圧や、ガス供給部70から供給されたガスの排気をすることが可能となっている。
さらにまた、単結晶引き上げ装置1は、加熱コイル30に交流電流を供給するコイル電源90を備えている。コイル電源90は、加熱コイル30への交流電流の供給の有無および供給する電流量、さらには加熱コイル30に供給する交流電流の周波数を設定できるようになっている。
また、単結晶引き上げ装置1は、引き上げ棒40を介して引き上げ棒40の下部側に成長するサファイアインゴット200の重量を検出する重量検出部110を備えている。この重量検出部110は、例えば公知の重量センサ等を含んで構成される。
そして、単結晶引き上げ装置1は、上述した引き上げ駆動部50、回転駆動部60、ガス供給部70、排気部80およびコイル電源90の動作を制御する制御部100を備えている。また、制御部100は、重量検出部110から出力される重量信号に基づき、引き上げられるサファイアインゴット200の結晶直径の計算を行い、コイル電源90にフィードバックする。
なお、本実施の形態においては、引き上げ棒40および引き上げ駆動部50によって引き上げ手段が構成されている。また、コイル電源90および加熱コイル30によって第1の加熱手段が構成されている。さらに、コイル電源90、加熱コイル30および筒状ヒータ16によって第2の加熱手段が構成されている。
図2は、図1に示す単結晶引き上げ装置1を用いて製造されるサファイアインゴット200の構成の一例を示している。
このサファイアインゴット200は、サファイアインゴット200を成長させるための基となる種結晶210と、種結晶210の下部に延在しこの種結晶210と一体化した肩部220と、肩部220の下部に延在し肩部220と一体化した直胴部230と、直胴部230の下部に延在し直胴部230と一体化した尾部240とを備えている。そして、このサファイアインゴット200においては、上方すなわち種結晶210側から下方すなわち尾部240側に向けてc軸方向にサファイアの単結晶が成長している。
このサファイアインゴット200は、サファイアインゴット200を成長させるための基となる種結晶210と、種結晶210の下部に延在しこの種結晶210と一体化した肩部220と、肩部220の下部に延在し肩部220と一体化した直胴部230と、直胴部230の下部に延在し直胴部230と一体化した尾部240とを備えている。そして、このサファイアインゴット200においては、上方すなわち種結晶210側から下方すなわち尾部240側に向けてc軸方向にサファイアの単結晶が成長している。
ここで、肩部220は、種結晶210側から直胴部230側に向けて、徐々にその直径が拡大していく形状を有している。また、直胴部230は、上方から下方に向けてその直径がほぼ同じとなるような形状を有している。なお、直胴部230の直径は、所望とするサファイア単結晶のウエハの直径よりもわずかに大きな値に設定される。以下の説明においては、直胴部230の直径をインゴット径Dingと呼ぶことにする。そして、尾部240は、上方から下方に向けて徐々にその直径が縮小していくことにより、上方から下方に向けて凸状となる形状を有している。以下の説明においては、尾部240の上下方向の長さを尾部長さHTと呼ぶことにする。なお、図2には、尾部240が直胴部230の下方に突出する凸状の形状を有している例を示しているが、後述するように製造条件を異ならせた場合には、図2に破線で示すように直胴部230の下方において凹む凹状の形状を有していることもある。
なお、本実施の形態において、c軸方向に結晶成長させたサファイアインゴット200を製造しているのは、次の理由による。
一般的に、青色LEDの基板材料や液晶プロジェクタの偏光子の保持部材等では、サファイア単結晶のc軸に垂直な面((0001)面)が主面となるように、インゴットから切り出されたウエハが用いられることが多い。したがって、歩留まりの観点からすれば、c軸方向に結晶成長させたサファイア単結晶のインゴットをウエハの切り出しに用いることが好ましい。このため、本実施の形態では、このような後工程での利便性を考慮し、c軸方向に結晶成長させたサファイアインゴット200の製造を行っている。
一般的に、青色LEDの基板材料や液晶プロジェクタの偏光子の保持部材等では、サファイア単結晶のc軸に垂直な面((0001)面)が主面となるように、インゴットから切り出されたウエハが用いられることが多い。したがって、歩留まりの観点からすれば、c軸方向に結晶成長させたサファイア単結晶のインゴットをウエハの切り出しに用いることが好ましい。このため、本実施の形態では、このような後工程での利便性を考慮し、c軸方向に結晶成長させたサファイアインゴット200の製造を行っている。
ただし、図1に示す単結晶引き上げ装置1は、c軸方向に結晶成長させたサファイアインゴット200だけでなく、例えばa軸方向に結晶成長させたサファイアインゴット200を引き上げることも可能である。また、サファイアに限らず、各種の酸化物単結晶を引き上げることも可能であり、さらには酸化物以外の単結晶を引き上げることも可能である。
図3は、図1に示す筒状ヒータ16の構成の一例を示す斜視図である。
筒状ヒータ16は、後で詳述するるつぼ20と同じく、イリジウムで構成されている。ただし、筒状ヒータ16については、イリジウム以外の高融点の金属材料(導電材料)で構成することもできる。なお、以下の説明においては、筒状ヒータ16の外径をヒータ外径Doと、内径をヒータ内径Diと、上下方向高さをヒータ高さHRと、それぞれ呼ぶことにする。筒状ヒータ16は、筒状の形状に限定されるものではなく、筒状以外の形状も採用することができる。例えば、筒状以外の形状としては円柱形状や四角以上の多角柱(例えば八角柱)が挙げられる。
筒状ヒータ16は、後で詳述するるつぼ20と同じく、イリジウムで構成されている。ただし、筒状ヒータ16については、イリジウム以外の高融点の金属材料(導電材料)で構成することもできる。なお、以下の説明においては、筒状ヒータ16の外径をヒータ外径Doと、内径をヒータ内径Diと、上下方向高さをヒータ高さHRと、それぞれ呼ぶことにする。筒状ヒータ16は、筒状の形状に限定されるものではなく、筒状以外の形状も採用することができる。例えば、筒状以外の形状としては円柱形状や四角以上の多角柱(例えば八角柱)が挙げられる。
図4は、図1に示す単結晶引き上げ装置1におけるるつぼ20および加熱コイル30の構成、そして、これらるつぼ20および加熱コイル30と筒状ヒータ16との位置関係を説明するための断面図の一例である。また、図5は、図4をV方向からみた場合における、るつぼ20と筒状ヒータ16と引き上げられるサファイアインゴット200(より具体的には直胴部230)との位置関係の一例を説明するための図である。
最初に、るつぼ20の構成について説明する。
るつぼ20はイリジウムによって構成されており、鉛直上方に向かって開口する形状を有している。このるつぼ20は、底部21と、底部21の周縁から上方に立ち上がる壁部22とを有している。
るつぼ20はイリジウムによって構成されており、鉛直上方に向かって開口する形状を有している。このるつぼ20は、底部21と、底部21の周縁から上方に立ち上がる壁部22とを有している。
底部21は円形状を有しており、全域にわたってほぼ均一な厚さ(例えば2mm〜7mm程度)となっている。また、壁部22は円筒形状を有しており、こちらも全域にわたってほぼ均一な厚さ(例えば2mm〜7mm程度)となっている。なお、以下の説明においては、るつぼ20の外径をるつぼ外径D1と、内径をるつぼ内径D2と、上下方向高さをるつぼ高さHPと、それぞれ呼ぶことにする。
また、筒状ヒータ16を構成する金属層の厚みについても、るつぼ20と同様、例えば2mm〜7mm程度とすることが好ましい。
また、筒状ヒータ16を構成する金属層の厚みについても、るつぼ20と同様、例えば2mm〜7mm程度とすることが好ましい。
次に、加熱コイル30の構成について説明する。
加熱コイル30は、例えば中空状の銅管によって構成されている。また、加熱コイル30は螺旋状に巻き回されており、全体としてみたときに円筒状の形状を有している。すなわち、本実施の形態では、加熱コイル30の上部側の内径と下部側の内径とがほぼ同一になっている。これにより、巻き回された加熱コイル30によってその内部に形成される空間が円柱状となっている。また、円柱状の空間を通る加熱コイル30の中心軸は、水平方向に対しほぼ垂直すなわち鉛直方向に沿うようになっている。なお、以下の説明においては、加熱コイル30の上下方向高さをコイル高さHCと呼ぶことにする。
加熱コイル30は、例えば中空状の銅管によって構成されている。また、加熱コイル30は螺旋状に巻き回されており、全体としてみたときに円筒状の形状を有している。すなわち、本実施の形態では、加熱コイル30の上部側の内径と下部側の内径とがほぼ同一になっている。これにより、巻き回された加熱コイル30によってその内部に形成される空間が円柱状となっている。また、円柱状の空間を通る加熱コイル30の中心軸は、水平方向に対しほぼ垂直すなわち鉛直方向に沿うようになっている。なお、以下の説明においては、加熱コイル30の上下方向高さをコイル高さHCと呼ぶことにする。
続いて、単結晶引き上げ装置1(図1参照)における、るつぼ20、加熱コイル30および筒状ヒータ16の相対的な位置関係について説明する。
まず、るつぼ20は、加熱コイル30によって形成されるコイル高さHCの円柱状の空間の内側に配置されている。そして、るつぼ20は、加熱コイル30によって形成される円形状の領域のほぼ中央となる部位に置かれる。
また、筒状ヒータ16も、加熱コイル30によって形成されるコイル高さHCの円柱状の空間の内側に配置されている。そして、筒状ヒータ16は、加熱コイル30によって形成される円形状の領域のほぼ中央となる部位に置かれる。
すなわち、筒状ヒータ16は、るつぼ20の下側すなわちるつぼ20の底部21の下方に、空気層等を介して底部21と直接対向するように配置される。
そして、加熱コイル30の下側端部は筒状ヒータ16の下端よりも下側に位置し、加熱コイル30の上側端部はるつぼ20の上端よりも上側に位置するように配置される。
まず、るつぼ20は、加熱コイル30によって形成されるコイル高さHCの円柱状の空間の内側に配置されている。そして、るつぼ20は、加熱コイル30によって形成される円形状の領域のほぼ中央となる部位に置かれる。
また、筒状ヒータ16も、加熱コイル30によって形成されるコイル高さHCの円柱状の空間の内側に配置されている。そして、筒状ヒータ16は、加熱コイル30によって形成される円形状の領域のほぼ中央となる部位に置かれる。
すなわち、筒状ヒータ16は、るつぼ20の下側すなわちるつぼ20の底部21の下方に、空気層等を介して底部21と直接対向するように配置される。
そして、加熱コイル30の下側端部は筒状ヒータ16の下端よりも下側に位置し、加熱コイル30の上側端部はるつぼ20の上端よりも上側に位置するように配置される。
ここで、本実施の形態の単結晶引き上げ装置1においては、図4に示すように第2の支持台17上に筒状ヒータ16を積載することも可能であるし、第2の支持台17を取り外した状態、すなわち、断熱容器11の底面の上に直接筒状ヒータ16を積載することも可能である。また、第2の支持台17の上下方向厚さを支持台高さHSとした場合に、この支持台高さHSの大きさが異なる複数の第2の支持台17を予め用意しておき、筒状ヒータ16の取り付け位置を異ならせるようにすることも可能である。
このように、本実施の形態の単結晶引き上げ装置1では、第2の支持台17の着脱を行ったり、あるいは、支持台高さHSが異なる複数の第2の支持台17のいずれかを選択的に装着したりした状態で、その上に筒状ヒータ16を配置することにより、筒状ヒータ16の上部位置とるつぼ20の底部21との距離であるギャップGを変更することができる。このギャップGを変更できることの利点については後述する。
また、本実施の形態の単結晶引き上げ装置1においては、図5に示すようにるつぼ20のるつぼ内径D2よりも、引き上げられるサファイアインゴット200のインゴット径Ding(直胴部230の直径:図中に破線で示す)が小さくなっており、インゴット径Dingよりも、筒状ヒータ16のヒータ外径Do(図中に一点鎖線で示す)がより小さい値に設定されている。つまり、本実施の形態では、ヒータ外径Doがるつぼ内径D2およびインゴット径Dingよりも小さくなるように、筒状ヒータ16の選択がなされている。ここで、本実施の形態の単結晶引き上げ装置1においては、インゴット径Dingが異なるサファイアインゴット200を引き上げることが可能となっており、引き上げ対象となるサファイアインゴット200のインゴット径Dingに応じて、るつぼ内径D2が異なる複数のるつぼ20の中からいずれか1つのるつぼ20を選択され、また、ヒータ外径Doが異なる複数の筒状ヒータ16の中からいずれか1つの筒状ヒータ16が選択されるようになっている。ただし、インゴット径Dingに関係なく、同一サイズのるつぼ20および/または筒状ヒータ16を用いるようにしてもよい。
また、筒状ヒータ16は、図5に示すように鉛直上方から下方をみたときに、その周縁がサファイアインゴット200の直胴部230の周縁からはみ出さないように配置されている。すなわち、筒状ヒータ16は、図1に示す単結晶引き上げ装置1で引き上げられるサファイアインゴット200の直下に位置するようになっている。
図6は、図1に示す単結晶引き上げ装置1を用いて、図2に示すサファイアインゴット200を製造する手順を説明するためのフローチャートの一例である。
サファイアインゴット200の製造にあたっては、まず、チャンバ14内のるつぼ20内に充填された固体の酸化アルミニウムを加熱によって溶融する溶融工程を実行する(ステップ101)。
次に、酸化アルミニウムの融液すなわちアルミナ融液300に種結晶210の下端部を接触させた状態で温度調整を行う種付け工程を実行する(ステップ102)。
次いで、アルミナ融液300に接触させた種結晶210を回転させながら上方に引き上げることにより、種結晶210の下方に肩部220を形成する肩部形成工程を実行する(ステップ103)。
引き続いて、種結晶210を介して肩部220を回転させながら上方に引き上げることにより、肩部220の下方に直胴部230を形成する直胴部形成工程を実行する(ステップ104)。
さらに引き続いて、種結晶210および肩部220を介して直胴部230を回転させながら上方に引き上げてアルミナ融液300から引き離すことにより、直胴部230の下方に尾部240を形成する尾部形成工程を実行する(ステップ105)。
そして、るつぼ20内のアルミナ融液300の加熱を停止して冷却する冷却工程を実行し(ステップ106)、得られたサファイアインゴット200が冷却された後にチャンバ14の外部に取り出して、一連の製造工程を完了する。
サファイアインゴット200の製造にあたっては、まず、チャンバ14内のるつぼ20内に充填された固体の酸化アルミニウムを加熱によって溶融する溶融工程を実行する(ステップ101)。
次に、酸化アルミニウムの融液すなわちアルミナ融液300に種結晶210の下端部を接触させた状態で温度調整を行う種付け工程を実行する(ステップ102)。
次いで、アルミナ融液300に接触させた種結晶210を回転させながら上方に引き上げることにより、種結晶210の下方に肩部220を形成する肩部形成工程を実行する(ステップ103)。
引き続いて、種結晶210を介して肩部220を回転させながら上方に引き上げることにより、肩部220の下方に直胴部230を形成する直胴部形成工程を実行する(ステップ104)。
さらに引き続いて、種結晶210および肩部220を介して直胴部230を回転させながら上方に引き上げてアルミナ融液300から引き離すことにより、直胴部230の下方に尾部240を形成する尾部形成工程を実行する(ステップ105)。
そして、るつぼ20内のアルミナ融液300の加熱を停止して冷却する冷却工程を実行し(ステップ106)、得られたサファイアインゴット200が冷却された後にチャンバ14の外部に取り出して、一連の製造工程を完了する。
なお、このようにして得られたサファイアインゴット200は、まず、肩部220と直胴部230との境界および直胴部230と尾部240との境界においてそれぞれ切断され、直胴部230が切り出される。次に、切り出された直胴部230は、さらに、長手方向に直交する方向に切断され、サファイア単結晶のウエハとなる。このとき、本実施の形態のサファイアインゴット200はc軸方向に結晶成長していることから、得られるウエハの主面はc面((0001)面)となる。そして、得られたウエハは、青色LEDや偏光子の製造等に用いられる。
では、上述した各工程について具体的に説明を行う。ただし、ここでは、ステップ101の溶融工程の前に実行される準備工程から順を追って説明を行う。
(準備工程)
準備工程では、まず、<0001>c軸の種結晶210を用意する。次に、引き上げ棒40の保持部材41に種結晶210を取り付け、所定の位置にセットする。続いて、チャンバ14内に第1の支持台15を取り付け、必要に応じて第1の支持台15の貫通孔内に第2の支持台17を配置した後、第1の支持台15の貫通孔内に筒状ヒータ16を設置する。また、るつぼ20内に酸化アルミニウムの原材料すなわちアルミナ原料を充填し、第1の支持台15上に配置した後、チャンバ14内に断熱容器11を組み立てる。
そして、ガス供給部70からのガス供給を行わない状態で、排気部80を用いてチャンバ14内を減圧する。その後、ガス供給部70がチャンバ14内に所定のガスを供給し、チャンバ14の内部を常圧にする。
準備工程では、まず、<0001>c軸の種結晶210を用意する。次に、引き上げ棒40の保持部材41に種結晶210を取り付け、所定の位置にセットする。続いて、チャンバ14内に第1の支持台15を取り付け、必要に応じて第1の支持台15の貫通孔内に第2の支持台17を配置した後、第1の支持台15の貫通孔内に筒状ヒータ16を設置する。また、るつぼ20内に酸化アルミニウムの原材料すなわちアルミナ原料を充填し、第1の支持台15上に配置した後、チャンバ14内に断熱容器11を組み立てる。
そして、ガス供給部70からのガス供給を行わない状態で、排気部80を用いてチャンバ14内を減圧する。その後、ガス供給部70がチャンバ14内に所定のガスを供給し、チャンバ14の内部を常圧にする。
(溶融工程)
溶融工程では、ガス供給部70が所定のガスをチャンバ14内に供給する。なお、溶融工程において供給するガスは、準備工程と同じものであってもよいし異なるものであってもよい。このとき、回転駆動部60は、引き上げ棒40を第1の回転速度で回転させる。
溶融工程では、ガス供給部70が所定のガスをチャンバ14内に供給する。なお、溶融工程において供給するガスは、準備工程と同じものであってもよいし異なるものであってもよい。このとき、回転駆動部60は、引き上げ棒40を第1の回転速度で回転させる。
また、コイル電源90が加熱コイル30に高周波の交流電流(以下の説明では高周波電流と呼ぶ)を供給する。コイル電源90から加熱コイル30に高周波電流が供給されると、加熱コイル30の周囲において磁束が生成・消滅を繰り返す。
このようにして加熱コイル30で生じた磁束の一部が、断熱容器11を介してるつぼ20を横切ると、るつぼ20の壁面にはその磁界の変化をさまたげるような磁界が発生し、結果としてるつぼ20内には渦電流が発生する。そして、るつぼ20の壁部22には、渦電流(I)によってるつぼ20の表皮抵抗(R)に比例したジュール熱(W=I2R)が発生し、るつぼ20の壁部22が発熱する。
また、高周波電流の供給に伴って加熱コイル30で生じた磁束の一部は、断熱容器11および第1の支持台15を介して筒状ヒータ16を横切る。これに伴い、筒状ヒータ16の壁面にはその磁界の変化をさまたげるような磁界が発生し、結果として筒状ヒータ16内にも渦電流が発生する。そして、筒状ヒータ16には、渦電流によって筒状ヒータ16の表皮抵抗に比例したジュール熱が発生し、筒状ヒータ16が発熱する。このようにして筒状ヒータ16で発生した熱は、筒状ヒータ16の上部に位置するるつぼ20の底部21に、両者の間に存在する空気等のガスを介して伝達され、るつぼ20の底部21が加熱される。
このようにして、るつぼ20の底部21および壁部22が加熱され、これに伴ってるつぼ20内に収容される酸化アルミニウムがその融点(2054℃)を超えて加熱されると、るつぼ20内においてアルミナ原料すなわち酸化アルミニウムが溶融し、アルミナ融液300となる。
(種付け工程)
種付け工程では、ガス供給部70が、所定のガスをチャンバ14内に供給する。なお、種付け工程において供給するガスは、溶融工程と同じものであってもよいし異なるものであってもよい。
そして、引き上げ駆動部50は、保持部材41に取り付けられた種結晶210の下端が、るつぼ20内のアルミナ融液300と接触する位置まで引き上げ棒40を下降させて停止させる。その状態で、コイル電源90は、重量検出部110からの重量信号をもとに加熱コイル30に供給する高周波電流の電流値を調節する。
種付け工程では、ガス供給部70が、所定のガスをチャンバ14内に供給する。なお、種付け工程において供給するガスは、溶融工程と同じものであってもよいし異なるものであってもよい。
そして、引き上げ駆動部50は、保持部材41に取り付けられた種結晶210の下端が、るつぼ20内のアルミナ融液300と接触する位置まで引き上げ棒40を下降させて停止させる。その状態で、コイル電源90は、重量検出部110からの重量信号をもとに加熱コイル30に供給する高周波電流の電流値を調節する。
(肩部形成工程)
肩部形成工程では、コイル電源90が加熱コイル30に供給する高周波電流を調節したのち、アルミナ融液300の温度が安定するまでしばらくの間保持し、その後、引き上げ棒40を第1の回転速度で回転させながら第1の引き上げ速度にて引き上げる。
肩部形成工程では、コイル電源90が加熱コイル30に供給する高周波電流を調節したのち、アルミナ融液300の温度が安定するまでしばらくの間保持し、その後、引き上げ棒40を第1の回転速度で回転させながら第1の引き上げ速度にて引き上げる。
すると、種結晶210は、その下端部がアルミナ融液300に浸った状態で回転されつつ引き上げられることになり、種結晶210の下端には、鉛直下方に向かって拡開する肩部220が形成されていく。
なお、肩部220の直径が所望とするウエハの直径よりも数mm程度大きくなった時点で、肩部形成工程を完了する。
なお、肩部220の直径が所望とするウエハの直径よりも数mm程度大きくなった時点で、肩部形成工程を完了する。
(直胴部形成工程)
直胴部形成工程では、ガス供給部70が所定のガスをチャンバ14内に供給する。なお、直胴部形成工程において供給するガスは、肩部形成工程と同じものであってもよいし異なるものであってもよい。
また、コイル電源90は、引き続き加熱コイル30に高周波電流の供給を行い、るつぼ20を介してアルミナ融液300を加熱する。
さらに、引き上げ駆動部50は、引き上げ棒40を第2の引き上げ速度にて引き上げる。ここで第2の引き上げ速度は、肩部形成工程における第1の引き上げ速度と同じ速度であってもよいし、異なる速度であってもよい。
さらにまた、回転駆動部60は、引き上げ棒40を第2の回転速度で回転させる。ここで、第2の回転速度は、肩部形成工程における第1の回転速度と同じ速度であってもよいし、異なる速度であってもよい。
直胴部形成工程では、ガス供給部70が所定のガスをチャンバ14内に供給する。なお、直胴部形成工程において供給するガスは、肩部形成工程と同じものであってもよいし異なるものであってもよい。
また、コイル電源90は、引き続き加熱コイル30に高周波電流の供給を行い、るつぼ20を介してアルミナ融液300を加熱する。
さらに、引き上げ駆動部50は、引き上げ棒40を第2の引き上げ速度にて引き上げる。ここで第2の引き上げ速度は、肩部形成工程における第1の引き上げ速度と同じ速度であってもよいし、異なる速度であってもよい。
さらにまた、回転駆動部60は、引き上げ棒40を第2の回転速度で回転させる。ここで、第2の回転速度は、肩部形成工程における第1の回転速度と同じ速度であってもよいし、異なる速度であってもよい。
種結晶210と一体化した肩部220は、その下端部がアルミナ融液300に浸った状態で回転されつつ引き上げられることになるため、肩部220の下端部には、好ましくは円柱状の直胴部230が形成されていく。直胴部230は、所望とするウエハの直径以上の胴体であればよく、この例では、インゴット径Dingとなるように直胴部230の引き上げが行われる。
(尾部形成工程)
尾部形成工程では、ガス供給部70が所定のガスをチャンバ14内に供給する。なお、尾部形成工程において供給するガスは、直胴部形成工程と同じものであってもよいし異なるものであってもよい。
また、コイル電源90は、引き続き加熱コイル30に高周波電流の供給を行い、るつぼ20を介したアルミナ融液300を加熱する。
さらに、引き上げ駆動部50は、引き上げ棒40を第3の引き上げ速度にて引き上げる。ここで第3の引き上げ速度は、肩部形成工程における第1の引き上げ速度あるいは直胴部形成工程における第2の引き上げ速度と同じ速度であってもよいし、これらとは異なる速度であってもよい。
さらにまた、回転駆動部60は、引き上げ棒40を第3の回転速度で回転させる。ここで、第3の回転速度は、肩部形成工程における第1の回転速度あるいは直胴部形成工程における第2の回転速度と同じ速度であってもよいし、これらとは異なる速度であってもよい。
なお、尾部形成工程の序盤において、尾部240の下端は、アルミナ融液300と接触した状態を維持する。
そして、所定の時間が経過した尾部形成工程の終盤において、引き上げ駆動部50は、引き上げ棒40の引き上げ速度を増速させて引き上げ棒40をさらに上方に引き上げさせることにより、尾部240の下端をアルミナ融液300から引き離す。これにより、図2に示すサファイアインゴット200が得られる。
尾部形成工程では、ガス供給部70が所定のガスをチャンバ14内に供給する。なお、尾部形成工程において供給するガスは、直胴部形成工程と同じものであってもよいし異なるものであってもよい。
また、コイル電源90は、引き続き加熱コイル30に高周波電流の供給を行い、るつぼ20を介したアルミナ融液300を加熱する。
さらに、引き上げ駆動部50は、引き上げ棒40を第3の引き上げ速度にて引き上げる。ここで第3の引き上げ速度は、肩部形成工程における第1の引き上げ速度あるいは直胴部形成工程における第2の引き上げ速度と同じ速度であってもよいし、これらとは異なる速度であってもよい。
さらにまた、回転駆動部60は、引き上げ棒40を第3の回転速度で回転させる。ここで、第3の回転速度は、肩部形成工程における第1の回転速度あるいは直胴部形成工程における第2の回転速度と同じ速度であってもよいし、これらとは異なる速度であってもよい。
なお、尾部形成工程の序盤において、尾部240の下端は、アルミナ融液300と接触した状態を維持する。
そして、所定の時間が経過した尾部形成工程の終盤において、引き上げ駆動部50は、引き上げ棒40の引き上げ速度を増速させて引き上げ棒40をさらに上方に引き上げさせることにより、尾部240の下端をアルミナ融液300から引き離す。これにより、図2に示すサファイアインゴット200が得られる。
(冷却工程)
冷却工程では、ガス供給部70が所定のガスをチャンバ14内に供給する。なお、冷却工程において供給するガスは、尾部形成工程と同じものであってもよいし異なるものであってもよい。
また、コイル電源90は、加熱コイル30への高周波電流の供給を停止し、るつぼ20を介したアルミナ融液300の加熱を中止する。
さらに、引き上げ駆動部50は引き上げ棒40の引き上げを停止させ、回転駆動部60は引き上げ棒40の回転を停止させる。
このとき、るつぼ20内には、サファイアインゴット200を形成しなかった酸化アルミニウムがアルミナ融液300として少量残存している。このため、加熱の停止に伴ってるつぼ20中のアルミナ融液300は徐々に冷却され、酸化アルミニウムの融点を下回った後にるつぼ20中で固化し、酸化アルミニウムの固体となる。
そして、チャンバ14内が十分に冷却された状態で、チャンバ14内からサファイアインゴット200が取り出される。
冷却工程では、ガス供給部70が所定のガスをチャンバ14内に供給する。なお、冷却工程において供給するガスは、尾部形成工程と同じものであってもよいし異なるものであってもよい。
また、コイル電源90は、加熱コイル30への高周波電流の供給を停止し、るつぼ20を介したアルミナ融液300の加熱を中止する。
さらに、引き上げ駆動部50は引き上げ棒40の引き上げを停止させ、回転駆動部60は引き上げ棒40の回転を停止させる。
このとき、るつぼ20内には、サファイアインゴット200を形成しなかった酸化アルミニウムがアルミナ融液300として少量残存している。このため、加熱の停止に伴ってるつぼ20中のアルミナ融液300は徐々に冷却され、酸化アルミニウムの融点を下回った後にるつぼ20中で固化し、酸化アルミニウムの固体となる。
そして、チャンバ14内が十分に冷却された状態で、チャンバ14内からサファイアインゴット200が取り出される。
ところで、図1に示すような単結晶引き上げ装置1を用いたサファイアインゴット200の製造においては、るつぼ20内におけるアルミナ融液300の挙動がサファイア単結晶の成長に大きな影響を与える。
図7は、本実施の形態の単結晶引き上げ装置1を使用した場合におけるるつぼ20中のアルミナ融液300の挙動を説明するための図である。なお、以下の説明においては、るつぼ20内に収容されるアルミナ融液300のうち、るつぼ20の壁部22と対向する領域を第1の領域Aと呼び、るつぼ20の底部21の中央部と対向する領域を第2の領域Bと呼ぶことにする。
本実施の形態では、上述したように加熱コイル30を用いてるつぼ20の壁部22を誘導加熱している。このため、第1の領域Aに存在するアルミナ融液300が、壁部22を介して加熱されることになる。したがって、るつぼ20中のアルミナ融液300は、るつぼ20の周縁側では壁部22に沿って下方から上方に向かって加熱されながら移動し、最上位となる液面近傍ではるつぼ20の壁部22側から中央部側に向かって冷却されながら移動し、サファイアインゴット200の成長部位をかすめながらるつぼ20の中央部側を上方から下方に向かってさらに冷却されながら移動し、その後るつぼ20の底部21側においてるつぼ20の中央部側から壁部22側に向かって移動する、という挙動を示す(図中の矢印参照)。るつぼ20中のアルミナ融液300がこのような挙動を示す場合、引き上げられるサファイアインゴット200のうちアルミナ融液300と接する下方側の部位には、サファイアインゴット200の周縁側から中央側に向かって凸状となるように単結晶が成長していく。
これに対し、本実施の形態では、るつぼ20の底部21の下方であって、サファイアインゴット200の直胴部230の下方内側となる領域に筒状ヒータ16を配置し、加熱コイル30を用いて筒状ヒータ16を加熱し、筒状ヒータ16からの輻射によって、るつぼ20の底部21のうちサファイアインゴット200の直胴部230の直下となる部位を加熱している。このため、第1の領域Aに存在するアルミナ融液300に加えて、第2の領域Bに存在するアルミナ融液300も、底部21を介して加熱されることになる。このため、上述したようなるつぼ20内におけるアルミナ融液300の対流が緩和され、その結果、アルミナ融液300と接するサファイアインゴット200の下方側の部位においては、より平坦に近い状態で結晶成長が行われることになる。
また、図8は、図7に示す例と比較して支持台高さHS(図4参照)を低くすることにより、図7に示す例と比較してギャップG(図4参照)を大きくした単結晶引き上げ装置1を使用した場合におけるるつぼ20中のアルミナ融液300の挙動を説明するための図である。
このような構成を採用した場合、図7に示す例よりもギャップGが大きくなるため、その分だけ、筒状ヒータ16で発生した熱がるつぼ20の底部21に伝わりにくくなる。このため、図7に示す例と比較して、第2の領域Bに存在するアルミナ融液300が加熱されにくくなり、図中矢印で示するつぼ20内におけるアルミナ融液300の対流が促進されることになる。なお、筒状ヒータ16によって第2の領域Bに存在するアルミナ融液300が加熱されすぎると、るつぼ20内のアルミナ融液300は、図中矢印で示す方向とは逆方向に対流するようになり、その結果、アルミナ融液300と接するサファイアインゴット200の下方側の部位の形状が、凸状ではなく凹状となってしまうことがある(図2参照)。したがって、成長中のサファイアインゴット200の下方側の部位の形状を平坦状に近づけるべく、ギャップGの設定を行うことが好ましい。
図9は、比較のために、上述した筒状ヒータ16を設けることなく構成した単結晶引き上げ装置1におけるるつぼ20中のアルミナ融液300の挙動を説明するための図である。なお、図8においては、断熱容器11の上に貫通孔を有しない第1の支持台15を設置し、この第1の支持台15の上にるつぼ20を配置した例を示しているが、断熱容器11の上に直接るつぼ20を配置した場合も同じである。
図9に示す構成を採用した場合、筒状ヒータ16が設けられていないことから、るつぼ20内の第2の領域Bに存在するアルミナ融液300は加熱されない。一方、るつぼ20内の第1の領域Aに存在するアルミナ融液300は加熱されることから、図中矢印で示するつぼ20内におけるアルミナ融液300の対流が、図7および図8に示す例と比べてより促進されることになってしまう。このため、アルミナ融液300と接するサファイアインゴット200の下方側の部位における凸状の結晶成長が促進され、より凸となった状態で結晶成長が行われることになる。
図10は、比較のために、筒状ヒータ16を、るつぼ20の底部21の下方であって、サファイアインゴット200の直胴部230の下方外側となる領域に配置して構成した単結晶引き上げ装置1におけるるつぼ20中のアルミナ融液300の挙動を説明するための図である。
図10に示す構成を採用した場合、加熱コイル30によって加熱された筒状ヒータ16が、るつぼ20の底部21を加熱することから、図9に示す構成に比べて、第1の領域Aに存在するアルミナ融液300の温度と第2の領域Bに存在するアルミナ融液300との温度差が小さくなり、るつぼ20内におけるアルミナ融液300の対流が緩和される。しかし、図7や図8に示す例に比べて、るつぼ20の底部21の中央部分の加熱量が少ないため、アルミナ融液300の対流を緩和する効果は小さい。このため、アルミナ融液300と接するサファイアインゴット200の下方の部位の形状を、目的とする平坦な形状にすることは困難である。
以上説明したように、本実施の形態が適用される単結晶引き上げ装置1を用いることにより、アルミナ融液300と接するサファイアインゴット200の下方側の部位を、より平坦な形状に近づけた状態で結晶成長を行わせることができる。その結果、サファイアインゴット200の下方側の部位を凸状あるいは凹状とした状態で結晶成長を行わせた場合と比較して、得られるサファイアインゴット200における残留応力をより小さくすることが可能になる。したがって、得られたサファイアインゴット200に対して機械加工を施す際において、クラックの発生等を抑制することができ、精度よく加工することが可能になる。
また、アルミナ融液300と接するサファイアインゴット200の下方側の部位を、より平坦な形状に近づけた状態で結晶成長を行わせることにより、サファイアインゴット200の下方側の部位を凸状とした状態で結晶成長を行わせた場合と比較して、サファイアインゴット200における尾部240の尾部長さHT(図2参照)をより小さくすることが可能となる。また、サファイアインゴット200の下方側の部位を凹状とした状態で結晶成長を行わせた場合と比較して、サファイアインゴット200の末端側におけるえぐれ長さをより小さくすることが可能となる。その結果、同じ量のアルミナ融液300から、より直胴部230の長いサファイアインゴット200を得ることができる。
<実施の形態2>
図11は、本実施の形態が適用される単結晶引き上げ装置1の構成の一例を説明するための図である。図11に示す単結晶引き上げ装置1の基本構成は、実施の形態1で説明したものとほぼ同じであることから、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図11は、本実施の形態が適用される単結晶引き上げ装置1の構成の一例を説明するための図である。図11に示す単結晶引き上げ装置1の基本構成は、実施の形態1で説明したものとほぼ同じであることから、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
この単結晶引き上げ装置1は、チャンバ14の下方において断熱容器11およびチャンバ14を貫通して設けられ、上部側に第2の支持台17を固定した状態で保持する昇降棒18を備えている。なお、チャンバ14に設けられた貫通孔と昇降棒18との間には、図示しないシール材が設けられている。
また、単結晶引き上げ装置1は、昇降棒18を鉛直上方あるいは鉛直下方に移動させるための昇降駆動部120をさらに備えている。そして、この昇降駆動部120は、制御部100によって駆動制御されるようになっている。なお、本実施の形態では、第2の支持台17、昇降棒18および昇降駆動部120によって調整機構が構成されている。
また、単結晶引き上げ装置1は、昇降棒18を鉛直上方あるいは鉛直下方に移動させるための昇降駆動部120をさらに備えている。そして、この昇降駆動部120は、制御部100によって駆動制御されるようになっている。なお、本実施の形態では、第2の支持台17、昇降棒18および昇降駆動部120によって調整機構が構成されている。
本実施の形態では、筒状ヒータ16を積載する第2の支持台17を昇降自在に設けることで、サファイアインゴット200の結晶成長中においても、るつぼ20の底部21と筒状ヒータ16とのギャップGを調整することが可能となっている。このため、例えばサファイアインゴット200の肩部220、直胴部230および尾部240の各形成工程においてギャップGを変更するようにしたり、また、サファイアインゴット200の成長に伴うるつぼ20内のアルミナ融液300の残量の減少に伴ってギャップGを変更したり、さらには、るつぼ20内のアルミナ融液300の挙動すなわち対流の状態に応じてギャップGを変更したりすることができる。
これにより、1つのサファイアインゴット200を製造する間において、アルミナ融液300の温度制御およびアルミナ融液300の対流制御の精度を高めることが可能となり、残留応力が小さく、品質のよいサファイアインゴット200を製造することが可能になる。
なお、実施の形態1、2では、加熱コイル30を用いてるつぼ20の壁部22およびるつぼ20の下方に設けられた筒状ヒータ16を誘導加熱し、筒状ヒータ16の輻射熱によってるつぼ20の底部21を加熱するようにしていたが、これに限られるものではなく、るつぼ20の底部21および壁部22を、それぞれ異なる加熱装置(例えばコイル)によって加熱するように構成してもよい。
また、実施の形態1、2では、誘導加熱によってるつぼ20を直接あるいは間接的に加熱するようにしていたが、これに限られるものではなく、例えば抵抗加熱によってるつぼ20の底部21および壁部22を加熱するように構成してもかまわない。ただし、この場合においても、るつぼ20の底部については、引き上げられるサファイアインゴット200のインゴット径Dingの下方内側となる部位を加熱することが必要となる。
では次に、本発明の実施例について説明を行うが、本発明は実施例に限定されない。
本発明者は、図1(図7)に示す単結晶引き上げ装置1、図9に示す構成を有する単結晶引き上げ装置および図10に示す単結晶引き上げ装置を用いて、サファイアインゴット200の成長工程における各種製造条件、特にここでは筒状ヒータ16の有無および筒状ヒータ16のヒータ外径Doと製造対象となるサファイアインゴット200のインゴット径Dingとの関係を種々異ならせた状態でサファイアインゴット200の製造を行い、得られたサファイアインゴット200における残留応力の状態および尾部240の状態について検討を行った。
本発明者は、図1(図7)に示す単結晶引き上げ装置1、図9に示す構成を有する単結晶引き上げ装置および図10に示す単結晶引き上げ装置を用いて、サファイアインゴット200の成長工程における各種製造条件、特にここでは筒状ヒータ16の有無および筒状ヒータ16のヒータ外径Doと製造対象となるサファイアインゴット200のインゴット径Dingとの関係を種々異ならせた状態でサファイアインゴット200の製造を行い、得られたサファイアインゴット200における残留応力の状態および尾部240の状態について検討を行った。
図12は、実施例1〜12および比較例1〜8における各種製造条件と、各々の評価結果との関係を示している。なお、ここでは、サファイアインゴット200の成長速度を1〜3mm/hとし、成長時のサファイアインゴット200の回転数を5〜20rpmとした。
ここで、図12には、製造条件として、製造対象となるサファイアインゴット200のインゴット径Ding(mm)、サファイアインゴット200の結晶成長方向、筒状ヒータ16の有無、そして、筒状ヒータ16を設ける場合における筒状ヒータ16のヒータ外径Do(mm)を記載している。
また、図12には、評価結果として、得られたサファイアインゴット200の残留応力の状態をA〜Dの4ランクで、また、得られたサファイアインゴット200の尾部240の状態をA〜Dの4ランクで、それぞれ示している。なお、評価「A」は「良」、評価「B」はやや良、評価「C」は「やや不良」、そして評価「D」は「不良」を、それぞれ意味している。本実施例においては、評価「A」及び評価[B]を合格レベルとした。
ここで、サファイアインゴット200の残留応力については、得られたサファイアインゴット200の育成方向垂直断面を偏光観察にて評価し、偏光観察にて歪が観察されないものを「A」とし、偏光観察にて基板の一部に弱い歪が観察されるものを「B」とし、偏光観察にて基板の全体にわたり弱い歪が観察されるものを「C」とし、偏光観察にて強い歪の観察されるものあるいは傾角粒界の見られるものを「D」とした。
また、サファイアインゴット200の尾部240の状態については、尾部長さHTとインゴット径Dingとの比率P=(HT/Ding)で評価し、Pが 0.2≦P<0.4の範囲にある場合を「A」とし、0<P<0.2または0.4≦P<0.6の範囲にある場合を「B」とし、0.6≦P<1.0の範囲である場合を「C」とし、P≦0またはP≧1.0である場合を「D」とした。
そして、実施例1〜12では、残留応力および尾部240の状態に関し、いずれにおいても「A」または「B」となる結果が得られた。これに対し、比較例1〜8では、比較例5、6を除き、残留応力および尾部の状態のいずれかにおいて「C」または「D」となる結果が得られた。
以上より、筒状ヒータ16のヒータ外径Doをサファイアインゴット200のインゴット径Ding以下とすることによって、良好なサファイアインゴット200が得られることが理解される。
以上より、筒状ヒータ16のヒータ外径Doをサファイアインゴット200のインゴット径Ding以下とすることによって、良好なサファイアインゴット200が得られることが理解される。
また、図12より、a軸方向に結晶成長させたサファイアインゴット200については、実施例(実施例1〜3、7〜9)は勿論のこと、比較例(比較例1、2、5、6)においてもそれなりの評価結果が得られていることがわかる。これに対し、c軸方向に結晶成長させたサファイアインゴット200については、実施例(実施例4〜6、10〜12)では高い評価結果が得られているものの、比較例(比較例3、4、7、8)においては非常に低い評価結果が得られていることがわかる。
以上より、本発明の構成が、c軸方向に結晶成長させたサファイアインゴット200の製造において、特に有用であることが理解される。
以上より、本発明の構成が、c軸方向に結晶成長させたサファイアインゴット200の製造において、特に有用であることが理解される。
なお、実施例には記載していないが、筒状ヒータ16を備えた本発明の単結晶引き上げ装置1を、インゴット径Ding=150mm(6inch)のサファイアインゴット200の引き上げに適用した結果、上述した実施例と同様に好適な評価が得られた。
1…単結晶引き上げ装置、10…加熱炉、11…断熱容器、14…チャンバ、15…第1の支持台、16…筒状ヒータ、17…第2の支持台、20…るつぼ、30…加熱コイル、40…引き上げ棒、41…保持部材、50…引き上げ駆動部、60…回転駆動部、70…ガス供給部、80…排気部、90…コイル電源、100…制御部、110…重量検出部、200…サファイアインゴット、210…種結晶、220…肩部、230…直胴部、240…尾部、300…アルミナ融液、Do…ヒータ外径、Di…ヒータ内径、D1…るつぼ外径、D2…るつぼ内径、Ding…インゴット径、G…ギャップ
Claims (9)
- 底部および底部の周縁から立ち上がる壁部を有し、原料融液を収容するるつぼと、
前記るつぼの前記壁部の外側に巻き回され、交流電流の供給によって当該壁部を誘導加熱するコイルと、
前記るつぼの上方に配置され、当該るつぼに収容される前記原料融液から柱状の単結晶を引き上げる引き上げ部材と、
前記るつぼの前記底部の下方であって前記引き上げ部材にて引き上げられる前記柱状の単結晶の下方且つ内側に配置され、前記コイルによって誘導加熱されることにより当該底部を加熱する補助加熱部材と
を含む単結晶引き上げ装置。 - 前記補助加熱部材は、前記るつぼの前記底部と対向する側に貫通孔が形成された円筒状の形状を有していることを特徴とする請求項1記載の単結晶引き上げ装置。
- 前記るつぼおよび前記補助加熱部材が、イリジウム、イリジウムを含む合金、白金、あるいは白金を含む合金で構成されることを特徴とする請求項1または2記載の単結晶引き上げ装置。
- 前記るつぼは、前記原料融液としてアルミナ融液を収容し、
前記引き上げ部材は、前記るつぼに収容された前記アルミナ融液から柱状のサファイア単結晶を引き上げること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の単結晶引き上げ装置。 - 前記引き上げ部材は、前記るつぼに収容された前記アルミナ融液からc軸方向に成長させた前記柱状のサファイア単結晶を引き上げることを特徴とする請求項4記載の単結晶引き上げ装置。
- 前記補助加熱部材を昇降させることにより前記るつぼの前記底部と当該補助加熱部材との距離を調整する調整機構をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の単結晶引き上げ装置。
- 底部および底部の周縁から立ち上がる壁部を有するるつぼに収容された原料融液から、柱状の単結晶を引き上げる引き上げ手段と、
前記るつぼの前記壁部を加熱する第1の加熱手段と、
前記るつぼの前記底部のうち、前記引き上げ手段によって引き上げられる前記柱状の単結晶の下方且つ内側となる部位を加熱する第2の加熱手段と
を含む単結晶引き上げ装置。 - 前記引き上げ手段は、前記原料融液としてアルミナ融液が収容された前記るつぼから柱状のサファイア単結晶を引き上げることを特徴とする請求項7記載の単結晶引き上げ装置。
- 前記引き上げ手段は、前記るつぼに収容された前記アルミナ融液からc軸方向に成長させた前記柱状のサファイア単結晶を引き上げることを特徴とする請求項8記載の単結晶引き上げ装置。
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- 2009-06-29 JP JP2009154383A patent/JP2011006314A/ja not_active Abandoned
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