JP5239299B2 - サスペンション基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接続部と金めっき層との接触界面に生じる金属間化合物層の成長を抑制し、接続部の劣化を防止することができるサスペンション基板およびその製造方法に関する。
近年、インターネットの普及等によりパーソナルコンピュータの情報処理量の増大や情報処理速度の高速化が要求されてきており、それに伴って、パーソナルコンピュータに組み込まれているハードディスクドライブ(HDD)も大容量化や情報伝達速度の高速化が必要となってきている。そして、このHDDに用いられる磁気ヘッドを支持している磁気ヘッドサスペンションと呼ばれる部品も、従来の金ワイヤ等の信号線を接続するタイプから、ステンレスのばねに直接銅配線等の信号線が形成されている、いわゆるワイヤレスサスペンションと呼ばれる配線一体型のものに移行している。
このようなワイヤレスサスペンション(サスペンション基板)の配線等に用いられる導電層は、その機能上、幾つかの領域で他部材(被接続部材)と電気的な接続がなされる。具体的には、グランド端子領域では、導電層(グランド用導電層)と金属支持基板とが電気的に接続される。また、ジンバル領域では、サスペンション基板の導電層(配線部)と磁気ヘッドスライダー等の素子とが電気的に接続される。さらに、中継基板接続領域では、サスペンション基板の導電層(端子部)と中継基板の端子部とが電気的に接続される。
グランド端子領域における接続方法については、例えば特許文献1に、配線付きサスペンション上に配線とサスペンション基板とを短絡させるグランド端子を設けることが開示されている。そこでは、グランド端子の形成プロセスにおいて、アディティブ法を用いているため、ドライプロセスによる給電層形成工程、および電解めっき法による配線層形成工程を行っている。一方、ジンバル領域における接続方法については、例えば特許文献2において、磁気ヘッドとサスペンションとの間に導電性樹脂を用いて電気的接続を行うことが開示されている。
また、中継基板接続領域における接続方法については、例えば特許文献3に、サスペンション部材と、サスペンション部材を取り付けるための支持部材と、支持部材に取り付けられ、電気導体リードの遠端を電気的に接続する電気受容パット部材とを含むサスペンションシステムが開示されている。さらに、そこでは、電気導体リードの遠端と、電気受容パット部材とをはんだにより接続することが開示されている。
特開2006−12205公報 特開平8−111015号公報 特許第3063901号
グランド端子領域、ジンバル領域または中継基板接続領域に存在する導電層の材料としては、現在銅が多く用いられている。また、銅は腐食しやすいため、通常導電層には金めっきが施されている場合が多い。そのため、導電層と被接続部材とは、通常金めっきを介して電気的に接続される。ここで、接続部を、例えばSn−Ag−Cu系合金からなるはんだを用いて形成すると、金めっきのAuがはんだに拡散し、両者の接触界面において金属間化合物層が成長し、その結果、接続部にクラックが生じる等の問題がある。なお、この金属間化合物層の成長は、高温時に顕著に生じている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、接続部と金めっき層との接触界面に生じる金属間化合物層の成長を抑制し、接続部の劣化を防止することができるサスペンション基板を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、導電層と、上記導電層の表面に形成され、上記導電層の腐食を防止する金めっき層と、上記導電層および被接続部材を、上記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板であって、上記接続部が、Auを主成分とするAu−Sn系合金により形成されていることを特徴とするサスペンション基板を提供する。
本発明によれば、Auを主成分とするAu−Sn系合金を用いることにより、接続部と金めっき層との接触界面において金属間化合物層の成長を抑制することができる。これにより、例えば、抵抗が低く、耐久性の高いグランド端子を有するサスペンション基板を得ることができる。
上記発明においては、上記Au−Sn系合金のSn濃度が、15重量%〜37重量%の範囲内であることが好ましい。Au−Sn系合金の融点を低くすることができるからである。
上記発明においては、上記Au−Sn系合金のAu濃度が80重量%であり、かつ、Sn濃度が20重量%であることが好ましい。Au−Sn系合金の共晶点に該当し、融点が低いからである。
また、本発明においては、導電層と、上記導電層の表面に形成され、上記導電層の腐食を防止する金めっき層と、上記導電層および被接続部材を、上記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板であって、上記接続部が、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金により形成されていることを特徴とするサスペンション基板を提供する。
本発明によれば、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金を用いることにより、接続部と金めっき層との接触界面に金属間化合物層が成長することを抑制することができる。これにより、例えば、抵抗が低く、耐久性の高いグランド端子を有するサスペンション基板を得ることができる。
上記発明においては、上記接続領域がグランド端子領域であり、上記接続部が、絶縁層の開口部を介して、上記導電層と、上記被接続部材である金属支持基板とを電気的に接続していることが好ましい。導電層(グランド用導電層)と、中継基板の端子部とを良好に接続できるからである。
上記発明においては、上記導電層が開口部を有し、上記接続部が、上記導電層および上記絶縁層の開口部から露出する上記金属支持基板と、上記導電層とを電気的に接続していることが好ましい。汎用的な構造だからである。
上記発明においては、上記金属支持基板が開口部を有し、上記接続部が、上記金属支持基板および上記絶縁層の開口部から露出する上記導電層と、上記金属支持基板とを電気的に接続していることが好ましい。上記導電層上の金めっき層とはんだとの濡れ性が優れており、フラックスの塗布等の前処理が不要だからである。
上記発明においては、上記接続領域がジンバル領域であり、上記接続部が、上記導電層と、上記被接続部材である素子とを電気的に接続していることが好ましい。サスペンション基板の導電層(配線部)と、磁気ヘッドを有する素子とを良好に接続できるからである。
上記発明においては、上記素子が、磁気ヘッドスライダーまたはアクチュエーターであることが好ましい。汎用的に用いられているからである。
上記発明においては、上記接続領域が中継基板接続領域であり、上記接続部が、上記導電層と、上記被接続部材である中継基板の端子部とを電気的に接続していることが好ましい。サスペンション基板の導電層(端子部)と、中継基板の端子部とを良好に接続できるからである。
また、本発明においては、導電層と、上記導電層の表面に形成され、上記導電層の腐食を防止する金めっき層と、上記導電層および被接続部材を、上記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板の製造方法であって、Auを主成分とするAu−Sn系合金を溶融した状態で滴下することにより、上記接続部を形成する接続部形成工程を有することを特徴とするサスペンション基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、例えば共晶組成であるAu80%−Sn20%合金を用いることにより、比較的低い温度で合金を溶融させることができ、効率よく接続部を形成することができる。
また、本発明においては、導電層と、上記導電層の表面に形成され、上記導電層の腐食を防止する金めっき層と、上記導電層および被接続部材を、上記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板の製造方法であって、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金を溶融した状態で滴下することにより、上記接続部を形成する接続部形成工程を有することを特徴とするサスペンション基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金を用いることにより、比較的低い温度で合金を溶融させることができ、効率良く接続部を形成することができる。
また、本発明においては、導電層と、上記導電層の表面に形成され、上記導電層の腐食を防止する金めっき層と、上記導電層および被接続部材を、上記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板であって、上記金めっき層の厚さが、0.5μm以下であることを特徴とするサスペンション基板を提供する。
本発明によれば、金めっき層の厚さを特定の範囲以下とすることにより、接続部と金めっき層との接触界面に金属間化合物層が成長することを抑制することができる。これにより、例えば、抵抗が低く、耐久性の高いグランド端子を有するサスペンション基板を得ることができる。
本発明においては、接続部と金めっき層との接触界面に生じる金属間化合物層の成長を抑制し、接続部の劣化を防止することができるという効果を奏する。
以下、本発明のサスペンション基板およびその製造方法について詳細に説明する。
A.サスペンション基板
まず、本発明のサスペンション基板について説明する。本発明のサスペンション基板は、3つの実施態様に大別することができる。以下、本発明のサスペンション基板について、第一実施態様〜第三実施態様に分けて説明する。
1.第一実施態様
まず、本発明のサスペンション基板の第一実施態様について説明する。本実施態様のサスペンション基板は、導電層と、上記導電層の表面に形成され、上記導電層の腐食を防止する金めっき層と、上記導電層および被接続部材を、上記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板であって、上記接続部が、Auを主成分とするAu−Sn系合金により形成されていることを特徴とするものである。
本実施態様によれば、Auを主成分とするAu−Sn系合金を用いることにより、接続部と金めっき層との接触界面において金属間化合物層の成長を抑制することができる。これにより、例えば、抵抗が低く、耐久性の高いグランド端子を有するサスペンション基板を得ることができる。また、本実施態様においては、Auを主成分とする合金を用いることにより、金めっき層のAuが、接続部に拡散することを抑制することができる。これは、接続部を形成する合金に予めAuを含有させているため、金めっき層のAuが、接続部に拡散しにくくなることに起因すると考えられる。また、Auを主成分とするAu−Sn系合金は、その組成を適宜選択することにより、融点を低くすることができる。そのため、接続部の形成が容易であるという利点を有する。
図1は、一般的なサスペンション基板の全体像を示す概略平面図である。図1に示されるサスペンション基板は、一方の先端には磁気ヘッドを実装するためのジンバル部21を有し、他方の先端には中継基板との接続を行うための中継基板接続部22を有し、さらに、ジンバル部21および中継基板接続部22を接続するための配線23(配線23a〜23d)を有している。配線23aおよび23b、並びに配線23cおよび23dがそれぞれ配線対を形成し、一方が記録用であり、他方が再生用である。本実施態様のサスペンション基板の基本構造も基本的には同様である。
図2は、本実施態様のサスペンション基板の一例を説明する概略平面図であり、より具体的には、磁気ヘッドスライダー等が搭載される先端部を拡大して示す概略平面図である。図2に示されるサスペンション基板は、バネ性を有する金属支持基板1としてのSUS上に、絶縁層2としてのポリイミドを介して、Cuからなる導電層3(グランド用導電層3a、配線部3b)が形成された構造を有している。なお、図2に示される領域Aは、本実施態様におけるグランド端子領域の一例である。また、図2に示される領域Bは、本実施態様におけるジンバル領域(素子―サスペンション基板接続の領域)の一例である。
次に、図2に示される領域A(グランド端子領域)について説明する。図3は、図2のX−X断面図である。図3に示されるサスペンション基板は、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成され、金属支持基板1が露出する開口部6を有する絶縁層2と、絶縁層2上に形成され、かつ、開口部6近傍に配置された導電層3(グランド用導電層3a)と、導電層3の表面に形成され、導電層3の腐食を防止する金めっき層4と、絶縁層2の開口部6において、導電層3および金属支持基板1を、金めっき層4を介して電気的に接続する接続部5(グランド端子5a)と、を有するグランド端子領域を備えたものである。本実施態様においては、接続部5が、Auを主成分とするAu−Sn系合金により形成されていることを特徴とする。
また、例えばSn−Ag−Cu系合金からなるはんだを用いて接続部を形成した後、高温雰囲気に長時間放置されると、図4に示すように、金めっき層4のAuが、接続部5(グランド端子5a)に拡散することにより、金めっき層4および接続部5の接触界面において、金属間化合物層7が成長する。その影響によって接続部5にクラックが生じる等の問題がある。これに対して、本実施態様においては、Auを主成分とするAu−Sn系合金を用いることにより、金属間化合物層の成長を抑制することができ、抵抗値の増加を抑制することができる。
以下、本実施態様のサスペンション基板について、サスペンション基板の部材、およびサスペンション基板の構成に分けて説明する。
(1)サスペンション基板の部材
本実施態様のサスペンション基板は、通常、金属支持基板、絶縁層、導電層、金めっき層、カバー層等を有する。以下、部材ごとに詳細に説明する。
(i)接続部
本実施態様に用いられる接続部は、導電層および被接続部材を電気的に接続するものである。さらに、本実施態様においては、Auを主成分とするAu−Sn系合金により、接続部を形成する。本実施態様において「Auを主成分とする」とは、合金を構成する成分の中で、Auの成分が最も多いことをいう。上記のAu−Sn系合金は、通常AuおよびSnの二成分系の合金であることを考慮すると、Au−Sn系合金のAu濃度は、通常50重量%以上である。
Au−Sn系合金のSn濃度としては、金属間化合物層の成長を抑制可能な接続部を得ることができれば特に限定されるものではないが、通常50重量%未満であり、中でも15重量%〜37重量%の範囲内にあることが好ましい。Sn濃度が高すぎると、金属間化合物層の成長を抑制することが困難になり、Sn濃度が低すぎると、Au−Sn系合金の融点が高くなるからである。なお、図5はAu−Sn系合金の合金状態図である。図5に示されるように、Au−Sn系合金のSn濃度が、上記の範囲内にあれば、融点が充分に低い合金とすることが可能である。なお、Au−Sn系合金の融点が低ければ、後述するサスペンション基板の製造方法に記載するように、接続部の形成が容易になるという利点を有する。特に、本実施態様においては、Au−Sn系合金のAu濃度が80重量%であり、かつ、Sn濃度が20重量%であることが好ましい。共晶点に該当し、融点を278℃にすることができるからである。
接続部の抵抗値としては、特に限定されるものではないが、例えば、5Ω以下、中でも1Ω以下、特に0.5Ω以下であることが好ましい。
(ii)導電層および金めっき層
次に、本実施態様に用いられる導電層および金めっき層について説明する。本実施態様に用いられる導電層は、通常、絶縁層上に形成されるものである。また、本実施態様に用いられる金めっき層は、導電層の表面に形成され、導電層の腐食を防止するものである。
導電層の材料としては、良好な導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅(Cu)等を挙げることができる。また、導電層の厚さとしては、接続領域の種類によって異なるものであるが、通常6μm〜18μmの範囲内であり、中でも8μm〜12μmの範囲内であることが好ましい。
一方、金めっき層は、導電層が外気に露出することを防止するために設けられる層である。本実施態様においては、接続部がAuを主成分とするAu−Sn系合金により形成されているため、金めっき層からAuが拡散することを効果的に防止することができる。そのため、金めっき層の厚さは比較的任意に設定することができる。金めっき層の厚さは、通常0.1μm〜4.0μmの範囲内であり、中でも0.2μm〜3.0μmの範囲内であることが好ましい。また、本実施態様においては、導電層および金めっき層の間にNiめっき層を有していても良い。Niめっき層の厚さは、一般的なサスペンション基板におけるNiめっき層の厚さと同様である。
(iii)その他の部材
本実施態様のサスペンション基板は、上記の部材の他に、通常、絶縁層、金属支持基板およびカバー層を有する。
(絶縁層)
本実施態様に用いられる絶縁層は、金属支持基板および導電層の間に形成されるものである。絶縁層の材料としては、所望の絶縁性を発揮することができれば、特に限定されるものではないが、例えばポリイミド(PI)等を挙げることができる。絶縁層の厚さは、通常5μm〜10μmの範囲内である。
(金属支持基板)
本実施態様に用いられる金属支持基板は、上記の絶縁層等を支持するものである。金属支持基板は、通常、適度なばね性および導電性を有している。金属支持基板の材料としては、例えばSUS等を挙げることができる。また、金属支持基板の厚さとしては、金属支持基板の材料等により異なるが、通常10μm〜20μmの範囲内である。
(カバー層)
本実施態様におけるカバー層は、露出する絶縁層等を保護するものである。カバー層の材料としては、例えばポリイミド樹脂、エポキシ系樹脂等を挙げることができる。また、カバー層の材料は、感光性樹脂であっても良く、非感光性樹脂であっても良い。カバー層の厚さとしては、特に限定されるものではないが、通常5μm〜30μmの範囲内であり、中でも5μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。
(2)サスペンション基板の構成
次に、本実施態様のサスペンション基板の構成について説明する。本実施態様における「接続領域」は、グランド端子領域、ジンバル領域および中継基板接続領域に大別することができる。以下それぞれの構成について詳細に説明する。
(i)接続領域がグランド端子領域である場合
本実施態様における接続領域がグランド端子領域である場合、接続部はグランド端子に該当し、被接続部材は金属支持基板に該当し、導電層はグランド用導電層に該当する。すなわち、接続領域がグランド端子領域である場合は、接続部(グランド端子)が、絶縁層の開口部を介して、導電層(グランド用導電層)と、被接続部材(金属支持基板)とを電気的に接続する。なお、グランド用導電層は、その形状に応じて、通常グランドパットまたはグランドラインと呼ばれる。
本実施態様においては、図6(a)に示すように、グランド端子5aが凸部形状を有していることが好ましい。このような形状のグランド端子は、例えば、溶融した合金を開口部に滴下する方法によって形成することができ、この方法は低コスト化や工程の簡略化を図ることが容易だからである。通常、溶融した合金を開口部に滴下すると、着弾後に、溶融した合金がフローするため、着弾地点を頂点とする凸部形状が形成される。別の表現で表すと、上記接続部(グランド端子)は、Auを主成分とするAu−Sn系合金を溶融した状態で滴下することにより形成されたものであることが好ましい。一方、グランド端子をめっき法により形成すると、図6(b)に示すように、グランド端子5aの形状は、開口部6の中心付近に凹部を有するものとなる。
グランド端子領域を形成する位置としては、グランド端子が、グランド用導電層と金属支持基板とを電気的に接続することができる位置であれば特に限定されるものではない。上述した図2に示すように、磁気ヘッドスライダー等が搭載される、サスペンション基板の先端部に設けても良く、図7に示すように、サスペンション基板の先端部以外の部分に設けても良い。図7においては、ライン状のグランド用導電層3a(グランドライン)が、複数の配線部3bの間に形成されている。
上記絶縁層は、グランド端子を形成するための開口部を有する。グランド端子を形成するためには、グランド用導電層および金属支持基板の少なくとも一方が、さらに開口部を有する必要がある。本実施態様においては、グランド用導電層が開口部を有するものであっても良く、金属支持基板が開口部を有するものであっても良い。グランド用導電層が開口部を有する場合は、言い換えると、導電層(グランド用導電層)が開口部を有し、接続部(グランド端子)が、導電層および絶縁層の開口部から露出する金属支持基板と、導電層とを電気的に接続している状態である。具体的には、図8(a)に示されるように、グランド端子5aが、グランド用導電層3aおよび絶縁層2の開口部6から露出する金属支持基板1と、グランド用導電層3aとを電気的に接続している状態である。
一方、金属支持基板が開口部を有する場合は、言い換えると、金属支持基板が開口部を有し、接続部(グランド端子)が、金属支持基板および絶縁層の開口部から露出する導電層(グランド用導電層)と、金属支持基板とを電気的に接続している状態である。具体的には、図8(b)に示すように、グランド端子5aが、金属支持基板1および絶縁層2の開口部から露出するグランド用導電層3aと、金属支持基板1とを電気的に接続している状態である。なお、金めっき層4は、露出するグランド用導電層3aの表面に形成される。このように、金属支持基板が開口部を有する場合は、溶融したAu−Sn系合金を開口部に滴下する方法により容易に接続部を形成することができるという利点を有する。さらに、この方法は、濡れ性の良い金めっき層上に、直接溶融したAu−Sn系合金を滴下するため、接触不良の少ない接続部を形成することができる。一方、上述した図8(a)のようなサスペンション基板を形成する場合、SUS等の金属支持基板上に、溶融したAu−Sn系合金を滴下する方法があるが、その際、合金を滴下する直前にSUS表面の酸化物等を除去するために、フラックス処理や各種洗浄を行う必要がある。これに対して、上記の方法は、対象金属(金めっき層)との濡れ性の良いAu−Sn系合金を溶融させて滴下するため、フラックス処理や各種洗浄を行う必要がなく、生産性を向上させることができるという利点を有する。
また、本実施態様においては、グランド端子が、絶縁層の開口部の端部で囲まれた領域の内部のみに形成されていることが好ましい。開口部近傍に配置されたグランド用導電層を小型化することができ、省スペースや軽量化を図ることができるからである。また、軽量化を図ることができれば、金属支持基板の薄型化を図ることも可能となる。具体的には、図9(a)に示すように、グランド用導電層3aが開口部を有し、グランド端子5aが、絶縁層2の開口部6の端部で囲まれた領域の内部のみに形成されたもの等を挙げることができる。なお、本実施態様においては、図9(b)に示すように、グランド用導電層3aが、絶縁層2の開口部6よりも小さい開口を有するものであっても良い。また同様に、図9(c)に示すように、金属支持基板1が開口部を有し、グランド端子5aが、絶縁層2の開口部6の端部で囲まれた領域の内部のみに形成されたもの等を挙げることができる。なお、本実施態様においては、図9(d)に示すように、金属支持基板1が、絶縁層2の開口部6よりも小さい開口を有するものであっても良い。また、接合信頼性を向上させる観点からは、接続部が絶縁層の開口部を満たすように形成されていることが好ましい。一方、軽量化の観点からは、接続部が絶縁層の開口部を一部満たさないように形成されていても良い。このような接続部の形成方法としては、例えば、後述する「B.サスペンション基板の製造方法」に記載するように、合金を溶融した状態で絶縁層の開口部に滴下する際に、溶融した合金の径を、絶縁層の開口部の径よりも小さくする方法等を挙げることができる。
また、絶縁層の開口部の形状としては、接続部が金属支持基板とグランド用導電層とを電気的に接続できる形状であれば特に限定されるものではないが、例えば、円状;楕円状;四角形、五角形等の任意の多角形状、櫛状、十字状および棒状等を挙げることができる。なお、絶縁層の開口部の形状としては円状が一般的であり、その場合、直径は通常50μm〜300μmの範囲内である。グランド用導電層または金属支持基板の開口部についても同様である。本実施態様においては、グランド用導電層または金属支持基板が、絶縁層の開口部よりも小さい開口部を有していても良く、絶縁層の開口部と同じ大きさの開口部を有していても良く、絶縁層の開口部よりも大きい開口部を有していても良い。
本実施態様に用いられるグランド用導電層は、絶縁層上に形成され、かつ、絶縁層の開口部近傍に配置されるものである。なお「開口部近傍」とは、グランド端子を介して、実質的に開口部と接地することができる位置をいう。例えば、絶縁層の開口部の端部から50μmの範囲内の領域をいう。
上記グランド用導電層の形状は、グランド端子を介して、金属支持基板と導通することができる形状であれば特に限定されるものではなく、任意の形状に設定することができる。通常、上記グランド用導電層は、平面視上、絶縁層の開口部を囲むように形成される。例えば、図10に示すように、グランド用導電層3aが、平面視上、絶縁層2に形成された開口部6を囲むように形成される。
なお上記のように、グランド用導電層が、平面視上、開口部を囲むように形成される場合であって、かつ、後述するように、低融点の合金を溶融させ、開口部に滴下することによりグランド端子を形成する場合には、滴下の際にエアの逃げ場が無くなり、エア溜りが発生し、その結果、グランド端子と金属支持基板との接触が不充分になる可能性がある。具体的には、図11に示すように、エア溜り8が発生し、グランド端子5aと金属支持基板1との接触が不充分になる可能性がある。
そのため、上記のような場合は、グランド用導電層および絶縁層の少なくとも一方が、グランド端子を形成する際に生じるエア溜りを抑制するエアベント部を有していることが好ましい。エア溜りの発生を抑制することで、グランド端子と金属支持基板との接触面積を充分に大きくすることができるからである。エアベント部を有するグランド用導電層の一例としては、例えば図12(a)に示すように、エアベント部9を有するグランド用導電層3a等を挙げることができる。本実施態様においては、グランド用導電層3aのみがエアベント部9を有していても良く(図12(a))、グランド用導電層3aおよび絶縁層2の両方がエアベント部9を有しても良い(図12(b))。なお、グランド用導電層が銅からなる場合は、20μm〜50μm程度のエアベント部を設けることができる。また、グランド用導電層または絶縁層は、複数のエアベント部を有していても良い。
本実施態様においては、上記グランド用導電層を、平面視上、絶縁層の開口部を囲むように形成しなくても良い。具体的には、図13(a)に示すように、グランド用導電層3aを、単に絶縁層2の開口部6の近傍に形成した場合であっても良い。すなわち、開口部近傍でのグランド用導電層の形状はライン状であっても良い。このような場合であっても、図13(b)に示すように、グランド端子5aは、グランド用導電層3aと金属支持基板1とを充分に導通させることができる。この場合、グランド用導電層または絶縁層に、上述したエアベント部を設ける必要はない。また、図14(a)に示すように、複数のライン状のグランド用導電層3aが、絶縁層2の開口部6の近傍に形成されていても良い。これにより、接合信頼性を向上させることができる。一方、図14(b)に示すように、平面視上、絶縁層2の開口部6と側部で接するように、ライン状のグランド用導電層3aを形成しても良い。これにより、開口部の位置の設計自由度を向上させることができる。
本実施態様においては、後述するように、絶縁層の開口部に合金を溶融した状態で滴下することにより、金属支持基板およびグランド用導電層に接触するグランド端子を形成することができる。この場合、従来のめっき法等でグランド端子を形成する方法と比較して、グランド用導電層を小型化することができ、省スペースや軽量化を図ることができる。なお、絶縁層の劣化を防止するという観点からは、グランド端子と絶縁層とが接触しないように、グランド用導電層を形成することが好ましい。ここで、図15に示すように、グランド用導電層3aの開口部6側の端部と、開口部6から離れた側の端部との距離を、距離Cとする。本実施態様においては、上記の方法を用いてグランド端子を形成する場合は、従来のめっき法等と比較してグランド用導電層を小型化することができる。この場合、距離Cを75μm以下、中でも50μm以下とすることが可能である。
さらに、本実施態様においては、後述するように、合金を溶融した状態で絶縁層の開口部に滴下する際に、溶融した合金の径を、絶縁層の開口部の径よりも小さくすることが好ましい。開口部近傍に配置されたグランド用導電層をさらに小型化することができるからである。この場合、距離Cを40μm以下、中でも30μm以下とすることが可能である。一方、距離Cは、グランド用導電層の機械的強度を確保する観点から、通常20μm以上である。
本実施態様のサスペンション基板は、通常、絶縁層上にカバー層を有する。本実施態様においては、図16(a)に示すように、グランド用導電層3aの一部を覆うように、カバー層11が形成されていても良く、図16(b)に示すように、グランド用導電層3aを覆わず、グランド用導電層3aに隣接するようにカバー層11が形成されていても良く、図16(c)に示すように、グランド用導電層3aを覆わず、グランド用導電層3aと所定の間隔を空けてカバー層11が形成されていても良い。
図17は、本実施態様におけるグランド端子周辺の構造を例示する概略平面図である。図17(a)は、カバー層11がグランド用導電層3aを覆わないNSMD型のグランド端子5aを示し、グランド用導電層3aの開口に沿ってグランド端子5aが形成される。図17(b)は、カバー層11がグランド用導電層3aの一部を覆うSMD型のグランド端子5aを示し、エアベント部9、カバー層11および絶縁層用カバー層11´を有するものである。この場合、カバー層11の開口に沿ってグランド端子5aが形成される。図17(c)は、カバー層11がグランド用導電層3aの一部を覆うSMD型のグランド端子5aを示し、ライン状のグランド用導電層3aを有するものである。この場合、カバー層11の開口に沿ってグランド端子5aが形成される。図17(d)は、カバー層11がグランド用導電層3aの一部を覆わないNSMD型のグランド端子5aを示し、エアベント部9を有するものである。この場合、グランド用導電層3aの開口に沿ってグランド端子5aが形成される。
(ii)接続領域がジンバル領域である場合
本実施態様における接続領域がジンバル領域である場合、被接続部材は、素子に該当し、導電層は配線部に該当する。すなわち、接続領域がジンバル領域である場合は、接続部が、導電層と、被接続部材である素子とを電気的に接続する。なお、ジンバル領域において電気的な接続を行う場合、サスペンション基板が、サスペンション基板の他に、磁気ヘッドスライダー等の素子を備えることになる。このような場合であっても、本実施態様においては、サスペンション基板と称することにする。すなわち、接続領域がジンバル領域である場合、本実施態様のサスペンション基板は、素子を備えた構成をも包含するものである。
図18は、本実施態様のサスペンション基板の一例を説明する概略平面図であり、より具体的には、磁気ヘッドスライダー等の素子が搭載される先端部を拡大して示す概略平面図である。図18に示されたサスペンション基板は、バネ性を有する金属支持基板1としてのSUS上に、絶縁層2としてのポリイミドを介して、Cuからなる導電層3(配線部3b)が形成された構造を有している。さらに、接続部5は、導電層3(配線部3b)と、素子20とを金めっき層4を介して電気的に接続している。
図19は、図18のY−Y断面図である。図19に示されるサスペンション基板は、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された導電層3(配線部3b)と、導電層3の表面に形成され、導電層3の腐食を防止する金めっき層4と、導電層3および素子20を、金めっき層4を介して電気的に接続する接続部5と、を有するジンバル領域を備えたものである。本実施態様においては、接続部5が、Auを主成分とするAu−Sn系合金により形成されていることを特徴とする。
本実施態様に用いられる素子としては、具体的には、磁気ヘッドスライダーおよびアクチュエーター等を挙げることができる。また、上記アクチュエーターは、磁気ヘッドを有するものであっても良く、磁気ヘッドを有しないものであっても良い。ジンバル領域における接続部の形成方法としては、溶融した合金(はんだ)を滴下する方法(Solder Bump Bonding、SBB)等を挙げることができる。
(iii)接続領域が中継基板接続領域である場合
本実施態様における接続領域が中継基板接続領域である場合、被接続部材は中継基板の端子部に該当し、導電層はサスペンション基板の端子部に該当する。すなわち、接続領域が中継基板接続領域である場合は、接続部が、導電層と、被接続部材である中継基板の端子部とを電気的に接続する。なお、中継基板接続領域において電気的な接続を行う場合、サスペンション基板が、サスペンション基板の他に、中継基板およびその他の部材を備えることになる。このような場合であっても、本実施態様においては、サスペンション基板と称することにする。すなわち、接続領域が中継基板接続領域である場合、本実施態様のサスペンション基板は、中継基板およびその他の部材を備えた構成をも包含するものである。
図20は、本実施態様のサスペンション基板の一例を説明する概略断面図であり、より具体的には、中継基板接続領域を拡大した概略断面図である。図20においては、中継基板30が、絶縁層32、端子部33、金めっき層34、カバー層35を有している。一方、サスペンション基板12は、フライングリード3cと、その周囲を被覆する金めっき層4とを有している。ここでは、接続部5が、サスペンション基板12のフライングリード3cと、中継基板30の端子部33とを、金めっき層4および34を介して電気的に接続している。一方、中継基板領域における接続方法としては、サスペンション基板と、中継基板とを直角に接続する方法がある。具体的には、図21に示されるように、サスペンション基板12の導電層3と、中継基板の端子部33とが直角になるように接続する方法がある。
2.第二実施態様
次に、本実施態様のサスペンション基板の第二実施態様について説明する。本実施態様のサスペンション基板は、導電層と、上記導電層の表面に形成され、上記導電層の腐食を防止する金めっき層と、上記導電層および被接続部材を、上記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板であって、上記接続部が、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金により形成されていることを特徴とするものである。
本実施態様によれば、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金を用いることにより、接続部と金めっき層との接触界面に金属間化合物層が成長することを抑制することができる。これにより、例えば、抵抗が低く、耐久性の高いグランド端子を有するサスペンション基板を得ることができる。また、本実施態様においては、Auを主成分とする合金を用いることにより、金めっき層のAuが、接続部に拡散することを抑制することができる。これは、接続部を形成する合金に予めAuを含有させているため、金めっき層のAuが、接続部に拡散しにくくなることに起因すると考えられる。また、本実施態様に用いられる合金は、融点が低いことから、接続部の形成が容易であるという利点を有する。
なお、本実施態様のサスペンション基板は、接続部が、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金により形成されていること以外は、上記の「1.第一実施態様」に記載されている内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本実施態様に用いられる合金について説明する。
本実施態様においては、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金により、接続部を形成する。本実施態様において「Auを主成分とする」とは、合金を構成する成分の中で、Auの成分が最も多いことをいう。実施態様に用いられる合金は、Auを主成分とし、融点が450℃以下であれば、二成分系であっても良く、三成分系以上であっても良い。上記合金におけるAu濃度は、合金の融点が低くなるように適宜選択することが好ましい。
本実施態様に用いられる合金の融点は、通常450℃以下であるが、中でも350℃以下、特に250℃以下であることが好ましい。合金の融点が低ければ、金属の溶融が容易となり、簡便に接続部を形成することができるからである。
本実施態様において「融点」とは、一定圧力のもとで固相状態の物質が液相と平衡を保つときの温度をいい、融解点ともいう。なお、2種以上の成分で共晶組成(2成分以上を含む液体から、同時に晶出する2種以上の結晶の混合物)の場合、融点は凝固点(液体が固体化する温度)と一致する。また、平衡を保って共存する2種以上の成分からなる共晶組成ではない合金の場合、平衡を保って共存する2種以上の成分からなる液体および固体の組成と、温度すなわち融点との関係を表わす状態図を見た場合、縦軸に温度(融点)、横軸に組成(成分の割合)をとって、液相と固相とが平衡を保つ温度を液相の組成について描くと液相線(liquidus)が得られるが、ここでの液相点のことを融点とする。また、合金の融点の下限は、常温(25℃)で固体であれば特に限定されるものではないが、通常100℃以上である。
上記金属の融点は、JIS Z3198−1に準拠し、示差熱分析(DTA)もしくは示差走査熱量測定(DSC)により測定することができる。熱分析装置としては、例えばリガク社製DSC8230、TG8120等を挙げることができる。
上記合金の種類としては、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金であれば特に限定されるものではないが、Au−Bi系合金、Au−Cd系合金、Au−Ga系合金、Au−Ge系合金、Au−Hg系合金、Au−In系合金、Au−Na系合金、Au−Pb系合金、Au−Sb系合金、Au−Si系合金、Au−Sn系合金、Au−Te系合金、Au−Ti系合金等を挙げることができる。なお、ここで示した合金は、二成分系に限定されるものではなく、最低限含まれる成分を示したものであり、三成分系以上の合金であっても良い。ただし、融点の挙動が判断しやすいという観点からは、上記合金が二成分系であることが好ましい。
本実施態様においては、上記合金が、鉛を含有しないことが好ましい。環境負荷を低減することができるからである。具体的には、上記合金が、Au−Bi系合金、Au−In系合金、Au−Sn系合金、またはAu−Sb系合金であることが好ましい。特に、本実施態様においては、上記合金が、Au−Sn系合金であることが好ましい。融点の低い合金を得ることができるからである。
3.第三実施態様
次に、本実施態様のサスペンション基板の第三実施態様について説明する。本実施態様のサスペンション基板は、導電層と、上記導電層の表面に形成され、上記導電層の腐食を防止する金めっき層と、上記導電層および被接続部材を、上記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板であって、上記金めっき層の厚さが、0.5μm以下であることを特徴とするものである。
本実施態様によれば、金めっき層の厚さを特定の範囲以下とすることにより、接続部と金めっき層との接触界面に金属間化合物層が成長することを抑制することができる。これにより、例えば、抵抗が低く、耐久性の高いグランド端子を有するサスペンション基板を得ることができる。
上記金めっき層の厚さは、通常0.5μm以下であるが、中でも0.4μm以下、特に0.3μm以下であることが好ましい。上記範囲であれば、Auが接続部に拡散して金属間化合物層が成長することをさらに抑制することができるからである。一方、上記めっき層の厚さは、例えば0.05μm以上、中でも0.1μm以上であることが好ましい。上記範囲であれば、導電層を腐食から保護することができるからである。
また、本実施態様に用いられる接続部は、合金により形成されていることが好ましい。中でも、本実施態様においては、接続部が、Auを主成分とするAu−Sn系合金、またはAuを主成分とし、融点が450℃以下の合金により形成されていることが好ましい。これらの合金については、上述した「1.第一実施態様」および「2.第二実施態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、本実施態様における「接続領域」は、例えばグランド端子領域、ジンバル領域または中継基板接続領域であることが好ましい。これらの領域については、上述した「1.第一実施態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
B.サスペンション基板の製造方法
次に、本発明のサスペンション基板の製造方法について説明する。本発明のサスペンション基板の製造方法は、2つの実施態様に大別することができる。以下、本発明のサスペンション基板の製造方法について、第一実施態様および第二実施態様に分けて説明する。
1.第一実施態様
まず、本発明のサスペンション基板の製造方法の第一実施態様について説明する。本実施態様のサスペンション基板の製造方法は、導電層と、上記導電層の表面に形成され、上記導電層の腐食を防止する金めっき層と、上記導電層および被接続部材を、上記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板の製造方法であって、Auを主成分とするAu−Sn系合金を溶融した状態で滴下することにより、上記接続部を形成する接続部形成工程を有することを特徴とするものである。
本実施態様によれば、Auを主成分とするAu−Sn系合金を用いることにより、比較的低い温度で合金を溶融させることができ、効率良く接続部を形成することができる。
特に、本実施態様のサスペンション基板の製造方法により、グランド端子を形成する場合は、以下のような利点を有する。すなわち、従来のめっき法によりグランド端子を形成する場合は、ドライフィルムをラミネートする工程、ドライフィルムを露光する工程、露光後のドライフィルムを現像する工程、グランド端子を形成する開口部のSUS表面の酸化膜を除去する工程、開口部にめっきを行う工程、ドライフィルムを剥離する工程等の多くの工程が必要であった。さらに、微小な開口部にめっきをするために、その他の多くの領域にマスクをする必要があり、非常に効率の悪い作業であった。これに対して、本実施態様においては、溶融した合金を滴下する工程と、必要に応じて行われる、金属支持基板の前処理工程のみでグランド端子を形成することができ、低コスト化や工程の簡略化を図ることができる。また、例えば、開口部の形状が複雑な場合に、従来のめっき法でグランド端子を形成すると、得られるグランド端子が脆くなり、充分な強度を有しない場合があった。これに対して、本実施態様においては、金属を溶融状態で滴下するため、めっき法のように、得られるグランド端子が脆くなることが無いといった利点を有する。また、本実施態様によれば、任意の形状の開口部に対して、グランド端子を形成することができる。
一方、本実施態様のサスペンション基板の製造方法により、中継基板との端子部を形成する場合は、以下のような利点を有する。すなわち、従来のペースト法で中継基板との端子部を形成する場合は、ペーストを塗布した後にリフローを行う必要があるため、中継基板との端子部を形成する前のサスペンション基板(基板形成用部材)は、ある程度の耐熱性を有する必要があった。これに対して、本実施態様においては、合金を溶融するために加熱が必要であるが、基板形成用部材に対しては、原則的に加熱を必要としない。そのため、例えば絶縁層として用いられるポリイミド等と端子部との金属界面密着強度の劣化を防止することができ、端子部の金めっきへの下地のCuの拡散を抑制することができる。
次に、本実施態様のサスペンション基板の製造方法について図面を用いて説明する。図22は、本実施態様のサスペンション基板の製造方法の一例を示す工程図であり。より具体的には、グランド端子領域に接続部(グランド端子)を形成する場合について説明するものである。図22に示されるサスペンション基板の製造方法は、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成され、金属支持基板1が露出する開口部6を有する絶縁層2と、絶縁層2上に形成され、かつ、開口部6近傍に配置された導電層3(グランド用導電層3a)と、導電層3の表面に形成され、導電層の腐食を防止する金めっき層4と、を有する基板形成用部材10を用意し(図22(a))、次に、滴下装置41を用い、溶融した合金42を開口部6に定量的に滴下することにより(図22(b))、金属支持基板1およびグランド用導電層3aに接触する接続部5(グランド端子5a)を形成する接続部形成工程を有するものである(図22(c))。
本実施態様における「接続領域」は、グランド端子領域、ジンバル領域および中継基板接続領域に大別することができる。特に、本実施態様においては、上記接続領域がグランド端子領域であることが好ましい。なお、接続領域については、上記「A.サスペンション基板」に記載されている内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(1)接続部形成工程
本実施態様における接続部形成工程は、Auを主成分とするAu−Sn系合金を溶融した状態で滴下することにより、接続部を形成する工程である。なお、本実施態様に用いられる合金については、上記「A.サスペンション基板 1.第一実施態様」に記載された内容と同様である。
上記合金を溶融した状態で滴下する滴下方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、所定の直径を有する合金ボールを用い、上記合金ボールを順次溶融させて滴下する方法、および所定の容器の中に合金を溶融した状態で溜めておき、その容器から、少量ずつ定量的に滴下する方法等を挙げることができる。
中でも、本実施態様においては、滴下方法が、所定の直径を有する合金ボールを用い、上記合金ボールを順次溶融させて滴下する方法であることが好ましい。原料となる合金ボールの直径を適宜選択することで、溶融した合金の滴下量を自由に調整することができるからである。合金ボールの直径としては、特に限定されるものではないが、通常60μm〜250μmの範囲内である。本実施態様においては、溶融した合金を滴下する部分の大きさ等を考慮して、合金ボールの直径を決定することが好ましい。
合金ボールを用いて滴下を行う滴下装置としては、例えば、合金ボールを供給する原料供給部と、供給された合金ボールを溶融する溶融部と、溶融した合金ボールを滴下する滴下部と、を有するもの等を挙げることができる。このような装置においては、まず、原料となる合金ボールを原料供給部に充填し、その後、原料供給部から溶融部に合金ボールを順次供給し、供給された合金ボールを溶融させる。溶融させる方法としては、例えばYAGレーザー等を挙げることができる。その後、滴下部から溶融した合金ボールを滴下する。溶融した合金ボールを滴下する方法としては、例えばN等の不活性ガスにより溶融した合金ボールを押出す方法等を挙げることができる。このような滴下装置としては、具体的には、PAC-TECH PACKAGING TECHNOLOGIES Gmbh社製、SB−JET等を挙げることができる。
本実施態様においては、接続部を形成するために必要な所定量の溶融した合金を、1回で滴下しても良く、複数回に分けて滴下しても良い。1回で滴下する場合は工程数が少ないという利点を有し、複数回に分けて滴下する場合は、少量ずつ滴下することにより、エア溜りの発生を抑制することができるという利点を有する。
また、本実施態様において、グランド端子を形成する場合は、上記合金を溶融した状態で滴下する際に、絶縁層の開口部の端部との接触が生じないように、溶融した合金の径を設定することが好ましい。具体的には、上記合金を溶融した状態で滴下する際に、溶融した合金の径が、絶縁層の開口部の径よりも小さいことが好ましい。溶融した合金をより確実に着弾させることができるからである。これにより、エア溜まりの発生を抑制することができ、金属支持基板とグランド端子との接合面積が増え、接合信頼性が向上する。さらに、着弾の精度が向上することにより、絶縁層の開口部近傍に配置されたグランド用導電層を小型化することができ、省スペースや軽量化を図ることができる。また、軽量化を図ることができれば、金属支持基板の薄型化を図ることも可能となる。
具体的には、図23(a)に示すように、滴下装置41を用い、溶融した合金42を絶縁層2の開口部6に滴下する際に、溶融した合金42の水平方向の径42xを、開口部6の径よりも小さくする。これにより、図23(b)に示すように、溶融した合金42を開口部6から露出する金属支持基板1の表面に着弾させやすくなる。さらに、図23(c)に示すように、得られたグランド端子5aは、絶縁層2の開口部6の端部で囲まれた領域の内部のみに形成される。なお、得られるグランド端子については、上記「A.サスペンション基板」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
上述した溶融した合金の径とは、滴下装置等から滴下された溶融した合金が絶縁層の開口部に侵入する際における、水平方向の大きさをいう(図23(a)の符号42x)。一方、絶縁層の開口部の径とは、開口部の形状により異なるものであるが、例えば開口部の形状が円である場合はその直径をいう。本実施態様において、溶融した合金の径は、絶縁層の開口部の径と比較して、例えば10μm以上小さいことが好ましく、中でも15μm〜30μmの範囲内で小さいことが好ましい。溶融した合金の径としては、特に限定されるものではないが、通常40μm〜150μmの範囲内であり、中でも60μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。一方、絶縁層の開口部の径は、上記「A.サスペンション基板」で記載した内容と同様である。
また、溶融した合金の径が小さすぎると、形成されるグランド端子が、金属支持基板とグランド用導電層とを充分に接続できない可能性がある。そのため、一回の滴下でグランド端子を形成する場合は、金属支持基板とグランド用導電層とを充分に接続できる程度に、溶融した合金の径を設定することが好ましい。この際、溶融した合金の体積と、絶縁層の開口部の面積との関係を考慮することが好ましい。一方、溶融した合金の径が小さすぎる場合であっても、上述したように、複数回に分けて滴下することにより、金属支持基板とグランド用導電層とを充分に接続することは可能である。
また、上述した図8(a)に示すサスペンション基板は、グランド用導電層3aが開口部を有するため、接続部を形成する際に、露出する金属支持基板1の表面上に、溶融した合金を滴下する。この場合、例えば金属支持基板としてSUSを使用する場合は、滴下前に、SUS表面に存在する不純物を除去する前処理を行うことが好ましい。前処理としては、具体的には、フラックス処理、酸洗処理、プラズマ洗浄処理および脱脂処理等を挙げることができる。一方、上述した図8(b)に示すサスペンション基板を作製する場合は、濡れ性の良い金めっき層上に、直接溶融した合金を滴下するため、接触不良の少ないグランド端子を形成することができるという利点を有する。
また、本実施態様においては、原料である合金ボールを、予め接続部を形成する位置に配置し、その合金ボールを溶融させることにより、接続部を形成しても良い。
(2)その他の工程
本実施態様においては、接続部形成工程以外は、一般的なサスペンション基板の製造方法における各工程と同様の工程を採用することができる。
2.第二実施態様
次に、本発明のサスペンション基板の製造方法の第二実施態様について説明する。本実施態様のサスペンション基板の製造方法は、導電層と、上記導電層の表面に形成され、上記導電層の腐食を防止する金めっき層と、上記導電層および被接続部材を、上記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板の製造方法であって、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金を溶融した状態で滴下することにより、上記接続部を形成する接続部形成工程を有することを特徴とするものである。
本実施態様によれば、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金を用いることにより、比較的低い温度で合金を溶融させることができ、効率良く接続部を形成することができる。
本実施態様のサスペンション基板の製造方法は、Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金を用いたこと以外は、上記の「1.第一実施態様」に記載されている内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、本実施態様に用いられる合金については、「A.サスペンション基板 1.第一実施態様」に記載されている内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(基板形成用部材の作製)
厚さ20μmのSUS304(金属支持基板)、厚さ10μmのポリイミド層(絶縁層)、厚さ18μmの電解銅箔(導電層)が、この順に積層された積層体を用意し、この積層体に以下に述べる化学エッチング等を行った。まずグランド端子を形成する導電層の領域を化学エッチングにて外径250μm、内径(開口径)100μmの形状に加工し、次にサスペンション基板の外形を規定するためにSUSを化学エッチングし、次にポリイミド層に化学エッチングを行い、直径100μmの開口部を形成した。その後、グランド端子を形成する導電層の領域の表面にNiを電解で0.2μm程度めっきし、Auを電解で0.5μm程度めっきした。これにより、基板形成用部材を得た。
(接続部の形成)
次に、開口部におけるSUS表面を活性化させるために、前処理として、りん酸を用いて処理(酸洗)を行った。その後、直径0.1mmのAu80−Sn20(Au80重量%、Sn重量%)合金からなる、はんだボールを用意し、Pac−Tech社製のSB−JETを用いて、はんだボールを溶融させながら開口部に滴下することにより、接続部(グランド端子)を形成し、サスペンション基板を得た。
[比較例1]
Au80−Sn20合金の代わりに、Sn−3.0Ag−0.5Cu合金を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてサスペンション基板を得た。
[評価1]
実施例1および比較例1で得られたサスペンション基板を用いて、高温処理試験を行い、その前後における、接続部の外観および元素分布の変化を評価した。高温処理試験は、125℃で144時間放置することにより行った。
図24は、高温処理試験前後における接続部の外観を示す平面図である。比較例1では、高温処理試験後に、接続部と金めっき層との接触界面において、金属間化合物層が成長していることがわかる。さらに、接続部の中央にはクラックが生じていることが確認された。これに対して、実施例1では、高温処理試験後においても、金属間化合物層の成長は認められなかった。
図25は、高温処理試験前後における接続部の外観を示す断面図である。比較例1では、高温処理試験前の段階で、既に金属間化合物層が形成されていることが確認された。さらに、高温処理試験後には、接続部に接触する金めっき層が消失していることが確認された。これは、金めっき層のAuが全て接続部に拡散してしまったためであると考えられる。また、接続部の形状が高温処理試験前後で著しく変化したことが確認された。これは、金属間化合物層の成長による応力の影響であると考えられる。この形状変化によって接続部および金属支持基板の接合性に悪影響を与える可能性がある。これに対して、実施例1では、高温処理試験後においても、金属間化合物層の成長は認められず、さらに、接続部の形状変化も認められなかった。
図26は、高温処理試験前後において、比較例1のサスペンション基板の接続部をEDX測定した結果である。EDX測定の結果、高温処理試験後に、金めっき層のAuが全て接続部に拡散していることが確認された。一方、図27は、高温処理試験前後において、実施例1のサスペンション基板の接続部をEDX測定した結果である。EDX測定の結果、高温処理試験後においても、金めっき層からAuが拡散していなかった。
また、実施例1および比較例1で得られたサスペンション基板を用いて、高温処理試験におけるグランド端子の抵抗値の経時変化を評価した。その結果を表1に示しす。また、図28は、実施例1および比較例1の抵抗値の平均(AVG)を比較したグラフである。
Figure 0005239299
表1および図28に示されるように、比較例1では、経時的に抵抗値が増加していることが確認された。これに対して、実施例1では、144時間の高温処理試験後であっても、高温処理試験前の抵抗値とほとんど差異が見られなかった。
[実施例2]
金めっき層の厚さを0.2μmに変更したこと以外は、比較例1と同様にしてサスペンション基板を得た。
[比較例2]
金めっき層の厚さを1.0μmに変更したこと以外は、比較例1と同様にしてサスペンション基板を得た。
[評価2]
実施例2および比較例2で得られたサスペンション基板を用いて、高温処理試験を行い、接続部の外観の経時的な変化を評価した。高温処理試験は、125℃で放置し、0時間後、12時間後、24時間後、144時間の状態を確認することにより行った。
図29は、高温処理試験における接続部の外観を示す平面図である。比較例2では、12時間後において金属間化合物層の形成が確認され、144時間後において金属間化合物層がさらに成長していることが確認された。これに対して、実施例2では、12時間後において金属間化合物層の形成が確認されたものの、144時間後においても金属間化合物層の成長は抑制されていることが確認された。
一般的なサスペンション基板の全体像を示す概略平面図である。 本発明のサスペンション基板の一例を説明する概略平面図である。 図2のX−X断面図である。 従来のサスペンション基板の一例を説明する概略断面図である。 Au−Sn系合金の合金状態図である。 本発明のサスペンション基板の一例を説明する概略断面図である。 グランド端子領域を形成する位置の一例を説明する概略平面図である。 本発明のサスペンション基板を説明する概略断面図である。 本発明のサスペンション基板を説明する概略断面図である。 本発明のサスペンション基板の一例を説明する概略平面図である。 本発明のサスペンション基板の一例を説明する概略断面図である。 本発明のサスペンション基板を説明する概略平面図である。 本発明のサスペンション基板の一例を説明する説明図である。 本発明のサスペンション基板を説明する概略平面図である。 本発明のサスペンション基板の一例を説明する概略断面図である。 本発明のサスペンション基板を説明する概略断面図である。 本発明のサスペンション基板を説明する概略平面図である。 本発明のサスペンション基板の一例を説明する概略平面図である。 図18のY−Y断面図である。 本発明のサスペンション基板の一例を説明する概略断面図である。 本発明のサスペンション基板の一例を説明する概略断面図である。 本発明のサスペンション基板の製造方法の一例を説明する概略断面図である。 本発明のサスペンション基板の製造方法の一例を説明する概略断面図である。 実施例1および比較例1の結果を示す平面写真である。 実施例1および比較例1の結果を示す断面写真である。 比較例1のEDX測定の結果を示す断面写真である。 実施例1のEDX測定の結果を示す断面写真である。 実施例1および比較例1のグランド端子の抵抗値(Ω)の結果を示すグラフである。 実施例2および比較例2の結果を示す平面写真である。
符号の説明
1 … 金属支持基板
2 … 絶縁層
3 … 導電層
3a … グランド用導電層
3b … 配線層
3c … フライングリード
4 … 金めっき層
5 … 接続部
5a … グランド端子
6 … 開口部
7 … 金属間化合物層
8 … エア溜まり
9 … エアベント部
10 … 基板形成用部材
11 … カバー層
12 … サスペンション基板

Claims (4)

  1. 導電層と、前記導電層の表面に形成され、前記導電層の腐食を防止する金めっき層と、前記導電層および被接続部材を、前記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板の製造方法であって、
    Auを主成分とするAu−Sn系合金を溶融した状態で滴下することにより、前記接続部を形成する接続部形成工程を有し、
    前記接続形成工程の前に、金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成され、前記金属支持基板が露出する開口部を有する絶縁層と、前記絶縁層上に形成され、かつ、前記開口部近傍に配置された前記導電層と、前記導電層の表面に形成され、前記導電層の腐食を防止する金めっき層と、を有する基板形成用部材を用意する工程を有し、
    前記接続部形成工程が、溶融した状態の前記合金の径が前記開口部の径よりも小さくなるように前記合金を滴下することにより、前記金属支持基板および前記導電層を、前記金めっき層を介して電気的に接続する前記接続部を形成するものであることを特徴とするサスペンション基板の製造方法。
  2. 導電層と、前記導電層の表面に形成され、前記導電層の腐食を防止する金めっき層と、前記導電層および被接続部材を、前記金めっき層を介して電気的に接続する接続部と、を有する接続領域を備えたサスペンション基板の製造方法であって、
    Auを主成分とし、融点が450℃以下の合金を溶融した状態で滴下することにより、前記接続部を形成する接続部形成工程を有し、
    前記接続形成工程の前に、金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成され、前記金属支持基板が露出する開口部を有する絶縁層と、前記絶縁層上に形成され、かつ、前記開口部近傍に配置された前記導電層と、前記導電層の表面に形成され、前記導電層の腐食を防止する金めっき層と、を有する基板形成用部材を用意する工程を有し、
    前記接続部形成工程が、溶融した状態の前記合金の径が前記開口部の径よりも小さくなるように前記合金を滴下することにより、前記金属支持基板および前記導電層を、前記金めっき層を介して電気的に接続する前記接続部を形成するものであることを特徴とするサスペンション基板の製造方法。
  3. 前記接続部の厚みが、前記絶縁層、前記導電層および前記金めっき層の積層部分の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサスペンション基板の製造方法。
  4. 前記開口部を有する前記導電層および前記絶縁層の少なくとも一方が、エアベント部を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のサスペンション基板の製造方法。
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