JP4189156B2 - チップ貼設シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サブマウントとして使用できるチップが多数貼設されたチップ貼設シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サブマウントとは、半導体レーザー素子とヒートシンク(銅等の金属製ブロック)の間に位置する基板であり、半導体レーザー素子から発生する熱をヒートシンク側へ効率よく伝達する機能を持つものである。
【0003】
一般の半導体レーザー素子用サブマウントは、特許第3165779号公報に示されるように、セラミックス等の絶縁基板の両面に回路パターンが設けられているものである。そして片面に半導体レーザー素子を、他の片面にヒートシンクをハンダ付け等の方法によりボンディングして使用されている。
【0004】
このセラミックスの中でも窒化アルミニウムは、熱伝導率が高く、熱膨張係数が半導体素子に近いという理由から特に注目されており、表面に素子を載置するために電極層が形成され、更に素子をリフローハンダ付けするためのハンダ層が該電極層上に形成されたものが使用されている。なお、このような窒化アルミニウム系サブマウントにおける電極層の材質としては金が、また、ハンダ層を構成するハンダ材としては、金の含有量が約80重量%の融点が280℃であるAu−Sn系ハンダ{以下、「金リッチAu−Sn系ハンダ」ともいう。ヤング率59.2GPa(at25℃)}が一般に使用されており、通常このようなハンダ材を用いたハンダ層はその成分が金電極層中に拡散するのを防止するためのPt等からなる拡散防止層を介して形成されている(特開2000−288770号公報)。
【0005】
上記窒化アルミニウム系サブマウントの大きさは、その用途にもよるが、一般に縦1mm程度、横1mm程度、厚さ0.3mm程度の非常に小さいものが多く、その製造に当たっては、例えば50.8mm角程度の大きさの基板に多数のサブマウントパターンをマトリックス状に配置して形成し、ハンダ層の保護を兼ねてハンダ層が接着面となるようにして粘着シートに貼付した後に(シートを完全に切断せずに)基板のみを格子状に切断することによって製造されている。このような製造方法を採用することにより、小さなサブマウントチップをばらばらにすることなく効率よく製造することができるようになっている。そして、このようにして得られたサブマウントチップ貼設シートは、流通過程においてはチップが脱落せず、また使用時において一つ一つのチップをシートから簡単に剥がせる(簡単にピックアップできる)適度な強度でシートに貼り付いているように紫外線照射して粘着層の粘着力を低下させて調整する処理を施してから出荷されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年半導体素子においては、記録密度やデータの電送距離を向上させるために高出力化が計られ、同時に使用時の素子から発生する熱量も増大している。本発明者は、従来の窒化アルミニウム系サブマウントにおいてはこのような発熱量の増大に伴う熱応力の増大により素子接合部の破壊が発生する問題が起こるのに対し、金電極層上にAg等の特定の金属からなる拡散防止層を介してAu−Sn系合金又はAu−In系合金において金の含有量が20重量%以下でありその融点が低い合金からなる柔らかいハンダ材(以下、Au−Sn系合金については「錫リッチAu−Sn系ハンダ」ともいう。)の層を形成した場合にはこのような問題が起こらないことを見出し、このようなハンダ材からなるハンダ層を表面に有する新規な素子接合用基板を既に提案している(特願2001−180365号)。
【0007】
しかしながら、該素子接合用基板を用いて上記と同様にしてサブマウントチップ貼設シートを製造したところ、紫外線照射を行ってもチップの接合力(接着力)が低下せず、使用時にチップをシートから剥がし難い(ピックアップし難い)という問題があることが判明した。そこで本発明は、表面に錫リッチAu−Sn系ハンダからなるハンダ層を有する窒化アルミニウム系セラミックス基板を用いて製造されるサブマウントチップ貼設シートであって、チップのシートに対する接着力を適度に調節することができるチップ貼設シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、錫リッチAu−Sn系ハンダからなるハンダ層を表面に有する窒化アルミニウム系セラミックス基板を用いて製造したサブマウントチップ貼設シートにおいて、紫外線照射を行っても接着力を低減することができない原因は、上記ハンダ層の表面粗さがRa=0.03μm以上と従来の金リッチAu−Sn系ハンダからなるハンダ層の表面粗さに比べて粗くなっていることにあることを突き止めた。そこで入手可能な多くの粘着シートに接合面が粗い基板を貼付してチップ貼設シートを作製し、紫外線照射後におけるチップの剥離性について種々検討を行ったところ、工業的に入手可能な粘着シートの中で紫外線を照射することにより硬化するカルボン酸エステル系粘着材からなる粘着材層を表面に有する粘着シートを用いた場合に、剥離性が良好になるものがあるという知見を得るに至った。そして、これら剥離性が良好になるものとならないものとの粘着材の違いについて検討したが、粘着材の組成は複雑であるためその違いの原因を粘着材の構成成分や組成の点で捕らえることはできなかった。しかしながら、剥離したチップの剥離面をフーリエ変換赤外分光光度計法(FT−IR法)で分析したところ、そのときに粘着材に由来する特定の波数領域に現れる吸収ピーク(吸光度)の強度が両者で異なっており、この違いにより両者を識別することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、第一の本発明は、紫外線を照射することにより硬化するカルボン酸エステル系粘着材からなる粘着材層を表面に有する粘着シートの当該粘着材層上に、基板を貼付した後に前記粘着シートを切断することなく、該基板を切断して複数のチップとすることにより得られる該チップが貼設されたチップ貼設シートであって、該チップ貼設シートに貼付されるチップの接合面が、Sn又はInを主成分として含有し、且つ金の含有量が20重量%未満の金属からなる表面粗さがRa=0.03〜0.2μmのハンダ層で形成され、該チップが貼設されたチップ貼設シートに波長365nmの紫外線を500mJ/cm以上照射した後に、該チップ貼設シートからチップを剥がした時に得られる当該チップの剥離面に付着する前記粘着材又はその誘導体の量が、当該チップの剥離面をフーリエ変換赤外分光光度計により測定したときに1730〜1750cm−1に現れる吸収ピークの吸光度で0.0001〜0.01となる量であることを特徴とする、チップが貼設されたチップ貼設シートである。
【0010】
上記本発明のチップ貼設シートは、表面粗さがRa=0.03〜0.2μmであるという、これまでのチップ貼設シートにおけるチップのハンダ層には用いられていない特殊なハンダ層を使用したチップが貼付されているという点で新規なチップ貼設シートであり、更に紫外線を照射することにより流通及び使用に好適な状態、すなわち流通過程においてはチップが脱落せず、また使用時において一つ一つのチップをシートから簡単にピックアップできるチップ貼設シート(第二の本発明)とすることができる。
【0011】
上記第一及び第二の本発明チップ貼設シートの中でも特に前記チップが表面に金からなる電極層を有する窒化アルミニウムを主成分とするセラミック基板の当該電極層上にAg、Cu、Ni、及びPbよりなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなる金属層を介して、Sn又はInを主成分として含有し、且つ金の含有量が20重量%未満の金属からなる表面粗さがRa=0.03〜0.2μmのハンダ層が形成されたチップが貼設されたチップ貼設シートは、貼付されているチップがサブマウントとして使用したときに高出力素子を搭載しても素子の接合部位が破壊され難いという優れた特徴を有する。
【0012】
また、第三の発明は、上記第一又は第二のチップが貼設されたチップ貼設シートを製造する方法であって、Sn又はInを主成分として含有し、且つ金の含有量が20重量%未満の金属からなる表面粗さがRa=0.03〜0.2μmのハンダ層で形成された表面を有する基板を当該表面が接合面となるように粘着シートに貼付した後に上記粘着シートを切断することなく、貼付された基板を切断して複数のチップとする工程を含み、且つ粘着シートとして下記A及びBの条件を満足する粘着シートを使用することを特徴とする、チップが貼設されたチップ貼設シートの製造方法である。
A.紫外線を照射することにより硬化するカルボン酸エステル系粘着材からなる粘着材層を表面に有する粘着シートであること。
B.粘着シートに接合面となる面がSn又はInを主成分として含有し、且つ金の含有量が20重量%未満の金属からなる表面粗さがRa=0.03〜0.2μmのハンダ層で形成された試験基板を、粘着シートに貼付し、次いで波長365nmの紫外線を500mJ/cm以上照射した後に粘着シートから試験基板を剥がし、得られた試験基板の剥離面をフーリエ変換赤外分光光度計により測定した時に1730〜1750cm−1に現れる吸収ピークの吸光度が0.0001〜0.01となる粘着シートであること。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のチップ貼設シートは、紫外線を照射することにより硬化するカルボン酸エステル系粘着材からなる粘着材層を表面に有する粘着シートの当該粘着材層上に、基板を貼付した後に前記粘着シートを完全に切断することなく、該基板を切断して複数のチップとすることにより得られる。ここで使用する基板は、シートに貼付するときの接合面の表面粗さがRa=0.03〜0.2μmであるものであれば特に限定されない。接合面の表面粗さがRa=0.03μm未満の基板を使用したチップ貼設シートは広く使用されており、粘着シートを特に選択しなくとも紫外線照射処理によりチップの剥離性を適度に調整することができる。また、接合面の表面粗さがRa=0.2μmを超える基板を用いた場合には紫外線照射をしても粘着力を適度に調製するのが困難である。紫外線照射後の粘着力制御の容易さの観点から、基板の接合面の表面粗さは、Ra=0.035〜0.1μmであるのが好適である。
【0014】
本発明で使用する基板は上記要求を満足するものであれば特に限定されないが、チップのサブマウントとしての用途を考えると、高周波の誘電損失が少ないばかりでなく、半導体素子を載置して使用した時に発生する熱を逃がす放熱特性が良好であり、更に使用時における温度差が大きくなっても接合部位が破壊され難く長期間安定して使用することが可能であるという理由から、本発明者によって提案された(特願2001−180365号)次のような新規な素子接合用基板を用いるのが好適である。即ち、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス基板上に、Tiを主成分とする第一下地層、Ptを主成分とする第二下地層、及び金からなる電極層がこの順番で積層されたメタライズ基板の該金電極層上にAg、Cu、Ni、及びPbよりなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなるバリヤー層が積層され、更に該バリヤー層上に、Sn又はInを主成分として含有し且つ金の含有量が20重量%未満である金属からなるハンダ層が形成された素子接合用基板を用いるのが好適である。
【0015】
上記ハンダ層を構成するハンダ材はSn又はInを主成分として含有し且つ金の含有量が20重量%未満であれば特に限定されないが、安定性の観点から金の含有量は10重量%未満であるのが好適である。このようなハンダを具体的に例示すれば、前記した錫リッチAu−Sn系ハンダ、Sn100%ハンダ、Sn−Agハンダ、Sn−Pbハンダ、Sn−Biハンダ、Sn−Sbハンダ、Sn−Inハンダ、In100%ハンダ、In−Auハンダ(但し金の含有量が20重量%未満のもの)、In−Agハンダ、In−Biハンダ、In−Sbハンダ、In−Znハンダ、及びこれらを任意に組合せたハンダ等が例示される。これらの中でも、素子と接合した後のダイシェア試験の接合強度が最も高いという理由から、Au−Sn系ハンダが特に好適に使用できる。また、これらハンダ材の中でも、素子を接合して使用した時の温度変化による接合部位の破壊が起り難いという観点から、融点280℃未満、特に235℃以下で且つヤング率が50GPa未満(at25℃)の金属からなるハンダを用いるのが最も好適である。
【0016】
このようなハンダ材からなるハンダ層を表面に有する素子接合用基板においては、接合面となるハンダ層の上面の表面粗さは特に表面処理を行わずに一般的の方法を用いて形成されたままの状態でRa=0.03〜0.2μmとなっているため、本発明のチップ貼設シートに用いる基板としては特に好適に使用される。
【0017】
上記の新規な素子接合用基板は、例えば窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を添加して成形した後に焼結した基板の表面にスパッタリング法等により基本的に電極パターンと同一形状のチタンを主成分とする金属層(第一下地層)を形成した後に該第一下地層上に同じくスパッタリング法等により白金を主成分とする第二下地層を形成し、さらにその上にスパッタリング法等により金電極層を形成して得たメタライズ基板の金電極層上にAg、Cu、Ni、及びPbよりなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなるバリヤー層をその厚さが0.2〜5μm、好適には1〜3μmとなるようにスパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法、CVD法、メッキ法などにより形成し、更にその上に前記ハンダ層を形成することにより得ることができる。
【0018】
ハンダ層の下地に上記バリヤー層を形成することにより、錫リッチAu−Sn系ハンダ等の低融点で柔らかいハンダの層を形成してハンダ付けを行なった場合に、低温で高接合強度のハンダ付けを行なうことが可能となる。なお、一般にバリヤー層の金属としては白金が一般に使用されているが、上記のようなハンダ材を用いる場合にはそのバリヤー層としての効果は十分に得られず、素子を高強度で接合することができない。
【0019】
また、上記ハンダ層は、単一組成の金属からなる1層から成っていてもよく、また、各層が溶融して混合した時に前記したような条件を満足するような組成となるように、異なる組成の金属からなる複数の層の積層体から成っていてもよい。但し、該ハンダ層全体の厚さは、1〜10μm、特に2〜6μmとするのが好適である。該層の厚さが1μm未満ではハンダの絶対量が少ないために十分な接合強度が得られない傾向があり、逆に10μmを越える厚さとした時はハンダ量が多すぎるために接合後にハンダが素子の側面や上面(半導体素子においては発光面ともなる)を遮る不具合が生じたりすることがある。前記バリヤー層上に上記のようなハンダからなる層を形成する方法は特に限定されず、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法、CVD法、メッキ法により好適に行なうことができる。
【0020】
また、本発明のチップ貼設シートでは、粘着シートとして紫外線を照射することにより硬化するカルボン酸エステル系粘着材からなる粘着材層を表面に有する粘着シートを使用する。このようなシートは市販されており、工業的に入手可能である。これらシートは一般に、厚み10〜200μm程度のPVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PO(ポリオレフィン)、又はEVA(エチレンビニルアルコール)等の合成樹脂からなる単層または複層の基材シート上に紫外線を照射することで硬化するカルボン酸エステル系粘着材層が5〜50μmの厚さで塗布された構造を有している。なお、粘着材が紫外線を照射することにより硬化するカルボン酸エステル系粘着材であることは、紫外線照射後にフーリエ変換赤外分光光度計法により測定した時に1730〜1750cm−1に吸収ピークが現れることで確認できる。
【0021】
本発明のチップ貼設シートにおいては、工業的に入手可能なこれら粘着シートの中から、その接着層に接合面の表面粗さがRa=0.03〜0.2μmの試験基板(該試験基板はその表面粗さがRa=0.03〜0.2μmであれば特に限定されないが、好適にはチップと同じものを使用するのが好ましい。)を貼付し、波長365nmの紫外線を500mJ/cm以上照射した後に粘着シートから該試験基板を剥がし、その基板の剥離面をフーリエ変換赤外分光光度計法により測定した時に1730〜1750cm−1に現れる吸収ピークの吸光度が0.0001〜0.01、好適には0.0005〜0.005となる粘着シートを選んで使用する必要がある。なお、上記波数領域の吸収は、剥離面に付着する前記粘着材又はその誘導体に由来するものである。該強度が0.0001未満の時には紫外線照射後にチップが剥がれ易くなり過ぎ、0.01を超えるときには紫外線照射しても接着力があまり低下せず、密着力が強すぎてピックアップし難くなる。このような簡単な判定基準に基づき、上記した素子接合用基板のような表面粗さが従来と比べて粗い接合面を有するこれまでにないチップに適した粘着シートを容易に選択することができる。
【0022】
本発明のチップ貼設シートは、上記のようにして選択された粘着シートの粘着層に表面粗さがRa=0.03μm〜0.2μmの面を有する基板(例えば前記素子接合用基板)を当該面が接合面となるように貼付した後に前記粘着シートを切断することなく、該基板を切断して複数のチップとすることにより得ることができる。このとき、切断はダイヤモンド粉末を焼結したブレードを用いたダイシングマシン等を用いて行うことができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0024】
製造例1
図1の基板100と同様な構造の基板を、以下の様にして作製した。なお、図1の基板100は、窒化アルミニウム焼結体基板201上に、Tiを主成分とする第1下地層202、白金を主成分とする第2下地層203、及び金電極層204がこの順番で積層された基体200の金電極層上に、銀等の金属から成るバリヤー層300、及びSn系あるいはIn系であってかつ金の含有量が20重量%未満である金属からなるハンダ層400が積層された構造を有する。
【0025】
先ず、窒化アルミニウム焼結体基板{50.8mm×50.8mm×0.3mmt(株)トクヤマ製}の表面にスパッタリング装置を用いてスパッタリング法により厚さ0.06μmのTiを主成分とする第1下地層、厚さ0.2μmの白金を主成分とする第2下地層、及び厚さ0.6μmの金電極層を順次形成した。次いで、真空蒸着装置を用いて上記金電極層上に、厚さ2μmのAg膜からなるバリヤー層を形成し、引続きターゲットとしてAu及びSnを用いた同時蒸着法により、金含有量が10重量%のAu−Sn合金{融点217℃及びヤング率45.0GPa(at25℃)}から成る厚さ5μmのハンダ層を形成し、基板を作製した。この基板のハンダ層の表面粗さを(株)東京精密製社の表面粗さ計(surfcom554A)で測定したところ、Ra=0.060μmであった。
【0026】
次に、このようにして作製した基板のハンダ層上にAu電極を有する半導体素子を載置し、ダイボンダー装置を用いて250℃で30秒接合し、素子接合基板を作製した。同様にして10個の素子接合基板を作製し、ダイシェアテスタ(IMADA社製)により接合強度を測定したところ、平均接合強度は2.8kgf/mmであり、剥離モードは全数ハンダ内であった(各層間での剥離ではなく、ハンダ層が破壊されて剥離していた。)。
【0027】
製造比較例1
製造例1において、バリヤー層を設けない他は同様にして、素子接合用基板及び素子接合基板を作製し実施例1と同様にして接合強度を測定した。その結果、平均接合強度は0.8kgf/mmであった。
【0028】
製造比較例2
製造例1において、バリヤー層の材質をAgから白金に変える他は同様にして、素子接合用基板及び素子接合基板を作製し、実施例1と同様にして接合強度を測定した。その結果、平均接合強度は1.4kgf/mmであった。
【0029】
実施例1
製造例1で得られた基板を用いて図2に示すようなチップ貼設シートを、以下の様にして作製した。なお、図2は製造例1で製造した基板100が紫外線硬化型カルボン酸エステル系粘着シート500にハンダ層表面が接合面となるように貼付された構造を有する。
【0030】
先ず、製造例1で得た基板を3枚用意し各基板のハンダ面が接合面となるようにそれぞれ3種類のカルボン酸ステル系紫外線硬化型粘着シート700(倉本産業社X−3014K、X−3014L、及びX−3014O)に貼付し、ダイヤモンド粉末を焼結したブレードを用いたダイシングマシンで各基板を5mm×5mmに切断した後、該チップ貼設シートに波長365nmの紫外線を500mJ/cm照射した。その後、各粘着シートからチップを剥がし、当該チップの剥離面について日本電子株式会社製JIR−7000{FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)}を用いて測定を行った。その結果各チップの1730〜1750cm−1に現れる吸収ピークの吸光度はそれぞれ0.0018(X−3014K)、0.0016(X−3014L)、及び0.0014(X−3014O)であった。
【0031】
また、同様にして各粘着シートに該基板貼付した後にダイシングマシンで基板を1mm×1mmに切断し、更に紫外線を500mJ/cm照射した後にピックアップ性(剥がしやすさ)試験を行った。ピックアップ性試験は、切断された基板にScotch社メンディングテープ(CAT.NO.810−3−18、18mm幅)を切断した該チップ上に50.8mmの長さで貼りつけた後に引き剥がし、このときメンディングテープと共に剥離されたチップ総面積を貼りつけたメンディングテープの面積で除した値(%)である剥離率で評価した。その結果、剥離確率はそれぞれ88%(X−3014K)、90%(X−3014L)、及び91%(X−3014O)であった。これらの結果を表1にまとめる。なお、ピックアップ性は剥離確率が60%以上の時に良好であり「○」と評価し、60%未満の時は不良で「×」と評価した。また表中の吸光度は、上記FT−IR測定の結果得られた1730〜1750cm−1に現れる吸収ピークの吸光度を意味する。
【0032】
【表1】
Figure 0004189156
【0033】
実施例2
製造例1において、ハンダ層を金含有量が20重量%のAu−Sn合金(Ra=0.037μm)にする他は同様にして作成した基板を用い、実施例1と同様にしてチップ貼設シートを作成し、評価した。その結果を合わせて表1に示す。
【0034】
参考例1
製造例1において、ハンダ層を金含有量が70重量%のAu−Sn合金(Ra=0.025μm)にする他は同様にして作成した基板を用い、実施例1と同様にしてチップ貼設シートを作成し、評価した。その結果を合わせて表1に示す。
【0035】
比較例1
実施例1、2、及び参考例1で用いた各種表面粗さ基板(Ra=0.060、0.037、及び0.025μm)を用い、粘着シートとして日本加工製紙社TR−688MCMを使用する他は実施例1と同様にして、チップ貼設シートを作成し、評価した。その結果を合わせて表1に示す。
【0036】
比較例2
比較例1において、粘着シートをリンテック社D−626にする他は同様にして、チップ貼設シートを作成し、評価した。その結果を合わせて表1に示す。
【0037】
比較例3
比較例1において、粘着シートを日東電工社UE−2092Jにする他は同様にして、チップ貼設シートを作成し、評価した。その結果を合わせて表1に示す。
【0038】
表1に示されるように、基板接合面の表面粗さがRa=0.03μm未満のチップ貼設シートにおいては、どのような粘着シートを用いてもピックアップ性は良好であるが、基板接合面の表面粗さがRa=0.03μmのチップ貼設シートにおいては、吸光度が0.01以下となる粘着シートを用いなければピックアップ性は良好にならない。
【0039】
【発明の効果】
本発明のチップ貼設シートは、サブマウントとして使用したときに、高周波の誘電損失が少ないばかりでなく、半導体素子を載置して使用した時に発生する熱を放熱する放熱特性が良好であり、更に使用時における温度差が大きくなっても接合部位が破壊され難く長期間安定して使用することが可能であるという優れた特徴を有する「表面ハンダ層の表面粗さがRa=0.03〜0.2μmであるチップ」を、輸送時や保管時には剥がれてバラバラになることが無く、使用時に容易に剥がせる(ピックアップできる)適度な粘着力でシートに貼付されているため、上記チップを取り扱う上で非常に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本図は、本発明のチップ貼設シートで好適に使用される基板の断面図である。
【図2】 本図は、代表的な本発明のチップ貼設シートの断面図である。
【符号の説明】
100:基板
200:基体
201:窒化アルミニウム焼結体基板
202:Tiを主成分とする第1下地層
203:白金を主成分とする第2下地層
204:金電極層
300:バリヤー層
400:ハンダ層
500:紫外線硬化型カルボン酸エステル系粘着シート

Claims (4)

  1. 紫外線を照射することにより硬化するカルボン酸エステル系粘着材からなる粘着材層を表面に有する粘着シートの当該粘着材層上に、基板を貼付した後に前記粘着シートを切断することなく、該基板を切断して複数のチップとすることにより得られる該チップが貼設されたチップ貼設シートであって、該チップ貼設シートに貼付されるチップの接合面が、Sn又はInを主成分として含有し、且つ金の含有量が20重量%未満の金属からなる表面粗さがRa=0.03〜0.2μmのハンダ層で形成され、該チップが貼設されたチップ貼設シートに波長365nmの紫外線を500mJ/cm以上照射した後に、該チップ貼設シートからチップを剥がした時に得られる当該チップの剥離面に付着する前記粘着材又はその誘導体の量が、当該チップの剥離面をフーリエ変換赤外分光光度計により測定したときに1730〜1750cm−1に現れる吸収ピークの吸光度で0.0001〜0.01となる量であることを特徴とする、チップが貼設されたチップ貼設シート。
  2. 請求項1に記載のチップが貼設されたチップ貼設シートに紫外線を照射して得られる、チップが貼設されたチップ貼設シート
  3. 前記チップが、表面に金からなる電極層を有する窒化アルミニウムを主成分とするセラミック基板の当該電極層上にAg、Cu、Ni、及びPbよりなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなる金属層を介して、Sn又はInを主成分として含有し、且つ金の含有量が20重量%未満の金属からなる表面粗さがRa=0.03〜0.2μmのハンダ層が形成されたチップであることを特徴とする請求項1または2に記載のチップが貼設されたチップ貼設シート。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載されたチップが貼設されたチップ貼設シートを製造する方法であって、Sn又はInを主成分として含有し、且つ金の含有量が20重量%未満の金属からなる表面粗さがRa=0.03〜0.2μmのハンダ層で形成された表面を有する基板を当該表面が接合面となるように粘着シートに貼付した後に上記粘着シートを切断することなく、貼付された基板を切断して複数のチップとする工程を含み、且つ粘着シートとして下記A及びBの条件を満足する粘着シートを使用することを特徴とする、チップが貼設されたチップ貼設シートの製造方法。
    A.紫外線を照射することにより硬化するカルボン酸エステル系粘着材からなる粘着材層を表面に有する粘着シートであること。
    B.粘着シートに接合面となる面がSn又はInを主成分として含有し、且つ金の含有量が20重量%未満の金属からなる表面粗さがRa=0.03〜0.2μmのハンダ層で形成された試験基板を、粘着シートに貼付し、次いで波長365nmの紫外線を500mJ/cm以上照射した後に粘着シートから試験基板を剥がし、得られた試験基板の剥離面をフーリエ変換赤外分光光度計により測定した時に1730〜1750cm−1に現れる吸収ピークの吸光度が0.0001〜0.01となる粘着シートであること。
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