JP5239178B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマ処理装置に関するものである。
従来から、減圧条件下でグロー放電プラズマを発生させ、このプラズマをワークに吹き付けることによってプラズマ処理を行うプラズマ装置が知られている。しかし、減圧条件を用いるプラズマ装置は、大掛かりで複雑な真空設備を備えることから高価であり、例えば製品の製造工程で用いると、製造コストを増大させてしまう。
そこで、大気圧条件下でプラズマを発生させる大気圧プラズマ装置が開発されている。
この大気圧プラズマ処理装置は、対向配置される電極を有しており、対をなす電極同士の間に形成されるプラズマ生成空間内に所定のガスを供給しつつ、これらの電極間に電圧を印加して放電を生じさせ、プラズマを発生させる。発生したプラズマ中では、電界により加速された電子がガス分子と衝突し、励起分子、ラジカル原子、正イオン、負イオン等の活性種を生成する。これら活性種をワークの表面に供給すると、この活性種の一部によりワークの表面や表面付近で各種反応が生じることとなり、ワークの表面が分解・除去されるようになっている。
このような大気圧プラズマ処理装置には、大気圧条件下でプラズマを発生させることにより活性種を生成し、この活性種をワークの表面に局所的に噴射して、ワークの特定領域をプラズマ処理するものも提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
ここで、大気圧下で発生させるプラズマは、放電のオン/オフ切り替え時に、プラズマ特性等が不安定になり易い。このため、一筆書きパターン等の連続的な処理には適するが、点状の処理を多ポイントで行うような不連続な処理には適さないという問題がある。
すなわち、このようなプラズマ処理装置により、ワークの表面における不連続な処理領域に、プラズマ処理を行う場合、ワークの処理領域に対しては電極間の放電をオン状態とし、ワークの非処理領域に対しては電極間の放電をオフ状態とする。ここで、電極間の放電をオフからオンに切り替えた後、放電が安定するまでの間は、プラズマが不安定な状態(過渡状態)にある。そのため、この状態でプラズマをワークに接触させると、ワークにダメージを与えたり、ワークの被処理面に推定困難な予想外のプラズマ処理が施されてしまうおそれがある。
そこで、電極間の放電をオフからオンに切り替えた後、放電が安定するまで、ワークへの活性種の供給を停止する方法も考えられる。しかしながら、この場合、電極間の放電をオンに切り替えた後、この放電が安定するまでに数秒〜10秒程度かかることから、サイクルタイムが長くなる。このため、特に、短時間処理を繰り返す場合、すなわち放電のオン/オフを短時間で繰り返して行う場合には、処理効率が大きく低下してしまう。
さらに、プラズマ処理装置のプラズマ放電部(プラズマ生成空間)で、不安定なプラズマが繰り返し発生すると、装置に負荷を与えるため、放電のオン/オフを多数回繰り返すような処理を連続して行った場合、プラズマ放電部の信頼性の低下が懸念される。
特開2000−216141号公報 特開2003−171768号公報
本発明の目的は、処理領域が不連続に設定されたワークに対してプラズマ処理を施す際に、速やかに安定な活性種をワークの処理領域に供給することができるプラズマ処理装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のプラズマ処理装置は、ワークの被処理面をプラズマによって処理するプラズマ処理装置であって、
1対の電極と、前記被処理面に向けて前記活性種を噴出するプラズマ噴出口と
記被処理面に対して相対的に移動可能なプラズマ生成手段と、
前記1対の電極に電圧を印加する電源回路と、
前記プラズマ生成手段に、前記プラズマから活性種を生成するガスを供給するガス供給手段と、
前記被処理面への前記プラズマ噴出口から噴出した前記活性種の接触を阻止する第1の状態と、前記活性種の接触を許容する第2の状態とを変位可能であり、かつ、板状体で構成されているプラズマ遮蔽部材と、
前記第1の状態において、前記被処理面へのプラズマ処理を停止する非処理モードと、前記第2の状態において、前記被処理面に前記プラズマを接触させてプラズマ処理する処理モードとを切り替え可能なように前記プラズマ遮蔽部材の作動を制御する作動制御手段と、
前記プラズマ噴出口の周囲に、前記プラズマ噴出口から噴出されたガスを吸気する排気吸込口と、を備え、
前記プラズマ遮蔽部材は、前記非処理モードにおいて前記板状体の縁部に形成された流路内に冷媒を循環して前記プラズマ遮蔽部材を冷却する冷却手段と、前記プラズマ噴出口から噴出した前記活性種が接触する側の面に位置し、前記プラズマ遮蔽部材から着脱可能な犠牲層と、前記排気吸込口の形状に対応するように設けられた凹部を有するバンクと、を有し、前記プラズマ噴出口と前記被処理面との離間距離を小さくすることにより、前記凹部内に前記排気吸込口が収納されることを特徴とする。
本発明のプラズマ処理装置では、遮蔽手段は、前記ワークの被処理面への前記プラズマ噴出口から噴出した前記プラズマの接触を阻止する第1の状態と、該プラズマの接触を許容する第2の状態とに変位可能なプラズマ遮蔽部材を備え、
前記制御手段により、前記遮蔽手段の作動を制御して、前記プラズマ遮蔽部材を前記第1の状態とすることにより、前記ワークの被処理面へのプラズマ処理を停止する非処理モードと、
前記プラズマ遮蔽部材を前記第2の状態とすることにより、前記ワークの被処理面に前記プラズマを接触させてプラズマ処理する処理モードとに切り替え可能なように構成されていることにより、非処理モードから処理モードに切り替えたとき、速やかに安定な活性種をワークの処理領域に供給することができる。そのため、ワークのダメージやプラズマ生成空間を構成する各部にかかる負荷を抑えつつ、処理領域が不連続に設定されたワークに対して、プラズマ処理を高速で行うことができる。
また、本発明のプラズマ処理装置では、前記プラズマ遮蔽部材は、冷却手段を備えており、前記制御手段は、前記処理モードにおいて、前記冷却手段を作動することにより前記プラズマ遮蔽部材を冷却するよう構成されていることにより、プラズマ遮蔽部材に前記活性種が接触することによるプラズマ遮蔽部材の加熱を防止または抑制することができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記プラズマ遮蔽部材は、板状体で構成されており、前記冷却手段による前記プラズマ遮蔽部材の冷却を、前記板状体に形成された流路内に冷媒を循環することにより行うことにより、比較的簡単な構成で、プラズマ遮蔽部材を確実に冷却することができるとともに、用いる冷媒の種類を適宜選択することにより、プラズマ遮蔽部材を冷却する温度を容易に設定することができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記流路は、前記板状体の縁部に形成されることにより、プラズマ遮蔽部材としての強度を確実に増強することができるとともに、プラズマ遮蔽部材の冷却を確実に行うことができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記プラズマ遮蔽部材は、前記プラズマ噴出口から噴出した前記プラズマが接触する側の面に、当該プラズマ遮蔽部材から着脱可能な犠牲層を備えることにより、犠牲層の劣化の程度に応じて、犠牲層の取替えが可能となる。その結果、犠牲層の取替えを行うだけで、プラズマ遮蔽部材を再利用することができるため、コストの大幅な削減を図ることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記プラズマ噴出口の周囲に、該プラズマ噴出口から噴出されたガスを吸気する排気吸込口を備えることにより、この排気吸込口から1対の電極間にプラズマ噴出口から噴出されたプラズマを吸入することができる。その結果、プラズマ噴出口から放出されたプラズマを、1対の電極とワークとの間の空間に長時間滞在させることなく、この空間から迅速に排出することができる。そのため、被処理面の処理領域に隣接する非処理領域がプラズマに晒されるのを防止して、プラズマ処理の処理精度の向上を図ることができる。
さらに、本発明のプラズマ処理装置では、前記プラズマ遮蔽部材は、前記排気吸込口の形状に対応するように設けられた凹部を有するバンクを備え、
前記プラズマ噴出口と前記ワークの被処理面との離間距離を小さくすることにより、前記凹部内に前記排気吸込口が収納されることにより、排気吸込口から活性種を吸入することができる。その結果、活性種がプラズマ遮蔽部材に接触した後、このプラズマ遮蔽部材を周り込んで、ワークの被処理面に接触するのを確実に防止することができる。
本発明のプラズマ処理装置では、プラズマ処理を施す処理領域と、前記処理領域を除く非処理領域とを有する前記被処理面に対して、前記1対の電極を相対的に移動しつつプラズマ処理を施す際に、
前記作動制御手段は、前記プラズマ噴出口が前記被処理面の非処理領域に対応する位置にあるとき、前記遮蔽手段を前記非処理モードに設定し、
前記プラズマ噴出口が前記被処理面の処理領域に対応する位置にあるとき、前記遮蔽手段を前記処理モードに設定し、前記被処理面の処理領域に前記活性種を接触させるよう構成されていることが好ましい。
これにより、非処理領域が前記プラズマに晒されるのを防止することができる。さらに、処理領域をプラズマ処理する際に、速やかに安定なプラズマ処理を施すことができる。
本発明のプラズマ処理装置では、記被処理面における前記処理領域および前記非処理領域の少なくとも一方の位置情報を入力する入力手段を備え、
前記作動制御手段は、前記位置情報に応じて、前記遮蔽手段を前記非処理モードまたは前記処理モードに切り替えるよう構成されていることが好ましい
これにより、被処理面の非処理領域に対して、選択的にプラズマ処理を施すことができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記入力手段に入力された前記処理領域および前記非処理領域の少なくとも一方の位置情報を記憶する記憶手段を備えることが好ましい。
これにより、処理領域および前記非処理領域の少なくともいずれかの位置情報を記憶し、それを利用することができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記作動制御手段は、前記非処理モードにおいて、前記ガス供給手段の作動を制御することにより、前記プラズマ生成手段に供給するガスの流量を、前記活性種の生成を維持するための必要最小量に設定することが好ましい。
これにより、ガスの使用量の削減、装置の長寿命化を図ることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記プラズマ噴出口を、前記被処理面に対してほぼ直交する方向に移動させる移動手段を有し、
前記作動制御手段は、前記処理モードから前記非処理モードに切り替えることに同期して、前記移動手段を作動させることにより、前記プラズマ噴出口と前記被処理面との離間距離がより小さくなるように、前記プラズマ噴出口を移動させることが好ましい。
以下、本発明のプラズマ処理装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のプラズマ処理装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のプラズマ処理装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図(一部ブロック図を含む)、図2は、図1に示すプラズマ処理装置が備えるプラズマ遮蔽部材を示す図(図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)に示すA−A線断面図)、図3は、図1に示すプラズマ処理装置の回路構成を示すブロック図、図4は、図1に示すプラズマ処理装置によってプラズマ処理が行われるワークの一例を示す平面図である。なお、以下の説明では、図1中の左右方向を「水平方向」または「x軸方向」、図1の紙面前後方向を「水平方向」または「y軸方向」、図1の上下方向を「垂直方向」または「z軸方向」と言う。また、図1中の上方を「上」、下方を「下」という。
本発明のプラズマ処理装置は、ワークの上方からプラズマを供給して、このプラズマによりワークの被処理面に対して、例えば、プラズマCVM(Chemical Vaporization Machining)のようなエッチング処理およびアッシング処理や、親水処理、撥水処理および成膜処理等の各種プラズマ処理を施すことにより、被処理面に表面処理を行うものである。
以下では、このプラズマ処理装置1により、ワークWの被処理面に対してプラズマ処理を施し、その被処理面を分解・除去するエッチング処理を一例に説明する。
図1に示すように、プラズマ処理装置1は、プラズマ処理装置本体100と、ワーク10を載置するステージ200とを備えている。
プラズマ処理装置本体100は、ステージ200の上側に設けられたヘッド300と、ヘッド300に電圧を印加する電源回路(電圧印加手段)7と、ヘッド300にガスGを供給するガス供給手段8と、ステージ200とヘッド300との間に設けられ、遮蔽手段50の作動により変位するプラズマ遮蔽部材51とを有している。
また、プラズマ処理装置本体100は、図1に示さない、プラズマ処理装置本体100(ヘッド300)をz軸方向に移動させる装置本体移動手段180を有している。
このようなプラズマ処理装置本体100は、プラズマ噴出口5から噴出した活性種のワーク10の被処理面101への接触を阻止する非処理モードと、プラズマ噴出口5から噴出した活性種のワーク10の被処理面101への接触を許容する処理モードとを有している。そして、後述する制御手段170により、遮蔽手段50の作動を制御して、処理モードと非処理モードとの切り替えが可能なように構成されている。
また、本実施形態では、ワーク10の被処理面101の処理領域102および非処理領域103のうちいずれの位置にプラズマ噴出口5が対応して位置しているかに応じて、制御手段170により、遮蔽手段50の作動を制御して、非処理モードと処理モードとの切り替えが行われるようになっている。
以下、プラズマ処理装置本体100の各部の構成について説明する。
ヘッド300は、全体として下端部で収斂する円筒状をなしており、その上側で開口するガス導入口6と、下側で開口するプラズマ噴出口5と、ガス導入口6とプラズマ噴出口5との双方に連通するプラズマ生成空間30とを備えている。
このヘッド300は、ガス供給手段8によりガスGが供給されると、プラズマ生成空間30においてプラズマPが発生し、発生したプラズマ中では、電界により加速された電子がガス分子と衝突し、励起分子、ラジカル原子、正イオン、負イオン等の活性種を生成する。そして、この生成された活性種をプラズマ噴出口5からワーク10の被処理面101に向けて放出する。
本実施形態のヘッド300は、円柱状の第1の電極2と、円筒状をなし、その内部空間に第1の電極2が位置する第2の電極3と、第1の電極2および第2の電極3にそれぞれ設けられた誘電体部41、42とで構成されている。
第1の電極2は、全体形状が円柱状をなし、その軸方向(長手方向)がワーク10に対してほぼ直交するように配置されている。
一方、第2の電極3は、全体形状が円筒状をなしており、その内周面で規定される内部空間の横断面積が上側から下側に向かって一定となっている。この第2の電極3の内部空間内に第1の電極2が、その軸方向(長手方向)がワーク10に対してほぼ直交するように、挿入・固定されている。
ここで、後述する誘電体部41で覆われた状態の第1の電極2の容積は、後述する誘電体部42で覆われた状態の第2の電極3の内周面で規定される内部空間の容積より小さく設定されている。これにより、第1の電極2を第2の電極3の内部空間内に配置した状態(ヘッド300の組立状態)において、第2の電極3の内周面と、第1の電極2の外周面との間には、これらによって規定される空間(間隙)、すなわち、プラズマ生成空間30が画成されている。
このプラズマ生成空間30は、その上側で開口(開放)しており、この開口部によりガス導入口6が形成される。
このような第1の電極2および第2の電極3の構成材料としては、それぞれ、例えば、銅、アルミニウム、鉄、銀のような金属単体、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウム合金のような各種合金、金属間化合物、各種炭素材料等の導電性が良好な導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、第1の電極2の構成材料は、第2の電極3の構成材料と同一であっても、異なっていてもよい。
なお、第1の電極2および第2の電極3の形状は、上述したような円柱状および円筒状をなすものに限定されず、例えば、互いに対向する平板状のものであってもよい。
これらの第1の電極2および第2の電極3には、第1の電極2と第2の電極3とが対向する面、すなわち第1の電極2の外周面および第2の電極3の内周面を覆うように、それぞれ誘電体材料で構成される誘電体部41、42が形成されている。
さらに、第2の電極3の内周面に設けられた誘電体部42は、第2の電極3の下端部より下方に延在して設けられ、この誘電体部42の延在する部分が上側から下側に向かって収斂している。すなわち、誘電体部42の延在する部分の横断面積が上側から下側に向かって漸減している。
さらに、この誘電体部42が延在する部分の下端部で開口(開放)しており、この開口部によりプラズマ噴出口5が形成される。かかる構成の誘電体部42の下端部にプラズマ噴出口5が開口する構成とすることにより、プラズマ噴出口5から噴出された活性種を、ワーク10の被処理面101の目的とする領域に確実に供給することができる。
このように、第1の電極2と第2の電極3との対向面にそれぞれ誘電体部41、42が形成されていることにより、第1の電極2と第2の電極3との間において、電極である金属等が露出しないため、電極間に電界を均一に発生させることができる。また、インピーダンスの増大を防止することができ、比較的低電圧で所望の放電を生じさせ、プラズマを確実に発生させることができる。さらに、電圧印加時における絶縁破壊を防止して、アーク放電が生じるのを好適に防止し、グローライクな安定した放電を得ることもできる。
誘電体部41、42の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレートのようなプラスチック(樹脂材料)、石英ガラスのような各種ガラスおよび無機酸化物等が挙げられる。なお前記無機酸化物としては、例えば、Al、SiO、ZrO、TiO等の金属酸化物、BaTiO(チタン酸バリウム)等の複合酸化物等が挙げられる。
誘電体部41、42の厚さは、特に限定されないが、0.01〜4.0mm程度であるのが好ましく、1.0〜2.0mm程度であるのがより好ましい。誘電体部41、42の厚さが厚すぎると、プラズマ(所望の放電)を発生させるために高電圧を要することがあり、また、薄すぎると、電圧印加時に絶縁破壊が起こり、アーク放電が発生するおそれがある。
ここで、誘電体部41、42の構成材料として、25℃における比誘電率が10以上である誘電体を用いれば、低電圧で高密度のプラズマを発生させることができ、プラズマ処理の処理効率がより向上するという利点がある。
また、使用可能な誘電体の比誘電率の上限は特に限定されないが、比誘電率が10〜100程度のものが好ましい。比誘電率が10以上である誘電体には、ZrO、TiO等の金属酸化物、BaTiO等の複合酸化物が該当する。
なお、誘電体部41、42は、第1の電極2の外周面と第2の電極3の内周面を覆っていればよく、本実施形態のように、第2の電極3の外周面は覆われていなくてよい。かかる構成とすることによっても、プラズマ生成空間30において、第1の電極2の表面が露出するのを確実に防止することができる。そのため、少ない量の誘電体材料で、アーク放電が生じるのを好適に防止することができる。
ヘッド300には、図1に示すように、電源回路(電圧印加手段)7が接続されている。
電源回路7は、第1の電極2と第2の電極3との間に電圧を印加する高周波電源(電源)72と、高周波電源72と第1の電極2とを導通(接続)する導線71と、高周波電源72と第2の電極3とを導通する導線73とを備えている。また、電源回路7は、導線73を介してアース(接地)されている。
かかる構成の電源回路7において、高周波電源72を作動させて第1の電極2と第2の電極3との間に電圧を印加すると、その第1の電極2と第2の電極3との間には、電界が発生する。そして、この状態で、第1の電極と第2の電極との間の空間、すなわちプラズマ生成空間30に、ガスGを供給すると放電が生じてプラズマが発生し、さらに、このプラズマ中において、電界により加速された電子がガス分子と衝突することにより、励起分子、ラジカル原子、正イオン、負イオン等の活性種が生成する。
この高周波電源72の周波数は、特に限定されないが、1KHz〜150MHzであるのが好ましく、10〜60MHzであるのがより好ましい。
なお、電源回路7には、高周波電源72の他、電源回路7内のインピーダンスの整合(マッチング)を自動的に行うマッチングボックス(整合器)や、高周波電源72の周波数を変える周波数調整手段(回路)および高周波電源72の印加電圧の最大値(振幅)を変える電圧調整手段(回路)等が設置されていてもよい。これにより、ワーク10の被処理面101に対するプラズマ処理の処理条件を適宜調整することができる。
ヘッド300のプラズマ生成空間30内には、ガス導入口6を介して、ガス供給手段8によりガスGが供給される。
このガス供給手段8は、ガス導入口6にガス管(配管)82を介して接続されたガス供給源81と、ガス管82の途中に接続されたマスフローコントローラ(流量調整手段)84およびバルブ(流路開閉手段)83とを有している。なお、マスフローコントローラ84は、バルブ83よりガス導入口6(下流側)に配置されている。
ガス供給源81は、ガスGを充填するガスボンベであり、ガス管82を介してガス導入口6に供給する。マスフローコントローラ84は、ガス供給源81から供給されるガスGの流量を調整する。バルブ83は、マスフローコントローラ84より上流側に設けられ、ガス管82内の流路を開閉する。
プラズマ生成空間30内にバルブ83を開放してガスGを供給すると、第1の電極2と第2の電極3との間に電圧を印加することにより生じた電界により、放電、すなわち、グロー放電(バリア放電)が生じる。その結果、プラズマ生成空間30内において、プラズマPが生じ、このプラズマP中で、電界により加速された電子がガスGを構成する分子と衝突し、励起分子、ラジカル原子、正イオン、負イオン等の活性種が生成する。遮蔽手段50が処理モードである場合、生成した活性種は、プラズマ噴出口5からワーク10の被処理面101に向かって放出され、被処理面101に接触することによりワーク10の被処理面101が分解・除去(プラズマ処理)される。
このようなプラズマ処理に用いるガスGが含む処理ガスには、処理目的により種々のガスを用いることができる。
(a)本実施形態のように、ワークWの被処理面をエッチング(またはダイシング)することを目的とする場合、例えば、CF、C、C、C、CClF、SF等のフッ素原子含有化合物ガスやCl、BCl、CCl等の塩素原子含有化合物ガスなどの各種ハロゲン系ガスが用いられる。
また、その他の処理目的の場合には、目的別に以下示すような処理ガスを用いることができる。
(b)ワークWの被処理面を加熱することを目的とする場合、例えば、N、O等が用いられる。
(c)ワークWの被処理面を撥水(撥液)化することを目的とする場合、例えば、前記フッ素原子含有化合物ガスが用いられる。
(d)ワークWの被処理面を親水(親液)化することを目的とする場合、例えば、O、HO、空気等の酸素原子含有化合物、N、NH等の窒素原子含有化合物、SO、SO等の硫黄原子含有化合物が用いられる。これにより、ワーク10の被処理面101にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高くし、親水性表面を得ることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸等の親水基を有する重合性モノマーを用いて親水性重合膜を堆積(形成)することもできる。
(e)ワークWの被処理面に電気的、光学的機能を付加することを目的とする場合、SiO、TiO、SnO等の金属酸化物薄膜をワークWの被処理面に形成するために、Si、Ti、Sn等の金属の金属−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコキシド(有機金属化合物)等が用いられる。
(f)レジスト処理や有機物汚染の除去を目的とする場合は、例えば酸素系ガスが用いられる。
このようなガスGには、一般に、上記処理ガスとキャリアガスとからなる混合ガス(以下、単に「ガス」とも言う)が用いられる。
なお、「キャリアガス」とは、放電開始と放電維持のために導入するガスのことを言い、このキャリアガスがプラズマ生成空間30内に供給されると電極2、3間で放電が生じプラズマが発生(生成)し、放電が維持される間、プラズマの発生も維持される。
また、「処理ガス」とは、プラズマ中に、励起分子、ラジカル原子、正イオン、負イオン等の活性種を生成するために導入するガスのことを言う。すなわち、処理ガスは、プラズマ放電空間30に導入されると、電界により加速された電子と衝突することにより活性化して、活性種を生成する。
この場合、ガスボンベ81内に、混合ガス(処理ガス+キャリアガス)をガスGとして充填して用いてもよいし、処理ガスとキャリアガスとがそれぞれ別のガスボンベに充填され、ガス管82の途中でこれらが所定の混合比で混合されるような構成であってもよい。
キャリアガスとしては、He、Ne、Ar、Xe等の希ガスを用いることができる。これらは、単独でも2種以上を混合した形態でも用いることができる。
混合ガス中における処理ガスの占める割合(混合比)は、処理の目的によっても若干異なり、特に限定されないが、例えば、混合ガス中の処理ガスの割合が0.1〜10%程度であるのが好ましく、0.3〜4%程度であるのがより好ましい。これにより、効率的に放電が開始され、処理ガス(ガスG)により、所望のプラズマ処理をすることができる。
処理モードにおいて、プラズマ生成空間30に供給するガスG(キャリアガスおよび処理ガスの混合ガス)の流量は、ガスの種類、処理の目的、処理の程度等に応じて適宜決定される。通常は、ガスGの流量は、30SCCM〜2SLM程度であるのが好ましい。これにより、効率的にプラズマ生成空間30で活性種が生成するため、微細な加工をすることができる。
一方、非処理モードにおいて、プラズマ生成空間30に供給するガスGの流量は、処理モードにおける流量とほぼ同量であってもよいが、活性種の生成を維持するための必要最小量に設定されているのが好ましい。これにより、キャリアガスの使用量の削減、プラズマ処理装置1(具体的には、後述するプラズマ遮蔽部材51)の長寿命化を図ることができる。具体的には、ガスGの流量は、10SCCM〜1SLM程度であるのが好ましい。
また、ガスGに含まれるキャリアガスと処理ガスとの比率は、ガスGの流量と同様に、ガスの種類、処理の目的、処理の程度等に応じて適宜決定されるが、通常、10:1〜100:1程度であるのが好ましい。これにより、プラズマ生成空間30に安定的にプラズマを発生することができるとともに、このプラズマにより活性種を生成することができる。
また、制御手段170は、後述する遮蔽手段50を非処理モードから処理モードに切り替えると、ガスGの流量が活性種の生成を維持するための必要最小量に設定されている場合、ガス供給手段8を作動して、プラズマ生成空間30に供給するガスGの流量を所定の流量(設定流量)となるまで増加させる。この流量の増加は、徐々に行うのが好ましい。プラズマ生成空間30に供給するガスGの流量が急激に増加すると、プラズマ生成空間30内でガスGが飽和状態となり、電極2、3間の放電が停止するおそれがある。このように電極2、3間の放電が停止すると、プラズマ生成空間30内のプラズマが消失することとなり、その結果、活性種を安定的に生成ができなくなるおそれがある。
具体的には、ガスGの増加率は、10〜50SCCM/秒であるのが好ましい。これにより、プラズマ生成空間30で十分なプラズマ密度を得るのに要する時間が長時間化するのを確実に防止することができる。
ステージ200とヘッド300との間には、プラズマ遮蔽部材51が設けられている。
さらに、プラズマ遮蔽部材51には、このプラズマ遮蔽部材51の変位を可能にする遮蔽手段50が設けられている。
プラズマ遮蔽部材51は、制御手段170により遮蔽手段50の作動を制御することにより、x軸方向の任意の位置に移動することができる。これにより、プラズマ遮蔽部材51は、図1(a)に示すようなワーク10の被処理面101へのプラズマ噴出口5から噴出した活性種の接触を阻止する第1の状態と、図1(b)に示すような活性種の接触を許容する第2の状態とに移動(変位)することができる。
ここで、第1の状態とは、図1(a)に示すように、ワーク10とプラズマ噴出口5(ヘッド300)との間の空間で、ワーク10に対してほぼ直交する線分がプラズマ噴出口5と重なる領域にプラズマ遮蔽部材51が位置していることを言う。このような第1の状態にプラズマ遮蔽部材51を位置することにより、プラズマ噴出口5から噴出した活性種は、プラズマ噴出口5とワーク10との間に位置するプラズマ遮蔽部材51に接触するため、ワーク10の被処理面101への活性種の接触を確実に阻止することができる。
また、第2の状態とは、図1(b)に示すように、ワーク10とプラズマ噴出口5との間の空間で、ワーク10に対してほぼ直交する線分がプラズマ噴出口5と重ならない領域にプラズマ遮蔽部材51が位置していることを言う。このような第2の状態にプラズマ遮蔽部材51を位置することにより、プラズマ噴出口5から噴出した活性種は、プラズマ遮蔽部材51に接触することなく、ワーク10の被処理面101に接触(到達)することとなる。その結果、ワーク10の被処理面101にプラズマ処理が施される。
プラズマ遮蔽部材51がこのような第1の状態と第2の状態とに変位可能であることから、制御手段170により遮蔽手段50の作動を制御して、プラズマ遮蔽部材51を第1の状態とすることにより、ワーク10の被処理面101へのプラズマ処理を停止する非処理モードと、プラズマ遮蔽部材51を第2の状態とすることにより、ワーク10の被処理面101に活性種を接触させてプラズマ処理する処理モードとに切り替え可能となっている。
ここで、本発明のプラズマ処理装置1では、プラズマ遮蔽部材51が第1の状態となる非処理モードであるときにも、プラズマ生成空間30内における活性種の生成が安定的に維持されている。
そのため、非処理モードから処理モードへの切り替えは、上述したようにプラズマ遮蔽部材51を第1の状態から第2の状態に変位させるだけでよく、速やかに安定な活性種をワーク10の被処理面101に供給することができる。その結果、前述したような、I)電極2、3間の放電をオフからオンに切り替えた後、放電が安定するまでの間、プラズマが不安定な状態(過渡状態)にあり、この状態でプラズマをワークに接触させると、ワークにダメージを与えてしまう、II)電極2、3間の放電をオフからオンに切り替えた後、放電が安定するまで、ワーク10への活性種の供給を停止する方法も考えられるが、この場合、電極2、3間の放電をオンに切り替えた後、この放電が安定するまでに数秒〜10秒程度かかることから、サイクルタイムが長くなる等の問題を解消することができる。
また、本実施形態では、上述したような制御手段170による非処理モードと処理モードとの切り替え、すなわちプラズマ遮蔽部材51の第1の状態と第2の状態との変位は、図4に示すような、プラズマ処理を施す処理領域102と、処理領域102を除く非処理領域103とを有するワーク10の被処理面101に対してプラズマ処理を行う場合、プラズマ噴出口5が処理領域102および非処理領域103のいずれの領域に対応する位置に存在するかに応じて行われる。
具体的には、プラズマ遮蔽部材51は、プラズマ噴出口5(ヘッド300)が非処理領域103に対応する位置にあるときには、第1の状態となることにより非処理モードに設定される。また、プラズマ噴出口5(ヘッド300)が処理領域102に対応する位置にあるときには、第1の状態から第2の状態となることにより、非処理モードから処理モードに設定される。その結果、活性種の処理領域102への接触が許容される。さらに、プラズマ噴出口5が処理領域102から非処理領域103に対応する位置に移行するときには、第2の状態から第1の状態となることにより、処理モードから非処理モードに切り替わるように構成されている。
ここで、プラズマ噴出口5が被処理面101の非処理領域103に対応する位置にある状態とは、プラズマ噴出口5のX−Y座標上での位置、すなわちプラズマ噴出口5の平面視での位置が、被処理面101の非処理領域103に全て重なっている状態、すなわち被処理面101の処理領域102に全く重なっていない状態を言う。また、プラズマ噴出口5がワーク10の処理領域102に対応する位置にある状態とは、プラズマ噴出口5が被処理面101の非処理領域103に対応する位置にある状態と逆の状態を言う。
プラズマ噴出口5が非処理領域103に対応する位置にあるとき、非処理モードが継続されるように構成することにより、非処理領域103が活性種に晒されるのを防止することができる。
また、前述のように非処理モードから処理モードに切り替わったとき、速やかに活性種を供給することができるので、プラズマ噴出口5が処理領域102に対応する位置にあるときに、処理領域102が不安定な活性種に晒されるのを確実に防止することができ、処理領域102に対して安定なプラズマ処理を施すことができる。これにより、ワーク10へのダメージを抑えつつ、プラズマ処理を精度よく、かつ迅速に行うことができる。また、プラズマ生成空間30を形成する各部にかかる負荷を抑制することができ、プラズマ処理装置1の信頼性を確保することができる。
さらに、非処理モードから処理モードに切り替えた後の、プラズマが安定するまでの待機時間を短縮もしくは不要とすることができるので、処理領域102が不連続に点在するワークに対するプラズマ処理を高速で行うことができる。
本実施形態では、プラズマ遮蔽部材51は、図2に示すように、全体として長方形状の板状体をなしており、板状の本体部511と、本体部511のプラズマ噴出口5から噴出した活性種が接触する側の面(上側の面)を覆うように設けられた犠牲層512と、本体部511および犠牲層512を冷却する冷却手段516とを有している。
本体部511は、犠牲層512の支持体となるとともに、冷却手段516により供給される冷媒を循環するための溝513が形成されており、この溝513(流路519)における冷媒の循環により犠牲層512を冷却する機能を有するものである。
また、本体部511の下側の面には、溝513に連通する冷媒注入口517および冷媒排出口518が設けられており、これら注入孔および排出口を介して冷媒の注入および排出が行われる。
本体部511の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、石英ガラス等の各種ガラス、前記金属酸化物、複合酸化物等の各種無機酸化物(セラミックス)、各種金属材料等が挙げられる。
本体部511の平均厚さは、特に限定されないが、0.5〜3.0cm程度であるのが好ましい。
また、溝513は、本実施形態では、図2に示すように、本体部511の縁部に沿うように形成されている。
この溝513と、溝513と対面する犠牲層512の下側の面とにより、冷媒が循環する流路519が構成される。
本実施形態のように、溝513を縁部に形成する構成とすることにより、本体部511に犠牲層512の支持体としての機能を発揮させることができ、プラズマ遮蔽部材51全体としての強度を確実に増強することができる。また、犠牲層512の冷却を確実に行うことができる。
この溝513の平均幅は、特に限定されないが、0.3〜2.0cm程度であるのが好ましい。
なお、溝513は、本体部511の縁部に沿うように形成されている場合の他、例えば、平面視において、本体部511内を蛇行するように形成されていてもよいし、本体部511に渦巻き状に形成されていてもよい。
犠牲層512は、本体部511の上側の面を覆うように設けられており、プラズマ噴出口5から噴出した活性種と接触して、ワーク10の被処理面101への活性種の接触を阻止する機能を有するものである。
このような犠牲層512の構成材料としては、特に限定されないが、活性種の接触によってもエッチングされにくい材料を用いるのが好ましく、具体的には、例えば、SUS201、SUS301、SUS304、SUS316、SUS420、SUS403のようなステンレス鋼、アルミナ、窒化アルミニウム、イットリア、ジルコニア、チタニア、ハイドロキシアパタイトのような各種セラミックス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、犠牲層512は、図2に示すような単層のものに限定されず、例えば、これらの材料で構成される積層体であってもよい。
また、犠牲層512は、本体部511から着脱可能に設けられているのが好ましい。これにより、犠牲層512の劣化の程度に応じて、犠牲層512の取替えが可能となる。その結果、犠牲層512の取替えを行うだけで、プラズマ遮蔽部材51を再利用することができるため、コストの大幅な削減を図ることができる。
犠牲層512の平均厚さは、特に限定されないが、0.2〜1.5cm程度であるのが好ましい。
冷却手段516は、流路519内に冷媒を循環させることにより、本体部511および犠牲層512を冷却する機能を有するものである。
本体部511および犠牲層512(特に、犠牲層512)を、冷却手段516を用いて冷却する構成とすることにより、たとえ活性種が犠牲層512に接触したとしても、活性種が接触することによる犠牲層512の加熱を好適に防止または低減することができる。その結果、犠牲層512の取替え時期の延長、すなわちプラズマ遮蔽部材51の長寿命化を図ることができる。
冷却手段516は、冷媒循環手段515と、冷媒循環手段515から供給された冷媒を流路519内に循環させる冷媒循環路514とを有している。
冷媒循環手段515は、冷媒を冷却する機能を備えたポンプであり、冷媒循環路514を介して流路519内に冷媒を循環させる。
また、冷媒循環路514は、冷媒注入口517および冷媒排出口518に接続されており、冷媒注入口517から冷媒を流路519内に供給するとともに、冷媒排出口518から排出された冷媒を冷媒循環手段515に戻すために設けられている。
冷媒としては、特に限定されず、例えば、液体、気体などの流体を用いることができる。この中でも、特に、水、フロリナート、液体ヘリウム、液体窒素等が好適に用いられる。
冷媒循環手段515としては、流路519に冷媒を循環することができればよく、特に限定されるものではないが、コンプレッサーを備えたスクリュポンプ等が好適に用いられる。
なお、プラズマ遮蔽部材51を冷却する方法としては、プラズマ遮蔽部材51内に冷媒を循環することにより冷却する方法の他、プラズマ遮蔽部材51にペルチェ素子等が備える冷却面を接触させることにより電気的に冷却するようにしてもよい。
ただし、本実施形態のように、流路519内に冷媒を循環する構成とすることにより、比較的簡単な構成で、犠牲層512を確実に冷却することができるとともに、用いる冷媒の種類を適宜選択することにより、犠牲層512を冷却する温度を容易に設定することができる。
また、遮蔽手段50としては、公知のいずれの構成のものを用いてもよく、例えば、コンベア(ベルト駆動、チェーン駆動等)、スクリュー軸を備えた送り機構、ローラ送り機構等が挙げられる。
なお、プラズマ遮蔽部材51が遮蔽手段50の作動により移動する方向は、本実施形態のようにx軸方向に限らず、y軸方向であってもよい。
上述したようなプラズマ処理装置本体100(ヘッド300)は、遮蔽手段50が処理モードの際に、第1の電極2と第2の電極3とが対向する領域すなわちプラズマ生成空間30の下端が、ワーク10の被処理面101から所定距離(図1中、hで示す大きさ)だけ離れた位置に配置される。かかる離間距離hは、電源回路7の出力や、ワーク10の被処理面101に施すプラズマ処理の種類等を考慮して適宜設定されるが、大気圧下でプラズマ処理を施す場合、200mm以下であるのが好ましく、1〜50mm程度であるのがより好ましい。離間距離hをかかる範囲内に設定することにより、プラズマ生成空間30からワーク10の被処理面101までの距離が最適な距離に設定されるので、発生した活性種が消失することなく、被処理面101に到達することができる。
ところで、本実施形態では、プラズマ処理装置本体100は、プラズマ生成空間30の下端からワーク10の被処理面101までの距離を任意の大きさに設定し得るように、プラズマ処理装置本体100は、このプラズマ処理装置本体100(ヘッド300)をz軸方向(ワーク10の被処理面101に対してほぼ直交する方向)に移動する装置本体移動手段180を有している。かかる構成とすることにより、電源回路7の出力や、ワーク10の被処理面101に施すプラズマ処理の種類等に応じて、プラズマ生成空間30の下端とワーク10の被処理面101との間の離間距離を所望の大きさに設定することができる。
また、装置本体移動手段(移動手段)180は、遮蔽手段50の非処理モードと処理モードとの切り替えに連動(同期)して、制御手段170により作動するよう構成されているのが好ましい。
すなわち、制御手段170は、遮蔽手段50を非処理モードから処理モードに切り替えると、装置本体移動手段180を作動させて、処理モードにおいて、プラズマ生成空間30の下端からワーク10の被処理面101までの距離が、プラズマ噴出口5から噴出される活性種を消失することなく、ワーク10の被処理面101に到達させることができるような離間距離hとなるように、プラズマ処理装置本体100(ヘッド300)を下降させるのが好ましい。これにより、ワーク10の被処理面101を効率よくプラズマ処理することができる。
また、制御手段170は、ガス供給手段8を処理モードから非処理モードに切り替えると、装置本体移動手段180を作動させて、非処理モードにおいて、プラズマ生成空間30の下端からプラズマ遮蔽部材51の上側(プラズマ生成空間30側)の面までの距離を、プラズマ噴出口5から噴出される活性種がほぼ消失して、プラズマ遮蔽部材51と接触が緩和されるように、プラズマ処理装置本体100を上昇させて、その大きさ離間距離hを設定する。これにより、プラズマ遮蔽部材51が加熱するのを好適に防止または抑制して、このプラズマ遮蔽部材51が変質・劣化してしまうのを好適に防止または抑制することができる。すなわち、プラズマ遮蔽部材51の長寿命化を図ることができる。
非処理モードにおいて、プラズマ生成空間30の下端からプラズマ遮蔽部材51の上側(プラズマ生成空間30側)の面までの距離(離間距離h)は、その大きさが、少なくとも処理モードにおける、プラズマ生成空間30の下端とワーク10の被処理面101との間の距離(離間距離h)大きさよりも大きく設定されるが、具体的には100mm以上であるのが好ましく、200〜1000mm程度であるのがより好ましい。これにより、プラズマ噴出口5から噴出される活性種が、プラズマ遮蔽部材51に接触するのを好適に防止または抑制することができる。
このような装置本体移動手段180は、前述した遮蔽手段50と同様の構成のものを用いることができる。
ステージ200は、図1に示すようにワーク10を載置するワーク保持部201と、ワーク保持部201を移動するワーク保持部移動手段190(図示せず)とを有している。
ワーク保持部201は、ワーク保持部移動手段190の作動により、ワークWをx軸方向およびy軸方向に移動することができる。これにより、ヘッド300のプラズマ噴出口5を、ワーク10の被処理面101に対して相対的に移動させることができる。
ワーク保持部201は、その上面が平坦なワーク保持面で構成され、該ワーク保持面が、第1の電極2および第2の電極3の中心軸と直交するように配設されている。
本実施形態では、ワーク保持部201は、ワーク10の被処理面101を包含する領域を、プラズマ噴出口5(ヘッド300)が走査し得るように、ワーク保持部移動手段190によって移動操作される。そのため、ワーク保持部移動手段190によりワーク保持部201を移動させることにより、ワーク10の目的とする処理領域102を処理することができる。
すなわち、ワーク保持部201を図1および図4中のx方向およびy方向に走査することにより、例えば、ワーク10の被処理面101の全体にわたって点在する処理領域102に対して処理することができる。
なお、ワーク保持部移動手段190は、移動速度(プラズマ噴出口5とワーク10の被処理面101との相対移動速度)を調節可能とするのが好ましい。これにより、処理の程度(密度)を調整したり、全体処理時間を調整したりすることができ、ワーク10の処理領域102に対する各種処理の最適化を図ることができる。
このようなワーク保持部移動手段190の作動は、制御手段170により制御し得るよう構成されている。
ワーク保持部の構成材料としては、特に限定されないが、それぞれ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、石英ガラス等の各種ガラス、前記金属酸化物、複合酸化物等の各種無機酸化物(セラミックス)、各種金属材料等が挙げられる。
このようなワーク保持部移動手段190は、前述した装置本体移動手段180と同様の構成のものを用いることができる。
ワーク保持部201に載置され、プラズマ処理が施されるワーク10としては、特に限定されないが、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス等の各種ガラス、シリコン、ガリウム−ヒ素、ITO等の各種半導体材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、液晶ポリマー、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等各種プラスチック(樹脂材料)のような誘電体材料で構成されたものが挙げられる。
また、ワーク10としては、図示のような板状(基板)のものの他、例えば、層状、フィルム状、レンズ状等のものであってもよい。
なお、図示のような平板状のワーク10としては、例えば、水晶振動子等に用いられるガラスチップおよび水晶基板、液晶表示装置や有機EL表示装置等に用いられるディスプレイパネル、半導体ウェハー、シリコンウェハー、セラミックスチップ等が挙げられる。
また、ワーク10の形状(平面視での形状)は、四角形のものに限らず、例えば、円形(楕円形)等のものであってもよい。
また、上記記載の基材上に、半導体素子や配線、無機材料膜等等が形成された状態の基板であっても処理が可能である。特に、プラズマ処理装置1は、非処理モードから処理モードに切り替わった後、速やかに安定なプラズマが得られるので、非処理モードと処理モードとの切り替えが繰り返されるようにワーク10、すなわち、不連続な処理領域を多数備えるワーク10に対するプラズマ処理に好適に用いることができる。
さらに、ワーク10の形状としては、平坦な板状に限らず、凹凸を有する形状や球面状等であってもよい。
このようなワーク10の厚さは、特に限定されないが、通常は、0.03〜1.2mm程度であるのが好ましく、0.05〜0.7mm程度であるのがより好ましい。
次に、本実施形態のプラズマ処理装置1によりワーク10の被処理面101にプラズマ処理を施す際の動作を、図1および図3に示すブロック図を用いてさらに詳細に説明する。なお、ここでは、図4に示すように、ワーク10の被処理面101が3箇所の処理領域102(処理領域A、処理領域B、処理領域C)を有し、この被処理面101の処理領域102をエッチング処理する場合を一例に説明する。
図3に示すように、このプラズマ処理装置1は、入力等の各操作を行う操作部(入力手段)150と、被処理面101の処理領域102および非処理領域103の位置情報等を記憶する記憶部(記憶手段)160と、遮蔽手段50、ガス供給手段8、装置本体移動手段180およびワーク保持部移動手段190の作動を制御する制御手段170とを備えている。
操作部150としては、例えば、キーボード、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えたタッチパネル等を用いることができ、この場合は、操作部150は、各種の情報を表示(報知)する表示手段(報知手段)も兼ねる。
また、記憶部160は、被処理面101の処理領域102および/または非処理領域103の位置情報等の各種の情報、データ、演算式、テーブル、プログラム等が記憶(記録とも言う)される記憶媒体(記録媒体とも言う)を有しており、この記憶媒体は、例えば、RAM等の揮発性メモリー、ROM等の不揮発性メモリー、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリー等の書き換え可能(消去、書き換え可能)な不揮発性メモリー等、各種半導体メモリー、ICメモリー、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体等で構成される。この記憶手段160における書き込み(記憶)、書き換え、消去、読み出し等の制御は、制御手段170によりなされる。
また、制御手段170は、例えば、演算部やメモリー等を内蔵するマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ等のコンピュータで構成されており、制御手段170には、操作部150や記憶部160からの信号(入力)が、随時入力される。そして、制御手段170は、操作部150や記憶部160からの信号等に基づき、予め設定されたプログラムに従って、プラズマ処理装置1の各部の作動(駆動)、例えば、遮蔽手段50、ガス供給手段8、装置本体移動手段180およびワーク保持部移動手段190等の作動をそれぞれ制御する。
このようなプラズマ処理装置1は、制御手段170が、操作部150に入力された被処理面101の処理領域102および非処理領域103の位置情報等に応じて、被処理面101の処理を実行するように、遮蔽手段50、ガス供給手段8、装置本体移動手段180およびワーク保持部移動手段190等の作動をそれぞれ制御するよう構成されている。
なお、操作部150に入力する位置情報は、処理領域102および非処理領域103の双方の位置情報であってもよいし、いずれか一方の位置情報であっても、処理領域102に対して選択的にプラズマ処理を施すことができる。ここでは、処理領域102の位置情報を操作部150に入力し、これに応じて各部の作動を制御する場合を一例に説明する。
<1A> 被処理面101のエッチングに際しては、まず、ワーク10を搬送アーム等の搬送手段を用いて、ワーク保持部201にセットする。
<2A> 次に、操作者は、このワーク10の被処理面101における処理領域102の位置情報を、操作部150から入力し、記憶部160に記憶させておく。
この位置情報としては、例えば、各処理領域102の中心座標、半径(平均または近似値)等が挙げられる。図4に示すワーク10の場合、図4において紙面左右方向をx軸方向、紙面上下方向をy軸方向としたときに、表1に示すような位置情報を記憶部160に記憶させる。
なお、被処理面101における処理領域102の位置情報は、このように操作者が操作部150から入力する場合の他、例えば、次のようにして記憶部160に記憶させることができる。
すなわち、ワーク10の被処理面101にランダムに凸部が形成されており、この凸部をエッチング処理する場合、ヘッド300に板状体の表面の状態(凹凸の状態)を測定し得る測定手段を設けておく。そして、ワーク10の被処理面101をヘッド300で走査して、測定手段によりワーク10の被処理面101に形成された凸部の位置を検出することにより、この凸部の位置を処理領域102の位置情報として記憶部160に記憶させることができる。
また、このような測定手段としては、例えば、例えば、接触式の探査計、光学系による各種干渉計、原子間力顕微鏡(AFM)、顕微干渉系等が挙げられる。
Figure 0005239178
<3A> 次に、高周波電源72を作動させる。これにより、第1の電極2と第2の電極3との間に高周波電圧が印加され、これらの間に電界が発生する。
また、このとき、制御手段170は、ガス供給手段8の作動を制御することにより、バルブ83を開き、マスフローコントローラ84によりガスGの流量を調整して、ガス供給源81からガスGを送出(供給)する。これにより、ガス供給供給源81から送出されたガスGは、ガス管82を通過し、ガス導入口6からプラズマ生成空間30(第1の電極2と第2の電極3の間)に導入(供給)される。
そして、プラズマ生成空間30中には、高周波電源72の作動により電界が発生している。そのため、ガスGの導入により放電して、プラズマが発生することにより、活性種が生成し、この活性種がプラズマ噴出口5から噴出される。
このとき、制御手段170は、プラズマ遮蔽部材51を第1の状態としている。これにより、ワーク10の被処理面101へのプラズマ噴出口5から噴出した活性種の接触が阻止される。すなわち、ワーク10の被処理面101(非処理領域103)に対するプラズマ処理はオフ状態(非処理モード)となる。
ここで、ガスGの流量は、マスフローコントローラ84により、放電開始および放電維持して、プラズマの生成を維持するために必要な最小量程度に調整される。
また、冷却手段516を作動して、プラズマ遮蔽部材51を冷却することにより、プラズマ遮蔽部材51(特に、犠牲層512)の加熱を防止または抑制する。
さらに、この時、プラズマ生成空間30の下端からプラズマ遮蔽部材51の上側の面までの距離を前述したような離間距離hの大きさに保たれている。なお、この離間距離hは、プラズマ噴出口5から活性種を噴出させたときに、プラズマ遮蔽部材51の上側の面に活性種がほぼ接触しない(到達しない)距離であり、予め実験的に求めておくことができる。
<4A> 次に、制御手段170は、記憶部160に記憶されている位置情報に基づいてワーク保持部移動手段190の作動を制御して、プラズマ噴出口5を、被処理面101の非処理領域103に対応する位置から処理領域A(処理領域102)に対応する位置に移動させる。
<5A> 次に、制御手段170は、遮蔽手段50の作動を制御することにより、プラズマ遮蔽部材51を第1の状態から、ワーク10の被処理面101へのプラズマ噴出口5から噴出した活性種の接触が許容される第2の状態とする。その結果、プラズマ噴出口5から噴出した活性種がワーク10の被処理面101に到達(接触)することとなる。すなわち、ワーク10の被処理面101(処理領域A)に対するプラズマ処理がオン状態(処理モード)となる。これにより、被処理面101の処理領域A(処理領域102)がプラズマ処理される。
なお、ここでのガスGの流量は、プラズマ生成空間30に十分な活性種を発生させる流量であり、予め実験的に求めておくことができる。このガスGの流量は、制御手段170によりマスフローコントローラ84の作動を制御することにより、前記工程<3A>におけるプラズマの生成を維持するために必要な最小量程度の流量から所定の流量まで徐々に増加するよう調整されている。
<6A> 次に、制御手段170は、装置本体移動手段180を作動させることにより、プラズマ生成空間30の下端からワーク10の被処理面101までの距離を離間距離hにまで接近させる。
なお、この離間距離hは、プラズマ噴出口5から活性種を噴出させたときに、ワーク10の被処理面101に、活性種が消失することなく到達し得る離間距離であり、予め実験的に求めておくことができる。
このようにプラズマ生成空間30の下端からワーク10の被処理面101までの距離を離間距離hにまで接近させる構成とすることにより、被処理面101の処理領域Aのプラズマ処理をより円滑に行うことができる。
<7A> 次に、処理領域A(処理領域102)に対応するプラズマ処理が完了すると、制御手段170は、記憶部160に記憶された被処理面101の処理領域102の位置情報に基づいて、ワーク保持部移動手段190を作動させ、プラズマ噴出口5を、被処理面101の処理領域Aに対応する位置から処理領域Bに対応する位置に移動させる。
この処理領域Aから処理領域Bに対応する位置までプラズマ噴出口5を移動させる際に、プラズマ噴出口5は、非処理領域103に対応する位置を通過することとなる。
この時、制御手段170は、遮蔽手段50を作動することにより、プラズマ遮蔽部材51を移動させて、第2の状態から第1の状態とする。これにより、ワーク10の被処理面101へのプラズマ噴出口5から噴出した活性種の接触が阻止されることとなる。したがって、ワーク10の被処理面101(非処理領域103)に対するプラズマ処理はオフ状態(非処理モード)となる。
なお、ガスGの流量は、制御手段170によりマスフローコントローラ84の作動を制御することにより、プラズマの生成が維持するために必要な最小量程度に調整される。
また、冷却手段516を作動して、プラズマ遮蔽部材51を冷却することにより、プラズマ遮蔽部材51(特に、犠牲層512)の加熱を防止または抑制する。
<8A> また、制御手段170は、プラズマ噴出口5を非処理領域103に対応する位置を通過させる際に、装置本体移動手段180を作動させることにより、プラズマ生成空間30の下端からプラズマ遮蔽部材51の上側の面までの距離を前述したような離間距離hの大きさに保たれるように、プラズマ処理装置本体100(ヘッド300)を移動させる。
<9A> 次に、制御手段170は、ワーク保持部移動手段190の作動により、プラズマ噴出口5を被処理領域Bに対応して位置させると、前記工程<5A>、<6A>と同様にして、処理領域Bにプラズマ処理を行う。
<10A> 次に、制御手段170は、処理領域B(処理領域102)に対応するプラズマ処理が完了すると、プラズマ噴出口5を、被処理面101の処理領域Bに対応する位置から処理領域Cに対応する位置に移動させる。
この時、プラズマ噴出口5は、非処理領域103に対応する位置を通過することから、制御手段170は、前記工程<7A>、<8A>と同様にして、プラズマ遮蔽部材51を第2の状態から第1の状態として、処理モードから非処理モードに切り替える。
<11A> 次に、制御手段170は、ワーク保持部移動手段190の作動により、プラズマ噴出口5を被処理領域Cに対応して位置させると、前記工程<5A>、<6A>と同様にして、処理領域Cにプラズマ処理を行う。
<12A> 次に、ワーク10をワーク保持部6から取り外して、移送する。
以上のような工程を経ることにより、ワーク10の処理領域A〜処理領域Cにプラズマ処理を施すことができる。
このように本実施形態のプラズマ処理装置1によれば、非処理モードから処理モードに切り替えた際に、速やかに安定な活性種をワーク10の被処理面101に供給し得る。すなわち、前記工程<5A><9A><11A>において、各処理領域102(処理領域A、B、C)に対して速やかに安定な活性種を供給することができる。これにより、ワーク10へのダメージを抑えつつ、プラズマ処理の程度を精度よく制御することができる。また、プラズマ生成空間30を形成する各部にかかる負荷を抑えることができ、プラズマ処理の信頼性を確保することができる。
また、ガス供給手段8を非処理モードから処理モードに切り替えた後、活性種が安定して生成するまでの待機時間を短縮もしくは不要とすることができるので、処理領域102が不連続に点在するワークに対するプラズマ処理を高速で行うことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明のプラズマ処理装置の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明のプラズマ処理装置の第2実施形態を模式的に示す縦断面図、図6は、図5に示すプラズマ処理装置が備えるプラズマ遮蔽部材を示す斜視図である。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第2実施形態では、ヘッド300の構成と、プラズマ遮蔽部材51の構成とが異なり、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
本実施形態のヘッド300は、図5に示すように、その下端部に第2の電極3および誘電体部42を取り囲むように設けられた誘電体部43有している。この誘電体部43は、その上側および下側の双方で開放し、下側に向かって収斂する中空状の筒体で構成されている。
ここで、誘電体部43の内周面で規定される内部空間の容積は、第2の電極3および誘電体部42で構成される部材の外周面で規定される空間の容積よりも大きく設定されている。これにより、第2の電極3および誘電体部42で構成される部材を誘電体部43の内部空間に配置した状態において、誘電体部43の内周面と、この部材の外周面との間には、これらによって規定される空間、すなわち、排気ガス流路93が画成されている。
この排気ガス流路93は、その上側および下側の双方で開口(開放)しており、下側の開口部により排気ガス吸入口91(排気吸込口)が構成され、上側の開口部により排気ガス排出口92が構成されている。なお、排気ガス吸入口91は、プラズマ噴出口5の周囲を取り囲むように設けられており、排気ガス排出口92は、第2の電極3の外周面を取り囲むように設けられている。
また、排気ガス排出口92には、ポンプ95と、排気ガス排出口92とポンプ95とを連通するガス排出管96と、ガス排出管96の途中に設けられたバルブ94とで構成される排気手段9が設けられている。
かかる構成のプラズマ処理装置本体100において、ポンプ95を作動し、この状態でバルブ94を開くと、ガス排出管96内、さらには排気ガス排出口92を介して排気ガス流路93内が負圧となる。これにより、プラズマ噴出口5から被処理面101に向かって放出された活性種を排気ガス吸入口91から吸入することができる。その結果、図5(b)に示すような処理モードにおいて、プラズマ噴出口5から放出された活性種を、ヘッド300とワーク10との間の空間に長時間滞在させることなく、この空間から迅速に排出することができる。そのため、被処理面101の処理領域102に隣接する非処理領域103が活性種に晒されるのを防止して、プラズマ処理の処理精度の向上を図ることができる。
また、本実施形態のプラズマ遮蔽部材51は、図5および図6に示すように、犠牲層512上に、凹部521を有する誘電体部(バンク)52を備えている。
この誘電体部52は、その外径が高さ方向に沿ってほぼ一定である。一方、誘電体部52の内径(凹部521の外径)は、下端から上端に向かって厚さ方向の途中までほぼ一定であるが、途中から上端に向かって漸増し、誘電体部52の上端では、その幅が実質的に「0」となっている。すなわち、凹部521がロート状をなしており、誘電体部52の上部内周面が、誘電体部52の外周面側から内周面側に向かって傾斜する傾斜面で構成されている。
この凹部521は、排気ガス吸入口91の形状すなわち誘電体部43の下側の開口部の形状に対応するように設けられている。そのため、図5(a)に示すように、凹部521内に排気ガス吸入口91を収納することができる。このように凹部521内に排気ガス吸入口91を収納すると、誘電体部43の外周面と凹部521とにより、プラズマ噴出口5および排気ガス吸入口91に連通する空間522が形成される。その結果、図5(a)に示すような非処理モードにおいて、プラズマ噴出口5から噴出された活性種を、空間522外に漏出することなく、排気ガス吸入口91から吸入することができる。これにより、活性種がプラズマ遮蔽部材51(犠牲層512)に接触した後、このプラズマ遮蔽部材51を周り込むことにより被処理面101に接触するようになるのを確実に防止することができる。
なお、プラズマ噴出口5とプラズマ遮蔽部材51との距離が接近することにより、犠牲層512が加熱して変質・劣化することが懸念されるが、本実施形態では、プラズマ遮蔽部材51が冷却手段516を備えていることから、犠牲層512の加熱を好適に防止または抑制することができる。
さらに、この時、プラズマ生成空間30に供給するガスGの流量を、活性種の生成を維持するための必要最小量に設定するのが好ましい。これにより、プラズマ噴出口5から噴出して犠牲層512に到達する活性種を少なくすることができる。その結果、犠牲層512の加熱を好適に抑制することができる。
以下、上述したような本実施形態のプラズマ処理装置1により、ワーク10の被処理面101にプラズマ処理を施す際の動作を説明する。
<1B> 前記工程<1A>と同様にして、ワーク保持部201にセットする。
<2B> 次に前記工程<2A>と同様にして、被処理面101における処理領域102の位置情報を、記憶部160に記憶させておく。
<3B> 次に、前記工程<3A>と同様にして、高周波電源72およびガス供給手段8を作動させることにより、活性種をプラズマ噴出口5から噴出させる。
このとき、制御手段170は、図5(a)に示すように、プラズマ遮蔽部材51を第1の状態としている。これにより、プラズマ噴出口5から噴出した活性種が排気ガス吸入口91から吸入されることから、ワーク10の被処理面101への接触が確実に阻止される。すなわち、ワーク10の被処理面101(非処理領域103)に対するプラズマ処理はオフ状態(非処理モード)となる。
ここで、ガスGの流量は、マスフローコントローラ84により、放電開始および放電維持して、プラズマの生成を維持するために必要な最小量程度に調整される。
また、冷却手段516を作動して、プラズマ遮蔽部材51を冷却することにより、プラズマ遮蔽部材51(特に、犠牲層512)の加熱を防止または抑制する。
<4B> 次に、前記工程<4A>と同様にして、プラズマ噴出口5を、被処理面101の非処理領域103に対応する位置から処理領域A(処理領域102)に対応する位置に移動させる。その後、制御手段170は、装置本体移動手段180を作動させて、次工程<5B>におけるプラズマ遮蔽部材51の移動により、誘電体部43の下端と誘電体部52の上端とが接触しないような距離となるまでヘッド300をプラズマ遮蔽部材51を離間する。
<5B> 次に、前記工程<5A>と同様にして、プラズマ遮蔽部材51を第1の状態から第2の状態とすることにより、被処理面101の処理領域A(処理領域102)をプラズマ処理する。
<6B> 次に前記工程<6A>と同様にして、プラズマ生成空間30の下端からワーク10の被処理面101までの距離を離間距離hにまで接近させることにより、被処理面101の処理領域Aのプラズマ処理効率を向上させる。
<7B> 次に、処理領域A(処理領域102)に対応するプラズマ処理が完了すると、制御手段170は、前記工程<7A>と同様にして、プラズマ噴出口5を、被処理面101の処理領域Aに対応する位置から処理領域Bに対応する位置に移動させる。
この時、プラズマ噴出口5が非処理領域103に対応する位置を通過することとなるが、制御手段170は、まず、遮蔽手段50を作動することにより、プラズマ遮蔽部材51を移動させる。この後、制御手段170は、装置本体移動手段(移動手段)180を作動することにより、プラズマ噴出口5とワーク10の被処理面101との離間距離がより小さくなるように、ヘッド300を移動させて、プラズマ遮蔽部材51を、第2の状態から第1の状態とする。
すなわち、誘電体部52が有する凹部521内に排気ガス吸入口91を収納することにより、プラズマ噴出口5および排気ガス吸入口91に連通する空間522を形成する。これにより、プラズマ噴出口5から噴出した活性種がプラズマ遮蔽部材51を周り込むことなく、排気ガス吸入口91から吸入されることから、ワーク10の被処理面101への活性種の接触が確実に阻止されることとなる。
なお、ガスGの流量は、制御手段170によりマスフローコントローラ84の作動を制御することにより、プラズマの生成が維持するために必要な最小量程度に調整される。
また、冷却手段516を作動して、プラズマ遮蔽部材51を冷却することにより、プラズマ遮蔽部材51(特に、犠牲層512)の加熱を防止または抑制する。
<8B> 次に、制御手段170は、ワーク保持部移動手段190の作動により、プラズマ噴出口5を被処理領域Bに対応して位置させると、前記工程<5B>、<6B>と同様にして、処理領域Bにプラズマ処理を行う。
<9B> 次に、制御手段170は、処理領域B(処理領域102)に対応するプラズマ処理が完了すると、プラズマ噴出口5を、被処理面101の処理領域Bに対応する位置から処理領域Cに対応する位置に移動させる。
この時、プラズマ噴出口5は、非処理領域103に対応する位置を通過することから、制御手段170は、前記工程<7B>と同様にして、プラズマ遮蔽部材51を第2の状態から第1の状態として、処理モードから非処理モードに切り替える。
<10B> 次に、制御手段170は、ワーク保持部移動手段190の作動により、プラズマ噴出口5を被処理領域Cに対応して位置させると、前記工程<5B>、<6B>と同様にして、処理領域Cにプラズマ処理を行う。
<11B> 次に、ワーク10をワーク保持部6から取り外して、移送する。
以上のような工程を経ることにより、ワーク10の処理領域A〜処理領域Cにプラズマ処理を施すことができる。
このような構成の本実施形態のプラズマ処理装置1によっても、前記第1実施形態で説明したプラズマ処理装置1と同様の作用・効果が得られる。
さらに、第1の状態において、誘電体部52が有する凹部521内に排気ガス吸入口91を収納することにより、プラズマ噴出口5から噴出した活性種がプラズマ遮蔽部材51を周り込むことなく、排気ガス吸入口91から吸入されることとなる。その結果、ワーク10の被処理面101への活性種の接触を確実に阻止することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明のプラズマ処理装置の第3実施形態について説明する。
図7は、本発明のプラズマ処理装置の第3実施形態を模式的に示す縦断面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、前記第2実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第3実施形態では、ヘッド300に連結してプラズマ遮蔽部材51が設けられており、それ以外は、前記第2実施形態と同様である。
本実施形態のプラズマ遮蔽部材51は、誘電体部52と、ヘッド300に連結する連結部54と、プラズマ遮蔽部材51をヘッド300に対し回動可能に支持するヒンジ部53とを備えている。
プラズマ遮蔽部材51をかかる構成とし、誘電体部43(プラズマ噴出口5)に対してプラズマ遮蔽部材51を閉じることにより、図7(a)に示すように、プラズマ遮蔽部材51を第1の状態とすることができる。また、誘電体部43(プラズマ噴出口5)に対してプラズマ遮蔽部材51を開くことにより、図7(b)に示すように、プラズマ遮蔽部材51を第2の状態とすることができる。
なお、プラズマ遮蔽部材51を開閉する際には、制御手段170により装置本体移動手段180の作動を制御することにより、ワーク10とプラズマ遮蔽部材51とが接触しないように、これら同士の離間距離が保たれるようにすればよい。
このような構成の本実施形態のプラズマ処理装置1によっても、前記第2実施形態で説明したプラズマ処理装置1と同様の作用・効果が得られる。
以上、本発明のプラズマ処理装置を、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
例えば、上述した各実施形態では、プラズマ遮蔽部材は、全体として長方形状の板状体をなしている場合について説明したが、このような場合に限定されず、プラズマ遮蔽部材として円板状のものを用いるようにしてもよい。この場合、円板の縁部に円板に対してほぼ直交する方向に軸を設け、この軸を回転軸として回転することにより、円板を第1の状態と第2の状態とに変位させることが可能となる。
さらに、一枚のプラズマ遮蔽部材を用いて第1の状態と第2の状態とにプラズマ遮蔽部材が変位する場合の他、複数枚のプラズマ遮蔽部材を用いて、プラズマ遮蔽部材が第1の状態と第2の状態とに変位するようにしてもよい。
なお、前記各実施形態では、プラズマ処理装置は、大気圧下において、ワークの表面(被処理面)に処理(プラズマ処理)を施すことを想定しているが、本発明では、減圧または真空状態においてワークの表面に処理を施してもよい。
また、第1の電極と第2のとの間に印加される電圧は、高周波によるものに限られず、例えば、パルス波やマイクロ波によるものであってもよい。
本発明のプラズマ処理装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図である。 図1に示すプラズマ処理装置が備えるプラズマ遮蔽部材を示す図(図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)に示すA−A線断面図)である。 図1に示すプラズマ処理装置の回路構成を示すブロック図である。 図1に示すプラズマ処理装置によってプラズマ処理が行われるワークの一例を示す平面図である。 本発明のプラズマ処理装置の第2実施形態を模式的に示す縦断面図である。 図5に示すプラズマ処理装置が備えるプラズマ遮蔽部材を示す斜視図である。 本発明のプラズマ処理装置の第3実施形態を模式的に示す縦断面図である。
符号の説明
1……プラズマ処理装置 2……第1の電極 3……第2の電極 41、42、43、52……誘電体部 5……プラズマ噴出口 50……遮蔽手段 51……プラズマ遮蔽部材 511……本体部 512……犠牲層 513……溝 514……冷媒循環路 515……冷媒循環手段 516……冷却手段 517……冷媒注入口 518……冷媒排出口 519……流路 521……凹部 522……空間 53……ヒンジ部 54……連結部 6……ガス導入口 7……電源回路 71、73……導線 72……高周波電源(電源) 8……ガス供給手段 81……ガス供給源 82……ガス管 83……バルブ 84……マスフローコントローラ 9……排気手段 91……排気ガス吸入口 92……排気ガス排出口 93……排気ガス流路 94……バルブ 95……ポンプ 96……ガス排出管 10……ワーク 30……プラズマ生成空間 300……ヘッド 100……プラズマ処理装置本体 101……被処理面 102……処理領域 103……非処理領域 150……操作部 160……記憶部 170……制御手段 180……装置本体移動手段(移動手段) 190……ワーク保持部移動手段(移動手段) 200……ステージ 201……ワーク保持部

Claims (6)

  1. ワークの被処理面をプラズマによって処理するプラズマ処理装置であって、
    1対の電極と、前記被処理面に向けて前記活性種を噴出するプラズマ噴出口と、
    前記被処理面に対して相対的に移動可能なプラズマ生成手段と、
    前記1対の電極に電圧を印加する電源回路と、
    前記プラズマ生成手段に、前記プラズマから活性種を生成するガスを供給するガス供給手段と、
    前記被処理面への前記プラズマ噴出口から噴出した前記活性種の接触を阻止する第1の状態と、前記活性種の接触を許容する第2の状態とを変位可能であり、かつ、板状体で構成されているプラズマ遮蔽部材と、
    前記第1の状態において、前記被処理面へのプラズマ処理を停止する非処理モードと、前記第2の状態において、前記被処理面に前記プラズマを接触させてプラズマ処理する処理モードとを切り替え可能なように前記プラズマ遮蔽部材の作動を制御する作動制御手段と、
    前記プラズマ噴出口の周囲に、前記プラズマ噴出口から噴出されたガスを吸気する排気吸込口と、を備え、
    前記プラズマ遮蔽部材は、前記非処理モードにおいて前記板状体の縁部に形成された流路内に冷媒を循環して前記プラズマ遮蔽部材を冷却する冷却手段と、前記プラズマ噴出口から噴出した前記活性種が接触する側の面に位置し、前記プラズマ遮蔽部材から着脱可能な犠牲層と、前記排気吸込口の形状に対応するように設けられた凹部を有するバンクと、を有し、前記プラズマ噴出口と前記被処理面との離間距離を小さくすることにより、前記凹部内に前記排気吸込口が収納されることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. プラズマ処理を施す処理領域と、前記処理領域を除く非処理領域とを有する前記被処理面に対して、前記1対の電極を相対的に移動しつつプラズマ処理を施す際に、
    前記作動制御手段は、前記プラズマ噴出口が前記被処理面の非処理領域に対応する位置にあるとき、前記遮蔽手段を前記非処理モードに設定し、
    前記プラズマ噴出口が前記被処理面の処理領域に対応する位置にあるとき、前記遮蔽手段を前記処理モードに設定し、前記被処理面の処理領域に前記活性種を接触させるよう構成されている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記被処理面における前記処理領域および前記非処理領域の少なくとも一方の位置情報を入力する入力手段を備え、
    前記作動制御手段は、前記位置情報に応じて、前記遮蔽手段を前記非処理モードまたは前記処理モードに切り替えるよう構成されている請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記入力手段に入力された前記処理領域および前記非処理領域の少なくとも一方の位置情報を記憶する記憶手段を備える請求項3に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記作動制御手段は、前記非処理モードにおいて、前記ガス供給手段の作動を制御することにより、前記プラズマ生成手段に供給するガスの流量を、前記活性種の生成を維持するための必要最小量に設定する請求項1ないし4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記プラズマ噴出口を、前記被処理面に対してほぼ直交する方向に移動させる移動手段を有し、
    前記作動制御手段は、前記処理モードから前記非処理モードに切り替えることに同期して、前記移動手段を作動させることにより、前記プラズマ噴出口と前記被処理面との離間距離がより小さくなるように、前記プラズマ噴出口を移動させる請求項1ないし5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
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