JP5263202B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
そこで、大気圧条件下でプラズマを発生させる大気圧プラズマ装置が開発されている。
ここで、大気圧下で発生させるプラズマは、放電のオン/オフ切り替え時に、プラズマ特性等が不安定になり易い。このため、一筆書きパターン等の連続的な処理には適するが、点状の処理を多ポイントで行うような不連続な処理には適さないという問題がある。
さらに、プラズマ処理装置のプラズマ放電部(プラズマ生成空間)で、不安定なプラズマが繰り返し発生すると、装置に負荷を与えるため、放電のオン/オフを多数回繰り返すような処理を連続して行った場合、プラズマ放電部の信頼性の低下が懸念される。
本発明のプラズマ処理装置は、ワークの被処理面に対して相対的に移動可能な1対の電極と、
前記1対の電極間に画成されるプラズマ生成空間に電圧を印加する電源を備えた電源回路と、
前記プラズマ生成空間に、プラズマを生成および維持するためのキャリアガスを供給するキャリアガス供給系と、前記ワークの被処理面をプラズマ処理する活性種を生成するための処理ガスを供給する処理ガス供給系とを備えるガス供給手段と、
前記プラズマ生成空間に連通し、前記ワークの被処理面に向けて前記活性種を噴出するプラズマ噴出口と、
前記プラズマ噴出口を、前記ワークの被処理面に対して略直交する方向に移動させる移動手段と、
前記ガス供給手段と、前記移動手段との作動を制御する機能を有する制御手段とを備え、
前記制御手段により、前記ガス供給手段を、前記プラズマ生成空間に前記キャリアガスを供給した状態で、前記処理ガスの供給を停止することにより、前記プラズマを生成し、該プラズマを維持する非処理モードと、
前記プラズマ生成空間に前記キャリアガスと前記処理ガスとの混合ガスを供給することにより、前記処理ガスを活性化して前記活性種を生成し、該活性種を前記プラズマ噴射口から噴出して前記ワークの被処理面をプラズマ処理する処理モードとに切り替え可能なように構成され、
前記制御手段は、前記移動手段を作動させることにより、前記プラズマ噴出口と前記ワークの被処理面との離間距離を接近させたのち、前記ガス供給手段を、前記非処理モードから前記処理モードに切り替えると、前記プラズマ生成空間に供給する前記処理ガスの流量を、設定流量まで徐々に増加させ、さらに、前記ガス供給手段を前記処理モードから前記非処理モードに切り替えると、前記処理ガスの前記プラズマ生成空間への供給を停止するとともに、前記移動手段を作動させることにより、前記プラズマ噴出口と前記ワークの被処理面との離間距離がより大きくなるように、前記プラズマ噴出口を移動させるよう構成されていることを特徴とする。
また、前記制御手段は、前記ガス供給手段を、前記非処理モードから前記処理モードに切り替えると、前記プラズマ生成空間に供給する前記処理ガスの流量を、設定流量まで徐々に増加させることにより、放電が発生している1対の電極間に処理ガスを供給する際に、1対の電極間のインピーダンスの変化を緩和することができる。
さらに、前記制御手段は、前記ガス供給手段を前記処理モードから前記非処理モードに切り替えるのに連動して、前記移動手段を作動させることにより、前記プラズマ噴出口と前記ワークの被処理面との離間距離がより大きくなるように、前記プラズマ噴出口を移動させることにより、処理モードから非処理モードに切り替わった後、たとえプラズマ処理装置内に活性種が残存し、これが噴出されたとしても、被処理面には接触しないか、仮に接触したとしても、活性種が有する活性度が緩和された状態で接触することとなる。したがって、ワークの被処理面が不本意にプラズマ処理されるのを好適に防止または抑制することができる。
これにより、キャリアガスの使用量の削減、装置の長寿命化を図ることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記ガス供給手段において、前記キャリアガス供給系および前記処理ガス供給系は、それぞれ、前記キャリアガスおよび前記処理ガスの流量を調整するガス流量調整手段を有し、
前記制御手段は、当該ガス流量調整手段の作動を制御することにより、前記非処理モードと前記処理モードとの切り替えを行うことが好ましい。
これにより、非処理モードと処理モードとの切り替えを容易に行うことができる。
これにより、プラズマ生成空間に、キャリアガスおよび処理ガスを均一に供給することができる。
このような、排気吸込口を設けて、この排気吸込口から1対の電極間にプラズマ噴出口から噴出された活性種を吸入することができる。その結果、プラズマ噴出口から放出された活性種を、1対の電極とワークとの間の空間に長時間滞在させることなく、この空間から迅速に排出することができる。そのため、被処理面の処理領域に隣接する非処理領域が活性種に晒されるのを防止して、プラズマ処理の処理精度の向上を図ることができる。
<第1実施形態>
まず、本発明のプラズマ処理装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のプラズマ処理装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図(一部ブロック図を含む)、図2は、図1に示すプラズマ処理装置の回路構成を示すブロック図、図3は、図1に示すプラズマ処理装置によってプラズマ処理が行われるワークの一例を示す平面図である。なお、以下の説明では、図1中の左右方向を「水平方向」または「x軸方向」、図1の紙面前後方向を「水平方向」または「y軸方向」、図1の上下方向を「垂直方向」または「z軸方向」と言う。また、図1中の上方を「上」、下方を「下」という。
本発明のプラズマ処理装置は、ワークの上方からプラズマを供給して、このプラズマによりワークの被処理面に対して、例えば、プラズマCVM(Chemical Vaporization Machining)のようなエッチング処理およびアッシング処理や、親水処理、撥水処理および成膜処理等の各種プラズマ処理を施すことにより、被処理面に表面処理を行うものである。
図1に示すように、プラズマ処理装置1は、プラズマ処理装置本体100と、ワーク10を載置するステージ200とを備えている。
プラズマ処理装置本体100は、ステージ200の上側に設けられたヘッド300と、ヘッド300に電圧を印加する電源回路(電圧印加手段)7と、ヘッド300にガスGを供給するガス供給手段8とを有している。
また、プラズマ処理装置本体100は、図1に示さない、プラズマ処理装置本体100(ヘッド300)をz軸方向に移動させる装置本体移動手段180を有している。
ヘッド300は、全体として下端部で収斂する円筒状をなしており、その上側で開口するガス導入口6と、下側で開口するプラズマ噴出口5と、ガス導入口6とプラズマ噴出口5との双方に連通するプラズマ生成空間30とを備えている。
このヘッド300は、ガスGとしてキャリアガスと処理ガスとの混合ガスが供給されると、プラズマ生成空間30においてプラズマPが発生し、発生したプラズマ中では、電界により加速された電子がガス分子と衝突し、励起分子、ラジカル原子、正イオン、負イオン等の活性種を生成する。そして、この生成された活性種をプラズマ噴出口5からワーク10の被処理面101に向けて放出する。
第1の電極2は、全体形状が円柱状をなし、その軸方向(長手方向)がワーク10に対してほぼ直交するように配置されている。
ここで、後述する誘電体部41で覆われた状態の第1の電極2の容積は、後述する誘電体部42で覆われた状態の第2の電極3の内周面で規定される内部空間の容積より小さく設定されている。これにより、第1の電極2を第2の電極3の内部空間内に配置した状態(ヘッド300の組立状態)において、第2の電極3の内周面と、第1の電極2の外周面との間には、これらによって規定される空間(間隙)、すなわち、プラズマ生成空間30が画成されている。
このような第1の電極2および第2の電極3の構成材料としては、それぞれ、例えば、銅、アルミニウム、鉄、銀のような金属単体、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウム合金のような各種合金、金属間化合物、各種炭素材料等の導電性が良好な導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、第1の電極2および第2の電極3の形状は、上述したような円柱状および円筒状をなすものに限定されず、例えば、互いに対向する平板状のものであってもよい。
これらの第1の電極2および第2の電極3には、第1の電極2と第2の電極3とが対向する面、すなわち第1の電極2の外周面および第2の電極3の内周面を覆うように、それぞれ誘電体材料で構成される誘電体部41、42が形成されている。
さらに、この誘電体部42が延在する部分の下端部で開口(開放)しており、この開口部によりプラズマ噴出口5が形成される。かかる構成の誘電体部42の下端部にプラズマ噴出口5が開口する構成とすることにより、プラズマ噴出口5から噴出された活性種を、ワーク10の被処理面101の目的とする領域に確実に供給することができる。
また、使用可能な誘電体の比誘電率の上限は特に限定されないが、比誘電率が10〜100程度のものが好ましい。比誘電率が10以上である誘電体には、ZrO2、TiO2等の金属酸化物、BaTiO3等の複合酸化物が該当する。
ヘッド300には、図1に示すように、電源回路(電圧印加手段)7が接続されている。
この高周波電源72の周波数は、特に限定されないが、1KHz〜150MHzであるのが好ましく、10〜60MHzであるのがより好ましい。
なお、電源回路7には、高周波電源72およびマッチングボックス74の他、高周波電源72の周波数を変える周波数調整手段(回路)や、高周波電源72の印加電圧の最大値(振幅)を変える電圧調整手段(回路)等が設置されていてもよい。これにより、ワーク10の被処理面101に対するプラズマ処理の処理条件を適宜調整することができる。
ヘッド300のプラズマ生成空間30内には、ガス導入口6を介して、ガス供給手段によりガスGが供給される。
ここで、「キャリアガス」とは、放電開始と放電維持のために導入するガスのことを言い、このキャリアガスがプラズマ生成空間30内に供給されると電極2、3間で放電が生じプラズマが発生(生成)し、放電が維持される間、プラズマの発生も維持される。
キャリアガス供給系81は、キャリアガス用ボンベ(キャリアガス供給源)811と、一端が後述するガス混合器831に接続し、他端がキャリアガス用ボンベ811に接続されたキャリアガス供給管(配管)812と、キャリアガス供給管812の途中に接続され、キャリアガス用ボンベ811から供給されるキャリアガスの流量を調整するマスフローコントローラ814、およびキャリアガス供給管812内の流路を開閉するバルブ813とを有している。なお、マスフローコントローラ814は、バルブ813よりガス混合器831(下流側)に配置されている。本実施形態では、このようなキャリアガス供給系81において、マスフローコントローラ814およびバルブ813によりキャリアガスの流量を調整するガス流量調整手段が構成される。
ここで、バルブ813が開いた状態では、キャリアガス用ボンベ811からキャリアガスが送出され、マスフローコントローラ814で流量を調節された後、ガス混合器831に供給される。
そして、ガス混合器831に供給されたキャリアガスおよび処理ガスは、ガス混合器831で混合された後、混合ガス供給管832を介してガス導入口6からプラズマ生成空間30に供給される。このように、キャリアガスおよび処理ガスを混合した後、プラズマ生成空間30に供給することにより、これらガスを、それぞれプラズマ生成空間30に均一に供給することができる。
すなわち、制御手段170により、ガス供給手段8の作動を制御して、ワーク10の被処理面101にプラズマ処理を施さない非処理モードと、被処理面101にプラズマ処理を施す処理モードとの切り替えを行え可能なように構成されている。
このように非処理モードにおいてもプラズマの生成が維持されていることから、非処理モードから処理モードに切り替えて活性種を生成させるには、プラズマが発生している状態から、このプラズマの存在により活性種が発生している状態に移行させるだけでよい。そのため、プラズマが発生していない状態から活性種を生成させる場合と比べて、速やかに安定な活性種を得ることができる。
プラズマ噴出口5が非処理領域103に対応する位置にあるとき、非処理モードが継続されるように構成することにより、非処理領域103が活性種に晒されるのを防止することができる。
処理モードにおいて、プラズマ生成空間30に供給するガスG(キャリアガスおよび処理ガスの混合ガス)の流量は、ガスの種類、処理の目的、処理の程度等に応じて適宜決定される。通常は、ガスGの流量は、30SCCM〜2SLM程度であるのが好ましい。これにより、効率的にプラズマ生成空間30で活性種が生成するため、微細な加工をすることができる。
具体的には、ガスG中における処理ガスの増加率は、5〜50wt%/秒であるのが好ましい。これにより、プラズマ生成空間30で十分なプラズマ密度を得るのに要する時間を長時間化させることなく、電極2、3間のインピーダンス変化を緩和でき、マッチングボックス74のマッチング追従を円滑に行うことができる。
(a)ワーク10の被処理面101を加熱することを目的とする場合、例えば、N2、O2等が用いられる。
(b)ワーク10の被処理面101を撥水(撥液)化することを目的とする場合、例えば、前記フッ素原子含有化合物ガスが用いられる。
(e)レジスト処理や有機物汚染の除去を目的とする場合は、例えば酸素系ガスが用いられる。
キャリアガスとしては、He、Ne、Ar、Xe等の希ガスを用いることができる。これらは、単独でも2種以上を混合した形態でも用いることができる。
すなわち、制御手段170は、ガス供給手段8を非処理モードから処理モードに切り替えると、装置本体移動手段180を作動させて、処理モードにおいて、プラズマ生成空間30の下端からワーク10の被処理面101までの距離が、プラズマ噴出口5から噴出される活性種を消失することなく、ワーク10の被処理面101に到達させることができるような離間距離h1となるように、プラズマ処理装置本体100(ヘッド300)を下降させる。これにより、ワーク10の被処理面101を効率よくプラズマ処理することができる。
このプラズマ処理装置1では、ガス供給手段8が非処理モードであるとき、処理ガス供給系82からの処理ガスの供給を停止する。しかしながら、たとえ処理ガスの供給を停止したとしても、プラズマ生成空間30や、それよりも下流側の空間等に残存する活性種、または、プラズマ生成空間30よりも上流側の空間に残存する処理ガスがプラズマ生成空間30で活性化することによって発生した活性種が存在するおそれがある。そのため、この活性種がプラズマ噴出口5から噴出されて被処理面101に接触することが懸念される。
ステージ200は、図1に示すようにワーク10を載置するワーク保持部201と、ワーク保持部201を移動するワーク保持部移動手段190(図示せず)とを有している。
ワーク保持部201は、その上面が平坦なワーク保持面で構成され、該ワーク保持面が、第1の電極2および第2の電極3の中心軸と直交するように配設されている。
すなわち、ワーク保持部201を図1および図3中のx方向およびy方向に走査することにより、例えば、ワーク10の被処理面101の全体にわたって点在する処理領域102に対して処理することができる。
このようなワーク保持部移動手段190の作動は、制御手段170により制御し得るよう構成されている。
このようなワーク保持部移動手段190は、前述した装置本体移動手段180と同様の構成のものを用いることができる。
なお、図示のような平板状のワーク10としては、例えば、水晶振動子等に用いられるガラスチップおよび水晶基板、液晶表示装置や有機EL表示装置等に用いられるディスプレイパネル、半導体ウェハー、シリコンウェハー、セラミックスチップ等が挙げられる。
また、ワーク10の形状(平面視での形状)は、四角形のものに限らず、例えば、円形(楕円形)等のものであってもよい。
さらに、ワーク10の形状としては、平坦な板状に限らず、凹凸を有する形状や球面状等であってもよい。
このようなワーク10の厚さは、特に限定されないが、通常は、0.03〜1.2mm程度であるのが好ましく、0.05〜0.7mm程度であるのがより好ましい。
操作部150としては、例えば、キーボード、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えたタッチパネル等を用いることができ、この場合は、操作部150は、各種の情報を表示(報知)する表示手段(報知手段)も兼ねる。
<1> 被処理面101のエッチングに際しては、まず、ワーク10を搬送アーム等の搬送手段を用いて、ワーク保持部201にセットする。
この位置情報としては、例えば、各処理領域102の中心座標、半径(平均または近似値)等が挙げられる。図3に示すワーク10の場合、図3において紙面左右方向をx軸方向、紙面上下方向をy軸方向としたときに、表1に示すような位置情報を記憶部160に記憶させる。
すなわち、ワーク10の被処理面101にランダムに凸部が形成されており、この凸部をエッチング処理する場合、ヘッド300に板状体の表面の状態(凹凸の状態)を測定し得る測定手段を設けておく。そして、ワーク10の被処理面101をヘッド300で走査して、測定手段によりワーク10の被処理面101に形成された凸部の位置を検出することにより、この凸部の位置を処理領域102の位置情報として記憶部160に記憶させることができる。
また、このような測定手段としては、例えば、例えば、接触式の探査計、光学系による各種干渉計、原子間力顕微鏡(AFM)、顕微干渉系等が挙げられる。
また、このとき、制御手段170は、ガス供給手段8(キャリアガス供給系81)の作動を制御することにより、バルブ813を開き、マスフローコントローラ814によりキャリアガスの流量を調整して、キャリアガス用ボンベ811からキャリアガスを送出(供給)する。ここで、キャリアガスの流量は、マスフローコントローラ814により、放電開始および放電維持して、プラズマの生成を維持するために必要な最小量程度に調整される。
これにより、キャリアガス用ボンベ811から送出されたキャリアガスは、キャリアガス供給系81およびガス混合系83の各部を通過し、ガス導入口6からプラズマ生成空間30(第1の電極2と第2の電極3の間)にガスGとして導入(供給)される。
なお、この時、プラズマ生成空間30の下端からワーク10の被処理面101までの距離を前述したような離間距離h2の大きさに保たれている。
また、この離間距離h2は、プラズマ噴出口5から活性種を噴出させたときに、ワーク10の被処理面101に活性種がほぼ接触しない(到達しない)距離であり、予め実験的に求めておくことができる。
なお、この離間距離h1は、プラズマ噴出口5から活性種を噴出させたときに、ワーク10の被処理面101に、活性種が消失することなく到達し得る離間距離であり、予め実験的に求めておくことができる。
ここでの、処理ガスおよびキャリアガスの流量は、プラズマ生成空間30に十分な活性種を発生させる流量であり、予め実験的に求めておくことができる。
プラズマ生成空間30に、プラズマが発生した状態で、キャリアガスおよび処理ガスの混合ガスであるガスGが導入すると、このプラズマが消失(失火)することなく、処理ガスが活性化して活性種が生成される。
また、本実施形態では、プラズマ生成空間30に、キャリアガスおよび処理ガスを含むガスGが供給されたとき、制御手段170は、マッチングボックス74を作動させるよう構成されている。
この処理領域Aから処理領域Bに対応する位置までプラズマ噴出口5を移動させる際に、プラズマ噴出口5は、非処理領域103に対応する位置を通過することとなる。
なお、キャリアガスの流量は、制御手段170によりマスフローコントローラ814の作動を制御することにより、プラズマの生成が維持するために必要な最小量程度に調整される。
<10> 次に、制御手段170は、処理領域B(処理領域102)に対応するプラズマ処理が完了すると、プラズマ噴出口5を、被処理面101の処理領域Bに対応する位置から処理領域Cに対応する位置に移動させる。
この時、プラズマ噴出口5は、非処理領域103に対応する位置を通過することから、制御手段170は、前記工程<7>、<8>と同様にして、ガス供給手段8を処理モードから非処理モードに切り替える。
<12> 次に、ワーク10をワーク保持部6から取り外して、移送する。
以上のような工程を経ることにより、ワーク10の処理領域A〜処理領域Cにプラズマ処理を施すことができる。
また、ガス供給手段8を非処理モードから処理モードに切り替えた後、活性種が安定して生成するまでの待機時間を短縮もしくは不要とすることができるので、処理領域102が不連続に点在するワークに対するプラズマ処理を高速で行うことができる。
次に、本発明のプラズマ処理装置の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明のプラズマ処理装置の第2実施形態を模式的に示す縦断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態のヘッド300は、その下端部に第2の電極3および誘電体部42を取り囲むように設けられた誘電体部43有している。この誘電体部43は、その上側および下側の双方で開放し、下側に向かって収斂する中空状の筒体で構成されている。
かかる構成のプラズマ処理装置本体100において、ポンプ95を作動し、この状態でバルブ94を開くと、ガス排出管96内、さらには排気ガス排出口92を介して排気ガス流路93内が負圧となる。これにより、プラズマ噴出口5から被処理面101に向かって放出された活性種を排気ガス吸入口91から吸入することができる。その結果、プラズマ噴出口5から放出された活性種を、ヘッド300とワーク10との間の空間に長時間滞在させることなく、この空間から迅速に排出することができる。そのため、被処理面101の処理領域102に隣接する非処理領域103が活性種に晒されるのを防止して、プラズマ処理の処理精度の向上を図ることができる。
また、各前記各実施形態では、プラズマ処理装置は、大気圧下において、ワークの表面(被処理面)に処理(プラズマ処理)を施すことを想定しているが、本発明では、減圧または真空状態においてワークの表面に処理を施してもよい。
また、第1の電極と第2のとの間に印加される電圧は、高周波によるものに限られず、例えば、パルス波やマイクロ波によるものであってもよい。
Claims (5)
- ワークの被処理面に対して相対的に移動可能な1対の電極と、
前記1対の電極間に画成されるプラズマ生成空間に電圧を印加する電源を備えた電源回路と、
前記プラズマ生成空間に、プラズマを生成および維持するためのキャリアガスを供給するキャリアガス供給系と、前記ワークの被処理面をプラズマ処理する活性種を生成するための処理ガスを供給する処理ガス供給系とを備えるガス供給手段と、
前記プラズマ生成空間に連通し、前記ワークの被処理面に向けて前記活性種を噴出するプラズマ噴出口と、
前記プラズマ噴出口を、前記ワークの被処理面に対して略直交する方向に移動させる移動手段と、
前記ガス供給手段と、前記移動手段との作動を制御する機能を有する制御手段とを備え、
前記制御手段により、前記ガス供給手段を、前記プラズマ生成空間に前記キャリアガスを供給した状態で、前記処理ガスの供給を停止することにより、前記プラズマを生成し、該プラズマを維持する非処理モードと、
前記プラズマ生成空間に前記キャリアガスと前記処理ガスとの混合ガスを供給することにより、前記処理ガスを活性化して前記活性種を生成し、該活性種を前記プラズマ噴射口から噴出して前記ワークの被処理面をプラズマ処理する処理モードとに切り替え可能なように構成され、
前記制御手段は、前記移動手段を作動させることにより、前記プラズマ噴出口と前記ワークの被処理面との離間距離を接近させたのち、前記ガス供給手段を、前記非処理モードから前記処理モードに切り替えると、前記プラズマ生成空間に供給する前記処理ガスの流量を、設定流量まで徐々に増加させ、さらに、前記ガス供給手段を前記処理モードから前記非処理モードに切り替えると、前記処理ガスの前記プラズマ生成空間への供給を停止するとともに、前記移動手段を作動させることにより、前記プラズマ噴出口と前記ワークの被処理面との離間距離がより大きくなるように、前記プラズマ噴出口を移動させるよう構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記制御手段は、前記非処理モードにおいて、前記プラズマ生成空間に供給するキャリアガスの流量を、前記プラズマの生成を維持するための必要最小量に設定する請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記ガス供給手段において、前記キャリアガス供給系および前記処理ガス供給系は、それぞれ、前記キャリアガスおよび前記処理ガスの流量を調整するガス流量調整手段を有し、
前記制御手段は、当該ガス流量調整手段の作動を制御することにより、前記非処理モードと前記処理モードとの切り替えを行う請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。 - 前記ガス供給手段は、前記キャリアガス供給系および前記処理ガス供給系に接続されたガス混合系を有し、前記キャリアガス供給系および前記処理ガス供給系により供給された前記キャリアガスおよび前記処理ガスを、前記ガス混合系により混合した後、前記プラズマ生成空間に供給する請求項1ないし3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ噴出口の周囲に、該プラズマ噴出口から噴出されたガスを吸気する排気吸込口を備える請求項1ないし4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
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