JP5238837B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
遊技領域の外周縁には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域内にガイドするガイドレールが立設されている。発射レバーを最大強さとなるように操作することにより発射(右打ち)された遊技球はガイドレールの上部に沿って右方向へ移動し、遊技領域の右上部分に配置された返しゴムにて跳ね返って右側の遊技領域内に落下して行く。
特許文献2には、右打ちを行った場合に返しゴムで跳ね返った遊技球を近傍に位置する誘導部材の壁部に導いて球勢を減殺することにより、跳ね返った遊技球が直接遊技釘に衝突してこれを損傷させることを防止するための技術が開示されている。
特許文献3には、右打ちされることによって返しゴムに当たって跳ね返った遊技球を下方に位置する始動口に導くように構成されたパチンコ遊技機において、遊技領域内に打ち込まれた際の遊技球の勢いが強すぎる場合に返しゴムで跳ね返った遊技球が始動口の方向に流下しにくくなる不具合を解消するために、返しゴムで跳ね返った遊技球の動作を規制する板ばねを設けた構成が開示されている。
しかし、各特許文献1、2、3にはこのような不具合と、その解決手段については一切開示されていない。
遊技盤100の遊技領域101はその上部外周を外側ガイドレール102によって包囲されている。下方に位置する図示しない発射装置から発射された遊技球は、外側ガイドレール102と内側ガイドレール103とによって形成される遊技球導入経路P1を経て左上側から遊技領域101内に放出される。外側ガイドレール102の右上部分には、右打ちされた遊技球を受けるための図示しない返しゴムが配置され、返しゴムの手前側には外側ガイドレール102との間に右打ち経路P2を形成するための樹脂製の内側ガイド部材106が配置されている。右打ち経路P2内では、外側ガイドレール102の下面と内側ガイド部材106の上面106aとの間を遊技球が破線で示した経路を経て右方向へ移動して行く。
内側ガイド部材106は、遊技盤の中央部に固定配置されるセンター部材105の上部に一体化された部位であり、内側ガイド部材106の外径側には遊技盤面に取り付けるための薄板状の台板107が張り出している。台板107に設けた取付け穴108を介して遊技盤面に雄螺子109を螺着することにより、センター部材105は遊技盤面に固定される。
台板107の一部が損傷したり、不規則形状に欠損することによって外観が悪化した場合には、当該遊技機を廃止せざるを得なくなる。
特許文献1、2、3には、このような課題と、この課題を解決する手段についても一切開示されていない。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、右打ちされた遊技球が、右打ち経路を構成する内側ガイド部材の台板の特定部位に繰り返し衝突したとしても、台板を局所的に破損させることがない遊技機を提供することを目的としている。
図1は本発明を適用したパチンコ遊技機(遊技機)の遊技盤面を示す正面図であり、図2は本発明の遊技盤ユニットの全体構成を示す正面図であり、図3は本発明の特徴的な構成を備えたセンター部材の構成を示す正面図である。
遊技盤1の前面側にはガラス板を支持したガラス枠2が開閉可能に取り付けられている。また遊技盤1の下部には、遊技球を貯留する受け皿部3と、受け皿部内の遊技球を発射する発射レバー4が設けられている。また、受け皿部3の上面には遊技機用ボタンスイッチや、遊技球の購入ボタン、購入取り消しボタン(何れも図示せず)が設けられている。
遊技盤1の裏面には、液晶画面、主制御基板とサブ制御基板等、遊技の進行、演出に関わる裏部品を組み付けた合成樹脂製の機構板(何れも図示せず)が開閉自在に装着されている。遊技盤1における遊技領域1aの周囲には、発射レバー4を操作することにより発射装置から発射された遊技球を遊技領域1aの上部に案内したり、アウト口10に案内する外側ガイドレールR1、及び内側ガイドレールR2が設けられている。
遊技盤1のほぼ中央部に設けられた開口部1b内には、中央に開口部5aを有したセンター部材5が配置される。両開口部1b、5aは、連通状態にある。センター部材5の開口部5aの内部には図柄表示装置6が配置されている。
センター部材5の右下方には、図柄表示装置6の特別図柄を可変表示させるための可変入賞装置11が設けられている。また、センター部材5の右側には、図示しない普通図柄表示装置に表示される普通図柄を作動させるためのゲート12が設けられている。さらにセンター部材5の右下には、特別遊技状態の一つである大当たり状態のときに開成状態になる開閉扉を有する大入賞口13が設けられている。
可変入賞装置11は、図柄表示装置6を可変表示させるための左右一対の開閉爪(可動片)を有する電動式チューリップを備えて構成される。
また遊技盤1には普通入賞口14やアウト口10等が設けられていると共に、風車15や多数の図示しない遊技釘が突設されている。遊技釘は、遊技球の落下速度を遅くすると共に、落下方向を複雑に変化させて遊技進行上の興趣を高めている。
図柄表示装置6に表示される特別図柄は、停止図柄が予め定められた図柄の組合せ、例えば同一図柄の組合せとなった場合に大当たり状態となるように構成されている。また特別図柄は可変入賞装置の電動式チューリップの開成動作により遊技球が誘導される下始動口(図示していない)において遊技球を検出することを条件に乱数制御等により表示がスクロールする等、所定の変動パターンで所定時間変動(可変)して図柄で停止するようになっている。その際、有効ライン上に2個の停止図柄が同一となった場合に、リーチ状態が発生し、このリーチ状態において、有効ライン上の最後の停止図柄が既に停止している2個の図柄と同一となった場合に大当たり状態が発生する。なお、特別図柄としては、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄等が使用可能である。
遊技盤1の遊技領域1aは、その外周の左下部から右上部にかけて外側ガイドレールR1が配置されている。発射装置4から発射された遊技球は、外側ガイドレールR1と内側ガイドレールR2とによって形成される遊技球導入経路P1を経て遊技領域内に放出される。外側ガイドレールR1の右上部分には、右打ちされた遊技球を受けるための緩衝部材(返しゴム)20が配置されている。返しゴム20の手前側には外側ガイドレールR1の上部との間に右打ち経路P2を形成するための樹脂製の内側ガイド部材30が配置されている。本例に係る内側ガイド部材30は、センター部材5の上部を構成している。
内側ガイド部材30は、遊技盤の中央部に固定配置されるセンター部材5の上部に一体化された部位であり、内側ガイド部材30の外径側には遊技盤面に取り付けるための薄板状の台板40が張り出している。台板40に設けた取付け穴49を介して遊技盤面に雄螺子50を螺着することにより、センター部材5は遊技盤面に固定される。台板40は、厚さ2〜3mm程度の薄板である。
これを言い換えれば、遊技球との衝突によって最もダメージを受けやすい前端縁40aを、垂直方向に対して所定角度θ1(30度〜60度の範囲で)、時計回り方向へ傾斜させることによって傾斜端縁45を形成した構成が特徴的である。
角部40Aを除去することによって、遊技球との衝突によって最もダメージを受けやすい前端縁40aが遊技球の移動方向下流側に傾斜した状態となり(傾斜端縁45となり)、遊技球から受けるダメージを大幅に低減することが可能となる。
従って、傾斜端縁45は、図示の如き直線状であってもよいし、或いは外側に膨出した湾曲状であってもよい。
傾斜端縁45の下部には曲線状の下部外周縁46が連設されており、下部外周縁も衝撃緩衝部として機能する。
傾斜端縁45、及び下部外周縁(衝撃緩衝部)46には、夫々の外周縁に沿って細幅帯状のテーパー面から成る面取り面を必要に応じて形成する。
なお、符号47は台板の背面から突出した位置決め用のボス部であり、このボス部を遊技盤面に形成した位置決め用の穴に嵌合させることによって台板40を遊技盤面に位置決めする。台板を位置決めした状態で、台板に設けた固定用の穴49を用いて遊技盤面に螺子止め固定する。
本実施形態では、遊技球との衝突によってダメージを受けやすかった前端縁107aを単純に面取りして角部107Aを除去するのではなく、角部の頂点を中心として前端縁107aを外側(右打ちされた遊技球の進行方向上流側=反時計回り方向)に所定角度θ2だけ移動させることによって傾斜端縁45を形成し、且つ傾斜端縁の下部から曲線状(円弧状)の下部外周縁46を形成することによって穴49を形成するスペースを確保している。また、傾斜端縁近傍の裏面に設けたボス部47を遊技盤面に位置決めするようにしている。
また、傾斜端縁45、及びその直近の台板部分が、螺子、及びボス部によって強固に遊技盤面に固定された状態となっており、遊技球の衝突に対する耐久性が高められている。
従って、図7に示したように傾斜端縁45、及び下部外周縁46の特定部位に遊技球が繰り返し衝突したとしても、衝突による損傷を大幅に低減することができる。
まず、図8(a)の例に係る台板40と、図4乃至図7に示した実施形態に係る台板との相異点は、傾斜端縁の傾斜角度である。図8(a)の例では、前記実施形態に係る傾斜端縁45を二点鎖線で表している。本実施形態に係る傾斜端縁55は、前記実施形態に係る傾斜端縁45を、下部外周縁46の上部を中心として遊技球の進行方向下流側(時計回り方向)へ角度θ3だけ移動させることにより、より水平に近い姿勢にしている。このように傾斜端縁55をより水平に近い姿勢に寝かせているため、遊技球が衝突した際のダメージを前記実施形態に比して更に低減することができる。
次に、図8(b)に係る台板40では、右打ちされた遊技球が衝突する頻度の高い前端縁全体を曲線状(円弧状)とした傾斜端縁56を設けている。図中二点鎖線は、図4乃至図7の実施形態における傾斜端縁45の形状を示している。
このように遊技球が衝突する頻度の高い前端縁全体を曲線状に膨出する傾斜端縁56としたので、遊技球が衝突した際のダメージを大幅に低減することができる。
図9(a)は台板に傾斜端縁を備えない従来のパチンコ(一台を一貫して使用)による右打ち耐久試験の結果を示しており、2010年9月1日から開始された耐久試験において遊技球が衝突する台板の前端縁は、2010年10月12日に破損した。
即ち、図9(a)においてDAY欄に示された数字は特定の試験用のパチンコ遊技機を用いた耐久試験において一日に右打ちした打球数であり、TOTAL欄に示された数字はその日までに当該パチンコ遊技機を用いて右打ちされた打球数の合計である。
耐久日数欄は、TOTAL欄に示された合計右打ち回数をホールに設置された一台のパチンコ遊技機で打つとした場合に要する日数(換算日数)を示している。右打ちは大当たり、及び時短に際してのみ行われるとした場合、ホールに設置された一台のパチンコ遊技機で一日に40000発打った場合に、そのうちの約13500発が右打ちされるものとして計算した。つまり、耐久日数は、TOTAL欄に示された合計右打ち回数を13500発で除したおおよその数字である。
この耐久試験の結果、台板の傾斜端縁は、2010年10月12日に右打ち回数2364000発で破損した。10月12日は、ホールでの稼動日数に換算して175日目であった。
このように本発明の遊技盤ユニットによれば、遊技球が衝突し易い前記台板の前端縁を、垂直方向に対して30度〜60度の範囲で時計回り方向へ傾斜させた傾斜端縁を備えたので、台板の前端縁が長期間破損せずに耐久性が向上した。
なお、パチンコ遊技機の詳細な構成については図示説明していないが、本願発明の技術的範囲中に、この遊技盤ユニットを搭載したパチンコ遊技機が含まれることに疑いがない。
Claims (1)
- 遊技領域の上部周縁に沿って配置され、該遊技領域内に発射された遊技球を該遊技領域の右側に導く外側ガイドレールと、該外側ガイドレールとの間に右打ち経路を形成する内側ガイド部材と、該内側ガイド部材から前記外側ガイドレールに向けて張り出した台板と、前記右打ち経路内に位置して前記遊技球が衝突し易い前記台板の前端縁と、を有する遊技機において、
前記台板は、前記前端縁を垂直方向に対して30度〜60度の範囲で時計回り方向へ傾斜させた傾斜端縁と、該傾斜端縁の下部から下方へ曲線状に延びる下部外周縁と、該下部外周縁の直近の台板面に形成した螺子止め固定用の穴と、を備えていることを特徴とする遊技機。
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