JP5238535B2 - 難燃性エラストマー組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、家電製品、自動車用部品等の防振材の材料として使用される難燃性エラストマー組成物に関するものである。
従来、上記防振材の材料にはブチルゴム、エラストマーが主として使用されていたが、近年の家電製品、自動車用部品等への難燃化の要求から一部でシリコーンゴムが使用されている。しかし、シリコーンゴムは、未反応シロキサンの付着が問題となる場合があり、その使用が一部に留められているため、耐熱性又は制振性が劣るものではあるが使い勝手の良いエラストマー組成物を状況に応じて使用している。例えば特許文献1には、制振性に優れるエラストマー組成物が記載されており、特許文献2には難燃性のエラストマー組成物が記載されている。
特許第3184783号 特開平11−256004号公報
ところが、上記特許文献1のエラストマー組成物は、耐熱性が悪く、難燃性も有していない。上記特許文献2のエラストマー組成物は、リン酸塩系の難燃剤を添加することで良好な難燃性(V−0)を示す一方で、制振性と耐熱性が悪い。このように制振性、耐熱性、難燃性のいずれかに優れるエラストマー組成物は存在するが、全てに優れるエラストマー組成物が存在せず、防振材の材料選定を難しくしていた。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、制振性、耐熱性に優れ、難燃性が良好な難燃性エラストマー組成物を提供することを課題とするものであり、本発明にあっては、スチレン系重合体ブロック(S)と、共役ジエン化合物重合体ブロック(B)とからなる水素添加されたブロック共重合体であって、重量平均分子量が15万〜50万であり、1,2−ビニル結合量が50質量%以上である水添スチレン系エラストマー(a−1)が95〜50質量部と、スチレン系重合体ブロック(S)と、共役ジエン化合物重合体ブロック(B)とからなる水素添加されたブロック共重合体であって、重量平均分子量が20万〜50万であり、1,2−ビニル結合量が50質量%未満である水添スチレン系エラストマー(a−2)が5〜50質量部と、のエラストマー混合物からなる水添ブロック共重合体(a)が100質量部、40℃における動粘度が100cSt以上の非芳香族系ゴム用軟化剤(b)が80〜300質量部、ポリプロピレン系樹脂(c)が1〜200質量部、ポリフェニレンエーテル系樹脂(d)が20〜200質量部、軟化点が100℃以上の水添石油樹脂(e)が20〜200質量部、リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)が200〜600質量部、フッ素系樹脂(g)が0.1〜30質量部、分散剤(h)が0.1〜30質量部、からなる難燃性エラストマー組成物が提供される。
上記フッ素系樹脂(g)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とアルキル系ポリマーとからなるアクリル変性PTFEであり、上記分散剤(h)は、ステアリン酸マグ
ネシウム又はアミド系滑剤であることが望ましい。
〔作用〕
上記水添ブロック共重合体(a)、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)、リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤()の混合物に、ポリプロピレン系樹脂()、ポリフェニレンエーテル系樹脂()、水添石油樹脂()、を添加すると、リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤()を添加したものであっても、ゴム弾性に優れ、永久伸びが少ないエラストマーとなるため、制振性、耐熱性の優れた難燃性エラストマー組成物が得られる。また混合物に、フッ素系樹脂(g)を添加すると、リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤()の添加量を少なくしても難燃性の良好な難燃性エラストマー組成物が得られ、さらに分散剤(h)を添加すると、分散困難なリン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤()を好適に分散することができるようになるため、リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤()の添加量をさらに少なくすることができる。従って、本発明の難燃性エラストマー組成物においては、難燃剤としてリン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤()を多量添加する必要がなく、またポリプロピレン系樹脂()、ポリフェニレンエーテル系樹脂()、水添石油樹脂()を添加することで、制振性、耐熱性に優れたものとなる。
〔効果〕
本発明では、制振性、耐熱性に優れるとともに、良好な難燃性を有する難燃性エラストマー組成物が提供される。
〔水添ブロック共重合体(a)〕
本発明に使用する水添ブロック共重合体(a)とは、スチレン系重合体ブロック(S)と、共役ジエン化合物重合体ブロック(B)とからなるものであって、前記共役ジエン化合物重合体ブロック(B)は、一部または全部が水素添加されている。
前記スチレン系重合体ブロック(S)とは、例えばスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t(ターシャリー)−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等のスチレン系単量体の重合体ブロックである。
前記共役ジエン化合物重合体ブロック(B)とは、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン系化合物の重合体ブロックである。
本発明で使用する水添ブロック共重合体(a)としては、例えばスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ピリジン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−エチレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン(SIS)、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)(α−MeSBα−MeS)、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリイソプレン−ポリ(α−メチルスチレン)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、スチレン−クロロプレンゴム(SCR)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)共重合体等が例示される。
[水添スチレン系エラストマー(a−1)]
本発明では上記水添ブロック共重合体(a)として、下記の水添スチレン系エラストマー(a−1)が使用される。
水添スチレン系エラストマー(a−1)には、得られる難燃性エラストマー組成物の耐熱性及び成形性を好適なものにするという観点から、重量平均分子量(Mw)が15万以上、50万以下のものが使用される。重量平均分子量(Mw)が15万未満の場合、難燃性エラストマー組成物の耐熱性が悪化して70℃における圧縮永久歪みが大きくなる。重量平均分子量(Mw)が50万を超える場合、難燃性エラストマー組成物の成形性が悪化する。
水添スチレン系エラストマー(a−1)には、得られる難燃性エラストマー組成物の耐熱性をより向上させるという観点から、スチレン系単量体含有量が20質量%以上のものが選択される。スチレン系単量体含有量が20質量%未満の場合、難燃性エラストマー組成物の耐熱性が悪化して70℃における圧縮永久歪みが大きくなる。なお、スチレン系単量体含有量の望ましい範囲は、20〜40質量%である。
水添スチレン系エラストマー(a−1)には、防振材に要求される制振性を満たすという観点から、1,2−ビニル結合量が50質量%以上のものが使用される。なお、1,2−ビニル結合量の望ましい範囲は、50〜80質量%である。該水添スチレン系エラストマー(a−1)は、スチレン系重合体ブロック(S)が少なくとも2個、共役ジエン化合物重合体ブロック(B)が少なくとも1個で構成されるブロック共重合体であり、エラストマー分子鎖に枝分かれが多く、嵩高い構造を有している。このため、共役ジエン化合物重合体ブロック(B)の1,2−ビニル結合量を50質量%以上とすることにより、難燃性エラストマー組成物に振動エネルギーが及ぼされた際、分子同士が衝突する確率が高くなり、振動エネルギーが熱エネルギーに効率良く変換され、良好な制振性を発揮する。
[水添スチレン系エラストマー(a−2)]
本発明では上記水添ブロック共重合体(a)として、上記水添スチレン系エラストマー(a−1)と、下記の水添スチレン系エラストマー(a−2)と、のエラストマー混合物使用る。
水添スチレン系エラストマー(a−2)には、得られる難燃性エラストマー組成物の耐熱性及び成形性を好適なものにするという観点から、重量平均分子量(Mw)が20万以上、50万以下のものが使用される。重量平均分子量(Mw)が20万未満の場合、難燃性エラストマー組成物の耐熱性が悪化して70℃における圧縮永久歪みが大きくなる。重量平均分子量(Mw)が50万を超える場合、難燃性エラストマー組成物の成形性が悪化する。
水添スチレン系エラストマー(a−2)には、得られる難燃性エラストマー組成物の耐熱性をより向上させるという観点から、スチレン系単量体含有量が20質量%以上のものが選択される。スチレン系単量体含有量が20質量%未満の場合、難燃性エラストマー組成物の耐熱性が悪化して70℃における圧縮永久歪みが大きくなる。なお、スチレン系単量体含有量の望ましい範囲は、20〜40質量%である。
水添スチレン系エラストマー(a−2)には、得られる難燃性エラストマー組成物のべたつきを抑えるという観点から、1,2−ビニル結合量が50質量%未満のものが使用される。
本発明の難燃性エラストマー組成物の特異な性質は、軟らかいゴム成分からなるソフトセグメント(軟質相)と硬い樹脂成分からなるハードセグメント(硬質相)に分離した構造に由来し、後述の非芳香族系ゴム用軟化剤(b)はソフトセグメント部分に保持される。1,2−ビニル結合量が50質量%以上である上記水添スチレン系エラストマー(a−1)のみを使用する場合、枝分かれの多い分子鎖ではソフトセグメント部分の長さが短くなって非芳香族系ゴム用軟化剤(b)が保持されにくくなり、難燃性エラストマー組成物にべたつきが生じる可能性がある。これに対して1,2−ビニル結合量が50質量%未満の水添スチレン系エラストマー(a−2)は、枝分かれの少ない長い分子鎖を有するので、ソフトセグメント部分の長さが長くなり、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)が保持されやすい。
そこで、本発明の水添ブロック共重合体(a)では、上記水添スチレン系エラストマー(a−1)と、上記水添スチレン系エラストマー(a−2)と、のエラストマー混合物を使用することにより、制振性の向上を図りつつ、べたつきの改善を図っている。
水添スチレン系エラストマー(a−1)と、水添スチレン系エラストマー(a−2)との混合比率は、質量比で95:5〜50:50である。つまり、水添ブロック共重合体(a)としてエラストマー混合物を使用する場合、水添ブロック共重合体(a)の添加量の合計を100質量部として、水添スチレン系エラストマー(a−1)の添加量は95〜50質量部であり、水添スチレン系エラストマー(a−2)の添加量は5〜50質量部である。
水添スチレン系エラストマー(a−2)の添加量が5質量部未満の場合、べたつきを十分に改善することができない。水添スチレン系エラストマー(a−2)の添加量が50質量部を超える場合、上記水添スチレン系エラストマー(a−1)による良好な制振性の発揮が困難となる。
なお、本発明の上記水添ブロック共重合体(a)において、重量平均分子量(Mw)とは、下記するゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)により、下記の条件で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を指す。
〔GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)法によるポリスチレン換算分子量測定〕
測定条件
a)測定機器:SIC Autosampler Model09
Sugai U―620 COLUMN HEATER
TYPE 30VP
Uniflows UF−3005S2B2
b)検出器:MILLIPORE Waters410
Differential Refractometer
c)カラム:Shodex KF806M×2本
d)オーブン温度:40℃
e)溶解液:THF 1.0ml/min
f)標準試料:ポリスチレン
g)注入量:100μl
h)濃度:0.020g/10ml
i)試料調製:2,6−ジ−t−ブチル−p−フェノール(BHT)を0.2重量%添加したTHFを溶媒とし、室温で攪拌して溶解させた。
j)補正:検量線測定時と試料測定時とのBHTのピークのずれを補正して、分子量計算を行った。
〔非芳香族系ゴム用軟化剤(b)〕
非芳香族系ゴム用軟化剤(b)は、難燃性エラストマー組成物の硬度調節のために添加される。従来から使用されている公知のゴム用軟化剤として、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アスファルト系オイル等の鉱物油系軟化剤、脂肪油系、松根油系、トールオイル、ファクチス等の植物油系軟化剤、タール類、クマロンインデン樹脂等のコールタール系軟化剤、フェノール樹脂低縮合物、低融点スチレン樹脂、ポリブテン、ターシャリィブチルフェノールアセチレン縮合物等の液状もしくは低分子量合成樹脂等が挙げられる。本発明ではこれらの中で非芳香族系のものが使用され、なかでもパラフィン系オイルは、上記水添ブロック共重合体(a)との相溶性が良好であるため、望ましい。
また、JIS K2283に準拠した方法によって測定された非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の動粘度は、40℃において100センチストークス(cSt)以上である。このような高粘度軟化剤は、本発明の難燃性エラストマー組成物に高度なクッション性を与え、優れた振動吸収性と制振性を付与する。軟化剤の動粘度が、40℃において100センチストークス未満である場合には、得られる難燃性エラストマー組成物の反発弾性が大き
くなって制振性が悪化し、さらに難燃性も悪化する。
〔ポリプロピレン系樹脂(c)〕
ポリプロピレン(PP)系樹脂(c)は、難燃性エラストマー組成物の硬度調節のために添加される。本発明に使用されるPP系樹脂(c)としては、従来から使用されている公知のものが使用でき、例えば、プロピレン単独重合体(ホモPP)、プロピレン−エチレン共重合体(ランダムPP、ブロックPP)、PPにポリエチレンやエチレン−プロピレン共重合体を添加した変性PP等が含有される。これらの中でもガラス転移点温度(Tg)が室温付近に近く、耐熱性が良好であるという観点から、ホモPPの使用が望ましい。
また、機械特性を調整する際に、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等)、ポリ−1−ブテン、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体などを用いることができる。
〔ポリフェニレンエーテル系樹脂(d)〕
ポリフェニレンエーテル系樹脂(d)は、難燃性エラストマー組成物の難燃性や永久伸びに影響を与えることなく、高温時(70℃)圧縮永久歪みを改善するために添加される。本発明に使用されるポリフェニレンエーテル系樹脂(d)としては、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE)等が挙げられる。変性PPEとは、例えばスチレン変性PPEである。
本発明に使用される水添ブロック共重合体(a)は、前記共重合体分子に含まれるスチレン系重合体ブロック相互の親和力により、該共重合体分子相互が会合して弾性を発揮する。そして、本発明の組成物中にPPEを添加すると、PPE中に含まれる芳香族の仲介により、前記共重合体分子相互の会合が補強されるため、水添ブロック共重合体(a)によるエラストマー組成物の耐熱性が向上する。
〔水添石油樹脂(e)〕
水添石油樹脂(e)は、難燃性エラストマー組成物の熱安定性と耐熱性を向上させるために添加される。本発明に使用される水添石油樹脂(e)としては、一部または全部が水素添加された芳香族共重合系樹脂が挙げられ、具体例としてジシクロペンタジエン(DCPD)が挙げられる。
本発明に使用される水添石油樹脂(e)は、70℃における圧縮永久歪みに影響を与えることなく制振性を向上させることが出来るという観点から、軟化点が100℃以上のものを使用する。軟化点が100℃未満の水添石油樹脂(e)では、70℃における圧縮永久歪みが悪化する。
得られるエラストマー組成物の制振性を向上させるには、tanδを高めることで制振エネルギーの損失を増大させて振動を吸収するための材料を添加することが望ましい。本発明に使用される水添石油樹脂(e)は、溶解パラメーター(SP値)が8.3であり、スチレン系エラストマーのSP値である8.2〜8.5に近く、本発明の組成物中に良好に相溶するため、70℃における圧縮永久歪みを悪化させることなく、tanδを効果的に高める。さらに水添石油樹脂(e)は、耐熱性、耐候性に優れているため、本発明の組成物のtanδのピークが常温側にシフトし、使用温度(常温)における制振性が向上する。
ここに、周期適応力が組成物に与えられた場合の複素弾性率は、
=E+τE
(E:貯蔵弾性率、E:損失弾性率)
とし、
tanδ=E/E
である。
なお、一周期あたりのエネルギー損失ΔEは、Eに比例する。
軟化点が100℃未満の場合、70℃の圧縮永久歪みを悪化させるおそれがある。
〔リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)〕
リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)は、エラストマー組成物に難燃性を付与するために添加される。なお、難燃剤にはリン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)以外にも種々のものがあるが、リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)以外の難燃剤を使用すると所望とする難燃性の効果を得られないことに加え、制振性までも悪化してしまう。
本発明に使用されるリン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)としては、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸塩や、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル、などが例示される。これらの中でもリン酸エステルは、得られるエラストマー組成物の高温時の変色が少ないため望ましく、またアンモニア性でない窒素を含有するリン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤は、高温時の変色が殆どなく、耐候性、耐水性に極めて優れているため望ましい。
上記アンモニア性でない窒素を有するリン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤としては、以下の難燃剤1から難燃剤3の3種類が例示される。
[難燃剤1]
下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(3)で表される化合物との混合物。
Figure 0005238535
(式中、Xは〔RN(CHNR〕、ピペラジン又はピペラジン環を含むジアミンである。ここに、R、R、RおよびRは、それぞれH原子、炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基であり、互いに同一であっても、又異なっていてもよく、mは1〜10の整数である。YはNH又は下記一般式(2)で示されるトリアジン誘導体であり、nは1〜100の整数である。)

Figure 0005238535
(式中、Z及びZは同一でも異なっていてもよく、−NRで示される基、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルコキシル基、フェニル基及びビニル基からなる群より選ばれる基である。ここに、−NR基のR及びRはH原子、炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキル基、又はメチロール基であり、互いに同一であっても、又異なっていてもよい。)
Figure 0005238535
[難燃剤2]
上記一般式(4)で表される化合物または上記一般式(5)で表される化合物と、上記一般式(6)で表される化合物との組合わせ。
Figure 0005238535
(式中、X、Y及びnは上記の一般式(1)で示すものと同様である。但し、0<p≦n+2、0<q≦n+2かつ0<p+q≦n+2)
Figure 0005238535
(式中、X、p及びnは上記一般式(4)で示すものと同様である。)
Figure 0005238535
(式中、Y、q及びnは上記一般式(4)で示すものと同様である。)
[難燃剤3]
上記一般式(5)で表される化合物と、上記一般式(6)で表される化合物と、上記一般式(7)または一般式(8)で表される化合物との配合物。
Figure 0005238535

(式中、Rは炭素原子数6〜24の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、rは0〜20の整数を示す)
上記リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)は特開2000−169731号公報、特開2003−2
6935号公報、特開2004−238568号公報に詳記されている。
上記リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)のpHは4以上であることが望ましい。pH4以下のもの
はエラストマー組成物を混練調合する場合や、押出成形又は射出成形する場合、混練機や成形機を激しく腐蝕するおそれがあり、またリン含有量が15質量%未満、窒素含有量が15質量%未満の場合には、エラストマー組成物の難燃性が悪くなる。
〔フッ素樹脂(g)〕
フッ素樹脂(g)は、上記リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)による難燃性を向上させるために添加される。本発明において使用するフッ素系樹脂(g)としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリテトラフルオロエチレン−ヘキシルフルオロプロピレン共重合体(FEP)等が例示される。
望ましいフッ素系樹脂(g)としては、アクリル変性PTFEが挙げられる。アクリル変性PTFEは、PTFE(A)と炭素数5〜30のアルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)とからなるPTFE変性物(特許第2942888号)、あるいはPTFE(A)の含有量が40〜70質量部、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルと、炭素数1〜4のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルとを有しており、これら構成単位を合計量で70質量%以上含む(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体(B)の含有量が30〜60質量部であるPTFE変性物(特許第3909020号)である。
上記アクリル変性PTFEはエラストマー組成物の難燃性を向上せしめるばかりでなく、本発明のエラストマー組成物の溶融物の表面張力を向上せしめ、押出成形の際に押出機のダイスから該熱可塑性樹脂配合物の溶融物が垂れ下がるドローダウン現象や、ダイスに該熱可塑性樹脂配合物の溶融物の凝固物が固着してしまう目やに現象の発生を抑制する、と云う効果を有する。
〔分散剤(h)〕
分散剤(h)は、上記リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)を好適に分散させてその添加量を少なくすることにより、制振性、70℃における圧縮永久歪みを向上させるために添加される。本発明において使用する分散剤(h)としては、アミド系滑剤、金属石鹸、脂肪族系滑剤、エステル系滑剤等が例示される。
アミド系滑剤としては、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
金属石鹸としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸バリウム/亜鉛複合体、ステアリン酸亜鉛/ステアリン酸カルシウム複合体等が挙げられる。
脂肪族系滑剤としては、ステアリルアルコール、ステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
エステル系滑剤としては、硬化油脂、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸ブチル、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸ステアリル等が挙げられる。
望ましい分散剤(h)としては、上記リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)の分散性を良好なものとする、難燃性エラストマー組成物に高度なクッション性を与えて振動吸収性を向上させる、入手が容易である、等の観点から、アミド系滑剤、ステアリン酸マグネシウムが挙げられる。
〔その他成分〕
上記成分以外、例えばケイ素、ホウ素、アルミニウム、亜鉛、スズ、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の金属(類金属を含む)の酸化物および/または水酸化物を添加してもよい。上記金属の酸化物や水酸化物は、本発明の難燃性エラストマー組成物の難燃性を向上せしめる。
〔配合〕
上記非芳香族系ゴム用軟化剤(b)は、水添ブロック共重合体(a)が100質量部に
対して80〜300質量部が添加される。添加量が80質量部未満の場合、得られる難燃性エラストマー組成物の制振性、70℃における圧縮永久歪みが悪化する。添加量が300質量部を超える場合、得られる難燃性エラストマー組成物にべたつきが発生する。
上記PP系樹脂(c)は、水添ブロック共重合体(a)が100質量部に対して1〜200質量部が添加される。添加量が1質量部未満の場合、得られる難燃性エラストマー組成物の成形性が悪化する。添加量が200質量部を超える場合、得られる難燃性エラストマー組成物の制振性、70℃における圧縮永久歪みが悪化する。
上記PPE系樹脂(d)は、水添ブロック共重合体(a)が100質量部に対して20〜200質量部が添加される。添加量が20質量部未満の場合、70℃における圧縮永久歪みを向上させる効果が得られない。添加量が200質量部を超える場合、これ以上の70℃における圧縮永久歪みの向上、制振性の向上を期待することが出来ない。
上記水添石油樹脂(e)は、水添ブロック共重合体(a)が100質量部に対して20〜200質量部が添加される。添加量が20質量部未満の場合、得られる難燃性エラストマー組成物の制振性の向上と、70℃における圧縮永久歪みの向上と、いう効果が得られない。添加量が200質量部を超える場合、70℃における圧縮永久歪みが悪化し、また得られる難燃性エラストマー組成物にべたつきが発生する。
上記リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)は、水添ブロック共重合体(a)が100質量部に対して200〜600質量部が添加される。添加量が200質量部未満の場合、得られる組成物が所望とする難燃性を持ち得ない。添加量が600質量部を超える場合、硬度が上がってゴム弾性が無くなることによる制振性の悪化、引張り永久歪みの悪化、高温時(70℃)圧縮永久歪みの悪化、成形性の悪化を招く。
上記フッ素系樹脂(g)は、水添ブロック共重合体(a)が100質量部に対して0.1〜30質量部が添加される。添加量が0.1質量未満の場合、上記リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)との併用で難燃性エラストマー組成物の難燃性を向上させると云う効果が得られない。添加量が30質量部を超えると、溶融した樹脂の流動性の低下によって成形性が悪くなる可能性がある。
上記分散剤(h)は、水添ブロック共重合体(a)が100質量部に対して0.1〜30質量部が添加される。添加量が0.1質量未満の場合、上記リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)の分散性を向上させることができない。添加量が30質量部を超えると、得られる難燃性エラストマー組成物に分散剤(h)がにじみ出ることでブリードが発生する可能性がある。
なお、上記成分以外にも、所望により本発明の特徴を損なわない範囲で必要に応じて他の配合成分を配合することができる。
〔難燃性エラストマー組成物の製造〕
上記難燃性エラストマー組成物を製造するには、通常は非芳香族系ゴム用軟化剤(b)以外の成分をドライブレンドし、更に非芳香族系ゴム用軟化剤(b)を添加含浸させて混合物を調整する。該混合物は下記の実施例に示す条件で押出機で溶融混練して紐状に水中に押出し、カッターでカットしてペレット状にする。
このようにして作成したペレットは押出成形、射出成形等に使用される。
以下に本発明を更に具体的に説明するための実施例を記載する。
1. 使用原料の詳細
〔水添ブロック共重合体〕
SEBS:クレイトンG1641(商品名、クレイトンポリマージャパン(株)製)、スチレン含有量:32%、重量平均分子量(Mw):20.9万、数平均分子量(Mn):19.9万、1,2−ビニル結合量:67質量%
SEBS:クレイトンG1642(商品名、クレイトンポリマージャパン(株)製)、
スチレン含有量:22%、重量平均分子量(Mw):13.5万、数平均分子量(Mn):12.7万、1,2−ビニル結合量:65質量%
SEBS:クレイトンG1651(商品名、クレイトンポリマージャパン(株)製)、スチレン含有量:33%、重量平均分子量(Mw):24.7万、数平均分子量(Mn):23万、1,2−ビニル結合量:37質量%
SEBS:クレイトンG1650(商品名、クレイトンポリマージャパン(株)製)、スチレン含有量:29%、重量平均分子量(Mw):約10.9万、数平均分子量(Mn):10.3万、1,2−ビニル結合量:37質量%
〔非芳香族系ゴム用軟化剤〕
パラフィンオイル:PW380〔商品名、出光興産(株)製〕、動粘度(40℃):383.4cSt
パラフィンオイル:NTK400〔商品名、日本サン石油製〕、動粘度(40℃):75〜90cSt
〔PP系樹脂〕
PX600N〔商品名、サンアロマー(株)製〕、曲げ弾性率:1600MPa、MFR:7.5g/10分
〔PPE系樹脂〕
ポリフェニレンオキサイド(PPO):ノリル640−PW〔商品名、SABIC社製〕
〔水添石油樹脂〕
アイマープP140〔商品名、出光興産製〕、軟化点:140℃
アルコンP−90〔商品名、荒川化学工業製〕、軟化点:90±5℃
〔難燃剤〕
アデカFP2200〔商品名、ADEKA社製〕、リン酸塩系難燃剤(f)(一般式(1)の化合
物と一般式(3)の化合物との混合物、pH約4.5、リン含有量16〜20%、窒素含有量
19〜23%
MGZ-3〔商品名、堺化学製〕、水酸化マグネシウム
MC-4000〔商品名、日産化学製〕、メラミン系難燃剤(メラミンジアヌレート)
〔フッ素系樹脂〕
メタブレンA3000〔商品名、三菱レーヨン社製〕、アクリル変性PTFE
〔分散剤〕
オレイン酸アミド:ニュートロン〔商品名、日本精化(株)製〕
ステアリン酸マグネシウム:SM1000〔商品名、堺化学製〕
シラン系カップリング剤(ビニル基含有):KBM−1003〔商品名、信越化学製〕
ステアリン酸カルシウム:SC−100〔商品名、堺化学製〕
2. ペレットの製造方法
パラフィンオイル以外の材料をドライブレンドし、これにパラフィンオイルを含浸させて混合物を作製する。その後、混合物を下記の条件で押出機で溶融混練して、熱可塑性組成物のペレットを製造する。
押出機:株式会社テクノベル製 KZW32TW-60MG-NH
シリンダー温度:250〜300℃
スクリュー回転数:300rpm
3. テストピースの成形条件
射出成形機 :三菱重工業株式会社製 100MSIII−10E
射出成形温度:170℃
射出圧力 :30%
射出時間 :10秒
冷却時間 :30秒
金型温度 :40℃
上記、条件で厚さ2mm、幅125mm、長さ125mmのプレートを作成した。
4. 評価方法
〔評価方法〕
(1)硬さ測定
硬さ測定は、厚さ6mmの試験片を用い、JIS K 6253Aに準拠して行った。(2)制振性tanδ(25℃、30Hz)
測定機:ARES−RDS(ティー・エイ・インスツルメント製)
昇温速度:10℃/min
振動周波数:30Hz
試験片:パラレルプレート(肉厚2mm、直径21mm)
試験温度:−50℃〜80℃まで前記昇温速度で測定を行い、25℃の値を算出。
(3)圧縮永久歪み(70℃)
JIS K 6252に準拠して行った。
(4)難燃性試験(UL規格)
UL−V規格に準拠して行った(試験片厚み3mm)。
(5)べたつき
触感による官能試験を行った。
◎:全くべたつきがない
○:ほとんどべたつきがない
△:若干のべたつき
×:顕著なべたつき
5. 結果
〔実施例〕
実施例1〜実施例4のエラストマー組成物の配合および評価を表1に、実施例5〜実施例8のエラストマー組成物の配合および評価を表2に示す。
削除
Figure 0005238535
Figure 0005238535
上記の実施例については、制振性、難燃性に優れる難燃性エラストマー組成物
が得られた。また圧縮永久歪み(70℃)も良好であり、べたつきも発生しなかった。
〔比較例〕
比較例1〜比較例4のエラストマー組成物の配合および評価を表に示す。
Figure 0005238535
比較例1は、Mwが15万に満たないSEBS(a−1)を使用した試料であり、圧縮永久歪み(70℃)が大きく、べたつきが発生した。
比較例2は、SEBS(a−1)とSEBS(a−2)の質量比を40:60とした試料であり、制振性が悪くなった。
比較例3は、Mwが20万に満たないSEBS(a−2)を使用した試料であり、圧縮永久歪み(70℃)が大きくなった。
比較例4は、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)を400質量部を超えて(500質量部)添加した試料であり、制振性及び難燃性が悪く、べたつきが発生した。
比較例5〜比較例8のエラストマー組成物の配合および評価を表に示す。
Figure 0005238535
比較例5は、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)を80質量部未満(60質量部)の量で添加した試料であり、制振性が悪く、圧縮永久歪み(70℃)が大きかった。
比較例6は、動粘度(40℃)が100cSt未満の非芳香族系ゴム用軟化剤(b)を使用した試料であり、制振性及び難燃性が悪かった。
比較例7は、PPE系樹脂(d)を20質量部未満(10質量部)の量で添加した試料であり、圧縮永久歪み(70℃)が大きかった。
比較例8は、PP系樹脂(c)を200質量部を超える量(230質量部)で添加した試料であり、制振性が悪く、圧縮永久歪み(70℃)が大きかった。
比較例9〜比較例12のエラストマー組成物の配合および評価を表に示す。
Figure 0005238535
比較例9は、リン酸塩系難燃剤(f)を200質量部未満(150質量部)の量で添加した試料であり、難燃性が悪かった。
比較例10は、リン酸塩系難燃剤(f)を600質量部を超える量(700質量部)で添加した試料であり、制振性が悪く、圧縮永久歪み(70℃)が大きかった。
比較例11と比較例12は、リン酸塩系以外の難燃剤を使用した試料であり、制振性及び難燃性が悪かった。
比較例13〜比較例16のエラストマー組成物の配合および評価を表に示す。
Figure 0005238535
比較例13は、水添石油樹脂(e)を20質量部未満(10質量部)の量で添加した試料であり、制振性が悪く、圧縮永久歪み(70℃)が大きかった。
比較例14は、水添石油樹脂(e)を200質量部を超える量(220質量部)で添加した試料であり、べたつきが発生した。
比較例15は、水添石油樹脂(e)として軟化点が100℃未満(90±5℃)のものを使用した試料であり、圧縮永久歪み(70℃)が大きかった。
比較例16は、軟化点が100℃未満(90±5℃)の水添石油樹脂(e)を使用し、かつ分散剤(h)を添加しなかった試料であり、制振性が悪く、難燃性も悪かった。
参考例1〜参考例2のエラストマー組成物の配合および評価を表に示す。
Figure 0005238535
参考例1は、分散剤(h)にシラン系カップリング剤を使用した試料であり、実施例と比較して、制振性と難燃性に劣るものとなった。
参考例2は、分散剤(h)にステアリン酸カルシウムを使用した試料であり、実施例と比較して、難燃性に劣るものとなった。
上記の参考例1及び参考例2と、実施例5及び実施例12との比較から、望ましい分散剤はステアリン酸マグネシウム又はアミド系滑剤であることが示された。
本発明のエラストマー組成物は、難燃性が高くかつ制振性も良好であるから、防振材の材料として有用である。

Claims (3)

  1. スチレン系重合体ブロック(S)と、共役ジエン化合物重合体ブロック(B)とからなる水素添加されたブロック共重合体であって、重量平均分子量が15万〜50万であり、1,2−ビニル結合量が50質量%以上である水添スチレン系エラストマー(a−1)が95〜50質量部と、
    スチレン系重合体ブロック(S)と、共役ジエン化合物重合体ブロック(B)とからなる水素添加されたブロック共重合体であって、重量平均分子量が20万〜50万であり、1,2−ビニル結合量が50質量%未満である水添スチレン系エラストマー(a−2)が5〜50質量部と、
    のエラストマー混合物からなる水添ブロック共重合体(a)が100質量部、
    40℃における動粘度が100cSt以上の非芳香族系ゴム用軟化剤(b)が80〜300質量部、
    ポリプロピレン系樹脂(c)が1〜200質量部、
    ポリフェニレンエーテル系樹脂(d)が20〜200質量部、
    軟化点が100℃以上の水添石油樹脂(e)が20〜200質量部、
    リン酸塩系またはリン酸エステル系難燃剤(f)が200〜600質量部、
    フッ素系樹脂(g)が0.1〜30質量部、
    分散剤(h)が0.1〜30質量部、
    からなることを特徴とする難燃性エラストマー組成物。
  2. 上記フッ素系樹脂(g)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とアルキル系ポリマーとからなるアクリル変性PTFEである請求項1に記載の難燃性エラストマー組成物。
  3. 上記分散剤(h)は、ステアリン酸マグネシウム又はアミド系滑剤である請求項1又は請求項2に記載の難燃性エラストマー組成物。
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