JP2019194338A - パラフィン系蓄熱材組成物およびその加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パラフィン相転移時の潜熱量や加工時の流動性を維持したまま、融点を超えた使用温度域において漏れ出しを防ぐだけの形状保持性を有し、蓄熱材として使用した際に優れた安定性と蓄熱性能を発現することができる蓄熱材組成物および蓄熱材を提供する。【解決手段】パラフィン化合物(A)とスチレン系エラストマー(B)からなる蓄熱材組成物であり、前記スチレン系エラストマー(B)のスチレン含有量が20〜58質量%の範囲であり、かつ、数平均分子量Mnが50000〜250000g/molの範囲であり、かつ、液体から固体または固体から液体への相転移時の潜熱量が203J/g以上240J/g以下であり、パラフィンの融点より10℃高い温度における弾性率が0.1kPa以上であるパラフィン系蓄熱材組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、パラフィン系蓄熱材組成物および蓄熱材に関し、詳しくは、相転移時の潜熱量、使用温度での形状保持性、及び、加工温度での流動性に優れた蓄熱材組成物および当該組成物を用いてなる蓄熱材に関するものである。
本発明で言う蓄熱とは、物質に熱を蓄え、必要に応じてその熱を取り出す仕組みのことであり、効率よくエネルギーを利用できるという利点から、空調設備や建築材料、保温容器、保冷剤、コンクリート等、あらゆる分野に使用されている。
蓄熱方式には、相転移熱を利用した潜熱蓄熱、比熱を利用した顕熱蓄熱、化学反応時の吸熱・発熱を利用した化学蓄熱があるが、蓄熱密度(効率)や耐久性、コスト、安全性、加工性に優れた潜熱蓄熱方式が近年使用される傾向にある。
蓄熱方式には、相転移熱を利用した潜熱蓄熱、比熱を利用した顕熱蓄熱、化学反応時の吸熱・発熱を利用した化学蓄熱があるが、蓄熱密度(効率)や耐久性、コスト、安全性、加工性に優れた潜熱蓄熱方式が近年使用される傾向にある。
潜熱蓄熱材料としては、パラフィン、水(氷)、無機水和塩等が主として挙げられるが、使用目的に応じた温度設定のしやすさや、臭気、安定性(長期寿命)等の観点から、パラフィン系潜熱蓄熱材が使用される傾向にある。パラフィンとは、脂肪族飽和炭化水素(アルカン)の総称であり、主鎖の炭素数に応じて融点が異なるため、最適な種類のパラフィンを選択することで、使用目的に応じた相転移温度の設定が可能となる。
しかし、パラフィンは融解した状態では粘度が低く、構造体の一部として使用した際に漏れ出す可能性がある。パラフィンは液体の状態では引火性を有する危険物であるため、パラフィンが融解しても漏れ出しを防ぐような対策が必要である。
パラフィンの漏れ出しを防ぐ方法としては、容器や袋に収納する方法があるが、十分な強度を有する容器を使用した場合には、構造体の大型化やコストの問題から実用的ではなく、また、袋を使用した場合には、袋が破損あるいはピンホールが発生してそこからパラフィンが漏れ出す懸念がある。
パラフィンの漏れ出しを防ぐ方法としては、容器や袋に収納する方法があるが、十分な強度を有する容器を使用した場合には、構造体の大型化やコストの問題から実用的ではなく、また、袋を使用した場合には、袋が破損あるいはピンホールが発生してそこからパラフィンが漏れ出す懸念がある。
その他にパラフィンの漏れ出しを防ぐ方法としては、マイクロカプセルに封入する方法や、架橋剤を添加して架橋する方法が知られている。マイクロカプセルを使用する方法は、パラフィンの漏れ出し防止が十分とは言い難く、また、マイクロカプセル間にできる空隙によって単位体積当たりの潜熱量(潜熱密度)が低下するという課題がある。一方、パラフィンを架橋する方法は、電子線架橋や熱架橋を経る必要があるため製造コストが高くなる傾向にあり、また、常温における剛性が高くなりすぎてハンドリング性が低下する等の課題もある。
このような課題に対して、パラフィンに熱可塑性樹脂を添加し、融点を超えても形状を保持する方法が古くから知られている。この場合、使用する熱可塑性樹脂の常温における剛性が高すぎると、脆くて破損したり、ハンドリング性が低下する等の問題があり、また、結晶性樹脂を使用すると、相転移を繰り返す内に結晶部分からパラフィンが排除され、樹脂とパラフィンの分離が生じるといった問題がある。これらの観点から、熱可塑性樹脂の中でも、熱可塑性エラストマーと呼ばれる、常温において比較的柔軟な熱可塑性樹脂が検討されてきた。
熱可塑性エラストマーには、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、ウレタン系エラストマー等の種類があるが、これらの中でも、パラフィンとの相溶性や形状保持性、加水分解性(安定性)、コスト等の観点から、スチレン系エラストマーについてとりわけ多くの検討がなされてきた。スチレン系エラストマーは、ハードセグメントとしてスチレンブロックを有し、ソフトセグメントに入り込んだパラフィンをスチレンブロックが固定するため、他の熱可塑性エラストマーに比べて高い形状保持性を示す。また、アミド結合、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合等を有さない非縮合系高分子化合物であるため、相転移を繰り返し行った場合でも安定した性能を維持する。
特許文献1には、パラフィン類及び熱可塑性エラストマーを主成分として成ることを特徴とする蓄熱材について開示されており、該蓄熱材は高レベルの潜熱を有し、パラフィンの融点以上においても溶融、滴下、相分離、ブリードがなく、シート状に成形しても割れることがなく、適度な柔軟性を有する旨の記載がある。
特許文献1には、スチレン系エラストマーをパラフィンにブレンドし、潜熱量や加工時の流動性を保ったまま形状保持性を付与した蓄熱材組成物について開示されているが、スチレン系エラストマーのスチレン含量(ハードセグメントとソフトセグメントの比率)や分子量についての記載は一切なく、これらのパラメーターが蓄熱材組成物の形状保持性や流動性に及ぼす影響については何ら記載も示唆もされていない。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、パラフィン相転移時の潜熱量や加工時の流動性を維持したまま、融点を超えた使用温度域において漏れ出しを防ぐだけの形状保持性を有し、蓄熱材として使用した際に優れた安定性と蓄熱性を発現することができる蓄熱材組成物および蓄熱材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、パラフィンとスチレン系エラストマーからなる蓄熱材組成物において、スチレン系エラストマーのスチレン含量と分子量が蓄熱材組成物の形状保持性および流動性に大きく寄与することを知見し、これにより所望の性能を発現する蓄熱材用組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の要旨は、パラフィン化合物(A)とスチレン系エラストマー(B)からなる蓄熱材組成物であり、前記スチレン系エラストマー(B)のスチレン含有量が20〜58質量%の範囲であり、かつ、数平均分子量Mnが50000〜250000g/molの範囲であり、かつ、液体から固体または固体から液体への相転移時の潜熱量が203J/g以上240J/g以下であり、パラフィンの融点より10℃高い温度における弾性率が0.1kPa以上であることを特徴とするパラフィン系蓄熱材組成物に存する。
そして、本発明の第2の要旨は、第1の要旨に係るパラフィン系蓄熱材組成物を50〜150℃の範囲で加工することを特徴とするパラフィン系蓄熱材組成物の加工方法に存する。
そして、本発明の第2の要旨は、第1の要旨に係るパラフィン系蓄熱材組成物を50〜150℃の範囲で加工することを特徴とするパラフィン系蓄熱材組成物の加工方法に存する。
本発明によれば、パラフィン相転移時の潜熱量や加工時の流動性を維持したまま、融点を超えた使用温度域において漏れ出しを防ぐだけの形状保持性を有する蓄熱材組成物を提供することができ、蓄熱材として使用した際に優れた安定性と蓄熱性能を発現することができ、本発明の技術的価値は高い。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の蓄熱材用組成物は、パラフィン化合物(A)、および、スチレン系エラストマー(B)からなるものである。なお、本発明における相転移温度とは、液体から固体、または、固体から液体への相転移する際の温度を意味する。
本発明で用いるパラフィン化合物(A)としては、例えば、脂肪族飽和炭化水素(アルカン)を挙げることができる。
パラフィン化合物(A)としては、安全性や使用温度の観点から、常温において液体または固体のものが好ましい。中でも、主鎖の炭素数が10〜30個の飽和炭化水素を用いることで、相転移温度を実用温度域において任意に選択でき、幅広い用途で好適に使用できる。直鎖状飽和炭化水素の具体例(炭素数/融点)としては、デカン(10個/−30℃)、ウンデカン(11個/−26℃)、ドデカン(12個/−12℃)、トリデカン(13個/−5℃)、テトラデカン(14個/6℃)、ペンタデカン(15個/10℃)、ヘキサデカン(16個/18℃)、ヘプタデカン(17個/21℃)、オクタデカン(18個/28℃)、ノナデカン(19個/32℃)、イコサン(20個/37℃)、ヘンイコサン(21個/41℃)、ドコサン(22個/44℃)、トリコサン(23個/47℃)、テトラコサン(24個/51℃)、ペンタコサン(25個/53℃)、ヘキサコサン(26個/57℃)、ヘプタコサン(27個/58℃)、オクタコサン(28個/62℃)、ノナコサン(29個/64℃)、トリアコンタン(30個/66℃)等が挙げられる。
これらは、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、直鎖状飽和炭化水素の代わりに、分岐鎖を有する分岐状飽和炭化水素を用いてもよい。
これらは、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、直鎖状飽和炭化水素の代わりに、分岐鎖を有する分岐状飽和炭化水素を用いてもよい。
パラフィン化合物(A)の相転移時の潜熱量は、120J/g以上であることが好ましく、140J/g以上であることがさらに好ましく、160J/g以上であることが特に好ましい。パラフィン化合物(A)の潜熱量がこの範囲であれば、前記スチレン系エラストマー(B)とのブレンド後でも蓄熱材として優れた蓄熱性能を発揮することができる。
本発明で用いるスチレン系エラストマー(B)としては、ポリスチレンからなるハードセグメントと、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、またはこれらの水素添加物、および/またはそれらの共重合体からなるソフトセグメントとから構成されるエラストマーが好ましい。
スチレン系エラストマー(B)の具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合体(SB)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン共重合体(SI)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレン共重合体(SIB)、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(SIBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体(SBBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEEPS)共重合体が挙げられる。これらは、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの共重合体であってもよい。この中でも、形状保持性の観点から、SBS、SBBS、SIS、SEBS、SEPS、SEEPS、SIBSといったトリブロック共重合体を用いることが特に好ましい。
スチレン系エラストマー(B)のスチレン含有量は、20〜60質量%の範囲であり、22〜58質量%の範囲であることが好ましく、25〜55質量%の範囲であることがさらに好ましい。スチレン系エラストマー(B)のスチレン含有量がこの範囲であれば、加工時の流動性を維持したまま優れた形状保持性を付与することができる。
スチレン系エラストマーは、構造中にスチレンブロックを含むため、一般的に100℃付近にガラス転移点を有する。そのため、スチレン系エラストマー(B)のスチレン含有量が60質量%を超えると、流動性が著しく低下する。一方、スチレン含有量が20質量%を下回ると、スチレンブロックによってパラフィンを固定することが困難になり、形状保持性が著しく低下する。
スチレン系エラストマー(B)の数平均分子量Mnは、50000〜250000g/molの範囲であり、60000〜230000g/molの範囲であることが好ましく、70000〜200000g/molの範囲であることがさらに好ましい。スチレン系エラストマー(B)の数平均分子量Mnがこの範囲であれば、加工時の流動性を維持したまま優れた形状保持性を付与することができる。
高分子化合物の分子量は、高分子鎖同士の絡み合いに関係し、ひいては前記蓄熱材組成物の形状保持性及び流動性に大きく寄与する。数平均分子量Mnが250000g/molを超えると、融点を超えてもパラフィンが高分子鎖内に強く束縛され、流動性が著しく低下する。一方、数平均分子量Mnが50000g/molを下回ると、スチレンブロックによってパラフィンを固定することが困難になり、形状保持性が著しく低下する。
本発明のパラフィン系蓄熱材組成物に含まれるパラフィン化合物(A)とスチレン系エラストマー(B)の質量比は、98/2〜70/30質量%であることが好ましく、95/5〜75/25質量%であることがさらに好ましく、90/10〜80/20質量%であることが特に好ましい。パラフィン化合物(A)とスチレン系エラストマー(B)の質量比がこの範囲であれば、潜熱量と流動性を維持したまま形状保持性を付与することができる。
パラフィン系蓄熱材組成物の相転移時の潜熱量は100J/g以上であることが好ましく、120J/g以上であることがさらに好ましく、140J/g以上であることが特に好ましい。パラフィン系蓄熱材組成物の相転移時の潜熱量がこの範囲であれば、蓄熱材として優れた蓄熱性能を発揮することができる。
パラフィン系蓄熱材組成物は、融点を超えた後でも、ある一定の温度まで流動せず、形状を保持している(ゲル状である)ことが好ましい。これにより、パラフィンの漏れ出しを防止することができる。用途によって基準は異なるが、一般的にゲルの弾性率は0.1kPa以上であることが好ましい。前記パラフィン系蓄熱材組成物ゲルの弾性率がこの範囲であれば、加工性を維持したまま形状保持性を付与することができる。
パラフィン系蓄熱材組成物は、加工温度域で十分に流動することが好ましい。これにより、蓄熱材として様々な形状で使用する際に、加工がしやすくなる。
用途によって加工温度域は異なるが、加工温度は50〜150℃の範囲が好ましく、60〜140℃の範囲がさらに好ましく、70〜130℃の範囲が特に好ましく、80〜120℃以下の範囲が最も好ましい。パラフィン系蓄熱材組成物の加工温度が50℃未満の場合、前記スチレン系エラストマー(B)が十分に軟化せず、流動性が低下することがある。一方、加工温度が150℃を超える場合、パラフィン化合物(A)の引火点を超える、あるいは引火点に近づくため、危険を伴うことがある。パラフィン系蓄熱材組成物の加工温度がこの範囲であれば、安全に十分な流動性を発現することができる。
この際、加工温度域の粘度は10Pa・s以下であることが好ましく、1Pa・s以下であることがさらに好ましい。パラフィン系蓄熱材組成物の加工温度域における流動性がこの範囲であれば、十分な加工性を維持することができる。
パラフィン化合物(A)およびスチレン系エラストマー(B)には、前記パラフィン系蓄熱材組成物の性質に影響を与えない範囲において、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、安定剤、染料、顔料、無機質微粒子などの各種添加剤を添加することができる。
以下、本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明における評価は次の方法により行った。各実施例等における蓄熱材組成物の構成および評価結果を下記表1に示した。
(1)潜熱量:
示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃から100℃まで、加熱速度10℃/分で昇温過程における蓄熱材組成物の結晶融解熱量ΔHmを測定した。融解熱量ΔHmが100J/g以上のものを合格(○)、100J/g未満のものを不合格(×)とした。
示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃から100℃まで、加熱速度10℃/分で昇温過程における蓄熱材組成物の結晶融解熱量ΔHmを測定した。融解熱量ΔHmが100J/g以上のものを合格(○)、100J/g未満のものを不合格(×)とした。
(2)形状保持性:
レオメーターを用いて、10℃から100℃まで、加熱速度2℃/minで昇温過程における蓄熱材組成物の弾性率を測定した。パラフィンの融点より10℃高い温度における弾性率が0.1kPa以上のものを合格(○)、この範囲から外れるものを不合格(×)とした。
レオメーターを用いて、10℃から100℃まで、加熱速度2℃/minで昇温過程における蓄熱材組成物の弾性率を測定した。パラフィンの融点より10℃高い温度における弾性率が0.1kPa以上のものを合格(○)、この範囲から外れるものを不合格(×)とした。
(3)流動性:
レオメーターを用いて、10℃から100℃まで、加熱速度2℃/minで昇温過程における蓄熱材組成物の粘度を測定した。一般的な蓄熱材の加工温度である90℃における粘度が10Pa・s以下のものを合格(○)、10Pa・sより高いものを不合格(×)とした。
レオメーターを用いて、10℃から100℃まで、加熱速度2℃/minで昇温過程における蓄熱材組成物の粘度を測定した。一般的な蓄熱材の加工温度である90℃における粘度が10Pa・s以下のものを合格(○)、10Pa・sより高いものを不合格(×)とした。
実施例および比較例において使用したパラフィン化合物およびスチレン系エラストマーは、以下のものである。
[パラフィン化合物(A)]
(a)−1:TS8(JX社製、オクタデカン、融点=28℃)
(a)−2:TSAC06(JX社製、テトラデカン、融点=6℃)
(a)−3:TS6(JX社製、ヘキサデカン、融点=18℃)
(a)−4:TS20(JX社製、イコサン、融点=37℃)
[パラフィン化合物(A)]
(a)−1:TS8(JX社製、オクタデカン、融点=28℃)
(a)−2:TSAC06(JX社製、テトラデカン、融点=6℃)
(a)−3:TS6(JX社製、ヘキサデカン、融点=18℃)
(a)−4:TS20(JX社製、イコサン、融点=37℃)
[スチレン系エラストマー(B)]
(b)−1:セプトン8004(クラレ社製、SEBS、スチレン含量=31wt%、数平均分子量Mn=120000g/mol)
(b)−2:タフテックH1517(旭化成社製、SEBS、スチレン含量=43wt%、数平均分子量Mn=110000g/mol)
(b)−3:セプトン8006(クラレ社製、SEBS、スチレン含量=33wt%、数平均分子量Mn=260000g/mol)
(b)−4:セプトン8104(クラレ社製、SEBS、スチレン含量=60wt%、数平均分子量Mn=130000g/mol)
(b)−5:タフテックH1221(旭化成社製、SEBS、スチレン含量=12wt%、数平均分子量Mn=170000g/mol)
(b)−6:SIBSTAR062M(カネカ社製、SIBS、スチレン含量=23wt%、数平均分子量Mn=40000g/mol)
(b)−1:セプトン8004(クラレ社製、SEBS、スチレン含量=31wt%、数平均分子量Mn=120000g/mol)
(b)−2:タフテックH1517(旭化成社製、SEBS、スチレン含量=43wt%、数平均分子量Mn=110000g/mol)
(b)−3:セプトン8006(クラレ社製、SEBS、スチレン含量=33wt%、数平均分子量Mn=260000g/mol)
(b)−4:セプトン8104(クラレ社製、SEBS、スチレン含量=60wt%、数平均分子量Mn=130000g/mol)
(b)−5:タフテックH1221(旭化成社製、SEBS、スチレン含量=12wt%、数平均分子量Mn=170000g/mol)
(b)−6:SIBSTAR062M(カネカ社製、SIBS、スチレン含量=23wt%、数平均分子量Mn=40000g/mol)
(実施例1)
(a)−1と(b)−1を90/10質量%の割合で150℃において混合し、得られたパラフィン系蓄熱材組成物について各種評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
(a)−1と(b)−1を90/10質量%の割合で150℃において混合し、得られたパラフィン系蓄熱材組成物について各種評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
(b)−1の代わりに(b)−2を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(b)−1の代わりに(b)−2を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
(a)−1と(b)−1の混合比を98/2質量%とした以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(a)−1と(b)−1の混合比を98/2質量%とした以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(参考例1)
(a)−1と(b)−1の混合比を70/30質量%とした以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(a)−1と(b)−1の混合比を70/30質量%とした以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(参考例2)
(a)−1の代わりに(a)−2を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(a)−1の代わりに(a)−2を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例5)
(a)−1の代わりに(a)−3を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(a)−1の代わりに(a)−3を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例7)
(a)−1の代わりに(a)−4を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(a)−1の代わりに(a)−4を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
(b)−1を添加しない事以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。結果を表2に示す。
(b)−1を添加しない事以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
(b)−1の代わりに(b)−3を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。結果を表2に示す。
(b)−1の代わりに(b)−3を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
(b)−1の代わりに(b)−4を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。結果を表2に示す。
(b)−1の代わりに(b)−4を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
(b)−1の代わりに(b)−5を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。結果を表2に示す。
(b)−1の代わりに(b)−5を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
(b)−1の代わりに(b)−6を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。結果を表2に示す。
(b)−1の代わりに(b)−6を用いた以外は実施例1と同様の方法で蓄熱材組成物の作製および評価を行った。結果を表2に示す。
本発明の蓄熱組成物は、空調設備、建築材料、保温容器、保冷剤、コンクリートの他、医療用途や自動車まで、あらゆる分野に於いて好適に利用することができる。
Claims (5)
- パラフィン化合物(A)とスチレン系エラストマー(B)からなる蓄熱材組成物であり、前記スチレン系エラストマー(B)のスチレン含有量が20〜58質量%の範囲であり、かつ、数平均分子量Mnが50000〜250000g/molの範囲であり、かつ、液体から固体または固体から液体への相転移時の潜熱量が203J/g以上240J/g以下であり、パラフィンの融点より10℃高い温度における弾性率が0.1kPa以上であることを特徴とするパラフィン系蓄熱材組成物。
- 90℃における粘度が10Pa・s以下である請求項1に記載のパラフィン系蓄熱性組成物。
- パラフィン化合物(A)とスチレン系エラストマー(B)とを、98/2〜70/30質量%の割合で含有してなる請求項1又は2に記載のパラフィン系蓄熱材組成物。
- パラフィン化合物(A)の融点が6〜37℃である請求項1〜3のいずれか一項に記載のパラフィン系蓄熱材組成物。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のパラフィン系蓄熱材組成物を50〜150℃の範囲で加工することを特徴とするパラフィン系蓄熱材組成物の加工方法。
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