JP5236789B2 - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体発光素子の製造方法に関し、特に、基板上に基板とは格子定数または熱膨張係数の異なる半導体材料にて形成された信頼性の高い半導体発光素子の製造方法に関する。
半導体発光素子を構成する結晶材料とは格子定数が3%以上異なる基板上へ形成する場合や、熱膨張係数が10%以上異なる基板上へ半導体結晶を成長する場合には、まず基板の上に半導体発光素子を構成する材料と格子定数や熱膨張係数がほぼ等しい(格子定数、熱膨張係数とも1%以内)結晶材料を厚く成長させ連続膜半導体層を形成した上に半導体発光素子を形成する試みがなされている。連続膜半導体層の上に積層した半導体層は結晶欠陥が低減することが報告されている。このような発光素子の代表例として、図8に、サファイア基板800上に、GaN層を厚く結晶成長させて連続膜半導体層を形成し、その上に青色発光ダイオード(LED)を形成した従来技術による例を示す。
この従来例のLEDの作製方法を説明する。サファイア基板800上に、まずハライド気相成長法(HVPE法)によりGaN層801を5μm厚に厚く成長させる。次に、GaN層801表面にSiO2からなる選択成長マスク802を格子状(200μmピッチの20μm幅のSiO2ストライプが互いに直交する形)に形成する。以上までに作製された工程断面図を図8(a)に示す。
次に、このサファイア基板800上にHVPE法によりn型GaN連続膜半導体層803を300μm厚成長させる。この時、HVPE工程により成長されたn型GaN連続膜半導体層803は、サファイア基板800が露出した部分から成長が始まるが、その厚さが増すに伴い、SiO2からなる選択成長用マスク802上へ張り出すように左右へも成長し、最終的には20μm幅のSiO2からなる選択成長マスク802上を覆った。このようにして、表面が平坦なn型GaN連続膜半導体層803が形成された。
次に、このサファイア基板800上にn型GaN連続膜半導体層803が形成されたウェハーに、有機金属気相成長法(MOCVD法)によりn−GaNクラッド層804、InGaN活性層805、p−GaNコンタクト層806が形成された。以上までに作製された工程断面図を図8(b)に示す。
次に、図9の(a)従来例のLEDの上面構造図と(b)従来例LEDのA−A’断面図に示すように、300μm角の発光領域810を残し、その回りを取り囲むように通常のフォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術を用いてp−GaNコンタクト層806、InGaN活性層805、n−GaNクラッド層804を貫通するように除去し、n型GaN連続膜半導体層803を露出させた。最後に、n型GaN連続膜半導体層803の表面にn型電極807を、300μm角のp−GaNコンタクト層806の表面に光透過性を有するp型電極808をそれぞれ形成した。このようにして、作製したウェハーから、発光領域810の周辺でスクライブし、個々のLEDを切り出し素子とした。このようにして作製する従来例のLEDが報告されている。
しかしながら、このようにして作製したLEDの特性を当該発明者が試験した結果、20mAの電流を注入した場合の発光効率(電子の光子への変換効率)が個々の素子により0.3%から10%と大きく異なり、所望の5%以上の発光効率が得られる歩留まりが2%と非常に低いことや、80℃の条件下での約100時間の初期信頼性試験にて全ての素子の発光効率が試験開始時の約30%以下に激減することが新たに判明した。
これらの従来素子の不良について、当該発明者が詳細な検討を行った結果、下記のような事実が判明した。
(1)選択成長マスク802の存在する選択成長マスク直上領域811に位置するInGaN活性層805部分での発光が非常に小さい。また、この発光効率の低下はチップの発光領域810の周辺領域より発光領域810の中央領域に選択成長マスク直上領域811が位置する場合に特に顕著になることも分かった。これにより、選択成長マスク直上領域811が発光領域810のどの部分に位置しているかにより、大きく発光効率が変化する。
(2)上記の信頼性不良の素子においても、100時間の信頼性試験走行後では、選択成長マスク直上領域811(幅20μm)のInGaN活性層805はその近傍の両側約30μmを含め、合計80μmの領域で発光がほとんど認められない。
さらに従来例素子の結晶解析を行った結果、選択成長マスク直上領域811に位置するInGaN活性層805には、厚さ300μmのn型GaN連続膜半導体層803を貫通して結晶転移が集中して導入されていることが明確になった。図10にInGaN活性層805における結晶転移の密度を、選択成長マスク802端からの距離をパラメータとして測定した結果を示す。幅20μmの選択成長マスク直上領域811のInGaN活性層805には密度1012cm-2の結晶転移が集中しており、さらに選択成長マスク802の端から10μm離れた位置でも1011cm-2の転移が観測された。選択成長マスク802の端から離れるにつれて結晶転移は減少し、30μm以上離れた場所のInGaN活性層805では結晶転移は107〜108cm-2にまで減少した。このような傾向は、上記のように作製されたウェハーのいずれの部分でも観測された。
また、同様な方法により半導体レーザを上述のようなn型GaN連続膜半導体層803上に、発光領域に選択成長マスク直上領域811が含まれ、発振閾値電流が700mAと大きく、かつ素子寿命も室温において1秒程度と非常に短かった。
上記のように、従来技術においては、下記のような問題点が明らかになった。
(1)選択成長法を用いて作製した連続膜半導体層上の発光素子において、選択成長マスク直上領域811において発光効率の低下が見られるため、発光領域に選択成長マスク直上領域が含まれるチップでは劇的に発光効率が低下する。
(2)GaN連続膜の上に形成した半導体レーザ素子の寿命が短く、半導体レーザ素子は得られなかった。
このため、基板上に、基板と異なる格子定数や熱膨張係数を有する連続膜半導体層を成長させ、その上に形成する半導体発光素子に、格子定数差や熱膨張係数差から引き起こされる発光効率の低下や信頼性不良を防止することは不可能であった。
従って、部分的成長抑制構造を利用して、基板と格子定数または熱膨張係数が異なる連続膜半導体層を形成した上に、さらに半導体発光素子を形成する場合における発光効率の低下および信頼性の悪化を防止することを目的とする。
本発明は、成長抑制構造上への結晶成長により得られる成長抑制構造直上領域を含む連続膜半導体層と、光を発生させる活性層とを有する半導体発光素子であって、該活性層の内、電流注入により光を発生する発光領域が前記成長抑制構造直上領域以外の領域に形成されていることにより構成されている。
本発明は、前記発光領域は成長抑制構造直上領域から30μm以上離れた位置に形成されていることにより構成される。さらに本発明は前記発光領域と前記成長抑制構造直上領域との間の領域では、前記活性層が除去されていることが好ましい。
一方、本発明は、基板上に成長抑制構造を形成する第1工程と、前記基板および前記成長抑制構造の両方を連続して覆うように前記基板と格子定数または熱膨張係数が異なる連続膜半導体層を形成する第2工程と、前記連続膜半導体層の上に光を発生させる活性層を含む多層構造体を形成する第3工程と、前記成長抑制構造部の直上領域を除いて前記活性層における発光領域を規定するための構造を形成する第4工程と、を有することにより構成される。さらに本発明は、半導体発光素子をウェハーから複数個の半導体発光素子に分割する工程を有する半導体発光素子の製造方法であって、前記第4工程後、前記成長抑制構造直上の前記活性層が半導体発光素子に含まれないように半導体発光素子をウェハーから分割する第5工程とを含むことにより構成されることが好ましい。さらに本発明は、前記第5工程において、前記成長抑制構造直上の端から30μm以内の領域に残存する前記活性層が、半導体発光素子に含まれないように半導体発光素子を分割することが好ましい。
本発明を適用することにより、基板とは格子定数や熱膨張係数が異なる連続膜半導体層上に半導体発光素子を作製した場合、発光効率の低下を防止し、歩留まり良く発光効率の高い発光ダイオードや半導体レーザを実現できた。また、本発明により、これらの発光素子において実用上十分な信頼性を確保することが可能となった。
本発明の実施の形態1の半導体レーザ素子の断面図である。 本発明の実施の形態1の半導体レーザ素子の作製工程図である。 成長マスクの直上領域からメサストライプまでの距離に対するメディアン寿命を示す図である。 本発明の実施の形態2の半導体発光素子の断面図である。 本発明の実施の形態2の半導体発光素子の作製工程図である。 本発明の実施の形態3の半導体レーザ素子の断面図である。 本発明の実施の形態4の半導体発光素子の上面図である。 従来の半導体発光素子の作製工程図である。 従来の半導体発光素子の構造を示す図である。 成長抑制構造からの距離に対する結晶転移の面密度を示す図である。
以下に本発明を実施した例を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1に本発明を実施した半導体レーザ素子の一例を示す。本半導体レーザ素子は、n−GaN連続膜半導体層102、n−GaNバッファ層103、n−Al0.1Ga0.9Nクラッド層104、多重量子井戸活性層105、p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層106、p−GaNコンタクト層107から構成されており、リッジ導波路としてレーザの発光領域を規定するためのメサストライプ110、さらには、電流注入用のp型電極111、n型電極112から構成されている。
次に、図2を用いて本実施例素子の作製工程を説明する。まず、サファイア基板100の上にMOCVD法によりGaNバッファ層101を1μm厚成長させる。次に、GaNバッファ層101の表面上に通常のスパッタ法によりSiO2膜を0.4μm厚形成させた後、通常のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術により幅10μmでピッチ150μmの周期的SiO2からなる選択成長マスク150と幅10μmでピッチ500μmの周期的SiO2からなる選択成長マスク151とが互いに直交する形状に形成した。以上までに作製された半導体レーザ素子の工程断面図を図2(a)に示す。
続いて、このウェハー上にHVPE法により、n−GaN連続膜半導体層102を150μm厚成長させた。基板温度は1020℃として35分の成長により150μm厚の成長が完了した。この成長時、選択成長マスク150、151が成長抑制構造として働くため、従来例にて説明のように、成長初期にはGaNバッファ膜101が露出した領域でのみ成長は起こり、次第に、選択成長マスク150、151上に横方向に成長が進み、最終的に150μm厚の成長が終了した段階では、n−GaN連続膜半導体層102は連続膜を呈しており、その表面はスムースになった。
次に、引き続きMOCVD法により、このn−GaN連続膜半導体層102の上に、n−GaNバッファ層103を0.5μm厚、n−Al0.1Ga0.9Nクラッド層104を0.2μm厚、4nm厚のIn0.25Ga0.75N井戸層2層と3nm厚のIn0.05Ga0.95Nバリア層3層からなる多重量子井戸活性層105、p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層106を0.2μm厚、p−GaNコンタクト層107を0.7μm厚成長させた。以上までに作製された半導体レーザ素子の工程断面図を図2(b)に示す。
続いて、幅2μm、高さ0.7μmのメサストライプ110を選択成長マスク150の直上領域152以外の領域に選択成長マスク150とほぼ平行に形成した。この時、メサストライプ110が素子の上方から観察して隣り合う選択成長マスク150のほぼ中央に位置するようにした。このメサストライプ110の形成には通常のフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を適用した。この後、メサストライプ110を上面にストライプ状のp型電極111を形成した後、ウェハー裏面を研磨することによりウェハー厚さを約120μmとし(すなわち、サファイア基板100、GaNバッファ層101、選択成長マスク150、151を完全に除去し、n−GaN連続膜半導体層102がウェハー裏面に露出するようにし)、n−GaN連続膜半導体層102の露出した裏面の全面にn型電極112を形成した。以上までに作製された半導体レーザ素子の工程断面図を図2(c)に示す。
次に、劈開によりレーザ共振器を構成するミラー面を形成した。この劈開工程は以下のようにして実施した。まず、ウェハー裏面(すなわちn−GaN連続膜層103側)の隅近傍の2箇所にけがき傷を入れ、このけがき傷の位置において、選択成長マスク151を形成した方向と平行方向に劈開してレーザ共振器ミラーを形成した。この時、2箇所のけがき傷は互いに隣接する選択成長マスク151のエッジ部分から50μm離れた位置に形成し、選択成長マスク151の直上領域153がレーザ素子に含まれないようにした。従って、レーザ共振器長は400μmであった。最後に、選択成長マスク150の直上領域152の部分をスクライブし、個々のレーザチップに分割した。以上の工程を経て図1に示すレーザ素子が完成する。
以上のようにして作製したレーザ素子は、閾値電流25mAでレーザ発振が実現できた。また、本レーザ素子を50℃雰囲気、3mW出力の条件下において信頼性試験を実施した結果、初期の50時間以内に故障に至るレーザ素子を除いて、ほとんどの素子において1000時間以上の寿命が確認でき、メディアン寿命(試験した半分の素子が故障する時間)は1500時間であった。この信頼性は当該素子を光ディスク用光源として利用する場合にでも十分な特性である。この信頼性の改善は、本レーザ素子では、n−GaN連続膜半導体層102を成長させるために形成した成長抑制構造である選択成長マスク150、151上において結晶欠陥が集中する直上領域152、153がレーザ素子の発光領域(この場合は活性層105に電流が選択的に注入されるメサストライプ110が形成されている部分)に含まれないように、選択成長マスク150、151の形状と、選択成長マスク150に対するメサストライプ110の相対位置、および選択成長マスク151に対するレーザ共振器ミラーの劈開のための相対位置を設定したことによるものと理解できる。
上記の発明を実施したレーザ素子では、メサストライプ110を隣接する選択成長マスク150の直上領域152同士の中央となるように(すなわち、選択成長マスク150の端から70μm離れた部分に)形成されている。上記の実施例素子と同様の構造で、メサストライプ110の直上領域152(すなわち選択成長マスク150)端からの距離を0μm(すなわち直上領域152内にメサストライプ110を形成した場合)、10μm、20μm、30μm、50μm、70μmと変化させたレーザ素子を作製し、上記と同様の信頼性試験を実施した。この時、素子分離ためのスクライブ位置はいずれの素子においても隣接するメサストライプ110の中心付近とし、スクライブ位置のメサストライプ110との相対距離を一定とした。その結果を図3に示す。横軸は直上領域152の中心からメサストライプ110までの距離、縦軸はメディアン寿命を示している。この結果から、実用上必要とされる1000時間以上のメディアン寿命を確保するためにはメサストライプ110を直上領域152から30μm以上離れた位置に形成することが必要であることが分かった。
(実施の形態2)
次に、本発明を発光ダイオードに適用した場合について述べる。図4に第2の実施形態素子の構造図を示す。n−GaN連続膜半導体層401、n−GaNバッファ層402、In0.1Ga0.9N歪み緩和層403、In0.5Ga0.5N単一量子井戸活性層404、p−Al0.2Ga0.8N蒸発防止層405、p−GaNコンタクト層406、およびn型電極407、p型電極408から構成されている。また本実施例の素子ではメサ410により発光領域が規定されている。
次に、本発光素子の作製方法について説明する。まず、サファイア基板400表面にダイシングにより幅40μm、深さ50μmの溝構造450を400μmピッチで格子状に形成する。以上までに作製された半導体素子の工程断面図を図5(a)に示す。
次にHVPE法により、厚さ300μmのn−GaN連続膜半導体層401を成長させる。この時、サファイア基板400に形成した溝構造450があるため成長初期においてn−GaN連続膜半導体層401は平坦な面としての成長ができないが、成長層厚を増すに従って徐々に左右の壁からの成長により溝構造450を埋まり、表面の溝は平坦に埋め込まれることとなった。すなわち、実効的に溝450での成長が遅いのと同様の効果を実現でき、300μmの成長終了時にはn−GaN連続膜層401は、連続した表面が平坦な単一の層にすることができた。
次に、分子線エピタキシアル法(MBE法)により、n−GaN連続膜半導体層401上にn−GaNバッファ層402を0.4μm厚、In0.2Ga0.8N歪み緩和層403を0.05μm厚、In0.45Ga0.55N単一量子井戸活性層404を4nm厚、p−Al0.1Ga0.9N蒸発防止層405を0.1μm厚、p−GaNコンタクト層406を0.4μm厚成長させた。以上までに作製された発光素子の工程断面図を図5(b)に示す。
さらに、通常のフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いてIn0.45Ga0.55N単一量子井戸活性層404を含む300μm角メサ410を周期的に残し、その間の領域を100μm幅でエッチングし、n−GaN連続膜半導体層401をエッチング底面に露出させた。すなわち、エッチングを行った領域は400μmピッチの格子状の形状となり、これにより、溝構造450の上にMBE成長された欠陥を多く含む溝構造450の直上領域451とその周辺に含まれるIn0.45Ga0.55N単一量子井戸活性層404を完全に除去した。本実施の形態では溝構造450が成長抑制構造となる。以上までに作製された発光素子の工程断面図を図5(c)に示す。
次に、ウェハーの裏面を研磨し、サファイア基板400を完全に除去しn−GaN連続膜半導体層401をウェハー裏面に露出させた後、このn−GaN連続膜半導体層401にn型電極407を、メサ410の表面に光透過性のp型電極408を形成した。最後に、溝構造450の直上領域451でスクライブすることにより、個々の発光ダイオードチップとした。以上までに作製された発光素子の工程断面図を図4に示す。
このようにして作製された発光ダイオードの電子の光子への変換効率を測定したところ、実用上問題がないとみなすことが出来る変換効率5%以上の素子の歩留まりが85%と高かった。さらに、本実施例素子を従来例素子と同様の条件にて信頼性試験を実施したところ、1000時間経過後においても、試験開始時の95〜103%の発光強度を得ることができ、実用上問題のない信頼性が確保された。
本実施形態の発光素子における発光領域は、In0.45Ga0.55N単一量子井戸活性層404が残存しているメサ410部に相当する。n−GaN連続膜半導体層401成長時に成長抑制構造として利用した溝構造450の直上領域451を除いた領域にメサ410が形成されているため、作製された全ての発光素子において発光領域には溝構造450の直上領域451は含まれていない。また、エッチングによりIn0.45Ga0.55N単一量子井戸活性層404が除去された幅は100μmであり、メサ410部の発光領域は幅40μmの溝構造450の端から30μm離れたところに形成されていることとなる。上記のように発光効率の高い素子を歩留まり良く得ることができ、かつ問題のない信頼性を実現できるのは、HVPE法およびMOCVD法による結晶成長工程により溝構造450の直上領域451に集中的に導入された結晶欠陥の影響が、In0.45Ga0.55N単一量子井戸活性層404での発光に悪影響を与えず、比較的結晶欠陥の少ない部分に制御性良く発光領域を配置することが可能となったためと考えられる。
なお、上記の実施形態の発光素子において、発光素子作製工程および構造はほぼ同等とし、溝構造450のピッチのみを上記の例の400μmから500μmおよび300μmに変化させた場合の発光素子を試作した。この場合においてもメサ410の大きさや作製ピッチはそれぞれ300μm、400μmと上記の実施形態素子のままとした。これらの発光素子の発光特性を測定したところ、溝450のピッチを300μmと小さくした素子では、5%以上の発光効率が得られる歩留まりは16%と激減した。一方、500μmと広げた発光素子では38%であった。これは、溝構造450のピッチが、個々の発光ダイオードを形成するメサ410の作製ピッチと同一であることが重要であることを示している。従って、同一面積のウェハーからより多くの発光素子を作製するためには、全ての発光素子において溝構造の直上領域451が発光領域に含有されないようにすべきである。この意味に置いて、溝構造450のピッチをメサ410作製ピッチの整数倍にしても良いことは言うまでもない。
(実施の形態3)
次に、成長抑制構造自体をレーザ素子に残存させた実施形態について説明する。図6に本実施形態の素子構造図を示す。本実施形態の素子構造はn−SiC基板600と、GaNバッファ層、n−GaN連続膜半導体層602、n−GaNバッファ層603、n−Al0.1Ga0.9Nクラッド層604、3nm厚のIn0.1Ga0.85Al0.05Nバリア層3層と3nm厚のIn0.2Ga0.8N量子井戸層2層からなる多重量子井戸活性層605、p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層606、p−GaNコンタクト層607、からなる半導体層構造と、p型電極611、n型電極612、さらには、導波路と電流通路を規定するメサストライプ610、共振器ミラーとなるエッチドミラー613を有している。
以下に、本実施形態のレーザ素子の作製方法について説明する。(工程図は図2と類似しているのでここでは省略する。)まず、n−SiC基板600上に、SiNxからなる幅10μmで周期が100μmの選択成長マスク650と、幅が10μmで周期が400μmの選択成長マスク651とが互いに直交するように形成した。このウェハー上にMOCVD法によりGaNバッファ層を30nm厚、n−GaN連続膜半導体層602を100μm厚、n−GaNバッファ層603を0.1μm、n−AlGaNクラッド層604を0.3μm厚、多重量子井戸活性層605、p−AlGaNクラッド層606を0.3μm厚、p−GaNコンタクト層607を1.0μm厚連続的に結晶成長させる。この時、n−GaN連続膜半導体層602の成長においては、厚さが30μm以下の状態では選択成長マスク650、651上では未成長部分が残存しており、結晶は連続した膜を呈していなかったが、さらに成長を続けて厚さが100μmに達した段階では、n−GaN連続膜半導体層602表面は実施形態1と同様に平坦で連続した単膜を呈しており、その上に連続的に形成された積層構造に含まれる各層603〜607もまた平坦な層として成長された。
次に、通常のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術を利用し、高さ0.8μm、幅2μmのメサストライプ610を選択成長マスク651と平行に形成した。このメサストライプ610はレーザ導波路を活性層605に形成するばかりでなく、活性層605に注入される電流の通路もメサストライプ610直下近傍部分に規定し、効率よく電子をレーザ光に変換する働きをする。本工程において、メサストライプ610は、両側の選択成長マスク651の直上領域653の中央、すなわち選択成長マスク651の端とメサストライプ610の端の間隔が39μmとなるように形成した。
次に、通常のエッチドミラー形成のためのフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を利用し、レーザ共振器ミラーとなるエッチドミラー613を形成した。この時、エッチドミラー613が選択成長マスク650に平行であり、かつ選択成長マスク650の直上領域652の活性層605をエッチングより除去するように、選択成長マスク650の直上領域652を中心として全幅100μmの領域にエッチングを施し、n−GaN連続膜半導体層602がエッチング底面に露出するまでエッチングを行った。この工程によりレーザ共振器となるべき一組の共振器ミラーが形成され、本実施形態のレーザ素子における共振器長は300μmとした。すなわち、選択成長マスク650の周期と同じ400μm周期でエッチドミラー形成のためのエッチングを実施したことになる。
最後に、メサストライプ610上面にp型電極611を、n−SiC基板600裏面全面にn型電極612を形成した後、選択成長マスク650、651の直上領域652、653の部分でスクライブすることにより個々のレーザ素子に分割した。
本実施形態のレーザ素子を実施形態2の60℃雰囲気下、5mW光出力の条件下での信頼性試験を実施したところ、初期24時間の異常劣化を示した素子を除いて、全て1000時間以上の寿命を有することが確認できた。この場合のメディアン寿命は約1600時間であった。このように、信頼性の高いレーザが実現できたのは、選択成長マスク650の直上領域652が発光領域であるメサストライプ610に全く含まれず、レーザ素子の劣化を引き起こす結晶欠陥が少ない領域のみの活性層605が発光に寄与している効果と推察される。
ところで、実施形態の1においてはレーザ素子の劈開位置は選択成長マスク150の直上領域152外の部分に限られていた。これは、選択成長マスク150の直上領域152で劈開した場合に、レーザの発光領域となるメサストライプ110内の破壊し易い劈開面近傍に結晶欠陥が多く含まれる選択成長マスクの直上領域152が包含され、素子を動作させた時に瞬時に劣化することを避けるためである。しかし、実施形態1におけるように選択成長マスク150の直上領域152の近傍にて選択成長マスク150の直上領域152に平行に劈開をした場合、部分的に劈開面に段差が生じ、結果として一部の素子にてメサストライプ110に選択成長マスク150の直上領域152が含まれてしまう場合があった。これは、選択成長マスク150の直上領域152に結晶欠陥が多く含まれており、結晶として弱く、より割れやすいことが原因と考えられる。すなわち、選択成長マスク150の直上領域152で結晶が劈開しやい性質を持ち合わせているのに関わらず、実施形態1ではその近傍を劈開していたためである。この現象は、劈開により素子を分割する場合のみならず、スクライブにより素子を分割する場合にも同様の現象が観測され、選択マスク151の直上領域153でスクライブした場合に比べて、選択マスク151の直上領域153近傍で選択マスク151の直上領域153と平行に制御性良くスクライブした場合の歩留まりは低かった。
一方、本実施形態素子では、素子を分割する際の4面全てのスクライブによる素子分割位置を選択成長マスク650、651の直上領域652、653に限定できるため、素子分割時に所定の位置にてスクライブが起こり、メサストライプ610に選択マスクの直上領域652が含まれたり、所定の形状(上方から観察して図6に示すように直方形)から素子の形状がずれることは無かった。これにより、素子をマウントする際の素子形状認識においても、エラーを低下させることができ、素子マウント歩留まりも改善することができた。この点も、本実施形態素子における大きなメリットであった。
(実施の形態4)
次に、成長抑制構造の直上領域の活性層が素子に残存している場合の本発明の実施形態を発光ダイオードの例を用いて説明する。図7に、本実施形態の発光素子の上面より観察した構造図を示す。GaN連続膜層の形成方法や半導体積層構造は実施形態2の場合と同じとした(本実施形態例の説明では共通する各層の標記は実施例2と同一とする)。実施形態2と異なるのは、In0.45Ga0.55N単一量子井戸活性層404を含むメサ710の形状が図7のような形状を有しており、かつそのサイズを390μm角と大きくした点である。このため、本実施形態の発光素子では、n−GaN連続膜層401成長時の成長抑制構造たる溝構造450の直上領域751に位置するIn0.45Ga0.55N単一量子井戸活性層404がメサ710内に含まれた形となっている。
しかし、本実施形態の発光素子では、p型電極711を300μm角として、メサ710の中央領域に配置した。すなわち、溝構造450の直上領域751および直上領域751の端から30μmの領域においてはp型電極が形成されないようにした。一方、n型電極712はIn0.45Ga0.55N単一量子井戸活性層404が除去された発光素子の一角に図7のように形成した。
このような構成とすることにより、p型コンタクト層406、p型電極711から注入される電流はp−GaNコンタクト層406が、比較的抵抗率の高いp−GaNからなっており、かつ0.4μmとその膜厚が薄いために、p型コンタクト層406中ではほとんど電流が横方向に拡散せず、p型電極711の直下のIn0.45Ga0.55N単一量子井戸活性層404にのみ電流を注入することができる。
当該実施形態の発光素子の特性を評価した結果、5%以上の電子−光子変換効率を有するチップは、検査した内の79%に達し、従来技術により構成された発光素子より格段の改善が認められた。また、これらの発光素子の信頼性試験(条件は実施形態2と同様)を行ったところ、1000時間経過後の発光輝度は試験当初の発光輝度に対して85〜99%の範囲となり、全ての発光素子が実用上問題ないことが確認された。
以上、実施形態の発光素子においては、GaN連続膜半導体層を用いて窒化ガリウム系の発光素子を作製した例を説明したが、本発明は以下のような場合にも適用できることはいうまでもない。
(1)基板材料や連続膜半導体層の材料、および発光素子を構成する材料が異なる場合(例えば、基板がSi、連続膜半導体層がGaAs、の場合や基板がSi、GaAsで連続膜層がGaNである場合、等)。
(2)成長抑制構造である選択成長マスクの材料が異なる場合(SiNx、SiOx、AlOx、等)や、構造自体が選択成長マスクや溝構造以外の場合(例えば、サファイア基板
上に形成したリッジストライプやその他の凹凸構造、等)。
(3)連続膜半導体層を形成後、発光層形成前に基板を完全に除去するように工程の順番を変更した場合。
100 サファイア基板、101 GaNバッファ層、102,602,401 n−GaN連続膜層、103,603,402 n−GaNバッファ層、104,604 n−Al0.1Ga0.9Nクラッド層、105,605 多重量子井戸活性層、106,606,405 p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層、107,607,406 p−GaNコンタクト層、110,610 メサストライプ、111,611,408,711 p型電極、112,612,407,712 n型電極、150,151,650,651 選択成長マスク、152,153,652,653 直上領域、400 サファイア基板、403 In0.2Ga0.8N歪み緩和層、404 In0.45Ga0.55N単一量子井戸活性層、410 メサ、450 溝構造、451,751 直上領域、600 SiC基板、710 メサ。

Claims (2)

  1. サファイア基板上に複数の格子状の溝からなる構造を形成する第1工程と、
    気相成長法を用いて、前記構造が形成された前記サファイア基板表面を連続して覆うようにGaN連続膜半導体層を形成する第2工程と、
    前記GaN連続膜半導体層の上に光を発生させる活性層を含む多層構造体を形成する第3工程とを有し、
    前記第2工程は、成長初期に前記構造のためGaN連続膜半導体層は平坦な面として成長できず、実効的に成長の遅い成長抑制構造を有するように実施され、成長層厚を増すにつれて前記構造の壁部分からの成長により、前記GaN連続膜半導体層の表面が平坦になるように実施されることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記第2工程は、前記成長抑制構造の直上領域に結晶欠陥を集中させることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
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