JP5235050B2 - 毛髪改質剤 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪にハリ・コシを付与する毛髪改質剤及び毛髪改質方法に関する。
従来、毛髪の内部に物質を浸透させて毛髪の物性や外観、感触を改質する方法として、アルコキシシランの加水分解で生成したシラノール化合物を毛髪に浸透させ、かつ毛髪内部で重合させる方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。これらの方法によれば、毛髪直径を増加させることによって、毛髪、特に、ハリ・コシがない毛髪(損傷毛、細い毛髪等)に対し、ハリ・コシを付与することが可能であり、毛髪のまとまり性向上効果や、くせ毛の矯正効果も得られ、その効果はシャンプーを繰り返しても持続する。しかし、毛髪へ適用する前の加水分解反応による時間が掛かるという問題を有する。
特開2005-320314号公報 特開2006-160676号公報 特開2006-182715号公報
本発明は、短時間の準備で使用することができ、毛髪繊維、特にハリ・コシがない毛髪(損傷毛、細い毛髪等)に対し、短時間で優れたハリ・コシを付与することができる毛髪改質剤及び毛髪改質方法を提供することを目的とする。ここで、ハリ・コシを付与するとは、毛髪弾性を向上させることをいう。
本発明者らは、カルボキシ基を有するアルコキシシランを加水分解し、生成するシラノール化合物を毛髪に浸透させ、毛髪内部で重合させることで、毛髪に優れたハリ・コシを付与できることに加え、毛髪にシラノール化合物が浸透した後、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を塗布すれば、シラノール化合物の重合を促進し、処理にかかる時間を大幅に短縮化できることを見出した。
更に、本発明者らは、カルボキシ基を有するアルコキシシランは加水分解が非常に速いため、毛髪に剤を浸透させる前の加水分解のための攪拌操作が著しく軽減され、また加水分解反応の終了の見極めを行う必要が無く、従来に比べ、処理にかかる時間が大幅に短縮され、効果も高いことを見出した。
本発明は、カルボキシ基を有するアルコキシシランを含有する毛髪処理剤を提供するものである。
また本発明は、次の毛髪処理剤(A)及び(B)からなる毛髪改質剤を提供するものである。
(A) カルボキシ基を有するアルコキシシランを含有する毛髪処理剤
(B) 加水分解又は重合反応の促進のための毛髪処理剤
更に本発明は、毛髪処理剤(A)を毛髪に塗布した後、毛髪処理剤(B)を毛髪に塗布する毛髪改質方法を提供するものである。
本発明によれば、カルボキシ基を有するアルコキシシランの加水分解で生成したシラノール化合物を毛髪に浸透させ、かつ毛髪内部で速やかに重合させて毛髪直径を増加させることができる。その結果として、毛髪、特に、ハリ・コシがない毛髪(損傷毛、細い毛髪等)に対し、短時間で優れたハリ・コシを付与することにより、しっかりとした健康的な毛髪に改質することができる。更に、毛髪のまとまり性向上効果や、くせ毛の矯正効果も得られる。また、その効果はシャンプーを繰り返しても持続する。
更に、本発明者らは、カルボキシ基を有するアルコキシシランは加水分解が非常に速いため、毛髪へ剤を浸透させる前の加水分解のための攪拌操作が著しく軽減され、また加水分解反応の終了の見極めを行う必要が無く、従来に比べ、処理にかかる時間が大幅に短縮され、効果も高い。
本発明における「毛髪改質」とは、毛髪をハリ・コシやまとまりのある髪質にすることをいう。また、本発明において、「毛髪処理剤(B)」とは、「毛髪処理剤(Ba)」、「毛髪処理剤(Bb)」のいずれをも含むものとする。
《毛髪処理剤(A)》
本発明の毛髪処理剤は、カルボキシ基を有するアルコキシシランを含有するものであり、加水分解又は重合反応の促進のための毛髪処理剤(B)と組み合わせることにより、毛髪改質剤として使用される。
〔カルボキシ基を有するアルコキシシラン〕
カルボキシ基を有するアルコキシシランとしては、次の一般式(1)で表されるものが好ましい。
Figure 0005235050
〔式中、R1及びR5は、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、R2及びR4は、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示し、R3及びR6は、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基又は一般式(2)
Figure 0005235050
(式中、R7は、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示す。)
で表される基を示し、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、mは0〜3の整数、nは1〜3の整数を示す。ただし、全てのR3及びR6のうち、少なくとも一つは一般式(2)で表される基である。〕
一般式(1)において、R1及びR5としては、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6の炭化水素基、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基等が挙げられる。R2、R4及びR7としては、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6の2価炭化水素基、具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、メチル置換テトラメチレン基、ビニレン基等が挙げられる。Xとしては塩素原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基等が挙げられ、特に、加水分解反応の反応性等の点から、エトキシ基が好ましい。
また、R3及びR6は、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基又は一般式(2)で表される基を示すが、少なくとも一つは一般式(2)で表される基であることが必要である。R3及びR6が、炭素数1〜6の炭化水素基である場合の例としては、上述のR1及びR5と同様の基が挙げられる。
カルボキシ基を有するアルコキシシランは、保管中の加水分解及び重合を回避するため、使用される直前までは水と分離して保管することが必要である。従って、毛髪処理剤(A)は、カルボキシ基を有するアルコキシシランを含有し、水を含有しない第1剤と、水を含有する第2剤とからなる二剤式とすることが好ましい。この第1剤と第2剤を混合して加水分解することにより、カルボキシ基を有するアルコキシシランは、重合可能なシラノール化合物となる。
カルボキシ基を有するアルコキシシランの含有量は、架橋反応による反応性の点から、毛髪処理剤(A)中(二剤式の場合には第1剤と第2剤を合わせた全組成中;以下同じ)の4質量%以上、特に12質量%以上が好ましく、また82質量%以下、特に58質量%以下が好ましい。また、第1剤中のカルボキシ基を有するアルコキシシランの含有量は、保存安定性の点から、70〜100質量%、更には80〜100質量%、特に90〜100質量%が好ましい。
〔水〕
水は、本発明で使用する毛髪処理剤(A)が二剤式の場合には、第1剤に配合されるカルボキシ基を有するアルコキシシランとは別個に、第2剤に配合され、その含有量は、毛髪を十分に膨潤させ、カルボキシ基を有するアルコキシシランの加水分解物であるシラノール化合物を毛髪へ十分浸透させる観点から、毛髪処理剤(A)中の20〜95質量%、特に30〜86質量%が好ましい。
〔毛髪処理剤(A)のpH〕
本発明で使用する処理剤(A)においては、カルボキシ基を有するアルコキシシランが加水分解したシラノールを毛髪内に浸透させて毛髪内で重合反応をさせるために、重合反応を遅らせる必要がある。このために毛髪処理剤(A)のpH(20℃)を2〜5、特に3〜4に調整するのが好ましい。なお、二剤式の場合には第2剤のpH(20℃)を上記範囲に調整するのが好ましい。
〔有機酸〕
毛髪処理剤(A)には、pH調整のため、有機酸を含有させることができる。有機酸としては、pH調整が容易な点から、第1解離指数(pKa1)が4.1〜5.0、特に4.1〜4.7の範囲にある有機酸が好ましい。具体的には、グルタル酸(pKa=4.13,5.01)、アジピン酸(pKa=4.26,5.03)、酢酸(pKa=4.56)、プロピオン酸(pKa=4.67)等を例示することができ、なかでも臭気が少ないアジピン酸が好ましい。
有機酸は、本発明で使用する毛髪処理剤(A)が二剤式の場合には、第1剤に配合されるカルボキシ基を有するアルコキシシランとは別個に、第2剤に配合することが、溶解性、保存安定性の点から好ましい。有機酸の含有量は、重合反応の抑制の点から、毛髪処理剤(A)中の0.001〜5重量%、特に0.001〜1重量%が好ましい。
〔その他の成分〕
また、カルボキシ基を有するアルコキシシランを毛髪処理剤(A)中に均一に溶解する目的で、メタノール、エタノール等の炭素数1〜3の低級1級アルコール、グリセリン等の水溶性有機溶剤を使用することもできる。その量は、毛髪処理剤(A)を毛髪に塗布した際に、毛髪を十分に膨潤させ、カルボキシ基を有するアルコキシシランの加水分解物を十分に浸透させやすくするため、水溶性有機溶剤の含有量は、毛髪処理剤(A)中の35質量%以下、特に20質量%以下とすることが好ましい。
毛髪処理剤(A)には、その他、界面活性剤、油剤、シリコーン誘導体、カチオン性ポリマー、浸透促進剤、保湿剤、粘度調整剤、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤等を、目的に応じて適宜配合することができる。
〔毛髪処理剤(A)の調整〕
毛髪処理剤(A)の形態は、長期間安定である点から、好適には、カルボキシ基を有するアルコキシシランを含有する第1剤と、水を含有する第2剤からなるものであるが、使用直前にカルボキシ基を有するアルコキシシラン、水、並びにその他任意成分を混合することによって調製されたものであってもよい。
毛髪処理剤(A)を、使用直前にカルボキシ基を有するアルコキシシラン、水、並びにその他任意成分を混合することによって調製する場合、混合する順序は、特に限定されないが、カルボキシ基を有するアルコキシシランは水と混合することによって加水分解及び重合反応を開始するので、これを抑制するため、水とその他任意成分を混合した後にカルボキシ基を有するアルコキシシランを混合することが好ましい。
二剤式毛髪処理剤(A)の第1剤及び第2剤を使用直前に混合することにより、又はカルボキシ基を有するアルコキシシラン、水、並びにその他任意成分を混合することにより、カルボキシ基を有するアルコキシシランは加水分解してシラノール化合物となり、毛髪内へ浸透し易くなる。カルボキシ基を有するアルコキシシラン及び加水分解物(シラノール化合物)の物性、毛髪内への浸透性の点から、一般式(1)中、nが2〜3、mが0〜1であるものが好ましい。
《毛髪処理剤(B)》
毛髪処理剤(B)は、カルボキシ基を有するアルコキシシランが加水分解したシラノール化合物の毛髪内での重合を促進させるものであるとともに、加水分解を促進させることもでき、一部加水分解されることなく毛髪内に浸透した場合にも、毛髪内で完全にシラノール化合物に加水分解させ、重合させる役割を有する。毛髪処理剤(B)を用いて加水分解及び重合させることにより、ハリ・コシ付与効果を向上し、また処理時間を短縮することができる。
毛髪処理剤(B)としては、次の(Ba)及び(Bb)のいずれかを用いることができる。
・毛髪処理剤(Ba):第1解離指数(pKa1)が4.1未満の有機酸又は無機酸を含有し、かつ毛髪処理剤(A)に1:1の質量比で混合したときのpHを1〜4とする毛髪処理剤(酸性水溶液)
・毛髪処理剤(Bb):単独でのpHが8〜12であり、毛髪処理剤(A)に1:1の質量比で混合したときのpHを3〜8とする毛髪処理剤(アルカリ性水溶液)
〔毛髪処理剤(Ba):酸性水溶液〕
毛髪処理剤(Ba)を使用する場合、すなわちカルボキシ基を有するアルコキシシランの加水分解及びその後の重合反応の促進に酸性水溶液を使用する場合、酸としては、重縮合の反応速度の点から、pKaが4.1以下、特に3.7以下であるものが好ましく、pKaが1以上、更には2以上、特に3以上であるものが好ましい。なお、ここでいうpKaは、二酸以上の場合には、第1解離指数(pKa1)をいう。このうち有機酸としては、シュウ酸(pKa=1.04,3.82)、マレイン酸(pKa=1.75,5.83)、アスパラギン酸(pKa=1.93,3.70)、サリチル酸(pKa=2.81)、酒石酸(pKa=2.82,3.96)、フマル酸(pKa=2.85,4.10)、クエン酸(pKa=2.90,4.34)、リンゴ酸(pKa=3.24,4.71)、コハク酸(pKa=4.00,5.24)、蟻酸(pKa=3.55)、乳酸(pKa=3.66)等が、無機酸としては、リン酸(pKa=2.15)、塩酸(pKa=-8)等が挙げられる。なかでも、リンゴ酸、乳酸が好ましい。
毛髪処理剤(Ba)は、重縮合の反応速度の点から、毛髪処理剤(A)に1:1の質量比で混合したときのpHを1〜4とするものを使用し、好ましくは当該pHを1.5〜3.5、特に2〜3.3とするものを使用する。また、毛髪処理剤(Ba)は、上記pH範囲の緩衝系としてもよい。
〔毛髪処理剤(Bb):アルカリ性水溶液〕
毛髪処理剤(Bb)を使用する場合、すなわちカルボキシ基を有するアルコキシシランの加水分解及びその後の重合反応の促進にアルカリ性水溶液を使用する場合、アルカリとしては、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物;モノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等のアルカノールアミンなどを使用することができる。
毛髪処理剤(Bb)は、重縮合の反応速度の点から、単独でのpHが8〜12、好ましくは当該pHが8.5〜12.0、特に9.0〜10.0であり、毛髪処理剤(A)に1:1の質量比で混合したときのpHを3〜8とし、好ましくは当該pHを3.5〜7、特に3.5〜6とするものを使用する。また、毛髪処理剤(Bb)は、上記pH範囲の緩衝系としてもよい。
〔その他の成分〕
毛髪処理剤(B)には、その他、界面活性剤、油剤、シリコーン誘導体、カチオン性ポリマー、浸透促進剤、保湿剤、粘度調整剤、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤等を、目的に応じて適宜配合することができる。また、油剤と界面活性剤を用いて乳化物にしてもよい。
《毛髪改質方法》
以上説明した毛髪改質剤を用いた毛髪の改質は、毛髪処理剤(A)を毛髪に塗布した後、毛髪処理剤(B)を毛髪に塗布することにより行われる。
本発明の毛髪改質方法において、毛髪処理剤(A)が二剤式である場合は第1剤及び第2剤を使用直前に混合後、又はカルボキシ基を有するアルコキシシラン、水、並びにその他任意成分を使用直前に混合後、毛髪に塗布する。二剤式である場合の第1剤と第2剤の混合割合(第1剤/第2剤の質量比)は、好ましくは80/20〜1/99、更に好ましくは60/40〜20/80である。
混合された毛髪処理剤(A)を放置すれば、カルボキシ基を有するアルコキシシランの加水分解及び重合反応が進むので、30分以内、特に15分以内に、混合された毛髪処理剤(A)を毛髪に塗布することが好ましい。これにより、カルボキシ基を有するアルコキシシランの加水分解物を毛髪内に浸透させることができる。塗布する毛髪は、濡れていてもよく、乾いていてもよい。乾燥した毛髪1gに対して、前記毛髪処理剤(A)を、0.5〜3g塗布することが好ましい。塗布する対象は、人の頭髪であってもよく、かつら等の毛髪であってもよい。
カルボキシ基を有するアルコキシシランの加水分解物を毛髪に十分に浸透させるために、毛髪に塗布しておく時間は、10〜90分、特に20〜60分が好ましい。塗布後一定時間放置することで、カルボキシ基を有するアルコキシシランの加水分解物の浸透、及び重合反応を進める。この際、毛髪の乾燥を防ぐためにラップ等で包んでもよく、また毛髪の塗布部を40〜90℃、好ましくは40〜60℃に加温してもよい。
毛髪処理剤(A)による処理後、そのまま毛髪処理剤(B)を毛髪に塗布してもよいが、毛髪処理剤(B)の効果を高める点から、毛髪表面に付着している毛髪処理剤(A)をタオル等で拭き取るなどして除去した後に、毛髪処理剤(B)を塗布することが好ましい。この場合において、拭き取り後に毛髪表面に残っている毛髪処理剤(A)の質量に対する毛髪処理剤(B)の塗布量〔毛髪処理剤(B)/毛髪処理剤(A)〕の値を2〜50にするのが好ましく、より好ましくは4〜30、最も好ましくは6〜10である。
毛髪処理剤(B)の塗布後、カルボキシ基を有するアルコキシシランの加水分解及びシラノール化合物の重合を進めるために放置しておく時間は、1〜60分、特に20〜40分程度が好ましい。この際、毛髪の乾燥を防ぐためにラップ等で包んでもよく、また塗布部を40〜90℃、好ましくは40〜60℃に加温してもよい。その後はシャンプー等で洗浄し、適宜乾燥すればよい。
なお、混合された毛髪処理剤(A)を毛髪に塗布した後、塗布部を加温し、その後毛髪処理剤(B)を塗布し、再度塗布部を加温することが好ましい。
合成例1(化合物A-1)
下記化合物A-1を、特開2004-300374号公報に記載の方法に準じて合成した。
Figure 0005235050
滴下漏斗、還流冷却管、温度計及び撹拌機を備えた500mLの三口フラスコに、窒素雰囲気下で無水マレイン酸49g(0.5モル)とエタノール150mLを入れ、攪拌混合した。無水マレイン酸が溶解した後、滴下漏斗より3-アミノプロピルトリエトキシシラン110.5g(0.5モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で1時間撹拌を継続し、反応を完結させた。減圧下で溶媒を留去することで、淡黄色透明の粘調な液体を156g得た(収率98%)。
合成例2(化合物A-2)
下記化合物A-2を、特開平5-112583号公報に記載の方法に準じて合成した。
Figure 0005235050
滴下漏斗、還流冷却管、温度計及び撹拌機を備えた500mLの三口フラスコに、窒素雰囲気下で無水コハク酸50g(0.5モル)と無水テトラヒドロフラン(THF)150mLを入れ、攪拌混合した。無水コハク酸が溶解した後、滴下漏斗より3-アミノプロピルトリエトキシシラン110.5g(0.5モル)をゆっくり滴下した。フラスコ内の温度が50℃を超えるようであれば氷冷浴で冷却した。3-アミノプロピルトリエトキシシランの滴下終了後、室温で2時間攪拌を継続し、反応を完結させた。減圧下で溶媒を留去することで、淡黄色透明の粘調な液体を159g得た(収率99%)。
合成例3(化合物A-3)
下記化合物A-3を、特開昭59-157088号公報に記載の例1に準じ、原料のN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランをN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシランに変更して合成した。
Figure 0005235050
固形物添加装置、温度計及び撹拌機を付けた1Lの三口フラスコに、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン133.2g(0.5モル)とイソプロパノール500mLを入れ、窒素雰囲気下で攪拌混合した。均一に混合された後、無水マレイン酸98.1g(1.0モル)を加えて2時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去することで、淡黄色透明の粘調な液体を217g得た(収率94%)。
合成例4(化合物A-4)
下記化合物A-4を、特開昭59-157088号公報に記載の例1に準じ、原料のN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランをN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシランに、無水マレイン酸を無水コハク酸に、それぞれ変更して合成した。
Figure 0005235050
固形物添加装置、温度計及び撹拌機を付けた1Lの三口フラスコに、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン133.2g(0.5モル)とイソプロパノール500mLを入れ、窒素雰囲気下で攪拌混合した。均一に混合した後、無水コハク酸100.1g(1.0モル)を加えて2時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去することで、淡黄色透明の粘調な液体を223g得た(収率96%)。
実施例1〜8及び比較例1〜2
〔毛髪処理剤(A)の調製〕
アジピン酸0.75gを精製水59.25gに溶解した後、化合物A-1〜化合物A-4のいずれかを40g加え、容器を1分間手で振って均一に混合させ、表1及び2に示す毛髪処理剤(A)を調製した(実施例1〜8)。なお、この操作により加水分解が十分に進行したことは、BRUKER BIOSPIN社の400MHzの1H-NMR(型番:AVANCE400)の測定で得られた、δ=1.23ppmの三重線(エトキシの末端のメチル基由来)と、δ=1.17ppmの三重線(加水分解で生じたエタノールの末端のメチル基由来)とのピークの積分値(面積)を比較することで確認した。
一方、アジピン酸0.75gを精製水59.25gに溶解した後、メチルトリエトキシシラン40gを加え、マグネティックスターラーで攪拌した。30分後、混合溶液が透明均一になり、加水分解が完了することで毛髪処理剤(A)を調製した(比較例1〜2)。
〔毛髪の処理〕
化学処理履歴のないコーカシアンの毛髪で作製した毛束(European Natural 25〜30cm Hair Color No.9/0、Kerling International Haarfabrik GmbH社より入手)5gに毛髪処理剤(A)(実施例1〜4、比較例1のいずれか)を10g塗布した後、剤が乾燥しないようにラップで包み、恒温機(50℃)で30分間放置した。毛髪処理剤(A)をタオルで拭き取り、表3に示す毛髪処理剤(Ba)又は表4に示す毛髪処理剤(Bb)を5g均一に塗布した後、剤が乾燥しないようにラップで包み、恒温機(50℃)で15分間放置した。その後シリコーンを含有しないシャンプーで洗い流し、十分に乾燥した後、毛髪に付着及び浸透したケイ素元素の量を定量した。
〔毛髪のケイ素元素の含有量の測定〕
毛髪のケイ素元素の含有量は「ICP(誘導結合プラズマ)発光分析装置(堀場製作所,JY238ULTRACE)」を用いて測定した。
試料0.1gを白金坩堝に採取し、ヒーターで煙が出なくなるまで炭化後、550℃の電気炉に2時間入れ灰化させる。冷却後、残った灰分上にアルカリ融剤(Na2CO3:H3BO3=5:2)1gを加え、950℃電気炉30分でアルカリ溶融し、冷却後、6N塩酸4mLで溶解して純水で50mLにメスアップしたものを試料溶液とした。吸収波長251.612nm、積分時間3秒で3回測定し、その平均値から、検量線を使用してケイ素元素の含有量を求めた。毛髪のケイ素元素の含有量の計算法は次のとおりである。
ケイ素元素の含有量(質量%)=〔ケイ素元素質量(mg)/毛髪質量(g)〕×0.1
Figure 0005235050
Figure 0005235050
Figure 0005235050
Figure 0005235050
〔感触の評価〕
(評価方法)
10名のパネラーにより、毛髪処理剤(A)及び(B)で処理した毛髪の「滑らかな感触」、「ハリ・コシ感」、「ボリューム感」、「髪のまとまり感」及び「浮き毛、はね毛の少なさ」について、下記基準に従い5段階評価で官能評価を行った。評価の平均値を算出し、平均値が4.5以上の場合を非常に良好(◎)、3.5〜4.4の場合を良好(○)、2.5〜3.4の場合を普通(△)、2.4以下の場合を不良(×)と判定した。
(評価基準)
5;良い
4;やや良い
3;普通
2;やや悪い
1;悪い
(評価結果)
この結果を表5及び6に示す。
Figure 0005235050
Figure 0005235050

Claims (8)

  1. 次の毛髪処理剤(A)及び(B)からなる毛髪改質剤。
    (A) 次の一般式(1)
    Figure 0005235050
    〔式中、R1及びR5は、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、R2及びR4は、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示し、R3及びR6は、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基又は一般式(2)
    Figure 0005235050
    (式中、R7は、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示す。)
    で表される基を示し、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、mは0〜3の整数、nは1〜3の整数を示す。ただし、全てのR3及びR6のうち、少なくとも一つは一般式(2)で表される基である。〕
    で表される化合物を含有する毛髪処理剤
    (B) 次の加水分解又は重合反応の促進のための毛髪処理剤(B a )又は(B b )
    (B a ) 第1解離指数(pKa1)が4.1未満の有機酸又は無機酸を含有し、かつ毛髪処理剤(A)に1:1の質量比で混合したときのpHを1〜4とする毛髪処理剤
    (B b ) 単独でのpHが8〜12であり、毛髪処理剤(A)に1:1の質量比で混合したときのpHを3〜8とする毛髪処理剤
  2. 一般式(1)で表される化合物の含有量が、毛髪処理剤(A)中、12〜82質量%である請求項1記載の毛髪改質剤。
  3. 毛髪処理剤(A)が、一般式(1)で表される化合物を含有する第1剤と、水を含有する第2剤から構成されるものである請求項1又は2記載の毛髪改質剤。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の毛髪改質剤を用い、毛髪処理剤(A)を毛髪に塗布した後、毛髪処理剤(B)を毛髪に塗布する毛髪改質方法。
  5. 請求項に記載の毛髪改質剤を用い、第1剤と第2剤とを使用直前に混合し、毛髪処理剤(A)を毛髪に塗布した後、毛髪処理剤(B)を毛髪に塗布する毛髪改質方法。
  6. 第1剤と第2剤との混合後30分以内に毛髪処理剤(A)を毛髪に塗布する請求項記載の毛髪改質方法。
  7. 毛髪処理剤(A)を毛髪に塗布した後、塗布部を加温する請求項4〜6のいずれかに記載の毛髪改質方法。
  8. 毛髪処理剤(B)を毛髪に塗布した後、塗布部を加温する請求項4〜7のいずれかに記載の毛髪改質方法。
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