JP2009286980A - アルカリ可溶性樹脂及び感光性樹脂組成物 - Google Patents

アルカリ可溶性樹脂及び感光性樹脂組成物 Download PDF

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Junpei Kobayashi
淳平 小林
Takayuki Negi
隆之 根木
Hiroshi Kato
拓 加藤
聡子 ▲高▼野
Satoko Takano
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Abstract

【課題】 電子デバイスのパターン形成に有用なポリシロキサン(アルカリ可溶性樹脂)を提供する。
【解決手段】 【請求項1】 少なくとも一つのアミド基と少なくとも一つのカルボキシル基とを有する有機基を含む加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物を含むアルカリ可溶性樹脂。
【請求項2】 式(1):
【化1】
Figure 2009286980

(ただし、Rは式(2):
【化2】
Figure 2009286980

であり、Rは有機基。R及びRはそれぞれSi−C結合又はSi−N結合でケイ素原子と結合している。Rは加水分解性基である。)で示される加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はその混合物を含むアルカリ可溶性樹脂。感光剤を添加した感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルカリ可溶性を有するケイ素化合物に関し、さらに詳述すると酸無水物から誘導されるアルカリ可溶性ケイ素化合物に関する。
固体撮像素子に使用するフォトダイオードの埋め込み材料やマイクロレンズ材料にはデバイスの作製工程に対する耐熱性やデバイスとして使用するための高透明性が求められている。そのような中でポリシロキサンはSi−O結合に起因する高透明性及び高耐熱性を活かし、電子デバイス、特に固体撮像素子の一部材として利用するために研究開発がなされている。ポリシロキサンをデバイスに組み込む際はスピンコート法などのウェットプロセスにより、任意の基材上に被膜する工程を経るため、ポリシロキサンワニスとすることが必須である。また、固体撮像素子の一部材として利用するにあたっては、電極部分を作製するために材料上でレジストをパターニングし、コンタクトホールを形成する工程が含まれる。
近年、このコンタクトホールを形成するにあたりレジストを使用せずに感光性のポリシロキサン材料を使用して露光、アルカリ水溶液に現像することで直接ホールを形成してレジストを使用する工程を減らす動きがある。しかし、現在のところ上述のようなポリシロキサンを作製する上で必要となるケイ素化合物はその種類が非常に限られている。
そこでアルカリ水溶液に可溶なポリシロキサンを作製する上で有用なケイ素化合物が求められている。
ポリシロキサンと感光剤を含み、ポリシロキサンの溶解速度を調整するためにポリシロキサンの合成時間や反応温度、又はシリカ等の無機粒子を含有させる方法で現像液への溶解速度を調整したこと(特許文献1参照)、
ポリシロキサンと感光剤と溶解調整剤(カルボン酸、カルボン酸エステル、フルオレン化合物)を含む感光性シロキサン組成物が開示されていること(特許文献2、特許文献3参照)、
架橋形成可能なポリシロキサン、酸又は塩基発生剤、及び増感剤からなる感光性組成物が開示されていること(特許文献4参照)、
加水分解性オルガノシリル基を有するポリアミック酸、又はポリイミドと、有機ポリマーを含有する膜形成組成物が開示されていること(特許文献5参照)、
フェノール性水酸基、又は保護されたフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性ポリシロキサン(特許文献6参照)が開示されている。
特開2007−193318 特開2007−206303 特開2007−017481 特開2006−154037 特開2001−316622 特開2000−219743
本願発明は露光エリアと未露光エリアの高いコントラストを得るために、ポリシロキサン樹脂に高い溶解性を付与することにより、現像液に高い溶解性を示す。
そして未露光部分での非溶解性を示すために、アルカリ溶解性を示す単位構造とアルカリ溶解性を示さない単位構造との共重合によるポリシロキサンや、感光剤との組み合わせで達成することができた。
本願発明は第1観点として、少なくとも一つのアミド基と少なくとも一つのカルボキシル基とを有する有機基を含む加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物を含むアルカリ可溶性樹脂、
第2観点として、式(1):
Figure 2009286980
〔式(1)中、Rは式(2):
Figure 2009286980
(式(2)中、Rは単結合又は2価の有機基であって、該有機基はアルキレン基、アリーレン基、ハロゲン化アルキレン基、ハロゲン化アリーレン基、アルケニレン基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する2価の有機基、又はそれらの組み合わせである。Rは水素原子又は1価の有機基であって、該有機基はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はそれらの組み合わせである。Rはアルキレン基、アリーレン基、ハロゲン化アルキレン基、ハロゲン化アリーレン基、アルケニレン基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する2価の有機基、又はそれらの組み合わせである。)で示され、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はそれらの組み合わせである。R及びRはそれぞれSi−C結合又はSi−N結合でケイ素原子と結合している。Rはアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。aは1〜2の整数を、bは0〜1の整数を示し、a+bは1〜2の整数である。〕で示される加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はその混合物を含むアルカリ可溶性樹脂、
第3観点として、上記式(1)と、更に式(3):
Figure 2009286980
(式中Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。)及び式(4):
Figure 2009286980
(式中Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R10はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせ、それら組み合わせた加水分解性シランの加水分解物、それら組み合わせた加水分解性シランの加水分解縮合物、又はそれらの混合物を含むアルカリ可溶性樹脂、
第4観点として、aが1であり且つbが0である上記式(1)を含む第2観点に記載のアルカリ可溶性樹脂、
第5観点として、aが1であり且つbが0である上記式(1)と、aが0〜2の整数である上記式(3)とを含む第3観点に記載のアルカリ可溶性樹脂、
第6観点として、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のアルカリ可溶性樹脂と感光剤とを含む感光性樹脂組成物、
第7観点として、感光剤が、式(5):
Figure 2009286980
(ただし、式(5)中でR11は水素原子、1,2−キノンジアジド基又はその誘導体を示し、R12は炭素数1〜10の置換又は未置換のアルキル基、ハロゲン基、炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、m4は0又は1の整数である。m4が0の時は、m5は1〜5の整数であり、m6は0≦m6≦(5−m5)を満たす整数であり、m4が1の時は、m5は1〜7の整数であり、0≦m6≦(7−m5)を満たす整数であり、化合物に存在する全ての−OR11基中でR11は10〜98モル%が1,2−キノンジアジド基又はその誘導体である。)の部分構造を有するものである第6観点に記載の感光性樹脂組成物、
第8観点として、感光剤が式(6):
Figure 2009286980
(ただし、式(6)中でR11、R12は式(5)であらわされるものと同一であり、R13は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、m5は1〜5の整数を示し、m6は0≦m6≦(5−m5)を満たす整数であり、m10は0≦m10≦(5−m8−m9)を満たす整数であり、m7は0〜10の整数を示し、m8は0〜1の整数を示し、m9は0〜5の整数を示し、化合物に存在する全ての−OR11基中でR11は10〜98モル%が1,2−キノンジアジド基又はその誘導体である。)で示される構造を有する化合物である第6観点に記載の感光性樹脂組成物、
第9観点として、上記式(5)又は式(6)のR11が式(7):
Figure 2009286980
(ただし、式(7)中でR14は単結合、又は−SO−基を示し、R15は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)である第6観点乃至第8観点のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物、
第10観点として、第6観点乃至第9観点のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物から作成された膜を備える電子デバイス、
第11観点として、第6観点乃至第9観点のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物から作成された膜を備えた電荷結合素子(CCD)又は相補性金属酸化膜半導体(CMOS)からなる固体撮像素子、
第12観点として、第6観点乃至第9観点のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物から作成された膜をカラーフィルター上の平坦化層として備えた固体撮像素子、及び
第13観点として、第6観点乃至第9観点のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物から作成された膜をマイクロレンズ上の平坦化層又はコンフォーマル層として備えた固体撮像素子である。
本願発明少なくとも一つのアミド基と少なくとも一つのカルボキシル基とを有する有機基を含む加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物を含むアルカリ溶解性樹脂である。これらのアルカリ溶解性樹脂に感光剤を添加することにより感光性樹脂組成物を形成することができる。
上記樹脂組成物(塗布液)は従来の樹脂組成物に比べて同じ固形分濃度で比較した場合に粘度が低く、樹脂組成物を基板にスピンコートした際の塗布性能が良好である。例えば、従来品に比べ同じ回転数でも塗布液の広がりが早く、また端部でのエッジ盛り上がり等もない。
そして、本願発明では従来品に比べて粘度が低いため、固形分濃度を高くしても従来品と同程度の粘度を保つことができる。固形分濃度を高くしたことにより、得られた被膜は溶剤の乾燥と焼成後に厚膜化することもできる。
本願発明は、少なくとも一つのアミド基と少なくとも一つのカルボキシル基とを有する有機基を含む加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物を含むアルカリ可溶性樹脂である。
本願発明に用いるアルカリ可溶性樹脂は、式(1)で示される加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はその混合物を含む。
式(1)においてRは式(2)で示される有機基を用いることができる。また式(1)のRは、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はそれらの組み合わせである。R及びRはそれぞれSi−C結合又はSi−N結合でケイ素原子と結合している。
アルキル基としては炭素数1〜10のアルキルが挙げられ、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、1−メチル−シクロプロピル、2−メチル−シクロプロピル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、1,2−ジメチル−n−プロピル、2,2−ジメチル−n−プロピル、1−エチル−n−プロピル、シクロペンチル、1−メチル−シクロブチル、2−メチル−シクロブチル、3−メチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロプロピル、2,3−ジメチル−シクロプロピル、1−エチル−シクロプロピル、2−エチル−シクロプロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、3−メチル−n−ペンチル、4−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1,2−ジメチル−n−ブチル、1,3−ジメチル−n−ブチル、2,2−ジメチル−n−ブチル、2,3−ジメチル−n−ブチル、3,3−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、2−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、1,2,2−トリメチル−n−プロピル、1−エチル−1−メチル−n−プロピル、1−エチル−2−メチル−n−プロピル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロペンチル、2−メチル−シクロペンチル、3−メチル−シクロペンチル、1−エチル−シクロブチル、2−エチル−シクロブチル、3−エチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロブチル、1,3−ジメチル−シクロブチル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2,3−ジメチル−シクロブチル、2,4−ジメチル−シクロブチル、3,3−ジメチル−シクロブチル、1−n−プロピル−シクロプロピル、2−n−プロピル−シクロプロピル、1−イソプロピル−シクロプロピル、2−イソプロピル−シクロプロピル、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピル等が挙げられる。
アリール基としては炭素数6〜40のアリール基が挙げられ、例えばフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロルフェニル基、m−クロルフェニル基、p−クロルフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−シアノフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基及び9−フェナントリル基等が挙げられる。
アルケニル基としては炭素数2〜10のアルケニル基であり、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−1−エテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−エチルエテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−n−プロピルエテニル、1−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−エチル−2−プロペニル、2−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1−イソプロピルエテニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、1−n−ブチルエテニル、2−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、2−n−プロピル−2−プロペニル、3−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、3−エチル−3−ブテニル、4−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1−メチル−2−エチル−2−プロペニル、1−s−ブチルエテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、1−イソブチルエテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、2−イソプロピル−2−プロペニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、1−n−プロピル−1−プロペニル、1−n−プロピル−2−プロペニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−t−ブチルエテニル、1−メチル−1−エチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル、1−イソプロピル−1−プロペニル、1−イソプロピル−2−プロペニル、1−メチル−2−シクロペンテニル、1−メチル−3−シクロペンテニル、2−メチル−1−シクロペンテニル、2−メチル−2−シクロペンテニル、2−メチル−3−シクロペンテニル、2−メチル−4−シクロペンテニル、2−メチル−5−シクロペンテニル、2−メチレン−シクロペンチル、3−メチル−1−シクロペンテニル、3−メチル−2−シクロペンテニル、3−メチル−3−シクロペンテニル、3−メチル−4−シクロペンテニル、3−メチル−5−シクロペンテニル、3−メチレン−シクロペンチル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
エポキシ基を有する有機基としては、グリシドキシメチル、グリシドキシエチル、グリシドキシプロピル、グリシドキシブチル、エポキシシクロヘキシル等が挙げられる。
アクリロイル基を有する有機基としては、アクリロイルメチル、アクリロイルエチル、アクリロイルプロピル等が挙げられる。
メタクリロイル基を有する有機基としては、メタクリロイルメチル、メタクリロイルエチル、メタクリロイルプロピル等が挙げられる。
メルカプト基を有する有機基としては、エチルメルカプト、ブチルメルカプト、ヘキシルメルカプト、オクチルメルカプト等が挙げられる。
シアノ基を有する有機基としては、シアノエチル、シアノプロピル等が挙げられる。
式(1)のRは、アルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基である。
アルコキシ基としては炭素数1〜20のアルコキシ基が例示され、直鎖、分岐、環状のアルキル部分を有するアルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、1,2−ジメチル−n−プロポキシ、2,2−ジメチル−n−プロポキシ、1−エチル−n−プロポキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、3−メチル−n−ペンチルオキシ、4−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1,2−ジメチル−n−ブトキシ、1,3−ジメチル−n−ブトキシ、2,2−ジメチル−n−ブトキシ、2,3−ジメチル−n−ブトキシ、3,3−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、2−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、1,2,2,−トリメチル−n−プロポキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ、及び1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ等が挙げられる。
アシルオキシ基としては炭素数2〜20のアシルオキシ基が例示され、例えばメチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、s−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、1−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、3−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−n−プロピルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、1−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、2−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、3−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、4−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、3,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1,2,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−2−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ、及びトシルカルボニルオキシ等が挙げられる。
また、加水分解基としてのハロゲン基はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
式(1)において、aは1〜2の整数を、bは0〜1の整数を示し、a+bは1〜2の整数である。
式(2)において、Rは単結合又は2価の有機基であって、その2価の有機基はアルキレン基、アリーレン基、ハロゲン化アルキレン基、ハロゲン化アリーレン基、アルケニレン基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する2価の有機基、又はそれらの組み合わせである。
は水素原子又は1価の有機基であって、該有機基はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はそれらの組み合わせである。
はアルキレン基、アリーレン基、ハロゲン化アルキレン基、ハロゲン化アリーレン基、アルケニレン基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する2価の有機基、又はそれらの組み合わせである。
式(2)のRとRで用いるアルキレン基、アリーレン基、ハロゲン化アルキレン基、ハロゲン化アリーレン基、アルケニレン基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する2価の有機基は、式(1)で例示したアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基に対応する2価の有機基を例示することができる。
式(2)のRで用いるアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基は式(1)で例示したものを用いることができる。
式(1)においてはaが1であり、且つbが0である加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はその混合物を用いることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂であるから、式(1)で示される加水分解性シランの加水分解縮合物(ポリシロキサン)を用いることが好ましいが、この加水分解縮合物(ポリシロキサン)には加水分解性シランや、その加水分解物を混合物として含有していても良い。
上記式(1)で示される加水分解性シランは例えば以下に例示される。
Figure 2009286980
Figure 2009286980
Figure 2009286980
上記式(1)の加水分解性シランは、アミノ基を有する加水分解性シランと酸無水物を反応して製造することができる。
アミノ基を有する加水分解性シランは例えばアミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルフェニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリクロロシラン、アミノプロピルトリアセトキシシラン等が挙げられる。酸無水物は無水コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ナフタレンジカルボン酸、無水シクロヘキサンジカルボン酸、無水フェニルコハク酸、無水フェニルマレイン酸等が挙げられる。
アミノ基を有する加水分解性シランと酸無水物との反応は、例えばジメチルスルホキシド等の溶剤を用いて、−70〜200℃の温度で1〜100時間の反応によって行われる。
本願発明のアルカリ可溶性樹脂は、上記式(1)と、更に式(3)及び式(4)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせ、それら組み合わせた加水分解性シランの加水分解物、それら組み合わせた加水分解性シランの加水分解縮合物、又はそれらの混合物を用いることができる。
式(3)において、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。上記Rは式(1)のRで定義したものと同じ例示を用いることができる。また、上記Rは式(1)のRで定義したものと同じ例示を用いることができる。
式(4)において、式中Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R10はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。上記Rは式(1)のR2で定義したものと同じ例示を用いることができる。また、上記R10は式(1)のRで定義したものと同じ例示を用いることができる。そして、Yは式(1)の中で例示したものを示すことができる。
上記式(3)の加水分解性シランは例えば以下に例示される。
テトラメトキシシラン、テトラクロルシラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセチキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。
また式(4)の加水分解性シランは例えばメチレンビストリメトキシシラン、メチレンビストリクロロシラン、メチレンビストリアセトキシシラン、エチレンビストリエトキシシラン、エチレンビストリクロロシラン、エチレンビストリアセトキシシラン、プロピレンビストリエトキシシラン、ブチレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリエトキシシラン、フェニレンビスメチルジエトキシシラン、フェニレンビスメチルジメトキシシラン、ナフチレンビストリメトキシシラン、ビストリメトキシジシラン、ビストリエトキシジシラン、ビスエチルジエトキシジシラン、ビスメチルジメトキシジシラン等が挙げられる。
式(1)の加水分解性シランと、式(3)及び式(4)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせで用いる場合には、その混合割合は式(1)の加水分解性シランの1モルに対して、式(3)及び式(4)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランを0.01〜10モルの割合で用いることが好ましい。
上記加水分解性シランの中でも式(1)と式(3)の組み合わせを選ぶことができ、上記式(1)のaが1であり、且つbが0の加水分解性シランと、上記式(3)のaが0〜2の整数となる加水分解性シランとの組み合わせが好ましい。
式(3)及び式(4)で示される加水分解性シランは、市販品を用いることができる。
式(1)の加水分解性シラン、又は式(1)と式(3)及び式(4)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせを加水分解し、その加水分解物を縮合した加水分解縮合物(ポリシロキサン)は重量平均分子量1000〜1000000、又は1000〜100000の縮合物を得ることができる。これらの分子量はGPC分析によるポリスチレン換算で得られる分子量である。
ポリシロキサンを合成する際の触媒の種類は、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。
加水分解触媒としての金属キレート化合物は、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−イソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−イソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−イソプロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−イソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−イソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−イソプロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化合物;トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−イソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−イソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−イソプロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−イソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−イソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−イソプロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができる。
加水分解触媒としての有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての無機酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての有機塩基は、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等を挙げることができる。
無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒の内、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好ましく、これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
アルコキシシリル基、アシロキシシリル基、ハロゲン化シリル基の加水分解には、上記加水分解基の1モル当たり、0.1〜100モル、又は0.1〜10モル、又は1〜5モル、又は2〜3.5モルの水を用いる。
また、加水分解基の1モル当たり0.0001〜10モル、好ましくは0.001〜2モルの加水分解触媒を用いることができる。
加水分解と縮合を行う際の反応温度は、通常は20℃(室温)から加水分解に用いられる溶剤の常圧下の還流温度の範囲で行われる。
加水分解は完全に加水分解を行うことも、または部分加水分解することでも良い。即ち、加水分解縮合物中に加水分解物やモノマーが残存していても良い。
ポリシロキサンを得る方法としては特に限定されないが、例えば、珪素化合物、溶剤及び蓚酸の混合物を加熱する方法が挙げられる。具体的には、あらかじめアルコールに蓚酸を加えて蓚酸のアルコール溶液とした後、当該溶液と珪素化合物を混合し、加熱する方法である。その際、蓚酸の量は、珪素化合物が有する全アルコキシ基の1モルに対して0.2〜2モルとすることが一般的である。この方法における加熱は、液温50〜180℃で行うことができ、好ましくは、液の蒸発、揮散等が起こらないように、例えば、密閉容器中の還流下で数十分から十数時間行われる。また、ポリシロキサンの合成は珪素化合物中に溶剤及び蓚酸の混合物を加え反応させる順序でも良く、溶剤及び蓚酸の混合物中に珪素化合物を加えて反応させる順序でも良い。
ポリシロキサンを合成する際の反応温度は、均一なポリマーを安定して合成する目的で0〜50℃の反応温度で24〜2000時間反応させても良い。
加水分解に用いられる有機溶剤としては、例えばn−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、イソプロピルベンセン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−イソプロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−イソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−イソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶剤;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶剤;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は1種又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
上記溶剤としては一般的には、加水分解性シランの加水分解物と縮重合反応によりアルコールが生成するため、アルコール類やアルコール類と相溶性の良好な有機溶剤が用いられる。このような有機溶剤の具体例としては、特にメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、n−プロピルアセテート、エチルラクテート、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテル、シクロヘキサノン等が好ましく挙げられる。
加水分解性シランを溶剤中で加水分解し、その加水分解物を縮合反応することによって縮合物(ポリシロキサン)が得られ、その縮合物は加水分解溶剤中に溶解しているポリシロキサンワニスとして得られる。
加水分解性シランを縮重合する際には、仕込んだシランのSiO固形分換算濃度が、1〜50質量%の範囲で加熱することが一般的であり、特に20質量%以下で加熱されることが有効である。このような濃度範囲で任意の濃度を選択することにより、溶解性の低い高分子量体の生成を抑え、均質なポリシロキサン含有溶液を得ることができる。
得られたポリシロキサンワニスは溶剤置換しても良い。具体的には、加水分解と縮合時の溶剤(合成時溶剤)にエタノールを選択した場合、エタノール中でポリシロキサンが得られた後にその合成の際の溶剤と同量の置換用溶剤を加え、エバポレーターなどで共沸させエタノールを留去しても良い。溶剤置換の際の合成時溶剤は共沸して留去するため置換用溶剤よりも沸点が低いことが好ましい。例えば、加水分解と縮合時の溶剤はメタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、置換用溶剤はプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記ポリシロキサンワニスの希釈や置換等に用いる溶剤は、加水分解性シランの加水分解と縮重合に用いた溶媒と同じでも良いし別の溶剤でも良い。この溶剤は、ポリシロキサン及びアミノ酸発生剤との相溶性を損なわなければ特に限定されず、一種でも複数種でも任意に選択して用いることができる。
このような溶剤の具体例としては、トルエン、p−キシレン、o−キシレン、スチレン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、1−メトキシー2−ブタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、γ−ブチルラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルノーマルブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルケトン、酢酸ノーマルプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ノーマルブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、アリルアルコール、ノーマルプロパノール、2−メチル−2−ブタノール、イソブタノール、ノーマルブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、1−メトキシー2−ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、イソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノンが挙げられるが、ポリシロキサンワニスの保存安定性及びアミノ酸発生剤との相溶性の観点から、より好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノン、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、乳酸エチルエステル等が挙げられる。
本願発明では上記加水分解性シランの加水分解縮合物(ポリシロキサン)がアルカリ可溶性樹脂であり、このアルカリ可溶性樹脂が溶剤に溶解してポリシロキサンワニスを形成する。ポリシロキサンワニス中でのSiO固形分換算濃度は0.1〜30質量%であり、SiO濃度が0.1質量%より低いと一回の塗布で所望の膜厚を得ることが難しく、30質量%より高いと溶液の保存安定性が悪くなる場合がある。より好ましくは0.5〜15質量%である。
本願発明ではアルカリ可溶性樹脂に感光剤を加えて感光性樹脂組成物とすることができる。
アルカリ可溶性樹脂に感光剤を加える場合は、ポリシロキサンワニスに感光剤を添加して感光性樹脂組成物を製造することが好ましい。感光剤の含有量はポリシロキサンのSiO換算固形分に対して5〜90質量%の割合で含有することが好ましい。また、感光性樹脂組成物中でのSiOと感光剤を合計した固形分は5〜80質量%、好ましくは15〜50質量%とすることができる。
感光剤としては、光照射により光分解しアルカリ可溶性基を生ずる有機基を有する化合物(ポジ型)と、光照射により光分解しアルカリ不溶性基を生ずる有機基を有する化合物(ネガ型)がある。
アルカリ可溶性樹脂は光照射に係わりなくアルカリ可溶性を示すが、感光剤は光照射によってアルカリ可溶性が変わる。例えば、アルカリ可溶性樹脂と感光剤(ポジ型)とを含む感光性樹脂組成物では、光照射された部分がアルカリ可溶性を示し、未露光部分はアルカリ溶解性を示さない。
ポジ型を例にとれば感光剤は式(5)の部分構造を有する。式(5)中でR11は水素原子、1,2−キノンジアジド基又はその誘導体を示し、R12は炭素数1〜10の置換又は未置換のアルキル基、ハロゲン基、炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、m4は0又は1の整数である。m4が0の時は、m5は1〜5の整数であり、m6は0≦m6≦(5−m5)を満たす整数であり、m4が1の時は、m5は1〜7の整数であり、0≦m6≦(7−m5)を満たす整数であり、化合物に存在する全ての−OR11基中でR11は10〜98モル%が1,2−キノンジアジド基又はその誘導体である。
上記アルキル基、ハロゲン基は式(1)で例示したものと同一のものを用いることができる。アルコキシ基は例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられる。
そして、感光剤は式(6)で示される構造を有する化合物を用いることができる。式(6)中でR11、R12は式(5)であらわされるものと同一であり、R13は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、m5は1〜5の整数を示し、m6は0≦m6≦(5−m5)を満たす整数であり、m10は0≦m10≦(5−m8−m9)を満たす整数であり、m7は0〜10の整数を示し、m8は0〜1の整数を示し、m9は0〜5の整数を示し、化合物に存在する全ての−OR11基中でR11は10〜98モル%が1,2−キノンジアジド基又はその誘導体である。
感光剤は式(5)、及び式(6)の化合物のR11が式(7)である。式(7)中でR14は単結合、又は−SO−基を示し、R15は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。
上記化合物でR11は式(7)で示される1,2−ナフトキノンジアジド基を有する化合物である。R15は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。アルキル基は上述のものと同様のものを用いることができる。また、5−ヒドロキシ−1,2−ナフトキノンジアジドを用いた場合には、R14は単結合を示し、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライドを用いた場合には、R14は−SO−基を示す。
以下に化合物の具体例を示す。ただし、式中D(即ちR11)は水素原子又は1,2−ナフトキノンジアジド基を示す。
Figure 2009286980
Figure 2009286980
Figure 2009286980
本発明の感光性樹脂組成物においては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ポリシロキサン、感光剤、及び溶剤以外にその他の成分、例えばレベリング剤、界面活性剤等の成分が含まれていてもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また二種以上の組み合わせで使用することもできる。界面活性剤が使用される場合、その割合としては、縮合物(ポリシロキサン)100質量部に対して0.0001〜5質量部、または0.001〜1質量部、または0.01〜0.5質量部である。
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、式(1)の加水分解性シラン、又は式(1)の加水分解性シランと式(3)及び式(4)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせを加水分解し、その加水分解縮合物(ポリシロキサン)を得る。
本発明の感光性樹脂組成物は、基材に塗布し熱硬化することで所望の被膜を得ることができる。塗布方法は、公知又は周知の方法を採用できる。例えば、スピンコート法、ディップ法、フローコート法、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の方法を採用できる。その際に用いる基材は、シリコン、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO、プラスチック、ガラス、セラミックス等からなる基材を挙げることができる。
焼成機器としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットプレート、オーブン、ファーネスを用いて、適切な雰囲気下、すなわち大気、窒素等の不活性ガス、真空中等で焼成させればよい。これにより、均一な製膜面を有する被膜を得ることが可能である。
焼成温度は、溶媒を蒸発させる目的では、特に限定されないが、例えば40〜200℃で行うことができる。また、ポリシロキサンの重縮合を熱で促進する目的では特に限定されないが例えば200〜400℃で行うことができる。これらの場合、より高い均一製膜性を発現させたり、基材上で反応を進行させたりする目的で2段階以上の温度変化をつけてもよい。
このようにして得られた本発明の被膜は、ポリシロキサンワニスの保存安定性が良好で、且つ残留Si−OHの重縮合の促進させる効果を発現し、任意の基材上で形成することができ、電子デバイス、特に固体撮像素子用のフォトダイード上のギャップフィル平坦化材料、カラーフィルター上の平坦化材料、マイクロレンズ上の平坦化若しくはコンフォーマル材料として好適である。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で用いた各測定装置は以下のとおりである。
赤外吸収スペクトル(以下、FT−IRと略す)はニコレー・ジャパン株式会社製、商品名Nexus670を使用した。
核磁気共鳴スペクトル(以下、NMRと略す)はバリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド製、商品名Varian 400−MRを使用した。
ポリマーの分子量測定(以下、GPCと略す)は昭和電工株式会社製、商品名Shodex GPC−104/101システムを使用した。
ガスクロマトグラフ測定(以下、GCと略す)は、島津製作所(株)製、商品名Shimadzu GC−14Bを用い、下記の条件で測定した。
カラム:キャピラリーカラム CBP1−W25−100(25mm×0.53mmφ×1μm)
カラム温度は開始温度50℃から15℃/分で昇温して到達温度290℃(3分)とした。サンプル注入量は1μL、インジェクション温度は240℃、検出器温度は290℃、キャリヤーガスは窒素(流量30mL/min)、検出方法はFID法で行った。
<ケイ素化合物の合成>
[合成例1]
4−(3−トリエトキシシリル)プロピルアミノ−4−オキソブタン酸の合成
200mL三口フラスコに3−アミノプロピルトリエトキシシラン100g(0.45mol)、こはく酸無水物45.03g(0.45mol)を加え、フラスコ内を窒素置換し、23℃で24時間攪拌した。
反応終了後、淡褐色粘稠固体138.41g(収率:95.01%)を得た。得られた加水分解性シランは式(2−1)に相当する4−(3−トリエトキシシリル)プロピルアミノ−4−オキソブタン酸(以下、M−1と略す)であり、IR、NMRスペクトルから構造を同定したところ、M−1であることが確認された。
IR(cm−1):3300(νo−H),2970(νC−H),1640(νC=O),
1570(νN−H),1467(νC−H),900(νSi−O
H−NMR(ppm/CHCl−d): 6.424(s,1H), 3.818(q,2H),3.245(q,2H),2.686(t,2H),2.510(t,2H),1.633(tt,2H),1.229(t,3H),0.641(t,2H)
[合成例2]
2−(3−トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル)ベンゼンカルボン酸の合成
合成例1のこはく酸無水物45.03g(0.45mol)をフタル酸無水物66.65g(0.45mol)に変更したこと以外は合成例1と同様の方法で合成した。
反応終了後、淡黄色粘稠固体 150.02g(収率:90.2%)を得た。得られた加水分解性シランは式(2−2)に相当する2−(3−トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル)ベンゼンカルボン酸(以下、M−2と略す)であり、IR、NMRスペクトルから構造を同定したところ、M−2であることが確認された。
IR(cm−1):3300(νo−H),3050(Arom,νC−H)2970(νC−H),1640(νC=O),1570(νN−H),1467(νC−H),900(νSi−O)
H−NMR(ppm/CHCl−d): 7.828(d,1H),7.609(t,1H),7.419(t,1H),7.281(d,1H), 7.119(s,1H),3.818(q,2H),3.245(q,2H),1.633(tt,2H),1.229(t,3H),0.641(t,2H)
[合成例3]4−オキソ−4−(3−(トリエトキシシリル)プロピルアミノ)クロトン酸の合成
合成例1のこはく酸無水物45.03g(0.45mol)をマレイン酸無水物44.12g(0.45mol)に変更したこと以外は合成例1と同様の方法で合成した。
反応終了後、褐色粘稠固体 131.09g(収率:91.2%)を得た。得られた加水分解性シランは式(2−3)に相当する4−オキソ−4−(3−(トリエトキシシリル)プロピルアミノ)クロトン酸(以下、M−3と略す)であり、IR、NMRスペクトルから構造を同定したところ、M−3であることが確認された。
IR(cm−1):3300(νo−H),3090(νC−H),2970(νC−H),,1670(νC=C),1640(νC=O),1570(νN−H),1467(νC−H),900(νSi−O)
H−NMR(ppm/CHCl−d): 7.874(s,1H),6.343(d,1H) ,6.710(d,1H),3.818(q,2H),3.245(q,2H),1.633(tt,2H),1.229(t,3H),0.641(t,2H)
[合成例4]
2−(3−トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル)−1−ナフタレンカルボン酸の合成
合成例1のこはく酸無水物45.03g(0.45mol)を1,2−ナフタレン酸無水物89.18g(0.45mol)に変更したこと以外は合成例1と同様の方法で合成した。
反応終了後、褐色粘稠固体358.29g(収率:85.4%)を得た。得られた加水分解性シランは式(2−4)に相当する2−(3−トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル)−1−ナフタレンカルボン酸(以下、M−4略す)であり、IR、NMRスペクトルから構造を同定したところ、M−4であることが確認された。
IR(cm−1):3300(νo−H),3050(Arom,νC−H)2970(νC−H),1640(νC=O),1570(νN−H),1467(νC−H),900(νSi−O)
H−NMR(ppm/CHCl−d): 8.031(m,1H),7.996(m,1H),7.968(s,1H),7.947(m,1H),7.866(m,1H),7.774(m,1H),7.647(m,1H),3.818(q,2H),3.245(q,2H),1.633(tt,2H),1.229(t,3H),0.641(t,2H)
[合成例5]
2−(3−トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル)シクロヘキサンカルボン酸の合成
合成例1のこはく酸無水物45.03g(0.45mol)を1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物69.37g(0.45mol)に変更したこと以外は合成例1と同様の方法で合成した。
反応終了後、白色粘稠固体 339.85g(収率:90.5%)を得た。得られた加水分解性シランは式(2−5)に相当する2−(3−トリエトキシシリル)プロピルカルバモイル)シクロヘキサンカルボン酸(以下、M−5と略す)であり、IR、NMRスペクトルから構造を同定したところ、M−5であることが確認された。
IR(cm−1):3300(νo−H),2970(νC−H),1640(νC=O),
1570(νN−H),1452(νC−H),900(νSi−O
H−NMR(ppm/CHCl−d): 6.438(s,1H) ,3.841(q,2H),3.264(q,2H),2.909(dd,1H),2.609(dd,1H),1.760(dd,2H),1.638(dd,2H),1.633(tt,2H),1.530(tt,2H),1.407(tt,2H),1.234(t,3H),0.625(t,2H),
[合成例6]
4−オキソ−2−フェニル−4−(3−(トリエトキシシリル)プロピルアミノブタン酸)の合成
合成例1のこはく酸無水物45.03g(0.45mol)をフェニルこはく酸無水物79.27g(0.45mol)に変更したこと以外は合成例1と同様の方法で合成した。
反応終了後、淡褐色粘稠固体363.75g(収率:91.5%)を得た。得られた加水分解性シランは式(2−6)に相当する4−オキソ−2−フェニル−4−(3−(トリエトキシシリル)プロピルアミノブタン酸(以下、M−6と略す)であり、IR、NMRスペクトルから構造を同定したところ、 であることが確認された。
IR(cm−1):3300(νo−H),3050(Arom,νC−H),2970(νC−H),1640(νC=O),1570(νN−H),1452(νC−H),900(νSi−O
H−NMR(ppm/CHCl−d):8.076(s,1H) ,7.346(m,β位2H),7.304(m,α位2H),7.273(m,γ位1H),3.897(m,1H) ,3.786(m,2H),3.264(m,2H),2.558(m,2H),1.526(m,2H),1.207(m,3H),0.540(m,2H)
[合成例7]
4−オキソ−2−フェニル−4−(3−(トリエトキシシリル)プロピルアミノ)クロトン酸の合成
合成例1のこはく酸無水物45.03g(0.45mol)をフェニルマレイン酸無水物78.36g(0.45mol)に変更したこと以外は合成例1と同様の方法で合成した。
反応終了後、褐色粘稠固体 363.88g(収率:92.0%)を得た。得られた加水分解性シランは式(2−7)に相当する4−オキソ−2−フェニル−4−(3−(トリエトキシシリル)プロピルアミノ)クロトン酸(以下、M−7と略す)であり、IR、NMRスペクトルから構造を同定したところ、M−7であることが確認された。
IR(cm−1):3300(νo−H),3050(Arom,νC−H),2970(νC−H),1670(νC=C),1640(νC=O),1570(νN−H),1452(νC−H),900(νSi−O
H−NMR(ppm/CHCl−d):7.931(s,1H) ,7.552(m,β位),7.441(m,γ位1H),7.300(m,α位2H),7.095(s,1H),3.723(m,2H),3.302(m,2H),1.664(m,2H),1.235(m,3H),0.621(m,2H)
<重合体の作製>
[合成例10]
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、合成例1で得た13.39gのM−1(42mmol)、6.21gの脱水エタノールを加え、オイルバス浴で加熱し、還流を確認後、0.038g(0.42mmol)の蓚酸、2.25g(0.12mol)の純水を3.11gの脱水エタノールに溶かした脱水エタノール溶液を一定の速度で20分かけて滴下した。滴下後、還流下で1時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(PS−1)を得た。PS−1はSiO固形分換算濃度が10質量%であり、GPC測定による分子量はMwが3100、Mnが1730であった。
PS−1をGCで測定したところ、M−1の単量体は検出されなかった。
[合成例11]
合成例10のM−1をM−2に変更し、同量のモル比で反応させ、同様の方法でポリシロキサンワニス(PS−2)を得た。PS−2はSiO固形分換算濃度が10質量%であり、GPC測定による分子量はMwが3220、Mnが1690であった。
PS−2をGCで測定したところ、M−2の単量体は検出されなかった。
[合成例12]
合成例10のM−1をM−3に変更し、同量のモル比で反応させ、同様の方法でポリシロキサンワニス(PS−3)を得た。PS−3はSiO固形分換算濃度が10質量%であり、GPC測定による分子量はMwが2910、Mnが1520であった。
PS−3をGCで測定したところ、M−3の単量体は検出されなかった。
[合成例13]
合成例10のM−1をM−4に変更し、同量のモル比で反応させ、同様の方法でポリシロキサンワニス(PS−4)を得た。PS−4はSiO固形分換算濃度が10質量%であり、GPC測定による分子量はMwが3120、Mnが1890であった。
PS−4をGCで測定したところ、M−4の単量体は検出されなかった。
[合成例14]
合成例10のM−1をM−5に変更し、同量のモル比で反応させ、同様の方法でポリシロキサンワニス(PS−5)を得た。PS−5はSiO固形分換算濃度が10質量%であり、GPC測定による分子量はMwが3010、Mnが1780あった。
PS−5をGCで測定したところ、M−5の単量体は検出されなかった。
[合成例15]
合成例10のM−1をM−6に変更し、同量のモル比で反応させ、同様の方法でポリシロキサンワニス(PS−6)を得た。PS−6はSiO固形分換算濃度が10質量%であり、GPC測定による分子量はMwが3310、Mnが1900であった。
PS−6をGCで測定したところ、M−6の単量体は検出されなかった。
[合成例16]
合成例10のM−1をM−7に変更し、同量のモル比で反応させ、同様の方法でポリシロキサンワニス(PS−7)を得た。PS−7はSiO固形分換算濃度が10質量%であり、GPC測定による分子量はMwが3210、Mnが1650であった。
PS−7をGCで測定したところ、M−7の単量体は検出されなかった。
[合成例17]
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、7.8g(37.5mmol)のテトラエトキシシラン(以下、TEOSと略す)、合成例1で得た1.34gのM−1(4.17mmol)、9.05gの脱水エタノールを加え、オイルバス浴で加熱し、還流を確認後、0.037g(0.416mmol)の蓚酸、2.25g(0.163mol)の純水を4.52gの脱水エタノールに溶かした脱水エタノール溶液を一定の速度で20分かけて滴下した。滴下後、還流下で1時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(PS−8)を得た。PS−8はSiO固形分換算濃度が10質量%であり、GPC測定による分子量はMwが3520、Mnが1830であった。
PS−8をGCで測定したところ、TEOSおよびM−1の単量体は検出されなかった。
[比較合成例1]
合成例10のM−1をテトラエトキシシラン(以下、TEOSと略す)に変更した以外は合成例10と同様の方法でポリシロキサンワニス(PS−9)を得た。PS−9はSiO固形分換算濃度が10質量%であり、GPC測定による分子量はMwが2950、Mnが1930であった。
PS−9をGCで測定したところ、TEOSは検出されなかった
<ポリシロキサンワニスの製膜とアルカリ溶解性試験>
製膜はスピンコート法によって行い、スピンコート後の焼成で膜厚が500nmとなる条件で製膜した。焼成機器はホットプレートを用い、大気中で100℃1分間の焼成をおこなった。基材には4インチのシリコンウェハを用いた。
[実施例1]
合成例10で得られたPS−1をスピンコート後、100℃で1分間焼成した。得られた膜を2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液(以下、TMAHaqと略す)へ浸漬し、膜が完全に溶解するまでの時間を測定した。
[実施例2]
PS−1を合成例11で得られたPS−2に変えた以外は実施例1と同様に行った。
[実施例3]
PS−1を合成例12で得られたPS−3に変えた以外は実施例1と同様に行った。
[実施例4]
PS−1を合成例13で得られたPS−4に変えた以外は実施例1と同様に行った。
[実施例5]
PS−1を合成例14で得られたPS−5に変えた以外は実施例1と同様に行った。
[実施例6]
PS−1を合成例15で得られたPS−6に変えた以外は実施例1と同様に行った。
[実施例7]
PS−1を合成例16で得られたPS−7に変えた以外は実施例1と同様に行った。
[実施例8]
PS−1を合成例17で得られたPS−8に変えた以外は実施例1と同様に行った。
[比較例1]
PS−1を比較合成例1で得られたPS−9に変えた以外は実施例1と同様に行った。
〔表1〕
表1
―――――――――――――――――――
実施例 溶解に要する時間
―――――――――――――――――――
実施例1 3秒
実施例2 3秒
実施例3 3秒
実施例4 600秒
実施例5 3秒
実施例6 3秒
実施例7 3秒
実施例8 60秒
比較例1 不溶(2時間浸漬)
―――――――――――――――――――
以上の結果から本発明のアルカリ可溶性樹脂はアルカリ水溶液への高い溶解性を有することが確認された。また、アルカリ水溶液に不溶な重合体を共重合することでもアルカリ可溶性を付与できることが確認された。
本発明の化合物を使用することで、テトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液のような、汎用な現像液に良好な溶解性を示す重合体を作成することができる。
<ポリシロキサンワニスの粘度と得られた膜厚>
実施例9
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、合成例5で得た6.26gのM−5(16.7mmol)、8.55gのプロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)を加え、オイルバス浴で80℃まで加熱し、0.02g(0.2mmol)の蓚酸、0.9g(50mmol)の純水を4.28gのPGMEに溶かし、このPGME溶液を一定の速度で20分かけて滴下した。滴下後、80℃で2時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(PS−5)を得た。GPC測定による分子量はMwが2010、Mnが1730であった。PS−5をGCで測定したところ、M−5の単量体は検出されなかった。
得られたポリシロキサンワニス(PS−5)を溶剤PGMEで固形分濃度30質量%に調整し、E型回転粘度計(商品名VISCOMATE NM−150III、東機産業製)にて、No.1°34’×R24のローターを用い、回転数20rpm、温度25℃で測定したところ7.54mPa・sであった。
得られたPS−5をスピンコーターにおいて2000rpmで20秒回転させてシリコンウエハ上に塗布し、150℃で5分間焼成し、更に250℃で5分焼成した。得られた膜を触針法(商品名Dektak3ST、Veeco製)で膜厚を測定したところ0.94μmであった。
また、PS−5をスピンコーターにおいて4000rpmで20秒回転させてシリコンウエハ上に塗布し、150℃で5分間焼成し、更に250℃で5分焼成した。得られた膜を触針法(商品名Dektak3ST、Veeco製)で膜厚を測定したところ0.65μmであった。
得られたPS−5に感光剤としてP−150(東洋合成製、上記式(5−5)に相当し、Dの50モル%が1,2−ナフトキノンジアジド基で置換し、50モル%は水素原子)を30phr(ポリシロキサン100質量部に対してP−150感光剤を30質量部の割合で添加する。)添加し、さらにPGMEを加えて固形分濃度を25%に調整し、樹脂組成物を得た。スピンコーターにおいて2000rpmで20秒回転させてシリコンウエハ上に塗布し、100℃で1分間焼成して製膜した。
得られた膜にパターンマスクを通してghi混合線200mJ/cmを照射し、0.2%のテトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液へ1分間浸漬して現像し、更に水で洗浄してポジ型の5μmホールパターンを形成した。
実施例10
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、合成例6で得た6.23gのM−6(15.7mmol)、8.61gのプロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)を加え、オイルバス浴で80℃まで加熱し、0.02g(0.2mmol)の蓚酸、0.85g(47mmol)の純水を4.30gのPGMEに溶かし、このPGME溶液を一定の速度で20分かけて滴下した。滴下後、80℃で2時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(PS−6)を得た。GPC測定による分子量はMwが2100、Mnが1850であった。PS−6をGCで測定したところ、M−6の単量体は検出されなかった。
得られたポリシロキサンワニス(PS−6)を溶剤PGMEで希釈し、固形分濃度30質量%に調整し、E型回転粘度計にてNo.1°34’×R24のローターを用い、回転数20rpm、温度25℃で測定したところ7.85mPa・sであった。
得られたPS−6をスピンコーターにおいて2000rpmで20秒回転させてシリコンウエハ上に塗布し、150℃で5分間焼成し、更に250℃で5分焼成した。得られた膜を触針法(商品名Dektak3ST、Veeco製)で膜厚を測定したところ1.07μmであった。
得られたPS−6をスピンコーターにおいて4000rpmで20秒回転させてシリコンウエハ上に塗布し、150℃で5分間焼成し、更に250℃で5分焼成した。得られた膜を触針法(商品名Dektak3ST、Veeco製)で膜厚を測定したところ0.70μmであった。
得られたPS−6に感光剤としてP−150(東洋合成製品名)を30phr(ポリシロキサン100質量部に対してP−150感光剤を30質量部の割合で添加する。)添加し、さらにPGMEを加えて固形分濃度を25%に調整し、樹脂組成物を得た。スピンコーターにおいて2000rpmで20秒回転させてシリコンウエハ上に塗布し、100℃で1分間焼成して製膜した。
得られた膜にパターンマスクを通してghi混合線200mJ/cmを照射し、0.2%のテトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液へ1分間浸漬して現像し、更に水で洗浄してポジ型の5μmホールパターンを形成した。
比較例2
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、フェニルトリメトキシシラン5.97g(30mmol)、メチルトリメトキシシラン2.05g(15mmol)、ジメチルジメトキシシラン1.8g(15mmol)、4.58gのプロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)を加え、オイルバス浴で80℃まで加熱し、0.05g(0.6mmol;アルコキシシランに対して0.05等量)の硝酸、3.24g(180mmol;アルコキシシランに対して3等量)の純水を2.29gのPGMEに溶かしたPGME溶液を一定の速度で20分かけて滴下した。滴下後、80℃で2時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(PS−10)を得た。GPC測定による分子量はMwが1750、Mnが1530であった。得られたワニス(PS−10)をGCで測定したところ、アルコキシシランの単量体は検出されなかった。
ポリシロキサンワニス(PS−10)は固形分濃度が49質量%で、E型回転粘度計にてNo.1°34’×R24のローターを用い、回転数20rpm、温度25℃で測定したところ25.0mPa・sであった。
また、ポリシロキサンワニス(PS−10)はPGMEで固形分濃度45質量%に希釈したところ粘度は7.5mPa・sであった。これをスピンコーターにおいて2000rpmで20秒回転させてシリコンウエハ上に塗布し、150℃で5分間焼成し、更に250℃で5分焼成し、得られた膜の膜厚を触針法で測定したところ0.45μmであった。
また、ポリシロキサンワニス(PS−10)はPGMEで固形分濃度30質量%に希釈したところ粘度は5.62mPa・sであった。これをスピンコーターにおいて2000rpmで20秒回転させてシリコンウエハ上に塗布し、150℃で5分間焼成し、更に250℃で5分焼成し、得られた膜の膜厚を触針法で測定したところ0.38μmであった。
得られたPS−10に感光剤としてP−150(東洋合成製品名)を30phr(ポリシロキサン100質量部に対してP−150感光剤を30質量部の割合で添加する。)添加し、さらにPGMEを加えて固形分濃度を25%に調整し、樹脂組成物を得た。スピンコーターにおいて2000rpmで20秒回転させてシリコンウエハ上に塗布し、100℃で1分間焼成して製膜した。
得られた膜にパターンマスクを通してghi混合線200mJ/cmを照射し、0.2%のテトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液へ1分間浸漬したが、膜の溶解は見られずパターン形成には至らなかった。
このように本願発明に用いられるPS−5、PS−6のポリシロキサンワニスは、従来品のPS−10のポリシロキサンワニスに比べて同一固形分濃度で比較して、それらを基板に被覆した場合に同一塗布条件で厚膜化が可能である。塗布が容易であり、塗布条件(例えばスピンコントローラーの回転数)を選択することにより厚膜だけでなく、薄膜も可能である。膜厚調整(特に、厚膜化)が可能となったのは、式(1)に相当する単位構造を有するポリシロキサンに導入した効果と考えられる。
また、これらのポリシロキサンに感光剤を加えた場合には十分良好なパターンが形成された。
本願発明のポリシロキサンワニス(アルカリ可溶性樹脂溶液)は凹凸部分にも十分に浸透する。また塗布性が高く、塗布条件をコントロールすることにより薄膜から厚膜まで調節が可能である。アルカリ水溶液(現像液)への溶解性も良好であるから、これらの特性により電子デバイスのパターン形成に有用である。

Claims (13)

  1. 少なくとも一つのアミド基と少なくとも一つのカルボキシル基とを有する有機基を含む加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物を含むアルカリ可溶性樹脂。
  2. 式(1):
    Figure 2009286980

    〔式(1)中、Rは式(2):
    Figure 2009286980

    (式(2)中、Rは単結合又は2価の有機基であって、該有機基はアルキレン基、アリーレン基、ハロゲン化アルキレン基、ハロゲン化アリーレン基、アルケニレン基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する2価の有機基、又はそれらの組み合わせである。Rは水素原子又は1価の有機基であって、該有機基はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はそれらの組み合わせである。Rはアルキレン基、アリーレン基、ハロゲン化アルキレン基、ハロゲン化アリーレン基、アルケニレン基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する2価の有機基、又はそれらの組み合わせである。)で示され、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はそれらの組み合わせである。R及びRはそれぞれSi−C結合又はSi−N結合でケイ素原子と結合している。Rはアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。aは1〜2の整数を、bは0〜1の整数を示し、a+bは1〜2の整数である。〕で示される加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はその混合物を含むアルカリ可溶性樹脂。
  3. 上記式(1)と、更に式(3):
    Figure 2009286980
    (式中Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。)及び式(4):
    Figure 2009286980

    (式中Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R10はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせ、それら組み合わせた加水分解性シランの加水分解物、それら組み合わせた加水分解性シランの加水分解縮合物、又はそれらの混合物を含むアルカリ可溶性樹脂。
  4. aが1であり且つbが0である上記式(1)を含む請求項2に記載のアルカリ可溶性樹脂。
  5. aが1であり且つbが0である上記式(1)と、aが0〜2の整数である上記式(3)とを含む請求項3に記載のアルカリ可溶性樹脂。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のアルカリ可溶性樹脂と感光剤とを含む感光性樹脂組成物。
  7. 感光剤が、式(5):
    Figure 2009286980

    (ただし、式(5)中でR11は水素原子、1,2−キノンジアジド基又はその誘導体を示し、R12は炭素数1〜10の置換又は未置換のアルキル基、ハロゲン基、炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、m4は0又は1の整数である。m4が0の時は、m5は1〜5の整数であり、m6は0≦m6≦(5−m5)を満たす整数であり、m4が1の時は、m5は1〜7の整数であり、0≦m6≦(7−m5)を満たす整数であり、化合物に存在する全ての−OR11基中でR11は10〜98モル%が1,2−キノンジアジド基又はその誘導体である。)の部分構造を有するものである請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 感光剤が式(6):
    Figure 2009286980

    (ただし、式(6)中でR11、R12は式(5)であらわされるものと同一であり、R13は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、m5は1〜5の整数を示し、m6は0≦m6≦(5−m5)を満たす整数であり、m10は0≦m10≦(5−m8−m9)を満たす整数であり、m7は0〜10の整数を示し、m8は0〜1の整数を示し、m9は0〜5の整数を示し、化合物に存在する全ての−OR11基中でR11は10〜98モル%が1,2−キノンジアジド基又はその誘導体である。)で示される構造を有する化合物である請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 上記式(5)又は式(6)のR11が式(7):
    Figure 2009286980

    (ただし、式(7)中でR14は単結合、又は−SO−基を示し、R15は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)である請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から作成された膜を備える電子デバイス。
  11. 請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から作成された膜を備えた電荷結合素子(CCD)又は相補性金属酸化膜半導体(CMOS)からなる固体撮像素子。
  12. 請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から作成された膜をカラーフィルター上の平坦化層として備えた固体撮像素子。
  13. 請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から作成された膜をマイクロレンズ上の平坦化層又はコンフォーマル層として備えた固体撮像素子。
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