JP2010100775A - リポソームを含むポリシロキサン組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リン脂質からなる脂質二重層構造を有するリポソームを含むポリシロキサン組成物に関する。
【解決手段】 液体を内包するリポソームを含むポリシロキサン組成物。リポソームが、グリセロリン脂質又はスフィンゴリン脂質を有するものである。リポソームが、ホスファチジルコリン、又はホスファチジルエタノールアミンである。
(A)成分:上記記載のリポソーム、(B)成分:加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物、を含むポリシロキサン組成物。(B)成分が、式(1)及び式(2):
【化1】
及び
【化2】
からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シラン、それらの加水分解物、それらの加水分解縮合物、又はそれらの混合物であるポリシロキサン組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 液体を内包するリポソームを含むポリシロキサン組成物。リポソームが、グリセロリン脂質又はスフィンゴリン脂質を有するものである。リポソームが、ホスファチジルコリン、又はホスファチジルエタノールアミンである。
(A)成分:上記記載のリポソーム、(B)成分:加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物、を含むポリシロキサン組成物。(B)成分が、式(1)及び式(2):
【化1】
及び
【化2】
からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シラン、それらの加水分解物、それらの加水分解縮合物、又はそれらの混合物であるポリシロキサン組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、リン脂質からなる脂質二重層構造を有するリポソームを含むポリシロキサン組成物に関し、さらに詳述すると、脂質二重層に内包した水又は有機液体が、加熱等の処理により蒸発することで空孔を生成するリポソーム、それを含むポリシロキサン組成物に関する。
ポリシロキサンはSi−O結合に起因する高透明性及び高耐熱性を活かし、電子デバイス、特に固体撮像素子の一部材として利用するために研究開発がなされている。ポリシロキサンをデバイスに組み込む際はスピンコート法などのウェットプロセスにより、任意の基材上に被膜する工程を経るため、ポリシロキサンワニスとすることが必須である。また、ポリシロキサンは製膜後、任意の焼成機器を用いて焼成することが一般的である。
電子デバイスに設けられるポリシロキサンの要求特性として、屈折率があげられる。特に固体撮像素子のマイクロレンズのオーバーコート材料に用いられるポリシロキサンは、外部から入射した光を効率良くフォトダイオードまで誘導する必要があり、低屈折率を有していることが求められている。低屈折率化を達成するために、例えば、第4級アンモニウム塩などの界面活性剤をポリシロキサン組成物に添加することが知られている(特許文献1を参照)。この方法は、界面活性剤が空孔形成用材料として働き、膜中に空気を含ませることで低屈折率化を達成した技術である。しかしながら、この技術内で添加されている第4級アンモニウム塩はカウンターイオンとして、ハロゲンが含まれている。
一方、リポソームは薬剤保持、放出能力を活かし、ドラッグデリバリーシステムなどに応用すべく、その詳細な製造方法が種々報告されている(特許文献2と特許文献3を参照)。リポソームを構成するリン脂質は両親媒性で且つ、カウンターイオンとしてハロゲンを含まない。
電子デバイスの永久膜の一部材として用いる際に、ハロゲンを含んでいる場合、長期の信頼性が乏しいことが指摘されている。また、近年の温暖化現象などの地球環境問題を考慮し、ハロゲンフリーな電子デバイス材料としてポリシロキサン組成物の実用化が期待されている。
特開2006−350025号公報
特開平7−241487号公報
特開2003−24767号公報
一方、リポソームは薬剤保持、放出能力を活かし、ドラッグデリバリーシステムなどに応用すべく、その詳細な製造方法が種々報告されている(特許文献2と特許文献3を参照)。リポソームを構成するリン脂質は両親媒性で且つ、カウンターイオンとしてハロゲンを含まない。
電子デバイスの永久膜の一部材として用いる際に、ハロゲンを含んでいる場合、長期の信頼性が乏しいことが指摘されている。また、近年の温暖化現象などの地球環境問題を考慮し、ハロゲンフリーな電子デバイス材料としてポリシロキサン組成物の実用化が期待されている。
低屈折率なポリシロキサンを提供するための手段として、ハロゲンを含んだ界面活性剤を添加した材料は、電子デバイスの一部剤として長期信頼性を獲得することが困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ハロゲンを含まないポリシロキサン組成物を用いた低屈折率を発現する被膜形成用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリシロキサンにリポソームを加えたポリシロキサン組成物が焼成後の膜中で空孔を形成し、低屈折率化することを見出し、本発明を完成した。
本願発明は第1観点として、液体を内包するリポソームを含むポリシロキサン組成物、
第2観点として、リポソームが、グリセロリン脂質又はスフィンゴリン脂質を有するものである第1観点に記載のポリシロキサン組成物、
第3観点として、リポソームが、ホスファチジルコリン、又はホスファチジルエタノールアミンである第1観点に記載のポリシロキサン組成物、
第4観点として、下記(A)成分、及び(B)成分:
(A)成分:第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載のリポソーム、
(B)成分:加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物、を含むポリシロキサン組成物、
第5観点として、(B)成分が、式(1)及び式(2):
本願発明は第1観点として、液体を内包するリポソームを含むポリシロキサン組成物、
第2観点として、リポソームが、グリセロリン脂質又はスフィンゴリン脂質を有するものである第1観点に記載のポリシロキサン組成物、
第3観点として、リポソームが、ホスファチジルコリン、又はホスファチジルエタノールアミンである第1観点に記載のポリシロキサン組成物、
第4観点として、下記(A)成分、及び(B)成分:
(A)成分:第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載のリポソーム、
(B)成分:加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物、を含むポリシロキサン組成物、
第5観点として、(B)成分が、式(1)及び式(2):
(式中R1はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R2はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。)、及び
(式中R3はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R4はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シラン、それらの加水分解物、それらの加水分解縮合物、又はそれらの混合物である第4観点に記載のポリシロキサン組成物、
第6観点として、(B)成分が、上記式(1)のaが0〜2となる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物である第4観点に記載のポリシロキサン組成物、
第7観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を備える電子デバイス、
第8観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を備えた電荷結合素子(CCD)又は相補性金属酸化膜半導体(CMOS)からなる固体撮像素子、
第9観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜をカラーフィルター上の平坦化層として備えた固体撮像素子、
第10観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜をマイクロレンズ上の平坦化層又はコンフォーマル層として備えた固体撮像素子、
第11観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を光取り出し材料として備えたフラットパネルディスプレイ、
第12観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を反射防止材料として備えたフラットパネルディスプレイ、及び
第13観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を備えた光導波路である。
第6観点として、(B)成分が、上記式(1)のaが0〜2となる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物である第4観点に記載のポリシロキサン組成物、
第7観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を備える電子デバイス、
第8観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を備えた電荷結合素子(CCD)又は相補性金属酸化膜半導体(CMOS)からなる固体撮像素子、
第9観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜をカラーフィルター上の平坦化層として備えた固体撮像素子、
第10観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜をマイクロレンズ上の平坦化層又はコンフォーマル層として備えた固体撮像素子、
第11観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を光取り出し材料として備えたフラットパネルディスプレイ、
第12観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を反射防止材料として備えたフラットパネルディスプレイ、及び
第13観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を備えた光導波路である。
本発明のリポソームを含むポリシロキサン被膜形成組成物は、それらにより被膜が形成された時にリポソームの脂質二重層に内包された水又は有機液体等の液体が焼成などの工程で蒸発し、膜中に空孔を形成するためこれらのポリシロキサンを含む膜の低屈折率化が達成できる。また、リポソームはハロゲンを含まないため、電子デバイスの一部材として適用した際に、永久膜として長期の信頼性を獲得できる。
本発明のリポソームを含むポリシロキサン被膜形成組成物はリポソームの種類を変更することで、屈折率を変化させることができることから製造するデバイス種と各種の焼成プロセスに対応したポリシロキサン組成物の設計が可能であり、プロセスマージンを拡大できるため、電子デバイス、特に固体撮像素子の一部材として好適に用いることができる。
本願発明に用いられるリポソームはグリセリンを骨格とするグリセロリン脂質と、スフィンゴシンを骨格とするスフィンゴリン脂質からなるリン脂質を有するリポソームを用いることができる。例えば、ホスファチジルコリン(即ち、レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン(即ちセファリン)、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール(即ちカルジオリピン)、スフィンゴミエリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
例えばホスファチジルコリン(即ち、レシチン)は、2つの脂肪酸(オレイン酸とパルミチン酸)、グリセリン、リン酸、及びコリンの各部が結合した構成を有する。
また、ホスファチジルエタノールアミン(即ちセファリン)は、2つの脂肪酸(オレイン酸とパルミチン酸)、グリセリン、リン酸、及びエタノールアミンの各部が結合した構成を有する。これらのリン脂質は本願発明に用いられるリポソームとして有用である。
また、ホスファチジルエタノールアミン(即ちセファリン)は、2つの脂肪酸(オレイン酸とパルミチン酸)、グリセリン、リン酸、及びエタノールアミンの各部が結合した構成を有する。これらのリン脂質は本願発明に用いられるリポソームとして有用である。
リポソームの調製方法は、膨潤法、超音波処理法、マイクロシリンジ注入方法、フレンチプレス法、エーテル注入法、コール酸法、カルシウム融合法、凍結融解法、逆相蒸発法など種々挙げられるが、特に限定されるものではない。
リポソームは親水部の頭部と疎水部の2本の尻尾から形成され、内側に水のプールをもつ脂質2分子膜の球状の構造を形成する。疎水部の構成割合が大きいため水には溶けない。従って、水性媒体又は親水性有機溶剤中では、水又は(親水性)有機液体を内包したリポソームの球状物質が分散した状態を形成することができる。
液体内包リポソームの調整法の一つで、例えば膨潤法はリポソームに水又は(親水性)有機液体を加え膨潤させる方法である。膨潤は室温で行うことができるが、80℃程度に加熱膨潤させることもできる。水又は親水性有機液体を加えた場合は球状内部にリポソームの親水基が、外側にリポソームの疎水基が形成される。内部の親水部に水又は親水性有機液体を保持する。また場合によっては、2分子膜の膜間に疎水性有機液体を保持させることもできる。
液体内包リポソームの調整法の一つで、例えば膨潤法はリポソームに水又は(親水性)有機液体を加え膨潤させる方法である。膨潤は室温で行うことができるが、80℃程度に加熱膨潤させることもできる。水又は親水性有機液体を加えた場合は球状内部にリポソームの親水基が、外側にリポソームの疎水基が形成される。内部の親水部に水又は親水性有機液体を保持する。また場合によっては、2分子膜の膜間に疎水性有機液体を保持させることもできる。
作成される液体内包リポソームの直径は使用目的に合わせて調整すれば良く、1〜5000nmの直径に制御されており、1〜1000nmの大きさに制御されていることがより好ましい。液体内包リポソームを含むポリシロキサン組成物を被膜形成組成物として基材に塗布し被膜を形成することにより、この液体内包リポソームの内包液体が被膜形成の焼成段階で該液体の蒸発により被膜中に空孔を形成する。その空孔径も1〜5000nm、好ましくは1〜1000nmであり、一例として50〜200nmの空孔を形成することが可能である。
リポソームに内包される液体は、焼成後に空孔を形成させる目的を達成できれば特に限定されるものではないが、水又は有機液体が挙げられる。有機液体としては上述の通り親水性有機液体が好ましい。内包される水はpHを変化させても良い。内包される有機液体はリン脂質を分解しない一般的な有機液体から選択でき、リポソームの脂質二重層を形成させる効果を発現しない欠陥を持たなければ特に限定されるものではない。内包される親水性有機液体とは例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びジメチルスルホキシド、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、シクロヘキサノール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、γ−ブチルラクトン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルノーマルブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルケトン、酢酸ノーマルプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ノーマルブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、アリルアルコール、ノーマルプロパノール、2−メチル−2−ブタノール、イソブタノール、ノーマルブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、1−メトキシ−2−ブタノール、ジアセトンアルコール、イソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
これら親水性有機液体には親水性を阻害しない範囲で疎水性有機液体を含有することができる。その疎水性有機液体は、例えばスチレン、トルエン、p−キシレン、o−キシレン、m−キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン等が挙げられ、親水性有機液体に対して0.1〜10質量%の割合で含有させることができる。
これらのリポソームは例えば、日油株式会社製又は東京化成工業株式会社製の市販品として入手することができる。
これらのリポソームは例えば、日油株式会社製又は東京化成工業株式会社製の市販品として入手することができる。
本願発明は上記リポソームを含むポリシロキサン組成物である。
更には、(A)成分及び(B)成分を含むポリシロキサン組成物であり、(A)成分は上記リポソーム、(B)成分は加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物である。
更には、(A)成分及び(B)成分を含むポリシロキサン組成物であり、(A)成分は上記リポソーム、(B)成分は加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物である。
(B)成分は、式(1)及び式(2)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シラン、それらの加水分解物、それらの加水分解縮合物、又はそれらの混合物を用いることができる。加水分解縮合物はポリシロキサンであって、ポリオルガノシロキサン部分を含むポリシロキサンであっても良い。加水分解物はR2及びR4の加水分解基が加水分解を生じシラノール基を生成したものである。その加水分解縮合物は加水分解物中のシラノール基同士が脱水縮合を起こし、ポリシロキサン、又はポリオルガノシロキサンを形成したものであり、縮合物の末端はシラノール基を有している。
式(1)において、R1はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R2は加水分解基でありアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。
また式(2)において、R3はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R4は加水分解基でありアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。
アルキル基としては炭素数1〜10のアルキルが挙げられ、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、1−メチル−シクロプロピル、2−メチル−シクロプロピル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、1,2−ジメチル−n−プロピル、2,2−ジメチル−n−プロピル、1−エチル−n−プロピル、シクロペンチル、1−メチル−シクロブチル、2−メチル−シクロブチル、3−メチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロプロピル、2,3−ジメチル−シクロプロピル、1−エチル−シクロプロピル、2−エチル−シクロプロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、3−メチル−n−ペンチル、4−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1,2−ジメチル−n−ブチル、1,3−ジメチル−n−ブチル、2,2−ジメチル−n−ブチル、2,3−ジメチル−n−ブチル、3,3−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、2−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、1,2,2−トリメチル−n−プロピル、1−エチル−1−メチル−n−プロピル、1−エチル−2−メチル−n−プロピル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロペンチル、2−メチル−シクロペンチル、3−メチル−シクロペンチル、1−エチル−シクロブチル、2−エチル−シクロブチル、3−エチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロブチル、1,3−ジメチル−シクロブチル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2,3−ジメチル−シクロブチル、2,4−ジメチル−シクロブチル、3,3−ジメチル−シクロブチル、1−n−プロピル−シクロプロピル、2−n−プロピル−シクロプロピル、1−イソプロピル−シクロプロピル、2−イソプロピル−シクロプロピル、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピル等が挙げられる。
アリール基としては炭素数6〜40のアリール基が挙げられ、例えばフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロルフェニル基、m−クロルフェニル基、p−クロルフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−シアノフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基及び9−フェナントリル基が挙げられる。
アルケニル基としては炭素数2〜10のアルケニル基であり、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−1−エテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−エチルエテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−n−プロピルエテニル、1−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−エチル−2−プロペニル、2−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1−イソプロピルエテニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、1−n−ブチルエテニル、2−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、2−n−プロピル−2−プロペニル、3−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、3−エチル−3−ブテニル、4−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1−メチル−2−エチル−2−プロペニル、1−s−ブチルエテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、1−イソブチルエテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、2−イソプロピル−2−プロペニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、1−n−プロピル−1−プロペニル、1−n−プロピル−2−プロペニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−t−ブチルエテニル、1−メチル−1−エチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル、1−イソプロピル−1−プロペニル、1−イソプロピル−2−プロペニル、1−メチル−2−シクロペンテニル、1−メチル−3−シクロペンテニル、2−メチル−1−シクロペンテニル、2−メチル−2−シクロペンテニル、2−メチル−3−シクロペンテニル、2−メチル−4−シクロペンテニル、2−メチル−5−シクロペンテニル、2−メチレン−シクロペンチル、3−メチル−1−シクロペンテニル、3−メチル−2−シクロペンテニル、3−メチル−3−シクロペンテニル、3−メチル−4−シクロペンテニル、3−メチル−5−シクロペンテニル、3−メチレン−シクロペンチル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
エポキシ基を有する有機基としては、グリシドキシメチル、グリシドキシエチル、グリシドキシプロピル、グリシドキシブチル、エポキシシクロヘキシル等が挙げられる。
アクリロイル基を有する有機基としては、アクリロイルメチル、アクリロイルエチル、アクリロイルプロピル等が挙げられる。
メタクリロイル基を有する有機基としては、メタクリロイルメチル、メタクリロイルエチル、メタクリロイルプロピル等が挙げられる。
メルカプト基を有する有機基としては、エチルメルカプト、ブチルメルカプト、ヘキシルメルカプト、オクチルメルカプト等が挙げられる。
シアノ基を有する有機基としては、シアノエチル、シアノプロピル等が挙げられる。
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
エポキシ基を有する有機基としては、グリシドキシメチル、グリシドキシエチル、グリシドキシプロピル、グリシドキシブチル、エポキシシクロヘキシル等が挙げられる。
アクリロイル基を有する有機基としては、アクリロイルメチル、アクリロイルエチル、アクリロイルプロピル等が挙げられる。
メタクリロイル基を有する有機基としては、メタクリロイルメチル、メタクリロイルエチル、メタクリロイルプロピル等が挙げられる。
メルカプト基を有する有機基としては、エチルメルカプト、ブチルメルカプト、ヘキシルメルカプト、オクチルメルカプト等が挙げられる。
シアノ基を有する有機基としては、シアノエチル、シアノプロピル等が挙げられる。
アルコキシ基としては炭素数1〜20のアルコキシ基が例示され、直鎖、分岐、環状のアルキル部分を有するアルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、1,2−ジメチル−n−プロポキシ、2,2−ジメチル−n−プロポキシ、1−エチル−n−プロポキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、3−メチル−n−ペンチルオキシ、4−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1,2−ジメチル−n−ブトキシ、1,3−ジメチル−n−ブトキシ、2,2−ジメチル−n−ブトキシ、2,3−ジメチル−n−ブトキシ、3,3−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、2−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、1,2,2,−トリメチル−n−プロポキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ、及び1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ等が挙げられる。
アシルオキシ基としては炭素数2〜20のアシルオキシ基が例示され、例えばメチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、s−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、1−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、3−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−n−プロピルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、1−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、2−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、3−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、4−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、3,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1,2,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−2−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ、及びトシルカルボニルオキシ等が挙げられる。
アシルオキシ基としては炭素数2〜20のアシルオキシ基が例示され、例えばメチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、s−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、1−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、3−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−n−プロピルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、1−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、2−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、3−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、4−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、3,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1,2,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−2−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ、及びトシルカルボニルオキシ等が挙げられる。
また、加水分解基としてのハロゲン基はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
式(2)におけるアルキレン基としては炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられ、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、オクチレン等が挙げられる。また上記例示の鎖状又は分岐状アルキル基から誘導される二価の有機基をアルキレン基として用いることができる。
アリーレン基としては炭素数6〜20のアリーレン基が挙げられ、例えばフェニレン、ナフチレン、アントラレン等が挙げられる。また上記例示のアリール基から誘導される二価の有機基をアリーレン基として用いることができる。
式(2)におけるアルキレン基としては炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられ、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、オクチレン等が挙げられる。また上記例示の鎖状又は分岐状アルキル基から誘導される二価の有機基をアルキレン基として用いることができる。
アリーレン基としては炭素数6〜20のアリーレン基が挙げられ、例えばフェニレン、ナフチレン、アントラレン等が挙げられる。また上記例示のアリール基から誘導される二価の有機基をアリーレン基として用いることができる。
上記式(1)の加水分解性シランは例えば以下に例示される。
テトラメトキシシラン、テトラクロルシラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセチキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。
テトラメトキシシラン、テトラクロルシラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセチキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。
また式(2)の加水分解性シランは例えばメチレンビストリメトキシシラン、メチレンビストリクロロシラン、メチレンビストリアセトキシシラン、エチレンビストリエトキシシラン、エチレンビストリクロロシラン、エチレンビストリアセトキシシラン、プロピレンビストリエトキシシラン、ブチレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリエトキシシラン、フェニレンビスメチルジエトキシシラン、フェニレンビスメチルジメトキシシラン、ナフチレンビストリメトキシシラン、ビストリメトキシジシラン、ビストリエトキシジシラン、ビスエチルジエトキシジシラン、ビスメチルジメトキシジシラン等が挙げられる。
(B)成分が、上記式(1)のaが0〜2となる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シラン、それらの加水分解物、それらの加水分解縮合物、又はそれらの混合物を用いることが好ましい。
式(1)及び式(2)で示される加水分解性シランは、市販品を用いることができる。
式(1)の加水分解性シラン、又は式(1)と式(2)の加水分解性シランを加水分解しその加水分解物を縮合したポリシロキサンは重量平均分子量1000〜1000000、又は1000〜100000の縮合物を得ることができる。これらの分子量はGPC分析によるポリスチレン換算で得られる分子量である。
式(1)及び式(2)で示される加水分解性シランは、市販品を用いることができる。
式(1)の加水分解性シラン、又は式(1)と式(2)の加水分解性シランを加水分解しその加水分解物を縮合したポリシロキサンは重量平均分子量1000〜1000000、又は1000〜100000の縮合物を得ることができる。これらの分子量はGPC分析によるポリスチレン換算で得られる分子量である。
ポリシロキサンを合成する際の触媒の種類は、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。
加水分解触媒としての金属キレート化合物は、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−イソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−イソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−イソプロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−イソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−イソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−イソプロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化合物;トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−イソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−イソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−イソプロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−イソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−イソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−イソプロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができる。
加水分解触媒としての金属キレート化合物は、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−イソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−イソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−イソプロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−イソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−イソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−イソプロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化合物;トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−イソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−イソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−イソプロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−イソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−イソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−イソプロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができる。
加水分解触媒としての有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての無機酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての有機塩基は、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等を挙げることができる。
無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒の内、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好ましく、これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
加水分解触媒としての無機酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての有機塩基は、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等を挙げることができる。
無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒の内、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好ましく、これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
アルコキシシリル基、アシロキシシリル基、ハロゲン化シリル基の加水分解には、上記加水分解基の1モル当たり、0.1〜100モル、又は0.1〜10モル、又は1〜5モル、又は2〜3.5モルの水を用いる。
また、加水分解基の1モル当たり0.0001〜10モル、好ましくは0.001〜2モルの加水分解触媒を用いることができる。
加水分解と縮合を行う際の反応温度は、通常は20℃(室温)から加水分解に用いられる溶剤の常圧下の還流温度の範囲で行われる。
加水分解は完全に加水分解を行うことも、または部分加水分解することでも良い。即ち、加水分解縮合物中に加水分解物やモノマーが残存していても良い。
ポリシロキサンを得る方法としては特に限定されないが、例えば、珪素化合物、溶剤及び蓚酸の混合物を加熱する方法が挙げられる。具体的には、あらかじめアルコールに蓚酸を加えて蓚酸のアルコール溶液とした後、当該溶液と珪素化合物を混合し、加熱する方法である。その際、蓚酸の量は、珪素化合物が有する全アルコキシ基の1モルに対して0.2〜2モルとすることが一般的である。この方法における加熱は、液温50〜180℃で行うことができ、好ましくは、液の蒸発、揮散等が起こらないように、例えば、密閉容器中の還流下で数十分から十数時間行われる。また、ポリシロキサンの合成は珪素化合物中に溶剤及び蓚酸の混合物を加え反応させる順序でも良く、溶剤及び蓚酸の混合物中に珪素化合物を加えて反応させる順序でも良い。
ポリシロキサンを得る方法としては特に限定されないが、例えば、珪素化合物、溶剤及び蓚酸の混合物を加熱する方法が挙げられる。具体的には、あらかじめアルコールに蓚酸を加えて蓚酸のアルコール溶液とした後、当該溶液と珪素化合物を混合し、加熱する方法である。その際、蓚酸の量は、珪素化合物が有する全アルコキシ基の1モルに対して0.2〜2モルとすることが一般的である。この方法における加熱は、液温50〜180℃で行うことができ、好ましくは、液の蒸発、揮散等が起こらないように、例えば、密閉容器中の還流下で数十分から十数時間行われる。また、ポリシロキサンの合成は珪素化合物中に溶剤及び蓚酸の混合物を加え反応させる順序でも良く、溶剤及び蓚酸の混合物中に珪素化合物を加えて反応させる順序でも良い。
ポリシロキサンを合成する際の反応温度は、均一なポリマーを安定して合成する目的で0〜50℃の反応温度で24〜2000時間反応させても良い。
加水分解に用いられる有機溶剤としては、例えばn−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、イソプロピルベンセン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−イソプロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−イソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−イソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶剤;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶剤;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は1種又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
加水分解に用いられる有機溶剤としては、例えばn−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、イソプロピルベンセン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−イソプロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−イソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−イソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶剤;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶剤;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は1種又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
上記溶剤としては一般的には、加水分解性シランの加水分解物と縮重合反応によりアルコールが生成するため、アルコール類やアルコール類と相溶性の良好な有機溶剤が用いられる。このような有機溶剤の具体例としては、特にメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、n−プロピルアセテート、エチルラクテート、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテル、シクロヘキサノン等が好ましく挙げられる。
加水分解性シランを溶剤中で加水分解し、その加水分解物を縮合反応することによって縮合物(ポリシロキサン)が得られ、その縮合物は加水分解溶剤中に溶解しているポリシロキサンワニスとして得られる。
得られたポリシロキサンワニスは溶剤置換しても良い。具体的には、加水分解と縮合時の溶剤(合成時溶剤)にエタノールを選択した場合、エタノール中でポリシロキサンが得られた後にその合成の際の溶剤と同量の置換用溶剤を加え、エバポレーターなどで共沸させエタノールを留去しても良い。溶剤置換の際の合成時溶剤は共沸して留去するため置換用溶剤よりも沸点が低いことが好ましい。例えば、加水分解と縮合時の溶剤はメタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、置換用溶剤はプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等が挙げられる。
得られたポリシロキサンワニスは溶剤置換しても良い。具体的には、加水分解と縮合時の溶剤(合成時溶剤)にエタノールを選択した場合、エタノール中でポリシロキサンが得られた後にその合成の際の溶剤と同量の置換用溶剤を加え、エバポレーターなどで共沸させエタノールを留去しても良い。溶剤置換の際の合成時溶剤は共沸して留去するため置換用溶剤よりも沸点が低いことが好ましい。例えば、加水分解と縮合時の溶剤はメタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、置換用溶剤はプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記ポリシロキサンワニスの希釈や置換等に用いる溶剤は、加水分解性シランの加水分解と縮重合に用いた溶媒と同じでも良いし別の溶剤でも良い。この溶剤は、ポリシロキサン及びアミノ酸発生剤との相溶性を損なわなければ特に限定されず、一種でも複数種でも任意に選択して用いることができる。
このような溶剤の具体例としては、トルエン、p−キシレン、o−キシレン、スチレン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、1−メトキシー2−ブタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、γ−ブチルラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルノーマルブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルケトン、酢酸ノーマルプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ノーマルブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、アリルアルコール、ノーマルプロパノール、2−メチル−2−ブタノール、イソブタノール、ノーマルブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、1−メトキシー2−ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、イソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノンが挙げられるが、ポリシロキサンワニスの保存安定性及びアミノ酸発生剤との相溶性の観点から、より好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノン、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、乳酸エチルエステル等が挙げられる。
液体内包リポソームをポリシロキサンワニス(即ち、ポリシロキサンと溶剤)に加える量は特に制限されるものではない。
液体内包リポソームをポリシロキサンワニス(即ち、ポリシロキサンと溶剤)に加える量は特に制限されるものではない。
ポリシロキサンのSiO2固形分100質量部に対して、内包液体は8.3〜250質量部、好ましくは8.3〜167質量部の割合で用いることができ、そしてリポソームは8.3〜250質量部、好ましくは8.3〜167質量部の割合で用いることができ、その範囲で顕著な効果を示す。また、リポソーム100質量部に対して内包液体は1〜300質量部、好ましくは10〜200質量部の割合で含有することができる。そして溶解性及び保存安定性の観点から、ポリシロキサンのSiO2固形分100質量部に対して、液体内包リポソームを0.1〜250質量部、好ましくは16〜250質量部、好ましくは50〜250質量部の割合で含有することができる。ポリシロキサンがポリオルガノシロキサンを含む場合は、測定の容易さからSiO2固形分で表現することもできる。
液体内包リポソームを含むポリシロキサンワニスとしては、被膜形成用塗布液の安定性の観点から、pH又はpKaが3〜7に調整されていることが好ましい。より好ましくは3〜5である。
本発明の被膜形成組成物を調製する方法は特に限定されない。ポリシロキサンと液体内包リポソームとが均一に混合した状態又はミセルを形成した状態であれば良い。通常、ポリシロキサンは溶剤中で縮重合されるので、溶剤中にポリシロキサンが溶解したポリシロキサンワニスの状態で得られる。そのため、ポリシロキサンワニスをそのまま用いて、液体内包リポソームと混合する方法が簡便である。また、必要に応じて、ポリシロキサンワニスを、濃縮したり、溶剤を加えて希釈したり又は他の溶剤に置換してから、液体内包リポソームと混合しても良い。更に、ポリシロキサンワニスと液体内包リポソームとを混合した後に、溶媒を加えることもできる。
その際、被膜形成組成物中のSiO2固形分換算濃度は、0.1〜30質量%が好ましいが、SiO2濃度が0.5質量%より低いと、一回の塗布で所望の膜厚を得ることが難しく、30質量%より高いと、溶液の保存安定性が悪くなる場合があり、より好ましくは0.5〜15質量%の濃度範囲が良い。
本発明においては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ポリシロキサン、上記リポソーム、及び溶剤以外にその他の成分、例えばレベリング剤、界面活性剤等の成分が含まれていてもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また二種以上の組み合わせで使用することもできる。界面活性剤が使用される場合、その割合としては、縮合物(ポリシロキサン)100質量部に対して0.0001〜5質量部、または0.001〜1質量部、または0.01〜0.5質量部である。
上記の他の成分を混合する方法は、ポリシロキサンワニスに上記リポソームを添加すると同時でも、ポリシロキサンワニスに及び上記リポソームを混合後であっても良く、特に限定されない。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また二種以上の組み合わせで使用することもできる。界面活性剤が使用される場合、その割合としては、縮合物(ポリシロキサン)100質量部に対して0.0001〜5質量部、または0.001〜1質量部、または0.01〜0.5質量部である。
上記の他の成分を混合する方法は、ポリシロキサンワニスに上記リポソームを添加すると同時でも、ポリシロキサンワニスに及び上記リポソームを混合後であっても良く、特に限定されない。
<被膜の形成>
本発明の被膜形成組成物は、基材に塗布し熱硬化することで所望の被膜を得ることができる。塗布方法は、公知又は周知の方法を採用できる。例えば、スピンコート法、ディップ法、フローコート法、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の方法を採用できる。その際に用いる基材は、シリコン、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO、プラスチック、ガラス、セラミックス等からなる基材を挙げることができる。
焼成機器としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットプレート、オーブン、ファーネスを用いて、適切な雰囲気下、すなわち大気、窒素等の不活性ガス、真空中等で焼成させればよい。これにより、均一な製膜面を有する被膜を得ることが可能である。
膜厚としては10nm〜10μmの範囲とすることが可能であり、電子デバイス用途には50nm〜1μmの範囲で用いることが可能である。
本発明の被膜形成組成物は、基材に塗布し熱硬化することで所望の被膜を得ることができる。塗布方法は、公知又は周知の方法を採用できる。例えば、スピンコート法、ディップ法、フローコート法、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の方法を採用できる。その際に用いる基材は、シリコン、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO、プラスチック、ガラス、セラミックス等からなる基材を挙げることができる。
焼成機器としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットプレート、オーブン、ファーネスを用いて、適切な雰囲気下、すなわち大気、窒素等の不活性ガス、真空中等で焼成させればよい。これにより、均一な製膜面を有する被膜を得ることが可能である。
膜厚としては10nm〜10μmの範囲とすることが可能であり、電子デバイス用途には50nm〜1μmの範囲で用いることが可能である。
焼成温度は、溶媒を蒸発させる目的では、特に限定されないが、例えば40〜200℃で行うことができる。また、ポリシロキサンの重縮合を熱で促進する目的では特に限定されないが例えば200〜400℃で行うことができる。これらの場合、より高い均一製膜性を発現させたり、基材上で反応を進行させたりする目的で2段階以上の温度変化をつけてもよい。
焼成温度及び焼成時間は目的とする電子デバイスのプロセス工程に適合した条件を選択すれば良く、ポリシロキサン被膜の物性値が電子デバイスの要求特性に適合した焼成条件を選択できる。
このようにして得られた本発明の被膜は、ポリシロキサンワニスの保存安定性が良好で、且つ残留Si−OHの重縮合の促進させる効果を発現し、任意の基材上で形成することができ、電子デバイス、特に固体撮像素子用のフォトダイード上のギャップフィル平坦化材料、カラーフィルター上の平坦化材料、マイクロレンズ上の平坦化又はコンフォーマル材料、フラットパネルディスプレイ用の光取り出し材料、反射防止材料、光導波路として好適である。
本発明の被膜形成組成物では、ポリシロキサンワニスは空孔を設ける成分として液体内包リポソームが含まれ、加熱によりリポソームに内包された液体が放出され、この部分が空孔となる。膜中で空孔が形成されると、膜全体に空気層を含むことから屈折率が空気に近づき、低屈折率化する。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で用いた各測定装置は以下のとおりである。
ポリマーの分子量測定(以下、GPCと略す)は昭和電工株式会社製、商品名Shodex GPC−104/101システムを使用した。
ポリマーの分子量測定(以下、GPCと略す)は昭和電工株式会社製、商品名Shodex GPC−104/101システムを使用した。
ガスクロマトグラフ測定(以下、GCと略す)は、島津製作所(株)製、商品名Shimadzu GC−14Bを用い、下記の条件で測定した。
カラム:キャピラリーカラム CBP1−W25−100(25mm×0.53mmφ×1μm)
カラム温度:開始温度50℃から15℃/分で昇温して到達温度290℃(3分)とした。
カラム:キャピラリーカラム CBP1−W25−100(25mm×0.53mmφ×1μm)
カラム温度:開始温度50℃から15℃/分で昇温して到達温度290℃(3分)とした。
サンプル注入量:1μL、インジェクション温度:240℃、検出器温度:290℃、キャリヤーガス:窒素(流量30mL/min)、検出方法:FID法で行った。
屈折率はn&k Technology社製n&k Analyzer1512RTを用いて測定した。屈折率は全て633nmにおける屈折率を測定した。
[1]ポリシロキサンの合成
[合成例1]TEOSを用いたポリシロキサンの合成
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、0.36gの蓚酸(4mmol、全加水分解性シランに対して0.01等量)を秤量し、窒素置換後、94.84gの脱水エタノール、28.80gの純水(1.6mol)を加え、室温で30分攪拌させ、蓚酸を完全に溶解させた。次いで、蓚酸のエタノール溶液を攪拌させながらオイルバス浴で過熱し、還流を確認後、83.20gのテトラエトキシシラン(0.4mol、TEOSと略す)を内圧平衡型の滴下ロートを用い、一定の滴下速度で20分かけて滴下した。滴下後、還流下で2時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(以下、PSV1と略す)を得た。PSV1は溶剤としてエタノールを含み、SiO2固形分換算濃度が12質量%であり、GPC測定による分子量はMwが2500、Mnが1700であった。
PSV1をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
[合成例1]TEOSを用いたポリシロキサンの合成
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、0.36gの蓚酸(4mmol、全加水分解性シランに対して0.01等量)を秤量し、窒素置換後、94.84gの脱水エタノール、28.80gの純水(1.6mol)を加え、室温で30分攪拌させ、蓚酸を完全に溶解させた。次いで、蓚酸のエタノール溶液を攪拌させながらオイルバス浴で過熱し、還流を確認後、83.20gのテトラエトキシシラン(0.4mol、TEOSと略す)を内圧平衡型の滴下ロートを用い、一定の滴下速度で20分かけて滴下した。滴下後、還流下で2時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(以下、PSV1と略す)を得た。PSV1は溶剤としてエタノールを含み、SiO2固形分換算濃度が12質量%であり、GPC測定による分子量はMwが2500、Mnが1700であった。
PSV1をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
[合成例2]TEOSとMTESとを共重合したポリシロキサンの合成
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、0.36gの蓚酸(4mmol、全加水分解性シランに対して0.01等量)を秤量し、窒素置換後、100.78gの脱水エタノール、28.80gの純水(1.6mol)を加え、室温で30分攪拌させ、蓚酸を完全に溶解させた。次いで、蓚酸のエタノール溶液を攪拌させながらオイルバス浴で過熱し、還流を確認後、41.60gのTEOS(0.2mol)及び35.66gのメチルトリエトキシシラン(0.2mol、MTESと略す)の混合溶液を内圧平衡型の滴下ロートを用い、一定の滴下速度で20分かけて滴下した。滴下後、還流下で2時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(以下、PSV2と略す)を得た。PSV2は溶剤としてエタノールを含み、SiO2固形分換算濃度が12質量%であり、GPC測定による分子量はMwが2100、Mnが1700であった。
PSV2をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、0.36gの蓚酸(4mmol、全加水分解性シランに対して0.01等量)を秤量し、窒素置換後、100.78gの脱水エタノール、28.80gの純水(1.6mol)を加え、室温で30分攪拌させ、蓚酸を完全に溶解させた。次いで、蓚酸のエタノール溶液を攪拌させながらオイルバス浴で過熱し、還流を確認後、41.60gのTEOS(0.2mol)及び35.66gのメチルトリエトキシシラン(0.2mol、MTESと略す)の混合溶液を内圧平衡型の滴下ロートを用い、一定の滴下速度で20分かけて滴下した。滴下後、還流下で2時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(以下、PSV2と略す)を得た。PSV2は溶剤としてエタノールを含み、SiO2固形分換算濃度が12質量%であり、GPC測定による分子量はMwが2100、Mnが1700であった。
PSV2をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
[合成例3]TEOSとMTESとDMDESとを共重合したポリシロキサンの合成
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、0.36gの蓚酸(4mmol、全加水分解性シランに対して0.01等量)を秤量し、窒素置換後、102.58gの脱水エタノール、28.80gの純水(1.6mol)を加え、室温で30分攪拌させ、蓚酸を完全に溶解させた。次いで、蓚酸のエタノール溶液を攪拌させながらオイルバス浴で過熱し、還流を確認後、41.60gのTEOS(0.2mol)、24.96gのMTES(0.14mol)及び8.90gのジメチルジエトキシシラン(0.06mol、DMDES)の混合溶液を内圧平衡型の滴下ロートを用い、一定の滴下速度で20分かけて滴下した。滴下後、還流下で2時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(以下、PSV3と略す)を得た。PSV3は溶剤としてエタノールを含み、SiO2固形分換算濃度が12質量%であり、GPC測定による分子量はMwが2200、Mn1700がであった。
PSV3をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、0.36gの蓚酸(4mmol、全加水分解性シランに対して0.01等量)を秤量し、窒素置換後、102.58gの脱水エタノール、28.80gの純水(1.6mol)を加え、室温で30分攪拌させ、蓚酸を完全に溶解させた。次いで、蓚酸のエタノール溶液を攪拌させながらオイルバス浴で過熱し、還流を確認後、41.60gのTEOS(0.2mol)、24.96gのMTES(0.14mol)及び8.90gのジメチルジエトキシシラン(0.06mol、DMDES)の混合溶液を内圧平衡型の滴下ロートを用い、一定の滴下速度で20分かけて滴下した。滴下後、還流下で2時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(以下、PSV3と略す)を得た。PSV3は溶剤としてエタノールを含み、SiO2固形分換算濃度が12質量%であり、GPC測定による分子量はMwが2200、Mn1700がであった。
PSV3をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
[合成例4]MTESを用いたポリシロキサンの合成
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、0.36gの蓚酸(4mmol、全加水分解性シランに対して0.01等量)を秤量し、窒素置換後、106.72gの脱水エタノール、28.80gの純水(1.6mol)を加え、室温で30分攪拌させ、蓚酸を完全に溶解させた。次いで、蓚酸のエタノール溶液を攪拌させながらオイルバス浴で過熱し、還流を確認後、71.32gのMTES(0.4mol)を内圧平衡型の滴下ロートを用い、一定の滴下速度で20分かけて滴下した。滴下後、還流下で2時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(以下、PSV4と略す)を得た。PSV4は溶剤としてエタノールを含み、SiO2固形分換算濃度が12質量%であり、GPC測定による分子量はMwが2100、Mnが1700であった。
PSV4をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、0.36gの蓚酸(4mmol、全加水分解性シランに対して0.01等量)を秤量し、窒素置換後、106.72gの脱水エタノール、28.80gの純水(1.6mol)を加え、室温で30分攪拌させ、蓚酸を完全に溶解させた。次いで、蓚酸のエタノール溶液を攪拌させながらオイルバス浴で過熱し、還流を確認後、71.32gのMTES(0.4mol)を内圧平衡型の滴下ロートを用い、一定の滴下速度で20分かけて滴下した。滴下後、還流下で2時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(以下、PSV4と略す)を得た。PSV4は溶剤としてエタノールを含み、SiO2固形分換算濃度が12質量%であり、GPC測定による分子量はMwが2100、Mnが1700であった。
PSV4をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
<リポソームを含むポリシロキサンの屈折率>
[実施例1]
純水5gに式(3)の構造を有するホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10−W5と略す)とした。
[実施例1]
純水5gに式(3)の構造を有するホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10−W5と略す)とした。
PSV1−P10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4271であり、膜厚は210nmであった。その結果を表1に示す。
[実施例2]
純水5gに式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、1000Wの超音波ホモジナイザーで1分間処理し、被膜形成組成物(以下、PSV1US−P10−W5と略す)とした。
純水5gに式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、1000Wの超音波ホモジナイザーで1分間処理し、被膜形成組成物(以下、PSV1US−P10−W5と略す)とした。
PSV1US−P10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4179であり、膜厚は192nmであった。その結果を表1に示す。
[比較例1]
合成例1で得たポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4512であり、膜厚は202nmであった。その結果を表1に示す。
合成例1で得たポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4512であり、膜厚は202nmであった。その結果を表1に示す。
[比較例2]
水を加える工程を除いた以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10と略す)とした。即ち、合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、式(3)のホスファチジルコリン(水を内包していないリポソーム)10gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
水を加える工程を除いた以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10と略す)とした。即ち、合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、式(3)のホスファチジルコリン(水を内包していないリポソーム)10gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV1−P10はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4461であり、膜厚は199nmであった。その結果を表1に示す。
[比較例3]
ホスファチジルコリンを加える工程を除いた以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−W5と略す)とした。即ち、合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、水5gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
ホスファチジルコリンを加える工程を除いた以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−W5と略す)とした。即ち、合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、水5gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV1−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4512であり、膜厚は180nmであった。その結果を表1に示す。
[表1]
表1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率
実施例1 PSV1−P10−W5 1.4271
実施例2 PSV1US−P10−W5 1.4179
比較例1 PSV1 1.4512
比較例2 PSV1−P10 1.4461
比較例3 PSV1−W5 1.4512
――――――――――――――――――――――――――――――――――
表1の結果から、リポソーム(リン脂質)と水とを加え液体内包リポソームを形成し、それをPSV1に加え得られた組成物から膜を形成することで、屈折率を低下できることが明確化した。比較例2乃至3のように、リポソーム(リン脂質)乃至水のどちらか一方が欠けると、屈折率を低下させる効果がないことが分かった。また、液体内包リポソームを作成する際に、スターラーを用いる場合と、超音波を用いる方法とでは、屈折率の低下能力に違いがあることが分かった。これは、作成されたリポソームのサイズが異なり、焼成した後に作成される空孔サイズが異なることに起因すると考えられる。
表1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率
実施例1 PSV1−P10−W5 1.4271
実施例2 PSV1US−P10−W5 1.4179
比較例1 PSV1 1.4512
比較例2 PSV1−P10 1.4461
比較例3 PSV1−W5 1.4512
――――――――――――――――――――――――――――――――――
表1の結果から、リポソーム(リン脂質)と水とを加え液体内包リポソームを形成し、それをPSV1に加え得られた組成物から膜を形成することで、屈折率を低下できることが明確化した。比較例2乃至3のように、リポソーム(リン脂質)乃至水のどちらか一方が欠けると、屈折率を低下させる効果がないことが分かった。また、液体内包リポソームを作成する際に、スターラーを用いる場合と、超音波を用いる方法とでは、屈折率の低下能力に違いがあることが分かった。これは、作成されたリポソームのサイズが異なり、焼成した後に作成される空孔サイズが異なることに起因すると考えられる。
<水の添加量を変更した際の屈折率>
[実施例3]
水の添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して1質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10−W1と略す)とした。
[実施例3]
水の添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して1質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10−W1と略す)とした。
即ち、純水1gに式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム11gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム11gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV1−P10−W1はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4271であり、膜厚は198nmであった。その結果を表2に示す。
[実施例4]
水の添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して10質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10−W10と略す)とした。
即ち、純水10gに式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム20gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
水の添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して10質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10−W10と略す)とした。
即ち、純水10gに式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム20gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV1−P10−W10はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4271であり、膜厚は204nmであった。その結果を表2に示す。
[実施例5]
水の添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して20質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10−W20と略す)とした。
即ち、純水20gに下式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム30gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
水の添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して20質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10−W20と略す)とした。
即ち、純水20gに下式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム30gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV1−P10−W20はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4271であり、膜厚は178nmであった。その結果を表2に示す。
[参考例1]
水の添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して30質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10−W30と略す)とした。
即ち、純水30gに式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム40gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
水の添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して30質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P10−W30と略す)とした。
即ち、純水30gに式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム40gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV1−P10−W30はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜は製膜面が著しく荒れており、測定することが出来なかった。その結果を表2に示す。
[表2]
表2
――――――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率 製膜面
実施例3 PSV1−P10−W1 1.4271 良好
実施例4 PSV1−P10−W10 1.4271 良好
実施例5 PSV1−P10−W20 1.4271 良好
参考例1 PSV1−P10−W30 測定不能 不良
――――――――――――――――――――――――――――――――――
表2の結果から、水の添加量はポリシロキサンワニスPSV1に対して1質量%から効果を発揮するが、30質量%とするとスピンコート後の製膜面が著しく悪くなり、焼成後は膜荒れとなることが分かった。これは水の添加量はポリシロキサンのSiO2の100質量部に対して8.3質量部から効果を発揮し、250質量部以上ではポリシロキサンが十分に硬化されないためと考えられる。均一な製膜面を得られないと、屈折率を正確に測定することができないため、屈折率を測定できなかった。
表2
――――――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率 製膜面
実施例3 PSV1−P10−W1 1.4271 良好
実施例4 PSV1−P10−W10 1.4271 良好
実施例5 PSV1−P10−W20 1.4271 良好
参考例1 PSV1−P10−W30 測定不能 不良
――――――――――――――――――――――――――――――――――
表2の結果から、水の添加量はポリシロキサンワニスPSV1に対して1質量%から効果を発揮するが、30質量%とするとスピンコート後の製膜面が著しく悪くなり、焼成後は膜荒れとなることが分かった。これは水の添加量はポリシロキサンのSiO2の100質量部に対して8.3質量部から効果を発揮し、250質量部以上ではポリシロキサンが十分に硬化されないためと考えられる。均一な製膜面を得られないと、屈折率を正確に測定することができないため、屈折率を測定できなかった。
したがって、リポソームを含むポリシロキサン組成物を調製するときの水の量には最適値が存在し、本実施例の結果から水の添加量はポリシロキサンのSiO2の100質量部に対して8.3質量部から効果を発揮し、250質量部の範囲が好ましいことが分かった。
<リン脂質の添加量を変更した際の屈折率>
[実施例6]
リン脂質であるホスファチジルコリンの添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して1質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P1−W5と略す)とした。
純水5gに式(3)のホスファチジルコリン1gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム6gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
[実施例6]
リン脂質であるホスファチジルコリンの添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して1質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P1−W5と略す)とした。
純水5gに式(3)のホスファチジルコリン1gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム6gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV1−P1−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4271であり、膜厚は209nmであった。その結果を表3に示す。
[実施例7]
リン脂質であるホスファチジルコリンの添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して5質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P5−W5と略す)とした。
即ち、純水5gに式(3)のホスファチジルコリン5gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム10gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
リン脂質であるホスファチジルコリンの添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して5質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P5−W5と略す)とした。
即ち、純水5gに式(3)のホスファチジルコリン5gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム10gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV1−P5−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4271であり、膜厚は211nmであった。その結果を表3に示す。
[実施例8]
リン脂質であるホスファチジルコリンの添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して20質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P20−W5と略す)とした。
即ち、純水5gに式(3)のホスファチジルコリン20gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム25gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
リン脂質であるホスファチジルコリンの添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して20質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P20−W5と略す)とした。
即ち、純水5gに式(3)のホスファチジルコリン20gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム25gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV1−P20−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4272であり、膜厚は215nmであった。その結果を表3に示す。
[参考例2]
リン脂質であるホスファチジルコリンの添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して30質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P30−W5と略す)とした。
即ち、純水5gに式(3)のホスファチジルコリン30gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム35gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
リン脂質であるホスファチジルコリンの添加量をポリシロキサンワニスPSV1に対して30質量%とした以外は、全て実施例1と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−P30−W5と略す)とした。
即ち、純水5gに式(3)のホスファチジルコリン30gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム35gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV1−P30−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜は製膜面が著しく荒れており、測定することが出来なかった。その結果を表3に示す
[表3]
表3
――――――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率 製膜面
実施例6 PSV1−P1−W5 1.4271 良好
実施例7 PSV1−P5−W5 1.4271 良好
実施例8 PSV1−P20−W5 1.4272 良好
参考例2 PSV1−P30−W5 測定不能 不良
――――――――――――――――――――――――――――――――――
表3の結果から、リン脂質であるホスファチジルコリンの添加量はポリシロクサンワニスPSV1に対して1質量%から効果を発現するが、30質量%とすると、スピンコート後の製膜面が著しく悪くなり、焼成後は膜荒れとなることが分かった。これはホスファチジルコリンの添加量ポリシロキサンのSiO2の100質量部に対して8.3質量部から効果を発揮し、250質量部以上ではポリシロキサンが十分に硬化されないためと考えられる。
表3
――――――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率 製膜面
実施例6 PSV1−P1−W5 1.4271 良好
実施例7 PSV1−P5−W5 1.4271 良好
実施例8 PSV1−P20−W5 1.4272 良好
参考例2 PSV1−P30−W5 測定不能 不良
――――――――――――――――――――――――――――――――――
表3の結果から、リン脂質であるホスファチジルコリンの添加量はポリシロクサンワニスPSV1に対して1質量%から効果を発現するが、30質量%とすると、スピンコート後の製膜面が著しく悪くなり、焼成後は膜荒れとなることが分かった。これはホスファチジルコリンの添加量ポリシロキサンのSiO2の100質量部に対して8.3質量部から効果を発揮し、250質量部以上ではポリシロキサンが十分に硬化されないためと考えられる。
したがって、リポソームを含むポリシロキサン組成物を調製するときのホスファチジルコリンの量には最適値が存在し、本実施例の結果からホスファチジルコリンの添加量はポリシロキサンのSiO2の100質量部に対して8.3質量部から効果を発揮し、250質量部の範囲が好ましいことが分かった。
<焼成温度の依存性>
[実施例9]
実施例1で得られたPSV1−P10−W5を焼成温度120℃で30分間焼成し、屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
[実施例10]
実施例1で得られたPSV1−P10−W5を焼成温度150℃で30分間焼成し、屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
[実施例11]
実施例1で得られたPSV1−P10−W5を焼成温度200℃で30分間焼成し、屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
[参考例3]
実施例1で得られたPSV1−P10−W5を焼成温度50℃で30分間焼成し、屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
[参考例4]
実施例1で得られたPSV1−P10−W5を焼成温度100℃で30分間焼成し、屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
[実施例9]
実施例1で得られたPSV1−P10−W5を焼成温度120℃で30分間焼成し、屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
[実施例10]
実施例1で得られたPSV1−P10−W5を焼成温度150℃で30分間焼成し、屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
[実施例11]
実施例1で得られたPSV1−P10−W5を焼成温度200℃で30分間焼成し、屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
[参考例3]
実施例1で得られたPSV1−P10−W5を焼成温度50℃で30分間焼成し、屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
[参考例4]
実施例1で得られたPSV1−P10−W5を焼成温度100℃で30分間焼成し、屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
[表4]
表4
――――――――――――――――――――――――――
焼成条件 屈折率
実施例9 120℃30分 1.4281
実施例10 150℃30分 1.4275
実施例11 200℃30分 1.4271
参考例3 50℃30分 1.4515
参考例4 100℃30分 1.4512
――――――――――――――――――――――――――
表4の結果から、焼成温度は120℃以上であれば効果を発現することが分かった。この結果は、リポソーム内に含まれる水が蒸発する温度よりも高い温度で焼成することで、水の部分が空孔となり低屈折率化することを示している。
<空孔サイズの依存性>
[実施例12]
超音波処理の時間を20秒とした以外は、全て実施例2と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1US20−P10−W5と略す)とした。
[実施例12]
超音波処理の時間を20秒とした以外は、全て実施例2と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1US20−P10−W5と略す)とした。
PSV1US20−P10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4178であり、膜厚は207nmであった。その結果を表5に示す。
[実施例13]
超音波処理の時間を10秒とした以外は、全て実施例2と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1US10−P10−W5と略す)とした。
[実施例13]
超音波処理の時間を10秒とした以外は、全て実施例2と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1US10−P10−W5と略す)とした。
PSV1US10−P10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4180であり、膜厚は209nmであった。その結果を表5に示す。
[参考例5]
超音波処理の時間を3秒とした以外は、全て実施例2と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1US3−P10−W5と略す)とした。
[参考例5]
超音波処理の時間を3秒とした以外は、全て実施例2と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1US3−P10−W5と略す)とした。
PSV1US3−P10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4598であり、膜厚は211nmであった。その結果を表5に示す。
[表5]
――――――――――――――――――――――――――――
超音波処理時間 屈折率
実施例12 20秒 1.4178
実施例13 10秒 1.4180
参考例5 3秒 1.4598
――――――――――――――――――――――――――――
表5の結果から、超音波処理時間の差により空孔サイズを変更することで屈折率に変化をつけられることが分かった。
――――――――――――――――――――――――――――
超音波処理時間 屈折率
実施例12 20秒 1.4178
実施例13 10秒 1.4180
参考例5 3秒 1.4598
――――――――――――――――――――――――――――
表5の結果から、超音波処理時間の差により空孔サイズを変更することで屈折率に変化をつけられることが分かった。
<ポリマー種類の変更>
[実施例14]
純水5gに式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例2で得た100gのポリシロキサンワニスPSV2(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV2−P10−W5と略す)とした。
[実施例14]
純水5gに式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例2で得た100gのポリシロキサンワニスPSV2(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV2−P10−W5と略す)とした。
PSV2−P10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4191であり、膜厚は1566nmであった。その結果を表6に示す。
[実施例15]
純水5gに式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例2で得た100gのポリシロキサンワニスPSV2(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、1000Wの超音波ホモジナイザー1分間照射し、被膜形成組成物(以下、PSV2US−P10−W5と略す)とした。
[実施例15]
純水5gに式(3)のホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例2で得た100gのポリシロキサンワニスPSV2(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、1000Wの超音波ホモジナイザー1分間照射し、被膜形成組成物(以下、PSV2US−P10−W5と略す)とした。
PSV2US−P10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4098であった。その結果を表6に示す。
[比較例4]
PSV2はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4432であり、膜厚は1551nmであった。その結果を表6に示す。
[比較例5]
水を加える工程を除いた以外は、全て実施例14と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV2−P10と略す)とした。
即ち、合成例2で得た100gのポリシロキサンワニスPSV2(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、式(3)のホスファチジルコリン(水を内包していないリポソーム)10gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
[比較例4]
PSV2はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4432であり、膜厚は1551nmであった。その結果を表6に示す。
[比較例5]
水を加える工程を除いた以外は、全て実施例14と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV2−P10と略す)とした。
即ち、合成例2で得た100gのポリシロキサンワニスPSV2(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、式(3)のホスファチジルコリン(水を内包していないリポソーム)10gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV2−P10はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4622であり、膜厚は1549nmであった。その結果を表6に示す。
[表6]
表6
―――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率
実施例14 PSV2−P10−W5 1.4191
実施例15 PSV2US−P10−W5 1.4098
比較例4 PSV2 1.4432
比較例5 PSV2−P10 1.4622
―――――――――――――――――――――――――――――――
表6の結果から、ポリマーの種類をPSV1からPSV2に変更しても、屈折率が低下する効果を得られることが分かった。
[実施例16]
純水5gに式(3)の構造を有するホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例3で得た100gのポリシロキサンワニスPSV3(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV3−P10−W5と略す)とした。
表6
―――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率
実施例14 PSV2−P10−W5 1.4191
実施例15 PSV2US−P10−W5 1.4098
比較例4 PSV2 1.4432
比較例5 PSV2−P10 1.4622
―――――――――――――――――――――――――――――――
表6の結果から、ポリマーの種類をPSV1からPSV2に変更しても、屈折率が低下する効果を得られることが分かった。
[実施例16]
純水5gに式(3)の構造を有するホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例3で得た100gのポリシロキサンワニスPSV3(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV3−P10−W5と略す)とした。
PSV3−P10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4166であり、膜厚は350nmであった。その結果を表7に示す。
[実施例17]
純水5gに式(3)の構造を有するホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例3で得た100gのポリシロキサンワニスPSV3(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、1000Wの超音波ホモジナイザー1分間照射し、攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV3US−P10−W5と略す)とした。
[実施例17]
純水5gに式(3)の構造を有するホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例3で得た100gのポリシロキサンワニスPSV3(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、1000Wの超音波ホモジナイザー1分間照射し、攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV3US−P10−W5と略す)とした。
PSV3US−P10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4074であり、膜厚は341nmであった。その結果を表7に示す。
[比較例6]
PSV3はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4407であり、膜厚は355nmであった。その結果を表7に示す。
[比較例7]
水を加える工程を除いた以外は、全て実施例16と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV3−P10と略す)とした。
[比較例6]
PSV3はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4407であり、膜厚は355nmであった。その結果を表7に示す。
[比較例7]
水を加える工程を除いた以外は、全て実施例16と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV3−P10と略す)とした。
即ち、合成例3で得た100gのポリシロキサンワニスPSV3(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、式(3)のホスファチジルコリン(水を内包していないリポソーム)10gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV3−P10はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4598であり、膜厚は370nmであった。その結果を表7に示す。
[表7]
表7
―――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率
実施例16 PSV3−P10−W5 1.4166
実施例17 PSV3US−P10−W5 1.4074
比較例6 PSV3 1.4407
比較例7 PSV3−P10 1.4597
―――――――――――――――――――――――――――――――
表7の結果から、ポリマーの種類をPSV1及びPSV2からPSV3に変更しても、屈折率が低下する効果を得られることが分かった。
[実施例18]
純水5gに式(3)の構造を有するホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例4で得た100gのポリシロキサンワニスPSV4(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV4−P10−W5と略す)とした。
表7
―――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率
実施例16 PSV3−P10−W5 1.4166
実施例17 PSV3US−P10−W5 1.4074
比較例6 PSV3 1.4407
比較例7 PSV3−P10 1.4597
―――――――――――――――――――――――――――――――
表7の結果から、ポリマーの種類をPSV1及びPSV2からPSV3に変更しても、屈折率が低下する効果を得られることが分かった。
[実施例18]
純水5gに式(3)の構造を有するホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例4で得た100gのポリシロキサンワニスPSV4(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV4−P10−W5と略す)とした。
PSV4−P10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.3980であり、膜厚は111nmであった。その結果を表8に示す。
[実施例19]
純水5gに式(3)の構造を有するホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例4で得た100gのポリシロキサンワニスPSV4(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、1000Wの超音波ホモジナイザー1分間照射し、被膜形成組成物(以下、PSV4US−P10−W5と略す)とした。
[実施例19]
純水5gに式(3)の構造を有するホスファチジルコリン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例4で得た100gのポリシロキサンワニスPSV4(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、1000Wの超音波ホモジナイザー1分間照射し、被膜形成組成物(以下、PSV4US−P10−W5と略す)とした。
PSV4US−P10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.3888であり、膜厚は103nmであった。その結果を表8に示す。
[比較例8]
PSV4はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4221であり、膜厚は101nmであった。その結果を表8に示す。
[比較例9]
水を加える工程を除いた以外は、全て実施例18と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV4−P10と略す)とした。
即ち、合成例4で得た100gのポリシロキサンワニスPSV4(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、式(3)のホスファチジルコリン(水を内包していないリポソーム)10gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
[比較例8]
PSV4はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4221であり、膜厚は101nmであった。その結果を表8に示す。
[比較例9]
水を加える工程を除いた以外は、全て実施例18と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV4−P10と略す)とした。
即ち、合成例4で得た100gのポリシロキサンワニスPSV4(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、式(3)のホスファチジルコリン(水を内包していないリポソーム)10gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV4−P10はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4411であり、膜厚は106nmであった。その結果を表8に示す。
[表8]
表8
―――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率
実施例18 PSV4−P10−W5 1.3980
実施例19 PSV4US−P10−W5 1.3888
比較例8 PSV4 1.4221
比較例9 PSV4−P10 1.4411
―――――――――――――――――――――――――――――――
表8の結果から、ポリマーの種類をPSV1、2及び3からPSV4に変更しても、屈折率が低下する効果を得られることが分かった。
表8
―――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率
実施例18 PSV4−P10−W5 1.3980
実施例19 PSV4US−P10−W5 1.3888
比較例8 PSV4 1.4221
比較例9 PSV4−P10 1.4411
―――――――――――――――――――――――――――――――
表8の結果から、ポリマーの種類をPSV1、2及び3からPSV4に変更しても、屈折率が低下する効果を得られることが分かった。
<リン脂質の種類の変更>
[実施例20]
純水5gに式(4)の構造を有するホスファチジルエタノールアミン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV1−E10−W5と略す)とした。
[実施例20]
純水5gに式(4)の構造を有するホスファチジルエタノールアミン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物(以下、PSV1−E10−W5と略す)とした。
PSV1−E10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4271であり、膜厚は203nmであった。その結果を表9に示す。
[実施例21]
純水5gに式(4)の構造を有するホスファチジルエタノールアミン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、1000Wの超音波ホモジナイザー1分間照射し、被膜形成組成物(以下、PSV1US−E10−W5と略す)とした。
純水5gに式(4)の構造を有するホスファチジルエタノールアミン10gを加え液体内包リポソームを作成した。
合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、上記の液体内包リポソーム15gを加え、1000Wの超音波ホモジナイザー1分間照射し、被膜形成組成物(以下、PSV1US−E10−W5と略す)とした。
PSV1US−E10−W5はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4179であり、膜厚は200nmであった。その結果を表9に示す。
[比較例10]
水を加える工程を除いた以外は、全て実施例20と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−E10と略す)とした。
即ち、合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、式(4)の構造を有するホスファチジルエタノールアミン(水を内包していないリポソーム)10gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
[比較例10]
水を加える工程を除いた以外は、全て実施例20と同様にワニスを調製し、被膜形成組成物(以下、PSV1−E10と略す)とした。
即ち、合成例1で得た100gのポリシロキサンワニスPSV1(SiO2固形分換算濃度が12質量%)に、式(4)の構造を有するホスファチジルエタノールアミン(水を内包していないリポソーム)10gを加え、室温で1時間スターラーを用いて攪拌させ、被膜形成組成物とした。
PSV1−E10はシリコン基板上でスピンコートし、250℃で30分間ホットプレートを用いて焼成した。焼成後、得られた膜の屈折率を測定したところ、1.4702であり、膜厚は217nmであった。その結果を表9に示す。
[表9]
表9
―――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率
実施例20 PSV1−E10−W5 1.4271
実施例21 PSV1US−E10−W5 1.4179
比較例10 PSV1−E10 1.4702
―――――――――――――――――――――――――――――――
表9の結果から、リン脂質の種類をホスファチジルコリンからホスファチジルエタノールアミンに変更しても、屈折率が低下する効果を得られることが分かった。
表9
―――――――――――――――――――――――――――――――
名称 屈折率
実施例20 PSV1−E10−W5 1.4271
実施例21 PSV1US−E10−W5 1.4179
比較例10 PSV1−E10 1.4702
―――――――――――――――――――――――――――――――
表9の結果から、リン脂質の種類をホスファチジルコリンからホスファチジルエタノールアミンに変更しても、屈折率が低下する効果を得られることが分かった。
以上に示したように、本発明のリポソームを含むポリシロキサン被膜形成組成物は、リポソームの脂質二重層に内包された水又は有機液体が焼成などの工程が加わった際に蒸発し、空孔を形成するためポリシロキサンの低屈折率化が達成できる。また、リポソームはハロゲンを含まないため、電子デバイスの一部材として適用した際に、永久膜として長期の信頼性を獲得できる。
本発明の液体内包リポソームを含むポリシロキサン被膜形成組成物はリポソームの種類を変更することで、屈折率を変化させることができることから製造するデバイス種と各種の焼成プロセスに対応したポリシロキサン組成物の設計が可能であり、プロセスマージンを拡大できるため、電子デバイス、特に固体撮像素子の一部材として好適に用いることができる。
本発明の被膜形成組成物を用いて得られた膜を備えた電荷結合素子(CCD)又は相補性金属酸化膜半導体(CMOS)からなる固体撮像素子に利用することや、上記膜をカラーフィルター上の平坦化層として備えた固体撮像素子に利用することや、上記膜をマイクロレンズ上の平坦化層又はコンフォーマル層として備えた固体撮像素子に利用することが可能である。
本発明の被膜形成組成物を用いて得られた膜を備えた電荷結合素子(CCD)又は相補性金属酸化膜半導体(CMOS)からなる固体撮像素子に利用することや、上記膜をカラーフィルター上の平坦化層として備えた固体撮像素子に利用することや、上記膜をマイクロレンズ上の平坦化層又はコンフォーマル層として備えた固体撮像素子に利用することが可能である。
本願発明では液体を内包するリポソームを含むポリシロキサン組成物であって、それらポリシロキサン組成物を含む皮膜形成組成物はから得られた膜は電子デバイス、例えば電荷結合素子(CCD)又は相補性金属酸化膜半導体(CMOS)からなる固体撮像素子、カラーフィルター上の平坦化層として備えた固体撮像素子、マイクロレンズ上の平坦化層又はコンフォーマル層として備えた固体撮像素子、光取り出し材料として備えたフラットパネルディスプレイ、反射防止材料として備えたフラットパネルディスプレイ、光導波路等の用途に利用することができる。
Claims (13)
- 液体を内包するリポソームを含むポリシロキサン組成物。
- リポソームが、リポソームが、グリセロリン脂質又はスフィンゴリン脂質を有するものである請求項1に記載のポリシロキサン組成物。
- リポソームが、ホスファチジルコリン、又はホスファチジルエタノールアミンである請求項1に記載のポリシロキサン組成物。
- 下記(A)成分、及び(B)成分:
(A)成分:請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のリポソーム、
(B)成分:加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物、を含むポリシロキサン組成物。 - (B)成分が、式(1)及び式(2):
(式中R1はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R2はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。)、及び
(式中R3はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R4はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シラン、それらの加水分解物、それらの加水分解縮合物、又はそれらの混合物である請求項4に記載のポリシロキサン組成物。 - (B)成分が、上記式(1)のaが0〜2となる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの混合物である請求項4に記載のポリシロキサン組成物。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を備える電子デバイス。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を備えた電荷結合素子(CCD)又は相補性金属酸化膜半導体(CMOS)からなる固体撮像素子。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜をカラーフィルター上の平坦化層として備えた固体撮像素子。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜をマイクロレンズ上の平坦化層又はコンフォーマル層として備えた固体撮像素子。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を光取り出し材料として備えたフラットパネルディスプレイ。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を反射防止材料として備えたフラットパネルディスプレイ。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物から作成された膜を備えた光導波路。
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---|---|---|---|
JP2008275504A JP2010100775A (ja) | 2008-10-27 | 2008-10-27 | リポソームを含むポリシロキサン組成物 |
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JP2008275504A JP2010100775A (ja) | 2008-10-27 | 2008-10-27 | リポソームを含むポリシロキサン組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140120340A (ko) | 2012-02-02 | 2014-10-13 | 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 | 저굴절율 막형성용 조성물 |
-
2008
- 2008-10-27 JP JP2008275504A patent/JP2010100775A/ja active Pending
Cited By (2)
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KR20140120340A (ko) | 2012-02-02 | 2014-10-13 | 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 | 저굴절율 막형성용 조성물 |
KR20200051853A (ko) | 2012-02-02 | 2020-05-13 | 닛산 가가쿠 가부시키가이샤 | 저굴절율 막형성용 조성물 |
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