JP2016063009A - 密着強化膜を有する被覆基板 - Google Patents

密着強化膜を有する被覆基板 Download PDF

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JP2016063009A JP2014188496A JP2014188496A JP2016063009A JP 2016063009 A JP2016063009 A JP 2016063009A JP 2014188496 A JP2014188496 A JP 2014188496A JP 2014188496 A JP2014188496 A JP 2014188496A JP 2016063009 A JP2016063009 A JP 2016063009A
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Mamoru Tamura
護 田村
中島 誠
Makoto Nakajima
誠 中島
榎本 智之
Tomoyuki Enomoto
榎本  智之
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Abstract

【課題】基板に被覆し、電気絶縁性、耐熱性、耐溶剤性が得られる絶縁膜の形成と、その膜の下層であり、基板と絶縁膜の間に密着強化膜を形成することで、絶縁膜の密着性と絶縁性が向上した被覆基板を提供する。【解決手段】基板に、密着強化膜を形成し、その上に絶縁膜を形成した被覆基板であって、密着強化膜が多重結合構造を有する有機基を有するポリシロキサンを含む膜であり、絶縁膜が多重結合構造を有する有機基を有するポリエーテル又はポリイソシアヌレートを含む膜である上記被覆基板。密着強化膜が、ビニル基、カルボニル基、又はそれを含む有機基を有するポリシロキサンを含む密着強化膜形成組成物である。被覆基板が薄化したウェハの研磨面を被覆したものである被覆基板。被覆基板が薄化したウェハの回路が形成された回路面を保護したものである被覆基板。【選択図】 なし

Description

本発明は熱硬化性樹脂を用いた膜形成組成物を利用した被覆基板に関するものである。さらに詳しくは、ICチップなどの半導体製品や光学系製品などの積層体を形成する工程において、TSV(Through Silicon Via)技術等を用いて加工されたウェハの裏面に形成する絶縁膜に関するものである。
近年、携帯電話やICカード等の電子機器の高機能化、小型化に伴い、半導体デバイスの高集積化、実装面積の小面積化、配線間距離の縮小による配線抵抗の低減が求められている。その手法として、半導体素子間を縦方向に積み上げる積層構造が検討されている。
スタック構造作製方法の一例として、半導体素子が形成されたウェハを仮止めの接着剤等を使用して支持基板と接着後にウェハの裏面を薄化し、その後に異方性ドライエッチングなどの技術を用いて貫通孔を設けるTSV技術(Through Silicon Via)、その貫通孔に銅などの導電材を充填して裏面に電極を形成した後、電極形成したウェハ裏面に絶縁膜を形成し、別の半導体素子が形成されたチップあるいはウェハと電気的に接合する工程が挙げられる。
上記工程において、ウェハ裏面に形成する絶縁膜は、電極間の電流リークや導電材料のマイグレーション防止などの電気絶縁性や、絶縁膜形成後のフォトリソグラフィー工程における溶媒耐性、電極接合工程における耐熱性などの特性を有し、更に部材の耐熱性の観点からより低い焼成温度で特性を発現することが求められる。
公知の絶縁膜として、ポリイミドやポリベンゾオキサゾール、芳香族ポリエーテルなどスピンコートによって形成される絶縁膜が挙げられる。しかしながら、ポリイミドやポリベンゾオキサゾールは例えば200℃程度の焼成温度では、良好な絶縁性や溶媒耐性が得られず、また、形成後の熱工程によって未反応部位の反応が更に進行し、膜が収縮する問題がる。
芳香族ポリエーテルは、熱架橋部位がないため溶媒耐性に乏しく、また樹脂の軟化点が低いため、電極接合において樹脂が溶融する問題がある。
比較的低い焼成温度で特性を発現する絶縁膜として、ポリマーの末端や、側鎖に二重結合や三重結合を含む有機基を有するポリエーテル、ポリエーテルケトン等のポリマーを含むパッシベーション膜が開示されている(特許文献1参照)。また、側鎖に二重結合を含む有機基を有するポリイソシアネートを含む組成物が開示されている(特許文献2参照)。特許文献1および特許文献2に記載のポリマーは、200℃乃至250℃程度の焼成温度で良好な特性が発現することが示されている。しかしながら、上記ポリマーを用いた絶縁膜形成組成物は、例えば高温度高湿度条件などの信頼性試験後に密着力が著しく低下するという問題がある。
国際公開WO2013/118871号パンフレット 国際公開WO2013/035787号パンフレット
本願発明は基板に被覆し、電気絶縁性、耐熱性、耐溶剤性が得られる絶縁膜の形成と、その膜の下層であり、基板と絶縁膜の間に密着強化膜を形成することで、絶縁膜の密着性と絶縁性が向上した被覆基板を提供しようとするものである。
本願発明は第1観点として、基板に、密着強化膜を形成し、その上に絶縁膜を形成した被覆基板であって、密着強化膜が多重結合構造を有する有機基を有するポリシロキサンを含む膜であり、絶縁膜が多重結合構造を有する有機基を有するポリエーテル又はポリイソシアヌレートを含む膜である上記被覆基板、
第2観点として、絶縁膜が、下記式(i):
Figure 2016063009
(式中、Tはスルホニル基、フルオロアルキレン基、環状アルキレン基、置換基を有するアリーレン基、又は置換基を有していても良いアリーレン基とフルオロアルキレン基若しくは環状アルキレン基との組み合わせを示す。)の単位構造を含むポリマーであって、該ポリマーの末端、側鎖、又は主鎖に式(2−A)、式(2−B)、又はそれら両方の構造を有する基を少なくとも一つ有するポリマーを含む絶縁膜形成組成物から形成された絶縁膜である第1観点に記載の被覆基板、
Figure 2016063009
第3観点として、絶縁膜が、下記式(1):
Figure 2016063009
(式中、Lはアリーレン基、又はアリーレン基とスルホニル基若しくはカルボニル基との組み合わせであり、Tはフルオロアルキレン基、環状アルキレン基、置換基を有するアリーレン基、又は置換基を有していても良いアリーレン基とフルオロアルキレン基若しくは環状アルキレン基との組み合わせを示す。)の単位構造を含むポリマーであって、該ポリマーの末端、側鎖、又は主鎖に請求項2記載の式(2−A)、式(2−B)、又はそれら両方の構造を有する基を少なくとも一つ有するポリマーを含む絶縁膜形成組成物より形成された絶縁膜である第1観点に記載の被覆基板、
第4観点として、Lが下記式(3)である上記式(1)の単位構造、Lが下記式(4)である上記式(1)の単位構造、又はそれらの単位構造の組み合わせを含むポリマーを含む第3観点に記載の被覆基板、
Figure 2016063009
(式中、R、R、及びRはそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、ヒドロキシル基、アリル基、アリロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、第3級炭素構造を持った基、環状アルキル基、又はそれらの組み合わせであり、Lはスルホニル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフィニル基、又はスルホンアミド基であり、n1、n2、n3はそれぞれ0〜4の整数を示す。)
第5観点として、Tが下記式(5)である上記式(1)の単位構造、Tが下記式(6)である上記式(1)の単位構造、又はそれらの単位構造の組み合わせを含むポリマーを含む第3観点又は第4観点に記載の被覆基板、
Figure 2016063009
(式中、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、ヒドロキシル基、アリル基、アリロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、第3級炭素構造を有する基、環状アルキル基、又はそれらの組み合わせであり、n4、n5及びn6はそれぞれ0〜4の整数を示す。Tはフルオロアルキレン基、環状アルキレン基、又はこれらの組み合わせを示す。)
第6観点として、更に式(7):
Figure 2016063009
(式中Lは上記式(3)又は式(4)を示し、Tはアルキレン基、スルホニル基、カルボニル基、炭素数6〜30のアリーレン基、又はこれらの組み合わせを示す。)の単位構造を含むポリマーを含む第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の被覆基板、
第7観点として、絶縁膜が、下記式(8)で表される単位構造を含むポリマーである第1観点に記載の被覆基板、
Figure 2016063009
〔式(8)中、Qは炭素原子数1乃至6のアルキル基、アリル基、ビニル基、エポキシ基又はグリシジル基を表し、Rは炭素原子数1乃至10のアルキレン基、炭素原子数2乃至10のアルケニレン基若しくはアルキニレン基、炭素原子数6乃至40のアリーレン基、炭素原子数4乃至10の環状アルキレン基、又は下記式(9)若しくは式(10):
Figure 2016063009
(式(9)、(10)中、A、A及びAはそれぞれ独立に炭素原子数6乃至14のアリーレン基又は炭素原子数4乃至10の環状アルキレン基を表し、Rはスルホニル基、カルボニル基又は炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表し、該アルキレン基の少なくとも1つの水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、R及びR10はそれぞれ独立に炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表す。)を示す。〕、
第8観点として、密着強化膜が、ビニル基、カルボニル基、又はそれを含む有機基を有するポリシロキサンを含む密着強化膜形成組成物から形成された密着強化膜である第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載の被覆基板、
第9観点として、ポリシロキサンが式(11)の加水分解性シラン:
Figure 2016063009
(式(11)中、R11はビニル基、カルボニル基、又はそれを含む有機基であり、且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものである。R12はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はエポキシ基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものである。R13はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基である。aは1又は2の整数を示し、bは0又は1の整数を示し、a+bは1又は2の整数を示す。)の加水分解縮合物である第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載の被覆基板、
第10観点として、ポリシロキサンが式(11)の加水分解性シランと、その他の加水分解性シランを、1:0.1〜10のモル比で組み合わせた加水分解性シランの加水分解縮合物であり、
その他の加水分解性シランが式(12)及び式(13):
Figure 2016063009
(式(12)中、R14はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はエポキシ基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R15はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。)、及び
Figure 2016063009
(式(13)中、R16はアルキル基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R17はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランである第9観点に記載の被覆基板、
第11観点として、被覆基板が薄化したウェハの研磨面を被覆したものである第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載の被覆基板、及び
第12観点として、被覆基板が薄化したウェハの回路が形成された回路面を保護したものである第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載の被覆基板である。
本願発明の被覆基板は、基板上に密着強化膜を形成し、その上に絶縁膜を形成したものである。密着強化膜は多重結合を有するポリシロキサンを含む膜であり、また絶縁膜は多重結合を有する有機基を有するポリエーテル又はポリイソシアヌレートを含む膜である。
ポリエーテル膜やポリイソシアヌレート膜は電気絶縁性、耐熱性、耐溶剤性に優れた膜であるが、基板、特に半導体ウェハ等の半導体基板上に被覆する場合に高度な密着性が要求される場合がある。
その様な場合に、基板とポリエーテル系絶縁膜や、ポリイソシアヌレート絶縁膜との間にポリシロキサン系の密着強化膜を形成することで、基板とポリエーテル系絶縁膜やポリイソシアヌレート絶縁膜との密着性が向上し、絶縁膜がより高い電気絶縁性、耐熱性、耐溶剤性を示すものである。
これらの密着強化膜と絶縁膜は共に多重結合を有する有機基を含むものであり、密着強化膜と絶縁膜の相互作用が高まり密着性の向上に貢献するものである。
また、これらの多重結合は多重結合同士が反応し架橋構造を形成することも可能であり、この架橋構造も密着性の向上に貢献するものである。
本願発明は基板に、密着強化膜を形成し、その上に絶縁膜を形成した被覆基板であって、密着強化膜が多重結合構造を有する有機基を有するポリシロキサンを含む膜であり、絶縁膜が多重結合構造を有する有機基を有するポリエーテル又はポリイソシアヌレートを含む膜である上記被覆基板である。
本願発明に用いられる密着強化膜としてのポリシロキサンは、ポリシロキサン形成組成物を塗布し、焼成(乾燥)することによって得られる。
密着強化膜が、ビニル基、カルボニル基、又はそれを含む有機基を有するポリシロキサンを含む密着強化膜形成組成物から形成された密着強化膜とすることができる。
本願発明に用いられる密着強化膜形成組成物は、ビニル基、カルボニル基、又はそれを含む有機基を有する加水分解性オルガノシラン、その加水分解物、又はその加水分解縮合物と、溶剤を含む。そして任意成分として酸、水、アルコール、硬化触媒、酸発生剤、他の有機ポリマー、吸光性化合物、及び界面活性剤等を含むことができる。
本願発明に用いられる密着強化膜形成組成物における固形分は、例えば0.5〜50質量%、1〜30質量%、又は1〜25質量%である。ここで固形分とは(密着強化膜)膜形成組成物の全成分から溶剤成分を除いたものである。
固形分中に占める加水分解性オルガノシラン、その加水分解物、及びその加水分解縮合物の割合は、20質量%以上であり、例えば50〜100質量%、60〜100質量%、70〜100質量%である。
ポリシロキサンが式(11)の加水分解性シランの加水分解縮合物である上記被覆基板である。
式(11)中、R11はビニル基、カルボニル基、又はそれを含む有機基であり、且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものである。R12はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はエポキシ基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものである。R13はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基である。aは1又は2の整数を示し、bは0又は1の整数を示し、a+bは1又は2の整数を示す。
そして上述の加水分解性シラン、その加水分解物、及びその加水分解縮合物はそれらの混合物として用いることもできる。加水分解性シランを加水分解し、得られた加水分解物を縮合した縮合物で用いることができる。加水分解縮合物を得る際に加水分解が完全に完了しない部分加水分解物やシラン化合物が加水分解縮合物に混合されて、その混合物を用いることもできる。この縮合物はポリシロキサン構造を有するポリマーである。
ポリシロキサンが式(11)の加水分解性シランと、その他の加水分解性シランを、1:0.1〜10のモル比で組み合わせた加水分解性シランの加水分解縮合物であり、
その他の加水分解性シランが式(12)及び式(13)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランを被覆した被覆基板である。
式(12)中、R14はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はエポキシ基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R15はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。
また、式(13)中、R16はアルキル基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R17はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。
式(11)中、R11はビニル基、カルボニル基、又はそれを含む有機基であり、且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものである。
ビニル基やビニル基を有する有機基としては、ビニル基自体や、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルフェニル基等が挙げられる。
カルボニル基を含む有機基としては、アミド基やイソシアヌル酸骨格が挙げられる。これらのカルボニル基を含む有機基は、ビニル基又はビニル基を含む有機基と組み合わせた構造を有することができる。例えば、ジアリルイソシアヌレート基を挙げることができる。
式(11)の加水分解性シランは、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシトリメトキシシラン、メタクリロキシトリエトキシシラン、(4−ビニルフェニル)トリメトキシシラン、(4−ビニルフェニル)トリエトキシシラン、(3−(トリエトキシシリルプロピル)ジアリルイソシアヌレート、(3−(トリメトキシシリルプロピル)ジアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
式(12)の加水分解性シランは、例えばテトラメトキシシラン、テトラクロルシラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセチキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、メトキシフェニルトリメトキシシラン、メトキシフェニルトリエトキシシラン、メトキシフェニルトリアセトキシシラン、メトキシフェニルトリクロロシラン、メトキシベンジルトリメトキシシラン、メトキシベンジルトリエトキシシラン、メトキシベンジルトリアセトキシシラン、メトキシベンジルトリクロロシラン、メトキシフェネチルトリメトキシシラン、メトキシフェネチルトリエトキシシラン、メトキシフェネチルトリアセトキシシラン、メトキシフェネチルトリクロロシラン、エトキシフェニルトリメトキシシラン、エトキシフェニルトリエトキシシラン、エトキシフェニルトリアセトキシシラン、エトキシフェニルトリクロロシラン、エトキシベンジルトリメトキシシラン、エトキシベンジルトリエトキシシラン、エトキシベンジルトリアセトキシシラン、エトキシベンジルトリクロロシラン、イソプロポキシフェニルトリメトキシシラン、イソプロポキシフェニルトリエトキシシラン、イソプロポキシフェニルトリアセトキシシラン、イソプロポキシフェニルトリクロロシラン、イソプロポキシベンジルトリメトキシシラン、イソプロポキシベンジルトリエトキシシラン、イソプロポキシベンジルトリアセトキシシラン、イソプロポキシベンジルトリクロロシラン、t−ブトキシフェニルトリメトキシシラン、t−ブトキシフェニルトリエトキシシラン、t−ブトキシフェニルトリアセトキシシラン、t−ブトキシフェニルトリクロロシラン、t−ブトキシベンジルトリメトキシシラン、t−ブトキシベンジルトリエトキシシラン、t−ブトキシベンジルトリアセトキシシラン、t−ブトキシシベンジルトリクロロシラン、メトキシナフチルトリメトキシシラン、メトキシナフチルトリエトキシシラン、メトキシナフチルトリアセトキシシラン、メトキシナフチルトリクロロシラン、エトキシナフチルトリメトキシシラン、エトキシナフチルトリエトキシシラン、エトキシナフチルトリアセトキシシラン、エトキシナフチルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられる
式(13)の加水分解性シランは、例えばメチレンビストリメトキシシラン、メチレンビストリクロロシラン、メチレンビストリアセトキシシラン、エチレンビストリエトキシシラン、エチレンビストリクロロシラン、エチレンビストリアセトキシシラン、プロピレンビストリエトキシシラン、ブチレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリエトキシシラン、フェニレンビスメチルジエトキシシラン、フェニレンビスメチルジメトキシシラン、ナフチレンビストリメトキシシラン、ビストリメトキシジシラン、ビストリエトキシジシラン、ビスエチルジエトキシジシラン、ビスメチルジメトキシジシラン等が挙げられる。
本願発明に用いられるポリシロキサンは以下に例示することができる。
Figure 2016063009
式(11)の加水分解性シランの加水分解縮合物(ポリオルガノシロキサン)、又は式(11)の加水分解性シランと式(12)及び/又は式(13)の加水分解性との加水分解縮合物(ポリオルガノシロキサン)は、重量平均分子量1000〜1000000、又は1000〜100000の縮合物を得ることができる。これらの分子量はGPC分析によるポリスチレン換算で得られる分子量である。
GPCの測定条件は、例えばGPC装置(商品名HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)、GPCカラム(商品名ShodexKF803L、KF802、KF801、昭和電工製)、カラム温度は40℃、溶離液(溶出溶媒)はテトラヒドロフラン、流量(流速)は1.0ml/min、標準試料はポリスチレン(昭和電工株式会社製)を用いて行うことができる。
アルコキシシリル基、アシロキシシリル基、又はハロゲン化シリル基の加水分解には、加水分解性基の1モル当たり、0.5〜100モル、好ましくは1〜10モルの水を用いる。
また、加水分解性基の1モル当たり0.001〜10モル、好ましくは0.001〜1モルの加水分解触媒を用いることができる。
加水分解と縮合を行う際の反応温度は、通常20〜80℃である。
加水分解は完全に加水分解を行うことも、部分加水分解することでも良い。即ち、加水分解縮合物中に加水分解物やモノマーが残存していても良い。
加水分解し縮合させる際に触媒を用いることができる。
加水分解触媒としては、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。
加水分解触媒としての金属キレート化合物は、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化合物;トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができる。
加水分解触媒としての有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての無機酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての有機塩基は、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を挙げることができる。無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒の内、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好ましく、これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
加水分解に用いられる有機溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒が溶液の保存安定性の点で好ましい。
本願発明に用いられる密着強化膜形成組成物は硬化触媒を含有することができる。硬化触媒は、加水分解縮合物からなるポリオルガノシロキサンを含有する塗布膜を加熱し硬化させる時に硬化触媒の働きをする。
硬化触媒としては、アンモニウム塩、ホスフィン類、ホスホニウム塩、スルホニウム塩を用いることができる。
硬化触媒はポリオルガノシロキサン100質量部に対して、0.01〜10質量部、または0.01〜5質量部、または0.01〜3質量部である。
加水分解性オルガノシランを溶剤中で触媒を用いて加水分解し縮合し、得られた加水分解縮合物(ポリマー)は減圧蒸留等により副生成物のアルコールや用いた加水分解触媒や水を同時に除去することができる。また、加水分解に用いた酸や塩基触媒を中和やイオン交換により取り除くことができる。そして本願発明に用いられる密着強化膜形成組成物では、その加水分解縮合物を含む密着強化膜形成組成物は安定化のために有機酸、水、アルコール、又はそれらの組み合わせを添加することができる。
上記有機酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、フタル酸、クエン酸、グルタル酸、クエン酸、乳酸、サリチル酸等が挙げられる。中でも、シュウ酸、マレイン酸等が好ましい。加える有機酸は縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して0.1〜5.0質量部である。また加える水は純水、超純水、イオン交換水等を用いることができ、その添加量は密着強化膜形成組成物100質量部に対して1〜20質量部とすることができる。
また加えるアルコールとしては塗布後の加熱により飛散しやすいものが好ましく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。加えるアルコールは密着強化膜形成組成物100質量部に対して1〜20質量部とすることができる。
本願発明に用いられる密着強化膜形成組成物は、上記の成分の他、必要に応じて有機ポリマー化合物、光酸発生剤及び界面活性剤等を含むことができる。
界面活性剤は、本願発明に用いられる密着強化膜形成組成物を基板に塗布した際に、ピンホール及びストレーション等の発生を抑制するのに有効である。
本願発明に用いられる密着強化膜形成組成物に含まれる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30、R30N、R40LM(DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また二種以上の組み合わせで使用することもできる。界面活性剤が使用される場合、その割合としては、縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して0.0001〜5質量部、または0.001〜1質量部、または0.01〜0.5質量部である。
また、本願発明に用いられる密着強化膜形成組成物には、レオロジー調整剤及び接着補助剤等を添加することができる。レオロジー調整剤は、密着強化膜形成組成物の流動性を向上させるのに有効である。接着補助剤は、半導体基板と絶縁膜の密着性を更に向上させるのに有効である。
本願発明に用いられる密着強化膜形成組成物に使用される溶剤としては、前記の固形分を溶解できる溶剤であれば、特に制限なく使用することができる。そのような溶剤としては、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルイソブチルカルビノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエテルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸アミル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、及びγ−ブチロラクトン等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で、または二種以上の組み合わせで使用することができる。
本発明では、基板上に密着強化膜形成組成物をスピンコーター等の装置でスピンコートで塗布し、厚さが0.001μm以上1μm以下の密着強化膜とすることができる。この厚さが薄すぎると十分な密着性が得られない可能性があり、厚すぎると密着強化層にクラックが生じる可能性がある。よって好ましくは0.005μm〜0.1μmである。
また、塗布後に100〜350℃、100〜300℃、又は100〜250℃程度の温度で0.5分〜180分、0.5分〜20分、又は0.5分〜5分程度の焼成を行うことができる。
本願発明に用いられる絶縁膜は、式(i)の単位構造を含むポリマーであって、該ポリマーの末端、側鎖、又は主鎖に式(2−A)、式(2−B)、又はそれら両方の構造を有する基を少なくとも一つ有するポリマー、または式(8)の単位構造を含むポリマーを含む絶縁膜形成組成物から形成された絶縁膜であり、それらを用いた上記被覆基板である。
本発明に用いられる絶縁膜形成組成物は固形分として、0.1〜80質量%、好ましくは1〜60質量%である。
固形分中に占めるポリマーの割合は30〜100質量%、30〜99.9質量%、50〜100質量%、50〜99.9質量%、又は50〜90質量%、とすることが可能である。
本件発明に用いられる上記ポリマーは熱硬化性樹脂であることが好ましい。
また、絶縁膜が下記式(1)の単位構造を含むポリマーであって、該ポリマーの末端、側鎖、又は主鎖に式(2−A)、式(2−B)、又はそれら両方の構造を有する基を少なくとも一つ有するポリマー、または式(8)の単位構造を含むポリマーを含む絶縁膜形成組成物から形成された絶縁膜であり、それを用いた上記被覆基板である。
本件発明に用いられるポリマーの分子量は重量平均分子量として、500〜5000000、好ましくは1000〜1000000、好ましくは1000〜100000である。
式(i)中、Tはスルホニル基、フルオロアルキレン基、環状アルキレン基、置換基を有するアリーレン基、又は置換基を有していても良いアリーレン基とフルオロアルキレン基若しくは環状アルキレン基との組み合わせを示す。
式(1)中、Lはアリーレン基、又はアリーレン基とスルホニル基若しくはカルボニル基との組み合わせであり、Tはフルオロアルキレン基、環状アルキレン基、置換基を有するアリーレン基、又は置換基を有していても良いアリーレン基とフルオロアルキレン基若しくは環状アルキレン基との組み合わせを示す。
置換基を有するアリーレン基は、以下に述べられる置換基を有するアリーレン基を示す。
置換基を有していても良いアリーレン基は置換又は非置換のアリーレン基を示し、これらのアリーレン基と、フルオロアルキレン基又は環状アルキレン基との組み合わせを示す。
アリーレン基は、フェニレン基、ナフチル基、又はアントリル基等が挙げあれるが、フェニレン基又はナフチル基を好ましく用いることができる。
上記フロオロアルキレン基としては炭素原子数1〜10のフルオロアルキレン基が挙げられ、これらのフルオロアルキレン基は、完全フッ素化(パーフルオロ化)された基や、一部フッ素化されたアルキレン基(モノフルオロ化、ジフルオロ化等)として用いることができる。その具体例としては、例えばフルオロメチレン基、フルオロエチレン基、フルオロ−n−プロピレン基、フルオロイソプロピレン基、フルオロプロパン−2,2−ジイル基、フルオロ−n−ブチレン基、フルオロイソブチレン基、フルオロ−s−ブチレン基、フルオロ−t−ブチレン基等が挙げられる。中でもパーフルオロプロパン−2,2−ジイル基等の炭素原子数1〜4のフルオロアルキレン基が挙げられる。
環状アルキレン基としては、炭素数が3〜30の環状アルキレン基であり、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロヘキシレン基、1−メチル−シクロペンチレン基、2−メチル−シクロペンチレン基、3−メチル−シクロペンチレン基、1−エチル−シクロブチレン基、2−エチル−シクロブチレン基、3−エチル−シクロブチレン基、1,2−ジメチル−シクロブチレン基、1,3−ジメチル−シクロブチレン基、2,2−ジメチル−シクロブチレン基、2,3−ジメチル−シクロブチレン基、2,4−ジメチル−シクロブチレン基、3,3−ジメチル−シクロブチレン基、1−n−プロピル−シクロプロピレン基、2−n−プロピル−シクロプロピレン基、1−i−プロピル−シクロプロピレン基、2−i−プロピル−シクロプロピレン基、1,2,2−トリメチル−シクロプロピレン基、1,2,3−トリメチル−シクロプロピレン基、2,2,3−トリメチル−シクロプロピレン基、1−エチル−2−メチル−シクロプロピレン基、2−エチル−1−メチル−シクロプロピレン基、2−エチル−2−メチル−シクロプロピレン基及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピレ基等が挙げられる。また、アダマンタン、ノルボルネンから誘導される2価の有機基を用いることができる。
本願発明に用いられる式(1)のポリマーで、L、Tはこれらの官能基を単独で用いることも、複数組み合わせて用いることもできる。
上記ポリマーは繰り返し単位構造が1種類からなる単独重合体として用いることも、繰り返し単位構造が2種類又はそれ以上である共重合体として用いることができる。
本願発明では、Lがそれぞれ式(3)又は式(4)である上記式(1)の単位構造を含むポリマーを含むことができる。
即ち、Lが下記式(3)である上記式(1)の単位構造、Lが下記式(4)である上記式(1)の単位構造、又はそれらの単位構造の組み合わせを含むポリマーを含むことができる。
式(3)、(4)中、R、R、及びRはそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、ヒドロキシル基、アリル基、アリロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、第3級炭素構造を持った基、環状アルキル基、又はそれらの組み合わせであり、Lはスルホニル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフィニル基、又はスルホンアミド基であり、n1、n2、n3はそれぞれ0〜4の整数を示す。
アルキル基としては炭素原子数1乃至10、又は炭素原子数1乃至6のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−n−プロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、3−メチル−n−ペンチル基、4−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1,2−ジメチル−n−ブチル基、1,3−ジメチル−n−ブチル基、2,2−ジメチル−n−ブチル基、2,3−ジメチル−n−ブチル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、2−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、1−エチル−1−メチル−n−プロピル基、1−エチル−2−メチル−n−プロピル基等が挙げられる。
環状アルキル基としては、炭素原子数3乃至30、炭素原子数3乃至10、又は炭素原子数4乃至10の環状アルキル基であり、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、1−メチル−シクロプロピル基、2−メチル−シクロプロピル基、シクロペンチル基、1−メチル−シクロブチル基、2−メチル−シクロブチル基、3−メチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロプロピル基、2,3−ジメチル−シクロプロピル基、1−エチル−シクロプロピル基、2−エチル−シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1−メチル−シクロペンチル基、2−メチル−シクロペンチル基、3−メチル−シクロペンチル基、1−エチル−シクロブチル基、2−エチル−シクロブチル基、3−エチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロブチル基、1,3−ジメチル−シクロブチル基、2,2−ジメチル−シクロブチル基、2,3−ジメチル−シクロブチル基、2,4−ジメチル−シクロブチル基、3,3−ジメチル−シクロブチル基、1−n−プロピル−シクロプロピル基、2−n−プロピル−シクロプロピル基、1−i−プロピル−シクロプロピル基、2−i−プロピル−シクロプロピル基、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル基、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル基及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピル基等が挙げられる。
アルキレン基は上記アルキル基から誘導されるアルキレン基を用いることができる。
また、上記環状アルキル基から誘導される環状アルキレン基が上げられる。
アリ−ル基としては、炭素原子数6乃至40、又は炭素原子数6乃至30のアリール基が用いられ、例えばフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロルフェニル基、m−クロルフェニル基、p−クロルフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−シアノフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基及び9−フェナントリル基が挙げられる。
アリーレン基は上記アリール基から誘導されるアリーレン基が上げられる。
アルケニル基としては、炭素原子数2乃至10のアルケニル基であり、例えばエテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−エテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−n−プロピルエテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、2−エチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、1−i−プロピルエテニル基、1,2−ジメチル−1−プロペニル基、1,2−ジメチル−2−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−メチル−1−ペンテニル基、1−メチル−2−ペンテニル基、1−メチル−3−ペンテニル基、1−メチル−4−ペンテニル基、1−n−ブチルエテニル基、2−メチル−1−ペンテニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、2−メチル−3−ペンテニル基、2−メチル−4−ペンテニル基、2−n−プロピル−2−プロペニル基、3−メチル−1−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基、3−メチル−4−ペンテニル基、3−エチル−3−ブテニル基、4−メチル−1−ペンテニル基、4−メチル−2−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、4−メチル−4−ペンテニル基、1,1−ジメチル−2−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1,2−ジメチル−1−ブテニル基、1,2−ジメチル−2−ブテニル基、1,2−ジメチル−3−ブテニル基、1−メチル−2−エチル−2−プロペニル基、1−s−ブチルエテニル基、1,3−ジメチル−1−ブテニル基、1,3−ジメチル−2−ブテニル基、1,3−ジメチル−3−ブテニル基、1−i−ブチルエテニル基、2,2−ジメチル−3−ブテニル基、2,3−ジメチル−1−ブテニル基、2,3−ジメチル−2−ブテニル基、2,3−ジメチル−3−ブテニル基、2−i−プロピル−2−プロペニル基、3,3−ジメチル−1−ブテニル基、1−エチル−1−ブテニル基、1−エチル−2−ブテニル基、1−エチル−3−ブテニル基、1−n−プロピル−1−プロペニル基、1−n−プロピル−2−プロペニル基、2−エチル−1−ブテニル基、2−エチル−2−ブテニル基、2−エチル−3−ブテニル基、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル基、1−t−ブチルエテニル基、1−メチル−1−エチル−2−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル基、1−i−プロピル−1−プロペニル基、1−i−プロピル−2−プロペニル基、1−メチル−2−シクロペンテニル基、1−メチル−3−シクロペンテニル基、2−メチル−1−シクロペンテニル基、2−メチル−2−シクロペンテニル基、2−メチル−3−シクロペンテニル基、2−メチル−4−シクロペンテニル基、2−メチル−5−シクロペンテニル基、2−メチレン−シクロペンチル基、3−メチル−1−シクロペンテニル基、3−メチル−2−シクロペンテニル基、3−メチル−3−シクロペンテニル基、3−メチル−4−シクロペンテニル基、3−メチル−5−シクロペンテニル基、3−メチレン−シクロペンチル基、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基及び3−シクロヘキセニル基等が挙げられる。
アルケニレン基としては上記アルケニル基から誘導されるアルケニレン基が挙げられる。
アルキニル基としては炭素原子数2乃至10のアルケニル基であり、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、1−メチル−3−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニル基、3−メチル−1−ブチニル基、1,1−ジメチル−2−プロピニル基、2−エチル−2−プロピニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、1−メチル−2−ペンチニル基、1−メチル−3−ペンチニル基、1−メチル−4−ペンチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、2−メチル−4−ペンチニル基、3−メチル−1−ペンチニル基、3−メチル−4−ペンチニル基、4−メチル−1−ペンチニル基、4−メチル−2−ペンチニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基、1,1−ジメチル−3−ブチニル基、1,2−ジメチル−3−ブチニル基、2,2−ジメチル−3−ブチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基、1−エチル−2−ブチニル基、1−エチル−3−ブチニル基、1−n−プロピル−2−プロピニル基、2−エチル−3−ブチニル基、1−メチル−1−エチル−2−プロピニル基及び1−i−プロピル−2−プロピニル基等が挙げられる。
アルキニレン基は上記アルキニル基から誘導されるアルキニレン基が挙げられる。
炭素数2〜10のアシル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、s−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、1−メチル−シクロプロピルカルボニル基、2−メチル−シクロプロピルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、1−メチル−n−ブチルカルボニル基、2−メチル−n−ブチルカルボニル基、3−メチル−n−ブチルカルボニル基、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニル基、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニル基、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニル基、1−エチル−n−プロピルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、1−メチル−シクロブチルカルボニル基、2−メチル−シクロブチルカルボニル基、3−メチル−シクロブチルカルボニル基、1,2−ジメチル−シクロプロピルカルボニル基、2,3−ジメチル−シクロプロピルカルボニル基、1−エチル−シクロプロピルカルボニル基、2−エチル−シクロプロピルカルボニル基、n−ヘキシルカルボニル基、1−メチル−n−ペンチルカルボニル基、2−メチル−n−ペンチルカルボニル基、3−メチル−n−ペンチルカルボニル基、4−メチル−n−ペンチルカルボニル基、1,1−ジメチル−n−ブチルカルボニル基、1,2−ジメチル−n−ブチルカルボニル基、1,3−ジメチル−n−ブチルカルボニル基、2,2−ジメチル−n−ブチルカルボニル基、2,3−ジメチル−n−ブチルカルボニル基、3,3−ジメチル−n−ブチルカルボニル基、1−エチル−n−ブチルカルボニル基、2−エチル−n−ブチルカルボニル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピルカルボニル基等が挙げられる。
炭素数2〜10のアシルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、i−プロピルカルボニルオキシ基、シクロプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、i−ブチルカルボニルオキシ基、s−ブチルカルボニルオキシ基、t−ブチルカルボニルオキシ基、シクロブチルカルボニルオキシ基、1−メチル−シクロプロピルカルボニルオキシ基、2−メチル−シクロプロピルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、1−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、3−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1−エチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、1−メチル−シクロブチルカルボニルオキシ基、2−メチル−シクロブチルカルボニルオキシ基、3−メチル−シクロブチルカルボニルオキシ基、1,2−ジメチル−シクロプロピルカルボニルオキシ基、2,3−ジメチル−シクロプロピルカルボニルオキシ基、1−エチル−シクロプロピルカルボニルオキシ基、2−エチル−シクロプロピルカルボニルオキシ基、n−ヘキシルカルボニルオキシ基、1−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、2−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、3−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、4−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、1,1−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、3,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,1,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
第3級炭素構造を有する基はターシャリーブチル基を好ましく用いることができる。
また、アダマンタン、ノルボルネンから誘導される1価の有機基を用いることができる。
式(3)において、Rが少なくともシアノ基を含み、n1が1〜4の整数である構造を用いることができる。
式(4)において、Lはスルホニル基、又はカルボニル基である構造を用いることができる。
本願発明に用いるポリマーは、上記Lの選択とは別に、又は上記Lの選択と共に、Tが式(5)である上記式(1)の単位構造、Tが式(6)である上記式(1)の単位構造、又はそれらの単位構造の組み合わせを含むポリマーを含むことができる。
即ち、Lが式(3)である上記式(1)の単位構造、Lが式(4)である上記式(1)の単位構造、Tが式(5)である上記式(1)の単位構造、Tが式(6)である上記式(1)の単位構造、Lが式(3)でありTが式(5)である上記式(1)の単位構造、Lが式(3)でありTが式(6)である上記式(1)の単位構造、Lが式(4)でありTが式(5)である上記式(1)の単位構造、Lが式(4)でありTが式(6)である上記式(1)の単位構造、又はこれらの組み合わせを含むポリマーを用いることができる。
式(5)、(6)中、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、ヒドロキシル基、アリル基、アリロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、第3級炭素構造を有する基、環状アルキル基、又はそれらの組み合わせであり、n4、n5及びn6はそれぞれ0〜4の整数を示す。Tはフルオロアルキレン基、環状アルキレン基、又はこれらの組み合わせを示す。
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、アシル基、アシルオキシ基、第3級炭素構造を有する基、及び環状アルキル基は上述の例示を用いることができる。
フルオロアルキレン基及び環状アルキレン基は上述の例示を用いることができ、これらを単独で用いることも、組み合わせて用いることもできる。
本願発明は式(1)の単位構造に加え、更に式(7)の単位構造を含む共重合体を用いることができる。
式(7)中、Lは上記式(3)又は式(4)を示し、Tはアルキレン基、スルホニル基、カルボニル基、炭素数6〜30のアリーレン基、又はこれらの組み合わせを示す。これらのアリーレン基、アルキレン基は上述の例示を用いることができる。
式(7)においてアリーレン基は、置換若しくは非置換のフェニレン基又はナフチレン基を用いることができる。式(7)において、上記アルキレン基としては炭素原子数1〜10のアルキレン基が挙げられ、これらのアルキレン基は例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、プロパン−2,2−ジイル基、ブチレン基、イソブチレン基、ブチレン基、ブチレン基等が挙げられる。中でもプロパン−2,2−ジイル基等の炭素原子数1〜4のアルキレン基が挙げられる。
本願発明において第3級炭素構造を有する基は、第3級炭素構造を有する官能基である。この官能基が炭素原子の水素原子に置換して第4級炭素を生じる。この第3級炭素構造の炭素に結合している有機基は、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基や、フェニル基等のアリール基が例示されるが、メチル基が好ましく用いられ、3つのメチル基を有するターシャリーブチル基は好ましく用いることができる。
本発明において、絶縁膜が式(8)で表される単位構造を含むポリマーを用いることができる。
式(8)中、Qは炭素原子数1乃至6のアルキル基、アリル基、ビニル基、エポキシ基又はグリシジル基を表し、Rは炭素原子数1乃至10のアルキレン基、炭素原子数2乃至10のアルケニレン基若しくはアルキニレン基、炭素原子数6乃至40のアリーレン基、炭素原子数4乃至10の環状アルキレン基、又は下記式(9)若しくは式(10)を示す。
そして、式(9)、(10)中、A、A及びAはそれぞれ独立に炭素原子数6乃至14のアリーレン基又は炭素原子数4乃至10の環状アルキレン基を表し、Rはスルホニル基、カルボニル基又は炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表し、該アルキレン基の少なくとも1つの水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、R及びR10はそれぞれ独立に炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表す。
本発明に用いられる単位構造は以下に例示することができる。
Figure 2016063009
Figure 2016063009
絶縁膜形成組成物は、スピン塗布するために有機溶剤を用いて溶解させることができる。ポリマーが有機溶剤に溶解し、溶液粘度が0.001〜5000Pa・sの粘度を示す範囲でスピンコート性を示す塗布液とすることができる。
上記有機溶剤としては、その他半導体工程で使用できる溶媒であれば特に限定はないが、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテル等の多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサン等の環式エーテル類;及び乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類を用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施の形態に係る絶縁膜形成組成物には、本発明における本質的な特性を損なわない範囲で、さらに、混和性のある添加剤、例えば塗布性能の改良するための界面活性剤や、付加的樹脂、安定剤などの慣用されているものを添加することができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF352((株)ジェムコ製)、メガファック(登録商標)F171、同F173、同R30、R30N、R40LM(DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード(登録商標)AG710、サーフロン(登録商標)S−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、二種以上の組合せで添加することもできる。配合量は全固形分中で例えば0.01質量%乃至10質量%である。
本発明では、基板上に密着強化膜を形成し、その上に絶縁膜形成組成物をスピンコーター等の装置でスピンコートで塗布し、0.1μm以上100μm以下とすることができる。この厚さが薄すぎると絶縁性が十分得られない可能性があり、厚すぎると絶縁膜にクラックが生じる可能性がある。よって好ましくは0.5μm〜10μmである。
また、塗布後に100〜350℃、100〜300℃、又は100〜250℃程度の温度で0.5分〜180分、0.5分〜120分、又は1分〜60分程度の焼成を行うことができる。
基板に、密着強化膜を形成し、その上に絶縁膜を形成した被覆基板は、薄化したウェハの研磨面を被覆することや、薄化したウェハの回路が形成された回路面を保護に用いることができる。
(合成例1/絶縁膜用ポリエーテルの合成)
撹拌基、温度計、ジムロート冷却管を備えた三口フラスコに4,4’−ジフルオロベンゾフェノン278.23gと、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン274.72g、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン187.70gを1−メチル−2−ピロリジノン2221.81gに溶解させ、炭酸カリウム626.57gを加え、系内を窒素置換した。160℃のオイルバスで20時間反応させた。
反応終了後、系内の温度が80℃になるまで冷却し、1−メチル−2−ピロリジノン1578.81gに溶解させたプロパルギルブロミド373.50gと、炭酸カリウム621.95g、ヨウ化カリウム373.24gを加えて、80℃で20時間攪拌し、ポリマー末端のフェノール基およびアミノ基に反応させた。
反応終了後、反応溶液を桐山ロートで吸引濾過し、得られたろ液に2N−塩酸:1−メチル−2−ピロリジノン=1:9の溶液を酸性になるまで加え、pH試験紙を用いて溶液が酸性条件であることを確認した。その後、得られた溶液を水:メタノール=1:9の混合液に滴下し、再沈殿した。滴下後、ブフナーロートで吸引濾過し、水:メタノール=1:9の混合液で洗浄し、得られた粉体を50℃に加熱した減圧乾燥機で12時間乾燥させ、式(B−1−1)で表される単位構造を有するポリマーを得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は12000であった。
(合成例2/絶縁膜用ポリイソシアヌレートの合成)
攪拌装置、還流器及び温度計を備えたフラスコにモノアリルイソシアヌル酸143.77g、o−ジクロロキシレン66.96g、1,5−ジブロモペンタン87.95g、炭酸カリウム258.45g及びN−メチル−2−ピロリドン410.66gを入れた。その後フラスコ内を窒素置換した後、70℃まで加熱し20時間反応させた。その後溶液を室温まで冷却させた後、ろ過してろ液を回収し、N−メチル−2−ピロリドンと1mol/L塩酸の体積比が90:10の混合液をpHが酸性となるまで加えた。その後メタノールに投入し再沈精製を行って、式(B−2−1)で表される構造単位を有するポリマーを得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は7,800であった。
(合成例3/密着強化膜用ポリシロキサンの合成)
テトラエトキシシラン10.24g(50mol%)、ビニルトリメトキシシラン7.28g(50mol%)、アセトン26.28gを100mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸6.20gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36.00gを加え、反応副生物であるエタノール、メタノール、水、塩酸、アセトンを減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。得られたポリマーは、式(A−1)に相当した。140℃における固形残物換算で30質量パーセントとなるように調整した。得られたポリシロキサンのGPC分析をおこなったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は2100であった。
(合成例4/密着強化膜用ポリシロキサンの合成)
テトラエトキシシラン8.45g(50mol%)、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン9.50g(50mol%)、アセトン26.93gを100mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸5.12gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36.00gを加え、反応副生物であるエタノール、メタノール、水、塩酸、アセトンを減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。得られたポリマーは、式(A−2)に相当した。140℃における固形残物換算で30質量パーセントとなるように調整した。得られたポリシロキサンのGPC分析をおこなったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は2100であった。
(合成例5/密着強化膜用ポリシロキサンの合成)
テトラエトキシシラン8.19g(50mol%)、(4−ビニルフェニル)トリメトキシシラン8.82g(50mol%)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.91g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート26.89gを100mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸5.18gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36.00gを加え、反応副生物であるエタノール、メタノール、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。得られたポリマーは、式(A−3)に相当した。140℃における固形残物換算で30質量パーセントとなるように調整した。得られたポリシロキサンのGPC分析をおこなったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は1200であった。
(合成例6/密着強化膜用ポリシロキサンの合成)
テトラエトキシシラン6.20g(50mol%)、(3−(トリエトキシシリルプロピル)ジアリルイソシアヌレート12.30g(50mol%)、アセトン27.75gを100mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸3.75gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36.00gを加え、反応副生物であるエタノール、水、塩酸、アセトンを減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。得られたポリマーは、式(A−4)に相当した。140℃における固形残物換算で30質量パーセントとなるように調整した。得られたポリシロキサンのGPC分析をおこなったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は1300であった。
(比較合成例1/密着強化膜用ポリシロキサンの合成)
テトラエトキシシラン18.12g(100mol%)、アセトン27.18gを100mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸6.27gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36.00gを加え、反応副生物であるエタノール、水、塩酸、アセトンを減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。140℃における固形残物換算で30質量パーセントとなるように調整した。得られたポリシロキサンのGPC分析をおこなったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は2800であった。
(比較合成例2/密着強化膜用ポリシロキサンの合成)
テトラエトキシシラン9.12g(50mol%)、フェニルトリメトキシシラン8.68g(50mol%)、アセトン26.69gを100mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸5.52gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36.00gを加え、反応副生物であるエタノール、メタノール、水、塩酸、アセトンを減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。140℃における固形残物換算で30質量パーセントとなるように調整した。得られたポリシロキサンのGPC分析をおこなったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は1200であった。
<絶縁膜形成組成物の調製>
(実施例1)
上記合成例1で得たポリマー26.00gをシクロヘキサノン60.67gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として30質量%含有する絶縁膜形成組成物を調製した。
(実施例2)
上記合成例2で得たポリマー26.00gをシクロヘキサノン60.67gに溶解させ、その後、孔径1.0μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、固形分として30質量%含有する絶縁膜形成組成物を調製した。
<密着強化膜形成組成物の調製>
上記合成例3〜6及び比較合成例1〜2で得られたポリシロキサン、酸、硬化触媒、溶媒、水を表1に示す割合になるように混合し、0.02μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、密着膜形成組成物の溶液をそれぞれ調製した。表1中のポリマーの割合はポリマー溶液の質量ではなく、ポリマー自体の質量を示した。
表5中でマレイン酸はMA、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドはBTEAC、N−(3−トリエトキシシリプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールはIMIDTEOS、マレイン酸モノトリフェニルスルフォニウムはTPSMA、トリフェニルスルホニウム硝酸塩はTPSNO3、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートはPGMEA、プロピレングリコールモノエチルエーテルはPGEE、プロピレングリコールモノメチルエーテルはPGMEと略した。水は超純水を用いた。各添加量は質量部で示した。
〔表1〕
表1
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ポリマー 酸 硬化触媒 溶剤
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例3 合成例3 MA IMIDTEOS PGME PGEE PGMEA 水
(質量部) 0.2 0.002 0.0012 10 76 7 7
実施例4 合成例4 MA IMIDTEOS PGME PGEE PGMEA 水
(質量部) 0.2 0.002 0.0012 10 76 7 7
実施例5 合成例5 MA IMIDTEOS PGME PGEE PGMEA 水
(質量部) 0.2 0.002 0.0012 10 76 7 7
実施例6 合成例6 MA IMIDTEOS PGME PGEE PGMEA 水
(質量部) 0.2 0.002 0.0012 10 76 7 7
実施例7 合成例6 MA BTEAC PGME PGEE PGMEA 水
(質量部) 0.2 0.002 0.0012 10 76 7 7
実施例8 合成例6 MA TPSMA PGME PGEE PGMEA 水
(質量部) 0.2 0.002 0.0012 10 76 7 7
実施例9 合成例6 MA TPSNO3 PGME PGEE PGMEA 水
(質量部) 0.2 0.002 0.0012 10 76 7 7
比較例1 比較合成例1 MA IMIDTEOS PGME PGEE PGMEA 水
(質量部) 0.2 0.002 0.0012 10 76 7 7
比較例2 比較合成例2 MA IMIDTEOS PGME PGEE PGMEA 水
(質量部) 0.2 0.002 0.0012 10 76 7 7
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<密着性評価サンプルの作製>
(実施例10)
実施例3で調整した密着強化膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
(実施例11)
実施例4で調整した密着強化膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
(実施例12)
実施例5で調整した密着強化膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
(実施例13)
実施例6で調整した密着強化膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
(実施例14)
実施例7で調整した密着強化膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
(実施例15)
実施例8で調整した密着強化膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
(実施例16)
実施例9で調整した密着強化膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
(実施例17)
実施例8で調整した密着強化膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例2で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
(比較例3)
実施例1で調整した絶縁膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
(比較例4)
実施例2で調整した絶縁膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
(比較例5)
比較例1で調整した密着強化膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
(比較例6)
比較例2で調整した密着強化膜形成組成物をシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した熱硬化性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、200℃で60分間ベークを行い、被覆基板を形成した。
<密着性評価>
実施例10〜17及び比較例3〜6で作成した膜を、85℃85%RHの高温高湿環境に24時間静置後、碁盤目試験(JIS K5400)によるウェハに残ったマス数を数え、密着性を評価した。100マス中、残マス数が100を◎とし、90〜99を○とし、89以下を×と判断した。結果を表2に記載した。
〔表2〕
表2 密着性
―――――――――――――――――――
実施例10 ○
実施例11 ◎
実施例12 ◎
実施例13 ◎
実施例14 ◎
実施例15 ◎
実施例16 ◎
実施例17 ◎
比較例3 ×
比較例4 ×
比較例5 ×
比較例6 ×
―――――――――――――――――――
表2に示されるように、本発明から得られた密着剤を塗布することで、高温高湿環境下に曝されても、高い密着性が得られることがわかる。一方、比較例3〜6は密着力が低く膜が剥離してしまった。
<電気絶縁性評価>
(実施例18)
実施例3で調整した密着強化膜形成組成物を電気抵抗の低いシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、180℃で60分間ベークを行い絶縁膜を形成し、被覆基板を形成した。
(実施例19)
実施例4で調整した密着強化膜形成組成物を電気抵抗の低いシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、180℃で60分間ベークを行い絶縁膜を形成し、被覆基板を形成した。
(実施例20)
実施例5で調整した密着強化膜形成組成物を電気抵抗の低いシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、180℃で60分間ベークを行い絶縁膜を形成し、被覆基板を形成した。
(実施例21)
実施例6で調整した密着強化膜形成組成物を電気抵抗の低いシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、180℃で60分間ベークを行い絶縁膜を形成し、被覆基板を形成した。
(実施例22)
実施例7で調整した密着強化膜形成組成物を電気抵抗の低いシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、180℃で60分間ベークを行い絶縁膜を形成し、被覆基板を形成した。
(実施例23)
実施例8で調整した密着強化膜形成組成物を電気抵抗の低いシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、180℃で60分間ベークを行い絶縁膜を形成し、被覆基板を形成した。
(実施例24)
実施例9で調整した密着強化膜形成組成物を電気抵抗の低いシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例1で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、180℃で60分間ベークを行い絶縁膜を形成し、被覆基板を形成した。
(実施例25)
実施例9で調整した密着強化膜形成組成物を電気抵抗の低いシリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、140℃で1分間ベークを行い、密着強化膜を形成した。その上に実施例2で調整した絶縁膜形成組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、180℃で60分間ベークを行い絶縁膜を形成し、被覆基板を形成した。
実施例18〜25で得られた被覆基板の電気絶縁性について、水銀プローバ(Four Dimensions社製、CVmap92−A)による2MV/cmの電界強度を樹脂膜に与えた際のリーク電流密度A/cmを測定した。リーク電流密度が1×10−8未満を◎とし、1×10−8以上1×10−7未満を○とし、1×10−7以上を×と判断した。結果を表3に記載した。
〔表3〕
表3 電気絶縁性
―――――――――――――――――――
リーク電流密度
実施例18 ◎
実施例19 ◎
実施例20 ◎
実施例21 ◎
実施例22 ◎
実施例23 ◎
実施例24 ◎
実施例25 ◎
―――――――――――――――――――
表3に示されるように、本発明から得られた密着強化膜が形成された場合でも優れた絶縁性が得られた。
本願発明は基板に被覆した密着強化膜と絶縁膜を形成することで、密着性と絶縁性が向上した被覆基板を提供するものである。

Claims (12)

  1. 基板に、密着強化膜を形成し、その上に絶縁膜を形成した被覆基板であって、密着強化膜が多重結合構造を有する有機基を有するポリシロキサンを含む膜であり、絶縁膜が多重結合構造を有する有機基を有するポリエーテル又はポリイソシアヌレートを含む膜である上記被覆基板。
  2. 絶縁膜が、下記式(i):
    Figure 2016063009

    (式中、Tはスルホニル基、フルオロアルキレン基、環状アルキレン基、置換基を有するアリーレン基、又は置換基を有していても良いアリーレン基とフルオロアルキレン基若しくは環状アルキレン基との組み合わせを示す。)の単位構造を含むポリマーであって、該ポリマーの末端、側鎖、又は主鎖に式(2−A)、式(2−B)、又はそれら両方の構造を有する基を少なくとも一つ有するポリマーを含む絶縁膜形成組成物から形成された絶縁膜である請求項1に記載の被覆基板。
    Figure 2016063009
  3. 絶縁膜が、下記式(1):
    Figure 2016063009
    (式中、Lはアリーレン基、又はアリーレン基とスルホニル基若しくはカルボニル基との組み合わせであり、Tはフルオロアルキレン基、環状アルキレン基、置換基を有するアリーレン基、又は置換基を有していても良いアリーレン基とフルオロアルキレン基若しくは環状アルキレン基との組み合わせを示す。)の単位構造を含むポリマーであって、該ポリマーの末端、側鎖、又は主鎖に請求項2記載の式(2−A)、式(2−B)、又はそれら両方の構造を有する基を少なくとも一つ有するポリマーを含む絶縁膜形成組成物より形成された絶縁膜である請求項1に記載の被覆基板。
  4. が下記式(3)である上記式(1)の単位構造、Lが下記式(4)である上記式(1)の単位構造、又はそれらの単位構造の組み合わせを含むポリマーを含む請求項3に記載の被覆基板。
    Figure 2016063009

    (式中、R、R、及びRはそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、ヒドロキシル基、アリル基、アリロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、第3級炭素構造を持った基、環状アルキル基、又はそれらの組み合わせであり、Lはスルホニル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフィニル基、又はスルホンアミド基であり、n1、n2、n3はそれぞれ0〜4の整数を示す。)
  5. が下記式(5)である上記式(1)の単位構造、Tが下記式(6)である上記式(1)の単位構造、又はそれらの単位構造の組み合わせを含むポリマーを含む請求項3又は請求項4に記載の被覆基板。
    Figure 2016063009

    (式中、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、ヒドロキシル基、アリル基、アリロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、第3級炭素構造を有する基、環状アルキル基、又はそれらの組み合わせであり、n4、n5及びn6はそれぞれ0〜4の整数を示す。Tはフルオロアルキレン基、環状アルキレン基、又はこれらの組み合わせを示す。)
  6. 更に式(7):
    Figure 2016063009

    (式中Lは上記式(3)又は式(4)を示し、Tはアルキレン基、スルホニル基、カルボニル基、炭素数6〜30のアリーレン基、又はこれらの組み合わせを示す。)の単位構造を含むポリマーを含む請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の被覆基板。
  7. 絶縁膜が、下記式(8)で表される単位構造を含むポリマーである請求項1に記載の被覆基板。
    Figure 2016063009

    〔式(8)中、Qは炭素原子数1乃至6のアルキル基、アリル基、ビニル基、エポキシ基又はグリシジル基を表し、Rは炭素原子数1乃至10のアルキレン基、炭素原子数2乃至10のアルケニレン基若しくはアルキニレン基、炭素原子数6乃至40のアリーレン基、炭素原子数4乃至10の環状アルキレン基、又は下記式(9)若しくは式(10):
    Figure 2016063009

    (式(9)、(10)中、A、A及びAはそれぞれ独立に炭素原子数6乃至14のアリーレン基又は炭素原子数4乃至10の環状アルキレン基を表し、Rはスルホニル基、カルボニル基又は炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表し、該アルキレン基の少なくとも1つの水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、R及びR10はそれぞれ独立に炭素原子数1乃至5のアルキレン基を表す。)を示す。〕
  8. 密着強化膜が、ビニル基、カルボニル基、又はそれを含む有機基を有するポリシロキサンを含む密着強化膜形成組成物から形成された密着強化膜である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の被覆基板。
  9. ポリシロキサンが式(11)の加水分解性シラン:
    Figure 2016063009

    (式(11)中、R11はビニル基、カルボニル基、又はそれを含む有機基であり、且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものである。R12はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はエポキシ基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものである。R13はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基である。aは1又は2の整数を示し、bは0又は1の整数を示し、a+bは1又は2の整数を示す。)の加水分解縮合物である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の被覆基板。
  10. ポリシロキサンが式(11)の加水分解性シランと、その他の加水分解性シランを、1:0.1〜10のモル比で組み合わせた加水分解性シランの加水分解縮合物であり、
    その他の加水分解性シランが式(12)及び式(13):
    Figure 2016063009

    (式(12)中、R14はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はエポキシ基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R15はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。)、及び
    Figure 2016063009

    (式(13)中、R16はアルキル基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R17はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランである請求項9に記載の被覆基板。
  11. 被覆基板が薄化したウェハの研磨面を被覆したものである請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の被覆基板。
  12. 被覆基板が薄化したウェハの回路が形成された回路面を保護したものである請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の被覆基板。
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