JP2013120292A - ポジ型感放射線性組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法 - Google Patents
ポジ型感放射線性組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013120292A JP2013120292A JP2011268380A JP2011268380A JP2013120292A JP 2013120292 A JP2013120292 A JP 2013120292A JP 2011268380 A JP2011268380 A JP 2011268380A JP 2011268380 A JP2011268380 A JP 2011268380A JP 2013120292 A JP2013120292 A JP 2013120292A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- cured film
- sensitive composition
- compound
- positive radiation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明は、[A]下記式(i)で表される基がケイ素原子に結合した構造を有するシロキサンポリマー、及び[B]キノンジアジド化合物を含有するポジ型感放射線性組成物である。式(i)中、R1は、炭素数6〜15のアリール基である。Yは、単結合又はヘテロ原子を含む2価の連結基である。Xは、メチレン基又は炭素数2〜10のアルキレン基である。但し、R1とXとが互いに結合して環構造を形成してもよい。
【選択図】なし
Description
[A]下記式(i)で表される基がケイ素原子に結合した構造を有するシロキサンポリマー(以下、[A]シロキサンポリマーとも称する)、及び
[B]キノンジアジド化合物
を含有するポジ型感放射線性組成物である。
(1)当該ポジ型感放射線性組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)工程(1)で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)工程(2)で放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する工程
を含む。
本発明のポジ型感放射線性組成物は、[A]シロキサンポリマー及び[B]キノンジアジド化合物を含有する。また、当該ポジ型感放射線性組成物は、好適成分として[C]感熱性酸発生剤又は感熱性塩基発生剤をしてもよく、さらに、本発明の効果を損なわない限りその他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分を詳述する。
[A]シロキサンポリマーは、上記式(i)で表される基がケイ素原子に結合した構造及びシロキサン結合を有する化合物のポリマーである限りは特に限定されるものではない。[A]シロキサンポリマーは、硬化膜を形成するための塗膜形成工程(プレベーク工程)及び加熱工程(ポストベーク工程)において、縮合して層間絶縁膜等の硬化膜を構成する。また、好適成分である[C]感熱性酸発生剤又は感熱性塩基発生剤を当該ポジ型感放射線性組成物に加えた場合、加熱工程において酸性活性物質又は塩基性活性物質を発生し、これが触媒となって[A]シロキサンポリマーの縮合がさらに促進される。
上記式(1)中、R1、Y及びXは上記式(i)と同義である。R2は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜30の1価の脂環式炭化水素基である。Zは、ハロゲン原子又はOR3である。但し、R3は、水素原子、炭素数1〜6のアシル基又は炭素数1〜6のアルキル基である。aは、1から3の整数である。bは、0から2の整数である。但し、a+b≦3を満たす。R1、Y、X、R2、Z及びR3がそれぞれ複数の場合、複数のR1、Y、X、R2、Z及びR3は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
化合物(I)及びその他の加水分解性シラン化合物等を含む加水分解性シラン化合物を加水分解縮合させる条件は、化合物(I)等の加水分解性シラン化合物の少なくとも一部を加水分解して、加水分解性基(−OR3)等をシラノール基に変換し、縮合反応を起こさせるものである限り、特に限定されるものではないが、一例として以下のように実施することができる。
[B]キノンジアジド化合物は、放射線の照射によりカルボン酸を発生する化合物である。このようなキノンジアジド化合物を含有するポジ型感放射線性組成物は、放射線照射工程における露光部分が現像工程で除去されるポジ型の感放射線特性を有する。なお、本明細書にいう「感放射線性組成物」の「放射線」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等を含む概念である。
[C]感熱性酸発生剤又は感熱性塩基発生剤は、加熱によって、[A]シロキサンポリマーを縮合・硬化反応させる際の触媒として作用する酸性活性物質又は塩基性活性物質を放出することができる化合物と定義される。このような[C]成分の化合物を用いることによって、当該ポジ型感放射線性組成物の現像後の加熱工程における[A]シロキサンポリマーの縮合反応が促進されるので、表面硬度及び耐熱性にさらに優れた硬化膜を形成することができる。なお、[C]成分の感熱性酸発生剤又は感熱性塩基発生剤としては、当該ポジ型感放射線性組成物の塗膜形成工程における比較的低温(例えば70℃〜120℃)のプレベーク時には酸性活性物質又は塩基性活性物質を放出せず、現像後の加熱工程における比較的高温(例えば120℃〜250℃)のポストベーク時に酸性活性物質又は塩基性活性物質を放出する性質を有するものが好ましい。
熱架橋性化合物は、硬化膜を形成する際の加熱工程(ポストベーク工程)における熱硬化時に[A]シロキサンポリマー等の架橋成分として作用する。このような熱架橋性化合物を用いることによって、ポジ型感放射線性組成物の現像後の加熱工程における[A]シロキサンポリマーの縮合(架橋)をより促進し、表面硬度及び耐熱性により優れる硬化膜を形成することができる。
本発明のポジ型感放射線性組成物は、上記の[A]シロキサンポリマー及び[B]キノンジアジド化合物、並びに好適な任意成分としての[C]成分及び熱架橋性化合物に加え、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて脱水剤、界面活性剤等のその他の任意成分を含有することができる。
脱水剤は、水を化学反応により水以外の物質に変換することができるか、又は水を物理吸着若しくは包接によりトラップすることができる物質として定義される。当該ポジ型感放射線性組成物に、任意に脱水剤を含有させることにより、環境から進入する水分、又はポジ型感放射線性組成物の現像後の加熱工程における[A]シロキサンポリマーの縮合の結果発生する水分を低減することができる。従って、脱水剤を用いることによって、組成物中の水分を低減することが可能であり、その結果、組成物の保存安定性を向上させることができる。さらに、[A]シロキサンポリマーの縮合の反応性を高めることができると考えられる。このような脱水剤としては、カルボン酸エステル、アセタール類(ケタール類を含む)、及びカルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。
界面活性剤は、当該ポジ型感放射線性組成物の塗布性の改善、塗布ムラの低減、放射線照射部の現像性を改良するために添加することができる。このような界面活性剤としては、例えばノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類;
ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジアルキルエステル類;
ポリフローNo.57、同No.95(共栄社化学製)等の(メタ)アクリル酸系共重合体類等が挙げられる。
1,1,2,2−テトラフルオロオクチル(1,1,2,2−テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル等のフルオロエーテル類;
パーフルオロドデシルスルホン酸ナトリウム;1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフルオロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロデカン等のフルオロアルカン類;
フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム類;
フルオロアルキルオキシエチレンエーテル類;
フルオロアルキルアンモニウムヨージド類;
フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル類;
パーフルオロアルキルポリオキシエタノール類;
パーフルオロアルキルアルコキシレート類;
フッ素系アルキルエステル類等が挙げられる。
本発明のポジ型感放射線性組成物は、例えば溶媒中で[A]シロキサンポリマー、[B]キノンジアジド化合物、[C]成分、熱架橋性化合物及び必要に応じてその他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製される。当該ポジ型感放射線性組成物は、適当な溶媒に溶解又は分散させた状態に調製され使用されることが好ましい。
ジエチレングリコールアルキルエーテル類として、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類として、例えばメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等;
プロピレングリコールモノアルキルエーテル類として、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類として、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート類として、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート等;
ケトン類としては、例えばメチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)等;
エステル類としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロチル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等がそれぞれ挙げられる。
本発明の硬化膜の形成方法は、
(1)当該ポジ型感放射線性組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)工程(1)で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)工程(2)で放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する工程
を含む。当該硬化膜の形成方法によれば、本発明のポジ型感放射線性組成物を用いるため、耐熱性に優れる硬化膜を形成することができ、かつ、硬化膜形成の際の加熱工程におけるアウトガスの発生を低減できる。また、当該形成方法により形成される硬化膜は、表面硬度等の一般的特性も十分に満足する。以下、各工程を詳述する。
本工程では、基板上に当該ポジ型感放射線性組成物を塗布した後、好ましくは塗布面を加熱(プレベーク)することにより溶媒を除去して、塗膜を形成する。使用できる基板材料の例としては、ガラス、石英、シリコン、樹脂等が挙げられる。上記樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、環状オレフィンの開環重合体及びその水素添加物等が挙げられる。
本工程では、工程(1)で形成された塗膜の少なくとも一部に露光する。この場合、塗膜の一部に露光する際には、通常、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。露光に使用される放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等が挙げられる。これらのうち、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましく、365nmの紫外線を含む放射線がより好ましい。
本工程では、工程(2)で露光された塗膜を現像することにより、不要な部分(放射線の照射部分)を除去して、所定のパターンを形成する。現像工程に使用される現像液としては、アルカリ(塩基性化合物)水溶液が好ましい。アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本工程では、ホットプレート、オーブン等の加熱装置を用い、工程(3)でパターニングされた薄膜を加熱することによって、上記[A]シロキサンポリマーの縮合反応を促進し、硬化物を得ることができる。特に、[C]成分の感熱性酸発生剤又は感熱性塩基発生剤を用いる場合には、加熱工程において酸性活性物質又は塩基性活性物質が発生し、これが触媒となって[A]シロキサンポリマーの縮合反応がさらに促進されると考えられる。本工程における加熱温度としては、通常120℃〜250℃である。加熱時間は、加熱機器の種類により異なるが、例えば、ホットプレート上で加熱工程を行う場合には5分〜30分、オーブン中で加熱工程を行う場合には30分〜90分とすることができる。2回以上の加熱工程を行うステップベーク法等を用いることもできる。このようにして、目的とする硬化膜に対応するパターン状薄膜を基板の表面上に形成することができる。このように形成された硬化膜の膜厚としては、0.1μm以上8μm以下が好ましく、0.1μm以上6μm以下がより好ましく、0.1μm以上5μm以下がさらに好ましい。
本発明の硬化膜は、上述した当該ポジ型感放射線性組成物を用いて形成されるので、表面硬度等の一般的特性も十分に満足すると共に、耐熱性に優れる。従って、本発明の硬化膜は、カラーTFT液晶表示素子、有機EL素子、電子ペーパー等のフレキシブルディスプレー等に好適に用いられる。
1H−NMR分析は、AVANCE500型(ブルカー製)を使用し、FT−IR分析は、FT−720(堀場製作所製)を使用し測定した。
装置:GPC−101(昭和電工製)
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803及びGPC−KF−804(昭和電工製)を結合したもの
移動相:テトラヒドロフラン
[合成例1]
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル90.3gを仕込み、続いて、上記式(I−1)で表される化合物7.6g(0.03モル)、メチルトリメトキシシラン132.1g(0.97モル)を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水54gに燐酸0.28gを溶解させた燐酸水溶液を滴下し、75℃になるまで加熱し、3時間保持した。次いで溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるシロキサンポリマー(A−1)を合成した。シロキサンポリマー(A−1)の固形分濃度は40.0質量%、数平均分子量(Mn)は1,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.9であった。なお、本明細書において「固形分」とは、試料を175℃のホットプレートで1時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。1H−NMR、FT−IRから求めた、化合物(I−1)に由来する構造単位及びメチルトリメトキシシランに由来する構造単位の含有割合はそれぞれ3モル%及び97モル%であった。
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル90.3gを仕込み、続いて、上記式(I−1)で表される化合物178.1g(0.70モル)、メチルトリメトキシシラン40.9g(0.30モル)を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水54gに燐酸0.28gを溶解させた燐酸水溶液を滴下し、75℃になるまで加熱し、3時間保持した。次いで溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるシロキサンポリマー(A−2)を合成した。シロキサンポリマー(A−2)の固形分濃度は40.0質量%、数平均分子量(Mn)は1,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.9であった。1H−NMR、FT−IRから求めた、化合物(I−1)に由来する構造単位及びメチルトリメトキシシランに由来する構造単位の含有割合はそれぞれ69モル%及び31モル%であった。
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル90.3gを仕込み、続いて、上記式(I−1)で表される化合物128.9g(0.35モル)、メチルトリメトキシシラン88.5g(0.65モル)を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水54gに燐酸0.28gを溶解させた燐酸水溶液を滴下し、75℃になるまで加熱し、3時間保持した。次いで溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるシロキサンポリマー(A−3)を合成した。シロキサンポリマー(A−3)の固形分濃度は40.3質量%、数平均分子量(Mn)は1,500、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。1H−NMR、FT−IRから求めた、化合物(I−1)に由来する構造単位及びメチルトリメトキシシランに由来する構造単位の含有割合はそれぞれ34モル%及び66モル%であった。
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル74.0gを仕込み、続いて、上記式(I−2)で表される化合物79.2g(0.35モル)、メチルトリメトキシシラン88.5g(0.65モル)を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水54gに燐酸0.23gを溶解させた燐酸水溶液を滴下し、75℃になるまで加熱し、3時間保持した。次いで溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるシロキサンポリマー(A−4)を合成した。シロキサンポリマー(A−4)の固形分濃度は39.9質量%、数平均分子量(Mn)は1,400、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。1H−NMR、FT−IRから求めた、化合物(I−2)に由来する構造単位及びメチルトリメトキシシランに由来する構造単位の含有割合はそれぞれ34モル%及び66モル%であった。
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル90.3gを仕込み、続いて、上記式(I−3)で表される化合物100.9g(0.35モル)、メチルトリメトキシシラン88.5g(0.65モル)を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水54gに燐酸0.28gを溶解させた燐酸水溶液を滴下し、75℃になるまで加熱し3時間保持した。次いで溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるシロキサンポリマー(A−5)を合成した。シロキサンポリマー(A−5)の固形分濃度は40.1質量%、数平均分子量(Mn)は1,350、分子量分布(Mw/Mn)は1.9であった。1H−NMR、FT−IRから求めた、化合物(I−3)に由来する構造単位及びメチルトリメトキシシランに由来する構造単位の含有割合はそれぞれ35モル%及び65モル%であった。
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル108.7gを仕込み、続いて、上記式(I−4)で表される化合物140.2g(0.35モル)、メチルトリメトキシシラン88.5g(0.65モル)を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水54gに燐酸0.34gを溶解させた燐酸水溶液を滴下し、75℃になるまで加熱し、3時間保持した。次いで溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるシロキサンポリマー(A−6)を合成した。シロキサンポリマー(A−6)の固形分濃度は40.1質量%、数平均分子量(Mn)は1,550、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。1H−NMR、FT−IRから求めた、化合物(I−4)に由来する構造単位及びメチルトリメトキシシランに由来する構造単位の含有割合はそれぞれ34モル%及び66モル%であった。
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル92.7gを仕込み、続いて、上記式(I−5)で表される化合物104.1g(0.35モル)、メチルトリメトキシシラン88.5g(0.65モル)を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水54gに燐酸0.29gを溶解させた燐酸水溶液を滴下し、75℃になるまで加熱し、3時間保持した。次いで溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるシロキサンポリマー(A−7)を合成した。シロキサンポリマー(A−7)の固形分濃度は40.1質量%、数平均分子量(Mn)は1,350、分子量分布(Mw/Mn)は2.2であった。1H−NMR、FT−IRから求めた、化合物(I−5)に由来する構造単位及びメチルトリメトキシシランに由来する構造単位の含有割合はそれぞれ34モル%及び66モル%であった。
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル81.6gを仕込み、続いて、上記式(I−6)で表される化合物89.4g(0.35モル)、メチルトリメトキシシラン88.5g(0.65モル)を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水54gに燐酸0.26gを溶解させた燐酸水溶液を滴下し、75℃になるまで加熱し、3時間保持した。次いで溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるシロキサンポリマー(A−8)を合成した。シロキサンポリマー(A−8)の固形分濃度は40.1質量%、数平均分子量(Mn)は1,400であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。1H−NMR、FT−IRから求めた、化合物(I−6)に由来する構造単位及びメチルトリメトキシシランに由来する構造単位の含有割合はそれぞれ34モル%及び66モル%であった。
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル78.2gを仕込み、続いて、上記式(I−7)で表される化合物84.8g(0.35モル)、メチルトリメトキシシラン88.5g(0.65モル)を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水54gに燐酸0.25gを溶解させた燐酸水溶液を滴下し、75℃になるまで加熱し、3時間保持した。次いで溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるシロキサンポリマー(A−9)を合成した。シロキサンポリマー(A−9)の固形分濃度は40.1質量%、数平均分子量(Mn)は1,450、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。1H−NMR、FT−IRから求めた、化合物(I−7)に由来する構造単位及びメチルトリメトキシシランに由来する構造単位の含有割合はそれぞれ34モル%及び66モル%であった。
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル66.6gを仕込み、続いて、フェニルトリメトキシシラン69.4g(0.35モル)、メチルトリメトキシシラン88.5g(0.65モル)を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水54gに燐酸0.21gを溶解させた燐酸水溶液を滴下し、75℃になるまで加熱し、3時間保持した。次いで溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるシロキサンポリマー(A−10)を合成した。シロキサンポリマー(A−10)の固形分濃度は40.1質量%、数平均分子量(Mn)は1,600、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。1H−NMR、FT−IRから求めた、フェニルトリメトキシシランに由来する構造単位及びメチルトリメトキシシランに由来する構造単位の含有割合はそれぞれ34モル%及び66モル%であった。
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル66.6gを仕込み、続いて、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン101.6g(0.35モル)、メチルトリメトキシシラン88.5g(0.65モル)を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水54gに燐酸0.21gを溶解させた燐酸水溶液を滴下し、75℃になるまで加熱し、3時間保持した。次いで溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるシロキサンポリマー(A−11)を合成した。シロキサンポリマー(A−11)の固形分濃度は40.1質量%、数平均分子量(Mn)は1,600、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。1H−NMR、FT−IRから求めた、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに由来する構造単位及びメチルトリメトキシシランに由来する構造単位の含有割合はそれぞれ34モル%及び66モル%であった。
各感放射線性組成物の調製に用いた各成分を下記に示す。
B−1:4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(3.0モル)との縮合物
B−2:1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(3.0モル)との縮合物
C−1:ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート
C−2:2−ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート
C−3:1−(4,7−ジブトキシ−1−ナフタレニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホナート
C−4:N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド(NAI−105(みどり化学製))
[A]シロキサンポリマーとしての(A−1)を含む溶液(シロキサンポリマー(A−1)100質量部(固形分)に相当する量)に、[B]キノンジアジド化合物としての(B−1)7質量部、[C]成分としての(C−1)2質量部、及び界面活性剤としてのフッ素系界面活性剤(FTX−218、ネオス製)0.1質量部を加え、固形分濃度が25質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加し、ポジ型感放射線性組成物を調製した。
表1に示す種類、含有量の各成分を混合したこと以外は、実施例1と同様に操作して各ポジ型感放射線性組成物を調製した。
上記のように調製したポジ型感放射線性組成物を使用し、以下のように当該組成物、硬化膜及び液晶セルとしての各種の特性を評価した。
シリコン基板上に、スピンナーを用いて各ポジ型感放射線性組成物を塗布した後、100℃にて2分間ホットプレート上でプレベークすることにより膜厚4.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に対し、キヤノン製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、3.0μmのライン・アンド・スペース(10対1)のパターンを有するマスクを介して露光時間を変化させて露光を行った後、2.38質量%のTMAH水溶液にて25℃、80秒間、液盛り法で現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、乾燥させてシリコン基板上にパターンを形成した。このとき、スペース線幅(底部)が0.30μmとなるのに必要な最小露光量を測定した。この最小露光量を放射線感度として表1に示す。最小露光量が200(mJ/m2)以下の時、放射線感度は良好であると言える。
露光しなかった以外は、上記〔ポジ型感放射線性組成物の放射線感度の評価〕と同様にして塗膜を形成し、クリーンオーブン内にて220℃で1時間ポストベークを行った。その後、シリコン基板上に硬化膜を形成した。JIS K−5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験により硬化膜の鉛筆硬度(表面硬度)を測定した。結果を表1に示す。この値が3H又はそれより大きいとき、硬化膜の表面硬度は良好であると言える。
上記〔硬化膜の鉛筆硬度(表面硬度)の評価〕と同様にして、シリコン基板上に硬化膜を形成し、得られた硬化膜の屈折率を、Auto EL IV NIR III(ルドルフリサーチ製)エリプソメーターを用いて633nmで測定した。この値が1.50以上のとき、層間絶縁膜としての屈折率は実用上問題ないレベルであると言える。
上記〔硬化膜の鉛筆硬度(表面硬度)の評価〕と同様にして、シリコン基板上に硬化膜を形成し、得られた硬化膜の膜厚(T2)を測定した。次いで、この硬化膜が形成されたシリコン基板を、クリーンオーブン内にて240℃で1時間追加ベークした後、当該硬化膜の膜厚(t2)を測定し、追加ベークによる膜厚変化率{|t2−T2|/T2}×100〔%〕を算出した。結果を表1に示す。この値が3%以下のとき、耐熱性が良好であると言える。
上記〔硬化膜の鉛筆硬度(表面硬度)の評価〕と同様にして、シリコン基板上に硬化膜を形成し、得られた硬化膜を粉末化し一定量秤量し試料を作製した。続いてHi−Res TGA2950型 Thermogravimetric Analyzer(TA Instruments製)を用いて、試料を空気雰囲気下(Flow 60ml/min)、室温から400℃まで10℃/minで昇温し、その時の重量減少を測定した。5%重量変化時の温度が350℃以上であれば、耐熱性は良好であると言える。
上記〔ポジ型感放射線性組成物の放射線感度の評価〕と同様に、ガラス基板上に塗膜を形成した。得られた塗膜に、それぞれキヤノン製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用いて、積算照射量が3,000J/m2となるように露光を行った後、クリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱することにより硬化膜を得た。この硬化膜を有するガラス基板の光線透過率を、分光光度計「150−20型ダブルビーム」(日立製作所製)を用いて400〜800nmの範囲の波長で測定した。そのときの最低光線透過率の値を表1に示す。最低光線透過率が95%以上の時、光線透過率は良好であると言える。
5℃で7日間保存したポジ型感放射線性組成物の液中にある0.5μm以上の大きさの固形異物を、光散乱式液中粒子検出器(リオン製の「KS−28B」)により測定した。[A]シロキサンポリマーと[B]キノンジアジド化合物との相溶性が低い場合、[B]キノンジアジド化合物が固形異物として析出しやすい状態であり、経時的に液中異物が増加する傾向にある。このような固形異物が増加傾向にあるポジ型感放射線性組成物を用いて硬化膜を形成すると、硬化膜中で固形異物が散乱を起こすため、硬化膜全体が白濁化する。従って、経時的な液中異物の評価は、[A]シロキサンポリマーと[B]キノンジアジド化合物との相溶性、及び硬化膜の白化の抑制レベルの判断指標となる。5℃で7日間保存後において、ポジ型感放射線性組成物の液中にある0.5μm以上の大きさの固形異物が80個/ml以下の場合、[A]シロキサンポリマーと[B]キノンジアジド化合物との相溶性は良好であると判断できる。
硬化膜のレジスト剥離液耐性の評価は以下の工程で行った。
上記〔硬化膜の鉛筆硬度(表面硬度)の評価〕と同様にしてシリコン基板上に硬化膜を形成した。
日本真空技術製の高速スパッタリング装置SH−550−C12にて、ITOターゲット(ITO充填率95%以上、In2O3/SnO2=90/10質量比)を用いて、60℃にてITOスパッタリングを実施した。このときの雰囲気は、減圧度1.0×10−5Pa、Arガス流量3.12×10−3m3/Hr、O2ガス流量1.2×10−5m3/Hrであった。スパッタリング後の基板を、上記のクリーンオーブンにて240℃×60分加温し、アニーリングを実施した。
次に基板をスピンナーにセットし、JSR製G線用ポジレジストPFR3650−21cpを基板上に滴下し、3,500rpm×30秒にて塗工した。基板をホットプレート上で90℃×2分加温して溶媒を除去した。その後、露光機Canon PLA501F(キャノン製)を用い、i線換算で照度23mW/m2、25mJ/m2の露光量で、10μm/10μmのパターンマスクを介してghi線(波長436nm、405nm、365nmの強度比=2.7:2.5:4.8)を照射した。続いて、室温下、2.4%TMAH水溶液を用いて60秒間浸漬現像し、超純水にて60秒間リンスした後、風乾した。このように10μm/10μmのラインアンドスペースパターンを形成した。
エッチャントとしては、硝酸/塩酸を1/3の重量比で混合したものを使用した。上記(3)で作成した基板をエッチャントに60秒浸漬し、レジストパターンがない部分のITO膜をエッチングした。
上記(4)でITO膜をエッチングした基板を、70℃に加温したレジスト剥離液TOK−106(東京応化工業製)中に10分浸漬し、水洗後、さらにオーブン中にて210℃で15分加熱して乾燥し、レジストを剥離した。
上記〔硬化膜の鉛筆硬度(表面硬度)の評価〕と同様にして、シリコン基板上に硬化膜を形成し、ドライエッチング装置CDE−80N(芝浦メカトロニクス製)を用い、エッチングガスCF450ml/分、O210ml/分、出力400mW、エッチング時間90秒の条件でドライエッチングを行い、処理前後の膜厚測定を行った。結果を表1に示す。膜厚減少が1.0μm未満のとき、耐ドライエッチング性は良好であると言える。
研磨したSUS304製基板上に、スピンナーを用いて各組成物を塗布した後、100℃にて2分間ホットプレート上でプレベークすることにより膜厚3.0μmの塗膜を形成した。実施例4については、スリットダイコーターを用いて組成物を塗布した後、室温で15秒かけて0.5Torrまで減圧し、溶媒を除去した後、100℃にて2分間ホットプレート上でプレベークすることにより膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に対し、キヤノン製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、積算照射量が3,000J/m2となるように露光を行った後、クリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱することにより、基板上に硬化膜を形成した。この硬化膜上に、蒸着法によりPt/Pd電極パターンを形成し、比誘電率測定用サンプルを作成した。得られたサンプルにつき、横河・ヒューレットパッカード製HP16451B電極及びHP4284AプレシジョンLCRメーターを用い、CV法により、周波数10kHzの周波数における比誘電率を測定した。結果を表1に示す。なお、比誘電率の評価においては、形成する膜のパターニングは不要のため、現像工程を省略し、塗膜形成工程、放射線照射工程及び加熱工程のみ行い評価に供した。
表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が形成され、さらにITO(インジウム−酸化錫合金)電極を所定形状に蒸着したソーダガラス基板上に、スピンナーを用いて表1に記載の各組成物を塗布し、100℃のホットプレート上で2分間プレベークを行って、膜厚2.0μmの塗膜を形成した。2.38質量%のTMAH水溶液にて、25℃、80秒間、ディップ法による現像を行った。次いで、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を3,000J/m2の積算照射量で露光した。さらに220℃で1時間ポストベークを行い、硬化膜を形成した。次いで、この硬化膜を有する基板上に5.5μm径のビーズスペーサーを散布後、これと表面にITO電極を所定形状に蒸着しただけのソーダガラス基板とを対向させた状態で、液晶注入口を残して4辺を0.8mmのガラスビーズを混合したシール剤を用いて貼り合わせ、液晶MLC6608(メルク製)を注入した後に液晶注入口を封止することにより、液晶セルを作製した。
シリコン基板上に各ポジ型感放射線性組成物の溶液をそれぞれスピンナーにより塗布し、塗布膜厚が6.0μmの塗膜を形成した。この塗膜について、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー/質量分析(ヘッドスペースサンプラ;日本分析工業製、JHS−100A、ガスクロマトグラフィー/質量分析装置、JEOL JMS−AX505W型質量分析計;以上日本電子工業製)により分析を行った。パージ条件を100℃/10minとし、硬化膜の芳香族基由来の成分の発生に関するピーク面積Aを求めた。標準物質としてn−オクタン(比重;0.701、注入量;0.02μL)を使用し、そのピーク面積を基準として、下記式からn−オクタン換算による硬化膜の芳香族基由来の成分の発生量(μg)を算出した。
硬化膜の芳香族基由来の成分の発生量(μg)=A×(n−オクタンの量)/(n−オクタンのピーク面積)
この値が低いとき、硬化膜の芳香族基由来の成分の発生量が少なく、硬化膜の芳香族基由来アウトガス成分の発生は低いと判断できる。
Claims (8)
- [A]シロキサンポリマーが、下記式(1)で表される加水分解性シラン化合物を含む化合物の加水分解縮合物である請求項1に記載のポジ型感放射線性組成物。
- 上記R1がフェニル基、上記Yがイミノ基、アミド基、エーテル基又はカルボニル基、かつ上記Xがメチレン基又は炭素数2〜6のアルキレン基である請求項1又は請求項2に記載のポジ型感放射線性組成物。
- [A]シロキサンポリマーにおける上記式(1)で表される化合物に由来する構造単位の含有割合が、5モル%以上60モル%以下である請求項2又は請求項3に記載のポジ型感放射線性組成物。
- [C]感熱性酸発生剤又は感熱性塩基発生剤をさらに含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のポジ型感放射線性組成物。
- 硬化膜を形成するために用いられる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のポジ型感放射線性組成物。
- (1)請求項6に記載のポジ型感放射線性組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)工程(1)で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)工程(2)で放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する工程
を含む硬化膜の形成方法。 - 請求項6に記載のポジ型感放射線性組成物から形成された硬化膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011268380A JP5803635B2 (ja) | 2011-12-07 | 2011-12-07 | ポジ型感放射線性組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011268380A JP5803635B2 (ja) | 2011-12-07 | 2011-12-07 | ポジ型感放射線性組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013120292A true JP2013120292A (ja) | 2013-06-17 |
JP5803635B2 JP5803635B2 (ja) | 2015-11-04 |
Family
ID=48772945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011268380A Active JP5803635B2 (ja) | 2011-12-07 | 2011-12-07 | ポジ型感放射線性組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5803635B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016164646A (ja) * | 2015-03-06 | 2016-09-08 | 三星エスディアイ株式会社Samsung SDI Co., Ltd. | 遮光膜を含むデバイスおよび前記遮光膜パターニング方法 |
JPWO2014196540A1 (ja) * | 2013-06-06 | 2017-02-23 | 日産化学工業株式会社 | アルコキシシラン化合物、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 |
WO2017144148A1 (en) | 2016-02-23 | 2017-08-31 | Az Electronic Materials (Luxembourg) S.À R.L. | Positive type photosensitive siloxane composition |
JP2021501193A (ja) * | 2017-12-19 | 2021-01-14 | ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフトWacker Chemie AG | オキサミドエステル基を有するシロキサンの製造方法 |
WO2022050278A1 (ja) * | 2020-09-01 | 2022-03-10 | 富士フイルム株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、積層体、硬化物の製造方法、及び、半導体デバイス、並びに、光塩基発生剤 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04130324A (ja) * | 1990-09-21 | 1992-05-01 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | ポジ型レジスト組成物 |
JP2003255546A (ja) * | 2001-12-28 | 2003-09-10 | Fujitsu Ltd | アルカリ可溶性シロキサン重合体、ポジ型レジスト組成物、レジストパターン及びその製造方法、並びに、電子回路装置及びその製造方法 |
JP2008185672A (ja) * | 2007-01-29 | 2008-08-14 | Toray Ind Inc | 感光性シロキサン組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 |
JP2009075326A (ja) * | 2007-09-20 | 2009-04-09 | Jsr Corp | 感放射線性樹脂組成物、層間絶縁膜およびマイクロレンズ、ならびにそれらの製造方法 |
JP2009286980A (ja) * | 2008-06-02 | 2009-12-10 | Nissan Chem Ind Ltd | アルカリ可溶性樹脂及び感光性樹脂組成物 |
-
2011
- 2011-12-07 JP JP2011268380A patent/JP5803635B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04130324A (ja) * | 1990-09-21 | 1992-05-01 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | ポジ型レジスト組成物 |
JP2003255546A (ja) * | 2001-12-28 | 2003-09-10 | Fujitsu Ltd | アルカリ可溶性シロキサン重合体、ポジ型レジスト組成物、レジストパターン及びその製造方法、並びに、電子回路装置及びその製造方法 |
JP2008185672A (ja) * | 2007-01-29 | 2008-08-14 | Toray Ind Inc | 感光性シロキサン組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 |
JP2009075326A (ja) * | 2007-09-20 | 2009-04-09 | Jsr Corp | 感放射線性樹脂組成物、層間絶縁膜およびマイクロレンズ、ならびにそれらの製造方法 |
JP2009286980A (ja) * | 2008-06-02 | 2009-12-10 | Nissan Chem Ind Ltd | アルカリ可溶性樹脂及び感光性樹脂組成物 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2014196540A1 (ja) * | 2013-06-06 | 2017-02-23 | 日産化学工業株式会社 | アルコキシシラン化合物、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 |
JP2016164646A (ja) * | 2015-03-06 | 2016-09-08 | 三星エスディアイ株式会社Samsung SDI Co., Ltd. | 遮光膜を含むデバイスおよび前記遮光膜パターニング方法 |
WO2017144148A1 (en) | 2016-02-23 | 2017-08-31 | Az Electronic Materials (Luxembourg) S.À R.L. | Positive type photosensitive siloxane composition |
KR20180112070A (ko) | 2016-02-23 | 2018-10-11 | 에이제트 일렉트로닉 머티어리얼스 (룩셈부르크) 에스.에이.알.엘. | 포지티브형 감광성 실록산 조성물 |
US10409161B2 (en) | 2016-02-23 | 2019-09-10 | Az Electronic Materials (Luxembourg) S.A.R.L. | Positive type photosensitive siloxane composition |
JP2021501193A (ja) * | 2017-12-19 | 2021-01-14 | ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフトWacker Chemie AG | オキサミドエステル基を有するシロキサンの製造方法 |
JP7030974B2 (ja) | 2017-12-19 | 2022-03-07 | ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト | オキサミドエステル基を有するシロキサンの製造方法 |
WO2022050278A1 (ja) * | 2020-09-01 | 2022-03-10 | 富士フイルム株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、積層体、硬化物の製造方法、及び、半導体デバイス、並びに、光塩基発生剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5803635B2 (ja) | 2015-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5533232B2 (ja) | ポジ型感放射線性組成物、硬化膜、層間絶縁膜、層間絶縁膜の形成方法、表示素子、及び層間絶縁膜形成用のシロキサンポリマー | |
US7374856B2 (en) | Positive type photo-sensitive siloxane composition, cured film formed from the composition and device incorporating the cured film | |
JP4655914B2 (ja) | 感光性シロキサン組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 | |
JP4687315B2 (ja) | 感光性樹脂組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 | |
JP5917150B2 (ja) | ポジ型感放射線性組成物、硬化膜及びその形成方法 | |
JP4725160B2 (ja) | 感光性シロキサン組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 | |
JP4586655B2 (ja) | 感光性シロキサン組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 | |
JP5549124B2 (ja) | ポジ型感放射線性組成物、層間絶縁膜及びその形成方法 | |
JP6318634B2 (ja) | 感光性シロキサン組成物、硬化膜及び素子 | |
JP5413124B2 (ja) | ポジ型感放射線性組成物、層間絶縁膜及びその形成方法 | |
CN111148805B (zh) | 正型感光性硅氧烷组合物以及使用了其的固化膜 | |
JP5867006B2 (ja) | ポジ型感放射線性組成物、表示素子用硬化膜、表示素子用硬化膜の形成方法及び表示素子 | |
JP5803635B2 (ja) | ポジ型感放射線性組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法 | |
JP2011123450A (ja) | ポジ型感放射線性組成物、層間絶縁膜及びその形成方法 | |
JP5397152B2 (ja) | ポジ型感放射線性組成物、層間絶縁膜及びその形成方法 | |
JP2016042127A (ja) | 感放射線性樹脂組成物、表示素子の層間絶縁膜、その形成方法及び表示素子 | |
JP2012155226A (ja) | ポジ型感放射線性組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法、表示素子、及び硬化膜形成用のポリシロキサン | |
JP7149958B2 (ja) | ポジ型感光性シロキサン組成物、およびそれを用いて形成した硬化膜 | |
TW201934618A (zh) | 感光性矽氧烷組成物、及使用其之圖案形成方法 | |
CN114040948B (zh) | 栅极绝缘膜形成用组合物 | |
JP5659714B2 (ja) | ポジ型感放射線性組成物、層間絶縁膜及びその形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140703 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150218 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150224 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150401 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150804 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150817 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5803635 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |