JP2008001676A - 毛髪処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】毛髪にハリ・コシを付与すると同時に染毛できる毛髪処理剤及び毛髪処理方法の提供。
【解決手段】化合物(1)、有機酸、水及び化合物(2)を含有する毛髪処理剤。化合物(1)、有機酸及び水を構成要素とする毛髪処理剤(A1)を攪拌混合し、化合物(1)が化合物(3)に変換した後の毛髪処理剤(A2)を毛髪に塗布する毛髪処理方法であって、毛髪処理剤(A2)が化合物(2)を含有するか、又は毛髪処理剤(A2)の塗布後、化合物(2)を含有する剤を塗布する毛髪処理方法。
Figure 2008001676

〔R1,R2はC1-6のアルキル基又はC2-6のアルケニル基、pは0〜3の整数。破線はπ結合の存在又は不存在、R3はOH又はアセトキシ基、R4はH、−COOR(RはH、CH3又はC25)又は−COO-+(X+は陽イオン)、R5はH、アセチル基、CH3又はC25。nは1〜(4-p)の整数〕
【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪にハリ・コシを付与すると同時に、染毛することができる毛髪処理剤及び毛髪処理方法に関する。
従来、毛髪の内部に物質を浸透させて毛髪の物性や外観、感触を改質する方法として毛髪成分と類似したコラーゲン、ケラチン等の分解物及び誘導体を補充する方法が提案されているが、未だ十分な効果とはいえない。
一方、アルカリ処理した毛髪に、アルキルトリアルコキシシランを用いて、毛髪を強化する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、有機ケイ素化合物等を用い部分的又は全体的に加水分解し、部分的又は全体的に重合させることで得られる有機ケイ素化合物を、爪、毛髪等のケラチン物質に適用することで、ケラチン物質を保護及び強化するための方法も提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
しかしながら、これらの技術では、有機ケイ素化合物は、ケラチン表面にのみ存在するものであるため、洗浄により効果が無くなったり、ケラチン表面の感触が本来の感触でなくなったりするという問題を有する。
また、毛髪の改質・補修が必要となる多くの場合は、加齢によるハリ・コシの低下のほか、ヘアカラー等の化学処理による損傷が原因であるが、化学処理による損傷が原因の場合、毛先ほど損傷が激しく、かつ明るさが増すため、全体的に色調を整える必要があった。
一つの剤によって簡単に染色する方法としては、直接染料を使用する方法のほか、空気酸化型染毛剤による方法(例えば、特許文献4参照)が知られている。
特開昭61-7号公報 特表2000-510167号公報 特開2002-97114号公報 特公平8-32618号公報
加齢によるハリ・コシの低下時や、ヘアカラー等によるダメージでのハリ・コシ低下時には、白髪の増加や髪の明度上昇も発生していることが多い。従って本発明は、毛髪繊維、特にハリ・コシがない毛髪に対し、短時間で優れたハリ・コシを付与(すなわち毛髪弾性を向上)すると同時に、染毛によって髪の色合いを落ち着かせることができる毛髪処理剤及び毛髪処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、アルコキシシランから生成したシラノール化合物と、空気酸化型染料であるメラニン前駆体とを用い、それらを毛髪内部で重合させることで、毛髪にハリ・コシを付与しつつ染毛を行うことを着想した。そして、アルコキシシランの加水分解を有機酸の共存下で行うことで生成するシラノール化合物の重合を適度な速度に抑制することにより、毛髪に浸透させ毛髪内部で重合させることができること、これと共にメラニン前駆体を毛髪に浸透させ重合させることにより、シラノール重合物による優れたハリ・コシの付与と、メラニン形成による染毛を同時に行うことができることを見出した。
本発明は、一般式(1)で表されるアルコキシシラン、有機酸、水及び一般式(2)で表される化合物を含有する毛髪処理剤を提供するものである。
Figure 2008001676
〔式中、R1及びR2は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を示し、p個のR1及び(4−p)個のR2は同一でも異なってもよい。pは0〜3の整数を示す。〕
Figure 2008001676
〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示し、R3は水酸基又はアセトキシ基を示し、R4は水素原子、−COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)又は−COO-+(X+は陽イオン)を示し、R5は水素原子、アセチル基、メチル又はエチル基を示す。〕
また、本発明は、一般式(1)で表されるアルコキシシラン、有機酸及び水を含有する毛髪処理剤(A)、並びにアルカリ性水溶液である毛髪処理剤(B)からなる毛髪処理剤であって、毛髪処理剤(A)及び(B)のいずれか一方又は両方に、一般式(2)で表される化合物を含有する毛髪処理剤を提供するものである。
更に本発明は、一般式(1)で表されるアルコキシシラン、有機酸及び水を最小構成要素とする毛髪処理剤(A1)を攪拌混合し、当該アルコキシシランが加水分解され、次の一般式(3)
Figure 2008001676
〔式中、R1、R2及びpは前記と同じ意味を示し、nは1以上(4-p)以下の整数を示す。p個のR1及び(4-p-n)個のR2は同一でも異なってもよい。〕
で表されるシラノール化合物に変換された後の毛髪処理剤(A2)を毛髪に塗布する毛髪処理方法であって、この毛髪処理剤(A2)として、更に一般式(2)で表される化合物を含有するものを用いるか、又は毛髪処理剤(A2)の塗布後、一般式(2)で表される化合物を含有する剤を毛髪に塗布する毛髪処理方法を提供するものである。
本発明によれば、アルコキシシランの加水分解で生成したシラノール化合物を毛髪に浸透させ、かつ毛髪内部で速やかに重合させて毛髪直径を増加させることができる。その結果として、毛髪、特に、ハリ・コシがない毛髪(損傷毛、細い毛髪等)に対し、短時間で優れたハリ・コシを付与することにより、しっかりとした健康的な毛髪に改質することができる。更に、毛髪のまとまり性向上効果や、くせ毛の矯正効果も持続的に得られる。また、メラニン前駆体の酸化重合で、毛髪内にメラニン色素を形成して染毛することができ、これをシラノール化合物の重合と同時に行うことにより、メラニン前駆体のみを用いて染毛した場合より染毛効果が長続きし、繰り返しのシャンプー洗浄に対する堅牢性も高い。
本発明において、一般式(2)で表される化合物を「メラニン前駆体」ということがある。本発明の毛髪処理剤は、アルコキシシラン(1)、有機酸、水及びメラニン前駆体を含有するものであるが、メラニン前駆体は、アルコキシシラン(1)、有機酸及び水を含有する、毛髪にハリ・コシを付与できる組成物(以下、「毛髪処理剤(A)」という)中に含有させても、毛髪処理剤(A)とは別の剤として用いてもよい。
本発明において、「毛髪処理剤(A1)」とは、アルコキシシラン(1)が加水分解される前の毛髪処理剤(A)をいい、「毛髪処理剤(A2)」とは、アルコキシシラン(1)が加水分解されシラノール化合物(3)に変換された後の毛髪処理剤(A)をいい、「毛髪処理剤(A)」というときは、「毛髪処理剤(A1)」、「毛髪処理剤(A2)」のいずれをも含む。
≪メラニン前駆体≫
一般式(2)で表される化合物は、酸化されることによってメラニン色素に変換するインドール誘導体又はインドリン誘導体(メラニン前駆体)である。5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、5,6-ジヒドロキシインドリン、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、特に染色性、安定性の点から、5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸が好ましい。これらは、低粘度の液体〜高粘度のジェルとして、あるいは粉末として使用するが、酸素に対して不安定であるので、使用時まで、外気と遮断された容器、例えば金属チューブ、アンプル、アルミ蒸着ピローやエアゾール容器に入れておくことが好ましい。
メラニン前駆体は、毛髪処理剤(A)に含有させても、又は毛髪処理剤(A)とは別の剤、好ましくは後述の毛髪処理剤(B)に含有させてもよい。メラニン前駆体の含有量は、いずれの場合であっても、染色性及び経済性の点から、毛髪に塗布する直前の剤中の0.01〜5重量%、更には0.05〜3重量%、特に0.1〜2重量%が好ましい。
≪毛髪処理剤(A)≫
〔毛髪処理剤(A1)の形態〕
毛髪処理剤(A1)の形態は、長期間安定である点から、アルコキシシラン(1)のみを含有する第1剤、並びに有機酸及び水を含有する第2剤、更にメラニン前駆体を含有する第3剤を加えた三剤式であることが好ましい。これらの三剤を使用直前に混合するが、アルコキシシラン(1)が加水分解されシラノール化合物(3)に変換されるためには、第1剤と第2剤の混合後、第3剤を混合することが好ましい。これら、第1剤、第2剤、第3剤には上記必須成分のほか、その他任意成分(界面活性剤、感触向上剤、安定剤等)をそれぞれ加えてもよい。メラニン前駆体が酸性で安定であり、シラノール化合物(3)への変換を阻害しなければ、第2剤にあらかじめ配合しておくことにより、二剤式を選択することも可能である。
〔アルコキシシラン(1)〕
一般式(1)中のR1及びR2において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。特に、R2としては、加水分解により生じる副生成物の安全性、加水分解反応の反応性等の点から、エチル基が好ましい。
アルコキシシラン(1)は、本発明で使用する毛髪処理剤(A1)が二剤式又は三剤式の場合には、水を含有しない第1剤に配合され、有機酸及び水を含有する第2剤と混合後、加水分解によって水溶性のシラノール化合物(3)となり、毛髪内への浸透が可能になる。生成するシラノール化合物(3)の物性、毛髪内への浸透性の点から、一般式(1)中のpは0〜2が好ましい。アルコキシシラン(1)としては、アルキル(炭素数1〜6)トリメトキシシラン、アルキル(炭素数1〜6)トリエトキシシラン、ジアルキル(炭素数1〜6)ジエトキシシラン等が挙げられる。
アルコキシシラン(1)の含有量は、架橋反応による反応性の点から、毛髪処理剤(A1)中(二剤式又は三剤式の場合には塗布する直前のすべての剤を合わせた全組成中;以下同じ)の4重量%以上、特に12重量%以上が好ましく、また82重量%以下、特に58重量%以下が好ましい。また、第1剤中のアルコキシシラン(1)の含有量は、保存安定性の点から、70〜100重量%、更には80〜100重量%、特に90〜100重量%が好ましい。
〔有機酸〕
有機酸としては、pH調整が容易な点から、第1解離指数(pKa1)が4.1〜5.0、特に4.1〜4.7の範囲にある有機酸が好ましい。具体的には、グルタル酸(pKa=4.13,5.01)、アジピン酸(pKa=4.26,5.03)、酢酸(pKa=4.56)、プロピオン酸(pKa=4.67)等を例示することができ、なかでもシラノール化合物(3)の重合反応の制御が容易で、臭気が少ないアジピン酸が好ましい。
有機酸は、本発明で使用する毛髪処理剤(A1)が二剤式又は三剤式の場合には、第1剤に配合されるアルコキシシラン(1)とは別個に第2剤に配合することが溶解性、保存安定性の点から好ましい。有機酸の含有量は、重合反応の抑制の点から、毛髪処理剤(A)中の0.001〜5重量%、特に0.001〜1重量%が好ましい。
〔水〕
水は、本発明で使用する毛髪処理剤(A1)が二剤式又は三剤式の場合には、第1剤に配合されるアルコキシシラン(1)とは別個に、第2剤に配合され、その含有量は、毛髪を十分に膨潤させ、加水分解で生成するシラノール化合物(3)を毛髪へ十分浸透させる観点から、毛髪処理剤(A)中の20〜95重量%、特に30〜86重量%が好ましい。
〔毛髪処理剤(A)のpH〕
本発明で使用する毛髪処理剤(A)においては、アルコキシシラン(1)を加水分解させ、シラノール化合物(3)を生成させる必要があり、またシラノール化合物(3)を毛髪内に浸透させて毛髪内で重合反応をさせるために、重合反応を遅らせる必要がある。このために毛髪処理剤(A2)のpH(20℃)が2〜5、特に3〜4となるように調整するのが好ましい。なお、二剤式又は三剤式の場合には、アルコキシシラン(1)を含有せず、有機酸及び水を含有する第2剤のpH(20℃)を上記範囲に調整するのが好ましい。
〔その他の成分〕
また、シラノール化合物(3)を溶解する目的で、メタノール、エタノール等の炭素数1〜3の低級アルコール、グリセリン等の水溶性有機溶剤を使用することもできるが、その量が多すぎると、毛髪処理剤(A2)を毛髪に塗布した際に、毛髪が十分に膨潤せず、シラノール化合物(3)が十分に浸透し難くなる。そのため、水溶性有機溶剤の使用量は、毛髪処理剤(A)中の35重量%以下、特に20重量%以下とすることが好ましい。なお、これ以外に、アルコキシシラン(1)の加水分解後の毛髪処理剤(A2)には、副生物としてのR2OHが含有されることになる。
毛髪処理剤(A)には、その他、界面活性剤、油剤、シリコーン誘導体、ポリマー(カチオン性、ノニオン性、アニオン性)、保湿剤、粘度調整剤、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤等を、目的に応じて適宜配合することができる。
〔毛髪処理剤(A)の混合;毛髪処理剤(A1)→毛髪処理剤(A2)〕
アルコキシシラン(1)、有機酸及び水を構成要素とする毛髪処理剤(A1)は、これらの成分を攪拌混合することにより、アルコキシシラン(1)が加水分解反応によってシラノール化合物(3)に変換され、毛髪処理剤(A2)となる。
毛髪処理剤(A)を、使用直前にアルコキシシラン(1)、有機酸、水及びその他任意成分を混合することによって調製する場合、混合する順序は特に限定されないが、加水分解によって生成したシラノール化合物(3)は即座に重合反応を開始するので、これを抑制するため、有機酸と水を混合した後にアルコキシシラン(1)を混合することが好ましい。
毛髪処理剤(A1)が二剤式又は三剤式である場合は第1剤及び第2剤を使用直前に混合することにより、又はアルコキシシラン(1)、有機酸、水及びその他任意成分を混合することにより、アルコキシシラン(1)は、加水分解によって水溶性のシラノール化合物(3)となり、毛髪内への浸透が可能になる。シラノール化合物(3)の物性、毛髪内への浸透性の点から、一般式(3)中のpは0〜2が好ましく、nは2〜4が好ましく、(4−p−n)は0が好ましい。また、シラノール化合物(3)の分子量は、毛髪内への浸透のし易さから、300以下、特に90〜200が好ましい。
このとき、メラニン前駆体は、毛髪処理剤(A)の一部(例えば第3剤)として、i)毛髪処理剤(A1)にあらかじめ含有させておくか、ii)アルコキシシランをシラノール化合物へ変換させた後、毛髪へ塗布する直前に添加混合して毛髪処理剤(A2)とする。あるいは、毛髪処理剤(A)とは別の剤として、iii)毛髪処理剤(A2)の塗布の後に、メラニン前駆体を含有する剤、好ましくは後述するアルカリ性の毛髪処理剤(B)にメラニン前駆体を添加した剤を塗布する。これらのi)〜iii)のいずれかの手法をとることができるが、メラニン前駆体は、酸性溶液中で不安定である、アルカリ溶液中では容易に酸化重合するなどの点で、毛髪処理剤の製品形態としてはメラニン前駆体が有機酸又はアルカリ剤とは接触しない用時混合型とすることが好ましい。
≪毛髪処理剤(B)≫
本発明の毛髪処理方法は、上で説明した、アルコキシシラン(1)、有機酸、水及びメラニン前駆体を構成要素とする毛髪処理剤によって行われ、これによって、毛髪へのハリ・コシの付与と染毛を同時に行うことができるが、毛髪処理剤(A2)を塗布した後、更にアルカリ性水溶液である毛髪処理剤(B)を塗布することにより、毛髪内でのシラノール化合物(3)の重合とメラニン前駆体の重合を促進すると共に、シャンプーに対する堅牢性を向上させることができる。特に、毛髪処理剤(A)に配合される有機酸のpKaが4.1〜5の場合は毛髪に浸透したシラノール化合物が安定で重合しにくいため、重合促進剤を用いて重合することは、効果向上と時間短縮に効果的である。なお、メラニン前駆体を毛髪処理剤(A)に含有させない場合は、メラニン前駆体は毛髪処理剤(A)とは別の剤に含有させ、毛髪に塗布する必要があるが、毛髪処理剤(B)による処理を行う場合は、この毛髪処理剤(B)に含有させることが好ましい。また、メラニン前駆体を毛髪処理剤(A)と毛髪処理剤(B)の両方に含有させてもよい。
アルカリ剤の種類、濃度は、毛髪処理剤(A)と毛髪処理剤(B)を1:1の重量比で混合したときのpHを8〜12、更には8.5〜11、特に9〜10とするものであることが好ましい。アルカリ剤の種類としては、発明の効果を損なわない範囲で、混合時にpHを上記の指定の範囲できるものであれば無機、有機にかかわらずすべて使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;アンモニア;モノエタノールアミン等の一級アミン類、アルギニン等のアミノ酸類;その他、アンモニウム塩、グアニジン塩、炭酸塩等の有機及び無機塩等が使用できる。これらの中でモノエタノールアミン、炭酸ナトリウム、炭酸グアニジン等が使用感、ニオイの点で好ましく、モノエタノールアミンが重合促進の面から最も好ましい。
〔その他の成分〕
毛髪処理剤(B)には、その他、界面活性剤、油剤、シリコーン誘導体、カチオン性ポリマー、保湿剤、粘度調整剤、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤等を、目的に応じて適宜配合することができる。また、油剤と界面活性剤を用いて乳化物にしてもよい。
≪毛髪処理方法≫
本発明の毛髪処理方法において、毛髪処理剤による毛髪の処理は、毛髪処理剤(A1)の各成分を使用直前に混合後、振とう攪拌して、目視で混合溶液が均一な1相になったことを確認した後に、得られた混合物、すなわち毛髪処理剤(A2)を毛髪に塗布するのが好ましい。二剤式又は三剤式の場合における第1剤と第2剤の混合割合(第1剤/第2剤の重量比)は、好ましくは80/20〜1/99、更に好ましくは60/40〜20/80である。混合直後はお互いに相溶しない状態であったのが、振とう攪拌を継続するうちに均一な1相となることで、アルコキシシラン(1)が加水分解し、シラノール化合物(3)が生成したことを確認することができる。
得られた毛髪処理剤(A2)を放置すれば、シラノール化合物(3)の重合反応(及びメラニン前駆体を含有する場合はその酸化重合)が進むので、30分以内、特に15分以内に、得られた毛髪処理剤(A2)を毛髪に塗布することが好ましい。これにより、シラノール化合物(3)(及び含有する場合はメラニン前駆体)を毛髪内に浸透させることができる。塗布する毛髪は、濡れていてもよく、乾いていてもよい。乾燥した毛髪1gに対して、前記毛髪処理剤(A2)を、0.5〜3g塗布することが好ましい。塗布する対象は、人の頭髪であってもよく、かつら等の毛髪であってもよい。
シラノール化合物(3)(及び含有する場合はメラニン前駆体)を毛髪に十分に浸透させるために、毛髪に塗布しておく時間は、10〜90分、特に20〜60分が好ましい。塗布後一定時間放置することで、シラノール化合物(3)(及び含有する場合はメラニン前駆体(2))の浸透及び重合反応を進める。この際、毛髪の乾燥を防ぐためにラップ等で包んでもよく、また毛髪の塗布部を40〜90℃、好ましくは40〜60℃に加温してもよい。
毛髪処理剤(A2)による処理後、重合促進剤として毛髪処理剤(B)を使用する場合は、そのまま毛髪処理剤(B)を毛髪に塗布してもよいが、アルカリ剤の無駄な希釈を避けるために、毛髪表面に付着している毛髪処理剤(A)をタオル等で拭き取るなどして除去した後に、毛髪処理剤(B)を塗布することが好ましい。
毛髪処理剤(B)の塗布後、シラノール化合物(3)及びメラニン前駆体の重合を進めるために放置しておく時間は、1〜60分、特に20〜40分程度が好ましい。この際、毛髪の乾燥を防ぐためにラップ等で包んでもよく、また塗布部を40〜90℃、好ましくは40〜60℃に加温してもよい。その後はシャンプー等で洗浄し、適宜乾燥すればよい。
シラノール化合物(3)が重合したケイ素化合物の毛髪への収着量評価には「ICP(誘導結合プラズマ)発光分析装置(堀場製作所,JY238ULTRACE)」を用いた定量を利用することができる。ケイ素化合物の収着量は、灰化/アルカリ溶融/ICP法を用いて測定したケイ素元素の量に基づき、ケイ素元素収着量として求めることができる。
例えば、試料0.1gを白金坩堝に採取し、ヒーターで煙が出なくなるまで炭化後、550℃の電気炉に2時間入れ灰化させる。冷却後、残った灰分上にアルカリ融剤(Na2CO3:H3BO3=5:2)1gを加え、950℃電気炉30分でアルカリ溶融し、冷却後、6N塩酸4mLで溶解して純水で50mLにメスアップしたものを試料溶液とする。吸収波長251.612nm、積分時間3秒で3回測定し、その平均値から、検量線を使用してケイ素元素量を求めることができる。このケイ素元素収着量の計算法は次のとおりである。
ケイ素元素収着量(%)=〔ケイ素元素量(mg)/毛髪重量(g)〕×0.1
実施例1
<処方>
毛髪処理剤(A)(三剤混合物):全量100gの混合物(第1〜3剤の合計を100重量部とする)
・第1剤(25g) 25gのメチルトリエトキシシラン(全体の25重量部)
・第2剤(74.7g) 0.75g(0.75重量部)のアジピン酸、0.5g(0.5重量部)のヒドロキシプロピルキサンタンガム、0.5g(0.5重量部)のポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、73.25gの精製水
・第3剤(0.3g) 0.3gの5,6-ジヒドロキシインドリン・臭素酸塩(0.3重量部)
毛髪処理剤(B):全量100gの混合物
1.5g(1.5重量部)のモノエタノールアミン、0.5g(0.5重量部)のヒドロキシプロピルキサンタンガム%、0.5g(0.5重量部)のポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル0.5重量%、97.5g(残余)の精製水
<処理方法>
第1剤に第2剤を加え、酸性条件下(pH3.5〜4.4)で撹拌し、15分放置した。次に第3剤を加え、撹拌した。
ヘアカラー5回、ヘアストレートパーマ2回の履歴のあるロングヘアーの女性のやや明るめの髪を真ん中から二つにクシで分け、片側の髪に三剤混合直後の毛髪処理剤(A)を均一に塗布(浴比1:1)した後、室温(25℃)で30分間放置した。毛髪上の毛髪処理剤(A)をタオルで拭き取り、重合促進剤となる毛髪処理剤(B)を均一に塗布(浴比1:1)した後、室温(25℃)で15分間放置した。その後、シリコーンを含有しないシャンプーで洗い流し、十分に乾燥した。
なお、毛髪処理剤(A)と毛髪処理剤(B)を1:1の重量比で混合したときのpHは、9.1であった。
<評価>
処理した側の髪と、処理していない側の髪の外観、色及び感触について、比較官能評価を行った。
官能評価において、処理した毛髪は、処理していない毛髪と比較して明らかに弾力性が向上し、かつハネ毛、浮き毛が抑制され、まとまりのある外観になった。また、メラニンによる着色も認められ、ヘアカラーの繰り返しにより明るめであった毛先を含め、全体的に落ち着いた色合いになった。
また、ICP(誘導プラズマ)発光分析装置を用いて、髪に付着及び浸透したケイ素の収着量を定量した結果、処理した毛髪に収着したケイ素の量は1.2重量%であった。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表されるアルコキシシラン、有機酸、水及び一般式(2)で表される化合物を含有する毛髪処理剤。
    Figure 2008001676
    〔式中、R1及びR2は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を示し、p個のR1及び(4−p)個のR2は同一でも異なってもよい。pは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2008001676
    〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示し、R3は水酸基又はアセトキシ基を示し、R4は水素原子、−COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)又は−COO-+(X+は陽イオン)を示し、R5は水素原子、アセチル基、メチル又はエチル基を示す。〕
  2. 一般式(1)で表されるアルコキシシラン、有機酸及び水を含有する毛髪処理剤(A)、並びにアルカリ性水溶液である毛髪処理剤(B)からなる毛髪処理剤であって、毛髪処理剤(A)及び(B)のいずれか一方又は両方に、一般式(2)で表される化合物を含有する毛髪処理剤。
    Figure 2008001676
    〔式中、R1及びR2は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を示し、p個のR1及び(4−p)個のR2は同一でも異なってもよい。pは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2008001676
    〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示し、R3は水酸基又はアセトキシ基を示し、R4は水素原子、−COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)又は−COO-+(X+は陽イオン)を示し、R5は水素原子、アセチル基、メチル又はエチル基を示す。〕
  3. 次の一般式(1)
    Figure 2008001676
    〔式中、R1及びR2は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を示し、p個のR1及び(4−p)個のR2は同一でも異なってもよい。pは0〜3の整数を示す。〕
    で表されるアルコキシシラン、有機酸及び水を最小構成要素とする毛髪処理剤(A1)を攪拌混合し、当該アルコキシシランが加水分解され、次の一般式(3)
    Figure 2008001676
    〔式中、R1、R2及びpは前記と同じ意味を示し、nは1以上(4-p)以下の整数を示す。p個のR1及び(4-p-n)個のR2は同一でも異なってもよい。〕
    で表されるシラノール化合物に変換された後の毛髪処理剤(A2)を毛髪に塗布する毛髪処理方法であって、この毛髪処理剤(A2)として、更に次の一般式(2)
    Figure 2008001676
    〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示し、R3は水酸基又はアセトキシ基を示し、R4は水素原子、−COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)又は−COO-+(X+は陽イオン)を示し、R5は水素原子、アセチル基、メチル又はエチル基を示す。〕
    で表される化合物を含有するものを用いるか、又は毛髪処理剤(A2)の塗布後、一般式(2)で表される化合物を含有する剤を毛髪に塗布する毛髪処理方法。
  4. 毛髪処理剤(A2)を毛髪に塗布した後に、アルカリ性水溶液である毛髪処理剤(B)を毛髪に塗布する請求項3記載の毛髪処理方法。
  5. 毛髪処理剤(A2)を毛髪に塗布した後のいずれかの段階において、塗布部を加温する請求項3又は4記載の毛髪処理方法。
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