JP2013253067A - 毛髪変形用処理剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の毛髪変形用処理剤は、還元剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを含んでなる毛髪変形用処理剤であって、該処理剤がバラ抽出物を含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明の毛髪変形用処理剤は、還元剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを含んでなる毛髪変形用処理剤であって、該処理剤がバラ抽出物を含有することを特徴としている。
前記バラ抽出物は、前記第1剤100重量%中、0.001〜0.1重量%の量で含有されていることが好ましく、また、前記第2剤100重量%中、0.001〜0.1重量%の量で含有されていることが好ましい。
なお、本明細書において、「毛髪変形処理」とは、パーマネントウェーブ形成処理、パーマネントウェーブ形成処理によるウェーブのばし処理、縮毛矯正処理、化粧品によるカーリング形成処理をも含めた処理を意味する。また、本発明の毛髪変形用処理剤は、常温または加温条件下のどちらでも使用できる。
本発明の毛髪変形用処理剤は、還元剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤を含んでなる、毛髪変形処理に用いられる剤である。通常、これら第1剤および第2剤を用いた毛髪変形処理、いわゆる2浴式毛髪変形処理が施されるが、本発明の毛髪変形用処理剤はこれらの剤のほか、種々の補助剤を含んでなるものであってもよい。
毛髪変形用処理剤を毛髪に塗布して施術した際、該処理剤が揮発することに起因して不快臭が発生するものと考えられている。本発明に用いられるバラ抽出物に含まれる上記式(1)および(2)で表わされる加水分解型ポリマーポリフェノールは、そのヒドロキシル基と還元剤のメルカプト基との相互作用により、毛髪変形用処理剤に含まれる還元剤の不快臭を低減するものと推定される。また、バラ抽出物が毛髪変形処理後の毛髪に付着することにより、処理後の毛髪に残存する不快臭をも低減する効果を奏するものと推定される。したがって、本発明の毛髪変形用処理剤によれば、毛髪変形処理中に生じる不快臭だけでなく、処理後の毛髪に残存する不快臭をも低減することが可能となる。
上記バラ抽出物は、上記毛髪変形用処理剤のうち、第1剤に含有させてもよい。第1剤に含有させた場合、毛髪変形処理後の不快臭を低減できるのみならず、第1剤を毛髪に塗布して処理中の不快臭も低減することができる。第1剤は、還元剤を含有する剤であり、毛髪に毛髪変形処理を施す際、シスチン結合を切断するために用いられるものである。
その他の成分としては、たとえば、サトウキビ抽出物、アルカリ剤、添加剤、および溶剤が挙げられる。
コラーゲンやケラチンなどの加水分解物およびその誘導体などの毛髪保護剤;
炭酸アルキレン、パラフィン、流動パラフィン、ミツロウ、スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、エステル油、トリグリセリド、ワセリン、ラノリンなどの油剤;
グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ソルビトールなどの保湿剤;
カチオン性、アニオン性、両性、非イオン性の界面活性剤;
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコンオイルなどのシリコン誘導体;
エデト酸四ナトリウム四水塩、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩およびこれらの金属塩などのキレート剤;
増粘剤、糖類、油剤、エキス、ポリマー、アミノ酸、アルコールおよび香料などが挙げられる。
上記バラ抽出物を第1剤に含有させる場合、第1剤100重量%中に、バラ抽出物は、バラ抽出物を純分として換算した量で、好ましくは0.001〜0.1重量%、より好ましくは0.01〜0.1重量%、さらに好ましくは0.02〜0.1重量%の量で含有させるのが望ましい。上記範囲の量であると、第1剤に含有される還元剤に起因する不快臭を有効に低減することができる。
第1剤のpHは、好ましくは7〜9.5であり、より好ましくは8.5〜9.2である。上記pHは、良好なウェーブ形成の観点から定められるものである。
上記バラ抽出物は、上記毛髪変形用処理剤のうち、第2剤に含有させてもよい。第2剤は、酸化剤を含有する剤であり、第1剤により切断されたシスチン結合を再結合させるために用いられるものである。
その他の成分としては、たとえば、第1剤に用いられるその他の成分と同様、サトウキビ抽出物、pH調整剤、毛髪保護剤、保湿剤および香料などの添加剤、ならびに溶剤が挙げられる。
第2剤のpHは、好ましくは4〜7であり、より好ましくは5〜7である。上記pHは、良好なウェーブ形成の観点から定められるものである。
上記第1剤および第2剤のほか、必要に応じて用いられる補助剤の成分としては、上記第1剤および第2剤に用いられるその他の成分と同様である。
本発明の毛髪変形用処理剤は、上述した成分を、公知の方法で適宜、攪拌、混合、過熱、冷却、溶解、分散(乳化)等することによって製造できる。なお、本発明の毛髪変形用処理剤において、第1剤、第2剤および補助剤のいずれであってもその剤型は特に制限されないが、たとえば、液状、ローション状、クリーム状、エアゾールなどの剤型が挙げられる。
実施例で使用したバラ抽出物含有液およびサトウキビ抽出物含有液は、以下のものを用いた。
サトウキビ抽出物含有液:商品名MSX−245、三井製糖株式会社製、サトウキビエキス0.02重量%、エタノール45.00重量%、水54.98重量%
各実施例で得られた各毛髪変形用処理剤を用いて、以下の評価方法および評価基準に従い官能評価を行った。
65℃のブリーチ用処理溶液(ブリーチ用処理溶液/アンモニア水(28%):1.7%、過酸化水素(35%):3.3%、水:95%)に長さ30cm(5.0g)の毛髪束を浸し、10分間放置した。
《第1剤放置中の不快臭》
毛髪に第1剤を塗布して室温で15分間の放置中、10分が経過した時点でラップを外して、以下の基準に従って毛髪の不快残臭を確認した。
△:不快臭を感じる。
○:不快臭をほとんど感じない。
◎:不快臭をまったく感じない。
上記水洗後の毛髪束に付着した水分をタオルで軽く除き、以下の基準に従って毛髪の不快残臭を確認した。
×:不快臭を強く感じる。
△:不快臭を感じる。
○:不快臭をほとんど感じない。
◎:不快臭をまったく感じない。
タオルドライ後の不快残臭を評価した毛髪束をドライヤーで乾燥させ、以下の基準に従って乾燥後の毛髪の不快残臭を確認した。
×:不快臭を強く感じる。
△:不快臭を感じる。
○:不快臭をほとんど感じない。
◎:不快臭をまったく感じない。
ドライ後の不快残臭を評価した毛髪束を翌日まで放置し、放置後の毛髪束を水で湿らせ、以下の基準に従って再び毛髪の不快残臭を確認した。
×:不快臭を強く感じる。
△:不快臭を感じる。
○:不快臭をほとんど感じない。
◎:不快臭をまったく感じない。
上記ドライ後の不快残臭を評価した毛髪束を用い、サトウキビ抽出物の香気の有無を確認した。
×:香気があり、気になる。
△:香気が少し気になる。
◎:香気がない、または気にならない。
バラ抽出物およびサトウキビ抽出物のいずれも配合しない対照例を基準として、ウェーブのかかり具合を確認した。
×:対照例よりウェーブのかかり具合が弱い。
◎:対照例と同等のウェーブのかかり具合である。
還元剤としてシステアミン、およびバラ抽出物含有液を配合し、その他の成分および配合割合は表1に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。また、酸化剤としてブロム酸ナトリウムを配合し、その他の成分および配合割合は表1に従って、毛髪変形用処理剤第2剤を調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施し、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。結果を表1に示す。
還元剤としてシステアミン、ならびにバラ抽出物含有液およびサトウキビ抽出物含有液を配合し、その他の成分および配合割合は表1に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。毛髪変形用処理剤第2剤は実施例1と同様にして調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施して、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表1に示す。
バラ抽出物含有液を配合する代わりにサトウキビ抽出物含有液を配合した以外は、実施例1と同様の成分を用い、表1の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。毛髪変形用処理剤第2剤は実施例1と同様にして調整した。上記毛髪変形処理を施して、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表1に示す。
バラ抽出物含有液を配合しなかった以外は、実施例1と同様の成分を用い、表1の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。毛髪変形用処理剤第2剤は実施例1と同様にして調整した。上記毛髪変形処理を施して、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表1に示す。
バラ抽出物含有液を配合しなかった以外は、実施例10と同様の成分を用い、表1の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。毛髪変形用処理剤第2剤は実施例10と同様にして調整した。上記毛髪変形処理を施して、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表1に示す。
バラ抽出物含有液を配合しなかった以外は、実施例1と同様の成分を用い、表2の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。また、バラ抽出物含有液を配合した以外は、実施例1と同様の成分を用い、表2の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第2剤を調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施し、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表2に示す。
バラ抽出物含有液を配合しなかった以外は、実施例1と同様の成分を用い、表2の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。また、サトウキビ抽出物含有液を配合した以外は、実施例1と同様の成分を用い、表2の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第2剤を調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施し、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表2に示す。
実施例2の成分および配合割合に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。また、バラ抽出物含有液を配合した以外は、実施例2と同様の成分を用いて、表3の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第2剤を調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施し、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表3に示す。
還元剤としてチオグリコール酸アンモニウム、およびバラ抽出物含有液を配合し、その他の成分および配合割合は表4に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。また、酸化剤としてブロム酸ナトリウムを配合し、その他の成分および配合割合は表4に従って、毛髪変形用処理剤第2剤を調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施し、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。結果を表4に示す。
バラ抽出物含有液を配合しなかった以外は、実施例21と同様の成分を用いて、表4の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。また、バラ抽出物含有液を配合した以外は、実施例21と同様の成分を用いて、表4の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第2剤を調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施し、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表4に示す。
還元剤としてチオグリコール酸アンモニウム、ならびにバラ抽出物含有液およびサトウキビ抽出物含有液を配合し、その他の成分および配合割合は表4に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。毛髪変形用処理剤第2剤は実施例21と同様にして調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施して、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表4に示す。
バラ抽出物含有液を配合しなかった以外は、実施例21と同様の成分を用いて表4の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。毛髪変形用処理剤第2剤は、実施例21と同様にして調整した。上記毛髪変形処理を施して、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表4に示す。
還元剤としてシステイン、およびバラ抽出物含有液を配合し、その他の成分および配合割合は表4に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。また、酸化剤としてブロム酸ナトリウムを配合し、その他の成分および配合割合は表4に従って、毛髪変形用処理剤第2剤を調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施し、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。結果を表4に示す。
バラ抽出物含有液を配合しなかった以外は、実施例25と同様の成分を用いて、表4の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。また、バラ抽出物含有液を配合した以外は、実施例25と同様の成分を用いて、表4の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第2剤を調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施し、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表4に示す。
バラ抽出物含有液を配合しなかった以外は、実施例25と同様の成分を用いて、表4の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。毛髪変形用処理剤第2剤は、実施例25と同様に調整した。上記毛髪変形処理を施して、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表4に示す。
還元剤としてチオグリコール酸アンモニウムを配合し、その他の成分および配合割合は表4に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。また、酸化剤として過酸化水素、およびバラ抽出物含有液を配合し、その他の成分および配合割合は表4に従って、毛髪変形用処理剤第2剤を調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施し、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。結果を表4に示す。
還元剤としてシステアミン、ならびにバラ抽出物含有液およびサトウキビ抽出物含有液を配合し、その他の成分および配合割合は表5に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。毛髪変形用処理剤第2剤は実施例1と同様にして調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施して、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表5に示す。
バラ抽出物含有液を配合しなかった以外は、実施例1と同様の成分を用い、表5の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第1剤を調整した。また、バラ抽出物含有液およびサトウキビ抽出物含有液を配合した以外は、実施例1と同様の成分を用い、表5の配合割合に従って毛髪変形用処理剤第2剤を調整した。得られた第1剤および第2剤を用いて、上記毛髪変形処理を施し、上述の評価方法および評価基準に従い評価を行った。各成分の配合割合および評価結果を表5に示す。
Claims (10)
- 還元剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを含んでなる毛髪変形用処理剤であって、該処理剤がバラ抽出物を含有することを特徴とする毛髪変形用処理剤。
- 前記バラ抽出物が、前記毛髪変形用処理剤100重量%中、0.001〜0.1重量%の量で含有されることを特徴とする請求項1に記載の毛髪変形用処理剤。
- 前記バラ抽出物が、前記第1剤100重量%中、0.001〜0.1重量%の量で含有されることを特徴とする請求項1または2に記載の毛髪変形用処理剤。
- 前記バラ抽出物が、前記第2剤100重量%中、0.001〜0.1重量%の量で含有されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪変形用処理剤。
- さらに、サトウキビ抽出物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪変形用処理剤。
- 前記サトウキビ抽出物が、前記毛髪変形用処理剤100重量%中、0.0001〜0.001重量%の量で含有されることを特徴とする請求項5に記載の毛髪変形用処理剤。
- 前記サトウキビ抽出物が、前記第1剤100重量%中、0.0001〜0.001重量%の量で含有されることを特徴とする請求項5または6に記載の毛髪変形用処理剤。
- 前記サトウキビ抽出物が、前記第2剤100重量%中、0.0001〜0.001重量%の量で含有されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の毛髪変形用処理剤。
- 前記還元剤が、チオグリコール酸、システイン、システアミン、ならびにこれらの誘導体および塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の毛髪変形用処理剤。
- 前記還元剤が、システアミン、ならびにその誘導体および塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項9に記載の毛髪変形用処理剤。
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