JP5234882B2 - 低誘電率プリント回路用積層板及びその材料 - Google Patents

低誘電率プリント回路用積層板及びその材料 Download PDF

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Description

本発明は、衛生通信関連機器、高周波帯通信機器等、高クロック演算回路等、高周波帯における波形保持性、高速伝送性が要求される回路の配線に適し、加工性に優れた低誘電率プリント回路用積層板、並びにそれに用いるプリプレグ及び熱硬化樹脂用組成物に関する。
近年の電子技術の革新は目覚ましく、電子機器のダウンサイジングは止まるところを知らない。それは実装技術の高密度化、半導体の高集積化及び半導体パッケージの小形化技術によるものであり、高集積化したデバイスは必然的に高速化し、また、高速化自体が時代の要請となっているため、コンピュータ及びその周辺機器、デジタル通信機器等のクロック周波数は民生品においてすでに100MHzに迫りつつある。
また、高度情報社会は、多様化するメディアの高密度媒体として通信衛星の民生利用を推進し、小形化した電子機器は移動体通信・携帯電話などの新たな需要を生み出している。これら新しいメディアは、既存の周波数割当ての域を避けるため、また携帯無線電話には多くのチャンネルを確保する必要上、高周波域が割り当てられている。このような状況により、高周波回路を搭載した電子機器は増加の一途を辿っており、プリント回路用基板にも高周波回路に対応できる特性が求められるようになってきた。ところが、従来プリント回路用積層板として用いられてきたガラスクロス等の基材に、エポキシ樹脂を含浸・乾燥したプリプレグと銅箔を加熱加圧一体に成形してなる銅張積層板は、必ずしも高速・高周波回路の配線に適したものとはいえなかった。
特許文献1には、低誘電率であって、高周波領域でも誘電損失の小さい多層積層板の層間絶縁膜用の樹脂組成物が開示されており、ビニルベンゼン、オキセタン環含有化合物及びカチオン系硬化触媒を含む樹脂組成物が例示されているが、オキセタンは必須化合物ではなく、ポリオキセタンの特性に着目したものではない。また、オキセタン環含有化合物としては、1,4-ビス[エチル(3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、テレフタル酸ビス{〔エチル(3−オキセタニル)〕メチル}等が例示されるにとどまる。
特開2004-352875号公報
電磁信号の伝達速度は基板の誘電率の平方根に反比例する。すなわち、基板の誘電率が低い程、信号は高速に伝達されるが、ガラスエポキシ銅張積層板は誘電率が約4.5程度であり、上記の要求を満足できるものではない。
そこで、これらの用途には従来、誘電率、誘電正接の低いガラスPTFE積層板や、ガラスシアノエステル積層板、ガラスポリイミド積層板などが用いられてきた。しかし、ガラスPTFE積層板は高価であり、また製造にも加工にも従来基板とは異なる設備と技術を必要とする。ガラスシアノエステル積層板は、製造・加工設備こそガラスエポキシ積層板と同一のものが用いられるが樹脂コストは高く、また高熱長時間の製造工程を必要とする。ガラスポリイミド積層板は、ガラスシアノエステル積層板とほぼ同様の問題点を抱えている上に肝心の誘電率が要求される特性を満たすほど低くはない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、従来のガラスエポキシ銅張積層板と同様な設備で製造でき、高速・高周波回路の形成に適した低誘電率・高耐熱性プリント回路用積層板、並びにそれに用いる積層板用プリプレグ及び樹脂組成物を提供しようとするものである。
本発明者は、上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、フタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル、もしくは、フタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルとテレフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルの混合物をカチオン硬化した樹脂を用いることによって、上記の目的を達成できることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は、(A)フタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル及び(B)熱カチオン硬化触媒を必須成分としてなる熱硬化樹脂用組成物、または(A)フタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル、(C)テレフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル及び(B)熱カチオン硬化触媒を必須成分としてなる熱硬化樹脂用組成物を、繊維基材に、塗布含浸・乾燥してなるプリント回路用の積層板用プリプレグである。更に、本発明は、この積層板用プリプレグを用いて、導電層となる導電体と加熱加圧一体に成形してなる絶縁層の少なくとも片面に導電層を設けた積層板である。ここで、(B)熱カチオン硬化触媒はスルホニウム塩からなる熱カチオン硬化触媒であり、熱硬化樹脂用組成物は熱カチオン硬化硬化樹脂用組成物である。本発明の熱硬化樹脂用組成物は硬化後に樹脂硬化物又は硬化樹脂組成物を与えるものであるが、誤解を生じない範囲で、樹脂組成物又は組成物ということがある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱硬化樹脂用組成物は、フタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル(以下、(A)成分ともいう)と熱カチオン硬化触媒(以下、(B)成分ともいう)を必須成分とするもの、もしくは、(A)成分、(B)成分とテレフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル(以下、(C)成分ともいう)を必須成分とするものである。
ここで用いる(A)成分のフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルとしては、例えば、フタル酸ジメチルエステルと、3−エチル-3−ヒドキロキシメチルオキセタン(以下、EHOという)のエステル交換反応により製造することができる。
(B)成分の熱カチオン硬化触媒としては、加熱により、ブレンステッド酸、ルイス酸等のカチオン種を発生するものであれば、いずれも使用することができる。例えば、オルガノシラン、有機アルミニウム化合物触媒、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩及びヘテロポリ酸を使用することができる。カチオン種を発生する温度は、触媒によって異なるが、多くは50℃以上であり、常温での保存性から100℃以上のものを用いるのが好ましい。
具体的には、オルガノシランとしては、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリエチルシラン、プロポキシトリプロピルシラン、ブトキシトリブチルシラン、メトキシトリオクチルシラン、メトキシトリフェニルシラン、メトキシトリベンジルシラン、トリフェニルヒドロキシシラン等の1官能シラン化合物;ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジブチルシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、ジメトキシジラウリルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジベンジルシラン、メトキシベンジルオキシジプロピルシラン、メトキシ2-エチルヘキシルオキシジプロピルシラン、ジフェニルシランジオール等の2官能シラン化合物;トリメトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリプロポキシプロピルシラン、トリメトキシステアリルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシベンジルシラン、メトキシジベンジルオキシプロピルシラン、メトキシトリヒドロキシシラン、フェニルトリヒドロキシシラン等の3官能シラン化合物;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシベンジルオキシシラン、ジメトキシジ2-エチルヘキシルシラン、テトラヒドロキシシラン等の4官能シラン化合物;上記した3官能シラン化合物及び/又は4官能シラン化合物の低縮合物(約2〜50量体);ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルプロピルトリメトキシシラン等の反応性珪素基含有エチレン性不飽和モノマー及び必要に応じて上記その他のラジカル重合性不飽和モノマーとの(共)重合体等が挙げられる。上記した化合物は1種もしくは2種以上組合せて使用することができる。上記した3官能シラン化合物及び/又は4官能シラン化合物の低縮合物(約2〜50量体)としては、SH6018(東レシリコーン(株)製:水酸基等量400、分子量1600のメチフェニルポリシロキサン)などの商品名で入手しうるシリコーン樹脂も用いることができる。反応性、入手の容易さから、好ましくは、トリフェニルシラノール、SH6018などの商品名で入手できるシリコーン樹脂である。
有機アルミニウム化合物としては、アルコキシド、キレート化物等を用いることができる。具体的には、例えば、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウム-sec-ブチレート等のアルコキシド類、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(プロピルアセテート)アルミニウム、トリス(ブチルアセトアセテート)アルミニウム、プロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、トリス(アセトアセトナト)アルミニウム等のケト・エノール互変異性体のキレート化合物等が挙げられる。これらは1種もしくは2種以上組合せて使用することができる。 これらの中でも、硬化性、経済性を考慮すると、アルミニウムトリイソプロポキシド、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、トリス(アセトアセトナト)アルミニウムが好ましい。
スルホニウム塩としては、ベンジル-4-ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル-4-ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4-アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル-4-メトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル-2-メチル-4-ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル-3-クロロ-4-ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジル-3-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-メトキシベンジル-4-ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジベンジル-4-ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル-4-ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4-アセトキシフェニルジベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル-4-メトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ニトロベンジル-4-ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,5-ジニトロベンジル-4-ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、β-ナフチルメチル-4-ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。芳香族スルホニウム塩の市販品としては、例えば、サンエイドSI-L85、サンエイドSI-L110、サンエイドSI-L145、サンエイドSI-L160、サンエイドSI-H15、サンエイドSI-H20、サンエイドSI-H25、サンエイドSI-H40、サンエイドSI-H50、サンエイドSI-60L、サンエイドSI-80L、サンエイドSI-100L、サンエイドSI-80、サンエイドSI-100(三新化学工業株式会社製、商標名)等が挙げられる。入手の容易さから、好ましくはサンエイドSI類である。
ヘテロポリ酸としては、例えば、モリブデン(VI)やタングステン(VI)イオンは水中ではオキソ酸になる。これらのオキソ酸は重合して、高分子のポリオキソ酸となる。このとき、同種のオキソ酸だけが重合するのではなく、あるオキソ酸の周りに別種のオキソ酸が重合することがあり。このような化合物をヘテロポリ酸という。中心のオキソ酸を形成する元素をヘテロ元素、その周りで重合するオキソ酸の元素をポリ元素と呼ぶ。ヘテロ元素としては、Si、P、As、S、Fe、Coなどがあり、ポリ元素としてはMo、W、V等がある。重合時のヘテロ元素に対するポリ元素の数も多種類あるため、それらの組合わせで、多くのヘテロポリ酸が製造可能である。本発明の組成物にはこのようなヘテロポリ酸であれば、特に制限なく使用することができる。
硬化性能、入手の容易さから、好ましくは、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸であり、更に好ましくは、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸である。
熱カチオン硬化触媒は、(A)成分と(C)成分の合計100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部配合されることがよい。熱カチオン硬化触媒の含有量が過剰になると、保存安定性が低下する可能性がある。また、熱カチオン硬化触媒が過小になると、硬化速度が低下し、組成物の硬化が十分でない。
必要により使用される(C)成分のテレフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルとしては、例えば、OXTP(宇部興産株式会社社製、商品名)等が挙げられ、これは精製することなく使用することができる。OXTPを加えることにより、硬化物の耐熱性が向上する。添加する量としては、好ましくは、(A)成分のフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルに対して5〜40重量%であり、更に好ましくは10〜30重量%である。添加量が少ないと耐熱性向上効果が少ない。また40重量%を超えると、常温において、テレフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルの結晶が析出する。
上記の各成分を配合して容易に本発明の熱硬化樹脂用組成物とすることができる。本発明の組成物は加熱することにより硬化して硬化樹脂を与える。本発明の組成物中の(A)成分含有量としては、全樹脂成分(樹脂及び硬化後に樹脂となるモノマーの合計)の50重量%以上であることが望ましい。50%以上の含有量とすることにより、好ましい流動性を有する樹脂組成物が得られ、加熱により、好ましい誘電率、Tgを有する硬化物が得られる。したがって、本発明の組成物は熱硬化性樹脂組成物と同様な用途に使用可能である。
本発明の組成物は、溶媒を加えてワニスとして使用することができる。本発明の組成物又はこれを含むワニスには本発明の目的に反しない範囲において、着色剤、補強剤、高熱伝導性あるいは低誘電率の充填剤を配合することができる。熱伝導性の良い充填剤としては、水酸化アルミニウム、シリカ等が挙げられ、また低誘電率の充填剤としてフッ素樹脂粉末、中空ガラスビーズ等が挙げられる。更に、必要に応じてタルク、炭酸カルシウム等を適宜配合することができる。 また、流動性、ガラス転移点等の誘電率、吸水率以外の物性のバランスを取るために、単官能、多官能の他のオキセタン樹脂やエポキシ樹脂を配合することができる。
本発明の積層板用プリプレグは、上記のようなワニスを、繊維基材に含浸・乾燥して得ることができる。ここで用いる繊維基材としては、ガラスクロス、ガラスペーパー、紙、合成繊維(アラミド、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂)等からなる不織布や織布、金属繊維からなる織布やマット類等、熱硬化性樹脂積層板に用いられるものは全て使用することができる。本発明の低誘電性を活かすには、Dガラスクロス、Sガラスクロス、アラミドペーパーなど誘電率の小さい基材と併用することにより一層効果的となる。これらの基材は単独又は混合して使用することができる。なお、ワニスと繊維基材からプリプレグとする方法は公知である。
本発明の積層板用プリプレグは、プリント回路用積層板の絶縁層として優れる。この絶縁層の少なくとも片面に形成する導電層は、金属箔、金属鍍金層、導電性ペースト層等で回路形成が可能なものであればよい。特に、銅箔等の金属箔を使用する場合には、上述したプリプレグを複数枚重ねて、その少なくとも片面に金属箔を配置し、ステンレス板間に挟み加熱プレスによって一体に積層成形し、プリント回路用積層板とすることが有利である。これは、選択エッチングにより導電層を形成することができるので、大量生産に適しておりその製造上のメリットは大きい。金属鍍金層を用いる場合には、接着剤付積層板を作り接着剤の表面に必要部分のみ鍍金して導電層を形成させる。また、導電性ペースト層で回路形成する場合には、積層板の表面にスクリーン印刷等によって導電層を形成することができる。
本発明のプリント回路用積層板は、上述した金属箔、本発明のプリプレグを組み合わせて加熱加圧一体に成形するなどの手段で容易に製造することができる。本発明のプリント回路用積層板は、低誘電率・低吸水率を示し、衛星通信関連機器、高周波帯通信機器、高クロック演算回路など高周波帯における波形保持性、高速伝送性を要求される回路の搭載に適する回路板として好適に使用できる。
本発明の組成物を硬化(又は部分硬化)させて得られる樹脂は、フタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル、もしくは、フタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルとテレフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルの混合物が開環重合して得られるポリエステル-ポリエーテルからなり、通常用いられるビスフェノールA型エポキシ樹脂よりも重合度が高く、樹脂硬化時に誘電率を引き上げる水酸基を生じる割合が少ないため、低誘電であり、かつ剛直なベンゼン環の割合が多いため、耐熱性に優れると考えられる。
本発明の熱硬化樹脂用組成物から得られる硬化物は、低誘電率、耐熱性に優れる。この樹脂組成物を用いることによって、従来のガラスエポキシプリプレグ、積層板の製造と同一の装置と方法により加工性、コストに優れ、高速、高周波回路の形成に適する低誘電率のプリプレグ及びプリント回路用積層板が得られる。有利には1GHzにおける誘電率が3.5未満、Tg150℃以上の低誘電率、耐熱性に優れる硬化物が得られる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。「部」はそれぞれ重量基準で
ある。実施例及び比較例で使用した材料は、以下の通りであり、精製することなくそのま
ま使用した。
・EHO : 3-エチル-3-ヒドキロキシメチルオキセタン
・フタル酸ジメチルエステル:和光純薬工業株式会社
・苛性ゾーダ:和光純薬工業株式会社
・OXTP: テレフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル
・サンエイドSI100L:カチオン重合開始剤(アンチモン-系スルホニウム塩)
EHO 300部、96%苛性ゾーダ0.9部を混合し100℃に加熱混合した。フタル酸ジメチルエステル100部を加え、125℃で、発生する水を留去しながら5時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、水500部、ベンゼン500部を加え、生成したフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルを抽出した。ベンゼン層を分離し、ベンゼン及び、残存するEHOを減圧留去した。単黄色透明液体184部を得た。GC分析、GCMS分析により、純度93.3%のフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルであることを確認した。
得られたフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル100部、サンエイドSI100L 4部を配合して樹脂組成物とした。この組成物をメチルエチルケトンに溶解して積層用ワニスとした。このワニスを塗工機で厚さ 0.18mm のガラスクロスに含浸・乾燥し半硬化状態として積層用プリプレグを得た。このプリプレグ 8枚の両面に銅箔を重ねてステンレス板間に挟み、加熱加圧一体に成形して厚さ1.6mmの低誘電率プリント回路用積層板を製造した。
実施例1で製造したフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル70部、サンエイドSI100L 4部、OXTP30部を配合して樹脂組成物とした。この組成物をメチルエチルケトンに溶解して積層用ワニスとした。このワニスを塗工機で厚さ0.18mmのガラスクロスに含浸・乾燥し半硬化状態として積層用プリプレグを得た。このプリプレグ 8枚の両面に銅箔を重ねてステンレス板間に挟み、加熱加圧一体に成形して厚さ1.6mmの低誘電率プリント回路用積層板を製造した。
比較例1
厚さ 1.6mm汎用ガラス基材エポキシプリント回路用積層板(FR-4グレード)を用意した。
実施例及び比較例のプリント回路用積層板について、誘電率、ガラス転移点を試験した。その結果を表1に示した。比誘電率は空洞共振器摂動法における1GHzの測定値である。ガラス転移点(Tg)はDMA法による。樹脂量は、プリプレグ中の樹脂の含有率(%)である。
Figure 0005234882

Claims (4)

  1. (A)フタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル及び(B)スルホニウム塩からなる熱カチオン硬化触媒を必須成分としてなる熱カチオン硬化樹脂用組成物を、繊維基材に、塗布含浸・乾燥してなることを特徴とするプリント回路用の積層板用プリプレグ。
  2. (A)フタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル、(C)テレフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル及び(B)スルホニウム塩からなる熱カチオン硬化触媒を必須成分としてなる熱カチオン硬化樹脂用組成物を、繊維基材に、塗布含浸・乾燥してなることを特徴とするプリント回路用の積層板用プリプレグ。
  3. 絶縁層の少なくとも片面に導電層を設けた積層板において、該絶縁層として請求項1又は2に記載の積層板用プリプレグを用いて、導電層となる導電体と加熱加圧一体に成形してなり、1GHzにおける誘電率が3.5未満であることを特徴とするプリント回路用積層板。
  4. 加熱加圧一体に成形することにより積層板用プリプレグの中の熱硬化樹脂用組成物が硬化して得られる樹脂は、(A)フタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステル、又は
    (A)フタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルと(C)テレフタル酸ビス-(3-エチル-オキセタン-3-イルメチル)エステルの混合物が開環重合して得られるポリエステル-ポリエーテルからなることを特徴とする請求項3に記載のプリント回路用積層板。
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