JP2024054289A - フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

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允諭 関
政隆 中西
裕介 川野
昌典 橋本
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Abstract

【課題】本発明は、優れた耐吸水性、電気特性を示すエポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物、その前駆体のフェノール樹脂を提供する。【解決手段】下記式(1)で表されるエポキシ樹脂。TIFF2024054289000009.tif56153(式中、R1、R2は独立に炭素数1~10のアルキル基またはアリル基、R3、R4は独立にH、グリシジルエーテル基、炭素数1~10のアルキル基またはアリル基、a、bは0~2の実数(a+b≧1)、c、dは1~3の実数、nは1~20の実数。)【選択図】なし

Description

本発明は電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)、積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)及びFRP(繊維強化プラスチック)を始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等、中でも特に積層板等の用途に有用であり、金属箔張り積層板、ビルドアップ基板用絶縁材料、フレキシブル基板材料などに有用である硬化性樹脂組成物を与えるエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂組成物は作業性、及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐吸水性等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
近年、電気・電子分野においては、樹脂組成物の高純度化、密着性向上、フィラーを高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性向上等の諸特性のさらなる向上が求められている。特に半導体関連材料の分野においては、非常に高い特性が求められ、電気特性、耐吸水性等の特性が重要視されている。
近年の電子デバイスの高性能化及び軽薄短小化に伴い、伝送信号の高周波化が進み、パッケージ材料や基板材料に使用する材料に対して、高周波領域での低誘電率、低誘電正接化が強く求められている。しかしながら、エポキシ樹脂は、エポキシ基と活性水素との反応により極性の高いヒドロキシ基が発生することにより誘電率、誘電正接が高くなるため、未だ充分な電気特性が得られていない。
また、吸水性が高い材料は、はんだリフロー時にクラックや剥離不良の原因となるおそれもある。
特許文献1では(メタ)アリルエーテル樹脂を酸化してエポキシ樹脂を得ている。また、特許文献2では4,4'-ブチリデンビス(6-t-ブチル-3-メチルフェノール)のジグリシジルエーテルを得ている。しかし、これらの特許文献に記載されているエポキシ樹脂の硬化物の耐吸水性、電気特性は未だ不十分であり、さらなる改善が求められる。
特開2018-24856号公報 特開2017-48337号公報
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、優れた耐吸水性、電気特性を示すエポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物、その前駆体のフェノール樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の構造を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の硬化物が耐吸水性、電気特性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]~[7]に示すものである。
[1]
下記式(1)で表されるエポキシ樹脂。
Figure 2024054289000001
(式(1)中、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基またはアリル基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、グリシジルエーテル基、炭素数1~10のアルキル基またはアリル基を表す。a、bは0~2の実数を表し、a+b≧1である。c、dは1~3の実数を表す。nは繰り返し数であり1~20の実数を表す。)
[2]
前記式(1)中、R、Rがともに炭素数1~10のアルキル基であり、R、Rが水素原子である前項[1]に記載のエポキシ樹脂。
[3]
前記式(1)中、R、Rがともにメチル基であり、R、Rが水素原子である前項[1]に記載のエポキシ樹脂。
[4]
下記式(2)で表されるフェノール樹脂にエピクロロヒドリンを反応させて得られる前項[1]乃至[3]のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂。
Figure 2024054289000002
(式(2)中、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基またはアリル基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1~10のアルキル基またはアリル基を表す。a、bは0~2の実数を表し、a+b≧1である。c、dは1~3の実数を表す。nは繰り返し数であり1~20の実数を表す。)
[5]
前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤とを含有してなるエポキシ樹脂組成物。
[6]
前項[5]に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
[7]
下記式(2)で表されるフェノール樹脂。
Figure 2024054289000003
(式(2)中、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基またはアリル基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1~10のアルキル基またはアリル基を表す。a、bは0~2の実数を表し、a+b≧1である。c、dは1~3の実数を表す。nは繰り返し数であり1~20の実数を表す。)
本発明によれば、その硬化物が優れた耐吸水性、電気特性を有するエポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、それを用いた硬化物を提供することができる。そのため、電気電子部品の封止や回路基板、FRPなどに有用である。
実施例1のGPCチャートを示す。 実施例2のGPCチャートを示す。 実施例3のGPCチャートを示す。 実施例5のGPCチャートを示す。
本発明のエポキシ樹脂は下記式(1)で表される。
Figure 2024054289000004
式(1)中、R、Rは炭素数1~10のアルキル基またはアリル基、R、Rは水素原子、グリシジルエーテル基、炭素数1~10のアルキル基またはアリル基をそれぞれ表す。a、bは0~2の実数を表し、a+b≧1である。c、dは1~3の実数を表す。nは繰り返し数であり1~20の実数を示す。
前記式(1)中、R、Rは炭素数1~10のアルキル基またはアリル基から選択されるが、好ましくは炭素数1~10のアルキル基であり、さらに好ましくは1~3のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。上記置換基を有することにより耐吸水性、誘電特性が向上するからである。前記式(1)中、a、bは0~2の実数を表し、a+b≧1であるが、a、bがともに1である場合が好ましい。
前記式(1)中、R、Rは水素原子、グリシジルエーテル基、炭素数1~10のアルキル基またはアリル基から選択されるが、線膨張率を小さくしたい場合は、R、Rが水素原子であることが好ましい。R、Rが水素原子である場合、分子運動をするような嵩高い置換基が存在しないため自由体積が小さくなり線膨張率は小さくなる。弾性率を向上させたい場合は、R、Rが炭素数1~10のアルキル基またはアリル基であることが好ましく、耐熱性を向上させたい場合は、R、Rがグリシジルエーテル基であることが好ましい。R、Rの置換基の配向性は、グリシジルエーテル基に対して、オルソ位、メタ位、パラ位のいずれでも良いが、グリシジルエーテル基であればメタ位、炭素数1~10のアルキル基またはアリル基であればパラ位であることが好ましい。
前記式(1)中、nの値はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、検出器:RI)の測定により求めることが出来る。nは通常1~20の実数であるが、1~10であることが好ましく、1~5であることがより好ましい。nが20よりも大きくなると分子量が増大して高粘度になるため加工性が劣る。
また、nの平均値はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、検出器:RI)の測定により求められた数平均分子量、あるいは分離したピークの各々の面積比から算出することが出来る。nの平均値は1~10であることが好ましく、1.1~10であることがより好ましく、1.1~5であることが特に好ましい。
前記式(1)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ当量の好ましい範囲は300g/eq.以上600g/eq.未満であり、更に好ましくは310g/eq.以上550g/eq.未満である。前記式(1)で表されるエポキシ当量が300g/eq.未満の場合、架橋密度が増加し耐熱性は向上するが、固くもろくなり機械強度の低下を招くことから好ましくない。また前記式(1)で表されるエポキシ当量が600g/eq.以上の場合、架橋密度が減少し硬化物の脆さが改善されるが、耐熱性の低下を招くため好ましくない。エポキシ当量が適正な場合、機械強度の低下を引き起こすことなく硬化物の耐熱性を向上させることができる。
本発明において、エポキシ当量は下記条件で測定する。
[エポキシ当量の各種条件]
JIS K-7236に記載された方法で測定し、単位はg/eq.である。
前記式(1)で表されるエポキシ樹脂の軟化点の好ましい範囲は50~120℃であり、更に好ましくは55~110℃である。軟化点が上記の範囲であると樹脂同士が室温においてブロッキングしないため、ハンドリング性に優れる。
本発明のエポキシ樹脂は、耐吸水性、電気特性に優れる。100℃の水中で24時間煮沸した後の吸水率は1.4以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.2以下であり、特に好ましくは1.0以下である。吸水率が高すぎると前述したようにクラックや剥離の原因となることに加え、硬化物が水分を吸着することで材料が著しく軟化し、機械的強度が低く影響を及ぼすため好ましくない。電気特性は1GHzでの誘電正接が0.030以下であることが好ましい。誘電正接が高いと、通信に用いられる電気信号の一部を熱へと変換してしまい、信号の損失が生じてしまう。高周波になるにつれて、誘電正接の影響が顕著に表れてくる。
本発明のエポキシ樹脂は、下記式(2)で表されるフェノール樹脂とエピクロロヒドリンとの反応により得ることができる。
Figure 2024054289000005
式(2)中のR~R、a~d、nの値、および好ましい範囲は前記式(1)と同様である。
前記式(2)で表されるフェノール樹脂の合成法としては、ジシクロペンタジエン類とフェノール類との縮合反応が挙げられ、この場合のフェノール類の使用量はジシクロペンタジエン類1モルに対して好ましくは2~20モルである。
フェノール類としては、2置換フェノールとしてカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、1置換フェノールとしてフェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾールが挙げられ、単独でも2種類以上を併用しても良い。
ジシクロペンタジエン類としては、メチルジシクロペンタジエン、エチルジシクロペンタジエン、アリルジシクロペンタジエンなどが挙げられるが、好ましくはメチルジシクロペンタジエン、エチルジシクロペンタジエンであり、さらに好ましくは、メチルジシクロペンタジエンである。無置換のジシクロペンタジエンと比較して、ジシクロペンタジエン類のように、アルキル基やアリル基が導入されることにより疎水性が増し相対的に低吸水、低分極になり、硬化物が優れた耐吸水性と電気特性を示すようになる。また長鎖のアルキル鎖を持ったジシクロペンタジエン類を原料に用いた場合、エポキシ樹脂の溶融粘度が高くなってしまいプリプレグ作製の際の樹脂の含侵性が悪くなってしまい、強度低下を引き起こす可能性がある。そのため、炭素数1~2の短鎖のアルキル鎖が結合したジシクロペンタジエン類を用いることが好ましい。
上記縮合反応においては酸触媒を用いるのが好ましく、酸触媒としては三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛、硫酸、塩化チタンなどのルイス酸が好ましく、特に上記のルイス酸のエーテル錯体、フェノール錯体か好ましい。これらの酸触媒は単独でも2種類以上を併用しても良い。
これら酸触媒の使用量は特に限定されるものではないが、使用するジシクロペンタジエンの使用量に対して0.001~0.1モルの範囲で選定することができる。また、これらの酸触媒を反応系内に添加する場合は予めフェノール類の加熱溶融物に添加しておいたり適当な溶剤に希釈したりして徐々に添加することも可能である。
これら酸触媒存在下の縮合反応は40~180℃で行われるのが好ましく、反応時間は通常0.5~12時間である。また、これらの反応はニトロベンゼン、ジフェニルエーテル、ジクロロベンゼン、二硫化炭素など反応に不活性な溶媒の存在下で行うこともできる。さらにこうして得られた反応物は系内が中性になるように中和を行ったり溶媒の存在下に水洗を繰り返したりした後、水を分離排水後、水蒸気蒸留により、溶媒及び未反応物を除去することにより前記式(2)で表されるフェノール樹脂が得られる。
前記式(2)で表されるフェノール樹脂の水酸基当量の好ましい範囲は210g/eq.以上350g/eq.未満であり、更に好ましくは230g/eq.以上~330g/eq.未満である。前記式(2)で表されるフェノール樹脂中の水酸基濃度が高い場合、架橋密度が増加するため固くもろくなり機械強度の低下を招くことから好ましくない。水酸基当量が適正な場合、機械強度の低下を引き起こすことなく硬化物の耐熱性を向上させることができる。
本発明において、水酸基当量は下記条件で測定する。
[水酸基当量の各種条件]
JIS K-7236に記載された方法で測定し、単位はg/eq.である。
前記式(2)で表されるフェノール樹脂の軟化点の好ましい範囲は50~120℃であり、更に好ましくは55~110℃である。軟化点が上記の範囲であると樹脂同士が室温においてブロッキングしないため、ハンドリング性に優れる。
つづいて、本発明のエポキシ樹脂を得る反応について説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、前記式(2)で表されるフェノール樹脂とエピクロロヒドリンとを反応させて得られる。
前記エピクロロヒドリンは市場から容易に入手できる。エピクロロヒドリンの使用量は原料フェノール混合物の水酸基1モルに対し通常3.0~10モル、好ましくは3.5~8.0モル、より好ましくは4.0~7.0モルである。
上記反応において、エポキシ化工程を促進する触媒としてアルカリ金属水酸化物を使用することができる。使用しうるアルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、固形物を利用してもよく、その水溶液を使用してもよいが、本発明においては特に、溶解性、ハンドリングの面からフレーク状に成型された固形物の使用が好ましい。
アルカリ金属水酸化物の使用量は原料フェノール混合物の水酸基1モルに対して通常0.90~1.50モルである。
また、反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加してもかまわない。4級アンモニウム塩の使用量としては原料フェノール混合物の水酸基1モルに対し通常0.0009~0.15モルである。
反応温度は通常30~90℃であり、好ましくは35~80℃である。特に本発明においては、より高純度なエポキシ化のために50℃以上が好ましい。反応時間は通常0.5~10時間であり、好ましくは1~8時間、特に好ましくは1~3時間である。反応時間が短いと反応が進みきらず、反応時間が長くなると副生成物ができることから好ましくない。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピクロロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂を炭素数4~7のケトン化合物(たとえば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。)を溶剤として溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した原料フェノール混合物の水酸基1モルに対して通常0.01~0.3モル、反応温度は通常50~120℃、反応時間は通常0.5~2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂が得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は硬化剤を含有する。用い得る硬化剤としては、例えばアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、及びフェノール系硬化剤等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては特に、エポキシ樹脂組成物の低線膨張と樹脂硬化物の耐熱性をバランス良く両立できるためアミン硬化剤が好ましい。アミン系硬化剤としては、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(3,3’-DDS)、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(4,4’-DDS)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、3,3’-ジイソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジ-t-ブチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジイソプロピル-5,5’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジ-t-ブチル-5,5’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトラエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジイソプロピル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジ-t-ブチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトライソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジ-t-ブチル-5,5’-ジイソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトラ-t-ブチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)、ビスアニリン、ベンジルジメチルアニリン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP-10)、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP-30)、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールの2-エチルヘキサン酸エステル等を使用することができる。また、アニリンノボラック、オルソエチルアニリンノボラック、アニリンとキシリレンクロライドとの反応により得られるアニリン樹脂、アニリンと置換ビフェニル類(4,4’-ビス(クロルメチル)-1,1’-ビフェニル及び4,4’-ビス(メトキシメチル)-1,1’-ビフェニル等)、若しくは置換フェニル類(1,4-ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メトキシメチル)ベンゼン及び1,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン等)等との重縮合により得られるアニリン樹脂等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
アミド系硬化剤としては、ジシアンジアミド、若しくはリノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂;多価フェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’-テトラメチル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン及び1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン等);フェノール類(例えば、フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン及びジヒドロキシナフタレン等)と、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、o-ヒドロキシベンズアルデヒド及びフルフラール等)、ケトン類(p-ヒドロキシアセトフェノン及びo-ヒドロキシアセトフェノン等)、若しくはジエン類(ジシクロペンタジエン及びトリシクロペンタジエン等)との縮合により得られるフェノール樹脂;前記フェノール類と、置換ビフェニル類(4,4’-ビス(クロルメチル)-1,1’-ビフェニル及び4,4’-ビス(メトキシメチル)-1,1’-ビフェニル等)、若しくは置換フェニル類(1,4-ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メトキシメチル)ベンゼン及び1,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン等)等との重縮合により得られるフェノール樹脂;前記フェノール類及び/又は前記フェノール樹脂の変性物;テトラブロモビスフェノールA及び臭素化フェノール樹脂等のハロゲン化フェノール類が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7~1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して0.7当量に満たない場合、或いは1.2当量を越える場合、いずれも硬化が不完全になり、良好な硬化物性が得られない恐れがある。
また本発明のエポキシ樹脂組成物においては必要に応じて、硬化促進剤を配合しても良い。硬化促進剤を使用することによりゲル化時間を調整することも出来る。使用できる硬化促進剤の例としては2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物が挙げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01~5.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、他のエポキシ樹脂を配合しても良く、具体例としては、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と置換ビフェニル類(4,4’-ビス(クロルメチル)-1,1’-ビフェニル及び4,4’-ビス(メトキシメチル)-1,1’-ビフェニル等)、若しくは置換フェニル類(1,4-ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メトキシメチル)ベンゼン及び1,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン等)等との重縮合により得られるフェノール樹脂、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、4-ビニル-1-シクロヘキセンジエポキシドや3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシラートなどを代表とする脂環式エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)やトリグリシジル-p-アミノフェノールなどを代表とするグリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いうる添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネートエステル系化合物、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、石英粉、アルミニウム粉末、グラファイト、タルク、クレー、酸化鉄、酸化チタン、窒化アルミニウム、アスベスト、マイカ、ガラス粉末等の無機充填材、シランカップリング剤のような充填材の表面処理剤、離型剤、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて公知のマレイミド系化合物を配合することができる。用いうるマレイミド化合物の具体例としては、4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、2,2’-ビス〔4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、4,4’-ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’-ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-マレイミドフェノキシ)ベンゼンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。マレイミド系化合物を配合する際は、必要により硬化促進剤を配合するが、前記硬化促進剤や、有機過酸化物、アゾ化合物などのラジカル重合開始剤など使用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、有機溶剤を添加しワニス状の組成物(以下、単にワニスという。)とすることができる。用いられる溶剤としては、例えばγ-ブチロラクトン類、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤、テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤が挙げられる。溶剤は、得られたワニス中の溶剤を除く固形分濃度が通常10~80重量%、好ましくは20~70重量%となる範囲で使用する。
つづいて、本発明の硬化物、樹脂シート、プリプレグ、FRPを説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を支持基材の片面または両面に塗布し、樹脂シートとして用いてもよい。塗布方法としては、例えば、注型法、ポンプや押し出し機等により樹脂をノズルやダイスから押し出し、ブレードで厚さを調整する方法、ロールによりカレンダー加工して厚さを表製する方法、スプレー等を用いて噴霧する方法等が挙げられる。なお、層を形成する工程においては、エポキシ樹脂組成物の熱分解を回避可能な温度範囲で加熱しながら行ってもよい。また、必要に応じて圧延処理、研削処理等を施してもよい。支持基材としては、例えば紙、布、不織布等からなる多孔質基材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムあるいはシート、ネット、発泡体、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。支持基材に厚さは特に制限されず、用途に応じて適宜に決定される。
本発明のエポキシ樹脂組成物および/または樹脂シートを加熱溶融して低粘度化して繊維基材に含浸させることにより本発明のプリプレグを得ることができる。
また、ワニス状のエポキシ樹脂組成物を、繊維基材に含浸させて加熱乾燥させることにより本発明のプリプレグを得ることもできる。上記のプリプレグを所望の形に裁断、積層後、積層物にプレス成形法やオートクレーブ成形法、シートワインディング成形法などで圧力をかけながらエポキシ樹脂組成物を加熱硬化させることにより本発明のFRPを得ることができる。また、プリプレグの積層時に銅箔や有機フィルムを積層することもできる。
さらに、本発明のFRPの成形方法は、上記の方法のほかに、公知の方法にて成形して得ることもできる。例えば、炭素繊維基材(通常、炭素繊維織物を使用)を裁断、積層、賦形してプリフォーム(樹脂を含浸する前の予備成形体)を作製、プリフォームを成形型内に配置して型を閉じ、樹脂を注入してプリフォームに含浸、硬化させた後、型を開いて成形品を取り出すレジントランスファー成形技術(RTM法)を用いることもできる。
また、RTM法の一種である、例えば、VaRTM法、SCRIMP(Seeman’s Composite Resin Infusion Molding Process)法、特表2005-527410記載の樹脂供給タンクを大気圧よりも低い圧力まで排気し、循環圧縮を用い、かつ正味の成形圧力を制御することにとよって、樹脂注入プロセス、特にVaRTM法をより適切に制御するCAPRI(Controlled Atmospheric Pressure Resin Infusion)法なども用いることができる。
さらに、繊維基材を樹脂シート(フィルム)で挟み込むフィルムスタッキング法や、含浸向上のため強化繊維基材にパウダー状の樹脂を付着させる方法、繊維基材に樹脂を混ぜる過程において流動層あるいは流体スラリー法を用いる成形方法(Powder Impregnated Yarn)、繊維基材に樹脂繊維を混繊させる方法も用いることができる。
炭素繊維としては、アクリル系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が挙げられ、なかでも引張強度の高いアクリル系の炭素繊維が好ましく用いられる。炭素繊維の形態としては、有撚糸、解撚糸および無撚糸等を使用することができるが、繊維強化複合材料の成形性と強度特性のバランスが良いため、解撚糸または無撚糸が好ましく用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下に示す材料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
各種分析方法について以下の条件で行った。
・水酸基当量、エポキシ当量
JIS K-7236に記載された方法で測定し、単位はg/eq.である。
・軟化点
JIS K-7234に準拠した方法で測定し、単位は℃である。
・溶融粘度
ICI溶融粘度(150℃)コーンプレート法で測定し、単位はPa・sである。
・GPC(ゲルパーエミッションクロマトグラフィー)分析
メーカー:Waters
カラム:ガードカラム SHODEX GPC KF-601(2本)、KF-602 KF-602.5、KF-603
流速:1.23ml/min.
カラム温度:25℃
使用溶剤:THF(テトラヒドロフラン)
検出器:RI(示差屈折検出器)
[実施例1]
温度計、攪拌機、滴下ロート、冷却器を備え付けた4つ口フラスコにフェノール169.1質量部、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体3.8質量部を仕込み50℃で溶解させた。メチルジシクロペンタジエン144.0質量部を1時間かけて滴下して仕込み、そのまま3時間反応させた後、75℃で2時間、135℃で2時間、160℃で3時間段階的に昇温させながら反応させた。反応終了後トリポリりん酸ソーダ19.8質量部、メチルイソブチルケトン469.6質量部加え撹拌し、温水を加え水洗を繰り返し、系内を中性にした。その後得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃減圧下でメチルイソブチルケトン等を留去することでフェノール樹脂(P-1)を188質量部得た。得られた樹脂の水酸基当量は284g/eq.であった。繰り返し数nの平均値は4.13であった。図1にGPCチャートを示す。
[実施例2]
撹拌機、還流冷却管を備えた四つ口フラスコに窒素パージを施しながら実施例1で得られるフェノール樹脂P-1を320質量部、エピクロロヒドリン438.29質量部、ジメチルスルホキシド107.19質量部を加え、水浴を43℃にまで昇温した。内温が43℃で安定したところでフレーク状の水酸化ナトリウム47.13質量部を120分かけて分割添加した後、更に43℃で2時間、70℃で30分反応を行った。反応終了後、ロータリーエバポレータを用いて125℃で減圧下、過剰のエピクロロヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン701.07質量部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液13.52質量部加え、1時間反応を行った後、水洗を行い、pH試験紙で洗浄水が中性になったことを確認した。得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP1)を344.79質量部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は377g/eq.、軟化点が85.8℃、ICI溶融粘度0.82Pa・s(150℃)であった。繰り返し数nの平均値は3.82であった。図2にGPCチャートを示す。
[実施例3]
フェノールの使用量を600質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で合成し、フェノール樹脂(P-2)を167質量部得た。得られた樹脂の水酸基当量は236g/eq.、軟化点は88.2℃であった。ICI溶融粘度0.22Pa・s(150℃)であった。繰り返し数nの平均値は2.42であった。図3にGPCチャートを示す。
[実施例4]
撹拌機、還流冷却管を備えた四つ口フラスコに窒素パージを施しながら実施例3で得られるフェノール樹脂P-2を130質量部、エピクロロヒドリン217.74質量部、ジメチルスルホキシド52.40質量部を加え、水浴を43℃にまで昇温した。内温が43℃で安定したところでフレーク状の水酸化ナトリウム23.04質量部を120分かけて分割添加した後、更に43℃で2時間、70℃で30分反応を行った。反応終了後、ロータリーエバポレータを用いて125℃で減圧下、過剰のエピクロロヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン294.26質量部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液6.61質量部加え、1時間反応を行った後、水洗を行い、pH試験紙で洗浄水が中性になったことを確認した。得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP2)を145質量部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は311g/eq.、軟化点が58℃、ICI溶融粘度0.05Pa・s(150℃)であった。
[実施例5]
温度計、攪拌機、滴下ロート、冷却器を備え付けた4つ口フラスコにp-クレゾール390.0質量部、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.6質量部を仕込み50℃で溶解させた。メチルジシクロペンタジエン72.3質量部を1時間かけて滴下して仕込み、そのまま3時間反応させた後、75℃で2時間、105℃で2時間、135℃で2時間、160℃で1時間段階的に昇温させながら反応させた。反応終了後トリポリりん酸ソーダ3.3質量部、メチルイソブチルケトン237.7質量部加え撹拌し、温水を加え水洗を繰り返し、系内を中性にした。その後得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて190℃減圧下でメチルイソブチルケトン等を留去することでフェノール樹脂(P-3)を102質量部得た。得られた樹脂の水酸基当量は426g/eq.、軟化点が54.3℃、ICI溶融粘度0.02Pa・s(150℃)であった。繰り返し数nの平均値は1.93であった。図4にGPCチャートを示す。
[実施例6]
撹拌機、還流冷却管を備えた四つ口フラスコに窒素パージを施しながら実施例5で得られるフェノール樹脂P-3を90質量部、エピクロロヒドリン82.18質量部、ジメチルスルホキシド20.10質量部を加え、水浴を45℃にまで昇温した。内温が45℃で安定したところでフレーク状の水酸化ナトリウム8.84質量部を90分かけて分割添加した後、更に45℃で2時間、70℃30分反応を行った。その後、50℃以下になるように冷却を行った。反応終了後、ロータリーエバポレータを用いて124℃で減圧下、過剰のエピクロロヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン186.29質量部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液2.54質量部加え、1時間反応を行った後、水洗を行い、pH試験紙で洗浄水が中性になったことを確認した。得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP3)を91.62質量部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は531g/eq.であった。
[実施例7,8、比較例1,2]
実施例2,4で得られたエポキシ樹脂(EP1、2)、比較例1としてジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(XD-1000-2L、日本化薬株式会社製)、比較例2としてp-クレゾールジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(EP3)をそれぞれ主剤とし、硬化剤としてフェノールノボラック(略称;PN、水酸基当量103g/eq.)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(略称;TPP)を用いて表1の配合組成に示す重量比で配合、二本ロールで混錬、タブレット化後、トランスファー成形で樹脂成形体を調製し、160℃2時間、更に180℃6時間の硬化条件で硬化させた。
物性値の測定は以下の条件で測定した。
・吸水湿性
メーカー:エスペック株式会社
装置:SH-642(小型環境試験機)、EHS-411M(高度加速寿命試験装置)
直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片について下記試験をした後の重量増加率(%)を測定した。
1.100℃の水中で24時間煮沸
2.85℃85%の小型環境試験機内に24時間放置
3.121℃100%の高加速寿命試験装置に24時間放置
・誘電率試験、誘電正接試験
メーカー:株式会社AET
装置:1GHz空洞共振器
今回は空洞共振器摂動法にてテストを行った。
Figure 2024054289000006
表1の結果より、本願実施例の硬化物は耐吸水性、電気特性に優れることが確認された。
本発明は電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等、中でも特に積層板等の用途に有用であり、金属箔張り積層板、ビルドアップ基板用絶縁材料、フレキシブル基板材料などに有用である。

Claims (1)

  1. エポキシ当量が300g/eq.以上600g/eq.未満であって、下記式(1)で表されるエポキシ樹脂の前駆体である、下記式(2)で表されるフェノール樹脂。
    Figure 2024054289000007
    (式(1)中、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子を表す。a、bは0~2の実数を表し、a+b≧2である。c、dは1~3の実数を表す。nは繰り返し数であり1~20の実数を表す。)
    Figure 2024054289000008
    (式(2)中、R 、R はそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基、R 、R はそれぞれ独立して水素原子を表す。a、bは0~2の実数を表し、a+b≧2である。c、dは1~3の実数を表す。nは繰り返し数であり1~20の実数を表す。)
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