JP5234741B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関するものである。
近年、情報化技術の高度化に伴い、情報記録技術、特に磁気記録技術は著しく進歩している。磁気記録媒体のひとつであるHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気記録媒体用基板として、磁気ディスクの小型化、薄板化、および高密度記録化に伴い、従来多く用いられてきたアルミニウム基板に代えて基板主表面の平坦性及び基板強度に優れたガラス基板が用いられるようになってきている。
また、磁気ディスクには高記録密度化が要求されており、近年、磁気ディスクの情報記録密度は200Gbit/inch程度までの高記録密度化が達成されている。この高記録密度化に伴い、磁気ヘッドの方も薄膜ヘッドから、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)、巨大磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移してきていて、磁気ヘッドの基板(磁気ディスク)からの浮上量が20nmから5nm程度にまで狭くなってきている。このように、磁気ヘッドの磁気ディスクからの浮上量(磁気的スペーシング)を低浮上量化することによって、スペーシングロスを改善してSN比(シグナルノイズ比)を向上させることができ、更なる高記録密度化を達成することが可能となっている。
かかる磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)および巨大磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)は、相対運動する磁気ヘッドと磁気ディスク間の空気の圧力によって浮上量を制御している。すなわち、空気流によって生じた正圧(磁気ヘッドが磁気ディスクより浮上する方向に働く圧力)と、負圧(磁気ヘッドスライダー下面に意図的に設けられた空間において空気の容積を増大し圧力が低下させることで発生する、磁気ヘッドが磁気ディスクへと吸着させる方向の圧力)とのバランスにより、磁気ヘッドの磁気ディスクからの浮上量が決定される。
上述した磁気ヘッド浮上量の制御を安定化し、更なる低浮上量化を図るための技術の1つとして、近年、DFH(Dynamic Flying Height)という技術が開発されている。磁気ヘッドにヒータ素子を埋め込み、磁気ヘッドの動作時に、ヒータ素子を発熱させ、その熱によって磁気ヘッドが熱膨張し、磁気ディスクに向かってわずかに突出する。これにより、磁気ヘッドと磁気ディスク主表面との間に磁気的な間隙である磁気的スペーシングをその時にのみ小さくすることが可能である。すなわち、DFHとは、磁気ヘッドの磁気ディスクからの浮上量を低浮上量化することが可能な技術である。
かかるDFHヘッドにより、更なる低浮上量化が図れたが、磁気ヘッドにはMR素子が搭載されており、その固有の障害としてヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害を引き起こすという問題がある。これらの障害は磁気ディスク面上の微小な凹凸によって発生するため、磁気ディスク主表面は極めて高度な平滑度および平坦度が求められる。
このような磁気ディスクの平滑度に左右される浮上特性を評価する手段として、例えばグライドテストによる検査がある。グライドテストとは、磁気ディスクの主表面に対向して、グライドヘッド(PZT(圧電素子)などの衝撃検知センサーを装備したヘッド)を配置し、所定のグライド高さでグライドヘッドを磁気ディスクに対し相対移動させることで浮上特性を評価する方法である。
上述したように、アルミニウム基板と比較すれば平坦性に優れたガラス基板においても、さらなる平滑度および平坦度が求められるようになってきている。ここで、ガラス基板を平滑かつ平坦に研磨することと同様またはそれ以上に、ガラス基板の主表面に付着する塵埃などのパーティクルが問題となる。パーティクルで汚染されたガラス基板に磁性層を形成すると磁気ディスク上に凸欠陥を生じるため、ヘッドクラッシュ傷害やサーマルアスペリティ障害の原因となるからである。このため、ガラス基板の主表面に磁性層/保護層などを形成する作業は、通常、クリーンルームにて行う。
ここで、ガラス基板を製造してから、磁気ディスク生産拠点まで輸送する間にガラス基板に付着するパーティクルの問題が生じる。一般に磁気ディスク生産工程においては、まずガラス基板を洗浄し、付着したパーティクルを落とすことが行われる。しかし、いかなる量のパーティクルも落とせるわけではなく、ガラス基板に付着しているパーティクルの量に多寡がある場合、洗浄後にガラス基板上に残留するパーティクルの量にも差が生じる。したがって搬入時(梱包開梱後)にガラス基板上に付着しているパーティクルをできるだけ少なくする必要があり、そのためにはガラス基板または磁気ディスクの製造方法に含まれる梱包方法、開梱方法、梱包構造、梱包材料は、極めて重要である。
ガラス基板でなく、磁気ディスクを梱包対象とした従来技術として、磁気ディスクを収納容器に収納し、第1の梱包袋および第2の梱包袋で二重に梱包して輸送するものがある(例えば特許文献1)。かかる梱包体によれば、磁気ディスクは梱包袋中に密封されているため、パーティクルや異物の梱包袋内への侵入を防止することができる。
特開平11−157591号公報
磁気ディスクの汚染を防ぐ梱包技術は特許文献1によって提案されているが、かかる梱包技術をガラス基板の梱包に応用しても、開梱後のガラス基板へのパーティクルの付着量削減は満足するに到らなかった。このため、近年の磁気ディスクの高記録密度化および磁気ヘッドの低浮上量化に伴って磁気ディスクに求められる平滑度・平坦度の基準を満たすことができなかった。したがって、ガラス基板へのパーティクルの付着を更に低減する必要性がある。
本発明は、このような課題に鑑み、ガラス基板への塵埃や異物の付着をより確実に防止することにより、磁気ディスクの良品率を向上させることが可能な磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的としている。
本願発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、ガラス基板が収納されたケースを梱包する際において、その梱包袋およびケース内にパーティクルが存在していることを発見し、かかるパーティクルのガラス基板への付着を防止することがガラス基板の良品率を向上し、ひいては磁気ディスクの良品率を向上させるために効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の代表的な構成は、1つ以上の磁気ディスク用ガラス基板をケースに収容し、ケースを梱包袋に収容し、梱包袋内を減圧速度0.1MPa/sec以下で減圧することによって脱気し、梱包袋を脱気した状態で梱包袋の開口部を封止して密封することを特徴とする。
上記の構成によれば、梱包袋内を減圧速度0.1MPa/sec以下でゆっくりと脱気することにより、ケース内および梱包袋内の気流の発生を低減し、梱包袋およびケース内に存在するパーティクルをガラス基板に付着させることなく除去することができる。したがって、脱気中に、ケース内および梱包袋内に存在するパーティクルが気流によって移動することを防止し、かかるパーティクルがガラス基板主表面へ衝突して付着することを回避することが可能となる。
仮に急激に脱気吸引したとすれば、雰囲気中のパーティクルが勢いよくガラス基板主表面に付着し、洗浄で除去できないほど堅固に固着してしまうおそれがある。しかし上記構成によれば、パーティクルは空気流に乗って吸引され、梱包袋外に除去することができる。また、仮にパーティクルがガラス基板主表面に接触したとしても、ゆっくりと脱気していることからその運動エネルギーが小さいため付着しにくく、付着したとしても洗浄によって容易に除去することができる。
更に、梱包袋を脱気した状態で梱包袋の開口部を封止して密封することにより、パーティクルや水蒸気が含まれる梱包袋内の空気を除去し、真空に近い状態にすることができ、かつ、梱包袋の外部からのパーティクルや水蒸気の侵入を防止することが可能となる。梱包袋内の水蒸気を除去することにより、かかる水蒸気が搬送時の温度差によって液化し、ガラス基板に付着することを防止し、ガラス基板主表面の状態の変化を回避することが可能となる。したがって、ガラス基板を梱包後に出荷して搬送後、開梱するまでの間、かかるガラス基板の状態を良好に保つことができる。
上記の梱包袋は金属ラミネートフィルム製であるとよい。
金属ラミネートフィルムは水蒸気やガスの遮蔽性が高いため、梱包時に脱気および密封した状態を長期間維持することができる。金属ラミネートの金属としては、アルミニウムの他、ステンレス材、クロム、またはクロム酸処理、リン酸処理、クロメート処理や、ニッケル、スズ、亜鉛などでめっき処理した鋼板などを好適に用いることができる。また、上記の金属をラミネートする素材としては、ポリエチレンフィルム、アルミニウムフィルム、延伸ナイロンフィルムおよびポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。かかる素材をラミネートすることによって、梱包袋の水蒸気透過率、酸素透過率を低減することが可能である。
上記の封止は、線状に加熱圧着するヒートシール方式であって、1回目の封止をした後に、その封止した位置よりも内側にさらに2回目の封止をするとよい。
上記のように、二重にヒートシールをして封止することによって、ヒートシール強度を増強することが可能となる。また手作業で封止されるヒートシールは工業的に処理される他の辺よりも弱いおそれがあるが、二重密封であれば、万が一、気圧差によって内側の(2回目の)ヒートシールがはがれてしまった場合であっても、外側の(1回目の)ヒートシールにより梱包袋内は密封状態を維持することができる。
上記のヒートシールを、1回目に内側、2回目に外側の順番で行うと、両ヒートシール間には空気が残存してしまう。したがって、本願発明では、1回目に外側、2回目に内側の順番でヒートシールすることにより、両ヒートシールの間は真空に近い状態に保たれるので、内側のヒートシールがはがれてしまっても梱包袋に空気が混入することがない。
上記のケースを収容して密封した梱包袋を第2の梱包袋にさらに収容し、第2の梱包袋内を減圧することによって脱気し、第2の梱包袋の開口部を封止して密封するとよい。
上記の構成によれば、梱包袋および第2の梱包袋ともに脱気したうえで密封しているため、水蒸気やガスの透過を更に効果的に防止することができ、密封状態を長期間維持することが可能となる。また、ケースを二重梱包にすることにより、搬送時の衝突等により第2の梱包袋に穴が開くことがあっても、内側の梱包袋は密封状態を保つことができる。以下、先に述べた内側の梱包袋を「第1の梱包袋」と呼ぶ。
当該磁気ディスク用ガラス基板は、DFHヘッドを用いて記録される磁気ディスクの製造に用いられるとよい。
本発明にかかる製造方法によって製造された磁気ディスク用ガラス基板は、従来の製造方法にて製造された磁気ディスク用ガラス基板よりもパーティクルの量が低減されているため、ガラス基板主表面の清浄度が高い。したがって、本発明にかかる磁気ディスク用ガラス基板は、磁気ヘッドの浮上量が低いDFHヘッドを使用した磁気記録方式にて記録される磁気ディスクに用いられるのに好適である。
当該磁気ディスク用ガラス基板は、磁気ディスクへの記録の際の磁気ヘッドの浮上量が10nm以下となる磁気ディスクの製造に用いられるとよい。
上述したように、本発明にかかる製造方法によって製造された磁気ディスク用ガラス基板は、ガラス基板主表面の清浄度が高い。したがって、かかるガラス基板を用いて製造される磁気ディスクは平滑度および平坦度が高く、磁気ヘッドの浮上量が10nm以下である記録方式に対応することができる。
当該磁気ディスク用ガラス基板は、記録密度が200Gbit/inch以上の磁気ディスクの製造に用いられるとよい。
上述したように、本発明にかかる製造方法によって製造された磁気ディスク用ガラス基板は、ガラス基板主表面の平滑度および平坦度が高いため、かかるガラス基板を用いて製造される磁気ディスクは、磁気ヘッドの浮上量が低浮上量である記録方式によって高記録密度化が達成される、200Gbit/inch以上の記録密度を有する磁気ディスクに好適に用いることが可能である。
本発明によれば、梱包袋およびケース内に存在している塵埃や異物のガラス基板への付着をより確実に防止することにより、磁気ディスクの良品率を向上させることが可能な磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することができる。
まず、本実施形態にかかる磁気ディスク用ガラス基板について説明する。図1は、本実施形態にかかる磁気ディスク用ガラス基板を説明する図であり、図1(a)は磁気ディスク用ガラス基板の斜視図である。磁気ディスク用ガラス基板100は、円板形状をしていて、その中心には内孔が形成されている。主表面110は、情報を記録再生するための領域であるため、記録ヘッドが浮上走行するために実質的に平滑になっている。
図1(b)は、図1(a)のX−X断面図である。磁気ディスク用ガラス基板100は、情報の記録再生領域となる主表面110と、当該主表面110に対して直交している端面120と、当該主表面110と端面120との間に介在している面取面130とを備えている。なお、後述する端面研磨工程により端面120と面取面130との境界が不明瞭となる場合もあるため、本実施形態は端面120とその両側の面取面130があわせて1つの曲面を構成する場合も含むものとする。
磁気ディスクの成膜工程前に磁気ディスク用ガラス基板100、特にその主表面110にパーティクルや異物が付着すると、成膜工程においてガラス基板に平滑な磁性層を形成することができず、最終製品である磁気ディスクの良品率が低下する。
図2は、ガラス基板のケースへの収納状態を説明する図である。図2(a)は、ガラス基板を保管するための容器であるプラスチック製の略直方体のガラス基板ケースの拡大図である。ケース200は25枚のガラス基板を収納可能とし、ガラス基板100はケース200に保存される。ガラス基板100が収納されたケース200は、図2(b)のように複数個(本実施形態では4個)を並べられた状態で、第1の梱包袋に収容される。なおケース200に収納する磁気ディスク用ガラス基板の数は1つ以上であればよく、その数は特に限定されない。
図3は、ガラス基板が収納されたケースの第1の梱包袋による梱包状態を説明する図である。ガラス基板100が収納されたケース200は、図2(b)に示すような複数個並べられた状態から、まず、図3(a)に示すように、金属ラミネートフィルム製の第1の梱包袋210に収容される。そして、第1の梱包袋210の開口部に、減圧装置(図示せず)に繋がっている管202を2本挿入し、これによって第1の梱包袋210内を減圧しながら脱気する。
このとき、第1の梱包袋210内を脱気する速度は、減圧速度0.1MPa/sec以下であることが好ましい。かかる減圧速度で脱気することにより、脱気中における、ケース内および梱包袋内の空気に気流が発生することを防止できる。これにより、ケース内および梱包袋内に存在するパーティクルがかかる気流によって移動し、ガラス基板主表面へ衝突して付着することを回避できる。また、仮にパーティクルがガラス基板主表面に接触したとしても、上記の減圧速度であればパーティクルの運動エネルギーが小さいため付着しにくく、付着したとしても洗浄によって除去し易くなる。
そして、上記のように第1の梱包袋210内を脱気した状態で、第1の梱包袋210の開口部を、ヒートシール方式により線状に加熱圧着し封止することにより、第1の梱包袋210を密封する。かかる封止は、図3(b)に示すように、まず、第1の梱包袋210の開口部寄りに一回目のヒートシール214aをし、次に、ヒートシール214aよりも内側に二回目のヒートシール214bをする。このように、二重ヒートシールをして封止することによって、ヒートシール強度を増強することが可能となる。このとき、ヒートシール強度は24.5N/15mmとなっている。
また、上記のように、1回目に外側、2回目に内側の順番でヒートシールすることにより、両ヒートシールの間は真空に近い状態に保たれるので、内側のヒートシールがはがれてしまっても梱包袋に空気が混入することがない。このヒートシールの順番が逆であると、両ヒートシール間には空気が残存してしまう。
更に、上記の二重ヒートシールであれば、一回のみのヒートシールによって封止した場合よりも、長期間、第1の梱包袋210内の密封状態を維持することができる。また、万が一、気圧差によって内側の(2回目の)ヒートシールがはがれてしまった場合であっても、外側の(1回目の)ヒートシールにより梱包袋内は密封状態を維持することができる。上記の構成によって、梱包袋の外部からのパーティクルや水蒸気の侵入を防止することができ、ガラス基板を梱包後に出荷し、搬送後から開梱するまでの間、かかるガラス基板の状態を良好に保つことができる。
上述のように、ケース200は、金属ラミネートフィルム製の第1の梱包袋210で梱包され、脱気した状態で密封され、梱包体212となる。かかる方法でケース200を梱包することにより、ケース内および梱包袋内に存在するパーティクルを脱気して除去することができ、パーティクルのガラス基板への付着を防止し、ガラス基板主表面の汚染を回避することができる。また、脱気することにより、ケース内および梱包袋内の空気に含まれている水蒸気を除去し、かかる水蒸気が搬送時の温度差によって液化し、ガラス基板に付着することを防止することができ、ガラス基板主表面の状態の変化を防ぐことが可能となる。
図4は、第1の梱包袋の詳細を説明する図である。図4(a)は、第1の梱包袋の大きさの一例を示す図である。第1の梱包袋210は、斜線に示す部分216をヒートシールされることにより、袋状となっている。そして、上述したように、第1の梱包袋210は、ケース200が収容された後、内部を脱気され、開口部218を二重ヒートシールすることにより封止される。
第1の梱包袋の縦横のサイズは500mm×400mmとし、ヒートシールされた部分216の幅を10mmとしているが、これらの数値は例示にすぎない。同図に示すように、第1の梱包袋210の四方は、曲率半径1mmの曲線形状に丸められている。あるいは、鈍角化してもよい。
第1の梱包袋210に使用されている金属ラミネートフィルムは硬度が高く、熱圧着によってヒートシールをされると、更に柔軟性を失い硬度が高くなる。これに対し外袋である第2の梱包袋はプラスチックフィルムを使用しているため、柔軟性が高く、さほどの強度は得にくい。このため、第2の梱包袋220が第1の梱包袋210を直接に梱包し、両者が密着すると、内側の強靭な第1の梱包袋210の四方(角)の鋭利な形状によって、外側の第2の梱包袋220が破れてしまうおそれがある。特に、搬送する際の振動や外圧によって、第1の梱包袋の角部が第2の梱包袋の同じ箇所に繰り返し接触することは十分に考えられる。したがって、第1の梱包袋210の四方を面取りする(丸める、あるいは鈍角化する)ことにより、第2の梱包袋220が破れることを効果的に防止している。
なお、第1の梱包袋210の角の面取りは、第2の梱包袋220の強度にもよるが、実験的には、曲率半径が、ヒートシールを行う部分の幅の1/10程度であればよい。本実施形態において曲率半径を1mmとしたのは、この値がヒートシール部分216の幅の1/10程度の曲率半径であり、破れ防止機能を確保するには十分だからである。
図4(b)は、第1の梱包袋のラミネート構造を示す概略図である。本実施形態では、上述のように、第1の梱包袋210を金属ラミネートフィルム製としている。本願では、積層される複数のフィルムから成り、そのうち1つでも金属製のフィルムを含むものであれば、金属ラミネートフィルム製と呼ぶ。かかる金属としては、アルミニウム、ステンレス材、クロム、またはクロム酸処理、リン酸処理、クロメート処理や、ニッケル、スズ、亜鉛などでめっき処理した鋼板などを好適に用いることができる。
金属ラミネートフィルムの具体的な構成としては、図4(b)に示す通り、第1の梱包袋210は、内側から、ポリエチレンフィルム410、アルミニウムフィルム(金属製フィルム)420、延伸ナイロンフィルム430およびポリエチレンテレフタレートフィルム440が積層されている。これらの素材を上述の順番でラミネートすることによって、水蒸気透過率、酸素透過率を低減することが可能である。
なお、上記の第1の梱包袋210の水蒸気透過率は、0.1g/m・day以下であるとよい。これにより、ガラス基板が湿気に曝され汚染され、主表面の状態が変化してしまうことを回避できる。また、第1の梱包袋210の酸素透過率は、0.1cc/m・day以下であるとよい。これにより、水蒸気透過率が低い場合と同様に、ガラス基板主表面の状態変化を防止することができる。
したがって、水蒸気透過率および酸素透過率が上記の値である金属ラミネートフィルムによって梱包することにより、水蒸気やガスの遮蔽性を高め、脱気および密封した状態を長期間維持することができ、ガラス基板100が湿気に曝されて化学変化することによる主表面の状態変化が確実に回避される。
図5は、ガラス基板が収納されたケースの第2の梱包袋による梱包状態を説明する図である。図5に示すように、第1の梱包袋210で梱包されたケース200(梱包体212)をさらにプラスチックフィルム製の第2の梱包袋220に収容する。そして、第2の梱包袋220内を減圧して脱気した状態で、線状に加熱圧着するヒートシール224によって封止して密封し、二重梱包体222とする。このプラスチックフィルムは、例えばポリエチレンとしてよい。なお、本実施形態においては、ケース200を複数個積み重ねた状態で梱包しているが、ケース200一つごとに梱包してもよい。
上記の構成によれば、第1の梱包袋210および第2の梱包袋220ともに、梱包袋内を脱気して密封しているため、水蒸気やガスの透過を効果的に防止し、密封状態を長期間維持することができる。かかる脱気は、窒素などの不活性ガスを充填してから行ってもよい。また、ケースを二重梱包にすることにより、搬送時の衝突等により第2の梱包袋に穴が開くことがあっても、内側の梱包袋は密封状態を保つことができる。
更に、上記の構成によれば、ガラス基板を搬送後、磁気ディスク製造施設において、第1の梱包袋210および第2の梱包袋220を開梱する際の、ガラス基板へのパーティクルの付着を防止することができる。搬送後、まず、パーティクルが付着している外側の第2の梱包袋220を開梱する。次に、第2の梱包袋220を開梱した室とは異なる室において、内側の第1の梱包袋210を開梱して、ケースに入ったガラス基板をクリーンルームに搬入する。
したがって、第2の梱包袋を開梱する際に、輸送中に付着するパーティクルをほぼ完全に除去し、磁性層等を成膜するクリーンルームに搬入する直前のガラス基板にパーティクルが付着することを防止できる。
なお、本実施形態においては、第2の梱包袋220にはプラスチックフィルムが使用されているが、第1の梱包袋210と第2の梱包袋220の両方に金属ラミネートフィルムを用いることも考えられる。しかしながら、金属ラミネートフィルムはポリエチレンなどのプラスチックフィルムよりも複雑な構造であり、材料費も高価である。したがって、金属ラミネートフィルム性の第1の梱包袋210で水蒸気やガスの遮断し、プラスチックフィルム性の第2の梱包袋220で塵埃(パーティクル)や大方の水蒸気の進入を防止することにより、梱包としての性能を確保しつつ材料費を低廉に抑えることが可能となる。
以上、本発明にかかる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の実施形態を説明した。なお、当該ガラス基板は、従来の製造方法にて製造された磁気ディスク用ガラス基板よりもパーティクルの量が低減されているため、ガラス基板主表面の平滑度および平坦度が高い。したがって、高い平滑度および平坦度が要求される、低浮上量の磁気ヘッドでの記録方式、すなわち、磁気ヘッドの浮上量が10nm以下である記録方式にて記録される磁気ディスクに用いることができる。また、同様の観点から、当該ガラス基板は、磁気ヘッドの浮上量が低いDFHヘッドを使用した磁気記録方式にて記録される磁気ディスクに用いるのにも好適であり、更に、磁気ヘッドの低浮上量化によって高記録密度化が達成された、200Gbit/inch以上の記録密度を有する磁気ディスクに用いることもできる。
他に、当該ガラス基板を用いて製造された磁気ディスクの平滑度は、グライドテストにおけるグライド高さが15nm以下という基準を満たすことができる。これは、本発明にかかる製造方法によって製造されたガラス基板は、主表面の平滑度および平坦度が高いため、当該ガラス基板を用いて製造された磁気ディスクにおいても主表面の平滑度および平坦度が向上するためである。
(実施例)
以下に、本発明を適用した磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について実施例を説明する。梱包対象となる磁気ディスク用ガラス基板100は、2.5インチ型ディスクとして製造されるものを意図している。その他、0.8インチ型ディスク(内径6mm、外径21.7mm、板厚0.381mm)、1.0インチ型ディスク(内径7mm、外径27.4mm、板厚0.381mm)、1.8インチ型磁気ディスク(内径12mm、外径48mm、板厚0.508mm)などの所定の形状を有する磁気ディスクとしてもよい。3.5インチ型ディスクに適用してもよい。
(1)形状加工工程および第1ラッピング工程
本実施形態においてガラス基板100の材質としてはソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、結晶化ガラス等が挙げられるが、中でもアルミノシリケートガラスが好適である。アルミノシリケートガラスは、平滑かつ高剛性が得られるので、磁気的スペーシング、特に、磁気ヘッドの浮上量をより安定して低減できる。また、アルミノシリケートガラスは化学強化により、高い剛性強度を得ることができる。
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラスを得た。なお、アルミノシリケートガラスとしては、化学強化用のガラスを使用した。ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円板状の磁気ディスク用ガラス基板100を得てもよい。なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を主成分として含有する化学強化ガラスを使用した。
次に、この板状ガラスの両主表面をラッピング加工し、ディスク状のガラス母材とした。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行った。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行った。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス母材を得た。
(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング)
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス母材を切断し、このガラス母材から円板状のガラス基板を切り出した。次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板100とした(コアリング)。そして内周端面および外周端面120をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施した(フォーミング)。
(3)第2ラッピング工程
次に、得られたガラス基板100の両主表面110について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行った。この第2ラッピング工程を行なうことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面110に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
(4)端面研磨工程
次に、ガラス基板100の外周の端面研磨を行なう。まず端面120については、面取面130に先立ち、単独で研磨を行なう。研磨の方法は、例えば複数枚のガラス基板100を同時にブラシにて研磨する方法でもよいが、取代が多くなってしまう。そこで、例えば枚葉式の研磨方法を用いてよい。
続いて面取面130については、鏡面研磨を行った。これにより、1枚のガラス基板100の面取面130の、外周の全周における表面粗さの差は、0.001μm以下の範囲になった。そして、端面研磨工程を終えたガラス基板100を水洗浄した。この端面研磨工程により、ガラス基板100の端面120は、ナトリウムやカリウムの析出の発生を防止できる鏡面状態に加工された。
なお、本実施例では端部の研磨を行った後に面取面130の研磨を行なうよう説明した。しかしこの順序については任意であって、面取面130の研磨を先に行ってから端面120の研磨を行ってもよい。
次に、内周端面については、多数枚積層したガラス基板ブロックを形成し、面取りした内周端部をブラシロールにて同時に研磨してよい。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。
(5)主表面研磨工程
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面110に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面110の研磨を行った。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いた。
この第1研磨工程を終えたガラス基板100を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
次に、主表面研磨工程として、第2研磨工程を施した。この第2研磨工程は、主表面110を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面110の鏡面研磨を行った。研磨剤としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒を用いた。
この第2研磨工程を終えたガラス基板100を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には、超音波を印加した。
(6)化学強化工程
次に、前述のラッピング工程および研磨工程を終えたガラス基板100に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400℃に加熱しておくとともに、洗浄済みのガラス基板100を300℃に予熱し、化学強化溶液中に約3時間浸漬することによって行った。この浸漬の際には、ガラス基板100の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板100が端面120で保持されるように、ホルダに収納した状態で行った。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板100の表層のリチウムイオンおよびナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板100が強化される。ガラス基板100の表層に形成された圧縮応力層の厚さは、約100μm乃至200μmであった。
化学強化処理を終えたガラス基板100を、20℃の水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。そして、急冷を終えたガラス基板100を、約40℃に加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに、硫酸洗浄を終えたガラス基板100を純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を印加した。
上記の如く、第1ラッピング工程、切り出し工程、端面研磨工程、第2ラッピング工程、第1および第2研磨工程、ならびに化学強化工程を施すことにより、平坦で平滑な、高剛性の磁気ディスク用ガラス基板100を得た。
(7)検査工程
得られた磁気ディスク用ガラス基板100の主表面110について平滑性の検査を行った。検査工程は、表面欠陥検出装置(AOI:Automatic Optical Inspection)やOSA(Optical Surface Analyzer)等の機器を用いて、磁気ディスク用ガラス基板100に光を照射し磁気ディスク用ガラス基板100から反射した光の強度もしくは変位のいずれか一方または両方を測定し、付着物、凹部および凸部が存在するか否か等を測定し、基板状態を評価する。
(8)梱包工程
25枚の磁気ディスク用ガラス基板100をケース200に収容した。かかるケース200を4個並べた状態でアルミニウムラミネートフィルム製の第1の梱包袋210に収容し、第1の梱包袋210の開口部に、減圧装置(図示せず)に繋がっている管202を2本挿入し、これによって第1の梱包袋210内を減圧しながら脱気する。このとき、減圧速度は0.1MPa/sec以下とする。そして、脱気した状態で、第1の梱包袋210の開口部を線状に加熱圧着し、二重にヒートシールすることにより封止して、梱包体212とした。
次に、梱包体212を、プラスチックフィルム製の第2の梱包袋220に収容し、第2の梱包袋220内を減圧しながら脱気する。このとき、減圧速度は0.05〜0.1MPa/sec程度とした。そして、脱気した状態で第2の梱包袋220の開口部を線状に加熱圧着し、ヒートシールすることにより封止して二重梱包体222とした。
上記のように、ガラス基板100がケース200に収納され、第1の梱包袋210および第2の梱包袋220で二重に梱包された二重梱包体222は、ガラス基板製造施設から出荷され、船や飛行機、列車等によって磁気ディスク製造施設へ運搬される。
かかる二重梱包体222のうち、外側の梱包袋である第2の梱包袋220を所定の室において開梱し、梱包体212とした。かかる所定の室は、別室と隣接していて、別室から気流が流れこんでいる(所定の室および別室は図示を省略する)。
次に、梱包体212の第1の梱包袋210を別室において開梱した。かかる別室は、所定の室と、生産ラインが設置されているクリーンルームとに隣接する中間の室であり、所定の室に向かって気流が発生している。なお、第1の梱包袋210の開梱の際は、第1の梱包袋210に針等で微小な穴を開け、第1の梱包袋210内に徐々に空気が送入されるようにした。そして、第1の梱包袋210内に十分に空気が送入された後に、第1の梱包袋210を開梱した。
[評価]
以上の工程によって開梱されたガラス基板における本実施形態の有効性について説明する。図6は、減圧速度とパーティクル数の関係を示すグラフである。本実施形態の梱包工程において、減圧速度の条件を変更してガラス基板を梱包し、かかるガラス基板を上記のようにして開梱した後に、減圧速度毎にガラス基板をケースから15枚ずつ抜き出し、サンプリングした。
そして、再び表面欠陥検出装置(OSA6100)を用いて、当該ガラス基板主表面に付着している、1.0μm未満のパーティクルの数を、カウントし、その平均値をグラフに示した。ここで、許容値とは、磁気ディスクに用いられるガラス基板において、ガラス基板主表面に付着している、1.0μm未満の大きさのパーティクル数の許容される値の上限値であり、この値を超えているガラス基板は、不良品として磁気ディスクに用いることができない。
図6(a)は、記録密度が200Gbit/inchの磁気ディスクに用いられるガラス基板における、減圧速度とパーティクル数の関係を示している。図6(a)に示すように、減圧速度が高いとき、ガラス基板主表面のパーティクル数は許容値を大幅に超えている。そして、減圧速度が0.1MPa/secとなったとき、ガラス基板主表面のパーティクル数は初めて許容値である20個以下となる。したがって、ガラス基板を梱包する際には、減圧速度0.1MPa/sec以下で減圧して脱気することにより、ガラス基板主表面へのパーティクルの付着を防止することが可能であり、ひいては磁気ディスク製造工程に用いるガラス基板の良品率を向上させられることがわかる。
図6(b)は比較例として、記録密度が60Gbit/inchの磁気ディスクに用いられるガラス基板における、減圧速度とパーティクル数の関係を示している。図6(b)に示すように、記録密度が60Gbit/inchの磁気ディスクの製造に用いられるガラス基板において、ガラス基板主表面のパーティクル数の許容値は、60個/面である。そして、ガラス基板主表面のパーティクル数が許容値となるのは、減圧速度が0.3MPa/secとなったときである。
このように、記録密度が60Gbit/inch程度の磁気ディスクに用いられるガラス基板においては、求められる主表面の平滑度および平坦度の基準がさほど厳しくないため、パーティクル数の許容値が高い。したがって、減圧速度0.3MPa/sec程度で減圧して脱気してもパーティクル数は許容値を超えないため、ガラス基板の良品率が著しく低下することはない。
以上説明したように、本実施形態にかかるガラス基板の製造方法によれば、梱包袋およびケース内に存在している塵埃(パーティクル)や異物のガラス基板への付着をより確実に防止することができる。したがってこのガラス基板を用いて製造した磁気ディスクは凸欠陥が少なくなり、磁気ヘッドの浮上量が10nm以下となるほどの低浮上量化、記録密度が200Gbit/inch以上の高記録密度化を図ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に利用することができる。
本発明にかかる磁気ディスク用ガラス基板を説明する図である。 ガラス基板のケースへの収納状態を説明する図である。 ガラス基板が収納されたケースの第1の梱包袋による梱包状態を説明する図である。 第1の梱包袋の詳細を説明する図である。 ガラス基板が収納されたケースの第2の梱包袋による梱包状態を説明する図である。 減圧速度とパーティクル数の関係を示すグラフである。
符号の説明
100…ガラス基板
110…主表面
120…端面
130…面取面
200…ケース
202…管
210…第1の梱包袋
212…梱包体
214a、214b…ヒートシール
216…ヒートシール部
218…開口部
220…第2の梱包袋
222…二重梱包体
224…ヒートシール
410…ポリエチレンフィルム
420…アルミニウムフィルム
430…延伸ナイロンフィルム
440…ポリエチレンテレフタレートフィルム

Claims (7)

  1. 1つ以上の磁気ディスク用ガラス基板をケースに収容し、
    前記ケースを梱包袋に収容し、
    前記梱包袋内を減圧速度0.1MPa/sec以下で減圧することによって脱気し、
    前記梱包袋を脱気した状態で該梱包袋の開口部を封止して密封することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記梱包袋は金属ラミネートフィルム製であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記封止は、線状に加熱圧着するヒートシール方式であって、1回目の封止をした後に、その封止した位置よりも内側にさらに2回目の封止をすることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記ケースを収容して密封した前記梱包袋を第2の梱包袋にさらに収容し、
    前記第2の梱包袋内を減圧することによって脱気し、
    前記第2の梱包袋の開口部を封止して密封することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 当該磁気ディスク用ガラス基板は、DFHヘッドを用いて記録される磁気ディスクの製造に用いられることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 当該磁気ディスク用ガラス基板は、磁気ディスクへの記録の際の磁気ヘッドの浮上量が10nm以下となる磁気ディスクの製造に用いられることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  7. 当該磁気ディスク用ガラス基板は、記録密度が200Gbit/inch以上の磁気ディスクの製造に用いられることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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