JP2015067359A - 磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板素材梱包体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気ディスク用ガラス基板を梱包した磁気ディスク用ガラス基板梱包体において、磁気ディスク用ガラス基板同士の間の無駄な空間を極力排し、また、外径が一定ではない磁気ディスク用ガラス基板素材についても、表面や端面にダメージを与えることがない磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法を提供する。
【解決手段】複数の磁気ディスク用ガラス基板100を、磁気ディスク用ガラス基板100よりも外径が大きい緩衝材200を各磁気ディスク用ガラス基板の間に介在させて積層させ、緩衝材200の磁気ディスク用ガラス基板の外縁よりも外方にはみ出した部分を、一方向に折曲させて、該はみ出した部分により磁気ディスク用ガラス基板100の外側端面を覆い、複数の磁気ディスク用ガラス基板100及び緩衝材200を外袋210に収納する。
【選択図】図2
【解決手段】複数の磁気ディスク用ガラス基板100を、磁気ディスク用ガラス基板100よりも外径が大きい緩衝材200を各磁気ディスク用ガラス基板の間に介在させて積層させ、緩衝材200の磁気ディスク用ガラス基板の外縁よりも外方にはみ出した部分を、一方向に折曲させて、該はみ出した部分により磁気ディスク用ガラス基板100の外側端面を覆い、複数の磁気ディスク用ガラス基板100及び緩衝材200を外袋210に収納する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)等に用いられる磁気ディスクの基板である磁気ディスク用ガラス基板を梱包した磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板素材梱包体の製造方法に関する。
近年、情報記録技術、特に、磁気記録技術は、いわゆるIT産業の発達に伴って飛躍的な技術革新が要請されている。そして、コンピュータ用ストレージとして用いられる磁気ディスク装置であるハードディスクドライブ(HDD)に搭載される磁気ディスクにおいては、磁気テープやフレキシブルディスクなどの他の磁気記録媒体と異なり、急速な情報記録密度の増大化が続けられている。パーソナルコンピュータ装置に収納することのできる情報容量は、このような磁気ディスクの情報記録密度の増大に支えられて、飛躍的に増加している。
このような磁気ディスクは、アルミニウム系合金基板やガラス基板などの基板上に、磁性層等が成膜されて構成されている。そして、ハードディスクドライブにおいては、高速回転される磁気ディスク上に磁気ヘッドを浮上飛行させながら、この磁気ヘッドにより、情報信号を磁化パターンとして磁性層に記録し、また、再生を行う。
そして、近年、磁気ディスク用の基板として、高強度、かつ、高剛性のガラス基板が注目されている。また、ガラス基板においては、平滑な表面が得られるので、磁気ディスク上を浮上飛行しながら記録再生を行う磁気ヘッドの浮上量を狭隘化することが可能であり、高い情報記録密度の磁気ディスクを得ることができる。
一方、ハードディスクドライブにおいては、近年、記録再生信号のS/N比(Signal Noise Ratio)を向上させて情報記録容量の増大を図るために、磁気ヘッドの再生部に、磁気抵抗効果型素子が用いられている。このような磁気抵抗効果型の再生素子を備える磁気ヘッドにおいては、サーマルアスペリテイ障害が発生し易い。そのため、磁気ディスクにおいては、磁気ディスク用ガラス基板の主表面のみならず、端面部についても、所定の鏡面状態に仕上げられていることが必要となった。
例えば、特許文献1には、ガラス基板の端面部の表面粗さ(Ra)を、例えば、1μm未満とすることにより、サーマルアスペリテイの原因となるパーティクルの発生を防止することができる磁気ディスク用ガラス基板が記載されている。
最近、磁気ディスクの情報記録密度は1平方インチ当たり40ギガビット以上(1枚あたり250ギガビット以上)に到達するまでに増大している。このため、サーマルアスペリテイ障害を従来の水準以上に抑制することが求められている。
ところで、磁気ディスクの製造工程は、磁気ディスク用ガラス基板へのパーティクルの付着を高度に防止しなければならないため、クリーンルーム内において実施される。そして、磁気ディスクの製造の全工程は、1つのクリーンルーム内において実施することは困難である。すなわち、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程と、磁性層等の成膜工程とは、全く異なる設備を用いて実施され、また、必要とされるクリーンルームのクリーン度も異なる。これらを1つのクリーンルーム内において実施しようとすれば、大規模なクリーンルームが必要となり、無駄が多い。
そこで、例えば、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程を第1のクリーンルーム内で実施し、製造された磁気ディスク用ガラス基板を梱包して磁気ディスク用ガラス基板梱包体とし、この磁気ディスク用ガラス基板梱包体を第1のクリーンルームから出して第2のクリーンルームに搬送し、この第2のクリーンルーム内で磁性層等の成膜工程を実施することが行われている。このように、磁気ディスクの製造の全工程をいくつかの工程に分け、それぞれを別個のクリーンルーム内において行い、異なるクリーンルームの間は梱包体として搬送するようにすることにより、適切な規模及びクリーン度のクリーンルームを無駄なく使用することができ、製造を効率化することができる。
磁気ディスク用ガラス基板は、表面及び端面に傷やカケなどが入り易いため、特許文献2に記載されているように、磁気ディスク用ガラス基板同士が触れないように収納ケースに収納され、磁気ディスク用ガラス基板梱包体となされて、保管及び搬送される。
磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造は、主表面が鏡面化された少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板が収納されている収納ケースを袋体で梱包し、この収納ケースを袋体に入れて袋体内部を脱気した後に密封する密封処理を行うことによって実施されている。収納ケースを梱包する袋体としては、特許文献3に記載されているように、第1の袋体として金属ラミネートフィルムからなる梱包袋を用い、次に第2の袋体としてプラスチックフィルムからなる梱包袋を用いている。
前述のような磁気ディスク用ガラス基板梱包体においては、磁気ディスク用ガラス基板同士の間には、少なからず無駄な空間が存在している。一つの収納ケースに収納できる磁気ディスク用ガラス基板の枚数には限りがある。製造の効率化、コストの低廉化のためには、このような無駄を排し、一度に搬送できる磁気ディスク用ガラス基板の枚数を増やすことが望まれる。
また、磁気ディスク用ガラス基板は、研磨工程における取り代をより少なくするように改善されている。この場合には、厚みを一定に規制する一方で、外径が一定ではない磁気ディスク用ガラス基板素材を用いる。切り出し工程や研削加工における外周側の取り代は、ガラス材料として回収する。このような外径が一定ではない磁気ディスク用ガラス基板素材は、従来の収納ケースに収納することができない。このような磁気ディスク用ガラス基板素材は、従来の収納ケースに収納すると、端面にダメージ(小さい傷や浅い傷、小さいカケ、クラック等)を被る虞がある。このようなダメージが生ずると、磁気ディスク用ガラス基板の段階で、または、磁気ディスクとして製造された段階で、不良品となる可能性が大きくなる。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、磁気ディスク用ガラス基板を梱包した磁気ディスク用ガラス基板梱包体において、磁気ディスク用ガラス基板同士の間の無駄な空間を極力排して、一度に搬送できる磁気ディスク用ガラス基板の枚数を増やし、また、外径が一定ではない磁気ディスク用ガラス基板素材についても、表面や端面にダメージを与えることがなく、最終製品である磁気ディスクの良品率を向上、すなわち、エラーレートやヘッドクラッシュを低減させることができる磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法を提供することを目的とする。
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法は、以下の構成を有するものである。
〔構成1〕
磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法であって、複数の磁気ディスク用ガラス基板を該磁気ディスク用ガラス基板よりも外径が大きい緩衝材を各磁気ディスク用ガラス基板の間に介在させて積層させ、緩衝材の磁気ディスク用ガラス基板の外縁よりも外方にはみ出した部分を一方向に折曲させて該はみ出した部分により磁気ディスク用ガラス基板の外側端面を覆い、複数の磁気ディスク用ガラス基板及び緩衝材を外袋に収納することを特徴とするものである。
磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法であって、複数の磁気ディスク用ガラス基板を該磁気ディスク用ガラス基板よりも外径が大きい緩衝材を各磁気ディスク用ガラス基板の間に介在させて積層させ、緩衝材の磁気ディスク用ガラス基板の外縁よりも外方にはみ出した部分を一方向に折曲させて該はみ出した部分により磁気ディスク用ガラス基板の外側端面を覆い、複数の磁気ディスク用ガラス基板及び緩衝材を外袋に収納することを特徴とするものである。
また、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板素材梱包体の製造方法は、以下の構成を有するものである。
〔構成2〕
磁気ディスク用ガラス基板素材梱包体の製造方法であって、外径にばらつきがある複数の磁気ディスク用ガラス基板素材を該磁気ディスク用ガラス基板素材よりも外径が大きい緩衝材を各磁気ディスク用ガラス基板素材の間に介在させて積層させ、緩衝材の磁気ディスク用ガラス基板素材の外縁よりも外方にはみ出した部分を一方向に折曲させて該はみ出した部分により磁気ディスク用ガラス基板素材の外側端面を覆い、複数の磁気ディスク用ガラス基板素材及び緩衝材を外袋に収納することを特徴とするものである。
磁気ディスク用ガラス基板素材梱包体の製造方法であって、外径にばらつきがある複数の磁気ディスク用ガラス基板素材を該磁気ディスク用ガラス基板素材よりも外径が大きい緩衝材を各磁気ディスク用ガラス基板素材の間に介在させて積層させ、緩衝材の磁気ディスク用ガラス基板素材の外縁よりも外方にはみ出した部分を一方向に折曲させて該はみ出した部分により磁気ディスク用ガラス基板素材の外側端面を覆い、複数の磁気ディスク用ガラス基板素材及び緩衝材を外袋に収納することを特徴とするものである。
本発明においては、複数の磁気ディスク用ガラス基板(または、磁気ディスク用ガラス基板素材)を該磁気ディスク用ガラス基板よりも外径が大きい緩衝材を各磁気ディスク用ガラス基板の間に介在させて積層させ、緩衝材の磁気ディスク用ガラス基板の外縁よりも外方にはみ出した部分を一方向に折曲させて該はみ出した部分により磁気ディスク用ガラス基板の外側端面を覆い、複数の磁気ディスク用ガラス基板及び緩衝材を外袋に収納するので、磁気ディスク用ガラス基板同士の間の無駄な空間を極力排することができ、また、外径が一定ではない磁気ディスク用ガラス基板素材についても、表面や端面にダメージを与えることがない。
すなわち、本発明は、磁気ディスク用ガラス基板を梱包した磁気ディスク用ガラス基板梱包体において、磁気ディスク用ガラス基板同士の間の無駄な空間を極力排して、一度に搬送できる磁気ディスク用ガラス基板の枚数を増やし、また、外径が一定ではない磁気ディスク用ガラス基板素材についても、表面や端面にダメージを与えることがなく、最終製品である磁気ディスクの良品率を向上、すなわち、エラーレートやヘッドクラッシュを低減させることができる磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法を提供することができるものである。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
まず、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板梱包体をなす磁気ディスク用ガラス基板について説明する。
図1は、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板梱包体をなす磁気ディスク用ガラス基板の構成を示す図であり、図1中の(a)は、磁気ディスク用ガラス基板の構成を示す斜視図であり、図1中の(b)は、図1中の(a)のX−X断面図である。
磁気ディスク用ガラス基板100は、図1中の(a)に示すように、円板形状をしており、その中心部には内孔101が形成されている。この磁気ディスク用ガラス基板の主表面110は、情報を記録再生するための領域となるため、記録ヘッドが浮上走行するために、平滑面になっている。
磁気ディスク用ガラス基板100は、図1中の(b)に示すように、情報の記録再生領域となる主表面110と、当該主表面110に対して直交している端面120と、当該主表面110と端面120との間に介在している面取面130とを備えている。なお、後述する端面研磨工程により端面120と面取面130との境界が不明瞭となる場合もあるため、本実施形態では、端面120とその両側の面取面130とが1つの曲面を構成する場合も含む。
磁性層等の成膜工程の前に磁気ディスク用ガラス基板100に、特に、主表面110にパーティクルが付着したり、表面の状態変化があると、成膜工程において、ガラス基板上に平滑な磁性層を形成することができない。そのため、最終製品である磁気ディスクの良品率が低下する。
以下、磁気ディスク用ガラス基板梱包体、または、磁気ディスク用ガラス基板素材梱包体の製造過程を説明する。
図2は、磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造工程を示す側面図である。
まず、図2中の(a)に示すように、複数の磁気ディスク用ガラス基板100(または、磁気ディスク用ガラス基板素材。以下、同じ。)を、各磁気ディスク用ガラス基板100よりも外径が大きい緩衝材200を各磁気ディスク用ガラス基板100の間に介在させて積層させる。緩衝材200により、磁気ディスク用ガラス基板100同士が接触することがなく、磁気ディスク用ガラス基板100の表面における傷やワレの発生を防止することができる。この緩衝材200の大きさは、磁気ディスク用ガラス基板100の外縁よりも1mm乃至15mm程度はみ出す大きさでることが望ましい。
なお、最上層の磁気ディスク用ガラス基板100の上側、及び最下層の磁気ディスク用ガラス基板100の下側にも、緩衝材200を配置することが望ましい。
緩衝材200は、使い捨て可能な古紙、バージンパルプ、セルロース、あるいは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂材で形成されていることが好ましい。また、緩衝材200は、折り曲げる必要があり、また、各磁気ディスク用ガラス基板100同士の間を極力接近させるべく、柔らかいことか好ましく、厚みは、0.01mm乃至0.10mm程度が好ましい。
次に、図2中の(b)に示すように、緩衝材200の磁気ディスク用ガラス基板100の外縁よりも外方にはみ出した部分を一方向に折曲させ、はみ出した部分により磁気ディスク用ガラス基板100の外側端面を覆う。磁気ディスク用ガラス基板100の外縁よりも外方にはみ出した緩衝材200を折曲させ、磁気ディスク用ガラス基板100の外側端面を覆うことにより、磁気ディスク用ガラス基板100同士の遊びが発生せず、磁気ディスク用ガラス基板100自身のがたつきも抑えられる。また、磁気ディスク用ガラス基板100の端部を保護することができ、端部のカケやクラックなどの発生を防止することができる。
次に、図2中の(c)に示すように、複数の磁気ディスク用ガラス基板100及び緩衝材200を外袋210に収納する。外袋210は、塩化ビニルなどの合成樹脂材料からなる。複数の磁気ディスク用ガラス基板100及び緩衝材200は、外袋210に収納し、脱気して密封する。なお、外袋210は、水蒸気透過率や酸素透過率の低い金属ラミネートフィルムからなるものを用いてもよい。
なお、磁気ディスク用ガラス基板梱包体の側面部を、さらにエアーパッキン等の梱包材によって覆うこととしてもよい。
このようにして製造された磁気ディスク用ガラス基板梱包体は、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程を実施するクリーンルームから搬出され、成膜工程を実施するクリーンルーム内に搬入される。この磁気ディスク用ガラス基板梱包体は、成膜工程を実施するクリーンルーム内に搬入する前に、塵埃が付着している外袋210を、第1室において開梱する。この第1室は、生産ラインが設置されているクリーンルームに隣接する室であり、クリーンルームから第1室に向かって気流が発生している。外袋210を開梱して、磁気ディスク用ガラス基板100及び緩衝材200をクリーンルーム内に搬入する。
この磁気ディスク用ガラス基板梱包体においては、外袋210を脱気したうえで密封しているため、水蒸気やガスの透過が効果的に防止される。なお、脱気は、窒素などの不活性ガスを充填してから行ってもよい。
以下、本発明を適用した磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法の実施例を説明する。梱包対象となる磁気ディスク用ガラス基板100は、この実施例では、2.5インチ型磁気ディスクとして製造されるものである。その他、0.8インチ型磁気ディスク(内径6mm、外径21.7mm、板厚0.381mm)、1.0インチ型磁気ディスク(内径7mm、外径27.4mm、板厚0.381mm)、1.8インチ型磁気ディスク(内径12mm、外径48mm、板厚0.508mm)などの所定の形状を有する磁気ディスクとしてもよい。さらに、3.5インチ型磁気ディスクに適用してもよいが、アルミニウム製の基板など、基板自体がガラスでないものは梱包対象として想定していない。
(1)形状加工工程
本実施例において、磁気ディスク用ガラス基板100の材質としては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、結晶化ガラス等が挙げられるが、中でもアルミノシリケートガラスが好適である。アルミノシリケートガラスは、平滑、かつ、高剛性が得られるので、磁気的スペーシング、特に、磁気ヘッドの浮上量をより安定して低減できる。また、アルミノシリケートガラスは、化学強化処理により、高い剛性強度を得ることができる。
本実施例において、磁気ディスク用ガラス基板100の材質としては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、結晶化ガラス等が挙げられるが、中でもアルミノシリケートガラスが好適である。アルミノシリケートガラスは、平滑、かつ、高剛性が得られるので、磁気的スペーシング、特に、磁気ヘッドの浮上量をより安定して低減できる。また、アルミノシリケートガラスは、化学強化処理により、高い剛性強度を得ることができる。
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを左型及び右型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状の磁気ディスク用ガラス基板素材を得た。左型及び右型は、滴下される溶融したアルミノシリケートガラス塊を、左右から挟むことにより、円盤状の磁気ディスク用ガラス基板素材を成型する。このような左型及び右型により成型された磁気ディスク用ガラス基板素材は、厚みが一定に規制されている一方で、外径は一定ではない。この磁気ディスク用ガラス基板素材からの切り出し工程や研削加工における外周側の取り代は、ガラス材料として回収される。この磁気ディスク用ガラス基板素材は、研磨工程における厚み方向の取り代がより少なくなっている。
なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiO2:58〜75重量%、Al2O3:5〜23重量%、Li2O:3〜10重量%、Na2O:4〜13重量%を主成分として含有する化学強化ガラスを使用した。
(2)梱包工程
この磁気ディスク用ガラス基板素材の段階において、後述する梱包工程を実施して、磁気ディスク用ガラス基板素材梱包体を製造し、次の工程に搬送することとしてもよい。梱包工程は、後述するものと同一であるので、ここでは説明を省略する。
この磁気ディスク用ガラス基板素材の段階において、後述する梱包工程を実施して、磁気ディスク用ガラス基板素材梱包体を製造し、次の工程に搬送することとしてもよい。梱包工程は、後述するものと同一であるので、ここでは説明を省略する。
(3)第1ラッピング工程
次に、この磁気ディスク用ガラス基板素材の両主表面をラッピング加工し、ディスク状のガラス母材とした。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行った。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行った。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス母材を得た。
次に、この磁気ディスク用ガラス基板素材の両主表面をラッピング加工し、ディスク状のガラス母材とした。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行った。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行った。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス母材を得た。
(4)切り出し工程(コアリング、フォーミング)
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス母材を切断し、このガラス母材から円板状のガラス基板を切り出した。次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔101を形成し、円環状の磁気ディスク用ガラス基板100とした(コアリング)。そして、内周端面及び外周端面120をダイヤモンド砥石によって研削し、さらに、面取り加工を施して面取面130を形成した(フォーミング)。
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス母材を切断し、このガラス母材から円板状のガラス基板を切り出した。次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔101を形成し、円環状の磁気ディスク用ガラス基板100とした(コアリング)。そして、内周端面及び外周端面120をダイヤモンド砥石によって研削し、さらに、面取り加工を施して面取面130を形成した(フォーミング)。
(5)第2ラッピング工程
次に、得られた磁気ディスク用ガラス基板100の両主表面110について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行った。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面110に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
次に、得られた磁気ディスク用ガラス基板100の両主表面110について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行った。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面110に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
(6)端面研磨工程
次に、磁気ディスク用ガラス基板100の外周の端面研磨を行う。まず、端面120については、面取面130に先立ち、単独で研磨を行う。研磨の方法は、例えば、複数枚の磁気ディスク用ガラス基板100を同時にブラシにて研磨する方法でもよいが、取代が多くなるので、枚葉式の研磨方法を用いてもよい。
次に、磁気ディスク用ガラス基板100の外周の端面研磨を行う。まず、端面120については、面取面130に先立ち、単独で研磨を行う。研磨の方法は、例えば、複数枚の磁気ディスク用ガラス基板100を同時にブラシにて研磨する方法でもよいが、取代が多くなるので、枚葉式の研磨方法を用いてもよい。
続いて、面取面130について、鏡面研磨を行った。この端面研磨工程により、1枚の磁気ディスク用ガラス基板100の面取面130の外周の全周における表面粗さの差は、0.001μm以下の範囲になった。また、この端面研磨工程により、磁気ディスク用ガラス基板100の端面120は、ナトリウムやカリウムの析出の発生を防止できる鏡面状態に加工された。そして、端面研磨工程を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を水洗浄した。
なお、本実施例では、端部の研磨を行った後に面取面130の研磨を行った。しかし、この順序については任意であって、面取面130の研磨を先に行ってから端面120の研磨を行ってもよい。
次に、内周端面については、多数枚積層したガラス基板ブロックを形成し、面取りした内周端部をブラシロールにて同時に研磨した。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。
(7)主表面研磨工程
主表面研磨工程として、まず、第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面110に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面110の研磨を行った。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いた。
主表面研磨工程として、まず、第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面110に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面110の研磨を行った。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いた。
この第1研磨工程を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
次に、主表面研磨工程として、第2研磨工程を施した。この第2研磨工程は、主表面110を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面110の鏡面研磨を行った。研磨剤としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒を用いた。
この第2研磨工程を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には、超音波を印加した。
(8)化学強化工程
次に、前述のラッピング工程及び研磨工程を終えた磁気ディスク用ガラス基板100に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400°Cに加熱しておくとともに、洗浄済みの磁気ディスク用ガラス基板100を300°Cに予熱し、化学強化溶液中に約3時間浸漬することによって行った。この浸漬の際には、磁気ディスク用ガラス基板100の表面全体が化学強化されるようにするため、複数の磁気ディスク用ガラス基板100が端面120で保持されるように、ホルダに収納した状態で行った。
次に、前述のラッピング工程及び研磨工程を終えた磁気ディスク用ガラス基板100に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400°Cに加熱しておくとともに、洗浄済みの磁気ディスク用ガラス基板100を300°Cに予熱し、化学強化溶液中に約3時間浸漬することによって行った。この浸漬の際には、磁気ディスク用ガラス基板100の表面全体が化学強化されるようにするため、複数の磁気ディスク用ガラス基板100が端面120で保持されるように、ホルダに収納した状態で行った。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、磁気ディスク用ガラス基板100の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、磁気ディスク用ガラス基板100が強化される。磁気ディスク用ガラス基板100の表層に形成された圧縮応力層の厚さは、約100μm乃至200μmであった。
化学強化処理を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を、20°Cの水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。そして、急冷を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を、約40°Cに加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに、硫酸洗浄を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を印加した。
上記の如く、第1ラッピング工程、切り出し工程、端面研磨工程、第2ラッピング工程、第1及び第2研磨工程、ならびに化学強化工程を施すことにより、平坦で平滑な、高剛性の磁気ディスク用ガラス基板100を得た。
(9)検査工程
得られた磁気ディスク用ガラス基板100の主表面110について平滑性の検査を行った。検査工程は、表面欠陥検出装置(AOI:Automatic Optical Inspection)やOSA(Optical Surface Analyzer)等の機器を用いて、磁気ディスク用ガラス基板100に光を照射し磁気ディスク用ガラス基板100から反射した光の強度、もしくは、変位のいずれか一方または両方を測定し、付着物、凹部及び凸部が存在するか否か等を測定し、基板状態を評価した。
得られた磁気ディスク用ガラス基板100の主表面110について平滑性の検査を行った。検査工程は、表面欠陥検出装置(AOI:Automatic Optical Inspection)やOSA(Optical Surface Analyzer)等の機器を用いて、磁気ディスク用ガラス基板100に光を照射し磁気ディスク用ガラス基板100から反射した光の強度、もしくは、変位のいずれか一方または両方を測定し、付着物、凹部及び凸部が存在するか否か等を測定し、基板状態を評価した。
ここでは、良品のみを選別して以下の梱包工程に送るので、良品率は100%ということになる。
(10)梱包工程
図2中の(a)に示すように、複数の磁気ディスク用ガラス基板100を、各磁気ディスク用ガラス基板100よりも外径が大きい緩衝材200を各磁気ディスク用ガラス基板100の間に介在させて積層させた。
図2中の(a)に示すように、複数の磁気ディスク用ガラス基板100を、各磁気ディスク用ガラス基板100よりも外径が大きい緩衝材200を各磁気ディスク用ガラス基板100の間に介在させて積層させた。
緩衝材200は、使い捨て可能な古紙、バージンパルプ、セルロース等の樹脂で形成されてたものを用いた。また、緩衝材200の厚みは、0.01mm乃至0.10mmとした。
次に、図2中の(b)に示すように、緩衝材200の磁気ディスク用ガラス基板100の外縁よりも外方にはみ出した部分を一方向に折曲させ、はみ出した部分により磁気ディスク用ガラス基板100の外側端面を覆った。
次に、図2中の(c)に示すように、複数の磁気ディスク用ガラス基板100及び緩衝材200を外袋210に収納した。外袋210は、塩化ビニルからなるものを用いた。外袋210は、脱気して密封した。このようにして、コンパクトな磁気ディスク用ガラス基板梱包体を得た。
上記のように、磁気ディスク用ガラス基板100及び緩衝材200が外袋210に収納された磁気ディスク用ガラス基板梱包体を、磁気ディスク用ガラス基板製造用のクリーンルームから搬出し、成膜工程を実施するクリーンルームに搬送した。
〔実施例〕
ここで、実施例として、上述の工程により、磁気ディスク用ガラス基板梱包体を製造した。1つの磁気ディスク用ガラス基板梱包体における磁気ディスク用ガラス基板100の枚数は、100枚とした。
ここで、実施例として、上述の工程により、磁気ディスク用ガラス基板梱包体を製造した。1つの磁気ディスク用ガラス基板梱包体における磁気ディスク用ガラス基板100の枚数は、100枚とした。
〔比較例1〕
比較例1として、緩衝材200の大きさを磁気ディスク用ガラス基板100と同等とし、または、より小さくして、磁気ディスク用ガラス基板梱包体を製造した。1つの磁気ディスク用ガラス基板梱包体における磁気ディスク用ガラス基板100の枚数は、100枚とした。
比較例1として、緩衝材200の大きさを磁気ディスク用ガラス基板100と同等とし、または、より小さくして、磁気ディスク用ガラス基板梱包体を製造した。1つの磁気ディスク用ガラス基板梱包体における磁気ディスク用ガラス基板100の枚数は、100枚とした。
〔比較例2〕
比較例2として、緩衝材200を用いずに、磁気ディスク用ガラス基板100同士を直接積層させて、磁気ディスク用ガラス基板梱包体を製造した。1つの磁気ディスク用ガラス基板梱包体における磁気ディスク用ガラス基板100の枚数は、100枚とした。
比較例2として、緩衝材200を用いずに、磁気ディスク用ガラス基板100同士を直接積層させて、磁気ディスク用ガラス基板梱包体を製造した。1つの磁気ディスク用ガラス基板梱包体における磁気ディスク用ガラス基板100の枚数は、100枚とした。
(9)開梱工程
磁気ディスク用ガラス基板梱包体222を成膜工程を実施するクリーンルーム内に搬入する前に、外袋210を、第1室において開梱した。この第1室は、生産ラインが設置されているクリーンルームに隣接する室であり、クリーンルームから第1室に向かって気流が発生している。
磁気ディスク用ガラス基板梱包体222を成膜工程を実施するクリーンルーム内に搬入する前に、外袋210を、第1室において開梱した。この第1室は、生産ラインが設置されているクリーンルームに隣接する室であり、クリーンルームから第1室に向かって気流が発生している。
(11)搬入工程
磁気ディスク用ガラス基板100上に磁性層を形成する成膜工程を行うため、磁気ディスク用ガラス基板100及び緩衝材200を、生産ラインが設置されているクリーンルーム内に搬入した。
磁気ディスク用ガラス基板100上に磁性層を形成する成膜工程を行うため、磁気ディスク用ガラス基板100及び緩衝材200を、生産ラインが設置されているクリーンルーム内に搬入した。
〔評価結果〕
ここで、以上の工程によって開梱された磁気ディスク用ガラス基板における本実施例の有効性について評価した。この評価は、通常の製造工程においては行わない。
ここで、以上の工程によって開梱された磁気ディスク用ガラス基板における本実施例の有効性について評価した。この評価は、通常の製造工程においては行わない。
この評価として、実施例、比較例1及び比較例2について、梱包工程の前に実施した検査工程と同様の検査を行った。
その結果、実施例の磁気ディスク用ガラス基板100には、ワレやクラック、傷の発生はなく、端部へのダメージもなかった。実施例の磁気ディスク用ガラス基板梱包体は、磁気ディスク用ガラス基板100に対するダメージを抑える効果があることが確認された。
これに対し、比較例1及び比較例2の磁気ディスク用ガラス基板100には、傷、ワレ、端部のクラックなどが発生していた。
実施例では良品率は100%であったが、比較例1及び比較例2では良品率は低くなった。
(12)磁気ディスク製造工程(成膜工程)
次に、以下の工程を経て、磁気ディスクを製造した。
次に、以下の工程を経て、磁気ディスクを製造した。
上述した磁気ディスク用ガラス基板梱包体222より得た磁気ディスク用ガラス基板の両主表面に、静止対向型のDCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、Al−Ru合金のシード層、Cr−W合金の下地層、Co−Cr−Pt−Ta合金の磁性層、水素化炭素保護層を順次成膜した。シード層は、磁性層の磁性グレインを微細化させる作用を奏し、下触層は、磁性層の磁化容易軸を面内方向に配向きせる作用を奏する。
この磁気ディスクは、非磁性基板である磁気ディスク用ガラス基板と、この磁気ディスク用ガラス基板上に形成された磁性層と、この磁性層上に形成された保護層と、この保護層上に形成された潤滑層とを少なくとも備えて構成される。
そして、磁気ディスク用ガラス基板と磁性層との間には、シード層及び下地層からなる非磁性金属層(非磁性下地層)が形成されている。この磁気ディスクにおいて、磁性層以外は、全て非磁性体からなる層である。この実施例においては、磁性層及び保護層、保護層及び潤滑層は、それぞれ接した状態で形成されている。
すなわち、まず、スパッタリングターゲットとして、Al−Ru(アルミニウム−ルテニウム)合金(Al:50at%、Ru:50at%)を用いて、磁気ディスク用ガラス基板上に、膜厚30nmのAl−Ru合金からなるシード層をスパッタリングにより成膜した。次に、スパッタリングターゲットとして、Cr−W(クロム−タングステン)合金(Cr:80at%、W:20at%)を用いて、シード層上に、膜厚20nmのCr−W合金からなる下地層をスパッタリングにより成膜した。シード層は、磁性層の磁性グレインを微細化させる作用を有し、下地層は、磁性層の磁化容易軸を面内方向に配向させる作用を有している。
次いで、スパッタリングターゲットとして、Co−Cr−Pt−B(コバルト−クロム−プラチナ−ボロン)合金(Cr:20at%、Pt:12at%、B:5at%、残部Co)からなるスパッタリングターゲットを用いて、下地層上に、膜厚15nmのCo−Cr−Pt−B合金からなる強磁性層をスパッタリングにより形成した。
次に、プラズマCVD法により、磁性層上にアモルファス水素化炭素からなる保護層を形成し、さらに、PFPE(パーフロロポリエーテル)からなる潤滑層をディップ法で成膜した。保護層は、磁気ヘッドの衝撃から磁性層を保護する作用を奏する。このようにして、垂直磁気記録型の磁気ディスクを得た。
なお、本実施例は、垂直磁気記録型の磁気ディスクの製造の例であるが、面内磁気記録型の磁気ディスクとして磁性層等を構成してもよい。
得られた磁気ディスクを用い、1平方インチ当り40ギガビット以上の情報記録密度を必要とする「1インチ型ハードディスクドライブ」に搭載し、磁気ヘッドには再生素子が磁気抵抗効果型素子である磁気ヘッドを搭載して駆動させたところ、実施例の磁気ディスクでは、特に問題なく記録再生を行うことができ、磁気ヘッドの吸着現象やクラッシュ障害は発生しなかった。比較例1及び比較例2の磁気ディスクでは、磁気ヘッドの吸着現象やクラッシュ障害が発生するものがあった。
また、実施例の磁気ディスクを用い、浮上量が5nmのグライドヘッドによりグライド検査を行ったところ、衝突する異物等は検出されず、安定した浮上状態を維持することができた。
さらに、実施例の磁気ディスクについて、ロードアンロード耐久性試験を行ったところ、良好な耐久性を示した。
本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)等に用いられる磁気ディスクの基板である磁気ディスク用ガラス基板を梱包した磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板素材梱包体の製造方法に適用される。
100 ガラス基板
110 主表面
120 端面
130 面取面
200 緩衝材
210 外袋
110 主表面
120 端面
130 面取面
200 緩衝材
210 外袋
Claims (2)
- 磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法であって、
複数の磁気ディスク用ガラス基板を、該磁気ディスク用ガラス基板よりも外径が大きい緩衝材を各磁気ディスク用ガラス基板の間に介在させて積層させ、
前記緩衝材の前記磁気ディスク用ガラス基板の外縁よりも外方にはみ出した部分を、一方向に折曲させて、該はみ出した部分により前記磁気ディスク用ガラス基板の外側端面を覆い、
前記複数の磁気ディスク用ガラス基板及び前記緩衝材を、外袋に収納する
ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法。 - 磁気ディスク用ガラス基板素材梱包体の製造方法であって、
外径にばらつきがある複数の磁気ディスク用ガラス基板素材を、該磁気ディスク用ガラス基板素材よりも外径が大きい緩衝材を各磁気ディスク用ガラス基板素材の間に介在させて積層させ、
前記緩衝材の前記磁気ディスク用ガラス基板素材の外縁よりも外方にはみ出した部分を、一方向に折曲させて、該はみ出した部分により前記磁気ディスク用ガラス基板素材の外側端面を覆い、
前記複数の磁気ディスク用ガラス基板素材及び前記緩衝材を、外袋に収納する
ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板素材梱包体の製造方法。
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- 2013-09-30 JP JP2013205911A patent/JP2015067359A/ja active Pending
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