JP2015067357A - 磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板梱包体 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板梱包体 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気ディスク用ガラス基板を梱包した磁気ディスク用ガラス基板梱包体において、最終製品である磁気ディスクの良品率を向上させることができる磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法を提供する。【解決手段】少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板100が収納された収納ケース200を袋体220に入れて袋体内部を脱気した後に密封する密封処理を含み、袋体220は、アルミニウム箔を合成樹脂材料で挟んだ構造であり、かつ、有機スズ化合物を含まない構成である。【選択図】図3

Description

本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)等に用いられる磁気ディスクの基板である磁気ディスク用ガラス基板を梱包した磁気ディスク用ガラス基板梱包体及びその製造方法に関する。
近年、情報記録技術、特に、磁気記録技術は、いわゆるIT産業の発達に伴って飛躍的な技術革新が要請されている。そして、コンピュータ用ストレージとして用いられる磁気ディスク装置であるハードディスクドライブ(HDD)に搭載される磁気ディスクにおいては、磁気テープやフレキシブルディスクなどの他の磁気記録媒体と異なり、急速な情報記録密度の増大化が続けられている。パーソナルコンピュータ装置に収納することのできる情報容量は、このような磁気ディスクの情報記録密度の増大に支えられて、飛躍的に増加している。
このような磁気ディスクは、アルミニウム系合金基板やガラス基板などの基板上に、磁性層等が成膜されて構成されている。そして、ハードディスクドライブにおいては、高速回転される磁気ディスク上に磁気ヘッドを浮上飛行させながら、この磁気ヘッドにより、情報信号を磁化パターンとして磁性層に記録し、また、再生を行う。
そして、近年、磁気ディスク用の基板として、高強度、かつ、高剛性のガラス基板が注目されている。また、ガラス基板においては、平滑な表面が得られるので、磁気ディスク上を浮上飛行しながら記録再生を行う磁気ヘッドの浮上量を狭隘化することが可能であり、高い情報記録密度の磁気ディスクを得ることができる。
一方、ハードディスクドライブにおいては、近年、記録再生信号のS/N比(Signal Noise Ratio)を向上させて情報記録容量の増大を図るために、磁気ヘッドの再生部に、磁気抵抗効果型素子が用いられている。このような磁気抵抗効果型の再生素子を備える磁気ヘッドにおいては、サーマルアスペリテイ障害が発生し易い。そのため、磁気ディスクにおいては、磁気ディスク用ガラス基板の主表面のみならず、端面部についても、所定の鏡面状態に仕上げられていることが必要となった。
例えば、特許文献1には、ガラス基板の端面部の表面粗さ(Ra)を、例えば、1μm未満とすることにより、サーマルアスペリテイの原因となるパーティクルの発生を防止することができる磁気ディスク用ガラス基板が記載されている。
最近、磁気ディスクの情報記録密度は1平方インチ当たり40ギガビット以上(1枚あたり250ギガビット以上)に到達するまでに増大している。このため、サーマルアスペリテイ障害を従来の水準以上に抑制することが求められている。
ところで、磁気ディスクの製造工程は、磁気ディスク用ガラス基板へのパーティクルの付着を高度に防止しなければならないため、クリーンルーム内において実施される。そして、磁気ディスクの製造の全工程は、1つのクリーンルーム内において実施することは困難である。すなわち、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程と、磁性層等の成膜工程とは、全く異なる設備を用いて実施され、また、必要とされるクリーンルームのクリーン度も異なる。これらを1つのクリーンルーム内において実施しようとすれば、大規模なクリーンルームが必要となり、無駄が多い。
そこで、例えば、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程を第1のクリーンルーム内で実施し、製造された磁気ディスク用ガラス基板を梱包して磁気ディスク用ガラス基板梱包体とし、この磁気ディスク用ガラス基板梱包体を第1のクリーンルームから出して第2のクリーンルームに搬送し、この第2のクリーンルーム内で磁性層等の成膜工程を実施することが行われている。このように、磁気ディスクの製造の全工程をいくつかの工程に分け、それぞれを別個のクリーンルーム内において行い、異なるクリーンルームの間は梱包体として搬送するようにすることにより、適切な規模及びクリーン度のクリーンルームを無駄なく使用することができ、製造を効率化することができる。
磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造は、主表面が鏡面化された少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板が収納されている収納ケースを袋体で梱包し、この収納ケースを袋体に入れて袋体内部を脱気した後に密封する密封処理を行うことによって実施されている。収納ケースを梱包する袋体としては、特許文献2に記載されているように、第1の袋体として、ガラスの白ヤケ防止の点から防湿効果の高いアルミシートを挟んだ金属ラミネートフィルムからなる梱包袋を用いている。この第1の袋体は、ラミネート工程で使用する接着層の接着性能を向上させるために、意図的に有機スズ化合物を添加するのが一般的である。次に、第2の袋体としてプラスチックフィルムからなる梱包袋を用いている。
ところで、磁気ディスク(HAMR磁気ディスク等)の成膜工程においては、磁気ディスク用ガラス基板を高温に加熱する条件になるため、磁気ディスク用ガラス基板の表面に有機スズ化合物が付着している場合には、成膜工程の過熱時にガス化し易くなり、それが成膜装置のチャンバー全体に拡散して行く。その結果、成膜完了後の磁気ディスクの膜中や膜の表面にスズ化合物が付着する状態になる。
特許文献3に記載されているように、磁気ディスクの膜中や膜の表面に有機スズ化合物が付着すると、磁気ディスク表面とヘッドとの粘着性が増加する原因になる。そのため、磁気ディスクをハードディスクドライブ装置に組み込む作業を行うグローブボックス内の雰囲気でのガス状の有機スズ化合物の濃度を所定の値以下に制限することにより、粘着性を増加させないようにしている。
特開平10−154321号公報 特開2009−163803号公報 特開平10−208442
前述のような磁気ディスク用ガラス基板梱包体を開梱した磁気ディスク用ガラス基板を用いて製造した磁気ディスク(熱アシスト磁気記録(HAMR)用磁気ディスク)においては、その後の信頼性テストでヘッドクラッシュが発生することがわかった。
前述のような磁気ディスク用ガラス基板梱包体においては、梱包前の磁気ディスク用ガラス基板が良品であることを確認しているにも拘わらず、開梱後の磁気ディスク用ガラス基板において、最終製品である磁気ディスクの良品率を低下させる要因が生じていると考えられる。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、磁気ディスク用ガラス基板を梱包した磁気ディスク用ガラス基板梱包体において、最終製品である磁気ディスクの良品率を向上させることができる磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板梱包体を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく研究を進めた結果、最終製品である磁気ディスクの良品率を低下させる要因は、磁気ディスク用ガラス基板が収納されている収納ケースを梱包する第1の袋体をなす金属ラミネートフィルムにあることを突き止めた。そして、磁気ディスクの良品率が低くなる磁気ディスク用ガラス基板梱包体は、磁気ディスクの良品率が高い磁気ディスク用ガラス基板梱包体に比較すると、金属ラミネートフィルムに有機スズ化合物が含まれていることが判明した。すなわち、磁気ディスク用ガラス基板梱包体内において、有機スズ化合物がガス化して拡散し、磁気ディスク用ガラス基板に付着し、結果として磁気ディスクの良品率を低下させていることが判明した。
そこで、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法は、以下の構成を有するものである。
〔構成1〕
主表面が鏡面化された磁気ディスク用ガラス基板が収納されている収納ケースを袋体で梱包した、磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法であって、少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板が収納された収納ケースを袋体に入れて袋体内部を脱気した後に密封する密封処理を含み、袋体は、アルミニウム箔を合成樹脂材料で挟んだ構造であり、かつ、有機スズ化合物を含まない構成であることを特徴とするものである。
〔構成2〕
主表面が鏡面化された磁気ディスク用ガラス基板が収納されている収納ケースを袋体で梱包した、磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法であって、少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板が収納された収納ケースを袋体に入れて袋体内部を脱気した後に密封する密封処理を含み、袋体は、アルミニウムを蒸着した合成樹脂材料を合成樹脂材料で挟んだ構造であり、かつ、有機スズ化合物を含まない構成であることを特徴とするものである。
また、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板梱包体は、以下の構成を有するものである。
〔構成3〕
少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板を、アルミニウム箔が合成樹脂材料によってラミネート加工されたシートからなる袋体に収納してなる磁気ディスク用ガラス基板梱包体であって、袋体は、有機スズ化合物を含まない材料で構成されていることを特徴とするものである。
〔構成4〕
少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板を、アルミニウムを蒸着した合成樹脂材料が合成樹脂材料によってラミネート加工されたシートからなる袋体に収納してなる磁気ディスク用ガラス基板梱包体であって、袋体は、有機スズ化合物を含まない材料で構成されていることを特徴とするものである。
〔構成5〕
少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板を、アルミニウム箔及びアルミニウムを蒸着した合成樹脂材料が合成樹脂材料によってラミネート加工されたシートからなる袋体に収納してなる磁気ディスク用ガラス基板梱包体であって、袋体は、有機スズ化合物を含まない材料で構成されていることを特徴とするものである。
〔構成6〕
構成3乃至構成5のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板梱包体において、アルミニウム箔、アルミニウムを蒸着した合成樹脂材料及び合成樹脂材料をラミネート加工する際に使用する接着剤が有機スズ化合物を含まないことを特徴とするものである。
〔構成7〕
構成3乃至構成6のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板梱包体において、磁気ディスク用ガラス基板は、袋体に収納され、脱気梱包されていることを特徴とするものである。
本発明においては、少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板が収納された収納ケースを袋体に入れて袋体内部を脱気した後に密封する密封処理を含み、袋体は、アルミニウム箔を合成樹脂材料で挟んだ構造であり、かつ、有機スズ化合物を含まない構成であるので、磁気ディスク用ガラス基板梱包体内における磁気ディスク用ガラス基板への有機スズ化合物の付着を確実に防止することができ、磁気ディスク用ガラス基板の表面の状態変化を確実に防止することができる。
すなわち、本発明においては、袋体の内部でガス状の有機スズ化合物が発生せず、磁気ディスク用ガラス基板に有機スズ化合物が付着することがない。この磁気ディスク用ガラス基板を磁気ディスクの成膜装置で加熱しても有機スズ化合物のガスは発生せず、メディアの膜中や膜の表面に有機スズ化合物は付着しない。その結果、磁気ディスクの表面と磁気ヘッドとの粘着性が増加することがなく、また、加熱分解されてディフェクトが形成されるようなことがなく、粘着性増加やディフェクトが形成された場合に発生するヘッドの吸着現象やヘッドクラッシュ現象が発生しない。
すなわち、本発明は、磁気ディスク用ガラス基板を梱包した磁気ディスク用ガラス基板梱包体において、最終製品である磁気ディスクの良品率を向上させることができる磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板梱包体を提供することができるものである。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板梱包体をなす磁気ディスク用ガラス基板の構成を示す図であり、図1中の(a)は、磁気ディスク用ガラス基板の構成を示す斜視図であり、図1中の(b)は、図1中の(a)のX−X断面図である。 磁気ディスク用ガラス基板の収納ケースへの収納状態を説明する図であり、図2中の(a)は、ガラス基板を保管するための容器であるプラスチック製の略直方体の収納ケースの拡大図であり、図2中の(b)は、複数個の収納ケースを積み重ねた状態を示す斜視図である。 磁気ディスク用ガラス基板が収納された収納ケースの梱包状態を説明する図であり、図3中の(a)は、収納ケースを第1の梱包袋で梱包した状態を示す斜視図であり、図3中の(b)は、第1の梱包袋をさらに外側から第2の梱包袋で梱包した状態を示す斜視図である。 第1の梱包袋の大きさの一例を示す平面図である。 第1の梱包袋のラミネート構造を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
まず、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板梱包体をなす磁気ディスク用ガラス基板について説明する。
図1は、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板梱包体をなす磁気ディスク用ガラス基板の構成を示す図であり、図1中の(a)は、磁気ディスク用ガラス基板の構成を示す斜視図であり、図1中の(b)は、図1中の(a)のX−X断面図である。
磁気ディスク用ガラス基板100は、図1中の(a)に示すように、円板形状をしており、その中心部には内孔101が形成されている。この磁気ディスク用ガラス基板の主表面110は、情報を記録再生するための領域となるため、記録ヘッドが浮上走行するために、平滑面になっている。
磁気ディスク用ガラス基板100は、図1中の(b)に示すように、情報の記録再生領域となる主表面110と、当該主表面110に対して直交している端面120と、当該主表面110と端面120との間に介在している面取面130とを備えている。なお、後述する端面研磨工程により端面120と面取面130との境界が不明瞭となる場合もあるため、本実施形態では、端面120とその両側の面取面130とが1つの曲面を構成する場合も含む。
磁性層等の成膜工程の前に磁気ディスク用ガラス基板100に、特に、主表面110にパーティクルが付着したり、表面の状態変化があると、成膜工程において、ガラス基板上に平滑な磁性層を形成することができない。そのため、最終製品である磁気ディスクの良品率が低下する。
以下、磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造過程を説明する。
図2は、磁気ディスク用ガラス基板の収納ケースへの収納状態を説明する図であり、図2中の(a)は、ガラス基板を保管するための容器であるプラスチック製の略直方体の収納ケースの拡大図であり、図2中の(b)は、複数個の収納ケースを積み重ねた状態を示す斜視図である。
まず、図2中の(a)に示すように、磁気ディスク用ガラス基板100を収納ケース200内に収納する。収納ケース200は、25枚の磁気ディスク用ガラス基板100を収納可能である。25枚の磁気ディスク用ガラス基板100は、収納ケース200内において、積層状に配列されて保持される。なお、収納ケース200に収納する磁気ディスク用ガラス基板の数は1枚以上であればよく、その数は特に限定されない。
磁気ディスク用ガラス基板100が収納された収納ケース200は、図2中の(b)に示すように、複数個(本実施形態では4個)を積み重ねることができる。
図3は、磁気ディスク用ガラス基板が収納された収納ケースの梱包状態を説明する図であり、図3中の(a)は、収納ケースを第1の梱包袋で梱包した状態を示す斜視図であり、図3中の(b)は、第1の梱包袋をさらに外側から第2の梱包袋で梱包した状態を示す斜視図である。
次に、図3中の(a)に示すように、収納ケース200を、第1の袋体である第1の梱包袋210により梱包する。磁気ディスク用ガラス基板100が収納された収納ケース200を複数個積み重ねた状態とし、図3中の(a)に示すように、金属ラミネートフィルム製の第1の袋体である第1の梱包袋210で梱包し、脱気した状態で密封し、梱包体212とする。
この第1の梱包袋210をなす金属ラミネートフィルムは、アルミニウム箔を合成樹脂材料で挟んだ構造であり、かつ、有機スズ化合物を含まない構成である。
次に、図3中の(b)に示すように、第1の梱包袋210をさらに外側から直接に、プラスチックフィルム製の第2の袋体である第2の梱包袋220で梱包し、脱気した状態で密封し、磁気ディスク用ガラス基板梱包体(二重梱包体)222とする。
この第2の梱包袋220をなすプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルムを用いることができる。なお、本実施形態においては、収納ケース200を複数個積み重ねた状態で梱包しているが、収納ケース200を一つごとに梱包してもよい。
図4は、第1の梱包袋の大きさの一例を示す平面図である。
第1の梱包袋210の縦横のサイズは、図4に示すように、例えば、500mm×400mmとし、ヒートシールを行う部分170の幅を10mmとしているが、これらの数値に限定されない。第1の梱包袋210の四方は、曲率半径1mmの曲線形状に丸め、または、鈍角化してもよい。これにより、第2の梱包袋220が第1の梱包袋210を直接に梱包し、両者が密着しても、内側の強靭な第1の梱包袋210の四方(角)の鋭利な形状によって、外側の第2の梱包袋220が破れてしまうことを防止できる。なお、曲率半径を1mmとしたのは、ヒートシールを行う部分170の幅の1/10程度の曲率半径で丸めれば、破れ防止機能を確保するには十分だからである。
第1の梱包袋210の4辺のうちの3辺は、ヒートシールを行う部分170にてヒートシールされている。内容物を封入した後、脱気し、開口部180をヒートシールして内容物を密封する。
図5は、第1の梱包袋のラミネート構造を示す断面図である。
本実施形態では、第1の梱包袋210として、図5に示すように、金属ラミネートフィルムからなるものを用いている。金属ラミネートフィルムは、積層された複数のフィルムからなり、そのうちの少なくとも1層が金属製のフィルムとなっている。具体的には、図5に示すように、第1の梱包袋210をなす金属ラミネートフィルムは、内側から、ポリエチレンフィルム410、アルミニウムフィルム(金属製フィルム)420、延伸ナイロンフィルム430及びポリエチレンテレフタレートフィルム440が積層されて構成されている。
これらの素材を上述の順番でラミネートすることによって、水蒸気透過率、酸素透過率を下記の〔表1〕に示すように、低減することが可能である。
Figure 2015067357
〔表1〕は、アルミニウムラミネートフィルムの特性を示す一覧表である。とりわけ、第1の梱包袋210の水蒸気透過率が0.1g/m・day以下であること、酸素透過率が0.1cc/m・day以下であることが重要である。水蒸気透過率及び酸素透過率がこのような値であることにより、磁気ディスク用ガラス基板100が湿気に曝されて化学変化することによる表面の状態変化が確実に回避される。
また、ヒートシール強度が24.5N/15mmとなっている。このヒートシール強度は、二重のヒートシールをすることによって得られている。二重のヒートシールとは、脱気しながら、ヒートシールを行う部分170について、あるラインに沿って1回目のヒートシールを行い、さらにそのラインの外側のラインに沿って、2回目のヒートシールを行う方法である。
そして、本発明においては、第1の梱包袋210をなす金属ラミネートフィルムに有機スズ化合物が含有されていないことを確認して、第1の梱包袋210としての使用の可否を判断する。すなわち、ガラス等の材料で構成されたチューブに、金属ラミネートフィルムの一定量を切り取って挿入し、加熱脱着装置に入れ、80°Cの高温にて、10分間加熱し、チューブ内で発生した揮発性有機化合物をヘリウムガスで運搬し、ガスクロマトグラフ/質量分析装置(GC/MS)等で分析する。
有機スズ化合物は、金属ラミネートフィルムに存在した場合には、80°C、10分間の条件で気化し、ガスクロマトグラフ/質量分析装置で定性分析できる。このように、金属ラミネートフィルムの有機スズ化合物含有の有無は、ガスクロマトグラフ/質量分析装置を用いることで判定することができる。
このようにして製造された磁気ディスク用ガラス基板梱包体は、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程を実施するクリーンルームから搬出され、成膜工程を実施するクリーンルーム内に搬入される。この磁気ディスク用ガラス基板梱包体は、成膜工程を実施するクリーンルーム内に搬入する前に、塵埃が付着している外側の第2の梱包袋220を開梱する。第2の梱包袋220は、第1室で開梱するが、この第1室は、この第1室よりもクリーン度の高い第2室と隣接していて、その第2室から気流が流れこんでいるようにするとよい。
次に、内側の第1の梱包袋210を、第2室において開梱する。この第2室は、第1室及び生産ラインが設置されているクリーンルームの双方に隣接する中間の室であり、第1室に向かって気流が発生している。第1の梱包袋210を開梱して、磁気ディスク用ガラス基板を収納した収納ケース200をクリーンルーム内に搬入する。
この磁気ディスク用ガラス基板梱包体においては、梱包袋が二重構造となっているため、第2の梱包袋220を開梱する際に、輸送中に付着した塵埃をほぼ完全に除去することが可能である。また、第1及び第2の梱包袋210,220ともに脱気したうえで密封しているため、水蒸気やガスの透過が効果的に防止される。なお、脱気は、窒素などの不活性ガスを充填してから行ってもよい。
以下、本発明を適用した磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法の実施例を説明する。梱包対象となる磁気ディスク用ガラス基板100は、この実施例では、2.5インチ型磁気ディスクとして製造されるものである。その他、0.8インチ型磁気ディスク(内径6mm、外径21.7mm、板厚0.381mm)、1.0インチ型磁気ディスク(内径7mm、外径27.4mm、板厚0.381mm)、1.8インチ型磁気ディスク(内径12mm、外径48mm、板厚0.508mm)などの所定の形状を有する磁気ディスクとしてもよい。さらに、3.5インチ型磁気ディスクに適用してもよいが、アルミニウム製の基板など、基板自体がガラスでないものは梱包対象として想定していない。
(1)形状加工工程及び第1ラッピング工程
本実施例において、磁気ディスク用ガラス基板100の材質としては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、結晶化ガラス等が挙げられるが、中でもアルミノシリケートガラスが好適である。アルミノシリケートガラスは、平滑、かつ、高剛性が得られるので、磁気的スペーシング、特に、磁気ヘッドの浮上量をより安定して低減できる。また、アルミノシリケートガラスは、化学強化処理により、高い剛性強度を得ることができる。
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラスを得た。なお、アルミノシリケートガラスとしては、化学強化用のガラスを使用した。ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円板状の磁気ディスク用ガラス基板100を得てもよい。なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al2O:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を主成分として含有する化学強化ガラスを使用した。
次に、この板状ガラスの両主表面をラッピング加工し、ディスク状のガラス母材とした。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行った。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行った。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス母材を得た。
(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング)
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス母材を切断し、このガラス母材から円板状のガラス基板を切り出した。次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔101を形成し、円環状の磁気ディスク用ガラス基板100とした(コアリング)。そして、内周端面及び外周端面120をダイヤモンド砥石によって研削し、さらに、面取り加工を施して面取面130を形成した(フォーミング)。
(3)第2ラッピング工程
次に、得られた磁気ディスク用ガラス基板100の両主表面110について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行った。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面110に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
(4)端面研磨工程
次に、磁気ディスク用ガラス基板100の外周の端面研磨を行う。まず、端面120については、面取面130に先立ち、単独で研磨を行う。研磨の方法は、例えば、複数枚の磁気ディスク用ガラス基板100を同時にブラシにて研磨する方法でもよいが、取代が多くなるので、枚葉式の研磨方法を用いてもよい。
続いて、面取面130について、鏡面研磨を行った。この端面研磨工程により、1枚の磁気ディスク用ガラス基板100の面取面130の外周の全周における表面粗さの差は、0.001μm以下の範囲になった。また、この端面研磨工程により、磁気ディスク用ガラス基板100の端面120は、ナトリウムやカリウムの析出の発生を防止できる鏡面状態に加工された。そして、端面研磨工程を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を水洗浄した。
なお、本実施例では、端部の研磨を行った後に面取面130の研磨を行った。しかし、この順序については任意であって、面取面130の研磨を先に行ってから端面120の研磨を行ってもよい。
次に、内周端面については、多数枚積層したガラス基板ブロックを形成し、面取りした内周端部をブラシロールにて同時に研磨した。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。
(5)主表面研磨工程
主表面研磨工程として、まず、第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面110に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面110の研磨を行った。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いた。
この第1研磨工程を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
次に、主表面研磨工程として、第2研磨工程を施した。この第2研磨工程は、主表面110を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面110の鏡面研磨を行った。研磨剤としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒を用いた。
この第2研磨工程を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には、超音波を印加した。
(6)化学強化工程
次に、前述のラッピング工程及び研磨工程を終えた磁気ディスク用ガラス基板100に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400°Cに加熱しておくとともに、洗浄済みの磁気ディスク用ガラス基板100を300°Cに予熱し、化学強化溶液中に約3時間浸漬することによって行った。この浸漬の際には、磁気ディスク用ガラス基板100の表面全体が化学強化されるようにするため、複数の磁気ディスク用ガラス基板100が端面120で保持されるように、ホルダに収納した状態で行った。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、磁気ディスク用ガラス基板100の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、磁気ディスク用ガラス基板100が強化される。磁気ディスク用ガラス基板100の表層に形成された圧縮応力層の厚さは、約100μm乃至200μmであった。
化学強化処理を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を、20°Cの水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。そして、急冷を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を、約40°Cに加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに、硫酸洗浄を終えた磁気ディスク用ガラス基板100を純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を印加した。
上記の如く、第1ラッピング工程、切り出し工程、端面研磨工程、第2ラッピング工程、第1及び第2研磨工程、ならびに化学強化工程を施すことにより、平坦で平滑な、高剛性の磁気ディスク用ガラス基板100を得た。
(7)検査工程
得られた磁気ディスク用ガラス基板100の主表面110について平滑性の検査を行った。検査工程は、表面欠陥検出装置(AOI:Automatic Optical Inspection)やOSA(Optical Surface Analyzer)等の機器を用いて、磁気ディスク用ガラス基板100に光を照射し磁気ディスク用ガラス基板100から反射した光の強度、もしくは、変位のいずれか一方または両方を測定し、付着物、凹部及び凸部が存在するか否か等を測定し、基板状態を評価した。
ここでは、良品のみを選別して以下の梱包工程に送るので、良品率は100%ということになる。
(8)梱包工程
梱包袋製造施設から受け入れた梱包袋について、金属ラミネートフィルム中の有機スズ化合物の有無をガスクロマトグラフ/質量分析装置で分析を行った。有機スズ化合物が検出されない場合に、梱包袋として使用した。
25枚の磁気ディスク用ガラス基板100を収納ケース200に収容し、収納ケース200を4個重ね、アルミニウムラミネートフィルム製の第1の梱包袋210を、脱気した状態で密封して梱包体212とした。次に、梱包体212を、プラスチックフィルム製の第2の梱包袋220をさらに外側から、脱気した状態で密封して磁気ディスク用ガラス基板梱包体(二重梱包体)222とした。
上記のように、磁気ディスク用ガラス基板100が収納ケース200に収納され、第1の梱包袋210及び第2の梱包袋220で二重に梱包された磁気ディスク用ガラス基板梱包体222を、磁気ディスク用ガラス基板製造用のクリーンルームから搬出し、成膜工程を実施するクリーンルームに搬送した。
(9)開梱工程
磁気ディスク用ガラス基板梱包体222を成膜工程を実施するクリーンルーム内に搬入する前に、外側の第2の梱包袋220を第1室で開梱した。この第1室は、この第1室よりもクリーン度の高い第2室と隣接していて、その第2室から気流が流れこんでいる。
次に、内側の第1の梱包袋210を、第2室において開梱した。この第2室は、第1室及び生産ラインが設置されているクリーンルームの双方に隣接する中間の室であり、第1室に向かって気流が発生している。
(11)搬入工程
磁気ディスク用ガラス基板100上に磁性層を形成する成膜工程を行うため、磁気ディスク用ガラス基板を収納した収納ケース200を、生産ラインが設置されているクリーンルーム内に搬入した。
〔評価結果〕
ここで、以上の工程によって開梱された磁気ディスク用ガラス基板における本実施例の有効性について評価した。この評価は、通常の製造工程においては行わない。
本実施例によって製造された磁気ディスク用ガラス基板梱包体222とともに、比較例として、梱包工程において梱包袋についての有機スズ化合物の有無の分析及び選別を行っていない磁気ディスク用ガラス基板梱包体222を製造した。
この評価として、まず、梱包工程の前に実施した検査工程と同様の検査を行った。また、実施例及び比較例のサンプル間に差が出るように、恒温槽に放置して加速実験を行った。ここで、恒温槽の設定は、70°Cの雰囲気中に8時間放置とした。放置後、まず、磁気ディスク用ガラス基板表面での有機スズ化合物の付着量を比較した。
その結果、実施例の磁気ディスク用ガラス基板からは有機スズ化合物は検出されず、比較例の磁気ディスク用ガラス基板から有機スズ化合物が検出された。
ここで、スズ化合物の検出には、TOF−SIMS(Time of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry;飛行時間型二次イオン質量分析法)を用いてスズ化合物を検出する方法を用いた。また、梱包袋の接着層の接着剤に使用する有機スズとして、DBTDL(Dibutyl Tin Dilaurate)が一般的である。比較例では、これを400ppm程度含む接着剤を使用した。また、梱包袋の最外側の樹脂層の材料としてPETやナイロンを使用するのが一般的であり、梱包袋の最内側の樹脂層の材料としてポリエチレンを使用するのが一般的である。また、梱包袋のメタル層の材料として、アルミ箔やアルミ蒸着膜を使用するのが一般的である。梱包袋の樹脂層、メタル層の材料や構成は、梱包袋の使用目的、使用環境、並びに、コストなどにより変更しても構わない。
(12)磁気ディスク製造工程(成膜工程)
次に、以下の工程を経て、磁気ディスクを製造した。
上述した磁気ディスク用ガラス基板梱包体222より得た磁気ディスク用ガラス基板の両主表面に、静止対向型のDCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、Al−Ru合金のシード層、Cr−W合金の下地層、Co−Cr−Pt−Ta合金の磁性層、水素化炭素保護層を順次成膜した。シード層は、磁性層の磁性グレインを微細化させる作用を奏し、下触層は、磁性層の磁化容易軸を面内方向に配向きせる作用を奏する。
この磁気ディスクは、非磁性基板である磁気ディスク用ガラス基板と、この磁気ディスク用ガラス基板上に形成された磁性層と、この磁性層上に形成された保護層と、この保護層上に形成された潤滑層とを少なくとも備えて構成される。
そして、磁気ディスク用ガラス基板と磁性層との間には、シード層及び下地層からなる非磁性金属層(非磁性下地層)が形成されている。この磁気ディスクにおいて、磁性層以外は、全て非磁性体からなる層である。この実施例においては、磁性層及び保護層、保護層及び潤滑層は、それぞれ接した状態で形成されている。
すなわち、まず、スパッタリングターゲットとして、Al−Ru(アルミニウム−ルテニウム)合金(Al:50at%、Ru:50at%)を用いて、磁気ディスク用ガラス基板上に、膜厚30nmのAl−Ru合金からなるシード層をスパッタリングにより成膜した。次に、スパッタリングターゲットとして、Cr−W(クロム−タングステン)合金(Cr:80at%、W:20at%)を用いて、シード層上に、膜厚20nmのCr−W合金からなる下地層をスパッタリングにより成膜した。シード層は、磁性層の磁性グレインを微細化させる作用を有し、下地層は、磁性層の磁化容易軸を面内方向に配向させる作用を有している。
次いで、スパッタリングターゲットとして、Co−Cr−Pt−B(コバルト−クロム−プラチナ−ボロン)合金(Cr:20at%、Pt:12at%、B:5at%、残部Co)からなるスパッタリングターゲットを用いて、下地層上に、膜厚15nmのCo−Cr−Pt−B合金からなる強磁性層をスパッタリングにより形成した。
次に、プラズマCVD法により、磁性層上にアモルファス水素化炭素からなる保護層を形成し、さらに、PFPE(パーフロロポリエーテル)からなる潤滑層をディップ法で成膜した。保護層は、磁気ヘッドの衝撃から磁性層を保護する作用を奏する。このようにして、垂直磁気記録型の磁気ディスクを得た。
なお、HAMR磁気ディスクを製造するにあたっては、先行文献(特願2012−181902号公報)に記載されたアニール処理を含むHAMR磁気ディスク成膜方法に倣った製造方法を採用してもよい。また、本実施例は、垂直磁気記録型の磁気ディスクの製造の例であるが、面内磁気記録型の磁気ディスクとして磁性層等を構成してもよい。
得られた磁気ディスクを用い、1平方インチ当り40ギガビット以上の情報記録密度を必要とする「1インチ型ハードディスクドライブ」に搭載し、磁気ヘッドには再生素子が磁気抵抗効果型素子である磁気ヘッドを搭載して駆動させたところ、特に問題なく記録再生を行うことができた。すなわち、以下の〔表2〕に示すように、磁気ヘッドの吸着現象やクラッシュ障害は発生しなかった。
Figure 2015067357
また、得られた磁気ディスクを用い、浮上量が5nmのグライドヘッドによりグライド検査を行ったところ、衝突する異物等は検出されず、安定した浮上状態を維持することができた。
さらに、この磁気ディスクについて、ロードアンロード耐久性試験を行ったところ、良好な耐久性を示した。
さらに、磁気ディスクにおけるスズ化合物の付着量を比較したところ、実施例からは検出されず、比較例からは検出された。すなわち、比較例では、磁気ディスク用ガラス基板の表面に付着していた有機スズ化合物が、信頼性を悪化させたことが推察される。ここで、スズ化合物の検出には、前述と同様に、TOF−SIMS(Time of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry;飛行時間型二次イオン質量分析法)を用いてスズ化合物を検出する方法を用いた。
なお、比較例において、磁気ディスク用ガラス基板と磁気ディスクとで、スズ化合物の検出量を比較すると、磁気ディスク用ガラス基板表面の方が、スズ化合物の検出量が多かった。
また、比較例の磁気ディスク用ガラス基板を用いて、アニール処理有り及びアニール処理無しの磁気ディスクを製造し、スズ化合物の検出量を比較したところ、アニール処理有りの方がスズ化合物の検出量が多かった。このことから、成膜処理中のアニール処理が、磁気ディスクの膜中や膜の表面にスズ化合物が付着する量が増える現象を促進することが推察される。
本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)等に用いられる磁気ディスクの基板である磁気ディスク用ガラス基板を梱包した磁気ディスク用ガラス基板梱包体及びその製造方法に適用される。
100 ガラス基板
110 主表面
120 端面
130 面取面
200 収納ケース
210 第1の梱包袋
212 梱包体
220 第2の梱包袋
222 磁気ディスク用ガラス基板梱包体(二重梱包体)

Claims (7)

  1. 主表面が鏡面化された磁気ディスク用ガラス基板が収納されている収納ケースを袋体で梱包した、磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法であって、
    少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板が収納された収納ケースを袋体に入れて袋体内部を脱気した後に密封する密封処理を含み、
    前記袋体は、アルミニウム箔を合成樹脂材料で挟んだ構造であり、かつ、有機スズ化合物を含まない構成である
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法。
  2. 主表面が鏡面化された磁気ディスク用ガラス基板が収納されている収納ケースを袋体で梱包した、磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法であって、
    少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板が収納された収納ケースを袋体に入れて袋体内部を脱気した後に密封する密封処理を含み、
    前記袋体は、アルミニウムを蒸着した合成樹脂材料を合成樹脂材料で挟んだ構造であり、かつ、有機スズ化合物を含まない構成である
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板梱包体の製造方法。
  3. 少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板を、アルミニウム箔が合成樹脂材料によってラミネート加工されたシートからなる袋体に収納してなる磁気ディスク用ガラス基板梱包体であって、
    前記袋体は、有機スズ化合物を含まない材料で構成されている
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板梱包体。
  4. 少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板を、アルミニウムを蒸着した合成樹脂材料が合成樹脂材料によってラミネート加工されたシートからなる袋体に収納してなる磁気ディスク用ガラス基板梱包体であって、
    前記袋体は、有機スズ化合物を含まない材料で構成されている
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板梱包体。
  5. 少なくとも1枚の磁気ディスク用ガラス基板を、アルミニウム箔及びアルミニウムを蒸着した合成樹脂材料が合成樹脂材料によってラミネート加工されたシートからなる袋体に収納してなる磁気ディスク用ガラス基板梱包体であって、
    前記袋体は、有機スズ化合物を含まない材料で構成されている
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板梱包体。
  6. 前記アルミニウム箔、前記アルミニウムを蒸着した合成樹脂材料及び前記合成樹脂材料をラミネート加工する際に使用する接着剤が有機スズ化合物を含まない
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板梱包体。
  7. 前記磁気ディスク用ガラス基板は、前記袋体に収納され、脱気梱包されている
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板梱包体。
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