JP2002100031A - 磁気記録媒体用ガラス基板、及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用ガラス基板、及び磁気記録媒体

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JP2002100031A
JP2002100031A JP2000292329A JP2000292329A JP2002100031A JP 2002100031 A JP2002100031 A JP 2002100031A JP 2000292329 A JP2000292329 A JP 2000292329A JP 2000292329 A JP2000292329 A JP 2000292329A JP 2002100031 A JP2002100031 A JP 2002100031A
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polishing
magnetic recording
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Shozo Iwabuchi
省蔵 岩渕
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Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録再生時のエラーや、記録再生時に磁気ヘ
ッドがクラッシュすることのない装着信頼性の高い磁気
記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体用ガラス基板の側面1a、
1a’と面取部1b、1b’との間、及びガラス基板の
主表面と面取部との間のうちの少なくとも一方に、半径
0.003mm以上0.2mm未満の曲面を介在させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ等の
情報機器の記録媒体として使用される磁気記録媒体、そ
の磁気記録媒体用の基板として用いられるガラス基板等
等に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク等の磁気記録媒体用基板と
しては、アルミニウム基板が広く用いられてきたが、磁
気ディスクの小型・薄板化と、高密度記録化に伴い、ア
ルミニウム基板に比べ強度、平坦性、平滑性に優れたガ
ラス基板に徐々に置き換わりつつある。また、磁気ヘッ
ドの方も高密度記録化に伴って、薄膜ヘッドから、磁気
抵抗型ヘッド(MRヘッド)、巨大磁気抵抗型ヘッド
(GMRヘッド)へと推移してきている。したがって、
ガラス基板を用いた磁気記録媒体を磁気抵抗型ヘッドで
再生することが、これからの大きな潮流となることが予
想される。
【0003】ガラス基板を用いた磁気記録媒体を磁気抵
抗型ヘッドで再生する際、記録密度の向上を求めてヘッ
ドの浮上高さを下げると、サーマル・アスペリティによ
って再生の誤動作あるいは再生が不可能になるという問
題があり、その解決策として特開平10−154321
に記載の技術が提案されている。この技術は、サーマル
・アスペリティ発生の原因は、ガラス基板端面から発塵
するパーティクルであるとして、そのパーティクルの発
生を抑えるために、ガラス基板の側面と面取部との間、
及びガラス基板の主表面と面取部との間のうちの少なく
とも一方に、半径0.2〜10mmの曲面を介在させる
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】その一方で、高密度記
録を達成するためのさまざまな試みがなされている。そ
の一つとして磁気記録媒体に対する磁気ヘッドの低浮上
化がある。磁気ヘッドの低浮上化のために、今までの停
止状態の磁気記録媒体上に磁気ヘッドを載置しておき、
磁気記録媒体が高速回転することによって、磁気ヘッド
を媒体に対し一定間隔をあけて浮上させ、この状態で記
録再生を行うコンタクト・スタート・ストップ(CS
S)方式の記録再生方式から、磁気記録媒体装置が停止
状態において、磁気ヘッドが磁気記録媒体の外側のラン
プと呼ばれる傾斜台に退避しており、装置起動時に磁気
ヘッドがランプから滑りだし、アームによって磁気ヘッ
ドを媒体に対し一定間隔をあけて浮上させ、この状態で
データの記録再生を行うロード・アンロード方式(ラン
プロード方式)へと徐々に置き換わりつつある。このよ
うなロード・アンロード方式に使用する磁気記録媒体に
おいては、磁気ヘッドの吸着を防止するためのテクスチ
ャーを設ける必要がないため、高い平滑性の基板を使用
することができ、より磁気ヘッドの低浮上化が実現でき
る。また、磁気記録媒体においては、線記録密度及びト
ラック記録密度が年々向上している。線記録密度及びト
ラック記録密度の向上に伴って、記録再生する際の磁気
ヘッドの位置決め精度が重要な要素であり、基板の形状
精度(特に内径の寸法精度、真円度等)がより厳しくな
っている。これはトラック幅が狭くなり、サーボ信号に
よるヘッドの位置決め精度が厳しくなっているからであ
る。一般に、磁気記録媒体装置における磁気記録媒体
は、磁気記録媒体の中心孔を回転用スピンドルに装着
し、固定用クランプによって固定されるが、上述した特
開平10−154321で得られるガラス基板を使用し
た磁気記録媒体の場合、ガラス基板の内周端面部分にお
ける側面と面取部との間や主表面と面取部との間に形成
された曲面の半径が大きいために、回転用スピンドルに
対し磁気記録媒体が斜めに装着されたり、磁気記録媒体
が回転用スピンドルにきちんと(規定の精度で)固定さ
れず、これらが原因で記録再生時のエラーや、記録再生
時に磁気ヘッドがクラッシュするなどの問題があった。
【0005】本発明は上述した背景の下になされたもの
であり、記録再生時のエラーや、記録再生時に磁気ヘッ
ドがクラッシュすることのない装着信頼性の高い磁気記
録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は以下の構成を有する。
【0007】(構成1) 磁性層を含む薄膜を形成する
ガラス基板の主表面とガラス基板の側面との間に面取り
による面取部を設けた磁気記録媒体用ガラス基板であっ
て、ガラス基板の側面と面取部との間、及びガラス基板
の主表面と面取部との間のうちの少なくとも一方に、半
径0.003mm以上0.2mm未満の曲面を介在させ
たことを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板。
【0008】(構成2) 前記ガラス基板の内周端面に
おける、ガラス基板の側面と面取部との間、及びガラス
基板の主表面と面取部との間のうちの少なくとも一方
に、前記曲面を介在させたことを特徴とする構成1に記
載の磁気記録媒体用ガラス基板。
【0009】(構成3) 前記曲面が、前記ガラス基板
の側面と面取部との間に介在された曲面であることを特
徴とする構成1又は2に記載の磁気記録媒体用ガラス基
板。
【0010】(構成4) 前記ガラス基板は、中心部に
円孔を有する円板状のガラス基板であって、該円孔の直
径の寸法精度が±20μm以内であることを特徴とする
構成1ないし3のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラ
ス基板。
【0011】(構成5) 前記側面、前記面取部の表面
粗さを、Rmaxで1μm以下とすることを特徴とする
構成1ないし4のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラ
ス基板。
【0012】(構成6) 前記基板の主表面の表面粗さ
が、Rmaxで10nm以下であることを特徴とする構
成1ないし5のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス
基板。
【0013】(構成7) 構成1ないし6のいずれかに
記載の磁気記録媒体用ガラス基板の主表面上に、少なく
とも磁性層を形成したことを特徴とする磁気記録媒体。
【0014】(構成8) ロード・アンロード方式対応
の磁気記録媒体であることを特徴とする構成7記載の磁
気記録媒体。
【0015】なお、本発明でいう内周端面及び外周端面
には、図8及び図9に示すように、面取りした面取部1
b、1b’と、側面1a、1a’とをそれぞれ含む。
【作用】
【0016】構成1にあるように、ガラス基板の側面と
面取部との間、及びガラス基板の主表面と面取部との間
のうちの少なくとも一方に、半径0.003mm以上
0.2mm未満の曲面を介在させることにより、回転用
スピンドルに対し磁気記録媒体が斜めに装着されること
がなく、磁気記録媒体が回転用スピンドルにきちんと
(所定の装着角精度で)固定されるので、記録再生時の
エラーや、記録再生時に磁気ヘッドがクラッシュするこ
とがない。曲面の半径が0.003mm未満の場合、回
転用スピンドル装着時等において端面に欠けが発生しや
すくなるので好ましくない。また、曲面の半径が0.2
mm以上の場合、回転用スピンドルに対し磁気記録媒体
が斜めに装着されやすくなるので好ましくない。より好
ましくは、これらの曲面の半径を0.01mm以上0.
15mm以下とすることが好ましい。
【0017】また、構成2にあるように、上記構成1に
記載の効果を確保するために、前記ガラス基板の内周端
面における、ガラス基板の側面と面取部との間、及びガ
ラス基板の主表面と面取部との間のうちの少なくとも一
方に、前記曲面を介在させることが必要である。つま
り、前記曲面は、磁気記録媒体が回転用スピンドルによ
って固定される少なくとも内周端面に形成された面を含
むことが必要である。基板の外周端面については、上記
構成1で規定する曲面としても良く、サーマル・アスペ
リティ防止のために、0.2mm以上10mm以下の曲
面としても良い。
【0018】また、構成3にあるように、磁気記録媒体
装置への磁気記録媒体の装着角精度を確保するために、
前記曲面は、ガラス基板の側面と面取部との間に介在さ
れた曲面であることが必要である。
【0019】また、構成4にあるように、ガラス基板
は、中心部に円孔を有する円板状のガラス基板であっ
て、円孔の直径の寸法精度を±20μm以内とすること
によって、磁気記録媒体装置への磁気記録媒体の装着位
置精度がさらに向上するので好ましい。
【0020】また、構成5にあるように、ガラス基板の
側面、面取部の表面粗さを、Rmaxで1μm以下とす
ることにより、さらに磁気記録媒体装置への磁気記録媒
体の装着位置精度が向上する。側面等の表面粗さを構成
する突起によって磁気記録媒体が回転用スピンドルに対
し斜めに装着される可能性があるからである。製造コス
トを考えると、好ましくは、Rmaxで0.01〜1μ
mとすることが好ましい。
【0021】また、構成6にあるように、本発明は、磁
気ヘッドの低浮上走行が可能な、主表面の表面粗さがR
maxで10nm以下のガラス基板を用いる場合に特に
有用である。好ましくは、磁気ヘッドのより低浮上走行
が可能な、主表面の表面粗さがRmaxで5nm以下、
さらに好ましくは、Rmaxで3nm以下のガラス基板
が好ましい。
【0022】また、構成7にあるように、上記構成1か
ら6に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の主表面上に少
なくとも磁性層を形成することにより、記録再生時のエ
ラーや、記録再生時に磁気ヘッドがクラッシュすること
のない装着信頼性の高い気記録媒体が得られる。特に、
構成8にあるように、本発明は、磁気ヘッドが低浮上走
行し高密度記録再生が行われるロード・アンロード方式
対応の磁気記録媒体に有用である。
【0023】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明を説明する。
【0024】まず、実施例で使用する研磨装置について
説明する。図1は内周端面研磨に使用する研磨装置の一
例を示す要部断面図である。図1において、1は研磨対
象である磁気ディスク用ガラス基板(以下MD基板とい
う)、2は多数のMD基板1を研磨液中に浸漬させつつ
収納する基板ケース、3は基板ケース2を固定保持する
回転保持台、4は多数積層されたMD基板1の中心孔に
挿入された研磨ブラシ、5は研磨液を収容する研磨液収
容部、6は各MD基板を離間するためのスペーサであ
る。
【0025】基板ケース2は、軸方向上部からカラー2
1を介して締め付けカバー22を締め込むことで、MD
基板1とスペーサ6との主表面間の摩擦係数あるいは各
MD基板1どうしの主表面間の摩擦係数(スペーサを設
けない場合)により、基板ケース2や研磨ブラシ4の回
転に影響されることなくMD基板1を保持する機構を有
する。なお、この基板ケース2には、ケース内外部の研
磨液が流通できるように適当な部位に研磨液流通孔23
が設けてある。
【0026】回転保持台3は、研磨液収容部5の底板5
1の中心部に気密的に取り付けられた回転軸部31の回
転軸32に結合され、その回転軸32を正逆の双方向に
回転駆動する回転駆動装置34によって回転できるよう
になっている。なお、この回転駆動装置34はその回転
数を可変できるようになっており、研磨目的に応じた適
切な回転数を選定できるようになっている。また、回転
軸部31における回転軸カバー33に設けられたエアー
供給口35からエアー供給路36を通じてエアーを供給
することにより、エアーシール層37を形成して、研磨
液が回転軸32に流入するのを防ぐ。研磨液収容部5
は、円板状の底板51の外周部に筒状の側壁52が気密
的に取り付けられたもので、研磨液50を収容する。
【0027】研磨ブラシ4は、回転駆動装置41の回転
軸42に接続されており、正逆の双方向に回転可能に構
成されている。研磨ブラシ4は、初期状態においては研
磨ブラシ4の回転中心の位置が、基板ケース2の回転中
心と一致するように設定されている。また、回転ブラ4
は、ブラシ毛43のMD基板1への接触長さを加減する
ため、エアシリンダ等を利用した機構(図示せず)によ
って、MD基板1の内周端面部分への押しつけ、つまり
ブラシの回転軸方向に対し垂直方向への押しつけ量が調
整可能に構成されている。研磨ブラシ4は、カム機構
(図示せず)によって、上記内周端面への押しつけと同
時にブラシの回転軸方向に沿って往復しつつ揺動運動が
できるように構成されている。なお、揺動運動によっ
て、ブラシ先端の方向を変化させ、端面の表面状態をよ
り向上させることができる。
【0028】図2は外周端面研磨に使用する研磨装置の
要部を正面から見た部分断面図、図3は要部の平面図で
ある。
【0029】これらの図において、1は研磨対象である
以下MD基板、200は多数のMD基板1を重ねて保持
する保持手段、300は保持手段200を保持する回転
保持台、4は多数枚重ねられたMD基板1の外周端面部
分に接触する研磨ブラシ、500、500’は研磨液を
供給する研磨液供給手段、600は研磨室である。な
お、図2において、各MD基板を離間するためのスペー
サは図示を省略した。
【0030】基板保持手段200は、軸221に挿入し
たMD基板1を受け部材222で受け、軸方向上部から
カラー223を介して締め付け治具224で積層MD基
板を締め込むことで、MD基板1とスペーサとの主表面
間の摩擦係数あるいは各MD基板1どうしの主表面間の
摩擦係数(スペーサを設けない場合)により、基板保持
手段200の回転や研磨ブラシ4の回転によってずれる
ことなくMD基板1を保持する機構を有する。
【0031】回転保持台300は、回転軸331に結合
され、その回転軸331を回転駆動する回転駆動装置
(図示せず)によって正逆の双方向に回転できるように
なっている。なお、この回転駆動装置はその回転数を可
変できるようになっており、研磨目的に応じた適切な回
転数を選定できるようになっている。
【0032】研磨ブラシ4は、回転駆動装置(図示せ
ず)の回転軸42に接続されており、正逆の双方向に回
転可能に構成されている。研磨ブラシ4は、基板セッテ
ィング時に図示A方向に退避可能に構成されている。ま
た、研磨ブラシ4は、ブラシ毛43のMD基板1への接
触長さを加減するため、MD基板1の外周端面部分への
押しつけ量を調整可能に構成されている。研磨ブラシ4
は、カム機構(図示せず)によって、ブラシの回転軸方
向(図示B方向)に沿って往復運動ができるように構成
されている。この際、研磨ブラシ4の往復運動範囲は、
セットされたMD基板1の最下部から最上部までの範囲
が研磨ブラシ4のブラシ毛の植毛範囲内に収まる範囲内
とする。
【0033】なお、研磨ブラシ4は、回転駆動装置側の
回転軸42とは反対側(図示下側)に回転軸を有してい
ないが、回転軸42の反対側にも回転軸及びこの回転軸
を固定する軸受を設けることにより、外周端面部分の研
磨時においても研磨ブラシ4の回転軸がずれることがな
く研磨することができ、表面粗さ、サイズにばらつきが
ない高精度な研磨を行うことができるので好ましい。軸
受としては、べアリング、ボ−ル軸受、ころ軸受、すべ
り軸受など公知の軸受を使用することができる。軸受
は、研磨ブラシ4の回転軸の複数箇所に設けることがで
き、回転駆動装置側の回転軸42にも設けることができ
る。
【0034】研磨液供給手段500は、研磨液供給ノズ
ル551、研磨液供給管553等からなり、積層ガラス
基板10に研磨液50を供給する。研磨液供給手段50
0’は、図3及び図4に示すように、研磨液供給ノズル
551’から、積層ガラス基板10’に研磨液50を供
給する。
【0035】上述した内外周端面研磨に使用する研磨ブ
ラシ4は、図5に示すように、円筒又は円柱形の胴部4
4にブラシ毛43を帯状且つ螺旋状に植毛したものであ
る。図6に示すように、螺旋状に植毛したブラシ毛43
の傾斜角γは、内周端面研磨の場合にあっては0°〜9
0°であり、好ましくは2°〜5°であり、外周端面研
磨の場合にあっては2°〜80°であり、好ましくは4
5°〜70°である。基板の内外周端面部分を研磨する
場合、ブラシ毛の傾斜角が小さいと、効率良く研磨加工
することができないからである。図5等に示す態様の研
磨ブラシによれば、図8及び図9に示すMD基板の内周
端面における面取り部1bと側面1aの双方、及び外周
端面における面取り部1b’と側面1a’の双方、を同
時に良好に研磨できる。研磨ブラシ4の他の態様として
は、円筒形の胴部にブラシ毛を点在して植毛した部分植
毛などの態様が挙げられる。また、ブラシ毛43として
は、図7に示す蛇行形にカールさせたナイロン繊維(直
径0.05〜0.3mm、長さ1〜20mm(内周端面
研磨の場合)、長さ10〜30mm(外周端面研磨の場
合))が使用されているが、ナイロン繊維の代わりに塩
化ビニル繊維、豚毛、ピアノ線、ステンレス製繊維など
を用いてもよい。硬度が低い繊維、あるいは柔軟性の高
い繊維を利用すれば、ブラシ毛の弾性変形によって擦る
力が過大になることを防止でき、スクラッチなどのキズ
の発生をより良好に防止できる。また、カールさせた繊
維は、窪み等に対する接触性がよく、例えば、図8及び
図9に示すMD基板の内周端面における面取り部1b、
及び外周端面における面取り部1b’、をより効率よく
研磨することが可能になるが、面取り部1b、1b’の
研磨の効率をそれ程考慮しなければカールのない直線状
の繊維を利用してもよい。なお、ブラシ毛43として、
樹脂に研磨剤を混入しこれを成形してブラシ毛に研磨剤
を含有したものを用いれば、研磨速度をさらに高めるこ
とができる。
【0036】上述した内外周端面研磨に使用するスペー
サ6は、MD基板の内周端面及び外周端面の面取部の研
磨ブラシによる研磨残りを確実に防止するため、及び、
研磨時におけるガラス基板等の破損を確実に防止するた
めに設けられたもので、その形状は、MD基板と同じく
中心部に円孔を有する円板状である。具体的には、装着
した際、図10に示すように、スペーサの端部(側面)
6a、6a’がMD基板の面取部1b、1b’の終端1
c、1c’から0〜2mm程度内側(好ましくは0.5
〜2mm程度内側)になるように、MD基板の大きさに
したがって調整される。なお、図10はMD基板の中心
部の円孔から片側半分だけを部分的に示している。スペ
ーサの端部6a、6a’をMD基板の面取部の終端1
c、1c’から内側にした場合、スペーサの厚さとブラ
シ毛の線径にもよるが、ブラシ毛がMD基板の主表面の
領域まで入り込むことによって、主表面と面取部の間の
稜線部が丸味を帯びる傾向になる。また、スペーサの端
部6a、6a’をMD基板の面取部の終端1c、1c’
と一致させた場合、MD基板の主表面の領域までブラシ
毛が入り込むことはなく、主表面と面取部の間の稜線部
が丸味を帯びることはないが、それらの端部を一致させ
なければならないので、スペーサを装着することが難し
くなる。なお、スペーサの端部がMD基板の面取部の終
端から内側にある場合であっても、主表面は研磨工程に
よって除去されるので、上述の丸味は問題とならない。
また、スペーサの厚さは、使用するブラシ毛の線径によ
って適宜調整される。その厚さは、0.1〜0.3mm
程度が好ましい。また、スペーサの材質としては、ポリ
ウレタン、アクリル、プラスチック、研磨工程で使用す
る研磨パッドと同じ材料などMD基板より軟質な材料か
らなることが好ましい。具体的には、研磨ブラシ又は研
磨パッドからの圧力によって生じるMD基板の破壊を阻
止しうる程度に軟質な材料からなることが望ましい。
【0037】上述した内外周端面研磨に使用する研磨液
の主成分である研磨剤としては、酸化セリウムが使用さ
れているが、他にも酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウム、酸化ジルコニウム、酸化マンガン、コロイ
ダルシリカ等の研磨剤を用いることもできる。好ましく
は、被研磨物の材料(MD基板)に近い硬さのものが望
ましく、ガラス基板の場合、酸化セリウム、酸化ジルコ
ニウム、コロイダルシリカが望ましい。研磨剤が硬すぎ
るとガラス基板の内外周端面部分にキズを与えることに
なってしまい好ましくない。また、研磨剤が軟らかすぎ
るとガラス基板の内外周端面部分を鏡面にすることがで
きなくなるので好ましくない。研磨剤の平均粒径として
は、1〜5μmが好ましい。1μm未満の場合、研磨剤
がガラス基板を研削する力が弱く、研磨ブラシの先端が
直接ガラス基板の内外周端面部分に接触した状態で研磨
されることが多くなるので、MD基板の面取り形状を制
御することが難しく、図8及び図9に示す、内周端面部
分における側面1aと面取り部1bとの間の箇所、及び
外周端面部分における側面1a’と面取り部1b’との
間の箇所が、だれてしまうので好ましくない。また、5
μmを超える場合、研磨剤の粒径が大きいので表面粗さ
が大きくなるので好ましくない。
【0038】上述した内外周端面研磨では、研磨ブラシ
4に替えて、研磨パッドを用いることができる。研磨パ
ッドとしては、例えば、スウェード、ベロアを素材とす
る軟質ポリシャや、硬質ベロア、ウレタン発砲、ピッチ
含浸スウェード等の硬質ポリシャなどが挙げられる。研
磨パッドは、例えば、円筒形の胴部に研磨パッドを全周
に巻き付けて配設したものが好ましい。
【0039】上述した内周端面研磨装置は、研磨液をガ
ラス基板に吹き掛ける方式のものを採用することができ
る。また、上述した外周端面研磨装置は、研磨液にガラ
ス基板を浸漬する方式のものを採用することができる。
【0040】実施例1以下の工程を経て磁気記録媒体用
ガラス基板及び磁気記録媒体を製造した。
【0041】(1)粗ラッピング工程 まず、溶融ガラスを、上型、下型、胴型を用いてダイレ
クト・プレスして、直径66mmφ、厚さ1.2mm
(2.5インチ)、直径85mmφ、厚さ1.5mm
(3.0インチ)、及び直径96mmφ、厚さ1.5m
m(3.5インチ)の円板状のガラス体を成形した。こ
の場合、ダイレクト・プレス法の代わりに、ダウンドロ
ー法やフロート法で形成したシートガラスから、研削砥
石で切り出して円板状のガラス体を得てもよい。なお、
アルミノシリケートガラスとしては、SiO2:58〜
75重量%、Al23:5〜23重量%、Li2O:3
〜10重量%、Na2O:4〜13重量%を主成分とし
て含有する化学強化用ガラスを使用した。
【0042】次いで、ガラス基板にラッピング加工を施
した。このラッピング工程は、寸法精度及び形状精度の
向上を目的としている。ラッピング加工は、ラッピング
装置を用いて行い、砥粒の粒度を#400として行っ
た。詳しくは、粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷
重Lを100kg程度に設定して、内転ギアと外転ギア
を回転させることによって、キャリア内に収納したガラ
ス基板の両面を面精度0〜1μm、表面粗さ(Rma
x)(JISB0601で測定)6μm程度にラッピン
グした。
【0043】(2)形状加工工程 次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中心部に円孔
(直径19mmφ(2.5インチ)、24mmφ(3.
0インチ、3.5インチ))を開けるとともに、内周部
を研削加工して直径を20mmφ(2.5インチ)、2
5mmφ(3.0インチ、3.5インチ)とし、外周部
も研削して直径を65mmφ(2.5インチ)、84m
mφ(3.0インチ)、95mmφ(3.5インチ)と
した後、外周部及び内周部に所定の面取り加工を施し
た。このときのガラス基板の内外周端面の表面粗さは、
Rmaxで4μm程度であった。
【0044】(3)端面研磨工程 上述した図1に示す研磨装置を用いてガラス基板の内周
端面を研磨した。まず、研磨ブラシ4を基板ケース2の
上から適当量退避させておき、基板ケース2にMD基板
1とスペーサ6(材質:ポリウレタン、厚さ:0.1m
m)とを交互に多数配置した後、カラー21を上下に配
置して締め付けカバー22を締め込むことによりクラン
プする。このとき、MD基板1の内周穴部の芯ずれは、
基板ケース2の内周部とMD基板1の外周部との寸法差
によるクリアランスで決定される。このクリアランスに
ついては、作業性、基板ケース内周部の真円度により調
整が必要だが、JIS B 0401(1986)にお
ける、はめあいのすきまばめから中間ばめの範囲が適正
である。スペーサ6の内周穴部の芯ずれは、装着時の作
業方法によって決定される。次に、上記MD基板1を多
数セットした基板ケース2を、回転保持台3にセットす
る。次いで、基板ケース2の回転中心と同一線上にある
研磨ブラシ4を図1のようにMD基板1の内周部に挿入
する。研磨ブラシ4の停止位置はセットされたMD基板
1の最下部1’から最上部1”までの範囲が研磨ブラシ
4のブラシ毛43の植毛範囲内に収まる位置とする。続
いて、研磨液収容部5に研磨液50を適当量だけ満た
す。ここで、適当量とは、MD基板1の締め付けカバー
22の上端面が僅かに液面下に位置するようになる量で
ある。この量は研磨目的に応じて適宜決定される。研磨
液を満たす時期は、研磨ブラシ4をMD基板1の内周穴
部に挿入する前、あるいは挿入と同時期でもよい。次
に、研磨ブラシ4(ブラシ毛43を含めた直径5〜25
mmφ、ブラシ毛43の毛足1〜20mm、ブラシ毛4
3の線径0.05〜0.3mmφ、螺旋状に植毛された
ブラシ毛43の傾斜角γ=3°)のブラシ毛43がMD
基板1の内周端面に当接するように、研磨ブラシ4の押
し付け量を調整する。この調整は、ブラシ毛43がカー
ルしたナイロン繊維の場合にあっては、ブラシ毛43の
先端位置がMD基板1の被研磨面に1〜2mm程度押し
つけられた位置とする。次に、回転保持台3と研磨ブラ
シ4とを互いに逆方向に回転させた状態で、研磨を行
う。この場合、好ましい研磨ブラシの回転数は空転時で
1000〜20000rpmである。本実施例では、回
転保持台3の回転数は60rpmとし、研磨ブラシ4の
研磨液中での回転数は6000rpm(空転時は100
00rpm)とし、研磨時間は約10分とした。
【0045】上記内周端面の研磨後に、上述した図2、
図3、図4に示す研磨装置を用いてガラス基板の外周端
面を研磨した。まず、内外周の面取り加工等が済んだM
D基板1を図2に示す基板保持手段200にスペーサを
介してセットする。詳しくは、1つの基板保持手段に対
し500枚、本実施例では2つの基板保持手段があるの
で合計1000枚のMD基板をセットした。次に、図5
に示す研磨ブラシ4(ブラシ毛43を含めた直径200
〜500mmφ、ブラシ毛43の毛足1〜30mm、ブ
ラシ毛43の線径0.05〜0.3mmφ、螺旋状に植
毛されたブラシ毛43の傾斜角γ=65°)を図3に示
すようにMD基板1の外周端面部分に押し付ける。この
際、研磨ブラシ4のブラシ毛43のMD基板1の外周端
面部分への押し付け量を調整する。この調整は、ブラシ
毛43がカールしたナイロン繊維の場合にあっては、ブ
ラシ毛43の先端位置がMD基板1の被研磨面に1〜5
mm程度押しつけられた位置とする。
【0046】次に、図2〜図4に示すように、研磨液供
給手段500、500’の研磨液供給ノズル551、5
51’研磨液供給口52からMD基板1の外周端面部分
に向けて、2.5インチ基板100枚当たり5000m
l/min、3.0インチ基板100枚当たり6500
ml/min、3.5インチ基板100枚当たり650
0ml/min、の流量の研磨液(研磨剤:酸化セリウ
ム、研磨液の粘度:2cps)50を供給する。なお、
単位枚数(100枚)当たりの研磨液の流量は、MD基
板総数に対する研磨装置に供給される研磨液の総供給量
から計算し求めた。次に、積層したMD基板1と研磨ブ
ラシ4とを互いに逆方向に回転させた状態で、研磨を行
う。具体的には、研磨ブラシ4を700〜1000rp
mで回転させ、積層したMD基板1を60rpmで回転
させ、基板外周端面部分に研磨液を供給して15分間研
磨を行った。上記内外周端面研磨の際、MD基板の破損
はなく、特に、2.5インチ用の薄いMD基板について
も破損は生じなかった。なお、これらの端面研磨工程
は、ガラス基板を重ね合わせて端面研磨する際にガラス
基板の主表面にキズ等が付くことをより以上に避けるた
め、端面研磨工程で使用する砥粒の粒径が後述する第一
ポリッシング工程又は第二ポリッシング工程で使用する
砥粒の粒径よりも小さい場合は、第一ポリッシング工程
の後、あるいは、第二ポリッシング工程の後に行っても
よい。なお、後工程にいくほど仕上板厚に近くなり、表
面キズが問題となる。上記端面研磨を終えたガラス基板
を水洗浄した。
【0047】(4)第二ラッピング工程 次に、砥粒の粒度を#1000に変え、ガラス基板表面
をラッピングすることにより、平坦度3μm、主表面の
表面粗さをRmaxで2μm程度、Raが0.2μm程
度とした。Rmax、RaはAFM(原子間力顕微鏡)
で測定した。なお、ラッピング工程によって得られた
2.5インチ用MD基板、3.0インチ用MD基板、
3.5インチ用MD基板の厚さは、それぞれ0.68m
m、1.03mm又は1.29mm、1.03mmであ
った。上記のラッピング工程を終えたガラス基板を、中
性洗剤、水の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
【0048】(6)第一ポリッシング工程 次に、第一ポリッシング工程を施した。このポリッシン
グ工程は、上述した砂掛け工程で残留したキズや歪みの
除去を目的とするもので、研磨装置を用いて行った。許
しくは、ポリシャ(研磨パッド)として硬質ポリシャ
(セリウムパッドMHC15:ローデルニッタ社製)を
用い、以下の研磨条件で第一ポリッシング工程を実施し
た。 研磨液:酸化セリウム+水 荷重:300g/cm2(L=238kg) 研磨時間;15分 除去量:30μm 下定盤回転数:40rpm 上定盤回転数:35rpm 内ギア回転数:14rpm 外ギア回転教:29rpm 上記第一ポリッシング工程を終えたガラス基板を、中性
洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコー
ル)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、
洗浄した。
【0049】(7)第二ポリッシング工程 次に、第一ポリッシング工程で使用した研磨装置を用
い、ポリシャを硬質ポリシャから軟質ポリシャ(ポリテ
ックス:スピードファム社製)に替えて、第二ポリッシ
ング工程を実施した。研磨条件は、荷重を100g/c
2、研磨時間を5分、除去量を5μmとしたこと以外
は、第一ポリッシング工程と同様とした。上記第二ポリ
ッシング工程を終えたガラス基板を、ケイフッ酸、中性
洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコー
ル)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、
洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を印加した。
【0050】(8)化学強化工程 次に、洗浄工程を終えたガラス基板に化学強化を施し
た。化学強化は、化学強化処理槽に硝酸カリウム(60
%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶
液を用意し、この化学強化溶液を340℃に加熱し、3
00℃に予熱された洗浄済みのガラス基板を2時間浸漬
して行った。上記化学強化を終えたガラス基板を、20
℃の水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。これ
により、微小クラックが入った不良品を除去することが
できる。上記化学強化工程を終えたガラス基板を、濃度
10重量%の硫酸、中性洗剤、純水、純水、IPAの各
洗浄槽に順次浸漬して洗浄した。
【0051】評価 上記の工程を経て得られた磁気記録媒体用ガラス基板に
ついて図11に示す各測定部位、、、における
曲面の半径(単位mm)を、コントレーサ CV−50
0(ミツトヨ社製)で測定した。なお、図11では曲面
部分は誇張して描いてあり、実際の曲面状態を表すもの
ではない。また、図11の’、’、’、’の部
位は、端面研磨前の角張った部位を示す。測定結果を表
1〜4に示す。
【0052】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0053】表1〜4から、曲面の半径は内外径の、
、、の部位で0.003mm以上0.2mm未満
であり、内径の、、、の部位で0.01mm以
上0.15mm以下であることがわかる。また、内外周
端面内ともに、の部位の方が、の部位に比べ曲
面の半径が同じか小さくなっていることがわかる。
【0054】また、内外周端面の表面粗さをサーフテス
トSV−600(ミツトヨ社製)で測定したところ、外
周端面の表面粗さはRmax:0.51μm、Ra:
0.08μm、内周端面の表面粗さはRmax:0.6
9μm、Ra:0.08μmであった。さらに、ガラス
基板の主表面1dの表面粗さRaは0.3〜0.7nm
(AFM(原子間力顕微鏡)で測定)であった。
【0055】(8)磁気ディスク製造工程 上述した工程を経て得られた磁気ディスク用ガラス基板
の両面に、インライン型スパッタリング装置を用いて、
NiAlシード層、CrMo下地層、CoCrPtTa
磁性層、水素化カーボン保護層を順次成膜し、ディップ
法によってパーフルオロポリエーテル液体潤滑層を成膜
してLUL(ロード・アンロード)方式用磁気ディスク
を得た。上記の方法で得られた磁気ディスク(100
枚)をLUL方式のHDD(ハードディスクドライブ)
に搭載したが、記録再生時のエラーや、記録再生時に磁
気ヘッドがクラッシュすることはなかった。
【0056】比較例 上述の端面研磨工程において、ガラス基板の内周端面に
おける側面1aと面取部1bとの間に、半径0.2〜1
0mmの曲面、を形成したこと以外は実施例1等と
同様にして磁気記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体
を得た。上記の方法で得られた磁気ディスク(100
枚)をLUL方式のHDD(ハードディスクドライブ)
に搭載したが、記録再生時のエラーが13枚発生し、記
録再生時に磁気ヘッドがクラッシュするものが3枚あっ
た。
【0057】実施例2〜3 アルミノシリケートガラスの代わりにソーダライムガラ
ス(実施例2)、結晶化ガラス(実施例3)を用い、表
に示すサイズ・厚さとしたこと以外は実施例1と同様に
して、磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクを得
た。実施例1と同様にして曲面の半径を測定した結果を
表5〜6に示す。
【0058】
【表5】
【表6】
【0059】表5から、曲面の半径は内外径の、、
、の部位で0.01mm以上0.15mm以下であ
り、内径の、、、の部位で0.015mm以上
0.1mm以下であることがわかる。また、表6から、
曲面の半径は内外径の、、、の部位で0.02
mm以上0.2mm未満であり、内径の、、、
の部位で0.06mm以上0.2mm未満であることが
わかる。実施例2〜3で得られた磁気ディスク(100
枚)をLUL方式のHDD(ハードディスクドライブ)
に搭載したが、記録再生時のエラーや、記録再生時に磁
気ヘッドがクラッシュすることはなかった。
【0060】以上好ましい実施例を挙げて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。
【0061】例えば、ガラス基板の種類や磁性層の種類
は実施例のものに限定されない。
【0062】ガラス基板の材質としては、例えば、アル
ミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダア
ルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、
ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケー
トガラス、又は結晶化ガラス等のガラスセラミックや、
セラミックなどが挙げられる。
【0063】アルミノシリケートガラスとしては、Si
2:62〜75重量%、Al23:5〜15重量%、
LiO2:4〜10重量%、Na2O:4〜12重量%、
ZrO2:5.5〜15重量%を主成分として含有する
とともに、Na2O/ZrO2の重量比が0.5〜2.
0、Al23/ZrO2の重量比が0.4〜2.5であ
る化学強化用ガラス等が好ましい。また、ZrO2の未
溶解物が原因で生じるガラス基板表面の突起をなくすた
めには、モル%表示で、SiO2を57〜74%、Zr
2を0〜2.8%、Al23を3〜15%、LiO2
7〜16%、Na2Oを4〜14%含有する化学強化用
ガラス等を使用することが好ましい。このような組成の
アルミノシリケートガラス等は、化学強化することによ
って、抗折強度が増加し、圧縮応力層の深さも深く、ヌ
ープ硬度にも優れる。
【0064】磁性層としては、例えば、Coを主成分と
するCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、C
oCrTa、CoPtCr、CoNiPtや、CoNi
CrPt、CoNiCrTa、CoCrTaPt、Co
CrPtB、CoCrPtSiOなどの磁性薄膜が挙げ
られる。磁性層は、磁性膜を非磁性膜(例えば、Cr、
CrMo、CrVなど)で分割してノイズの低減を図っ
た多層構成(例えば、CoPtCr/CrMo/CoP
tCr、CoCrTaPt/CrMo/CoCrTaP
tなど)としてもよい。
【0065】磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)又は巨大
磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)対応の磁性層として
は、Co系合金に、Y、Si、希土類元素、Hf、G
e、Sn、Znから選択される不純物元素、又はこれら
の不純物元素の酸化物を含有させたものなども含まれ
る。
【0066】また、磁性層としては、上記の他、フェラ
イト系、鉄一希土類系や、SiO2、BNなどからなる
非磁性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の
磁性粒子が分散された構造のグラニュラーなどであって
もよい。また、磁性層は、内面型、垂直型のいずれの記
録形式であってもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、記
録再生時のエラーや、記録再生時に磁気ヘッドがクラッ
シュすることのない装着信頼性の高い気記録媒体用ガラ
ス基板及び磁気記録媒体が得られる。本発明の磁気記録
媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体は、特に、磁気ヘッ
ドが低浮上走行し高密度記録再生が行われるロード・ア
ンロード方式対応の磁気記録媒体に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した内周端面研磨装置の要部を示
す断面図である。
【図2】実施例で使用した外周端面研磨装置の要部を示
す断面図である。
【図3】実施例で使用した外周端面研磨装置の要部を示
す平面図である。
【図4】実施例で使用した外周端面研磨装置の要部を示
す側面図である。
【図5】研磨ブラシの一態様を示す斜視図である。
【図6】図5の部分拡大図である。
【図7】ブラシ毛の一態様を示す拡大図である。
【図8】磁気ディスク用ガラス基板を切断して見たとき
の斜視図である。
【図9】磁気ディスク用ガラス基板を切断して見たとき
の断面図である。
【図10】スペーサを介して積層された基板を示す部分
断面図である。
【図11】実施例における測定部位を説明するための模
式図である。
【符号の説明】
1 基板 1a,1a’ 側面 1b,1b’ 面取部 2 基板ケース 3 回転保持台 4 研磨ブラシ 5 研磨液収容部 6 スペーサ 10 積層ガラス基板 31 回転軸部 43 ブラシ毛 50 研磨液 200 基板保持手段 300 回転保持台 500、500’ 研磨液供給手段 600 研磨室 331 回転軸 551 研磨液供給ノズル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層を含む薄膜を形成するガラス基板
    の主表面とガラス基板の側面との間に面取りによる面取
    部を設けた磁気記録媒体用ガラス基板であって、 ガラス基板の側面と面取部との間、及びガラス基板の主
    表面と面取部との間のうちの少なくとも一方に、半径
    0.003mm以上0.2mm未満の曲面を介在させた
    ことを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板。
  2. 【請求項2】 前記ガラス基板の内周端面における、ガ
    ラス基板の側面と面取部との間、及びガラス基板の主表
    面と面取部との間のうちの少なくとも一方に、前記曲面
    を介在させたことを特徴とする請求項1に記載の磁気記
    録媒体用ガラス基板。
  3. 【請求項3】 前記曲面が、前記ガラス基板の側面と面
    取部との間に介在された曲面であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  4. 【請求項4】 前記ガラス基板は、中心部に円孔を有す
    る円板状のガラス基板であって、該円孔の直径の寸法精
    度が±20μm以内であることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  5. 【請求項5】 前記側面、前記面取部の表面粗さを、R
    maxで1μm以下とすることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  6. 【請求項6】 前記基板の主表面の表面粗さが、Rma
    xで10nm以下であることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の磁
    気記録媒体用ガラス基板の主表面上に、少なくとも磁性
    層を形成したことを特徴とする磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 ロード・アンロード方式対応の磁気記録
    媒体であることを特徴とする請求項7記載の磁気記録媒
    体。
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