JP2002046065A - 研磨装置及び研磨方法、並びに磁気記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

研磨装置及び研磨方法、並びに磁気記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体の製造方法

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JP2002046065A
JP2002046065A JP2000238261A JP2000238261A JP2002046065A JP 2002046065 A JP2002046065 A JP 2002046065A JP 2000238261 A JP2000238261 A JP 2000238261A JP 2000238261 A JP2000238261 A JP 2000238261A JP 2002046065 A JP2002046065 A JP 2002046065A
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polishing
polishing liquid
glass substrate
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peripheral end
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Takemi Miyamoto
武美 宮本
Shozo Iwabuchi
省蔵 岩渕
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層ガラス基板と研磨ブラシ又は研磨パッド
との間に研磨液を効果的に供給できる研磨装置及び研磨
方法等を提供する。 【解決手段】 中心部に円孔を有する円板状のガラス基
板1を複数枚重ねた状態の積層ガラス基板10を回転さ
せ、この積層ガラス基板10の外周端面部分に研磨ブラ
シ4又は研磨パッドを回転接触させ、前記積層ガラス基
板10の外周端面部分に研磨液を供給して研磨を行う研
磨方法であって、前記複数枚重ねられた全てのガラス基
板1の外周端面部分と研磨ブラシ4又は研磨パッドとの
間に常時充分な量の研磨液を介在させた状態で研磨を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研磨装置及び研磨
方法等に関し、特に磁気記録媒体用ガラス基板等の外周
端面部分の研磨に好適に使用できる研磨装置及び研磨方
法置等に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク等の磁気記録媒体用基板と
しては、アルミニウム基板が広く用いられてきたが、磁
気ディスクの小型・薄板化と、高密度記録化に伴い、ア
ルミニウム基板に比べ基板表面の平坦性及び基板強度に
優れたガラス基板に徐々に置き換わりつつある。この磁
気記録媒体用ガラス基板には、一般に基板強度を上げる
ため、化学強化されたガラス基板や、結晶化によって基
板強度を上げた結晶化ガラス基板が用いられている。
【0003】また、磁気ヘッドの方も高密度記録化に伴
って、薄膜ヘッドから、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッ
ド)、巨大磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移
してきている。したがって、ガラス基板を用いた磁気記
録媒体を磁気抵抗型ヘッドで再生することが、これから
の大きな潮流となりつつある。
【0004】このように磁気ディスクは高密度記録化の
ため種々の改良が加えられており、このような磁気ディ
スクの進歩に伴って、磁気記録媒体用ガラス基板にも次
々に新しい課題が発生してきている。その一つにガラス
基板表面の高清浄化がある。これは、ガラス基板表面に
異物が付着していると、ガラス基板表面上に形成する薄
膜の膜欠陥の原因となったり、薄膜表面の凸部となっ
て、適正なグライド・ハイトが得られないといった問題
を引き起こす。また、ガラス基板を用いた磁気記録媒体
を磁気抵抗型ヘッドで再生する際、記録密度の向上を求
めてヘッドのフライングハイト(浮上高さ)を下げる
と、再生の誤動作、あるいは、再生が不可能になる現象
に遭遇することがあり、問題となっている。この原因
は、磁気ディスク表面にガラス基板上のパーティクルに
よって形成された凸部が、サーマル・アスペリティ(Th
ermal Asperity)となって、磁気抵抗型ヘッドに熱が発
生し、ヘッドの抵抗値を変動させ、電磁変換に悪影響を
与えていることがその原因である。
【0005】一方、上述したような磁気記録媒体用ガラ
ス基板表面の異物の原因は、ガラス基板の外周端面部分
の表面状態が平滑でないため、この外周端面部分が樹脂
製ケースの壁面と擦れ合い、この擦れ合いによって発生
する樹脂やガラスのパーティクルや、ガラス基板の外周
端面部分に捕捉されるその他のパーティクルが、表面に
付着することが大きな要因となっている。
【0006】上述した問題を回避する目的ではなく、主
として加工精度の向上や基板の破損防止の目的から、磁
気記録媒体用ガラス基板の外周端面部分の鏡面研磨が従
来行われている。例えば、図15に示すように、中心部
に円孔を有する円板状のガラス基板1を複数枚重ねた状
態の積層ガラス基板10を回転させ、この積層ガラス基
板10の外周端面部分に研磨ブラシ4を回転接触させ、
前記積層ガラス基板10の外周端面部分と研磨ブラシ4
のブラシ毛43との間に研磨液を供給して研磨を行う研
磨方法及び研磨装置が提案されている(特開平11−2
8649号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記外周端面
研磨方法及び装置では、外周端面部分の研磨加工中に、
積層ガラス基板10と研磨ブラシのブラシ毛43との間
に研磨液が効果的に供給されないことがあり、研磨液が
部分的又は一時的に介在しない状態、あるいは研磨液が
部分的又は一時的に充分に介在しない状態で研磨される
ことで、ガラス基板の外周端面部分にキズが入ったり、
ガラス基板の外周端面部分の表面粗さを低減できず研磨
不良が生じることがあった。特に、積層ガラス基板の枚
数が600枚程度と多い場合、これらの問題が顕著とな
る。ガラス基板の外周端面部分の表面粗さが粗いと、外
周端面部分から発生するパーティクルによるヘッドクラ
ッシュや、サーマル・アスペリティが発生する問題があ
った。また、ガラス基板の外周端面部分にキズが存在す
ると、ガラス基板の抗折強度が低下するという問題があ
った。さらに、外周端面部分の研磨が施された多数のガ
ラス基板の一部にこれらの問題が生じることによって、
ガラス基板の歩留まりの低下や、不良のガラス基板を看
過して使用することによって磁気記録媒体の歩留まりの
低下や信頼性の低下を招くという問題があった。さら
に、研磨液の流量が不均一である場合、ガラス基板間の
外周端面部分の研磨精度(表面粗さ)のばらつきが大き
くなるという問題があった。
【0008】本発明は上述した背景の下になされたもの
であり、積層ガラス基板と研磨ブラシ又は研磨パッドと
の間に研磨液を効果的に供給できる研磨装置及び研磨方
法等の提供を第一の目的とする。また、ガラス基板の外
周端面部分にキズや研磨不良のないガラス基板を高歩留
まりで製造できる磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法
等の提供を第二の目的とする。さらに、磁気記録媒体用
ガラス基板の外周端面部分から発生するパーティクルに
よるヘッドクラッシュやサーマル・アスペリティが発生
することがなく、抗折強度に優れた磁気記録媒体を高歩
留まりで製造できる磁気記録媒体の製造方法等の提供を
第三の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は以下の構成としてある。
【0010】(構成1) 中心部に円孔を有する円板状
のガラス基板を複数枚重ねて保持する保持手段と、該保
持手段を回転させる手段と、前記複数枚重ねられたガラ
ス基板の外周端面部分に接触する研磨ブラシ又は研磨パ
ッドと、該研磨ブラシ又は研磨パッドを回転させる手段
と、前記複数枚重ねられたガラス基板の外周端面部分に
研磨液を供給する研磨液供給手段とを少なくとも備えた
研磨装置であって、前記複数枚重ねられた全てのガラス
基板の外周端面部分に効果的に研磨液を供給しうる研磨
液供給手段を設けたことを特徴とする研磨装置。
【0011】(構成2) 前記複数枚重ねられたガラス
基板の積層方向に沿って複数の研磨液供給ノズル及び/
又は研磨液供給口を設けたことを特徴とする構成1記載
の研磨装置。
【0012】(構成3) 前記複数枚重ねられたガラス
基板の積層方向から見て複数の方向から研磨液を供給す
る複数の研磨液供給ノズル及び/又は研磨液供給口を設
けたことを特徴とする構成1又は2記載の研磨装置。
【0013】(構成4) 前記複数枚重ねられた全ての
ガラス基板の外周端面部分に研磨液供給ノズルから直接
研磨液を供給する研磨液供給ノズルを設けたことを特徴
とする構成1ないし3のいずれかに記載の研磨装置。
【0014】(構成5) 前記複数枚重ねられた全ての
ガラス基板の外周端面部分に均一な流量の研磨液を供給
する研磨液供給ノズルを設けたことを特徴とする構成1
ないし4のいずれかに記載の研磨装置。
【0015】(構成6) 中心部に円孔を有する円板状
のガラス基板を複数枚重ねた状態の積層ガラス基板を回
転させ、この積層ガラス基板の外周端面部分に研磨ブラ
シ又は研磨パッドを回転接触させ、前記積層ガラス基板
の外周端面部分に研磨液を供給して研磨を行う研磨方法
であって、前記複数枚重ねられた全てのガラス基板の外
周端面部分と研磨ブラシ又は研磨パッドとの間に常時充
分な量の研磨液を介在させた状態で研磨を行うことを特
徴とする研磨方法。
【0016】(構成7) 前記複数枚重ねられた全ての
ガラス基板の外周端面部分に研磨液供給手段から直接的
に研磨液を供給することを特徴とする構成6記載の研磨
方法。
【0017】(構成8) 前記複数枚重ねられた全ての
ガラス基板の外周端面部分に均一な流量の研磨液を供給
することを特徴とする構成6又は7記載の研磨方法。
【0018】(構成9) 前記研磨液を、単位枚数(1
00枚)当たり、350ml/min〜100000m
l/minの流量で供給して研磨を行うことを特徴とす
る構成6ないし8のいずれかに記載の研磨方法。
【0019】(構成10) 前記研磨液の粘度が、1.
5〜25cpsであることを特徴とする構成6ないし9
のいずれかに記載の研磨方法。
【0020】(構成11) 構成6乃至10のいずれか
に記載の研磨方法によりガラス基板の外周端面部分を研
磨する工程を有することを特徴とする磁気記録媒体用ガ
ラス基板の製造方法。
【0021】(構成12) 構成11記載の方法で得ら
れた磁気記録媒体用ガラス基板上に、少なくとも磁性層
を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【0022】なお、本発明でいう基板の外周端面部分に
は、図14に示すように、面取りした面取り部1bと、
側壁部1aとをそれぞれ含む。
【作用】
【0023】構成1によれば、複数枚重ねられた全ての
ガラス基板の外周端面部分に効果的に研磨液を供給しう
る研磨液供給手段を設けているので、積層ガラス基板と
研磨ブラシ又は研磨パッドとの間に研磨液が部分的又は
一時的に介在しない状態で研磨されることを低減でき
る。したがって、ガラス基板の外周端面部分にキズが入
ったり、ガラス基板の外周端面部分の表面粗さを低減で
きないといった事態を低減できる。その結果、外周端面
部分から発生するパーティクルによるヘッドクラッシュ
や、サーマル・アスペリティが発生するという問題を低
減できる。また、ガラス基板の外周端面部分に存在する
キズによるガラス基板の抗折強度の低下を低減できる。
なお、本発明において「効果的に研磨液を供給しうる研
磨液供給手段」とは、積層ガラス基板と研磨ブラシ又は
研磨パッドとの間に研磨液が部分的又は一時的に介在し
ない状態で研磨されることを低減できる研磨液供給手段
をいう。
【0024】構成2によれば、積層ガラス基板の積層方
向に沿って複数の研磨液供給ノズル及び/又は研磨液供
給口を設けているので、複数枚重ねられた全てのガラス
基板の外周端面部分に効果的に研磨液を供給できる。積
層ガラス基板の積層方向に沿って複数の研磨液供給ノズ
ルを設ける場合、例えば図1に示すように、積層ガラス
基板10(例えば600枚)の積層方向に沿って上下2
箇所に、研磨液50が扇状に広がる研磨液供給ノズル5
1を設けることによって、研磨液供給ノズルが一つであ
る場合や研磨液が扇状でない場合に比べ、積層ガラス基
板と研磨ブラシ又は研磨パッドとの間に研磨液を効果的
に供給できる。図1において、研磨液が直接掛からない
ガラス基板1には、積層ガラス基板の回転と、研磨液の
流下等によって研磨液を間接的に行き渡らせている。な
お、扇状に広がる研磨液の供給角度αは、0〜150°
が好ましい。また、例えば図2に示すように、積層ガラ
ス基板10(例えば600枚)の積層方向に沿って上下
2箇所に、研磨液供給管53に研磨液供給口52を設
け、ノズルを設けずに研磨液供給口52から直接研磨液
50を流出させ、研磨液を勢いよく供給するようにする
と、積層ガラス基板と研磨ブラシ又は研磨パッドとの間
に研磨液を効果的に供給できる。この場合、図1に示す
態様に比べ、研磨液供給手段を簡略化できる。
【0025】構成3によれば、積層ガラス基板の積層方
向から見て、一つの積層ガラス基板又は複数の積層ガラ
ス基板に対して複数の方向から研磨液を供給する複数の
ノズル設けることによって、一方向だけの場合に比べ、
積層ガラス基板と研磨ブラシとの間に研磨液を効果的に
供給できる。この場合、例えば図3に示すように、積層
ガラス基板10の積層方向から見て、一つの積層ガラス
基板10に対してそれぞれ2方向ずつ計4箇所から、研
磨液50を供給できる。研磨液は、研磨ブラシ又は研磨
パッドの態様にもよるが、研磨液が吸い込まれる方向
(基板とブラシが接触する部分において双方内側に向か
って回転している部分)に供給することが好ましい。図
3では、吐き出し方向の2箇所は、吸い込み方向の2箇
所に比べ、研磨液供給効果が低減する。したがって、例
えば、図4に示すように、2つの積層ガラス基板10の
間にも研磨液供給ノズル51を設け、4箇所すべてにお
いて研磨液が吸い込まれる方向に研磨液50を供給する
ことが好ましい。積層ガラス基板の積層方向から見た研
磨液供給位置は、図3、図4に示すように、ブラシ毛4
3に研磨液50が少し掛かる程度でほとんどの研磨液は
ガラス基板の外周端面部分に供給することが好ましい。
【0026】上記図1に示す態様の場合、全てのガラス
基板の外周端面部分にノズルから直接研磨液を供給して
おらず、積層ガラス基板の回転及び研磨ブラシ等の回転
による研磨液の飛散や、研磨液の流動によって各ガラス
基板に研磨液を間接的に行き渡らせているので、研磨液
の供給が安定せず、研磨中に研磨液が部分的又は一時的
に介在しない状態で研磨されることがある。この状態を
回避するためには、構成4のように、複数枚重ねられた
全てのガラス基板の外周端面部分に研磨液供給ノズルか
ら直接研磨液を供給する研磨液供給ノズルを設けること
が好ましい。これにより、積層ガラス基板と研磨ブラシ
又は研磨パッドとの間に研磨液が部分的又は一時的に介
在しない状態で研磨されることを回避できる。例えば図
5に示すように、積層ガラス基板10の積層方向に沿っ
て少なくとも上下3箇所に、研磨液50が扇状に広がる
研磨液供給ノズル51を設け、全てのガラス基板1の外
周端面部分に研磨液供給ノズル51から直接研磨液を供
給することが好ましい。この場合、研磨液供給ノズル5
1から直接均一な流量の研磨液を充分に供給することが
さらに好ましい。あるいは、例えば図6に示すように、
積層ガラス基板10の上下2箇所に、研磨液50が斜め
下方に扇状に広がる研磨液供給ノズル51を設け、全て
のガラス基板1の外周端面部分に研磨液供給ノズル51
から直接研磨液50を供給することが好ましい。図6の
場合、研磨液50が重力方向に落下するので水流に無理
が無く、研磨液の無駄もない。また、扇状に広がる幅が
狭いので全方向で流量をほぼ均一にできる。さらにノズ
ル口の幅を調整すれば全方向で流量を完全に均一にする
こともできる。研磨液の供給角度β〜β’は、3°〜9
0°が好ましい。なお、図1に示す態様の場合、図7に
示すように、ノズル51を退避させ、研磨液50が掛か
る幅を大きくすることも可能であるが、積層ガラス基板
10とノズル51との間隔を大きくすると、研磨液50
の供給が安定せず、研磨液供給効果が低減するので好ま
しくない。また、ノズルを退避させる分だけスペースを
要し、装置が大型化するので好ましくない。また、図8
に示すように、ノズル51を下方に向けるだけでは研磨
液50の流量が方向によって異なる。具体的には扇状に
流出した研磨液50の上半分50aと下半分50bの流
量は同じであり研磨液の下半分50bが当たるガラス基
板1の数は上半分50aが当たる基板の数より多い(図
面では約3倍)ので、研磨液の下半分50bが当たる基
板の単位枚数当たりの研磨液の流量は、研磨液の下半分
50bが当たる基板に比べ、少なくなる(図面では約1
/3になる)。
【0027】また、上記図1に示す態様の場合、積層ガ
ラス基板の回転及び研磨ブラシ等の回転による研磨液の
飛散や、研磨液の流動によって各ガラス基板に研磨液を
間接的に行き渡らせているので、研磨液が各ガラス基板
に均一に供給されず、基板間の端面表面粗さのばらつき
が生じることがある。この状態を回避するためには、構
成5のように、複数枚重ねられた全てのガラス基板の外
周端面部分に均一な流量の研磨液を供給する研磨液供給
ノズルを設けることが好ましい。これにより、研磨液が
各ガラス基板に均一に供給されず、基板間の端面表面粗
さのばらつきが生じることを回避できる。なお、上記構
成4と構成5を組み合わせて、研磨液供給ノズルから直
接均一な流量の研磨液を供給することが好ましい。例え
ば上述した図5、図6において、各ガラス基板にノズル
51から直接均一な流量の研磨液を供給することが好ま
しい。この組合せにより、積層ガラス基板と研磨ブラシ
又は研磨パッドとの間に研磨液が部分的又は一時的に充
分に介在しない状態で研磨されることを回避できる。
【0028】構成6によれば、複数枚重ねられた全ての
ガラス基板と研磨ブラシとの間に常時充分な量の研磨液
を介在させた状態で研磨を行っているので、研磨加工中
に、積層ガラス基板と研磨ブラシとの間に研磨液が部分
的又は一時的に介在しない状態、あるいは研磨液が部分
的又は一時的に充分に介在しない状態で研磨されること
がない。したがって、ガラス基板の外周端面部分にキズ
が入ったり、ガラス基板の外周端面部分の表面粗さを低
減できないといった事態を回避できる。その結果、外周
端面部分から発生するパーティクルによるヘッドクラッ
シュや、サーマル・アスペリティが発生するという問題
を回避できる。
【0029】構成7によれば、複数枚重ねられた全ての
ガラス基板の外周端面部分にノズルから直接研磨液を供
給するので、研磨液の供給が安定し、構成4ないし6の
効果をより確実に得ることができる。また、全てのガラ
ス基板の外周端面部分に均一な流量の研磨液を充分に供
給することが可能となる。
【0030】構成8によれば、複数枚重ねられた全ての
ガラス基板の外周端面部分に均一な流量の研磨液を供給
するので、研磨液が各ガラス基板に均一に供給されず、
外周端面部分の基板間の研磨精度(表面粗さ)のばらつ
きが生じることを回避できる。
【0031】構成9によれば、研磨液を、単位枚数当た
り(例えば2.5インチ基板100枚当たり)、ノズル
から直接の場合は350ml/min〜100000m
l/minの流量で、回転によって間接的の場合は50
0ml/min〜100000ml/minの流量で供
給して研磨を行うことによって、研磨液供給態様やノズ
ルの態様と相まって、積層ガラス基板の全ての外周端面
部分と、研磨ブラシや研磨パッドとの間に常時充分な量
の研磨液が介在された状態で研磨を行うことができるの
で、高精度の研磨が可能になるとともに、研磨ブラシ等
が直接ガラス基板に接触してできるキズや研磨不良(研
磨不足)を防止することができる。回転によって間接的
の場合にあっては、研磨液を供給する流量が500ml
/min未満の場合、充分に研磨液が研磨ブラシ等に行
き渡らないので、研磨ブラシ等が直接ガラス基板と接触
することになりキズや研磨不良が発生するので好ましく
ない。また、直接的か間接的かを問わず、研磨液を供給
する流量が100000ml/minを超える場合、研
磨の加工速度が上がらないので好ましくない。なお、研
磨液の液切れによる研磨不足や研磨不良を防止するに
は、研磨ブラシ又は研磨パッドの回転数を、100〜1
5000rpmとし、積層ガラス基板の回転数を、10
〜50rpmとすると良い。
【0032】構成7によれば、遊離砥粒を含有した研磨
液の粘度を1.5〜25cps(20℃)の範囲とする
ことで、研磨効率、再現性及び研磨精度を高めることが
できるとともに、被研磨面にスクラッチ等のキズをつけ
る恐れを著しく軽減できる。同様の観点から、遊離砥粒
を含有した研磨液の粘度は1.8〜5cps(20℃)
の範囲とすることがより好ましい。研磨液の温度は、作
業性の観点から、15〜80℃の範囲とすることが好ま
しい。研磨液の温度が15℃より低い場合、研磨速度が
遅くなり、加工性が悪くなる。80℃より高い場合、研
磨速度は速くなるが、研磨後に研磨液が乾燥しやすくな
り、洗浄工程において研磨剤の残りが発生しやすくなる
ので好ましくない。同様の観点から研磨液の温度は、2
0〜60℃の範囲とすることがより望ましい。
【0033】構成8によれば、ガラス基板の外周端面部
分にキズや研磨不良のない磁気記録媒体用ガラス基板を
高歩留まりで製造できる。外周端面部分に研磨不良がな
いとガラス基板表面の高清浄化を高いレベルで達成で
き、また、外周端面部分にキズがないと抗折強度に優れ
る。
【0034】構成9によれば、外周端面部分にキズや研
磨不良のあるガラス基板が低減されるので、磁気記録媒
体用外周端面部分から発生するパーティクルによるヘッ
ドクラッシュやサーマル・アスペリティが発生すること
がなく、抗折強度に優れた磁気記録媒体を高歩留まりで
製造できる。また、外周端面部分にキズや研磨不良のあ
るガラス基板を看過して使用することが低減され、さら
に外周端面部分の基板間の研磨精度(表面粗さ)のばら
つきも低減されるので、信頼性に優れた磁気記録媒体が
得られる。特に、磁気抵抗型ヘッド又は巨大磁気抵抗型
ヘッド対応の磁気記録媒体においては、外周端面部分の
基板間の研磨精度の均一性が要求されるので、磁気抵抗
型ヘッド又は巨大磁気抵抗型ヘッド対応の磁気記録媒体
として好適に使用できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の研磨装置の一実施
の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図9は本発明
の一実施の形態に係る研磨装置の要部を正面から見た部
分断面図、図10は要部の平面図である。
【0036】図9において、1は研磨対象である磁気デ
ィスク用ガラス基板(以下MD基板という)、2は多数
のMD基板1を重ねて保持する保持手段、3は保持手段
2を回動自在に保持する回転保持台、4は多数枚重ねら
れたMD基板1の外周端面部分に接触する研磨ブラシ、
5、5’は研磨液を供給する研磨液供給手段、6は研磨
室である。
【0037】基板保持手段2は、軸21に挿入したMD
基板1を受け部材22で受け、軸方向上部からカラー2
3を介して締め付け治具24で積層MD基板を締め込む
ことで、各MD基板1どうしの主表面間の摩擦係数によ
り、基板保持手段2の回転や研磨ブラシ4の回転によっ
てずれることなくMD基板1を保持する機構を有する。
【0038】回転保持台3は、回転軸31に結合され、
その回転軸31を回転駆動する回転駆動装置(図示せ
ず)によって正逆の双方向に回転できるようになってい
る。なお、この回転駆動装置はその回転数を可変できる
ようになっており、研磨目的に応じた適切な回転数を選
定できるようになっている。
【0039】研磨ブラシ4は、回転駆動装置(図示せ
ず)の回転軸41に接続されており、正逆の双方向に回
転可能に構成されている。研磨ブラシ4は、基板セッテ
ィング時に図示A方向に退避可能に構成されている。こ
の場合、研磨ブラシのA方向への退避に連動してノズル
51が退避する機構を採用することができる。また、研
磨ブラシ4は、ブラシ毛43のMD基板1への接触長さ
を加減するため、MD基板1の外周端面部分への押しつ
け量を調整可能に構成されている。研磨ブラシ4は、カ
ム機構(図示せず)によって、ブラシの回転軸方向(図
示B方向)に沿って往復運動ができるように構成されて
いる。この際、研磨ブラシ4の往復運動範囲は、セット
されたMD基板1の最下部から最上部までの範囲が研磨
ブラシ4のブラシ毛の植毛範囲内に収まる範囲内とす
る。なお、研磨ブラシ4は固定で、基板保持手段2を図
示C方向に移動可能とし、基板の脱着を行うと共に、M
D基板1へのブラシ毛の接触長さを調整することもでき
る。また、基板保持手段2を、その回転軸方向(図示B
方向)に沿って往復運動ができるように構成することも
できる。これらの場合、研磨ブラシ4を移動させる場合
に比べ、移動させるのが容易で移動機構を簡略化でき
る。
【0040】なお、研磨ブラシ4は、回転駆動装置側の
回転軸41とは反対側(図示下側)に回転軸を有してい
ないが、回転軸41の反対側にも回転軸及びこの回転軸
を固定する軸受を設けることにより、外周端面部分の研
磨時においても研磨ブラシ4の回転軸がずれることがな
く研磨することができ、表面粗さ、サイズにばらつきが
ない高精度な研磨を行うことができるので好ましい。軸
受としては、べアリング、ボ−ル軸受、ころ軸受、すべ
り軸受など公知の軸受を使用することができる。軸受
は、研磨ブラシ4の回転軸の複数箇所に設けることがで
き、回転駆動装置側の回転軸41にも設けることができ
る。
【0041】研磨ブラシ4は、図11に示すように、円
筒形の胴部42にブラシ毛43を帯状且つ螺旋状に植毛
したものである。図12に示すように、螺旋状に植毛し
たブラシ毛43の傾斜角γは、2°〜80°であり、好
ましくは45°〜70°である。基板の外周端面部分を
研磨する場合、ブラシ毛の傾斜角が小さいと、効率良く
研磨加工することができないからである。図11等に示
す態様の研磨ブラシによれば、図14に示すMD基板の
面取り部1bと側壁面1aの双方を同時に良好に研磨で
きる。研磨ブラシ4の他の態様としては、円筒形の胴部
にブラシ毛を点在して植毛した部分植毛などの態様が挙
げられる。また、ブラシ毛43としては、図13に示す
蛇行形にカールさせたナイロン繊維(直径0.1〜0.
3mm、長さ10〜30mm)が使用されているが、ナ
イロン繊維の代わりに塩化ビニル繊維、豚毛、ピアノ
線、ステンレス製繊維などを用いてもよい。硬度が低い
繊維、あるいは柔軟性の高い繊維を利用すれば、ブラシ
毛の弾性変形によって擦る力が過大になることを防止で
き、スクラッチなどのキズの発生をより良好に防止でき
る。また、カールさせた繊維は、窪み等に対する接触性
がよく、例えば、図14に示すMD基板の面取り部1b
をより効率よく研磨することが可能になるが、面取り部
1bの研磨の効率をそれ程考慮しなければカールのない
直線状の繊維を利用してもよい。なお、ブラシ毛43と
して、樹脂に研磨剤を混入しこれを成形してブラシ毛に
研磨剤を含有したものを用いれば、研磨速度をさらに高
めることができる。
【0042】研磨液の主成分である研磨剤としては、酸
化セリウムが使用されているが、他にも酸化鉄、酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸
化マンガン、コロイダルシリカ等の研磨剤を用いること
もできる。好ましくは、被研磨物の材料(MD基板)に
近い硬さのものが望ましく、ガラス基板の場合、酸化セ
リウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカが望まし
い。研磨剤が硬すぎるとガラス基板の外周端面部分にキ
ズを与えることになってしまい好ましくない。また、研
磨剤が軟らかすぎるとガラス基板の外周端面部分を鏡面
にすることができなくなるので好ましくない。研磨剤の
平均粒径としては、1〜5μmが好ましい。1μm未満
の場合、研磨剤がガラス基板を研削する力が弱く、研磨
ブラシの先端が直接ガラス基板の外周端面部分に接触し
た状態で研磨されることが多くなるので、MD基板の面
取り形状を制御することが難しく、図14に示す外周端
面部分における側壁面1aと面取り部1bとの間の箇所
が、だれてしまうので好ましくない。また、5μmを超
える場合、研磨剤の粒径が大きいので表面粗さが大きく
なるので好ましくない。
【0043】本発明では、研磨ブラシ4に替えて、研磨
パッドを用いることができる。研磨パッドとしては、例
えば、スウェード、ベロアを素材とする軟質ポリシャ
や、硬質ベロア、ウレタン発砲、ピッチ含浸スウェード
等の硬質ポリシャなどが挙げられる。研磨パッドは、例
えば、円筒形の胴部に研磨パッドを全周に巻き付けて配
設したものが好ましい。
【0044】研磨液供給手段5は、研磨液供給ノズル5
1、研磨液供給管53等からなり、積層ガラス基板10
に研磨液50を供給する。研磨液供給手段5’は、研磨
液供給口52、研磨液供給管53等からなり、積層ガラ
ス基板10’に研磨液50を供給する。なお、研磨液供
給手段5’は、図6に示す態様で積層ガラス基板10’
に研磨液50を供給する構成とした。なお、本発明の研
磨装置では、研磨液供給手段から供給した研磨液を研磨
室6の底面に設けた回収口(図示せず)から回収する研
磨液回収部と、回収した研磨液を清浄にし、再び研磨液
供給手段へと循環させる循環機構が装備されている。
【0045】本発明装置において、ノズルの位置は、研
磨ブラシや研磨パッドが移動する場合には、研磨ブラシ
や研磨パッドの移動を妨げない位置であることが必要で
ある。また、研磨液供給ノズルの位置は、ガラス基板の
脱着に支障のない位置であることが必要である。これら
の場合、ノズルの位置は調整可能な構造とすることが好
ましい。研磨ブラシや研磨パッドの移動やガラス基板の
脱着に支障のない位置の場合は、ノズル位置は固定でよ
い。
【0046】本発明では、基板保持手段2の回転軸及び
研磨ブラシ4の回転軸を装置基台に対し水平方向に配置
した横型装置とすることができ、この場合、縦型装置に
比べ、研磨液に対する重力の影響が少なく、扇状に広が
る研磨液の場合、均一な重力を受け均一な流量の研磨液
を安定的に供給できる。また、間接的に研磨液を行き渡
らせる場合は、研磨液の水平方向の流動が容易であり全
ての基板に均一な流量の研磨液を供給しやすい。さらに
縦型装置に比べ研磨液が基板とブラシ間に停滞しやすい
ので、研磨液が充分存在する状態で研磨を行うことがで
きる。これらの結果、均一に研磨が可能であるので好ま
しい。なお、横型装置の場合、研磨ブラシの自重による
たわみを防ぐため、研磨ブラシの両端に回転軸を設け、
少なくとも一側の回転軸に軸受けを設けた構成とするこ
とが好ましい。
【0047】以上実施の形態を挙げて本発明装置及び方
法を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されな
い。例えば、研磨ブラシ4におけるブラシ毛42は円筒
形の胴部42に設けた溝とブラシ毛42との間に介在さ
せたスプリング又は板バネ等によって引っ込む構造とす
ることが好ましい。また、ブラシ毛は交換可能な構造と
することが好ましい。これらのことは、図11に示す態
様の研磨ブラシに限ったことではない。また、帯状等の
ベルトに植毛した研磨ブラシや、ベルト状の研磨パッド
を、積層ガラス基板の外周端面に接触させて研磨を行う
構造の装置とすることができる。この装置は、構造が簡
単で装置の価格が安く、基板サイズによらず研磨が可能
であるので好ましい。またこの構造の装置は、1インチ
等の小型基板対応の研磨装置やプロセスにおける処理単
位(例えば25枚)対応の研磨装置として適しているの
で好ましい。積層ガラス基板の外周端面部分に対するベ
ルトの接触態様は特に制限されないが、例えば、ベルト
車(プーリ)によって駆動されるベルトに、積層ガラス
基板を回転させつつ接触させる態様や、複数の積層ガラ
ス基板(ベルト車に相当する)にベルトを掛け渡して接
触させる態様、などが挙げられる。これらの装置におい
ても、上述した本発明の研磨液供給手段を適用できるこ
とは言うまでもない。本発明の研磨装置においては、例
えば、図3、4、9、10等において、左右の研磨ブラ
シのブラシ毛の材質等を違うものとすることができる。
また、左右の研磨ブラシの回転数やブラシ毛を含めた研
磨ブラシの径を違うものとすることができる。さらに、
研磨ブラシや研磨パッドを駆動系によって回転させず、
研磨ブラシや研磨パッドを軸回りに回転自在な構成と
し、回転する積層ガラス基板との接触によって研磨ブラ
シや研磨パッドを回転させる構造とすることができる。
逆に、積層ガラス基板を駆動系によって回転させず、積
層ガラス基板を軸回りに回転自在な構成とし、回転する
研磨ブラシや研磨パッドとの接触によって積層ガラス基
板を回転させる構造とすることができる。研磨ブラシや
研磨パッドを回転軸方向に往復運動させない構成や、回
転軸方向に揺動しつつ往復運動させる構成とすることも
できる。研磨ブラシや研磨パッドを軸回りに回転不能な
構成とし、研磨ブラシや研磨パッドが劣化したときにだ
け研磨ブラシや研磨パッドを軸回りに回転させる構成と
することもできる。これらのことは、図3、4、9、1
0等に示す態様の装置に限ったことではない。また、例
えば、図3、4、9、10等において、積層ガラス基板
間の間隔を調整可能な構成として、各基板サイズに最適
な位置に設定できる構造の装置とすることができる。ま
た、積層ガラス基板を保持する保持手段(例えば基板ホ
ルダー)をその回転手段に対して脱着容易に構成するこ
とで、作業性の向上や作業の自動化を図ることが可能と
なる。これらのことは、図3、4、9、10等に示す態
様の装置に限ったことではない。積層ガラス基板の内外
周を同時研磨可能な装置とすることもできる。本発明方
法では、研磨中に、研磨ブラシや積層ガラス基板の回転
数を一定とせず、研磨中に回転数を変速させる(例えば
低速から高速を経て低速へ)ことができる。本発明方法
では、研磨ブラシ又は研磨パッドと積層ガラス基板との
接触部分における速度差(又は相対速度)は、3000
〜15000m/minとすると良い。
【0048】
【実施例】以下、本発明の研磨方法の実施例について説
明する。実施例1 研磨装置としては、図9及び図10に示す装置を使用し
た。なお、図10に示す研磨液供給手段5’としては、
図6に示す態様のものを使用した。まず、内外周の面取
り加工等が済んだMD基板1を図10に示す基板保持手
段2にセットする。詳しくは、1つの基板保持手段に対
し500枚、本実施例では2つの基板保持手段があるの
で合計1000枚のMD基板をセットした。次に、図1
1に示す研磨ブラシ4(ブラシ毛43を含めた直径23
0mmφ、ブラシ毛43の毛足10〜30mm、螺旋状
に植毛されたブラシ毛43の傾斜角γ=65°)を図1
0に示すようにMD基板1の外周端面部分に押し付け
る。この際、研磨ブラシ4のブラシ毛43のMD基板1
の外周端面部分への押し付け量を調整する。この調整
は、ブラシ毛43がカールしたナイロン繊維の場合にあ
っては、ブラシ毛43の先端位置がMD基板1の被研磨
面に1〜5mm程度押しつけられた位置とする。
【0049】次に、図9及び図10に示すように、研磨
液供給手段5、5’の研磨液供給ノズル51、研磨液供
給口52からMD基板1の外周端面部分部に向けて、単
位枚数(2.5インチ基板100枚)当たり5000m
l/minの流量の研磨液(研磨剤:酸化セリウム、研
磨液の粘度:2cps)50を供給する。なお、単位枚
数(100枚)当たりの研磨液の流量は、MD基板総数
に対する研磨装置に供給される研磨液の総供給量から計
算し求めた。研磨液供給のタイミングは、研磨ブラシ4
と基板が接触する前であって、研磨ブラシ4の回転前が
好ましい。
【0050】次に、積層したMD基板1と研磨ブラシ4
とを互いに逆方向に回転させた状態で、研磨を行う。具
体的には、研磨ブラシ4を700〜1000rpmで回
転させ、積層したMD基板1を60rpmで回転させ、
基板外周端面部分に研磨液を供給して15分間研磨を行
った。
【0051】評価 上記条件で研磨されたガラス基板(500枚)につい
て、研磨不良(ガラス基板の外周端面部分の表面粗さが
低減できなかったもの)はゼロ枚であり、ガラス基板の
外周端面部分にキズが入ったものもゼロ枚であった。な
お、図9に示す研磨液供給手段5を上下方向で1本とし
た場合(他の条件は同じ)、一時的又は部分的に研磨液
が介在しない状態で研磨されることがあり、各ガラス基
板に供給される研磨液の量が不均一であった。研磨不良
は200枚であり、外周端面部分にキズが入ったものは
35枚であった。
【0052】実施例2 図10に示す研磨液供給手段5’を図2に示す態様のも
のとした場合(他の条件は同じ)、研磨不良はゼロ枚で
あり、外周端面部分にキズが入ったものもゼロ枚であっ
た。このように、図1に示す態様と図2に示す態様とを
組み合わせて研磨液を供給する場合、研磨液供給ノズル
が少なくて済み、装置が簡略化でき安価な装置が得られ
る。なお、図2に示す態様は、研磨液50が扇状でない
が、研磨液供給位置と研磨液供給量との相乗効果によっ
て図1に示す態様に比べ同等以上の効果がある。具体的
には、基板とブラシの間でなく図10における研磨液供
給手段5’に示す位置で図2に示す態様によって研磨液
を供給することによって、積層ガラス基板の回転と、研
磨液の流下等によって各ガラス基板に研磨液を間接的に
充分行き渡らせることができる。
【0053】実施例3 図9に示す研磨液供給手段5を、図5に示すようにガラ
ス基板の積層方向に沿って上下方向で3本とした場合
(他の条件は同じ)、研磨不良はゼロ枚であり、外周端
面部分にキズが入ったものもゼロ枚であった。
【0054】実施例4 研磨液供給手段を、図3に示すようにガラス基板の積層
方向から見て4方向から、図1に示す態様で研磨液を供
給した場合(他の条件は同じ)、研磨不良はゼロ枚であ
り、外周端面部分にキズが入ったものもゼロ枚であっ
た。
【0055】実施例5 研磨液供給手段を、図4に示すようにガラス基板の積層
方向から見て研磨液が吸い込まれる4方向から、図5に
示すように、複数枚重ねられた全てのガラス基板の外周
端面部分にノズルから直接均一な流量の研磨液を供給し
た(他の条件は同じ)。 上記条件で研磨されたガラス基板(500枚)につい
て、研磨不良(ガラス基板の外周端面部分の表面粗さが
低減できなかったもの)はなく、ガラス基板の外周端面
部分にキズが入ったものもなかった。
【0056】実施例6 研磨ブラシの代わりに研磨パッドを用いて外周端面部分
の研磨を行ったこと以外は実施例1〜5と同様にして磁
気記録媒体用ガラス基板を得た。その結果、外周端面部
分における表面粗さRaは、面取部及び側壁部の双方で
実施例1〜5に比べ勝ったこと以外は実施例1〜5と同
様であった。
【0057】実施例7 研磨ブラシ4の回転数を適宜調整し、研磨液の流量を、
単位枚数当たり(2.5インチ基板100枚当たり)、
ノズルから直接の場合(実施例3、5、6)は350m
l/min〜100000ml/min、回転によって
間接的の場合(実施例1、2、4)は500ml/mi
n〜100000ml/minの流量で供給して研磨を
行うことによって、全ての積層ガラス基板の外周端面部
分と、研磨ブラシや研磨パッドとの間に常時充分な量の
研磨液が介在された状態で研磨を行うことができるの
で、高精度の研磨が可能になるとともに、研磨ブラシ等
が直接ガラス基板に接触してできるキズや研磨不良を防
止することができた。一方、研磨液の流量が、上記範囲
を超えると、キズや研磨不良が発生することがあった。
【0058】実施例8 研磨液の粘度を、1.5cps〜25.0cpsとする
ことによって、研磨ブラシ等が直接ガラス基板に接触し
てできるキズや研磨不良を防止することができた。研磨
液の粘度が1.3cps、27.0cpsのものには、
外周端面部分にスクラッチ状のキズがあることが確認さ
れた。これは、粘度が1.5cps未満の場合、研磨時
にブラシとガラス基板との間に砥粒が介在されていない
箇所が発生し、ブラシが直接ガラス基板に接触すること
によってできたキズと考えられる。また、25.0cp
sを超える場合は、粘度が大きいために、研磨ブラシを
回転させる回転駆動装置に加わる負荷が大きくなるとと
もに、研磨剤が凝集しやすくなり、凝集した研磨剤がブ
ラシとガラス基板との間に介在され研磨されることによ
ってできたキズと考えられる。
【0059】実施例9 研磨ブラシ4における螺旋状に植毛されたブラシ毛43
の傾斜角γを2°〜80°とすることによって、スクラ
ッチ等のキズを防止することができた。一方、ブラシ毛
43の傾斜角が1°の場合に、外周端面部分にスクラッ
チ状のキズが発生し、不良率が高くなった。これは、ブ
ラシ毛の傾斜角が2°未満の場合、研磨液が被研磨面に
充分に行き渡らず、研磨ブラシが直接ガラス基板の外周
端面部分に接触するものが多くなり、不良率が高くなっ
たものと考えられる。また、ブラシ毛の傾斜角が80°
を超える場合、常にブラシ毛がガラス基板の外周端面部
分に接触した状態にならないので、研磨の加工速度が遅
くなるので好ましくない。
【0060】実施例10 以下の工程を経て磁気記録媒体用ガラス基板及び磁気記
録媒体を製造した。
【0061】(1)第1砂掛け工程 まず、ダウンドロー法で形成したシートガラスから、研
削砥石で直径66mmφ、厚さ1.1mm、及び直径9
6mmφ、厚さ1.4mmの円板状にそれぞれ切り出し
たアルミノシリケイトガラスからなるガラス基板を、比
較的粗いダイヤモンド砥石で研削加工して、直径95m
m(3.5インチ)φ、厚さ0.8mm及び直径65m
m(2.5インチ)φ、厚さ0.6mmに成形した。こ
の場合、ダウンドロー法の代わりに、溶融ガラスを、上
型、下型、胴型を用いてダイレクト・プレスして、円盤
状のガラス基板を得てもよい。
【0062】なお、アルミノシリケイトガラスとして
は、モル%表示で、SiO2を57〜74%、ZnO2
0〜2.8%、Al23を3〜15%、LiO2を7〜
16%、Na2Oを4〜14%、を主成分として含有す
る化学強化用ガラスを使用した。
【0063】次いで、ガラス基板に砂掛け加工を施し
た。この砂掛け工程は、寸法精度及び形状精度の向上を
目的としている。砂掛け加工は、ラッピング装置を用い
て行い、砥粒の粒度を#400として行った。詳しく
は、粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷重Lを10
0kg程度に設定して、内転ギアと外転ギアを回転させ
ることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両
面を面精度0〜1μm、表面粗さ(Rmax)(JIS
B0601で測定)6μm程度にラッピングした。
【0064】次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の
中心部に円孔(直径20mmφ)を開けるとともに、外
周及び内周に所定の面取り加工を施した。このときのガ
ラス基板の内外周端面部分の表面粗さは、Rmaxで1
4μm程度であった。
【0065】(2)第2砂掛け工程 次に、ラッピング装置を用い、粒度#1000のアルミ
ナ砥粒を使用し、荷重Lを100kg程度に設定して、
内転ギアと外転ギアを回転させることによって、ラッピ
ングを行い、ガラス基板の両面の表面粗さ(Rmax)
を2μm程度とした。上記砂掛け加工を終えたガラス基
板を、中性洗剤、水の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄し
た。
【0066】(3)第一研磨工程 次に、第一研磨工程を施した。この第一研磨工程は、上
述した砂掛け工程で残留したキズや歪みの除去を目的と
するもので、研磨装置を用いて行った。詳しくは、ポリ
シャ(研磨布)として硬質ポリシャ(セリウムパッドM
HC15:ローデルニッタ社製)を用い、以下の研磨条
件で第一研磨工程を実施した。
【0067】研磨液:酸化セリウム+水 荷重:300g/cm2(L=238kg) 研磨時間:15分 除去量:30μm 下定盤回転数:40rpm 上定盤回転数:35rpm 内ギア回転数:14rpm 外ギア回転数:29rpm
【0068】上記第一研磨工程を終えたガラス基板を、
中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコー
ル)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、
洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を印加した。
【0069】(4)第二研磨工程 次に、第一研磨工程で使用した研磨装置を用い、ポリシ
ャを硬質ポリシャから軟質ポリシャ(ポリテックス:ス
ピードファム社製)に替えて、第二研磨工程を実施し
た。研磨条件は、荷重を100g/cm2、研磨時間を
5分、除去量を5μmとしたこと以外は、第一研磨工程
と同様とした。上記第二研磨工程を終えたガラス基板
を、中性洗剤、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプ
ロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に
順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を
印加した。
【0070】(5)端面研磨工程 基板の外周端面部分の研磨を、実施例1〜6の条件で行
った。そして、キズや研磨不良のない基板及びキズや研
磨不良のある基板を区別して以降の工程に用いた。
【0071】次いで、積層ガラス基板の円孔部分に研磨
ブラシを挿入し、円孔部分に研磨液を供給し、積層ガラ
ス基板及び研磨ブラシを回転させて、ガラス基板の内周
端面を研磨した。この場合、好ましい研磨ブラシの回転
数は空転時で100〜15000rpmである。本実施
例では、積層ガラス基板の回転数は60rpmとし、研
磨ブラシ4の回転数は4000rpm(空転時は100
00rpm)とし、研磨時間は約10分とした。なお、
これらの端面研磨工程は、ガラス基板を重ね合わせて端
面研磨する際にガラス基板の主表面にキズ等が付くこと
を避けるため、第一研磨工程の前、あるいは、第二研磨
工程の前後に行うことが好ましい。上記端面研磨を終え
たガラス基板を水洗浄した。
【0072】(6)化学強化工程 次に、上記工程を終えたガラス基板に化学強化を施し
た。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリ
ウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この
化学強化溶液を400℃に加熱し、300℃に予熱され
た洗浄済みのガラス基板を約3時間浸漬して行った。こ
の浸漬の際に、ガラス基板の表面全体が化学強化される
ようにするため、複数のガラス基板が外周端面部分で保
持されるようにホルダーに収納した状態で行った。
【0073】このように、化学強化溶液に浸漬処理する
ことによって、ガラス基板表層のリチウムイオン、ナト
リウムイオンは、化学強化溶液中のナトリウムイオン、
カリウムイオンにそれぞれ置換されガラス基板は強化さ
れる。
【0074】ガラス基板の表層に形成された圧縮応力層
の厚さは、約100〜200μmであった。
【0075】上記化学強化を終えたガラス基板を、20
℃の水槽に浸漬して急冷し約10分間維持した。
【0076】上記急冷を終えたガラス基板を、約40℃
に加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに上記
硫酸洗浄を終えたガラス基板を、純水、純水、IPA
(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各
洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には
超音波を印加した。
【0077】評価 上記の工程を経て得られた磁気記録媒体用ガラス基板に
ついて、電子顕微鏡(4000倍)で外周端面部分の表
面を観察したところ、外周端面研磨工程で研磨不良のな
い基板については、鏡面状態であった。一方、外周端面
研磨工程で研磨不良のある基板について同様に観察した
ところ、表面粗さが粗かった。また、外周端面研磨工程
でキズや研磨不良のない基板については、磁気記録媒体
用ガラス基板の外周端面部分に異物やクラックは認めら
れず、基板の主表面についても異物やサーマル・アスペ
リティの原因となるパーティクルは認められなかった。
一方、外周端面研磨工程でキズや研磨不良のある基板に
ついては、基板の外周端面部分に異物やクラックが認め
られ、基板の主表面についても異物やサーマル・アスペ
リティの原因となるパーティクルは認められた。さら
に、図6に示す抗折強度試験機(島津オートグラフDD
S−2000)を用いて抗折強度を測定したところ、外
周端面研磨工程で研磨不良のない基板については、約約
10〜25kgと十分な抗折強度を有していた。一方、
外周端面研磨工程でキズのある基板について抗折強度を
測定したところ、抗折強度の低下が見られた。
【0078】(7)磁気ディスク製造工程 上述した工程を経て得られた磁気ディスク用ガラス基板
の両面に、インライン式のスパッタリング装置を用い
て、Cr下地層、CrMo下地層、CoPtCrTa磁
性層、カーボン保護層を順次成膜し、さらにディップ法
によりパーフルオロポリエーテル潤滑剤層を成膜してM
Rヘッド用磁気ディスクを得た。
【0079】評価 外周端面研磨工程で研磨不良のない基板を用いて得られ
た磁気ディスクについて異物により磁性層等の膜に欠陥
が発生していないことを確認した。また、グライドテス
トを実施したところ、ヒット(ヘッドが磁気ディスク表
面の突起にかすること)やクラッシュ(ヘッドが磁気デ
ィスク表面の突起に衝突すること)は認められなかっ
た。さらに、磁気抵抗型ヘッドで再生試験を行ったとこ
ろ、サーマル・アスペリティによる再生の誤動作は認め
られなかった。一方、外周端面研磨工程で研磨不良のあ
る基板について同様に観察したところ、異物により磁性
層等の膜に欠陥が発生し、グライドテストにおいてヒッ
トやクラッシュが認められ、さらに、磁気抵抗型ヘッド
による再生試験においてサーマル・アスペリティによる
再生の誤動作が認められた。
【0080】実施例11 実施例1〜6で得られた磁気ディスク用ガラス基板の両
面に、Al(膜厚50オングストローム)/Cr(10
00オングストローム)/CrMo(100オングスト
ローム)からなる下地層、CoPtCr(120オング
ストローム)/CrMo(50オングストローム)/C
oPtCr(120オングストローム)からなる磁性
層、Cr(50オングストローム)保護層をインライン
型スパッタ装置で形成した。
【0081】上記基板を、シリカ微粒子(粒経100オ
ングストローム)を分散した有機ケイ素化合物溶液(水
とIPAとテトラエトキシシランとの混合液)に浸し、
焼成することによってSiO2からなるテクスチャー機
能を持った保護層を形成し、さらに、この保護層上をパ
ーフロロポリエーテルからなる潤滑剤でディップ処理し
て潤滑層を形成して、MRヘッド用磁気ディスクを得
た。
【0082】上記磁気ディスクについて実施例10と同
様のことが確認された。
【0083】以上好ましい実施例を挙げて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されい。
【0084】例えば、ガラス基板の種類や磁性層の種類
は実施例のものに限定されない。
【0085】ガラス基板の材質としては、例えば、アル
ミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダア
ルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、
ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケー
トガラス、又は、結晶化ガラス等のガラスセラミックな
どが挙げられる。
【0086】アルミノシリケートガラスとしては、Si
2:62〜75重量%、Al23:5〜15重量%、
Li2O:4〜10重量%、Na2O:4〜12重量%、
ZrO2:5.5〜15重量%を主成分として含有する
とともに、Na2O/ZrO2の重量比が0.5〜2.
0、Al23/ZrO2の重量比が0.4〜2.5であ
る化学強化用ガラス等が好ましい。また、ZrO2の未
溶解物が原因で生じるガラス基板表面の突起をなくすた
めには、モル%表示で、SiO2を57〜74%、Zn
2を0〜2.8%、Al23を3〜15%、LiO2
7〜16%、Na2Oを4〜14%含有する化学強化用
ガラス等を使用することが好ましい。このような組成の
アルミノシリケートガラス等は、化学強化することによ
って、抗折強度が増加し、圧縮応力層の深さも深く、ヌ
ープ硬度にも優れる。
【0087】磁性層としては、例えば、Coを主成分と
するCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、C
oCrTa、CoPtCr、CoNiPtや、CoNi
CrPt、CoNiCrTa、CoCrTaPt、Co
CrPtSiOなどの磁性薄膜が挙げられる。磁性層
は、磁性膜を非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、Cr
Vなど)で分割してノイズの低減を図った多層構成(例
えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoC
rTaPt/CrMo/CoCrTaPtなど)として
もよい。
【0088】磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)又は巨大
磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)対応の磁性層として
は、Co系合金に、Y、Si、希土類元素、Hf、G
e、Sn、Znから選択される不純物元素、又はこれら
の不純物元素の酸化物を含有させたものなども含まれ
る。
【0089】また、磁性層としては、上記の他、フェラ
イト系、鉄−希土類系や、SiO2、BNなどからなる
非磁性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の
磁性粒子が分散された構造のグラニュラーなどであって
もよい。また、磁性層は、内面型、垂直型のいずれの記
録形式であってもよい。
【0090】本発明の研磨方法及び研磨装置は、基板の
外周端面部分から発生する微細なパーティクルを嫌う光
磁気ディスク用のガラス基板や、光ディスクなどの電子
光学用ディスク基板等の記録媒体用基板の研磨方法及び
研磨装置としても利用できる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように本発明の研磨方法及
び研磨装置によれば、積層ガラス基板と研磨ブラシ又は
研磨パッドとの間に研磨液を効果的に供給でき、したが
って、研磨加工中に、積層ガラス基板と研磨ブラシとの
間に研磨液が部分的又は一時的に介在しない状態、ある
いは研磨液が部分的又は一時的に充分に介在しない状態
で研磨されることを低減あるいは回避できる。これによ
り、ガラス基板の外周端面部分にキズが入ったり、ガラ
ス基板の外周端面部分の表面粗さを低減できないといっ
た事態を低減あるいは回避できる。その結果、外周端面
部分から発生するパーティクルによるヘッドクラッシュ
や、サーマル・アスペリティが発生するという問題を低
減あるいは回避できる。また、ガラス基板の外周端面部
分に存在するキズによるガラス基板の抗折強度の低下を
低減あるいは回避できる。したがって、歩留まりの向上
を図ることができる。
【0092】また、本発明の磁気記録媒体用ガラス基板
の製造方法によれば、ガラス基板の外周端面部分にキズ
や研磨不良のないガラス基板を高歩留まりで製造でき
る。
【0093】さらに、本発明の磁気記録媒体の製造方法
によれば、外周端面部分にキズや研磨不良のあるガラス
基板が低減されるので、磁気記録媒体用ガラス基板の外
周端面部分から発生するパーティクルによるヘッドクラ
ッシュやサーマル・アスペリティが発生することがな
く、抗折強度に優れた磁気記録媒体を高歩留まりで製造
できる。また、外周端面部分にキズや研磨不良のあるガ
ラス基板を看過して使用することが低減され、さらに外
周端面部分の基板間の研磨精度(表面粗さ)のばらつき
も低減されるので、信頼性に優れた磁気記録媒体が得ら
れる。特に、磁気抵抗型ヘッド又は巨大磁気抵抗型ヘッ
ド対応の磁気記録媒体においては、外周端面部分の基板
間の研磨精度の均一性が要求されるので、磁気抵抗型ヘ
ッド又は巨大磁気抵抗型ヘッド対応の磁気記録媒体とし
て好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層ガラス基板の積層方向に沿って複数の研磨
液供給ノズルを設ける一態様を示す正面図である。
【図2】積層ガラス基板の積層方向に沿って複数の研磨
液供口を設ける一態様を示す正面図である。
【図3】積層ガラス基板の積層方向から見て複数の方向
から研磨液を供給する複数のノズル設ける一態様を示す
平面図である。
【図4】積層ガラス基板の積層方向から見て複数の方向
から研磨液を供給する複数のノズル設ける他の態様を示
す平面図である。
【図5】全てのガラス基板にノズルから直接研磨液を供
給する一態様を示す正面図である。
【図6】全てのガラス基板にノズルから直接研磨液を供
給する他の態様を示す正面図である。
【図7】積層ガラス基板の積層方向に沿って複数の研磨
液供給ノズルを設ける他の態様を示す正面図である。
【図8】積層ガラス基板の積層方向に沿って複数の研磨
液供給ノズルを設ける他の態様を示す正面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る研磨装置の要部を
正面から見た部分断面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る研磨装置の要部
の平面図である。
【図11】研磨ブラシの一態様を示す斜視図である。
【図12】図11の部分拡大図である。
【図13】ブラシ毛の一態様を示す平面図である。
【図14】磁気ディスク用ガラス基板の断面図である。
【図15】外周端面部分の研磨の様子を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1 ガラス基板(MD基板) 1a 側壁部 1b 面取部 2 基板保持手段 3 回転保持台 4 研磨ブラシ又は研磨パッド 5、5’研磨液供給手段 6 研磨室 10 積層ガラス基板 31 回転軸 41 回転軸 43 ブラシ毛 50 研磨液 51 研磨液供給ノズル 52 研磨液供給口
フロントページの続き Fターム(参考) 3C047 FF01 FF09 GG03 GG15 3C058 AA06 AB04 AB08 AC04 CB01 CB05 5D112 AA02 AA24 BA03 GA04 GA09 GA10 GA11

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部に円孔を有する円板状のガラス基
    板を複数枚重ねて保持する保持手段と、該保持手段を回
    転させる手段と、前記複数枚重ねられたガラス基板の外
    周端面部分に接触する研磨ブラシ又は研磨パッドと、該
    研磨ブラシ又は研磨パッドを回転させる手段と、前記複
    数枚重ねられたガラス基板の外周端面部分に研磨液を供
    給する研磨液供給手段とを少なくとも備えた研磨装置で
    あって、 前記複数枚重ねられた全てのガラス基板の外周端面部分
    に効果的に研磨液を供給しうる研磨液供給手段を設けた
    ことを特徴とする研磨装置。
  2. 【請求項2】 前記複数枚重ねられたガラス基板の積層
    方向に沿って複数の研磨液供給ノズル及び/又は研磨液
    供給口を設けたことを特徴とする請求項1記載の研磨装
    置。
  3. 【請求項3】 前記複数枚重ねられたガラス基板の積層
    方向から見て複数の方向から研磨液を供給する複数の研
    磨液供給ノズル及び/又は研磨液供給口を設けたことを
    特徴とする請求項1又は2記載の研磨装置。
  4. 【請求項4】 前記複数枚重ねられた全てのガラス基板
    の外周端面部分に研磨液供給ノズルから直接研磨液を供
    給する研磨液供給ノズルを設けたことを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれかに記載の研磨装置。
  5. 【請求項5】 前記複数枚重ねられた全てのガラス基板
    の外周端面部分に均一な流量の研磨液を供給する研磨液
    供給ノズルを設けたことを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載の研磨装置。
  6. 【請求項6】 中心部に円孔を有する円板状のガラス基
    板を複数枚重ねた状態の積層ガラス基板を回転させ、こ
    の積層ガラス基板の外周端面部分に研磨ブラシ又は研磨
    パッドを回転接触させ、前記積層ガラス基板の外周端面
    部分に研磨液を供給して研磨を行う研磨方法であって、 前記複数枚重ねられた全てのガラス基板の外周端面部分
    と研磨ブラシ又は研磨パッドとの間に常時充分な量の研
    磨液を介在させた状態で研磨を行うことを特徴とする研
    磨方法。
  7. 【請求項7】 前記複数枚重ねられた全てのガラス基板
    の外周端面部分に研磨液供給手段から直接的に研磨液を
    供給することを特徴とする請求項6記載の研磨方法。
  8. 【請求項8】 前記複数枚重ねられた全てのガラス基板
    の外周端面部分に均一な流量の研磨液を供給することを
    特徴とする請求項6又は7記載の研磨方法。
  9. 【請求項9】 前記研磨液を、単位枚数(100枚)当
    たり、350ml/min〜100000ml/min
    の流量で供給して研磨を行うことを特徴とする請求項6
    ないし8のいずれかに記載の研磨方法。
  10. 【請求項10】 前記研磨液の粘度が、1.5〜25c
    psであることを特徴とする請求項6ないし9のいずれ
    かに記載の研磨方法。
  11. 【請求項11】 請求項6乃至10のいずれかに記載の
    研磨方法によりガラス基板の外周端面部分を研磨する工
    程を有することを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の方法で得られた磁気
    記録媒体用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形成す
    ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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