JP5233189B2 - 搬送車におけるリトラクタブル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送車におけるリトラクタブル装置に係り、詳しくは有人運転モード及び無人運転モードで走行可能な搬送車におけるリトラクタブル装置に関する。
従来、工場構内などでは、荷を積載した台車を牽引し、搬送するための搬送車が使用されている。この種の搬送車には、走行経路に設けられたガイドテープをガイドセンサで検出し、その検出結果を基に操舵輪を操舵して無人走行させる無人運転モード(無人走行モード)と、作業者が乗車して操舵ハンドルを操作することで操舵輪を操舵して走行させる有人運転モード(有人走行モード)とを有する車両がある。この種の搬送車として基台に1つの前輪及び2つの後輪が取り付けられ、前輪が操舵される構成の搬送車がある(例えば、特許文献1参照。)。以下の説明において「搬送車」とは、無人走行モード及び有人走行モードの切り換えにより、選択されたモードで走行可能な車両を意味するものとする。
特許文献1に記載の搬送車では、前輪の軌道に光反射テープを敷設し、光反射テープに光照射してその反射光を受光する反射面センサを、光反射テープの幅よりも狭い範囲に対応する基台部分の両側に設けている。そして、無人走行時には、両反射面センサの受光量の差がほぼ同レベルに保持されるように操舵用モータが制御される。
ところで、ガイドセンサがガイドテープを支障なく検出するためには、感度の高いガイドセンサを使用するか、ガイドセンサをガイドテープに近づけて配置する必要がある。感度の高いガイドセンサを使用するとコストが高くなるが、感度の低いガイドセンサをガイドテープに近づけて配置して使用すれば高感度のガイドセンサを使用しなくても済む。しかし、搬送車は、有人走行時には無人走行時に比較して高速走行を行うことが多く、無人走行時に比較して車体全体が振動し易い。車体全体が振動し易い状態でガイドセンサが走行面に近接した位置に配置されていると、振動の際にガイドセンサが走行面に接触して破損する虞がある。そのため、有人走行時、無人走行時に限らずガイドセンサをガイドテープに近い位置に配置することは好ましくない。このような問題を解消するため、無人走行時にはガイドセンサの位置をガイドテープに近い(走行面に近い)使用位置に配置し、有人走行時にはガイドセンサの位置を使用位置に比較してガイドテープから離れた退避位置に配置するリトラクタブル装置を備えた搬送車がある。
リトラクタブル装置は、図10に示すように、前輪91を挟むように設けられた一対のリンク機構92,93の前側に支持ブラケット94が支持され、ガイドセンサ95が支持ブラケット94に固定されている。そして、リンク機構92,93がパワーシリンダ96により駆動されて、ガイドセンサ95が使用位置と退避位置とに配置されるようになっている。
特開平10−44986号公報
特許文献1の搬送車は、反射面センサ(ガイドセンサ)が有人走行時、無人走行時とも同じ位置に固定されているため、ガイドセンサとして高感度のセンサを使用する必要があり、コストが高くなる。また、ガイドテープが前輪の軌道上に敷設されているため、前輪がガイドテープ上を移動するのでガイドテープの耐久性が低くなるという問題もある。
一方、前記搬送車のリトラクタブル装置は、前輪を挟むように配置された一対のリンク機構92,93で支持ブラケット94を支持する構成のため、タイヤ交換の度にリトラクタブル装置を取り外さなければならないという問題がある。
また、前輪がガイドテープ上を走行しないようにガイドテープを前輪に踏まれない位置に敷設した場合は、カーブ走行において、制御装置が、ガイドセンサの検出信号を処理する際に右カーブと左カーブとで異なる処理が必要になる。この問題を解決するため、あるいは操舵力を軽減するため、前輪がダブルタイヤ仕様の搬送車もある。ダブルタイヤ仕様では、一対のタイヤが所定間隔で配置されるため、搬送車は一対のタイヤの中間位置がガイドテープと対向する状態で走行することにより、前輪がガイドテープを踏まずに、かつカーブ走行において、制御装置が、ガイドセンサの検出信号を処理する際に右カーブと左カーブとで異なる処理を行う必要がない。しかし、従来のリトラクタブル装置では、シングルタイヤ仕様のリトラクタブル装置をダブルタイヤ仕様の前輪に取り付けることができなかった。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、タイヤ交換を容易にできるとともに、シングルタイヤ仕様、ダブルタイヤ仕様の両方に対応することが可能になり、しかも、ガイドセンサに接続されるワイヤハーネスの耐久性を高めることができる搬送車のリトラクタブル装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、有人運転モード及び無人運転モードのいずれかの運転モードで、選択的に走行可能な搬送車におけるリトラクタブル装置である。そして、タイヤの片側に配設される支持ブラケットと、前記支持ブラケットに対して支持されるとともに、上側リンク部材の両軸を結ぶ直線及び下側リンク部材の両軸を結ぶ直線が前後方向に延び、かつ上側リンク部材の後側の軸及び下側リンク部材の後側の軸が固定軸となるように構成された平行四節リンクと、前記平行四節リンクの前側に支持されるとともに、搬送車の走行経路に設けられたガイド部材を検出可能なガイドセンサとを備えている。前記平行四節リンクは、前記上側リンク部材の中間位置に連結される索を介して操作部と連結され、前記操作部の操作により回動可能に構成されている。前記ガイドセンサに接続されたワイヤハーネスは、前記平行四節リンクより上方に向かって延びるように設けられるとともに、一部が前記上側リンク部材にクランプを介して固定され、かつ前記クランプの固定位置が前記平行四節リンクの回動時における前記ワイヤハーネスの変位角度が小さくなる位置に設定されている。ここで、「リトラクタブル装置」とは、少なくとも搬送車の走行経路に設けられたガイド部材を検出可能なガイドセンサを退避位置と作用位置とに移動させる装置を意味する。また、「ワイヤハーネスの変位角度が小さくなる」とは、ワイヤハーネスの曲率の変化が小さいことを意味する。
この発明では、搬送車の走行経路に設けられたガイド部材を検出可能なガイドセンサは、搬送車のタイヤの片側に配設される支持ブラケットに対して支持された平行四節リンクの前側に支持されて、平行四節リンクの動作により、ガイド部材を検出する位置(走行面に近い位置)と、走行面から遠い退避位置とに移動される。平行四節リンクは、上側リンク部材が索を介して操作部と連結され、操作部の操作により回動されるため、タイヤを挟むように設けられたリンク機構を備えた従来技術と異なり、リトラクタブル装置を取り外さなくてもタイヤ交換が可能になり、タイヤ交換を容易にできる。また、平行四節リンクが索を介して駆動されるため、従来技術と異なり、平行四節リンクを駆動するパワーシリンダをタイヤの側方に配設する必要がなく、リトラクタブル装置の駆動部(平行四節リンク)の幅を狭くすることができ、シングルタイヤ仕様、ダブルタイヤ仕様の両方に対応することが可能になる。また、平行四節リンクの幅が狭くなることにより、ガイドセンサに接続されるワイヤハーネスの配置スペースの制約が大きくなるにもかかわらず、平行四節リンクの回動時にワイヤハーネスに作用する負荷が小さくなって耐久性が向上する。
また、請求項に記載の発明は、前記上側リンク部材及び前記下側リンク部材は、それぞれ左右一組のリンク部材が所定間隔を置いて前記軸に支持されるとともに、前記索は前記上側リンク部材の前方に向かって左側のリンク部材に連結されている。前記ワイヤハーネスは、前記上側リンク部材の前方に向かって右側のリンク部材の外側に配置されるとともに、前記ガイドセンサが作用位置に配置された状態においては、前記右側のリンク部材の前側端部と対応する位置に固定された第1のクランプにより前側下方に向かって下降傾斜するようにクランプされている。また、上側リンク部材の後側の軸より後方に固定された第2のクランプにより、そのクランプ位置より後方では上方に向かって湾曲して延び、そのクランプ位置より前方では前方に向かって真っ直ぐに延びるようにクランプされている。
この発明では、上側リンク部材及び下側リンク部材が、上下一組のリンク部材からなる構成に比較して、左右方向、即ち幅方向のがたつきが小さくなるとともに強度(剛性)が高くなる。また、ワイヤハーネスは変位の際に凸となる方向が逆転することがないため、ワイヤハーネスに対する負荷が小さくなる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記平行四節リンクの前側には、搬送車の走行経路に設けられて搬送車の停止すべき位置を示す表示部を検出可能な停止位置センサがさらに支持され、前記ガイドセンサ用のワイヤハーネスと、前記停止位置センサ用のワイヤハーネスとは、前記第のクランプを過ぎるまでは一体化されており、前記第のクランプを過ぎてから分岐されている。したがって、この発明では、ガイドセンサ用のワイヤハーネスと、停止位置センサ用のワイヤハーネスとを別々にクランプする構成に比較して、部品点数が少なくなるとともにワイヤハーネス間あるいはワイヤハーネスと平行四節リンクとの干渉を回避し易くなる。
本発明によれば、タイヤ交換を容易にできるとともに、シングルタイヤ仕様、ダブルタイヤ仕様の両方に対応することが可能になる搬送車のリトラクタブル装置を提供することができる。
以下、本発明を台車に積載した荷を牽引する牽引車に具体化した一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
図1に示すように、搬送車としての牽引車10の車体11は、車体11の前側に設けられたフロントフレーム12と、車体11の後側に設けられたリアフレーム13とからなる。リアフレーム13には、図示しない牽引機構が設けられている。車体11の前後方向のほぼ中央には、立席タイプの運転席14が設けられている。また、車体11の前側下部中央には、操舵輪となる前輪16(図2等に示す)が設けられている。車体11の後部左右両側には、それぞれ1個の駆動輪17が設けられている。また、運転席14の後方に配置されたリアフレーム13には、図示しないバッテリーを収容する収容室の上方を覆うバッテリーフード15が開閉可能に設けられている。そして、車体11には、バッテリーを駆動源とする走行用モータ(図示せず)が搭載されており、駆動輪17は走行用モータから駆動力が付与される。すなわち、本実施形態の牽引車10は、バッテリー式(電気式)の車両とされている。
運転席14には、乗車した作業者(運転者)がハンドル操作を行うための操舵ハンドルとしてのバーハンドル18が設けられている。バーハンドル18は、ステアリングコラム19に内装された図示しないステアリングシャフトを介してアクスルシャフト20(図2に示す)に連結されている。これにより、牽引車10は、運転者がバーハンドル18をハンドル操作(左右方向への回転操作)することにより前輪16を操舵し、手動走行モード(有人運転モード)で手動走行させることができるようになっている。 また、牽引車10は、有人運転モードで走行する他に、無人運転モード(無人走行モード)でも走行可能に構成されている。無人運転モード時には、図示しない制御装置によって走行用モータ及び前輪16を操舵する操舵用モータ(図示せず)が駆動制御される。
無人運転モードには、リモコン(リモートコントローラ)22によって制御装置に指令を送るリモコン操作モードと、リアフレーム13に設けられた運転モード設定装置23によって制御装置に指令を送るモードとがある。リモコン22には、寸動用ボタン22a、発進ボタン22b、停止位置設定ボタン22cが設けられている。運転モード設定装置23には、停止位置を指定する複数の停止位置指定ボタン23aと、発進を指令する発進ボタン23bとが設けられている。そして、停止位置を停止位置指定ボタン23aで指定した後、発進ボタン23bを操作すると、牽引車10が発進して指定された停止位置まで走行するようになっている。リアフレーム13には、リモコン22からの無線指令を受信する受信部24が設けられており、牽引車10は、リモコン22の操作により、寸動動作、停止位置を設定した走行指令が可能に構成されている。
牽引車10は、無人運転モードで走行する際は、牽引車10の走行経路に敷設されたガイド部材としてのガイドテープGT(図1に図示)の位置をガイドセンサで検出し、その検出信号に基づいて制御装置が操舵用モータを制御して前輪16が操舵される。この実施形態では、ガイドテープGTとして磁気テープが使用されている。
図2に示すように、前輪16は、1つのタイヤからなるシングルタイヤ仕様に構成されるとともに、車軸21に片持ち状態で支持されるようになっている。前輪16の片側には、ガイドセンサ25を使用位置と退避位置とに移動させるリトラクタブル装置26が配設されている。
リトラクタブル装置26は、前輪16の片側に配設される支持ブラケット27に対して平行四節リンク28が支持されている。図3及び図6に示すように、平行四節リンク28は、上側リンク部材29の両軸30,31を結ぶ直線及び下側リンク部材32の両軸33,34を結ぶ直線が前後方向に延び、かつ上側リンク部材29の後側の軸31及び下側リンク部材32の後側の軸34が固定軸となるように構成されている。この実施形態においては、上下方向に延びるように設けられた支持ブラケット27が、平行四節リンク28の固定リンクを構成している。上側リンク部材29及び下側リンク部材32は、それぞれ軸30,31及び軸33,34に対してブッシュ35及び樹脂製のワッシャ36を介して回動可能に支持されている。
上側リンク部材29は、軸30,31の両端部に支持された一組のリンク部材29a,29bと、両リンク部材29a,29bを上側において連結する支持部29cで構成されている。即ち、上側リンク部材29は、前方から見た形状が横に延びる部分と、その両端から下方に延びる部分とによってほぼ逆U字状になるように構成されている。
下側リンク部材32は、軸33,34の両端部に支持された一組のリンク部材32a,32bによって構成されている。リンク部材32a,32bは形状及び大きさが同じに形成されている。一方、リンク部材29a,29bはそれぞれ異なる形状に形成されている。
図3に示すように、リトラクタブル装置26の左側に位置するリンク部材29aは、リンク部材32aと平行に延びるように形成され、リンク部材29aは、両軸30,31間の中央より前側の位置に連結される索としてのワイヤ37を介して操作部としての操作レバー38(図1及び図2に図示)と連結されている。そして、平行四節リンク28は、操作レバー38の操作により回動可能に構成されている。ワイヤ37は、その先端に固定された逆U字状の連結具39、ピン40、樹脂製のワッシャ41及び抜け止めピン42を介してリンク部材29aに連結されている。
図4及び図5に示すように、リトラクタブル装置26の右側に位置するリンク部材29bは、後側部分がリンク部材32bの後側ほぼ1/2の部分と平行に延びるように形成された部分と、その前端から上側に延びた後、前側に延び、さらに下方へ延びてその下端において軸33に支持される部分とで形成されている。
リンク部材29aは、その前側に平行四節リンク28の回動範囲を規制する規制部を設ける支持部29cが上方に向かって延びるように形成されるとともに、支持部29cは上部がリンク部材29b側に屈曲してリンク部材29bの前側上部に一体に連結されている。即ち、支持部29cは、右側のリンク部材29aと左側の29bとを連結する連結部としての機能も果たす。支持部29cとワイヤ37とが干渉しないように、支持部29cとリンク部材29aとは、側方から見た形状がV形状を成すように形成されている。V形状とは、ワイヤ37の連結位置や、平行四節リンク28が最上動位置に配置された状態におけるリンク部材29aの水平方向に対する傾きによっても異なるが、例えばリンク部材29aと支持部29cとの成す角度が90度近くで90度より小さな角度を成す状態である。
図1に示すように、操作レバー38は、フロントフレーム12の上部で、前方に向かってステアリングコラム19より左側に設けられている。即ち、操作レバー38は、前輪16に対して右側に取り付けられたリトラクタブル装置26に対応してステアリングコラム19より右側ではなく、反対側の左側に設けられている。そして、操作レバー38を操作することにより、ワイヤ37を介して平行四節リンク28が回動されて、ガイドセンサ25が退避位置と作用位置とに移動されるようになっている。
図3、図4及び図6に示すように、支持ブラケット27には、軸31,34の中間と対応する位置から、平行四節リンク28の最下動位置を規制するストッパ部43aが突設されており、ストッパ部43aは水平に延びるように屈曲形成された部分を前端上部に備えている。一方、支持部29cにはストッパ部43aの上方まで延びる延出部29dが一体形成され、延出部29dには、ストッパ部43aと当接して平行四節リンク28の最下動位置を規制する規制部としての規制ボルト43bが螺着されている。規制ボルト43bの突出量を調整することにより、平行四節リンク28の最下動位置の調整が可能になっている。
また、図4に示すように、リンク部材29bの内側には平行四節リンク28が最下動位置に移動されたことを検知するための被検知部44が固定されている。一方、ストッパ部43aを構成する部材には、被検知部44の所定位置を検知して平行四節リンク28が最下動位置に移動されたことを検知するセンサ45が固定されている。
図3及び図6に示すように、支持ブラケット27の上部には、平行四節リンク28の最上動位置を規制するストッパ部46aが突設されており、ストッパ部46aは前側に向かって上昇傾斜して延びるように屈曲形成された部分を備えている。一方、支持部29cにはストッパ部46aと当接して平行四節リンク28の最上動位置を規制する規制部としての規制ボルト46bが螺着されている。規制ボルト46bの突出量を調整することにより、平行四節リンク28の最上動位置の調整が可能になっている。
また、支持ブラケット27の上部には、ワイヤ37の移動をガイドするワイヤガイド47(図5に図示)を取り付ける取り付け部48が突設され、取り付け部48にワイヤガイド47が取り付けられている。
図3及び図4等に示すように、下側リンク部材32の軸33は筒状に形成され、軸33及びリンク部材32a,32bを貫通するように支持ロッド49が設けられている。支持ロッド49には、平板の両端が屈曲された形状のセンサ支持ブラケット52が、支持ロッド49のほぼ全長にわたって平行に延びる状態で、両端の屈曲部を支持ロッド49に貫通された状態で支持されている。図4に示すように、センサ支持ブラケット52はその上部に掛け止め用のボルト53が螺合されるとともに、ボルト53の軸に形成された孔と、支持ブラケット27の下部との間に張設された引っ張りバネ54により上部が後方へ付勢されている。
また、図3に示すように、平行四節リンク28の軸30,33のリンク部材29a,32a側にはブラケット55が固定されるとともに、ブラケット55にはストッパ用のボルト56が螺合されている。そして、センサ支持ブラケット52はボルト56と当接することにより、回動が規制されてほぼ垂直状態に保持されるようになっている。
図2及び図5に示すように、センサ支持ブラケット52には、前方に向かって右側寄りにガイドセンサ25がセンサ支持ブラケット52と平行に、ネジ57により固定されている。また、センサ支持ブラケット52の左側寄りには、平板状の支持プレート58が固定され、支持プレート58にはブラケット59を介して停止センサ60が固定されている。停止センサ60は、牽引車10が走行経路に沿って走行する際に停止すべき位置を示す表示部を検出するためのセンサである。停止センサ60は、表示部が存在するか否かを検出可能であるが、表示部の違いを検出することはできない。
ガイドセンサ25及び停止センサ60に電源を供給するための電源や、無人運転モード時に、ガイドセンサ25及び停止センサ60の検出信号に基づいて走行用モータや操舵用モータを制御する制御装置は、フロントフレーム12のリトラクタブル装置26より上方の位置に配置されている。ガイドセンサ25及び停止センサ60に電源を供給するための配線や検出信号を制御装置に送るための配線としてのワイヤハーネス61は、平行四節リンク28が回動される際に、平行四節リンク28と干渉しない位置に配置されている。また、ワイヤハーネス61は、平行四節リンク28の回動に伴って一部が平行四節リンク28と共に移動し、かつ移動の際に無理な力がワイヤハーネス61に加わらないように配設されている。
具体的には、図5に示すように、ワイヤハーネス61は、ガイドセンサ25用のワイヤハーネス61aと、停止センサ60用のワイヤハーネス61bと、両ワイヤハーネス61a,61bが一体化された一体化部61cとで構成されている。そして、一体化部61cは、センサ支持ブラケット52の上方まで延びるように設けられ、センサ支持ブラケット52の上方からは、ガイドセンサ25用のワイヤハーネス61aと、停止センサ60用のワイヤハーネス61bとに分離されて配線されている。
図3及び図4等に示すように、上側リンク部材29を構成する右側のリンク部材29bには、ワイヤハーネス支持用の支持片62が一体形成されている。支持片62は、斜め前方上側に向かって延びるように形成されるとともに、支持片62にはワイヤハーネス挟持用の第1のクランプ63が固定されている。そして、ワイヤハーネス61の一体化部61cの端部が支持片62に第1のクランプ63を介して固定されている。第1のクランプ63は、一体化部61cがリンク部材29bの外側において後方上側から前方下側に向かって斜めに延びるように取り付けられている。
図5に示すように、支持ブラケット27は、軸31より後方かつ上方に、支持片64が後方に向かって延びるように一体に形成されている。一体化部61cの中間部は、支持片64に固定された第2のクランプ65により、水平に延びるように挟持されている。そして、一体化部61cは、第2のクランプ65で挟持された箇所より後方で円弧を描きながら上方に延びるように配置されている。この構成により、一体化部61cは、支持ブラケット27より後方において、上方から支持片64の近くまで延びるとともに、支持片64の近くで湾曲して水平に延びる状態になり、支持片62の近くで湾曲して前方下側に向かって斜めに延びるように配置される。
図5に示すように、センサ支持ブラケット52の前面上部には、ワイヤハーネス61aの端部に連結されたコネクタ66が固定されている。ガイドセンサ25の配線67に接続されたコネクタ68は、コネクタ66に接続されている。
図5に示すように、支持プレート58の上部には、停止センサ60の配線69に接続されたコネクタ70が固定されている。コネクタ70には、ワイヤハーネス61bの端部に連結されたコネクタ71が接続されている。
なお、図1に示すように、車体11の前側には安全バンパー73が設けられ、リトラクタブル装置26は、安全バンパー73の後方で安全バンパー73と干渉しないように動作可能に配設されている。
次に前記のように構成された牽引車10の作用を説明する。
牽引車10は、有人運転モードと無人運転モードのいずれかで走行する。有人運転モードと無人運転モードの切り替え(選択)は、リモコン22あるいは運転モード設定装置23の操作により行われる。停止センサ60を備えた牽引車10は、図7に示すように、複数(図7では2箇所)の停止位置STが設けられた走行経路74に沿って走行する。
作業者は、牽引車10を無人走行させる場合は、操作レバー38を、ワイヤ37を弛める方向に操作して、リトラクタブル装置26を作用位置、即ちガイドセンサ25がガイドテープGTを検出可能、かつ停止センサ60が図示しない停止表示部を検出可能な最下動位置に配置させる。操作レバー38がワイヤ37を弛める方向に操作されると、ワイヤ37が弛んで、平行四節リンク28は自重やガイドセンサ25及び停止センサ60等の重量により下方へ回動される。そして、図3及び図4に示すように、平行四節リンク28は、ストッパ部43aに規制ボルト43bが当接してその最下動位置に保持される状態となる。この状態では、図4に示すように、センサ45が被検知部44を検知して、リトラクタブル装置26が作用位置に配置された検出信号が制御装置に出力される。
制御装置は、無人運転モードが選択されるとともに、発進ボタンが押されると、リトラクタブル装置26が作用位置に配置されていることをセンサ45の検出信号で確認した後、無人運転モードで走行用モータ及び操舵用モータの制御を開始する。
ガイドセンサ25はガイドテープGTを検出するとともに、ガイドテープGTと前輪16位置とのずれ量を電気信号に変換して制御装置に出力する。制御装置は、入力したガイドセンサ25の出力信号に基づいて操舵用モータを制御して、牽引車10が所定の走行経路に沿って走行するように前輪16を操舵する。制御装置は、走行用モータを直線路では一定速度で、カーブ部分ではそれより低速で走行するように制御して、牽引車10を所定の走行経路に沿って所定速度で自動走行させる。
走行経路には、牽引車10がガイドテープGTの位置によって設定される所定の走行経路に沿って走行している状態で、停止センサ60によって検出可能な位置に停止表示部が設けられているため、停止センサ60は停止表示部を検出すると停止位置検出信号を制御装置に出力する。制御装置は、停止センサ60から出力された停止位置検出信号を入力すると、牽引車10をその停止位置で停止させるように走行用モータを制御する。したがって、牽引車10は、予め設定された停止位置で自動的に停止される。
有人運転モードで運転する場合は、作業者はリモコン22あるいは運転モード設定装置23を有人運転モードに切り替えるとともに、操作レバー38を、ワイヤ37を引っ張る方向に操作して、リトラクタブル装置26を退避位置(上動位置)に移動させる。ワイヤ37が引っ張られると、上側リンク部材29及び下側リンク部材32は、軸31,34を中心に上方に回動される。そして、図6に示すように、上側リンク部材29に設けられた規制ボルト46bがストッパ部46aに当接すると、平行四節リンク28は回動が規制される。作業者は、平行四節リンク28の上動が規制された時に操作レバー38の操作を中止する。操作レバー38の操作を中止すると、ワイヤ37が若干緩んで規制ボルト46bがストッパ部46aから離れた位置で平行四節リンク28が保持される。そして、作業者は運転席14に乗車して牽引車10を手動走行させる。有人運転モード(手動走行モード)では、制御装置は、作業者(運転者)によるアクセル操作の操作量に応じた速度で走行用モータを制御するため、牽引車10は無人運転モードの場合に比較して高速で走行する。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)リトラクタブル装置26は、前輪16の片側に配設される支持ブラケット27に対して支持された平行四節リンク28の前側に、牽引車10の走行経路74に設けられたガイドテープGTを検出可能なガイドセンサ25と、停止表示部を検出する停止センサ60が支持されている。そして、平行四節リンク28は、上側リンク部材29の両軸30,31を結ぶ直線及び下側リンク部材32の両軸33,34を結ぶ直線が前後方向に延び、かつ上側リンク部材29の後側の軸31及び下側リンク部材32の後側の軸34が固定軸となるように構成されている。したがって、前輪16を交換する際に、タイヤを挟むように設けられたリンク機構を備えた従来技術と異なり、リトラクタブル装置26を取り外さずにタイヤの交換作業を容易に行うことができる。
(2)平行四節リンク28は、上側リンク部材29の両軸30,31間の中央より前側の位置に連結されるワイヤ37を介して操作レバー38と連結され、操作レバー38の操作により回動される。したがって、従来技術のようにリンク部材を回動させるパワーシリンダがタイヤの側方に配置された場合に比較して、リトラクタブル装置26の幅方向(牽引車10の幅方向)の長さを短くでき、ダブルタイヤ仕様の場合に、リトラクタブル装置26を一対のタイヤの間に配設することが可能になる。即ち、リトラクタブル装置の駆動部(平行四節リンク)の幅を狭くすることができ、シングルタイヤ仕様、ダブルタイヤ仕様の両方に対応することが可能になる。また、ワイヤ37をリンク部材29aの中央より後側に連結した場合に比較して、平行四節リンクを回動させる際のワイヤ37の移動量を多くして精度を高めることができるとともに、平行四節リンク28を上方へ回動させる際の操作力を小さくすることができる。
(3)ガイドセンサ25に接続されたワイヤハーネス61aは、平行四節リンク28より上方に向かって延びるように設けられるとともに、一部が上側リンク部材29に第1のクランプ63を介して固定され、かつ第1のクランプ63の固定位置が平行四節リンク28の回動時におけるワイヤハーネス61aの変位角度が小さくなる位置に設定されている。ワイヤハーネス61aの変位角度が小さくなるとは、ワイヤハーネス61aの曲率の変化が小さいことを意味する。したがって、平行四節リンク28の幅が狭くなることにより、ガイドセンサ25に接続されるワイヤハーネス61aの配置スペースの制約が大きくなるにもかかわらず、平行四節リンク28の回動時にワイヤハーネス61aに作用する負荷が小さくなって耐久性が向上する。
(4)上側リンク部材29及び下側リンク部材32は、それぞれ左右一組のリンク部材29a,29b及びリンク部材32a,32bが所定間隔を置いて軸30,31,33,34に支持されるとともに、ワイヤ37は上側リンク部材29の前方に向かって左側のリンク部材29aに連結されている。ワイヤハーネス61aは、上側リンク部材29の前方に向かって右側のリンク部材29bの前側端部と対応する位置に固定された第1のクランプ63により前側下方に向かって下降傾斜するようにクランプされている。また、右側のリンク部材29bの外側に配置されるとともに、ガイドセンサ25が作用位置に配置された状態で上側リンク部材29の後側の軸31より後方に固定された第2のクランプ65により、クランプ位置より後方では上方に向かって湾曲して延び、クランプ位置より前方では前方に向かって真っ直ぐに延びるようにクランプされている。したがって、上側リンク部材29及び下側リンク部材32が、上下一組のリンク部材29a,32aからなる構成に比較して、左右方向、即ち幅方向のがたつきが小さくなるとともに強度(剛性)が高くなる。また、ワイヤハーネス61aは変位の際に凸となる方向が逆転することがないため、ワイヤハーネス61aに対する負荷が小さくなる。
(5)上側リンク部材29を構成する左右一組のリンク部材29a,29bが互いに連結されている。したがって、リンク部材29a,29bが連結されていない構成に比較して、左右方向、即ち幅方向のがたつきが小さくなるとともに強度(剛性)が高くなる。
(6)平行四節リンク28の前側には、牽引車10の走行経路74に設けられて牽引車10の停止すべき位置を示す表示部を検出可能な停止センサ60がさらに支持されている。そして、ガイドセンサ用のワイヤハーネス61aと、停止位置センサ用のワイヤハーネス61bとは、第1のクランプ63を過ぎるまでは一体化されており、第1のクランプ63を過ぎてから分岐されている。したがって、ガイドセンサ用のワイヤハーネス61aと、停止位置センサ用のワイヤハーネス61bとを別々にクランプする構成に比較して、部品点数が少なくなるとともにワイヤハーネス61a,61b間あるいはワイヤハーネス61a,61bと平行四節リンク28との干渉を回避し易くなる。
(7)ワイヤ37は、上側リンク部材29を構成する左右一組のリンク部材29a,29bのうち、前方に向かって左側のリンク部材29aに連結され、ワイヤハーネス61a,61bが一体化された一体化部61cの前側は、第1のクランプ63を介して右側のリンク部材29bにクランプされている。そして、リンク部材29a,29bは、それぞれ異なる形状に形成されている。したがって、ワイヤ37、平行四節リンク28及びワイヤハーネス61a,61bがより干渉し難くなる。
(8)操作レバー38は手動で操作されるため、操作レバー38をパワーシリンダ等の駆動装置で駆動する構成に比較して構成が簡単になるとともに、設置スペースの確保も容易になる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ リトラクタブル装置26は、前輪16がシングルタイヤ仕様の場合に限らず、ダブルタイヤ仕様の前輪16に適用してもよい。ダブルタイヤ仕様の前輪16に適用する場合は、図8に示すように、支持ブラケット27が両タイヤ75の間の固定部76に固定される。
○ 無人運転モードにおいて牽引車10を所定の停止位置に停止させる場合、停止センサ60を設ける代わりに、アドレスセンサを設けてもよい。図9に示すように、アドレスセンサ77は、センサ支持ブラケット52に固定されたL字状の支持プレート78に取り付けられている。アドレスセンサ77は、停止センサ60と異なり、停止表示部が存在するか否かだけではなく、停止表示部(アドレス表示部)から停止位置のアドレスを検知可能に構成されており、停止センサ60に比較して長さが長くなる。アドレスセンサ77をガイドセンサ25と並べて前輪16の前方で左右方向に延びるように配置すると、アドレスセンサ77が安全バンパー73と干渉するため、アドレスセンサ77は、前輪16の側方で前後方向に延びる状態で配置される。アドレスセンサ77を設けた場合は、タイヤ交換の際に、支持プレート58及びアドレスセンサ77を前輪16と干渉しない位置に配置する必要がある。そのため、支持プレート58はセンサ支持ブラケット52と共に支持ロッド49を中心にして、上側にほぼ90度回動されて、前輪16と干渉しない位置に配置可能になっている。また、複数の停止位置の中からリモコン22の停止位置設定ボタン22cあるいは運転モード設定装置23の停止位置指定ボタン23aで停止位置を設定した後、発進ボタン22b又は発進ボタン23bを押すと、牽引車10は無人走行を開始した後、アドレスセンサ77が停止すべき表示部を検知した検知信号に基づいて停止される。
○ 上側リンク部材29を構成する左側のリンク部材29a及び右側のリンク部材29bは、互いに連結されていなくてもよい。しかし、互いに連結されている方が上側リンク部材29の左右方向のがたつきを抑制したり、強度を高めたりする効果が高くなる。
○ 平行四節リンク28は、必ずしも上側リンク部材29及び下側リンク部材32が、それぞれ左右一組のリンク部材29a,29b及びリンク部材32a,32bを、所定間隔を置いて軸30,31及び軸33,34に支持した構成に限らない。例えば、それぞれ、1つのリンク部材29a、リンク部材32aからなる構成とし、リンク部材29aの前側に平行四節リンク28の回動範囲を規制するストッパ部を設ける支持部が上方に向かって延びるように形成された構成であってもよい。しかし、それぞれ1つのリンク部材29a及びリンク部材32aからなる構成にする場合は、左右方向のがたつきを抑制するため及び強度を高めるために、各リンク部材29a,32aを厚くしたり、軸30,31,33,34を太くしたりする必要がある。また、一体化部61cをクランプする第1のクランプ63をリンク部材29aに固定する支持部材をリンク部材29aに設ける必要がある。
○ 平行四節リンク28の回動範囲を規制するための規制ボルト46bを設ける支持部29cは、リンク部材29aの前側に上方に向かって延びるとともに上部が屈曲した形状に限らない。例えば、支持部29cを真っ直ぐ延びる形状にするとともに、ストッパ部46aと当接する規制ボルト46bに代えて、ストッパ部46aと当接可能な係止部材を、支持部29cに形成された長孔に沿って位置調節可能に固定してもよい。
○ 平行四節リンク28を回動させる索はワイヤ37に限らず、チェーンや紐であってもよい。
○ ワイヤ37を介して平行四節リンク28を回動させる操作部としての操作レバー38は手動で操作される構成に限らず、駆動装置で操作される構成としてもよい。
○ リトラクタブル装置26は、少なくともガイドセンサ25を備えていればよく、停止センサ60やアドレスセンサ77は必ずしも必須ではない。例えば、牽引車10の停止位置の決定は、走行経路74の走行面に設けられた表示部を検出して行う方法に限らず、走行経路の側方に設けられた表示部をセンサで検出したり、走行距離に基づいて決定したりしてもよい。
○ 操舵ハンドルをバーハンドル18に代えて、ステアリングハンドルにしても良い。
○ 運転席14に座席を設けた座席タイプの牽引車に具体化しても良い。
○ 搬送車は牽引車10に限らず、荷を搬送する他の搬送車(例えば、ゴルフカートなど)に具体化しても良い。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)前記上側リンク部材を構成する左側のリンク部材及び右側のリンク部材は、互いに連結されている。
(2)前記操作部は手動により操作される操作レバーである。
一実施形態における牽引車の概略斜視図。 リトラクタブル装置と前輪との関係を示す概略斜視図。 平行四節リンクの概略斜視図。 リトラクタブル装置の断面図。 リトラクタブル装置を前方右側から見た概略斜視図。 平行四節リンクの概略斜視図。 牽引車、走行経路及び停止位置を示す模式図。 別の実施形態のリトラクタブル装置と前輪との関係を示す概略斜視図。 別の実施形態のガイドセンサ及びアドレスセンサの概略斜視図。 従来技術のリトラクタブル装置の概略斜視図。
符号の説明
GT…ガイド部材としてのガイドテープ、25…ガイドセンサ、26…リトラクタブル装置、27…支持ブラケット、28…平行四節リンク、29…上側リンク部材、29a,29b,32a,32b…リンク部材、30,31,33,34…軸、32…下側リンク部材、37…索としてのワイヤ、38…操作部としての操作レバー、61,61a,61b…ワイヤハーネス、63…第1のクランプ、65…第2のクランプ、74…走行経路、75…タイヤ。

Claims (2)

  1. 有人運転モード及び無人運転モードのいずれかの運転モードで、選択的に走行可能な搬送車におけるリトラクタブル装置であって、
    タイヤの片側に配設される支持ブラケットと、
    前記支持ブラケットに対して支持されるとともに、上側リンク部材の両軸を結ぶ直線及び下側リンク部材の両軸を結ぶ直線が前後方向に延び、かつ上側リンク部材の後側の軸及び下側リンク部材の後側の軸が固定軸となるように構成された平行四節リンクと、
    前記平行四節リンクの前側に支持されるとともに、搬送車の走行経路に設けられたガイド部材を検出可能なガイドセンサとを備え、
    前記平行四節リンクは、前記上側リンク部材の中間位置に連結される索を介して操作部と連結され、前記操作部の操作により回動可能に構成され、前記ガイドセンサに接続されたワイヤハーネスは、前記平行四節リンクより上方に向かって延びるように設けられるとともに、一部が前記上側リンク部材にクランプを介して固定され、かつ前記クランプの固定位置が前記平行四節リンクの回動時における前記ワイヤハーネスの変位角度が小さくなる位置に設定されており、
    前記上側リンク部材及び前記下側リンク部材は、それぞれ左右一組のリンク部材が所定間隔を置いて前記軸に支持されるとともに、前記索は前記上側リンク部材の前方に向かって左側のリンク部材に連結され、前記ワイヤハーネスは、前記上側リンク部材の前方に向かって右側のリンク部材の外側に配置されるとともに、前記ガイドセンサが作用位置に配置された状態においては、前記右側のリンク部材の前側端部と対応する位置に固定された第1のクランプにより前側下方に向かって下降傾斜するようにクランプされるとともに、上側リンク部材の後側の軸より後方に固定された第2のクランプにより、そのクランプ位置より後方では上方に向かって湾曲して延び、そのクランプ位置より前方では前方に向かって真っ直ぐに延びるようにクランプされていることを特徴とする搬送車におけるリトラクタブル装置。
  2. 前記平行四節リンクの前側には、搬送車の走行経路に設けられて搬送車の停止すべき位置を示す表示部を検出可能な停止位置センサがさらに支持され、前記ガイドセンサ用のワイヤハーネスと、前記停止位置センサ用のワイヤハーネスとは、前記第のクランプを過ぎるまでは一体化されており、前記第のクランプを過ぎてから分岐されている請求項に記載の搬送車におけるリトラクタブル装置。
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