JP5231688B1 - 内視鏡対物光学系 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、画像の十分な明るさを確保しながら近接観察することができる内視鏡対物光学系を提供することを目的とする。
本発明は、物体側から順に配置された前群、明るさ絞りおよび後群と、前記明るさ絞りと前記前群または前記後群との間の光路に前記明るさ絞り側に凸面を向けて挿脱可能なメニスカスレンズとからなる内視鏡対物光学系を提供する。
(1) 0.9 ≦ Fin/Fout ≦ 1.1
ただし、Finは前記メニスカスレンズが前記光路に挿入されているときの全系の焦点距離、Foutは前記メニスカスレンズが前記光路から退避しているときの全系の焦点距離である。
(2) 1.1 < FOVout/FOVin < 1.5
ただし、FOVoutは前記メニスカスレンズが前記光路から退避しているときの全画角、FOVinは前記メニスカスレンズが前記光路に挿入されているときの全画角である。
(3) 1.5 ≦ D/A ≦3
ただし、Aは前記明るさ絞りの内径、Dは前記メニスカスレンズの外径である。
条件式(3)は、明るさ絞りの内径に対するメニスカスレンズの外径を規定している。すなわち、条件式(3)を満たすことにより、明るさ絞りを通過させられる光束全体をメニスカスレンズに通過させつつ、メニスカスレンズのレンズ径を小さく抑えることができる。
(4) −0.1 ≦ P ≦0.1
ただし、Pは前記メニスカスレンズのパワーである。
(5) 0.7 ≦ L/Fout ≦ 1.4
ただし、Lは前記明るさ絞りを挟む前後のレンズの面間隔、Foutは前記メニスカスレンズが前記光路から退避しているときの全系の焦点距離である。
条件式(5)は、メニスカスレンズおよび該メニスカスレンズを駆動する駆動機構が配置される明るさ絞りの前後の空間の寸法を規定している。すなわち、条件式(5)を満たすことにより、全体の寸法を小さく抑えつつメニスカスレンズおよび駆動機構のための十分な空間を確保することができる。
このようにすることで、研磨加工によって製造されるメニスカスレンズと比べて、メニスカスレンズを容易にかつ安価に製造することができる。
このようにすることで、アーム部材がメニスカスレンズを保持するための枠部材が不要となり、メニスカスレンズの退避用の空間を小さくすることができる。
このようにすることで、十分な光量を十分に確保しつつ、明るさ絞りを通過する光束径を小さく抑えることによりメニスカスレンズのレンズ径を小さく抑えることができる。
このようにすることで、一体成形のメニスカスレンズと同等の光学性能を有するメニスカスレンズを、加工が容易な凹レンズや凸レンズから構成することができる。
本実施形態に係る内視鏡対物光学系1は、図1に示されるように、物体側から順に配置された前群FG、明るさ絞りSおよび後群BGと、前群FGと明るさ絞りSとの間の光路に挿脱可能に設けられたメニスカスレンズLmとを備えている。
後群BGは、物体側から順に、像側に凸面を向けた平凸レンズL2と、物体側に凸面を向けた平凸レンズL3とを備えている。
このようにすることで、一体のメニスカスレンズLmと同様の光学作用を有するメニスカスレンズLm’を安価に製造することができる。
実施例中に示すレンズデータにおいて、rは曲率半径(mm)、dは面間隔(mm)、ndはd線における屈折率、νdはd線におけるアッべ数、φはレンズ半径を示している。明るさ絞り(S)については、レンズ半径(mm)に代えて内径(絞り径)(mm)を示している。また、面番号に記載のOBJは物体面を示し、IMGは像面を示している。レンズデータおよび添付のレンズ断面図は、光路に挿入されたメニスカスレンズを含んでいる。
本発明の実施例1に係る内視鏡対物光学系は、図4に示されるように、前群が平行平板からなり、後群が物体側から順に像側に凸面を向けた平凸レンズと物体側に凸面を向けた平凸レンズとからなる。メニスカスレンズは、前群と明るさ絞りとの間に挿脱可能に設けられている。このように構成された実施例1に係る内視鏡対物光学系のレンズデータおよび各種データは以下に示す通りである。
面番号 r d nd νd φ
OBJ ∞ d0(可変) 10.727
1 ∞ 0.527 1.883 40.8 1.055
2 ∞ 0.148 1.055
3 −1.455 0.422 1.883 40.8 0.422
4 −1.569 0.063 0.422
5(S) ∞ 0.063 0.148
6 ∞ 0.904 1.883 40.8 1.055
7 −1.643 0.354 1.055
8 1.564 1.635 1.883 40.8 1.055
9 ∞ 0.000 1.055
IMG ∞ 0.000 0.653
通常観察 近接観察
d0 16.878 8.439
本発明の実施例2に係る内視鏡対物光学系は、図5に示されるように、前群が、物体側から順に、像側に凹面を向けた平凹レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとからなる発散レンズ系である。後群が、物体側から順に、像側に凸面を向けた平凸レンズと、2つの平行平板と、物体側に凸面を向けた平凸レンズと、平行平板とからなる収束レンズ系である。メニスカスレンズは、前群と明るさ絞りとの間に挿脱可能に設けられている。このように構成された実施例2に係る内視鏡対物光学系のレンズデータおよび各種データは以下に示す通りである。
面番号 r d nd νd φ
OBJ ∞ d0(可変) 9.944
1 ∞ 0.204 1.768 72.2 0.917
2 0.771 0.400 0.612
3 1.658 0.468 1.923 18.9 0.663
4 6.385 0.297 0.376
5 −2.144 0.204 1.883 40.8 0.255
6 −2.181 0.099 0.255
7(S) ∞ 0.031 0.122
8 ∞ 0.412 1.772 49.6 0.663
9 −1.058 0.051 0.663
10 ∞ 0.408 1.523 58.5 0.765
11 ∞ 0.031 0.765
12 ∞ 0.612 1.523 75.0 0.765
13 ∞ 0.424 0.765
14 4.279 0.877 1.523 64.1 1.019
15 ∞ 0.020 1.51 63.8 1.019
16 ∞ 0.408 1.611 50.2 1.019
IMG ∞ 0.000 0.930
通常観察状態 近接観察状態
d0 10.149 5.207
全系の焦点距離 1.000 0.959
本発明の実施例3に係る内視鏡対物光学系は、図6に示されるように、前群が、物体側から順に、像側に凹面を向けた平凹レンズと、平行平板と、両凸レンズとからなる。後群が、物体側から順に、像側に凸面を向けた平凸レンズと、2つの平行平板とからなる収束レンズ系である。メニスカスレンズは、明るさ絞りと後群との間に挿脱可能に設けられている。このように構成された実施例3に係る内視鏡対物光学系のレンズデータおよび各種データは以下に示す通りである。本実施例の内視鏡対物光学系は、FOVout/FOVin=1.14となり、条件式(2)を満たしている。
面番号 r d nd νd φ
OBJ ∞ d0(可変) 6.170
1 ∞ 0.359 1.883 40.8 1.032
2 0.919 0.470 0.688
3 ∞ 0.557 1.516 75.0 0.963
4 ∞ 0.126 0.963
5 2.116 1.544 2.00 28.3 0.963
6 −2.722 0.072 0.963
7(S) ∞ 0.055 0.165
8 1.092 0.275 1.883 40.8 0.310
9 0.919 0.138 0.310
10 ∞ 0.682 1.516 64.1 0.963
11 −2.124 0.373 0.963
12 ∞ 0.718 1.516 64.1 1.122
13 ∞ 0.018 1.51 64.1 1.122
14 ∞ 0.718 1.52 64.1 1.122
IMG ∞ 0.000 1.122
通常観察状態 近接観察状態
d0 11.011 4.129
全画角 120° 104.913°
本発明の実施例4に係る内視鏡用対物光学系は、図7に示されるように、前群が、像側に凹面を向けた平凹レンズからなる発散レンズ系である。後群が、物体側から順に、像側に凸面を向けた平凸レンズと、両凸レンズとメニスカスレンズとの接合レンズと、4枚の平行平板とからなる収束レンズ系である。メニスカスレンズは、前群と明るさ絞りとの間に挿脱可能に設けられている。このように構成された実施例4に係る内視鏡対物光学系のレンズデータおよび各種データは以下に示す通りである。
面番号 r d nd νd φ
OBJ ∞ d0(可変) 5.646
1 ∞ 0.223 1.768 71.7 0.847
2 0.831 0.404 0.562
3 1.873 0.264 1.883 40.8 0.239
4 1.845 0.039 0.239
5(S) ∞ 0.023 0.108
6 ∞ 0.330 0.108
7 ∞ 0.701 1.883 40.8 0.732
8 1.125 0.046 0.732
9 3.066 0.752 1.518 58.9 0.732
10 0.894 0.231 1.923 18.9 0.732
11 3.185 0.739 0.809
12 ∞ 0.239 1.523 58.6 0.963
13 ∞ 0.023 0.963
14 ∞ 0.239 1.51 75.0 0.963
15 ∞ 0.039 0.963
16 ∞ 0.385 1.516 64.1 1.046
17 ∞ 0.015 1.51 64.1 1.046
18 ∞ 0.501 1.506 50.2 1.046
19 ∞ 0.000 1.046
IMG ∞ 0.000 0.930
通常観察状態 近接観察状態
d0 6.933 2.927
全系の焦点距離 1.000 0.975
本発明の実施例5に係る内視鏡用対物光学系は、図11に示されるように、前群が、物体側から順に、像側に凹面を向けた平凹レンズと、両凸レンズとからなる。後群が、物体側から順に、両凸レンズとメニスカスレンズとの接合レンズと、3つの平行片板とからなる収束レンズ系である。メニスカスレンズは、明るさ絞りと後群との間に挿脱可能に設けられている。このように構成された実施例5に係る内視鏡対物光学系のレンズデータおよび各種データは以下に示す通りである。
面番号 r d nd νd φ
OBJ ∞ d0(可変) 4.993
1 ∞ 0.330 1.883 40.8 0.950
2 0.644 0.376 0.545
3 3.038 1.474 1.67 47.2 0.661
4 −1.172 0.025 0.661
5(S) ∞ 0.025 0.182
6 ∞ 0.124 0.190
7 0.885 0.248 1.883 40.8 0.314
8 0.766 0.628 0.314
9 3.332 1.105 1.729 54.7 0.925
10 −1.194 0.330 1.923 18.9 0.925
11 −3.244 0.083 1.008
12 ∞ 0.256 1.494 75.0 1.008
13 ∞ 0.556 1.008
14 ∞ 0.620 1.516 64.1 1.115
15 ∞ 0.008 1.51 64.1 1.115
16 ∞ 0.537 1.504 60.0 1.115
17 ∞ 0.000 1.115
IMG ∞ 0.000 0.997
通常観察状態 近接観察状態
d0 10.740 3.305
全画角 130° 105.8°
全系の焦点距離 1.000 1.015
本発明の実施例6に係る内視鏡用対物光学系は、実施例4のレンズ構成において、メニスカスレンズを、物体側の面(第3面)が非球面である成形レンズに代えたものであり、それ以外の構成は実施例4と同一である。このように構成された実施例6に係る内視鏡対物光学系のレンズデータおよび各種データは以下に示す通りである。
なお、非球面は下式によって定義される。
y=Cx2/[1+{1−(1+K)}1/2C2x2]+A1x4+A2x6+A3x8
面番号 r d nd νd φ
OBJ ∞ d0(可変) 5.721
1 ∞ 0.223 1.768 71.7 0.847
2 0.830 0.404 0.562
3*−1.873 0.263 1.883 40.8 0.239
4 −1.845 0.062 0.239
5(S) ∞ 0.023 0.108
6 ∞ 0.306 0.108
7 ∞ 0.701 1.883 40.8 0.731
8 −1.124 0.046 0.731
9 3.064 0.751 1.518 58.9 0.731
10 −0.894 0.231 1.923 18.9 0.731
11 −3.183 0.738 0.808
12 ∞ 0.239 1.523 58.6 0.962
13 ∞ 0.023 0.962
14 ∞ 0.239 1.51 75.0 0.962
15 ∞ 0.038 0.962
16 ∞ 0.385 1.516 64.1 0.962
17 ∞ 0.015 1.51 64.1 0.962
18 ∞ 0.500 1.506 50.2 1.046
19 ∞ 0.000 1.046
IMG ∞ 0.000 0.933
第3面
C=−1.873, K=24.858
A1=−0.701, A2=18.219, A3=−85.837
通常観察状態 近接観察状態
d0 6.933 2.927
FG 前群
BG 後群
S 明るさ絞り
Lm,Lm’ メニスカスレンズ
Claims (10)
- 物体側から順に配置された前群、明るさ絞りおよび後群と、
前記明るさ絞りと前記前群または前記後群との間の光路に前記明るさ絞り側に凸面を向けて挿脱可能なメニスカスレンズとからなる内視鏡対物光学系。 - 前記前群が、発散レンズ系であり、
前記後群が、収束レンズ系であり、
前記メニスカスレンズが、前記明るさ絞りと前記前群との間の光路に挿脱可能であり、
以下の条件式(1)を満たす請求項1に記載の内視鏡対物光学系。
(1) 0.9 ≦ Fin/Fout ≦ 1.1
ただし、
Fin:前記メニスカスレンズが前記光路に挿入されているときの全系の焦点距離、
Fout:前記メニスカスレンズが前記光路から退避しているときの全系の焦点距離
である。 - 前記後群が、収束レンズ系であり、
前記メニスカスレンズが、前記明るさ絞りと前記後群との間に挿脱可能であり、
以下の条件式(2)を満たす請求項1に記載の内視鏡対物光学系。
(2) 1.1 < FOVout/FOVin < 1.5
ただし、
FOVout:前記メニスカスレンズが前記光路から退避しているときの全画角、
FOVin:前記メニスカスレンズが前記光路に挿入されているときの全画角
である。 - 以下の条件式(3)を満たす請求項1に記載の内視鏡対物光学系。
(3) 1.5 ≦ D/A ≦3
ただし、
A:前記明るさ絞りの内径、
D:前記メニスカスレンズの外径
である。 - 前記メニスカスレンズが、以下の条件式(4)を満たす請求項1に記載の内視鏡対物光学系。
(4) −0.1 ≦ P ≦0.1
ただし、
P:前記メニスカスレンズのパワー
である。 - 以下の条件式(5)を満たす請求項1に記載の内視鏡対物光学系。
(5) 0.7 ≦ L/Fout ≦ 1.4
ただし、
L:前記明るさ絞りを挟む前後のレンズの面間隔、
Fout:前記メニスカスレンズが前記光路から退避しているときの全系の焦点距離
である。 - 前記メニスカスレンズが、成形レンズである請求項1に記載の内視鏡対物光学系。
- 前記メニスカスレンズを保持し該メニスカスレンズを前記光路に挿入される挿入位置と前記光路から退避する退避位置との間で移動させるアーム部材を備え、
該アーム部材が、前記メニスカスレンズと一体成形されている請求項7に記載の内視鏡対物光学系。 - 前記メニスカスレンズが前記光路から退避しているときの有効Fナンバーが、5以上である請求項1に記載の内視鏡対物光学系。
- 前記メニスカスレンズが、複数のレンズからなる請求項1に記載の内視鏡対物光学系。
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