以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[産業用ロボットの概略構成]
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の平面図であり、(A)は第1アーム4および第2アーム6が縮んでいる状態を示す図、(B)は第1アーム4が縮み、第2アーム6が伸びている状態を示す図である。図2は、図1に示す産業用ロボット1の側面図である。
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、半導体ウェハ等の所定の基板2を搬送するためのロボットである。このロボット1は、たとえば、複数の基板2が所定のピッチで積層されて収納されるカセット(図示省略)から複数の基板2を同時に搬出して、半導体製造システム(図示省略)を構成するとともに基板2が所定のピッチで積層されて収納される加熱炉の中へカセットから搬出した複数の基板2を搬入する。また、ロボット1は、加熱炉から複数の基板2を同時に搬出して、この搬出した複数の基板2をカセットの中へ搬入する。本形態では、カセットに収納される基板2のピッチと、加熱炉に収納される基板2のピッチとが異なっている。
図1、図2に示すように、ロボット1は、複数の基板2が搭載される基板搭載機構3と、基板搭載機構3の基端側を回動可能に支持する第1アーム4と、カセット内あるいは加熱炉内の基板2の収納状態を検出するためのセンシング用ハンド5と、センシング用ハンド5の基端側を回動可能に支持する第2アーム6と、第1アーム4および第2アーム6の基端側を回動可能に支持する旋回機構部7と、旋回機構部7を上下方向に移動可能に支持する本体部8とを備えている。
基板搭載機構3は、後述のように、所定のピッチで上下方向に重なるように配置されるハンドフォーク13〜17を有する複数のハンド18〜22を備えている。また、上述のように、本形態では、カセットに収納される基板2のピッチと、加熱炉に収納される基板2のピッチとが異なっているため、基板搭載機構3は、後述のように、複数のハンドフォーク13〜17間のピッチを変えるピッチ変更機構26を備えている。この基板搭載機構3の詳細な構成については後述する。
センシング用ハンド5は、その先端側(図1の左端側)に、発光素子と受光素子とからなる光学式のセンサを備えている。本形態のセンシング用ハンド5は、カセット等の内部に収納される基板2の傾きや出っ張りを検出するため、カセット等から基板2を搬出する前に、旋回機構部7等とともに上下動する。なお、図1の二点鎖線で示すように、センシング用ハンド5に基板2が搭載されて、センシング用ハンド5によって、カセットと加熱炉との間で基板2が搬送されても良い。
第1アーム4および第2アーム6は、2個の関節部を有し全体として伸縮するように構成されている。第1アーム4の基端側と第2アーム6の基端側とは、図1の上下方向で隣接するように、旋回機構部7に支持されている。本形態では、第1アーム4と第2アーム6とは、個別に伸縮する。
旋回機構部7は、第1アーム4および第2アーム6を支持する第1支持部9と、第1支持部9を支持する第2支持部10とを備えている。第2支持部10の内部には、第1支持部9を回動させるための旋回機構が収納されており、第1支持部9は、第2支持部10に回動可能に支持されている。また、本体部8は、旋回機構部7の第2支持部10が固定される昇降部材と、この昇降部材を昇降させる昇降機構とを備えている。
なお、本形態のロボット1は、センシング用ハンド5および第2アーム6を備えているが、ロボット1は、センシング用ハンド5および第2アーム6を備えていなくても良い。
[基板搭載機構の構成]
図3は、図1に示す基板搭載機構3を基端側から示す斜視図である。図4は、図3の基板搭載機構3を基端側の他方向から示す斜視図である。図5は、図3の基板搭載機構3からハンドフォーク13〜17等を取り外した状態を先端側から示す斜視図である。
以下の説明では、図3等に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とする。また、X1方向側は、基板搭載機構3の先端側であり、X2方向側は、基板搭載機構3の基端側であるため、以下の説明では、X1方向側を「先端」側または「前」側、X2方向側を「基端」側または「後(後ろ)」側とする。また、以下の説明では、Y1方向側を「右」側、Y2方向側を「左」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。さらに、以下の説明では、X方向とY方向とから形成される平面をXY平面、Y方向とZ方向とから形成される平面をYZ平面、Z方向とX方向とから形成される平面をZX平面とする。
なお、本形態では、X1方向は、カセットや加熱炉に基板2を搬入するための搬入方向であり、X2方向は、カセットや加熱炉から基板2を搬出するための搬出方向である。すなわち、前後方向(X方向)は搬送方向である。また、本形態の左右方向(Y方向)は、搬出方向(X2方向)と上下方向(Z方向)とに直交する直交方向である。
基板搭載機構3は、基板2が搭載される搭載部としてのハンドフォーク13〜17を有する5個のハンド18〜22を備えている。すなわち、本形態のロボット1では、5枚の基板2を同時に搬送することが可能になっている。5個のハンドフォーク13〜17は、図3、図4に示すように、所定のピッチで上下方向に重なるように配置されている。具体的には、5個のハンドフォーク13〜17は、略同じピッチで配置されている。また、図3、図4に示すように、ハンドフォーク13〜17は、上からハンドフォーク13、ハンドフォーク14、ハンドフォーク17、ハンドフォーク15、ハンドフォーク16の順番で重なるように配置されている。
また、基板搭載機構3は、第1アーム4に取り付けられるベース部材23と、ハンド18〜22に搭載された基板2を把持するための把持機構24と、把持機構24を構成する後述の把持部80が基板2を把持していることを検出するための検出機構25(図17参照)とを備えている。また、本形態のロボット1は、上述のように、ピッチが異なるカセットと加熱炉との間で基板2の搬送を行うため、基板搭載機構3は、ハンドフォーク13〜17間のピッチを変えるピッチ変更機構26を備えている。なお、基板搭載機構3の基端側は、図示を省略するカバーで覆われている。また、基板搭載機構3の基端側には、カバー内部の排気を行うためのファン(図示省略)と、ファンの排気側に取り付けられるフィルタ(図示省略)とが配置されている。
本形態では、上から3番目に配置されるハンドフォーク17を有するハンド22は、ベース部材23に固定されている。また、ハンドフォーク13〜16を有するハンド18〜21は、ベース部材23に対して上下方向に相対移動可能となっている。すなわち、ハンドフォーク13〜16は、ハンドフォーク17に対して相対移動可能となっている。そのため、基板搭載機構3は、ハンド18〜21のそれぞれを上下方向に案内するためのガイド部28〜31を備えている。
(ベース部材およびハンドの構成)
図6〜図9は、図3に示すハンド18〜22および第2ベース部材34の構成を説明するための斜視図である。図10は、図3に示すハンド18〜22および第2ベース部材34の構成を説明するための正面図である。
ベース部材23は、基板搭載機構3の底面となる平板状の第1ベース部材33(図3参照)と、第1ベース部材33の上面に固定される第2ベース部材34とを備えている。このベース部材23は、基板2の搬送時にハンド18〜22とともに搬送方向や上下方向に移動する。
第2ベース部材34は、図6〜図10に示すように、ZX平面に略平行な2個の起立部34a、34bを備えている。起立部34a、34bは、左右方向に所定の間隔をあけた状態で形成されている。右側に配置される起立部34aの右側面には、ガイド部28、29を構成する後述のガイドレール50が固定されるレール固定溝34cが形成され、左側に配置される起立部34bの左側面には、ガイド部30、31を構成する後述のガイドレール50が固定されるレール固定溝34dが形成されている。また、起立部34aの後端側の上端には、ピッチ変更機構26を構成する後述の第1レバー部材52が回動可能に取り付けられるレバー取付部34eが形成されている。
ハンドフォーク13〜17の先端側は、図3、図4に示すように、二股状に形成されている。また、ハンドフォーク13〜17の基端側も二股状に形成されている。また、ハンドフォーク13〜17の先端側には、把持機構24とともに基板2を把持するための基板端当接部材12が取り付けられている。
ハンド18は、ハンドフォーク13に加え、図6〜図10に示すように、ハンドフォーク13が固定される2個の固定部材35、36と、固定部材35、36を繋ぐ接続部材37とを備えている。同様に、ハンド19は、ハンドフォーク14に加え、ハンドフォーク14が固定される2個の固定部材38、39と、固定部材38、39を繋ぐ接続部材40とを備え、ハンド20は、ハンドフォーク15に加え、ハンドフォーク15が固定される2個の固定部材41、42と、固定部材41、42を繋ぐ接続部材43とを備え、ハンド21は、ハンドフォーク16に加え、ハンドフォーク16が固定される2個の固定部材44、45と、固定部材44、45を繋ぐ接続部材46とを備えている。また、ハンド22は、ハンドフォーク17に加え、ハンドフォーク17が固定される固定部材47を備えている。
固定部材35、36、44、45は、第2ベース部材34の前面側に配置され、接続部材37、46によって第2ベース部材34の前面側で接続されている。また、固定部材38、39、41、42は、第2ベース部材34の後面側に配置され、接続部材40、43によって第2ベース部材34の後面側で接続されている。また、固定部材35、38、42、45は、第2ベース部材34の右側に配置され、固定部材36、39、41、44は、第2ベース部材34の左側に配置されている。
固定部材35は、XY平面に略平行でハンドフォーク13の基端側が固定されるフォーク固定部35aと、YZ平面に略平行で接続部材37が固定される接続部材固定部35bと、ZX平面に略平行でガイド部28を構成する後述のガイドブロック51が固定されるブロック固定部35cとから構成されている。ブロック固定部35cは、上下方向を長手方向とする略長方形状に形成されている。フォーク固定部35aおよび接続部材固定部35bは、ブロック固定部35cの上端側に形成されている。また、フォーク固定部35aは、右側へ突出するように配置されている。
固定部材36は、XY平面に略平行でハンドフォーク13の基端側が固定されるフォーク固定部36aと、YZ平面に略平行で接続部材37が固定される接続部材固定部36bとから構成されている。フォーク固定部36aは、左側に突出するように配置されている。
接続部材37は、YZ平面に略平行で接続部材固定部35bおよび接続部材固定部36bに固定される接続部37aと、XY平面に略平行で把持機構24を構成する後述の軸部材87を保持する軸保持部37bとから構成され、上下方向から見たときの形状がT形状となるように形成されている。接続部37aは、第2ベース部材34の前面側に配置され、軸保持部37bは、第2ベース部材34の起立部34a、34bの間に配置されている。
固定部材38は、XY平面に略平行でハンドフォーク14の基端側が固定されるフォーク固定部38aと、YZ平面に略平行で接続部材40が固定される接続部材固定部38bと、ZX平面に略平行でガイド部29を構成する後述のガイドブロック51が固定されるブロック固定部38cと、XY平面に略平行でピッチ変更機構26を構成する後述の接続板70が固定される接続板固定部38dとから構成されている。ブロック固定部38cは、上下方向を長手方向とする略長方形状に形成されている。フォーク固定部38aおよび接続部材固定部38bは、上下方向におけるブロック固定部38cの中間位置に形成され、接続板固定部38dは、ブロック固定部38cの下端側に形成されている。また、フォーク固定部38aおよび接続板固定部38dは、右側へ突出するように配置されている。
固定部材39は、XY平面に略平行でハンドフォーク14の基端側が固定されるフォーク固定部39aと、YZ平面に略平行で接続部材40が固定される接続部材固定部39bとから構成されている。フォーク固定部39aは、左側に突出するように配置されている。
接続部材40は、YZ平面に略平行で接続部材固定部38bおよび接続部材固定部39bに固定される接続部40aと、XY平面に略平行で後述の軸部材87を保持する軸保持部40bとから構成され、上下方向から見たときの形状がT形状となるように形成されている。接続部40aは、第2ベース部材34の後面側に配置され、軸保持部40bは、第2ベース部材34の起立部34a、34bの間に配置されている。
固定部材41は、XY平面に略平行でハンドフォーク15の基端側が固定されるフォーク固定部41aと、YZ平面に略平行で接続部材43が固定される接続部材固定部41bと、ZX平面に略平行でガイド部30を構成する後述のガイドブロック51が固定されるブロック固定部41cとから構成されている。ブロック固定部41cは、上下方向を長手方向とする略長方形状に形成されている。フォーク固定部41aおよび接続部材固定部41bは、上下方向におけるブロック固定部41cの中間位置に形成されている。また、フォーク固定部41aは、左側へ突出するように配置されている。
固定部材42は、XY平面に略平行でハンドフォーク15の基端側が固定されるフォーク固定部42aと、YZ平面に略平行で接続部材43が固定される接続部材固定部42bとから構成されている。フォーク固定部42aは、右側に突出するように配置されている。
接続部材43は、YZ平面に略平行で接続部材固定部41bおよび接続部材固定部42bに固定される接続部43aと、XY平面に略平行で後述の軸部材87を保持する軸保持部43bとから構成され、上下方向から見たときの形状がT形状となるように形成されている。接続部43aは、第2ベース部材34の後面側に配置され、軸保持部43bは、第2ベース部材34の起立部34a、34bの間に配置されている。
固定部材44は、XY平面に略平行でハンドフォーク16の基端側が固定されるフォーク固定部44aと、YZ平面に略平行で接続部材46が固定される接続部材固定部44bと、ZX平面に略平行でガイド部31を構成する後述のガイドブロック51が固定されるブロック固定部44cとから構成されている。ブロック固定部44cは、上下方向を長手方向とする略長方形状に形成されている。フォーク固定部44aおよび接続部材固定部44bは、ブロック固定部41cの下端側に形成されている。また、フォーク固定部44aは、左側へ突出するように配置されている。
固定部材45は、XY平面に略平行でハンドフォーク16の基端側が固定されるフォーク固定部45aと、YZ平面に略平行で接続部材46が固定される接続部材固定部45bとから構成されている。フォーク固定部45aは、右側に突出するように配置されている。
接続部材46は、YZ平面に略平行で接続部材固定部44bおよび接続部材固定部45bに固定される接続部46aと、XY平面に略平行で後述の軸部材87を保持する軸保持部46bとから構成され、上下方向から見たときの形状がT形状となるように形成されている。接続部46aは、第2ベース部材34の前面側に配置され、軸保持部46bは、第2ベース部材34の起立部34a、34bの間に配置されている。
固定部材47は、XY平面に略平行でハンドフォーク17の基端側が固定される2個のフォーク固定部47aと、XY平面に略平行で後述の軸部材87を保持する軸保持部47bとから構成され、上下方向から見たときの形状が略T形状となるように形成されている。この固定部材47は、フォーク固定部47aが第2ベース部材34の前面側に配置されるように、第2ベース部材34に固定されている。また、フォーク固定部47aは、前側に突出している。
上述のように、固定部材35、36は、第2ベース部材34の前面側に配置され、固定部材38、39は、第2ベース部材34の後面側に配置されている。そのため、上下方向から見たときに、フォーク固定部35aとフォーク固定部38aとが前後方向にずれており、フォーク固定部36aとフォーク固定部39aとが前後方向にずれている。また、固定部材41、42は、第2ベース部材34の後面側に配置され、固定部材44、45は、第2ベース部材34の前面側に配置されている。そのため、上下方向から見たときに、フォーク固定部41aとフォーク固定部44aとが前後方向にずれており、フォーク固定部42aとフォーク固定部45aとが前後方向にずれている。
なお、フォーク固定部35aとフォーク固定部45aとは、上下方向で重なるように配置され、フォーク固定部38aとフォーク固定部42aとは、上下方向で重なるように配置されている。また、フォーク固定部36aとフォーク固定部44aとは、上下方向で重なるように配置され、フォーク固定部39aとフォーク固定部41aとは、上下方向で重なるように配置されている。
本形態では、フォーク固定部35a、36aの下面にハンドフォーク13が固定され、フォーク固定部38a、39aの下面にハンドフォーク14が固定されている。また、フォーク固定部41a、42aの上面にハンドフォーク15が固定され、フォーク固定部38a、39aの上面にハンドフォーク16が固定されている。さらに、フォーク固定部47aの上面にハンドフォーク17が固定されている。
(ピッチ変更機構およびガイド部の構成)
図11は、図3に示すピッチ変更機構26およびガイド部28〜31の構成を説明するための概略平面図である。図12は、図11のE−E方向からピッチ変更機構26およびガイド部28〜31の構成を説明するための概略図である。図13は、図11のF−F方向からピッチ変更機構26およびガイド部28〜31の構成を説明するための概略図である。図14は、図11のG−G方向からピッチ変更機構26およびガイド部28〜31の構成を説明するための概略図である。図15は、図11のH−H方向からピッチ変更機構26の構成を説明するための概略図である。
ガイド部28〜31は、第2ベース部材34に固定されるガイドレール50と、ガイドレール50に係合するガイドブロック51とから構成されている。
ガイド部28、29を構成するガイドレール50は、起立部34aのレール固定溝34cに前後方向で隣接するように固定されている。具体的には、ガイド部28を構成するガイドレール50がレール固定溝34cの前端側に固定され、ガイド部29を構成するガイドレール50がレール固定溝34cの後端側に固定されている。また、ガイド部30、31を構成するガイドレール50は、起立部34bのレール固定溝34dに前後方向で隣接するように固定されている。具体的には、ガイド部30を構成するガイドレール50がレール固定溝34dの後端側に固定され、ガイド部31を構成するガイドレール50がレール固定溝34dの前端側に固定されている。
図11に示すように、前後方向において、ガイド部28を構成するガイドレール50とガイド部31を構成するガイドレール50とが略同一位置に配置され、ガイド部29を構成するガイドレール50とガイド部30を構成するガイドレール50とが略同一位置に配置されている。
ガイド部28を構成するガイドブロック51は、ブロック固定部35cの左側面に固定され、ガイド部29を構成するガイドブロック51は、ブロック固定部38cの左側面に固定されている。また、ガイド部30を構成するガイドブロック51は、ブロック固定部41cの右側面に固定され、ガイド部31を構成するガイドブロック51は、ブロック固定部44cの右側面に固定されている。本形態では、ブロック固定部35c、38c、41c、44cのそれぞれには、上下方向に所定の間隔をあけた状態で配置される2個のガイドブロック51が固定されている。
ピッチ変更機構26は、ハンド18、19が連結される第1レバー部材52と、ハンド20、21が連結される第2レバー部材53と、第1レバー部材52を回動可能に支持する第1支点軸54と、第2レバー部材53を回動可能に支持する第2支点軸55と、ハンド18、19と第1レバー部材52との連結部となるハンド連結部56と、ハンド20、21と第2レバー部材53との連結部となるハンド連結部57と、第1レバー部材52および第2レバー部材53を回動させるための駆動機構58とを備えている。
第1支点軸54は、左右方向を軸方向として、第2ベース部材34のレバー取付部34eに固定されている。第2支点軸55は、図11に示すように、第2ベース部材34の起立部34bの後方で第1ベース部材33の上面に固定された軸支持部材59に、左右方向を軸方向として固定されている。本形態では、図11に示すように、前後方向において、第1支点軸54と第2支点軸55とは、略同一位置に配置されている。
第1レバー部材52は、図12に示すように、基板搭載機構3の上端側に配置されている。図11に示すように、第1レバー部材52の先端側は、ブロック固定部35c、38cの右側に配置され、第1レバー部材52の基端は、軸受を介して第1支点軸54に回動可能に支持されている。
第2レバー部材53は、図13に示すように、基板搭載機構3の下端側に配置されている。図11に示すように、第2レバー部材53の先端側は、ブロック固定部41c、44cの左側に配置されている。また、前後方向における第2レバー部材53の中間位置は、軸受を介して第2支点軸55に回動可能に支持されている。また、第2レバー部材53の基端は、第2レバー部材53と駆動機構58との連結部となるレバー連結部60を介して駆動機構58に連結されている。
ハンド連結部56、57は、左右方向を軸方向とする固定軸61と固定軸61に回転可能に支持されるローラ62とを有する突出部材(具体的には、カムフォロア)63と、ローラ62が係合する係合溝64aが形成されるガイド部材64とを備えている。ガイド部材64は、全体として略角溝形状に形成されている。
ハンド連結部56を構成するガイド部材64は、図12等に示すように、ブロック固定部35c、38cの上端側に固定されている。また、ハンド連結部57を構成するガイド部材64は、図13等に示すように、ブロック固定部41c、44cの下端側に固定されている。本形態では、係合溝64aの長手方向が前後方向と略一致するように、ブロック固定部35c、38c、41c、44cにガイド部材64が固定されている。
ハンド連結部56を構成する固定軸61は、図11、図12に示すように、第1レバー部材52の長手方向に沿って第1支点軸54から所定の距離だけ離れた位置に固定されている。本形態では、ハンド連結部56を構成する2本の固定軸61と第1支点軸54とは、図12に示すように、左右方向から見ると、略同一直線上に配置されている。また、この固定軸61は、第1レバー部材52から左方向に突出するように第1レバー部材52に固定されている。本形態では、ハンド18と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離は、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離の略2倍となっている。
ハンド連結部57を構成する固定軸61は、図11、図13に示すように、第2レバー部材53の長手方向に沿って第2支点軸55から所定の距離だけ離れた位置に固定されている。本形態では、ハンド連結部57を構成する2本の固定軸61と第2支点軸55とは、図13に示すように、左右方向から見ると、略同一直線上に配置されている。また、この固定軸61は、第2支点軸55よりも前側で第2レバー部材53に固定されるとともに、第2レバー部材53から右方向に突出するように第2レバー部材53に固定されている。本形態では、ハンド21と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離は、ハンド20と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離の略2倍となっている。
また、本形態では、ハンド18と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離と、ハンド21と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離とが略等しくなっている。すなわち、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離と、ハンド20と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離とが略等しくなっている。
駆動機構58は、駆動源となる1個のモータ65と、モータ65の動力で回転する1本のオネジ部材66と、オネジ部材66に係合するナット部材67と、ナット部材67が固定され上下方向に直線状に移動する直動部材68と、直動部材68を上下方向に案内するガイド部69と、直動部材68と固定部材38とを繋ぐ接続板70とを備えている。モータ65、オネジ部材66およびナット部材67は、基板搭載機構3の右基端側の隅に配置されている。また、直動部材68は、基板搭載機構3の基端側に配置されている。
モータ65の動力は、プーリ71およびベルト72を介してオネジ部材66に伝達されている。オネジ部材66は、第1ベース部材33の上面に固定される支持部材73(図15参照)に軸受等を介して回動可能に支持されている。ガイド部69は、支持部材73に固定されるガイドレール74と、直動部材68に固定されガイドレール74に係合するガイドブロック75とから構成されている。接続板70は、直動部材68の前端側に固定されるとともに、固定部材38の接続板固定部38dに固定されている。すなわち、ハンド19は、接続板70を介して直動部材68に固定されている。
第2レバー部材53と駆動機構58との連結部となるレバー連結部60は、左右方向を軸方向として第2レバー部材53の基端に固定される固定軸に回転可能に支持されるローラ76と、ローラ76が係合する係合溝77aが形成される係合部材77とを備えている。係合部材77は、直動部材68に固定されている。具体的には、直動部材68の左端側に形成された貫通孔に挿通されるボルト(図示省略)によって、係合部材77は直動部材68に固定されている。直動部材68に形成される貫通孔は、上下に長い長孔となっており、上下方向における直動部材68への係合部材77の固定位置を調整することが可能になっている。なお、ローラ76を回動可能に支持する固定軸と、ハンド連結部57を構成する2本の固定軸61と、第2支点軸55とは、図13に示すように、左右方向から見ると、略同一直線上に配置されている。また、ローラ76を回動可能に支持する固定軸とローラ76とによってカムフォロアが構成されている。
本形態では、ローラ76から第2支点軸55までの前後方向における距離は、ハンド20と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離と略等しくなっている。すなわち、ローラ76から第2支点軸55までの前後方向における距離は、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離と略等しくなっている。
以上のように構成されたピッチ変更機構26では、モータ65が回転して直動部材68が上昇すると、直動部材68とともに接続板70が上昇する。接続板70が上昇すると、接続板70が固定された固定部材38が上昇するため、固定部材38に固定されたガイド部材64に係合するローラ62が上昇して、第1レバー部材52の先端側が上昇するように、第1レバー部材52は第1支点軸54を支点にして回動する。すなわち、本形態では、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56は、第1レバー部材52の力点となっている。第1レバー部材52の先端側が上昇すると、固定部材35も上昇する。すなわち、直動部材68が上昇すると、ハンド18、19が上昇する。
一方、直動部材68とともに接続板70が下降すると、固定部材38が下降し、第1レバー部材52の先端側が下降するように、第1レバー部材52は第1支点軸54を支点にして回動する。第1レバー部材52の先端側が下降すると、固定部材35も下降する。すなわち、直動部材68が下降すると、ハンド18、19が下降する。
また、モータ65が回転して直動部材68が上昇すると、直動部材68とともに係合部材77が上昇する。係合部材77が上昇すると、第2レバー部材53の先端側が下降するように、第2レバー部材53は第2支点軸55を支点にして回動する。すなわち、本形態では、レバー連結部60は、第2レバー部材53の力点となっている。第2レバー部材53の先端側が下降すると、固定部材41、44も下降する。すなわち、直動部材68が上昇すると、ハンド20、21が下降する。
一方、直動部材68とともに係合部材77が下降すると、第2レバー部材53の先端側が上昇するように、第2レバー部材53は第2支点軸55を支点にして回動する。第2レバー部材53の先端側が上昇すると、固定部材41、44も上昇する。すなわち、直動部材68が下降すると、ハンド20、21が上昇する。
このように、本形態では、第1レバー部材52の力点が第1支点軸54よりも前側に配置され、第2レバー部材53の力点が第2支点軸55よりも後ろ側に配置されているため、第1レバー部材52および第2レバー部材53は、直動部材68の上下動に伴って互いに逆方向へ回動する。
また、本形態では、上述のように、前後方向において、第1支点軸54と第2支点軸55とは、略同一位置に配置されている。また、ローラ76から第2支点軸55までの前後方向における距離は、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離と略等しくなっている。すなわち、第1レバー部材52の力点から第1支点軸54までの距離と、第2レバー部材53の力点から第2支点軸55までの距離とが略等しくなっている。さらに、ハンド18と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離は、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離の略2倍となり、ハンド21と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離は、ハンド20と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離の略2倍となっている。さらにまた、ハンド18と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離と、ハンド21と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離とが略等しくなっている。
そのため、直動部材68が上昇したときのハンド18の上昇量とハンド21の下降量とが略等しく、かつ、ハンド19の上昇量とハンド20の下降量とが略等しい。また、直動部材68が上昇したときのハンド18の上昇量は、ハンド19の上昇量の略2倍であり、直動部材68が上昇したときのハンド21の下降量は、ハンド20の下降量の略2倍である。また、直動部材68が下降したときのハンド18の下降量とハンド21の上昇量とが略等しく、かつ、ハンド19の下降量とハンド20の上昇量とが略等しい。また、ハンド18の下降量は、ハンド19の下降量の略2倍であり、ハンド21の上昇量は、ハンド20の上昇量の略2倍である。
なお、本形態では、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作は、カセットと加熱炉との間における基板2の搬送中に行われる。すなわち、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作は、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載されている状態で行われる。
(把持機構の構成)
図16〜図18は、図3に示す把持機構24の構成を説明するための斜視図である。図19は、図3に示す把持機構24の構成を説明するための概略平面図である。
把持機構24は、ハンド18〜22に搭載される基板2に当接して基板2を把持するための複数の把持部80と、基板2を把持する把持方向へ把持部80を付勢する付勢部材としての複数の圧縮コイルバネ81とを備えている。本形態では、ハンド18〜22に搭載される基板2を個別に把持するため、把持機構24は、5個の把持部80と5個の圧縮コイルバネ81とを備えている。また、把持機構24は、5個の把持部80に当接して基板2から退避する退避方向へ把持部80を移動させる移動部材82と、移動部材82に連結され把持方向および退避方向へ移動部材82を駆動する駆動源としてのエアシリンダ83と、把持方向への把持部80の動きを規制する規制部材84とを備えている。なお、本形態では、X1方向が把持方向となり、X2方向が退避方向となる。
把持部80は、把持部80の先端側に配置され基板2に当接可能な2個の把持用ローラ85と、把持用ローラ85を回動可能に支持するローラ支持部86と、ローラ支持部86から把持部80の基端側に向かって伸びる2本の軸部材87と、2本の軸部材87の基端部を連結する連結部材88と、圧縮コイルバネ81に挿通されるバネ挿通軸89とを備えている。2個の把持用ローラ85は、左右方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。また、2本の軸部材87も左右方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。
本形態では、ハンド13、16、17に搭載される基板2を把持する把持部80の把持用ローラ85の配置ピッチと、ハンド14、15に搭載される基板2を把持する把持部80の把持用ローラ85の配置ピッチとが異なる。そのため、把持用ローラ85の配置ピッチの異なる2種類の把持部80を区別して表す場合には、ハンド13、16、17に搭載される基板2を把持する把持部80を「把持部80A」、ハンド14、15に搭載される基板2を把持する把持部80を「把持部80B」と表記する。
把持用ローラ85は、ハンドフォーク13〜17の基端側に配置されている。図18に示すように、把持部80Bの把持用ローラ85の配置ピッチは、把持部80Aの把持用ローラ85の配置ピッチよりも広くなっている。具体的には、上下方向から見たときに、把持部80Aの把持用ローラ85と、把持部80Bの把持用ローラ85とは重なっておらず、左右方向にずれている。
軸部材87の先端は、ローラ支持部86に固定され、軸部材87の基端は、連結部材88に固定されている。また、軸部材87は、接続部材37、40、43、46の軸保持部37b、40b、43b、46bおよび固定部材47の軸保持部47bに、前後方向に貫通するように形成される2個の挿通孔37c、40c、43c、46c、47c(図10参照)に挿通されている。この軸部材87は、前後方向にスライド可能となるように、挿通孔37c、40c、43c、46c、47cに挿通されている。なお、挿通孔37c、40c、43c、46c、47cの両端部には、軸部材87をスライド可能に支持する滑り軸受が取り付けられている。
バネ挿通軸89の先端は、ローラ支持部86に固定されている。また、バネ挿通軸89の基端側は、接続部材37、40、43、46の軸保持部37b、40b、43b、46bおよび固定部材47の軸保持部47bに、前後方向に貫通するように形成される貫通孔37d、40d、43d、46d、47d(図10参照)に挿入されている。この軸部材87は、前後方向にスライド可能となるように、貫通孔37d、40d、43d、46d、47dに挿入されている。また、バネ挿通軸89の先端側には、図19に示すように、圧縮コイルバネ81の先端が当接する当接段部89aが形成されている。
上述のように、挿通孔37c、40c、43c、46c、47cに軸部材87が挿通され、貫通孔37d、40d、43d、46d、47dにバネ挿通軸89が挿入されている。すなわち、把持部80は、接続部材37、40、43、46および固定部材47に保持されている。換言すると、把持部80は、ハンド18〜22のそれぞれに保持されている。そのため、挿通孔37c、40c、43c、46cに挿通される軸部材87および貫通孔37d、40d、43d、46dに挿入されるバネ挿通軸89は、ハンド18〜21と一緒に上下動する。すなわち、ハンドフォーク13〜16に搭載される基板2を把持するための把持部80は、ハンド18〜21と一緒に上下動する。
ハンド18に搭載される基板2を把持するための把持部80を付勢する圧縮コイルバネ81は、図19に示すように、その内周側にバネ挿入軸89の基端側が挿入された状態で、貫通孔37dの内部に配置されている。すなわち、圧縮コイルバネ81は、ハンド18に保持されている。圧縮コイルバネ81の基端は、貫通孔37dに形成された当接段部37eに当接している。同様に、他の4個の圧縮コイルバネ81も、その内周側にバネ挿入軸89の基端側が挿入された状態で、貫通孔40d、43d、46d、47dの内部に配置されている。すなわち、他の4個の圧縮コイルバネ81のそれぞれは、ハンド19〜22のそれぞれに保持されている。これらの圧縮コイルバネ81の基端は、貫通孔40d、43d、46d、47dに形成された当接段部(図示省略)に当接している。
エアシリンダ83は、第1ベース部材33の上面に固定された支持部材90に固定されている。具体的には、エアシリンダ83のロッドが基端側に向かって突出するように、支持部材90に固定されている。支持部材90には、図16に示すように、移動部材82を前後方向へ案内するためのガイド筒91が固定されている。
移動部材82は、エアシリンダ83のロッドが固定されるロッド固定部82aと、基板2から5個の把持部80を一緒に退避させる際に連結部材88に当接する第1当接部82bと、連結部材88の後面に当接可能な第2当接部82cとを備えている。ロッド固定部82aには、ガイド筒91の内周側を通過するガイド軸92が固定されている(図16参照)。
第1当接部82bは、上下方向を長手方向とする長方形状に形成されており、図18に示すように、左右方向において、2本の軸部材87の間に配置されている。具体的には、連結部材88に、その前面から後面に向かって窪む凹部が形成されており、第1当接部82bは、連結部材88の凹部の中に配置されている。また、第1当接部82bの上下方向の長さは、5個の連結部材88の全てに当接可能な長さとなっている。そのため、基板2から5個の把持部80を退避させる際には、第1当接部82bは、5個の連結部材88の凹部の底面に当接する。
第2当接部82cは、上下方向を長手方向とする長方形状に形成されており、図19等に示すように、連結部材88の後ろ側に配置されている。第2当接部82cの上下方向の長さは、5個の連結部材88の全てに当接可能な長さとなっている。本形態では、把持部80は、圧縮コイルバネ81によって、基板2を把持する把持方向に付勢されており、通常、把持部80は、圧縮コイルバネ81の付勢力で把持方向へ移動する。ただし、圧縮コイルバネ81等に不具合が生じて、圧縮コイルバネ81の付勢力で把持部80が把持方向へ円滑に移動しないときには、第2当接部82cが連結部材88の裏面に当接して、把持部80を把持方向へ移動させる。
ハンド18に搭載される基板2を把持する把持部80の動きを規制する規制部材84は、図19に示すように、接続部材37の軸保持部37bの後面に固定されており、接続部材37の後面から後方に向かって突出している。同様に、他の規制部材84も、接続部材40、43、46の軸保持部40b、43b、46bの後面および固定部材47の軸保持部47bの後面に固定されており、接続部材40、43、46の後面および固定部材47の後面から後方に向かって突出している。規制部材84は、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載されていない状態で、移動部材82が把持方向へ移動したときに、連結部材88の凹部に固定された当接ブロック93(図19参照)に当接して、把持方向へ向かう把持部80の動きを規制する。
以上のように構成された把持機構24では、圧縮コイルバネ81の付勢力で把持部80が基板2を把持する。このとき、前後方向において、第1当接部82bおよび第2当接部82cと連結部材88との間には隙間が形成されている。すなわち、把持部80が基板2を把持しているときには、移動部材82は、把持部80から離れている。
この状態で、エアシリンダ83のロッドが突出して移動部材82が後方へ移動すると、第1当接部82bが連結部材88に当接して、把持部80が基板2から退避する。また、把持部80が基板2から退避している状態で、エアシリンダ83のロッドが引っ込んで移動部材82が前方へ移動すると、圧縮コイルバネ81の付勢力で把持部80が前方へ移動して基板2に当接する。このとき、把持部80が基板2に当接するまでは、第1当接部82bは連結部材88に当接している。また、把持部80が基板2に当接した後も、第1当接部82bおよび第2当接部82cと連結部材88との間に隙間が形成されるように移動部材82はさらに前方へ移動する。すなわち、エアシリンダ83のストロークエンドになると、第1当接部82bおよび第2当接部82cと連結部材88との間に隙間が形成される。
上述のように、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作は、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載されている状態で行われる。具体的には、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載され、把持部80によって基板2が把持されている状態で、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作が行われる。そのため、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作が行われるときには、第1当接部82bおよび第2当接部82cと連結部材88との間に隙間が形成されている。すなわち、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作が行われるときには、移動部材82は、把持部80から離れている。
なお、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載されておらず、規制部材84が当接ブロック93に当接している状態でも、前後方向において、第1当接部82bおよび第2当接部82cと連結部材88との間には隙間が形成されている。
(検出機構の構成)
検出機構25は、図17に示すように、前後方向における5個の把持部80のそれぞれの位置を検出するための検出部としての5個のセンサ95を備えている。本形態のセンサ95は、発光素子と受光素子とが対向配置された光学式のセンサである。5個のセンサ95は、接続部材37、40、43、46の軸保持部37b、40b、43b、46bおよび固定部材47の軸保持部47bに所定の取付部材を介して固定されている。すなわち、センサ95は、ハンド18〜22のそれぞれに保持されている。そのため、軸保持部37b、40b、43b、46bに固定されるセンサ95は、ハンド18〜21と一緒に上下動する。
また、検出機構25は、センサ95の発光素子と受光素子との間を通過する被検出部としての検出板96を備えている。検出板96は、5個の連結部材88のそれぞれに固定または形成されている。すなわち、検出板96は、5個の把持部80のそれぞれに保持されている。そのため、ハンドフォーク13〜16に搭載される基板2を把持するための把持部80に固定される検出板96は、この把持部80と一緒に上下動する。
検出板96には、図19に示すように、スリット96aが形成されている。本形態では、把持部80が基板2を把持しているときに、このスリット96aがセンサ95の発光素子と受光素子の間に配置される。そのため、センサ95の受光素子が発光素子からの光を受光することで、把持部80によって基板2が把持されていることが検出される。
[本形態の主な効果]
以上説明したように、本形態では、ハンド18〜22に搭載される基板2を個別に把持するため、把持機構24は、5個の把持部80と5個の圧縮コイルバネ81とを備えている。また、把持部80および圧縮コイルバネ81のそれぞれは、ハンド18〜22のそれぞれに保持されている。そのため、ハンドフォーク13〜17の間のピッチを変えるためにハンド18〜21が上下動する場合であっても、上下動するハンド18〜21と一緒に把持部80および圧縮コイルバネ81も上下動する。したがって、本形態では、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作が行われる場合であっても、ハンド18〜22に搭載される基板2を適切に把持することができる。
本形態では、把持機構24は、把持部80に当接して退避方向へ5個の把持部80を一緒に移動させる移動部材82と、移動部材82に連結されたエアシリンダ83とを備えている。また、移動部材82は、把持部80が基板2を把持しているときに把持部80から離れており、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作が行われるときには、移動部材82が把持部80から離れている。そのため、ピッチ変更機構26によって、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作を行う際の把持部80と移動部材82との接触を防止しつつ、1つの移動部材82と1つのエアシリンダ83とを用いて、5個の把持部80を退避させることができる。したがって、本形態では、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作が行われる場合であっても、把持機構24の構成を簡素化することができる。
また、本形態では、把持部80が移動部材82に固定されていないため、把持部80および移動部材82を個別に取り外すことができる。したがって、本形態では、把持部80や移動部材82のメンテナンス作業が容易になる。
本形態では、把持部80を構成する軸部材87は、ハンド18〜22に形成される挿通孔37c、40c、43c、46c、47cにスライド可能に挿通されている。そのため、比較的簡易な構成で、ハンド18〜22に対して把持部80を前後方向にスライドさせることができる。また、ハンド18〜22に対して把持部80を前後方向に適切にスライドさせることができ、ハンド18〜22に搭載される基板2を適切に把持することが可能になる。
本形態では、把持機構24は、把持方向への把持部80の動きを規制する規制部材84を備えている。また、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載されておらず、規制部材84が当接ブロック93に当接している状態でも、前後方向において、第1当接部82bおよび第2当接部82cと連結部材88との間には隙間が形成されている。そのため、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載されておらず、把持部80が基板2に当接していない場合であっても、ピッチ変更機構26によって、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作を行う際に、把持部80と移動部材82との接触を防止することができる。
本形態では、移動部材82の第1当接部82bは、左右方向において、2本の軸部材87の間に配置されている。そのため、第1当接部82bが左右方向における軸部材87の外側に配置される場合と比較して、基板搭載機構3を左右方向で小型化することができる。
本形態では、移動部材82は、連結部材88の後面に当接可能な第2当接部82cを備えている。そのため、上述のように、圧縮コイルバネ81等に不具合が生じて、圧縮コイルバネ81の付勢力で把持部80が把持方向へ円滑に移動しない場合であっても、第2当接部82cが連結部材88の裏面に当接して、把持部80を把持方向へ移動させることができる。
本形態では、5個のセンサ95のそれぞれは、ハンド18〜22のそれぞれに保持され、5個の検出板96は、5個の把持部80のそれぞれに保持されている。そのため、ハンドフォーク13〜17の間のピッチを変えるために、ハンド18〜21が上下動する場合であっても、センサ95によって、把持部80が基板2を把持していることを適切に検出することができる。
本形態では、上下方向から見たときに、把持部80Aの把持用ローラ85と、把持部80Bの把持用ローラ85とは重なっておらず、左右方向にずれている。そのため、把持用ローラ85の上下方向の厚さが厚い場合であっても、上下方向における把持部80の距離を近づけることが可能になり、基板搭載機構3を上下方向で小型化することが可能になる。
本形態では、把持部80の先端側に配置される把持用ローラ85が基板2に当接して基板2を把持している。そのため、把持部80の先端側に配置される把持用突起(回転しない突起)が基板2に当接して基板2を把持する場合と比較して、把持用ローラ85が基板2に当接する際の摩擦抵抗を軽減することができる。したがって、圧縮コイルバネ81の付勢力を低減することができる。また、把持用突起が基板2に当接して基板2を把持する場合と比較して、塵埃の発生を抑制することができる。
[他の実施の形態]
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、移動部材82を駆動する駆動源は、エアシリンダ83であるが、移動部材82を駆動する駆動源は、油圧シリンダやモータ等であっても良い。また、上述した形態では、移動部材82に直接、エアシリンダ83が連結されているが、たとえば、円弧状に回動するレバー部材を介して、移動部材82がエアシリンダ83等の駆動源に連結されても良い。この場合には、たとえば、駆動源の動力でレバー部材が回動するとともに、回動するレバー部材が移動部材82に当接して、移動部材82が把持方向または退避方向へ移動する。
上述した形態では、ピッチ変更機構26は、第1レバー部材52と、第2レバー部材53と、第1支点軸54と、第2支点軸55と、ハンド連結部56、57とを備え、てこの原理を用いて、ハンド18〜21を昇降させている。この他にもたとえば、ピッチ変更機構26は、上述の特許文献1に記載の基板保持装置のように、駆動リンク部材と従動リンク部材とからなるクランク機構を用いて、ハンド18〜21を昇降させても良い。また、ピッチ変更機構26は、たとえば、特開2002−231787号公報に記載されているようなボールネジとナットとを用いて、ハンド18〜21を昇降させても良い。
上述した形態では、基板2を把持する把持方向へ把持部80を付勢する付勢部材は、圧縮コイルバネ81である。この他にもたとえば、把持方向へ把持部80を付勢する付勢部材は、板バネ等の他のバネ部材やゴム等の弾性部材であっても良い。また、上述した形態では、把持部80は、2本の軸部材87を備えているが、把持部80が備える軸部材87の数は、3本以上であっても良いし、1本であっても良い。
上述した形態では、センサ95は、光学式のセンサであるが、センサ95は、接点レバーと接点スイッチとを備える機械式のセンサであっても良い。
上述した形態では、移動部材82は、連結部材88の後面に当接可能な第2当接部82cを備えている。この他にもたとえば、圧縮コイルバネ81の付勢力で把持部80が把持方向へ確実に移動するのであれば、移動部材82は、第2当接部82cを備えていなくても良い。
上述した形態では、ロボット1は、5個のハンド18〜22を備えているが、ロボット1が備えるハンドの数は、2個、3個あるいは4個であっても良いし、6個以上であっても良い。また、上述した形態では、ロボット1に搬送される基板2は、たとえば、半導体ウェハであるが、基板2は、液晶ディスプレイ用ガラス基板や露光装置で使用されるマスク等であっても良い。