JP5228427B2 - 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、および体積ホログラムラベル - Google Patents

体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、および体積ホログラムラベル Download PDF

Info

Publication number
JP5228427B2
JP5228427B2 JP2007248694A JP2007248694A JP5228427B2 JP 5228427 B2 JP5228427 B2 JP 5228427B2 JP 2007248694 A JP2007248694 A JP 2007248694A JP 2007248694 A JP2007248694 A JP 2007248694A JP 5228427 B2 JP5228427 B2 JP 5228427B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
volume hologram
layer
present
laminate
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007248694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009080249A (ja
Inventor
実 阿座上
浩司 衛藤
浩幸 大滝
義人 前野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2007248694A priority Critical patent/JP5228427B2/ja
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to US12/528,840 priority patent/US8697314B2/en
Priority to GB1021828A priority patent/GB2475177B/en
Priority to GB0916376A priority patent/GB2459823B/en
Priority to GB1007319A priority patent/GB2468223B/en
Priority to CN200880006462.7A priority patent/CN101622582B/zh
Priority to PCT/JP2008/053560 priority patent/WO2008105510A1/ja
Priority to CN201310288722.7A priority patent/CN103472703B/zh
Publication of JP2009080249A publication Critical patent/JP2009080249A/ja
Priority to GB1007323A priority patent/GB2467468A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5228427B2 publication Critical patent/JP5228427B2/ja
Priority to US14/189,213 priority patent/US9529324B2/en
Priority to US15/350,528 priority patent/US10474099B2/en
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Holo Graphy (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を備える体積ホログラム積層体、および当該体積ホログラム積層体が用いられた体積ホログラム転写箔、体積ホログラムラベルに関するものである。
ホログラムは、波長の等しい二つの光(物体光と参照光)を干渉させて物体光の波面を干渉縞として感光材料に記録したものである。このホログラムに干渉縞記録時の参照光と同一条件の光を当てると干渉縞による回折現象が生じ、元の物体光と同一の波面が再生できる。ホログラムは、レーザー光またはコヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じる干渉縞の記録形態により、いくつかの種類(表面レリーフ型ホログラム、体積ホログラム等)に分類される。
表面レリーフ型ホログラムは、体積ホログラム層の表面に微細な凹凸パターンが賦型されることによりホログラムが形成されるものである。一方、体積ホログラムは光の干渉によって生じる干渉縞を、屈折率の異なる縞として感光材料の厚み方向に三次元的に記録することによりホログラムが形成されるものである。
ところで、上述したように体積ホログラムは、干渉縞が記録される際に用いられた参照光と同一の波長を有する光が照射されることによりホログラム像を再生できるものである。上記体積ホログラムは、ホログラム原版を用いて工業的に量産することが可能であるが、工業的に用いられるレーザー光は波長が限定されているのが現状である。このため、体積ホログラムとして記録されたホログラム像を再生する光についても波長が制限されてしまうことから、日常的なホログラムの利用態様において明るいホログラム像を再生することが困難であった。
このような問題点に対し、近年では、体積ホログラムを製造する際に、干渉縞が記録された体積ホログラム層に事後的な処理を施すことによって、当初記録された干渉縞の周期を変化させ、ホログラム像の再生波長を、干渉縞を記録する際に用いられた光の波長と異なるものにする方法が用いられている。すなわち、体積ホログラムの再生波長は体積ホログラム層に記録された干渉縞の周期と一致することから、体積ホログラム層に記録された干渉縞の周期を事後的に変化させることにより、干渉縞の周期を日常的に使用頻度の高い光の波長と一致とするように変化させるのである。このように事後的に体積ホログラム層に記録された干渉縞の周期を変化させる方法は、日常的な利用態様において明るいホログラム像を再生可能な体積ホログラム層を作製することができる点において有用である。
このようにホログラム像の再生波長を変化させる方法としては、数々の方法が知られているが、より一般的な方法としては、特許文献1に記載された方法を例示することができる。特許文献1には、モノマー及び/または可塑剤を含む層を、干渉縞が記録された体積ホログラム層に接触させ、加熱処理等を行うことにより上記モノマー及び/または可塑剤を体積ホログラム層に移行させて干渉縞の周期を増大させる方法が開示されている。このような方法は、確かに干渉縞の周期を増大させ、再生波長を長波長方向へシフトできる点において有用である。しかしながら、このような方法では干渉縞の周期の可変量が小さいという問題や、工程が煩雑になってしまうという問題点があった。
特開平3−46687号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、再生波長を制御して明るいホログラム像を再生可能であり、簡易な工程で製造可能な体積ホログラム積層体を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、基材と、上記基材上に形成され、光重合性化合物を含み、干渉縞が形成されることにより体積ホログラムが記録された体積ホログラム層、および上記体積ホログラム層に接するように形成され、透明樹脂を含有する樹脂層からなる体積ホログラム積層部と、を有する体積ホログラム積層体であって、上記樹脂層に干渉縞が形成されていることを特徴とする、体積ホログラム積層体を提供する。
本発明によれば、上記樹脂層にも干渉縞が形成されていることにより、上記体積ホログラム層および上記樹脂層に形成された干渉縞の周期をそれぞれ任意に制御することによって、任意の波長で明るいホログラム像を再生可能な体積ホログラム積層体を得ることができる。
また、本発明によれば上記樹脂層が上記体積ホログラム層に接するように形成されていることにより、例えば、上記樹脂層上に直接体積ホログラム層を形成した後、これらの層に同時に干渉縞を記録する方法によって本発明の体積ホログラム積層体を製造することができる。このため、本発明によれば簡易な工程で製造可能な体積ホログラム積層体を得ることができる。
このようなことから、本発明によれば再生波長を制御して明るいホログラム像を再生可能であり、簡易な工程で製造可能な体積ホログラム積層体を提供することができる。
本発明においては上記体積ホログラム層に形成された干渉縞の周期と、上記樹脂層に形成された干渉縞の周期とが異なることが好ましい。これにより、上記樹脂層および体積ホログラム層に形成された干渉縞の周期のいずれかと一致する波長の光によってホログラム像を再生可能になるため、複数の再生波長でホログラム像を再生可能になり、本発明の体積ホログラム積層体をより明るいホログラム像を再生可能なものにできるからである。
また本発明においては、可視光領域における透過率に2以上の極小透過波長を示すことが好ましい。これにより、本発明の体積ホログラム積層体を、さらに明るいホログラム像を再生可能なものにできるからである。
本発明は、上記本発明に係る体積ホログラム積層体と、上記体積ホログラム積層体の上記体積ホログラム積層部上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有することを特徴とする体積ホログラム転写箔を提供する。
本発明によれば、上記本発明に係る体積ホログラム積層体が用いられていることにより、上記体積ホログラム積層体における上記体積ホログラム層および上記樹脂層に形成された干渉縞の周期をそれぞれ任意に制御することによって、任意の波長で明るいホログラム像を再生可能な体積ホログラムを転写することが可能な、体積ホログラム転写箔を得ることができる。
本発明の体積ホログラム転写箔においては、上記体積ホログラム積層体の上記体積ホログラム積層部と上記基材との間に、離型層が形成されていることが好ましい。上記離型層が形成されていることにより、上記基材と上記体積ホログラム積層部との密着性を調整することができる結果、本発明の体積ホログラム転写箔から上記体積ホログラム積層部を転写させる際に、体積ホログラム積層部の剥離性を向上させることができるからである。
本発明は、上記本発明に係る体積ホログラム積層体と、上記体積ホログラム積層体の上記体積ホログラム積層部上に形成された接着層とを有することを特徴とする、体積ホログラムラベルを提供する。
本発明によれば、上記本発明に係る体積ホログラム積層体が用いられていることにより、上記体積ホログラム積層体における上記体積ホログラム層および上記樹脂層に形成された干渉縞の周期をそれぞれ任意に制御することによって、任意の波長で明るいホログラム像を再生可能な体積ホログラムを貼合することが可能な、体積ホログラムラベルを得ることができる。
本発明の体積ホログラム積層体は、再生波長を制御して明るいホログラム像を再生可能であり、簡易な工程で製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明の体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、および体積ホログラムラベルについて詳細に説明する。
A.体積ホログラム積層体
まず、本発明の体積ホログラム積層体について説明する。上述したように、本発明の体積ホログラム積層体は、基材と、上記基材上に形成され、光重合性化合物を含み、干渉縞が形成されることにより体積ホログラムが記録された体積ホログラム層、および上記体積ホログラム層に接するように形成され、透明樹脂を含有する樹脂層からなる体積ホログラム積層部と、を有するものであって、上記樹脂層に干渉縞が形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明の体積ホログラム積層体について図を参照しながら説明する。図1は本発明の体積ホログラム積層体の一例を示す概略図である。図1に例示するように、本発明の体積ホログラム積層体10は、基材1と、上記基材1上に形成された体積ホログラム層2a、および上記体積ホログラム層2aに接するように形成され、透明樹脂を含有する樹脂層2bからなる体積ホログラム積層部2と、を有するものである。
ここで、上記体積ホログラム層2aは光重合性化合物を含むものであり、干渉縞が形成されることによって体積ホログラムが記録されたものである。
このような例において、本発明の体積ホログラム積層体10は、上記樹脂層2bに干渉縞が形成されていることを特徴とするものである。換言すると、本発明の体積ホログラム積層体10は、上記体積ホログラム層2aおよび上記樹脂層2bの両方に干渉縞が形成されていることを特徴とするものである。
ここで、上記図1においては、本発明の体積ホログラム積層体として基材上に体積ホログラム層と、樹脂層とがこの順で積層された構成を有するものの例を示したが、本発明の体積ホログラム積層体はこのような構成に限定されるものではない。したがって、本発明の体積ホログラム積層体は、基材上に樹脂層と体積ホログラム層とがこの順で積層された構成を有するものであってもよい。
本発明によれば、上記樹脂層にも干渉縞が形成されていることにより、上記体積ホログラム層および上記樹脂層に形成された干渉縞の周期をそれぞれ任意に制御することによって、任意の波長で明るいホログラム像を再生可能な体積ホログラム積層体を得ることができる。
また、本発明によれば上記樹脂層が上記体積ホログラム層に接するように形成されていることにより、例えば、上記樹脂層上に直接体積ホログラム層を形成した後、これらの層に同時に干渉縞を記録する方法によって本発明の体積ホログラム積層体を製造することができる。このため、本発明によれば簡易な工程で製造可能な体積ホログラム積層体を得ることができる。
このようなことから、本発明によれば再生波長を制御して明るいホログラム像を再生可能であり、簡易な工程で製造可能な体積ホログラム積層体を提供することができる。
本発明の体積ホログラム積層体は、少なくとも基材および体積ホログラム積層部を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
1.体積ホログラム積層部
まず、本発明に用いられる体積ホログラム積層部について説明する。本発明に用いられる体積ホログラム積層部は、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、透明樹脂を含有する樹脂層とが互いに接するように積層されてなるものである。
1−1:樹脂層
まず、本発明に用いられる樹脂層について説明する。本発明に用いられる樹脂層は、透明樹脂を含有するものであり、干渉縞が形成されていることを特徴とするものである。
以下、このような樹脂層について説明する。
(1)干渉縞
上述したように、本発明に用いられる樹脂層は干渉縞が形成されていることを特徴とするものであるが、上記樹脂層に形成されている干渉縞の周期は、特に限定されるものではなく、後述する体積ホログラム層に形成されている干渉縞の周期等に応じて任意に決定することができる。
ここで、本発明に用いられる樹脂層に干渉縞が形成されていることは、樹脂層を厚み方向に切断した切片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより、確認することができる。
また、本発明において「干渉縞の周期」とは、隣接する明縞間あるいは隣接する暗縞間の距離を意味するものとする。干渉縞の周期は、断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真に撮影された干渉縞から、TEMの倍率に基づいて算出する方法の他、樹脂層の透過率の波長依存性を測定することによっても求めることができる。すなわち、樹脂層に入射された光のうち、干渉縞の周期と一致する波長の光は樹脂層中において屈折されてしまうことから、樹脂層の透過率の波長依存性は、干渉縞の周期と一致する波長において極小値を示すことになる。このため透過率の波長依存性における極小透過波長を求めることにより、上記干渉縞の周期を求めることができる。
なお、上記透過型電子顕微鏡を用いて周期を求める方法においては、撮影された干渉縞のうち、規則的な周期が明確に撮影された部分の平均周期をもって、上記樹脂層における干渉縞の周期を代表するものとする。
本発明に用いられる樹脂層に形成された干渉縞の周期は、樹脂層全体において一定であってもよく、あるいは、異なっていてもよい。干渉縞が複数の異なる周期を有する場合、異なる周期の干渉縞が形成されている態様としては、干渉縞の周期が連続的に変化するように形成されている態様であってもよく、あるいは、周期の異なる干渉縞が断続的に形成されている態様であってもよい。
また、本発明に用いられる樹脂層に形成されている干渉縞の周期は、後述する体積ホログラム層に形成されている干渉縞の周期と同一であってもよく、あるいは、異なっていてもよい。なかでも本発明においては樹脂層に形成されている干渉縞の周期と、後述する体積ホログラム層に形成されている干渉縞の周期とが異なっていることが好ましい。これにより、上記樹脂層および体積ホログラム層に形成された干渉縞の周期のいずれかと一致する波長の光によってホログラム像を再生可能になるため、複数の再生波長でホログラム像を再生可能になることから、本発明の体積ホログラム積層体をより明るいホログラム像を再生可能なものにできるからである。
上記樹脂層に形成されている干渉縞の周期と、後述する体積ホログラム層に形成されている干渉縞の周期とが異なっている場合、樹脂層に形成されている干渉縞の周期は、上記体積ホログラム層に形成された干渉縞の周期よりも大きくてもよく、あるいは、小さくてもよい。
ここで、本発明において、樹脂層に形成されている干渉縞の周期と、後述する体積ホログラム層に形成されている干渉縞の周期とが「異なる」とは、少なくとも両層の干渉縞の周期に3nm以上の差があることを意味するものである。
(2)透明樹脂
次に、上記透明樹脂について説明する。本発明に用いられる透明樹脂は所定の透明性を有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる透明樹脂は、分子量が比較的大きいものであることが好ましい。透明樹脂の分子量が大きい方がホログラム像の再生波長を、体積ホログラム層に干渉縞を記録される際に用いられた光の波長からより長波長側にシフトさせることが可能になるからである。より具体的には、本発明に用いられる透明樹脂の分子量は、5000〜1000000の範囲内であることが好ましく、なかでも5000〜500000の範囲内であることが好ましく、特に10000〜300000の範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる透明樹脂の具体例としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニル系樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等の各種合成樹脂類、またはそれらの2種以上の混合物、共重合体等の可塑性樹脂や、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂等の熱硬化性樹脂や、アクリレート系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、エステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂等の紫外線または電子線等の照射により硬化する電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂等を挙げることができる。
なお、本発明に用いられる透明樹脂は1種類のみであってもよく、あるいは、2種類以上であってもよい。
(3)任意の化合物
本発明に用いられる樹脂層には上記透明樹脂以外に、他の任意の化合物が含まれていてもよい。上記任意の化合物としては特に限定されるものではなく、本発明の体積ホログラム積層体の用途に応じて、樹脂層に所望の機能を付与できるものを任意に選択して用いることができる。なかでも本発明においては任意の化合物として、光重合性化合物および光重合開始剤系が含まれていることが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、上述したように本発明に用いられる樹脂層は干渉縞が形成されていることを特徴とするものであるが、上記透明樹脂のみでは干渉縞を形成することが困難である場合が多い。このため、樹脂層における干渉縞の形成に寄与する化合物として、光重合性化合物および光重合開始剤系が含まれていることが好ましいのである。
本発明に用いられる上記光重合性化合物としては、本発明に用いられる樹脂層への干渉縞形成に寄与するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、後述する体積ホログラム層に含まれる光重合性化合物と同様の化合物を用いることが好ましい。これにより、本発明の体積ホログラム積層体の製造工程をより簡略化することができるからである。
ここで、上記光重合性化合物については、後述する「1−2.体積ホログラム層」の項において詳述するため、ここでの説明は省略する。
また、上記光重合開始剤系としては、上記光重合性化合物の光重合反応を促進することができるものであれば特に限定されるものではなく、上記光重合性化合物の種類に応じて適宜選択して用いることができる。なかでも本発明においては、後述する体積ホログラム層に含まれる光重合開始剤系と同様の化合物を用いることが好ましい。これにより、本発明の体積ホログラム積層体の製造工程をより簡略化することができるからである。なお、このような光重合開始剤系についても、後述する「1−2.体積ホログラム層」の項において詳述するため、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる上記任意の化合物としては特に限定されるものではなく、本発明によって製造される体積ホログラム積層体の用途に応じて、樹脂層に所望の機能を付与できるものを任意に選択して用いることができる。このような任意の化合物としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤等を挙げることができる。本発明においてはこれらの化合物を単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、上記酸化防止剤としては例えばフェノール系、硫黄系、リン系等、紫外線吸収剤としては例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、シアノアクリレート系、ホルムアミジン系、オキザニリド系等、光安定剤としては例えばヒンダードアミン系、ニッケル錯体系等、熱安定剤としては例えばヒンダードフェノール系、硫黄系、ヒドラジン系等、可塑剤としては樹脂の種類にもよるが例えばフタル酸エステル系、リン酸エステル系、脂肪酸エステル系、脂肪族二塩基酸エステル系、オキシ安息香酸エステル系、エポキシ系、ポリエステル系等、滑剤としては例えば脂肪酸エステル系、脂肪酸系、金属石鹸系、脂肪酸アミド系、高級アルコール系、パラフィン系等、帯電防止剤としては例えばカチオン系、アニオン系、ノニオン系、両イオン系等、難燃剤としては例えば臭素系、リン系、塩素系、窒素系、アルミニウム系、アンチモン系、マグネシウム系、硼素系、ジルコニウム系等、充填剤としては例えば炭酸カルシウム、滑石、蝋石、カオリン等をそれぞれ挙げることができる。
(4)樹脂層
本発明に用いられる樹脂層の厚みは、上記透明樹脂の種類等に応じて本発明の体積ホログラム積層体を、所望の波長で明るいホログラム像を再生可能なものにできる範囲であれば特に限定されるものではない。例えば、上記樹脂層の厚みが大きい程、体積ホログラム層に干渉縞を記録される際に用いられた光の波長からより長波長側にシフトさせることが可能になることから、上記樹脂層の厚みは再生波長を所望の範囲内にできるように、適宜調整することができる。なかでも本発明においては、上記樹脂層の厚みが0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特に0.5μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、さらに0.5μm〜3μmの範囲内であることが好ましい。
1−2.体積ホログラム層
次に、本発明に用いられる体積ホログラム層について説明する。本発明に用いられる体積ホログラム層は、光重合性化合物を含み、干渉縞が形成されることによって体積ホログラムが記録されていることを特徴とするものである。
以下、このような体積ホログラム層について説明する。
(1)干渉縞
上述したように、本発明に用いられる体積ホログラム層は干渉縞が形成されているものであるが、体積ホログラム層に形成された干渉縞の周期は、体積ホログラム層全体において一定であってもよく、あるいは、異なっていてもよい。また、干渉縞が複数の異なる周期を有する場合、異なる周期の干渉縞が形成されている態様としては、干渉縞の周期が連続的に変化するように形成されている態様であってもよく、あるいは、周期の異なる干渉縞が断続的に形成されている態様であってもよい。
本発明に用いられる体積ホログラム層に形成されている干渉縞の周期は、上述した樹脂層に形成されている干渉縞の周期と同一であってもよく、あるいは、異なっていてもよい。なかでも本発明においては上述した樹脂層に形成されている干渉縞の周期と、体積ホログラム層に形成されている干渉縞の周期とが異なっていることが好ましい。これにより、上記樹脂層および体積ホログラム層に形成された干渉縞の周期のいずれかと一致する波長の光によってホログラム像を再生可能になる。このため、複数の再生波長でホログラム像を再生可能になることから、本発明の体積ホログラム積層体をより明るいホログラム像を再生可能なものにできるからである。
なお、上述した樹脂層に形成されている干渉縞の周期と、体積ホログラム層に形成されている干渉縞の周期とが異なっている態様については、上記「1−1.樹脂層」の項において、樹脂層に形成されている干渉縞の態様として説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明に用いられる体積ホログラム層に形成された干渉縞の具体的な周期は、可視光領域の波長に相当するものとされる。
(2)光重合性化合物
次に、上記体積ホログラム層に含まれる光重合性化合物について説明する。本発明に用いられる光重合性化合物としては、所定の光が照射されることによって重合反応を進行させることができ、体積ホログラム層に干渉縞を形成することが可能なものであれば特に限定されるものではないが、通常、少なくともラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物の少なくとも一方が用いられる。なかでも本発明においては、鮮明なホログラム像を記録することが可能になるという観点から、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物とを併用することが好ましい。
さらに、上記光重合性化合物としてラジカル重合性化合物を用いる場合は、当該ラジカル重合性化合物の重合反応を開始させるために、光ラジカル重合開始剤系と共に用いられる。一方、光重合性化合物としてカチオン重合性化合物を用いる場合、同様の理由により光カチオン重合開始剤系と共に用いられる。したがって、上記光重合性化合物としてラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物とを用いる場合は、光ラジカル重合開始剤系および光カチオン重合開始剤系が用いられることになる。
なお、本発明における体積ホログラム層は、既に体積ホログラムが記録されたものであるため、上記光重合性化合物は重合物として体積ホログラム層に含有されることになる。
以下、本発明に用いられるラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、光ラジカル重合開始剤系、および、光カチオン重合開始剤系について順に説明する。
(カチオン重合性化合物)
まず、本発明に用いられるカチオン重合性化合物について説明する。本発明に用いられるカチオン重合性化合物は、エネルギー照射を受け、後述する光カチオン重合開始剤系の分解により発生したブレンステッド酸あるいはルイス酸によってカチオン重合する化合物である。
ここで、体積ホログラム層の形成は、例えば、目的とするホログラム像の形状にレーザーを照射して、後述するラジカル重合性化合物を重合させた後、全面にエネルギーを照射することにより、カチオン重合性化合物等の未硬化の物質を重合させることによって行われる。このとき、ホログラム像を形成する際のレーザー等と、全面にエネルギー照射されるエネルギーとは、通常、異なる波長のものが用いられることから、本発明に用いられるカチオン重合性化合物は、ホログラム像を形成する際に用いられる光源の波長で重合しない化合物であることが好ましい。
また、上記ラジカル重合性化合物の重合が、比較的低粘度の組成物中で行われることが好ましいという点から、本発明に用いられるカチオン重合性化合物は、常温で液状であることが好ましい。
このようなカチオン重合性化合物としては、例えば「ケムテク・オクト・(Chemtec.Oct.)」J.V.クリベロ(J.V.Crivello)、第624頁(1980)、特開昭62−149784号公報、日本接着学会誌[第26巻、No.5、第179−187頁(1990)]等に記載されているような化合物を挙げることができる。
具体的には、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、パラターシャリーブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,6−ジメチロールパーフルオロヘキサンジグリシジルエーテル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3´,4´−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシラン、1,2,5,6−ジエポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3´,4´−エポキシ−1,3−ジオキサン−5−スピロシクロヘキサン、1,2−エチレンジオキシ−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメタン)、4´,5´−エポキシ−2´−メチルシクロヘキシルメチル−4,5−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレングリコール−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ−2,3−エポキシシクロペンチルエーテル、ビニル−2−クロロエチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、および、下記式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005228427
Figure 0005228427
なお、上記式においてnは1〜5の整数を表す。また、mは3もしくは4であり、Rはエチル基もしくはヒドロキシメチル基を表す。
本発明においては、これらのいずれのカチオン重合性化合物であっても好適に用いることができるが、なかでも1分子あたり3官能以上の重合性官能基を有するカチオン重合性化合物を使用することが好ましい。これにより、体積ホログラム層を架橋密度の高いものとすることができることから、体積ホログラム層の箔切れを良好なものとすることができるからである。
本発明に用いられるカチオン重合性化合物は1種類のみであってもよく、あるいは、2種以上であってもよい。
(ラジカル重合性化合物)
次に、本発明に用いられるラジカル重合性化合物について説明する。本発明に用いられるラジカル重合性化合物は、体積ホログラム層を形成する際に、例えばレーザー照射等によって、後述する光ラジカル重合開始剤系から発生した活性ラジカルの作用により重合する化合物であれば、特に限定されるものではないが、本発明においては、分子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有するものが好ましい。
ここで、体積ホログラム層は、例えばレーザー光またはコヒーレンス性の優れた光等によってラジカル重合性化合物を重合させて干渉縞を形成し、ホログラム像を形成するものである。したがって、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物は、通常、それぞれにおける屈折率が異なるものが選択されて用いられるものである。本発明においては、上記ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物との屈折率の大小関係は特に限定されるものではないが、なかでも材料選択性の面からラジカル重合性化合物の平均の屈折率が上記カチオン重合性化合物より大きいものであることが好ましく、具体的には、平均の屈折率が0.02以上大きいことが好ましい。これは、ラジカル重合性化合物と上記カチオン重合性化合物との平均の屈折率の差が上記値より低い場合には、屈折率変調が不十分となり、高精細な像を形成することが困難となるからである。
なお、ここでいう平均の屈折率とは、カチオン重合性化合物またはラジカル重合性化合物を重合させた後の重合体について測定する屈折率の平均値をいう。また、本発明の屈折率は、アッベ屈折計により測定された値を意味するものとする。
本発明に用いられるラジカル重合性化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、N−アクリロイルモルホリン、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、イソボニルアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、スチレン、2−ブロモスチレン、2−フェノキシエチルアクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、2,3−ナフタレンジカルボン酸(アクリロキシエチル)モノエステル、メチルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、β−アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ベンジルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、2,3−ジブロムプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ビス〔2−アクリロキシ−3−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)プロポキシ〕ベンゼン、N−ビニルカルバゾール、2−(9−カルバゾリル)エチルアクリレート、ジフェン酸(2−メタクリロキシエチル)モノエステル、ジフェン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステル、2,3−ナフタリンジカルボン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステル、4,5−フェナントレンジカルボン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステル、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)メタン、ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシジプロポキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジメチル)フルオレン、ジエチレンジチオグリコールアクリレート、トリフェニルメチルチオアクリレート、2−(トリシクロ(5,2,102,6)ジブロモデシルチオ)エチルアクリレート、S−(1−ナフチルメチル)チオアクリレート、ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)スルホン、ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)スルホン、および上記における「アクリレート」を「メタクリレート」に、「アクリロキシ」が「メタクリロキシ」に変えた化合物、さらに特開昭61−72748号公報に開示されている硫黄含有アクリル化合物を使用することもでき、例えば、4,4′−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン、4,4′−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン、4,4′−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルケトン、2,4−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン、および上記における「アクリロイル」が「メタクリロイル」に変えた化合物や、特開平2−247205号公報や特開平2−261808号公報に開示されているような分子内に少なくともS原子を2個以上含む、エチレン性不飽和二重結合含有化合物が挙げられ、これらを1種または2種以上混合して用いることができる。
(光ラジカル重合開始剤系)
次に、本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤系について説明する。本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤系は、体積ホログラム層を形成する際に、照射される光によって、活性ラジカルを生成し、上記ラジカル重合性化合物を重合させることが可能な開始剤系であれば、特に限定されるものではない。このような光ラジカル重合開始剤系としては、例えば、米国特許第4,766,055号、同第4,868,092号、同第4,965,171号、特開昭54−151024号公報、同58−15,503号公報、同58−29,803号公報、同59−189,340号公報、同60−76735号公報、特開平1−28715号公報、特願平3−5569号及び「プロシーディングス・オブ・コンフェレンス・オン・ラジエーション・キュアリング・エイジア」 (PROCEEDINGS OF CONFERENCE ON RADIATION CURING ASIA)」(P.461〜477、1988年)等に記載されている開始剤系等を挙げることができる。
(光カチオン重合開始剤系)
次に、本発明に用いられる光カチオン重合開始剤系について説明する。本発明に用いられる光カチオン重合開始剤系は、エネルギー照射によりブレンステッド酸やルイス酸を発生し、上記カチオン重合性化合物を重合させるものであれば、特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、特に上記ラジカル重合性化合物を重合させるレーザーやコヒーレンス性の優れた光等に対しては反応せず、その後全面に照射されるエネルギーによって感光する低感光性のものであることが好ましい。これにより、上記ラジカル重合性化合物が重合する際、カチオン重合性化合物がほとんど反応しないまま存在させることができ、体積ホログラム層における大きな屈折率変調が得られるからである。
ここで、レーザー光やコヒーレンス性の優れた光に対して、低感光性である光カチオン重合開始剤とは、以下の条件で熱分析を行った際、光カチオン重合開始剤系によって開始された光重合に起因するDSC値の最大値が測定試料1mgあたり500mW以下(0mWを含む)であるものを指すものとする。
(測定条件)
測定装置:セイコー電子工業(株)製SSC5200H熱分析システムにおいて示差走査熱計量DSC220と光源装置UV−1を使用。
測定試料:対象となる光カチオン重合開始剤系をユニオンカーバイド社製UVR−6110(カチオン重合性化合物)に対して3質量%溶解させることにより調製(有機溶剤を加えて溶解させた後に有機溶剤を蒸発させてもよい。)。
照射光:干渉フィルター(半値幅約10nm)を使用してレーザー光またはコヒーレンス性の優れた光と同程度に調節した光を200mJ/cm照射。
このような光カチオン重合開始剤系としては、例えば「UV硬化;科学と技術(UV Curing:Science and Technology)」、第23〜76頁、エス・ピーター・パーパス(S.Peter Pappas)編集、ア・テクノロジー・マーケッティング・パブリケーション(A Technology Marketing Publication)および「コメンツ・インオーガニック・ケミストリ(Coments Inorg. Chem.)」、ビー・クリンゲルト、エム・リーディーカーおよびエイ・ロロフ(B. Klingert,M.Riediker and A.Roloff)、第7巻、第3号、第109〜138頁(1988年)などに記載されているもの等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、上記の中でもジアリールヨードニウム塩類で好ましいものとしては上述した光ラジカル重合開始剤系で示したヨードニウムのテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセンスルホネートなどが挙げられる。トリアリールスルホニウム塩類で好ましいものとしては、トリフェニルスルホニウム、4−ターシャリーブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、4−チオフェニルトリフェニルスルホニウムなどのスルホニウムのテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネートおよびヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート等が挙げられる。
なお本発明においては、上記光ラジカル重合開始剤系あるいは光カチオン重合開始剤系として、上記光ラジカル重合開始剤系としての性質と光カチオン重合開始剤系としての性質とを有する開始剤系を用いてもよい。このような開始剤系としては、例えば、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、トリアジン化合物、鉄アレーン錯体等が例示される。具体的には、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム等のヨードニウムのクロリド、ブロミド、ホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム、4−t−ブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム等のスルホニウムのクロリド、ブロミド、ホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩等のスルホニウム塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等の2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン化合物等が挙げられる。
(3)任意の化合物
本発明に用いられる体積ホログラム層には、上述した光重合性化合物以外に他の任意の化合物が含まれていてもよい。本発明に用いられる任意の化合物としては、本発明の体積ホログラム積層体の用途等に応じて、体積ホログラム層に所望の機能を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような任意の化合物としては、例えば、増感色素、微粒子、熱重合防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、着色剤、および、高分子結合剤等を挙げることができる。なかでも本発明においては、特にバインダー樹脂、微粒子、および、増感色素を含有することが好ましい。バインダー樹脂を用いることによって、体積ホログラム層を均一にすることができ、また上記ラジカル重合性化合物の重合により形成された像を保つことが可能となるからである。また、微粒子を用いることによって、体積ホログラム層に所望の箔切れ性を容易に付与することができるからである。さらに、上記光重合性化合物は紫外線に活性であるものが多いが、増感色素を用いることによって可視光にも活性となり、可視レーザー光を用いて干渉縞を記録することが可能となるからである。
上記バインダー樹脂としては、例えば、ポリメタアクリル酸エステルまたはその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニルまたはその加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾールまたはその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドンまたはその誘導体、スチレンと無水マレイン酸との共重合体またはその半エステル等を挙げることができる。また、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、および酢酸ビニル等の共重合可能なモノマーからなる郡から選択される少なくとも1種のモノマーを重合させてなる共重合体を使用することもできる。さらに、1種または2種以上の混合物を用いることもできる。
また、本発明においては上記バインダー樹脂としてオリゴマータイプの硬化性樹脂を使用することもできる。このような樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ノボラック、o−クレゾールノボラック、p−アルキルフェノールノボラック等の各種フェノール化合物とエピクロロヒドリンとの縮合反応により生成されるエポキシ化合物等を挙げることができる。
さらに、上記バインダー樹脂として、ゾル‐ゲル反応を利用した有機−無機ハイブリッドポリマーを使用することもできる。このような樹脂としては、例えば、下記一般式(1)で表される重合性基を有する有機金属化合物とビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。
R’M(OR’’) (1)
(ここで、MはSi、Ti、Zr、Zn、In、Sn、Al、Se等の金属、R’は炭素数1〜10のビニル基または(メタ)アクリロイル基、R’’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは金属Mの価数である)。
金属MとしてSiを使用する場合の有機金属化合物の例としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリアリルオキシシラン、ビニルテトラエトキシシラン、ビニルテトラメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、上記ビニルモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等を挙げることができる。
ここで、体積ホログラムは、干渉縞が屈折率変調または透過率変調として記録され形成されるものである。よって、バインダー樹脂と上記光重合性化合物との屈折率差が大きいことが好ましい。本発明においては、バインダ樹脂と光重合性化合物との屈折率差を大きくするために、下記一般式(2)で表される有機金属化合物を添加することもできる。
M’(OR’’’) (2)
(ここで、M’はTi、Zr、Zn、In、Sn、Al、Se等の金属、R’’’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、kは金属Mの価数である)。
上記(2)式で表される化合物を添加すると、水、酸触媒の存在下でゾルゲル反応により、バインダー樹脂と網目構造を形成するため、バインダ樹脂の屈折率を高くするたけでなく、層の強靭性、耐熱性を向上させる効果がある。よって、光重合性化合物との屈折率差を大きくするには、金属M´は高い屈折率を有するものを使用することが好ましい。
上記微粒子としては、上記の粒径を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば樹脂骨格として低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、(メタ)アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エポキシまたはウレタンや、これらのコポリマーを含む有機微粒子や、シリカ、マイカ、タルク、クレー、グラファイト、炭酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、フェライト、チャイナクレー、カオリン、二酸化チタン、ガラスフレーク、アスベスト、ろう石粉、けい石粉、硫酸バリウム、シェルベン、シャモット、チタニア等の無機粒子等を用いることができ、これらの微粒子を1種、または2種以上混合して使用してもよい。
上記増感色素としては、干渉縞を記録する際に使用するレーザー光波長を考慮して選択されるものであり、特に限定されるものではない。本発明に用いられる増感色素の例としては、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、クマリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、シクロペンタノン系色素、シクロヘキサノン系色素等を使用することができる。
上記シアニン系色素、メロシアニン系色素としては、3,3´−ジカルボキシエチル−2,2´−チオシアニンブロミド、1−カルボキシメチル−1´−カルボキシエチル−2,2´−キノシアニンブロミド、1,3´−ジエチル−2,2´−キノチアシアニンヨージド、3−エチル−5−[(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン]−2−チオキソ−4−オキサゾリジン等が挙げられる。また、上記クマリン系色素、ケトクマリン系色素としては、3−(2´−ベンゾイミダゾール)7−N,N−ジエチルアミノクマリン、3,3´−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3,3´−カルボニルビスクマリン、3,3´−カルボニルビス(5,7−ジメトキシクマリン)、3,3´−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン)等が挙げられる。
可視光活性な増感色素は、光学素子のような高透明性が要求される場合には、干渉縞記録後の後工程、加熱や紫外線照射により分解されるなどして無色になるものが好ましい。このような増感色素としては、上述したシアニン系色素が好適に用いられる。
(4)体積ホログラム層
本発明に用いられる体積ホログラム層は、ガラス転移点温度が100℃以上であることが好ましい。これにより、体積ホログラム層に熱が加えられた場合であっても、安定なものとすることができ、体積ホログラム層を例えば熱転写法等により転写することが可能となるからである。
また、本発明に用いられる体積ホログラム層の厚みは、所望のホログラム像を記録できる程度であれば特に限定されるものではないが、通常、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜40μmの範囲内であることが好ましく、さらに5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
1−3.体積ホログラム積層部
本発明に用いられる体積ホログラム積層部は、後述する基材上に形成されたものであるが、本発明において上記体積ホログラム積層部が上記基材上に形成された態様としては、上記体積ホログラム層側が上記基材側に配置されるように形成された態様であってもよく、あるいは上記樹脂層側が上記基材側に配置されるように形成された態様であってもよい。
2.基材
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材は、上述した体積ホログラム積層部を支持する機能を有するものである。
本発明に用いられる基材としては、上記体積ホログラム積層部を支持できるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の体積ホログラム積層体の用途に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明に用いられる基材の具体例としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の透明樹脂フィルムを用いることができる。
また、本発明に用いられる基材の厚みは、本発明の体積ホログラム積層体の用途や種類等に応じて適宜選択されるものであるが、通常2μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmの範囲内とされる。
さらに本発明に用いられる基材は、各層との密着性を高めることを目的として、表面に易接着処理や、プライマー処理が施されていてもよい。
3.任意の構成
本発明の体積ホログラム積層体は、少なくとも上記体積ホログラム積層部、および基材を有するものであるが、必要に応じて他の任意の構成を有していてもよい。本発明に用いられる任意の構成としては、特に限定されるものではなく、本発明の体積ホログラム積層体の用途に応じて所望の機能を有する構成を用いることができる。
4.体積ホログラム積層体
本発明の体積ホログラム積層体は、可視光領域における透過率に2以上の極小透過波長を示すことが好ましい。これにより、本発明の体積ホログラム積層体を、さらに明るいホログラム像を再生可能なものにできるからである。
5.体積ホログラム積層体の製造方法
次に、本発明の体積ホログラム積層体の製造方法について説明する。本発明の体積ホログラム積層体は、例えば、基材上に、透明樹脂を含有する樹脂層形成用塗工液を任意の方法で塗工することによって樹脂層を形成する樹脂層形成工程、および上記樹脂層上に直接接するように、光重合性化合物と光重合開始剤系を含有する体積ホログラム層形成用塗工液を塗工することによって体積ホログラム層を形成する体積ホログラム層形成工程からなる体積ホログラム積層部形成工程と、上記体積ホログラム層にホログラム像を記録するホログラム撮影工程と、上記体積ホログラム層に加熱あるいは紫外線を照射する後処理工程と、によって製造することができる。
各工程を実施する具体的な方法については、一般的に体積ホログラムを形成する際に用いられる方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
ここで、本発明の体積ホログラム積層体を上述したような製造方法によって製造した場合、上記体積ホログラム層および上記樹脂層には球形のドメインが形成されることになる。上記球形のドメインは透過型電子顕微鏡により、上記体積ホログラム層および樹脂層の断面を観察することにより、明瞭に視認することができる。
B.体積ホログラム転写箔
次に、本発明の体積ホログラム転写箔について説明する。上述したように本発明の体積ホログラム転写箔は、上記本発明に係る体積ホログラム積層体と、上記体積ホログラム積層体の上記体積ホログラム積層部上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有することを特徴とするものである。
このような本発明の体積ホログラム転写箔について図を参照しながら説明する。図3は本発明の体積ホログラム転写箔の一例を示す概略断面図である。図3に例示するように本発明の体積ホログラム転写箔20は、上記本発明に係る体積ホログラム積層体10と、上記体積ホログラム積層体10における体積ホログラム積層部2上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層21とを有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記本発明に係る体積ホログラム積層体が用いられていることにより、上記体積ホログラム積層体における上記体積ホログラム層および上記樹脂層に形成された干渉縞の周期をそれぞれ任意に制御することによって、任意の波長で明るいホログラム像を再生可能な体積ホログラムを転写することが可能な、体積ホログラム転写箔を得ることができる。
本発明の体積ホログラム転写箔は、少なくとも上記体積ホログラム積層体と、上記ヒートシール層とを有するものである。
以下、本発明の体積ホログラム転写箔に用いられる各構成について順に説明する。
1.体積ホログラム積層体
まず、本発明に用いられる体積ホログラム積層体について説明する。本発明に用いられる体積ホログラム積層体は、上記本発明に係るものである。したがって、本発明に用いられる体積ホログラム積層体については、上記「A.体積ホログラム積層体」の項において説明したものと同様である。
ここで、本発明に用いられる体積ホログラム積層体は、上述したように少なくとも基材と、体積ホログラム積層部とを有するものであるが、本発明においては体積ホログラム転写箔という用途に鑑み、上記以外の他の構成を有することが好ましい。上記体積ホログラム積層体に用いられる他の構成として本発明に好適に用いられるものとしては、例えば、離型層と保護層とを挙げることができる。
以下、これらについて順に説明する。
(1)離型層
まず、上記離型層について説明する。本発明に用いられる離型層は、本発明に用いられる体積ホログラム積層体の上記基材と上記体積ホログラム積層部との間に形成されるものである。
本発明に用いられる体積ホログラム積層体に離型層が用いられる場合について図を参照しながら説明する。図4は本発明に用いられる体積ホログラム積層体に離型層が用いられている場合の一例を示す概略断面図である。図4に例示するように、本発明の体積ホログラム転写箔20に用いられる体積ホログラム積層体10’は、基材1と、体積ホログラム積層部2との間に離型層3が形成されていることが好ましい。
本発明に用いられる体積ホログラム積層体に離型層が用いられることにより、上記基材と上記体積ホログラム積層部との接着力を任意の範囲に調整することができるため、本発明の体積ホログラム転写箔から体積ホログラム積層部を転写させる際に、体積ホログラム積層部の基材からの剥離性を向上させることができる。
本発明に用いられる離型層に用いられる材料としては、例えば水溶性樹脂、親水性樹脂、ワックス類、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。離型層の厚みは、通常、0.5μm〜5μm程度に形成される。
(2)保護層
次に、本発明に用いられる保護層について説明する。本発明に用いられる保護層は、上記離型層と上記体積ホログラム積層部との間に形成され、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層部を転写した際に、転写された体積ホログラム積層部の物理的強度等を維持し、あるいは最表面にオフセット印刷等の印刷を可能にするものである。
本発明に用いられる保護層に用いられる材料としては、例えばアクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等から、1種又は2種以上を混合したものや、紫外線や電子線等に反応する電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。保護層の厚みは、通常、0.5〜5μm程度に形成される。
なお、上記基材と上記保護層との剥離性がある場合や、上記離型層に用いられる材料と上記保護層に用いられる材料を少なくとも各々1種類混合することで剥離性保護層を形成することができる。その場合は上記離型層を設けなくても良い。
さらに、上記体積ホログラム積層部中の樹脂層と上記基材との剥離性がある場合は、上記離型層や保護層を設けなくても良い。
2.ヒートシール層
次に、本発明に用いられるヒートシール層について説明する。本発明に用いられるヒートシール層は熱可塑性樹脂を含有するものであり、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層部を被転写体へ転写する際に、体積ホログラム積層部と被転写体とを接着させる機能を有するものである。
以下、本発明に用いられるヒートシール層について詳細に説明する。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、本発明の体積ホログラム転写箔から体積ホログラム積層部が転写される被転写体の種類に応じて、体積ホログラム積層部と被転写体とを接着できるものであれば特に限定されるものではない。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、マレイン酸変性塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリメチルメタクリレート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニル系樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン・アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの熱可塑性樹脂であっても好適に用いることができる。
なお、本発明に用いられる熱可塑性樹脂は1種類のみであってもよく、あるいは、2種類以上であってもよい。
本発明に用いられるヒートシール層には、上記熱可塑性樹脂以外に他の添加剤が含まれていてもよい。本発明に用いられる添加剤としては、例えば、分散剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等を挙げることができる。
本発明に用いられるヒートシール層の厚みは特に限定されるものではなく、本発明の体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層部が転写される被転写体の種類等によって適宜選択されるものであるが、通常、0.3μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.5μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。厚みが上記範囲よりも薄いと被転写体との接着性が不十分になってしまう可能性があるからである。また上記範囲よりも厚いと、本発明の体積ホログラム転写箔から体積ホログラム積層部を転写する際に、ヒートシール層を加熱する温度が高くなりすぎてしまい、基材等に損傷が生じてしまう可能性があるからである。
また、本発明に用いられるヒートシール層は、1層のみであってもよく、あるいは2層以上であってもよい。本発明において2層以上のヒートシール層が用いられる態様としては、同一組成のヒートシール層が積層されて用いられる態様であってもよく、あるいは異なる組成のヒートシール層が積層されて用いられる態様であってもよい。
3.任意の構成
本発明の体積ホログラム転写箔は、少なくとも上記体積ホログラム積層体およびヒートシール層を有するものであるが、必要に応じて他の任意の構成が用いられていてもよい。本発明に用いられる任意の構成としては、本発明の体積ホログラム転写箔の用途に応じて、所望の機能を備える構成を適宜選択して用いることができる。なかでも本発明に好適に用いられる任意の構成としては、例えば、セパレーターや、印刷層(絵柄層)あるいは印字層(個別情報ナンバリング等)を挙げることができる。
上記セパレーターは、上記ヒートシール層の外表面上に貼着され、ヒートシール層が不用意に他の物質に接着したり、本発明の体積ホログラム転写箔を巻き取ったときにブロッキングが生じたりすることを防止するための部材であり、体積ホログラム転写箔の使用時までヒートシール層に仮接着されるものである。このようなセパレーターとしては、一般的に使用されるものであれば特に限定されるものではないが、例えば上質紙、リンター紙、硫酸紙、グラシン紙、クラフト紙、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂等を挙げることができる。また、これらの部材の表面を加工したものであっても良く、例えば、上記部材の両面または片面を炭酸カルシウム、タルク、シリコーン樹脂、およびメラミン樹脂等でコーティングしたものを挙げることができる。
本発明に用いられるセパレータの膜厚は、一般的に使用されるセパレーターに用いられるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には12μm〜75μmの範囲内であることが好ましい。
C.体積ホログラムラベル
次に、本発明に用いられる体積ホログラムラベルについて説明する。上述したように本発明の体積ホログラムラベルは、上記本発明に係る体積ホログラム積層体と、上記体積ホログラム積層体の上記体積ホログラム積層部上に形成された接着層とを有することを特徴とするものである。
このような本発明の体積ホログラムラベルについて図を参照しながら説明する。図5は本発明の体積ホログラムラベルの一例を示す概略図である。図5に例示するように、本発明の体積ホログラムラベル30は、上記本発明に係る体積ホログラム積層体10と、上記体積ホログラム積層体10の上記体積ホログラム積層部2上に形成された接着層31とを有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記本発明に係る体積ホログラム積層体が用いられていることにより、上記体積ホログラム積層体における上記体積ホログラム層および上記樹脂層に形成された干渉縞の周期をそれぞれ任意に制御することによって、任意の波長で明るいホログラム像を再生可能な体積ホログラムを貼合することが可能な、体積ホログラムラベルを得ることができる。
本発明の体積ホログラムラベルは、少なくとも上記体積ホログラム積層体と、上記接着層と、を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。以下、本発明の体積ホログラムラベルに用いられる各構成について順に説明する。
1.接着層
まず、本発明に用いられる接着層について説明する。本発明に用いられる接着層を構成する粘着剤としては、ヒートシール剤であっても、一般的な感圧性粘着剤であってもよい。上記「B.体積ホログラム転写箔」の項において、ヒートシール層に用いられる熱可塑性樹脂として説明したものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
上記感圧性粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤又はポリエステル系粘着剤等が挙げられる。この中でも、耐久性及び接着性に優れ低コストであるアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。また、接着層を形成する粘着剤は、溶剤型粘着剤であってもよいし、無溶剤型粘着剤であってもよい。無溶剤型粘着剤としては、感光性粘着剤を用いることができる。
上記アクリル系粘着剤は、アクリル系粘着性樹脂を主剤とし、必要に応じて架橋剤、粘着付与剤等が添加される。アクリル系粘着性樹脂は、アクリル酸アルキルエステルと他の単量体と官能性単量体とを共重合して得られるアクリル系共重合樹脂を主成分とする。
上記アクリル酸アルキルエステルは、炭素数が4〜15のアルキル基を有するものであり、そのようなアクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル等が挙げられる。これらのアクリル酸アルキルエステルは、単独で用いられてもよく、また、複数が混合されて用いられてもよい。
上記他の単量体としては、例えばアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。これらの他の単量体は、単独で用いられてもよく、また、複数が混合されて用いられてもよい。
上記官能性単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸ヒドロキシルエチル、メタクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−tert−ブチルアミノエチル等が挙げられる。これらの官能性単量体は、単独で用いられてもよく、また、複数が混合されて用いられてもよい。
上記アクリル系共重合樹脂におけるアクリル酸アルキルエステル、他の単量体及び官能性単量体の構成比(重量%)は、70〜99:0〜20:0.01〜20、好ましくは80〜95:0〜10:0.1〜15である。また、アクリル系共重合樹脂の重量平均分子量は、20万〜120万であることが好ましく、40万〜100万であることがより好ましい。架橋剤は、接着層の凝集力を向上させるために添加され、このような架橋剤としては、室温架橋型架橋剤又は加熱架橋型架橋剤がある。
上記室温架橋型架橋剤は、室温条件下でのエージング処理によりアクリル系粘着剤を架橋させる架橋剤である。このような室温架橋型架橋剤としては、イソシアネート系化合物、多官能エポキシ系化合物やアルミニウムやチタン等の金属キレート系化合物等を用いた架橋剤を挙げることができ、中でもイソシアネート系化合物又は多官能エポキシ系化合物を用いることが好ましい。
上記イソシアネート系化合物としては、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の3量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、又は、このようなウレタンプレポリマーの3量体等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物の具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。上記で例示された室温架橋型架橋剤に使用される化合物は、単独で用いられてもよく、また、複数が混合されて用いられてもよい。
上記加熱架橋型架橋剤は、加熱によるエージング処理によりアクリル系粘着剤を架橋させる架橋剤である。このような加熱架橋型架橋剤としては、ホルムアルデヒドと、メラミン、ベンゾグアミン若しくは尿素等とを反応させて得られるメチロール基含有化合物、又は、そのメチロール基含有化合物のメチロール基の一部または全部が脂肪族アルコールでエーテル化された化合物等が挙げられる。
上記室温架橋型架橋剤は、アクリル系共重合樹脂100重量部に対して0.005〜20重量部、特に0.01〜10重量部の割合で添加されるとよい。また、加熱架橋型架橋剤は、アクリル系共重合樹脂100重量部に対して、0.01〜25重量部、特に0.1〜20重量部の割合で添加されるとよい。
粘着付与剤は、粘着剤に粘着力、タック又は粘弾性を付与して、粘着剤の粘着性能を向上させる目的で必要に応じて添加されるものであり、不要であれば添加されなくてもよい。粘着付与剤としては、例えばロジン系樹脂、テルペン系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられ、アクリル系粘着剤中に、50重量%以下、好ましくは40重量%以下の割合で添加される。
粘着剤には、その性能を阻害しない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。また、紫外線や可視光線の照射により硬化する感光性粘着剤で接着層を形成する場合には、重合開始剤が添加される。重合開始剤には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類等を用いることができる。なお、電子線の照射により硬化する感光性粘着剤で接着層を形成する場合には、重合開始剤は添加されない。
接着層の層厚は、4μm〜200μmであり、好ましくは5μm〜100μmである。
2.体積ホログラム積層体
まず、本発明に用いられる体積ホログラム積層体について説明する。本発明に用いられる体積ホログラム積層体は、上記本発明に係るものである。したがって、本発明に用いられる体積ホログラム積層体については、上記「A.体積ホログラム積層体」の項において説明したものと同様である。
ここで、本発明に用いられる体積ホログラム積層体は、上述したように少なくとも基材と、体積ホログラム積層部とを有するものであるが、本発明においては体積ホログラムラベルという用途に鑑み、上記以外の他の構成を有することが好ましい。上記体積ホログラム積層体に用いられる他の構成として本発明に好適に用いられるものとしては、例えば、上述した接着層を挙げることができる。上記体積ホログラム層に上記接着層が形成されている態様としては、例えば、上記体積ホログラム積層体における基材と体積ホログラム積層部との間に、上記接着層が形成されている態様を挙げることができる。
3.任意の構成
本発明の体積ホログラムラベルは、少なくとも上記体積ホログラム積層体および接着層を有するものであるが、必要に応じて他の任意の構成が用いられていてもよい。本発明に用いられる任意の構成としては、本発明の体積ホログラムラベルの用途に応じて、所望の機能を備える構成を適宜選択して用いることができる。なかでも本発明に好適に用いられる任意の構成としては、例えば、セパレーター、印刷層(絵柄層)あるいは印字層(個別情報ナンバリング等)を挙げることができる。本発明に用いられるセパレーターについては、上記「B.体積ホログラム転写箔」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
1.実施例1
基材として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラー50T60;東レ(株)製)を用い、上記基材上に質量平均分子量が15000であるポリメチルメタクリレートが溶媒に溶解された樹脂層形成用塗工液をバーコータにて塗布膜厚が2μmとなるように塗布・乾燥することによって、樹脂層を形成した。
次に、上記樹脂層上に以下の組成を有する体積ホログラム層形成用塗工液を、アプリケータを使用して、乾燥膜厚10μmとなるように直接塗工して体積ホログラム層を形成した。
(体積ホログラム層形成用塗工液)
・ポリ酢酸ビニル 35重量部
(デンカサクノールSN−08H:重合度800;電気化学工業(株)製)
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 25重量部
(デナコールEX−212;ナガセケムテックス(株)製)
・ジフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート 35重量部
(BPEFA;大阪ガスケミカル(株)製)
・ジアリールヨードニウム塩 4重量部
(PI2074;ローディア製)
・2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン
1重量部
・メチルイソブチルケトン 100重量部
・1−ブタノール 100重量部
次に、上記体積ホログラム層上にホログラム原版をラミネートし、基材側から532nmレーザー光を80mJ/cm入射して、体積ホログラムを記録した。記録後、ホログラム原版を剥離し、厚み50μmのPETフィルムを第2基材として上記体積ホログラム層上にラミネートした。
次いで加熱、紫外線全面照射により体積ホログラム層を固定し、本発明の体積ホログラム積層体を得た。
2.実施例2
ポリメチルメタクリレートとして質量平均分子量が35000のものを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により本発明の体積ホログラム積層体を作製した。
3.実施例3
ポリメチルメタクリレートとして質量平均分子量が100000のものを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により本発明の体積ホログラム積層体を作製した。
4.比較例
樹脂層を形成せず、基材上に直接体積ホログラム層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法により体積ホログラム積層体を作製した。
5.ホログラム記録特性評価
実施例および比較例において得られた体積ホログラム積層体を分光光度計(UV−2450;(株)島津製作所製)にて透過率を測定し分光透過率曲線から回折効率、半値幅、および、再生中心波長をそれぞれ以下の方法によって算出した。
実施例および比較例の体積ホログラム積層体の分光透過曲線を図6に示す。
(回折効率)
分光透過率のピーク透過率A及びベース透過率Bを求め、回折効率=|B−A|/B(%)とした(図2参照)。
(半値幅)
ピーク透過率Aに回折効率の半分を加えた透過率(A+|B−A|/2)における分光透過率の左端(C)及び右端(D)を求め、半値幅=|D−C|(nm)とした(図2参照)。
(再生中心波長)
半値幅の算出時に求めたCに半値幅の半分を加えた波長(=C+|D−C|/2)を中心波長とした(図2参照)。
結果を以下の表1に示す。
Figure 0005228427
本発明の体積ホログラム積層体の一例を示す概略図である。 分光透過率曲線から回折効率、半値幅、および、再生中心波長を算出する方法を説明する概略図である。 本発明の体積ホログラム転写箔の一例を示す概略断面図である。 本発明の体積ホログラム転写箔の他の例を示す概略断面図である。 本発明の体積ホログラムラベルの一例を示す概略断面図である。 本発明の体積ホログラムラベルの分光透過曲線を示すグラフである。
符号の説明
1 … 基材
2 … 体積ホログラム積層部
2a … 体積ホログラム層
2b … 樹脂層
3 … 離型層
10,10’ … 体積ホログラム積層体
20 … 体積ホログラム転写箔
21 … ヒートシール層
30 … 体積ホログラムラベル
31 … 接着層

Claims (6)

  1. 基材と、前記基材上に形成され、光重合性化合物を含み、干渉縞が形成されることにより体積ホログラムが記録された体積ホログラム層、および前記体積ホログラム層に接するように形成され、透明樹脂を含有する樹脂層からなる体積ホログラム積層部と、を有する体積ホログラム積層体であって、
    前記体積ホログラム層および前記樹脂層には、同一の光重合性化合物および光重合開始剤系が含まれており、
    前記樹脂層に干渉縞が形成されており、
    前記体積ホログラム積層体には、光吸収層が設けられていないことを特徴とする、体積ホログラム積層体。
  2. 前記体積ホログラム層に形成された干渉縞の周期と、前記樹脂層に形成された干渉縞の周期とが異なることを特徴とする、請求項1に記載の体積ホログラム積層体。
  3. 可視光領域における透過率に2以上の極小透過波長を示すことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の体積ホログラム積層体。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の体積ホログラム積層体と、前記体積ホログラム積層体の前記体積ホログラム積層部上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有することを特徴とする、体積ホログラム転写箔。
  5. 前記体積ホログラム積層体の前記体積ホログラム積層部と前記基材との間に、離型層が形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の体積ホログラム転写箔。
  6. 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の体積ホログラム積層体と、前記体積ホログラム積層体の前記体積ホログラム積層部上に形成された接着層とを有することを特徴とする、体積ホログラムラベル。
JP2007248694A 2007-02-28 2007-09-26 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、および体積ホログラムラベル Active JP5228427B2 (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007248694A JP5228427B2 (ja) 2007-09-26 2007-09-26 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、および体積ホログラムラベル
CN201310288722.7A CN103472703B (zh) 2007-02-28 2008-02-28 体积全息图层叠体
GB0916376A GB2459823B (en) 2007-02-28 2008-02-28 Method of producing volume hologram laminate
GB1007319A GB2468223B (en) 2007-02-28 2008-02-28 Volume hologram laminate manufacturing method
CN200880006462.7A CN101622582B (zh) 2007-02-28 2008-02-28 体积全息图层叠体的制造方法
PCT/JP2008/053560 WO2008105510A1 (ja) 2007-02-28 2008-02-28 体積ホログラム積層体の製造方法
US12/528,840 US8697314B2 (en) 2007-02-28 2008-02-28 Method of producing volume hologram laminate
GB1021828A GB2475177B (en) 2007-02-28 2008-02-28 Method of producing volume hologram laminate
GB1007323A GB2467468A (en) 2007-02-28 2010-05-04 Volume hologram laminate comprising resin layer with interference fringes
US14/189,213 US9529324B2 (en) 2007-02-28 2014-02-25 Method of producing volume hologram laminate
US15/350,528 US10474099B2 (en) 2007-02-28 2016-11-14 Method of producing volume hologram laminate

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007248694A JP5228427B2 (ja) 2007-09-26 2007-09-26 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、および体積ホログラムラベル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009080249A JP2009080249A (ja) 2009-04-16
JP5228427B2 true JP5228427B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=40655046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007248694A Active JP5228427B2 (ja) 2007-02-28 2007-09-26 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、および体積ホログラムラベル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5228427B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1164636A (ja) * 1997-08-12 1999-03-05 Fuji Xerox Co Ltd 反射板、反射板製造方法および反射型カラー表示装置
JP4155421B2 (ja) * 1998-03-19 2008-09-24 大日本印刷株式会社 多層ホログラムの作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009080249A (ja) 2009-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10474099B2 (en) Method of producing volume hologram laminate
JP5884314B2 (ja) 体積ホログラム転写箔
US8852828B2 (en) Volume hologram photosensitive composition
JP2007108256A (ja) ホログラム転写箔
JP5652485B2 (ja) 体積ホログラム積層体の製造方法
JP4564381B2 (ja) ホログラム転写箔およびその製造方法
JP2003316239A (ja) 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、及び体積ホログラムラベル
JP5186948B2 (ja) 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写用シート、体積ホログラム貼着体および体積ホログラム積層体の製造方法
JP5228427B2 (ja) 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、および体積ホログラムラベル
JP2007041545A (ja) ホログラム観察シート
JP2005195952A (ja) 体積型ホログラム感光性組成物
JP4332373B2 (ja) 体積ホログラム層および体積ホログラム転写箔
JP2003058026A (ja) 偽造防止体積ホログラム積層体
JP6003307B2 (ja) 体積ホログラム転写箔
JP7311013B2 (ja) 体積ホログラム積層体、体積ホログラム積層体の製造方法、体積ホログラム転写箔、体積ホログラムラベル、埋込用体積ホログラムシート、カードおよびホログラム貼付物品
JP4338450B2 (ja) 体積ホログラム記録用感光性組成物
WO2022154042A1 (ja) 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、体積ホログラムラベル、カード、データページおよび冊子類
JP2011037082A (ja) 積層シート
JP2009003195A (ja) 体積ホログラム転写箔および体積ホログラム積層体
JP4680023B2 (ja) スレッド用体積ホログラム、および、これを用いたスレッド付き偽造防止用紙
JP2005055472A (ja) ホログラム層とそれを用いたホログラム転写箔
JP2005062757A (ja) 体積型ホログラム用樹脂組成物
JP2009181141A (ja) 体積ホログラム層および体積ホログラム転写箔
JP2005055473A (ja) ホログラム積層体
JP2004318068A (ja) 体積型ホログラム記録用感光性組成物および体積型ホログラム記録用感光性媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130304

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160329

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5228427

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150