JP5226407B2 - グリップ性の優れるボール用人工皮革の製造方法 - Google Patents
グリップ性の優れるボール用人工皮革の製造方法Info
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Description
a)凸部多孔層表面に孔径40〜200μmの開放孔が1000〜30000個/cm2存在すること。
b)グリップ性向上剤を含む仕上げ皮膜層が凸部多孔層表面及び開放孔の内部空洞壁表面を被覆していること。
c)仕上げ皮膜層内のグリップ性向上剤が、数平均分子量1000〜4000の低分子量合成ゴムであること。
が提供される。
また、衝撃吸収性を高めるためには繊維絡合体の密度が低いことが好ましく、見かけ密度が0.09〜0.14g/cm3、さらには0.1〜0.12g/cm3であることが好ましい。
このような本発明に用いられる基体層の表面に多孔層を有するシートは、繊維絡合体にポリウレタン弾性体を処理して得ることができ、例えば繊維絡合体にポリウレタン弾性体の有機溶剤の溶液を含浸し、さらにその表面にポリウレタン弾性体の溶液を被覆した後に凝固させることによって得ることができる。特にこの時の凝固方法としては、ポリウレタン弾性体を多孔質状に凝固させる方法を用いることが好ましく、そのような方法としては、例えば繊維質基材にポリウレタン弾性体の有機溶剤の溶液を含浸及び/又は被覆した後に、ポリウレタン弾性体の非溶剤中に浸漬しポリウレタン弾性体を凝固させる湿式凝固法が好ましく用いられる。その際には、湿式凝固させるポリウレタン弾性体の溶剤溶液中に多孔調整剤としてアニオン系、又はノニオン系、カチオン系の親水基を持つ界面活性剤を添加することが有効である。界面活性剤としては、スルホン酸ナトリウムジアルキルサクシネート、ポリオキシエチレン変性シリコン、ポリオキシエチレン変性アルキルフェニル等が好ましく挙げられる。
開放孔としては、孔径40〜200μmで個数が1000〜30000個/cm2であることが必要がある。開放孔を形成させる方法としては、上記でえられた円錐状多孔層をサンドペーパーを捲きつけた研削機により、サンドペーパーのメッシュ数、研削スピードを調整し、多孔層の表面を10〜30μm研摩することでえられる。ここで開放孔径が40μm未満であれば仕上げ皮膜層を開放孔内部空洞壁表面に塗布するのが難しく、200μmを超える場合は孔径が大きすぎてボールの触感が逆に悪くなる。又個数としては1000〜30000個/cm2形成されている必要がある。1000個/cm2未満であればノンスリップ性が低下し、30000個/cm2を超える場合は表面が脆くなり耐摩耗性が低下する。
10点の凸部表面を走査電子顕微鏡[旭化成工業(株)製、高精密画像解析ファイリングシステムIP−1000]により撮影し、画像より計測した数値の平均値で示した。
2)グリップ性向上剤を含む仕上げ皮膜層の開放孔の内部空洞壁表面の被覆具合
開放孔の内部空洞壁表面及び切断面を走査電子顕微鏡[旭化成工業(株)製、高精密画像解析ファイリングシステムIP−1000]により撮影し画像より確認した。
ポリエチレンテレフタレート繊維(単糸繊度2detex、長さ51mm)を、カード、クロスラッパー、ニードルロッカー、温水収縮処理、カレンダーの工程を通し、重さ435g/m2、厚さ1.35mm、見掛け密度0.322g/cm3の繊維絡合体を得た。
一方、多孔凝固用の高分子弾性体として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリジエチレンアジペートとの混合ジオール、ジフェニルメタン4,4’ジイソシアネート、エチレングリコールをジメチルホルムアミドを溶剤として反応させた100%伸長応力80kg/cm2、熱軟化温度180℃のポリエーテルエステル系ポリウレタン溶液(固形分:30%)を得た。
得られたシート状物は、多孔質ポリウレタンと繊維からなる基体層の厚さが1.25mm、多孔質ポリウレタンコート層の厚さが350μmで構成されていた。コート層内は、長さ20μ〜100μmの涙滴状多孔構造を有していた。
この表面に、着色層として、次の組成で調整した塗料1を、開放孔をできるだけ塞がないように、200メッシュのグラビアロールを塗布間隙をシートの厚さの90%に調整し、2回塗布した。
(着色層):レザミンNE−8876−28NT(大日精化工業(株)製)100部
赤系顔料50部
イソプロピルアルコール 50部
メチルエチルケトン 40部
ジメチルホルムアミド 10部
次に、仕上げ皮膜層として、
(仕上げ皮膜層) ハニー化成株 U471M−4 100部
(グリップ剤:分子量2000のブチルゴム6%含有)
DMF 10部
TOL 10部
この仕上げ皮膜層用の塗布液を、上述の開放孔を持つ表面に、70メッシュのグラビアロールを塗布間隙をシートの厚さの70%に調整し、3回塗布した。皮膜層用の塗布液の付着量は、70g/m2、その内、その内、グリップ性向上剤成分は22g/m2であった。この人工皮革の凸部を観察したところ、面積の90%以上が仕上げ皮膜層で覆われていた。
この人工皮革を、ハンドボール用のボール表皮として使用したところ、グリップ性に非常に優れていて、かつハンドリング性も良好なものであった。また、磨耗テスト後のグリップ感は、変化が少なく、まだ十分にグリップ感が保たれていた。
参考例1の仕上げ皮膜層の塗布量を変えて、70メッシュで1回塗布にした。仕上げ皮膜層用の塗布液の付着量は、23g/m2、その内、その内、グリップ剤成分は7g/m2であった。
この人工皮革の凸部を観察したところ、面積の5割が仕上げ皮膜層で覆われていた。この人工皮革を、ハンドボール用のボール表皮として使用したところ、グリップ性は不十分であった。
参考例1で、開放孔発現処理をなくして、同様に着色処理、エンボス処理、仕上げ皮膜層形成処理を行った。この人工皮革を、ハンドボール用のボール表皮として使用したところ、グリップ性は、実施例1に対して劣り、また、磨耗テスト後のグリップ感の変化が大きいものであった。
参考例1で、表面を研削し、開放孔をもつシート状物と同じものを用いて、この表面に、着色層として、次の組成で調整した塗料2を、開放孔をできるだけ塞がないように、200メッシュのグラビアロールを塗布間隙をシートの厚さの90%に調整し、2回塗布した。
(塗料2)クリスボンNY333(大日本インキ化学工業(株)製)100部
茶系顔料80部
イソプロピルアルコール 50部
メチルエチルケトン 40部
DMF 10部
この仕上げ皮膜層用の塗布液を、上述の開放孔を持つ表面に、110メッシュのグラビアロールを塗布間隙をシートの厚さの70%に調整し、3回塗布した。皮膜層用の塗布液の付着量は、50g/m2、その内、グリップ性向上剤成分は12.5g/m2であった。この人工皮革の凸部を観察したところ、面積の90%以上が仕上げ皮膜層で覆われていた。
この人工皮革を、バスケットボール用のボール表皮として使用したところ、グリップ性に優れていて、かつハンドリング性も良好なものであった。また、磨耗テスト後のグリップ感は、変化が少なく、まだ十分にグリップ感が保たれていた。
実施例1の開放孔発現処理を、研摩に変えて、110メッシュのグラビアロールを用いて、ジメチルホルムアミド:メチルエチルケトン=7:3の混合溶剤を塗布し、表面に存在する高分子弾性体のスキン層を溶解、開孔させ、実施例1と同様に、着色処理、エンボスを行った。表面面積の8割の凸部には、1〜15μmの開放孔が1000個/cm2存在するが、40μm以上の開放孔は見られなかった。次に、実施例2と同様に、仕上げ皮膜層の処理を行い、凸部は、全面、仕上げ皮膜層によって覆われていた。
この人工皮革を、バスケット用のボール表皮として使用したところ、グリップ性は優れているものの、表面の粘着感が強すぎて、ハンドリング性は良好なものでなかった。また、磨耗テスト後のグリップ感は、変化が大きくグリップ感が劣っていた。
Claims (2)
- ボール用人工皮革の製造方法であって、下記工程をその順序で行うことを特徴とするグリップ性の優れたボール用人工皮革の製造方法。
a)繊維絡合体とポリウレタン弾性体からなる基体層の少なくとも片面にポリウレタン弾性体からなる多孔層を有する人工皮革用シートを形成する工程。
b)上記ポリウレタン弾性体多孔層を研磨して多孔層表面に孔径40〜200μmの開放孔を1000〜30000個/cm2形成させる工程。
b 2 )表面に着色層として塗料を塗布する工程。
c)熱エンボスにより上記開放孔を有する多孔層に凹凸を形成させる工程。
d)凹凸を有する多孔層の凸部表面に色を変えた着色被膜層を塗布する工程。
e)グリップ性向上剤を含む仕上げ皮膜層を塗布して、仕上げ皮膜層が凸部多孔層表面及び開放孔の内部空洞壁表面を被覆する工程。 - グリップ性向上剤が、液状ゴムである分子量1000〜4000の低分子量合成ゴムである請求項1記載のグリップ性の優れたボール用人工皮革の製造方法。
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