JP5225028B2 - 像加熱装置、光沢増大装置及び画像形成装置 - Google Patents

像加熱装置、光沢増大装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真技術や静電記録技術を用いたプリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に搭載され、記録材上の未定着画像を定着する加熱定着装置として好適に使用される像加熱装置、及び、斯かる像加熱装置を使用した画像形成装置に関する。また、像加熱装置は、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢増大装置としても好適に使用することができる。
電子写真プロセスを利用した複写機等の画像形成装置は、用紙(記録材)上に転写方式或いは直接方式で形成された画像(未定着現像剤像)を加熱する像加熱装置を備える。
近年、この像加熱装置としては、通紙の高速化や高画質化に伴い複数個の像加熱手段を備えるものが増えてきている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
これは、未定着画像を担持させた記録材に接して画像を加熱する像加熱体を有する像加熱手段を記録材搬送方向に沿って複数個配列し、記録材を前記複数の像加熱手段を順次に通過させて像加熱するものである。
複数個の像加熱手段を持つものの特徴としては、記録材搬送方向最上流側の第一の像加熱手段に未定着画像を担持させた記録材を一度通して画像を加熱定着させ、この記録材を更に下流側の第二の像加熱手段に通して画像を再加熱させるなどの工夫がなされている。一般的には、第一の像加熱手段においてはある程度の定着性を確保し、第二の像加熱手段においては、高画質(高グロス)を目指したものが多い。特に、画像の光沢度(グロス)は、記録材の搬送方向の下流側の第二の像加熱手段による影響が大きい。
また、第一と第二の像加熱手段が共に熱ローラ方式である場合(例えば、特許文献1、2参照)には、記録材のトナー画像を定着させる際の分離性を高めるために、各々の像加熱体に分離部材を設けることが有効である。
ところで、分離爪を像加熱体に当接させると分離性を格段に高めることができる。しかし、像加熱体の表面を傷つける問題がある。また、当接させる分離爪をレシプロ運動させることで傷を軽減することができるが、分離爪と画像表面が擦れることで加熱ローラの表面性が一部耐久によって変わることで、光沢むらを生ずる。従って、分離爪を設けることは、分離性の向上という利点と、光沢むらという欠点を兼ね備えているものである。
また、第一の像加熱手段として、可撓性を有する薄肉のフィルムの内面からセラミックヒータの熱を第一の定着ニップ部に与え、第二の像加熱手段を熱ローラ方式とする方法が提案されている(例えば、特許文献3の第二の実施例参照)。
特開平6−258970号公報 特開2005−292567号公報 特開2002−365967号公報
しかしながら、熱ローラ方式の像加熱手段を第一、第二の像加熱手段に用いる場合には、以下に挙げる不利な面がある。
一つには、画像形成装置の主電源をONしてから、筒状熱ローラ内部に内包した加熱源であるハロゲンランプ等により熱ローラ全体を定着可能な状態にするまでの時間(以下、「ウォームアップタイム」と記す。)が長いことが挙げられる。定着ニップ部を広く形成するためには、それぞれの熱ローラ対の外径を大きくしたり、弾性層の厚みを厚く形成する必要があり、ウォームアップタイムが数分に及ぶものもあった。
特に、第一の像加熱手段が熱ローラ方式である場合、第一の像加熱手段においても低温オフセット等の不具合を発生させず、ある程度の定着性を確保するために適度なニップ幅を必要とする。
ところが、熱ローラの場合、必要なニップ幅を確保するためには熱ローラの外径をある程度大きく保ち、比較的厚い弾性層を必要とし、加圧力も大きくしなければならない。これにより画像形成装置の記録材搬送速度が速い装置においては、第一の像加熱手段のウォームアップタイムは長くかかってしまうのが一般的であった。
更に、定着ニップ部における単位面積当りにかかる加圧力(以下、「線圧」と記す。)が大きくなり、第一の像加熱手段によって画像の光沢度がある程度増大される。一般に線圧が高いと光沢度も高くなる傾向にある。よって、第一の像加熱手段で光沢度の下限値が決定されてしまい、第二の像加熱手段によって変更可能な光沢度の選択幅が狭くなってしまう。
一般に、第二の像加熱手段により記録材上の画像に与える影響が大きく、第二の像加熱手段の画像面と接触する熱ローラ表面が平滑な場合、光沢度は高くなる傾向となる。
そこで、第一及び第二の像加熱手段における記録材上の画像面と接触する熱ローラ表面の平滑度を調整する等の対応もある程度は可能である。しかし、熱ローラ表面の表面性は定着ニップ部からの排出時の分離性能と深く関係しており、分離性能を高めることと光沢度の選択幅を広げることを同時に達成することは困難となっていた。そのため、分離爪等によって強制的に分離し易くする構成を取るのが一般的であるが、分離爪によって熱ローラ表面が傷つき易くなる、光沢ムラが発生し易くなる、耐久性能の高寿命化が困難になる等の課題もあった。
また、第一と第二の像加熱手段の定着ニップ部における記録材への加圧負荷を考えた場合、それぞれの像加熱手段において、記録材は搬送方向と垂直の方向(狭持するどちらかのローラの周方向)に熱と共に強い圧力で曲げられる負荷を受ける。この結果、排出された記録材の変形(以下、「カール」と記す。)が発生し易い構成となっていた。この様子を図9(a)及び図9(b)を用いて説明する。
図9(a)は、記録材P上のトナー画像Tと接触する定着ローラ60の硬度より加圧ローラ70の硬度の方が大きい場合(加熱ニップ形状としては、定着ローラ側のゴムの撓みが大きく凹状態となる場合)を示している。この場合には、記録材Pは定着ニップ部における熱と圧力によって搬送方向と垂直の方向でトナー画像Tの印字面と反対方向に屈曲させられる。
一方、図9(b)に示したように、定着ローラ60と加圧ローラ70の硬度の関係が逆の場合(加圧ローラの弾性層の撓みが大きくなる場合)には、記録材P上のトナー画像T印字面側に屈曲した状態で定着ニップより排出される。
一般に、紙の製造条件として抄紙方向というものがある。しかし、一般には、カールの大きさは別として、紙の繊維方向(紙繊維が紙を抄く際に配列し易くなる方向で抄紙方向と同一方向になり易い方向)に関係なく定着ニップ部の形状によって熱ローラ対のどちらかのローラの周方向に巻付き勝手に排出される。
更に、第一の像加熱手段によって強制的に屈曲された記録材の繊維は微視的に繊維が切断されているなどによって弱くなっており、第一の像加熱手段より排出された記録材は外力によって変形し易くなってしまう。そのため、第二の像加熱手段により記録材のカールは大きく形成され易くなってしまっている。
以上のカール対応として定着ローラと加圧ローラの弾性層の硬度を選択することで、定着ニップ部を略フラット形状とすることもある程度は可能である。しかし、製造時の硬度のバラツキ、耐久を通じての硬度変化を通じて定着ニップ部をフラット状態に保つことは困難である。更に、前述したように高い加圧力を必要とする熱ローラ方式の場合、上下熱ローラの多少の硬度差によって定着ニップ部における記録材への負荷は大きなものとなってしまう。また、加圧力が大きいことからカール以外の変形として紙シワ等の不具合も発生し易くなっており、熱ローラに逆クラウン形状を付与する必要がある等の多くの制約があった。
以上のことから、第一と第二の像加熱手段を共に熱ローラ方式とした場合には、構成の選択幅が狭くなる。そのため、画像形成装置を高速化した場合には、大径の熱ローラを使用する等、装置全体も大きくならざるを得ず、分離爪を両方の像加熱手段に設けなければならなかった。
一方で、可撓性を有するフィルム状の加熱部材内面から平坦な摺動面を有するセラミックヒータにて加熱する像加熱手段を第一の像加熱手段とする方法は、次のような利点がある。
つまり、低熱容量によるウォームアップタイムの大幅な短縮、加圧部材との平坦な定着ニップ形成を装置の大型化を招くことなく、また加圧部材との線圧をあまり高めずに達成できる等の利点がある。
しかし、一方で記録材の繊維方向に依存する定着ニップ部での変形が発生し易いことが分かっている。
すなわち、図7に示すように、平坦な定着ニップ部Nhであっても、定着ニップ部において記録材Pを加熱するために、記録材P中に含まれる水分が蒸発することによって記録材の変形が起こる。
図7は、フィルム加熱方式の定着ニップ部拡大図であり、定着部材として加熱ヒータ80及び定着フィルム85を備えている。図において、加熱ヒータ80は、セラミック基板81の片面に通電発熱抵抗層82及び摺動層83が形成されており、ヒータ保持部材84によって保持された状態となっている。
この定着ニップ部Nhに、可撓性を有する薄肉の定着フィルム85を導入し、加熱ヒータ80と加圧ローラ90との間に加圧力を与えることによって加圧ローラ90の弾性層91の変形により定着ニップ部Nhを形成している。
また、定着ニップ部Nhに、トナー画像Tが形成された記録材Pを導入することで加熱定着を行うが、一般的に定着フィルム85は、定着ニップ部Nhの上下流の領域において、略水平に走行する。
一方、加圧ローラ表面は、定着ニップ部Nhより下流側では定着ニップ部から離れる方向に回転する。記録材Pは、定着ニップ部Nhにおいては、定着フィルム85と加圧ローラ90によって狭持搬送されるが、定着ニップ部Nh下流では拘束されない状態となる。よって矢印の方向へのみ記録材Pの変形が可能となる。
この結果、例えば図8(a)に示したように、記録材Pの搬送方向と繊維方向が同一の場合には、繊維方向と直交する方向への記録材の縮みによる変形が発生し、印字面とは反対方向で記録材Pの繊維方向と直交する方向への変形が生じる(以下、「縦カール」と記す。)。これは、記録材の繊維から水分が蒸発した際に、繊維の幅方向への収縮が発生するためである。また、記録材Pの搬送方向と繊維方向が直交する場合には、図8(b)に示すように、加圧ローラ90の周方向へ巻付く方向への変形が発生する(以下、「横カール」と記す。)。
このことから、第一の像加熱手段がフィルム加熱方式の場合、第一の像加熱手段の少なくとも画像形成面側の定着部材には記録材の分離手段としての分離爪等の手段を必要としない構成となる一方、紙の繊維の収縮によるカールの発生があった。
また、第一の像加熱手段の下流側に配置した第二の像加熱手段は、記録材上のトナー画像の光沢度をコントロールする役目を果たす。しかし、第二の像加熱手段の定着ローラ及び加圧ローラの外径や熱容量、ニップ幅、線圧の設定によっては、第二の像加熱手段の定着ローラ或いは加圧ローラへの記録材の巻付き防止のために分離爪が必要となる。また、ウォーミングアップタイムに時間がかかったりする。更に、上記第一の像加熱手段によって発生したカールを助長、或いは悪化させてしまう可能性があった。
この結果、第二の像加熱手段から排出された記録材を画像形成装置外部に排出するまでの間にカール取り手段等の変形補正手段を有する等、複雑な構造となり、画像形成装置の大型化を招く結果を余儀なくされていた。
また、フィルム方式の像加熱手段において、第二の像加熱手段を具備せず、定着ニップ内で下流側に加圧ピークが生じるように、加熱ヒータ保持部材の定着ニップ部方向への出っ張りを設けたもの等が実用化されている。しかし、これらの場合、光沢度は全体的に高くなるが、光沢度の幅広いコントロールが困難になることと、走行するフィルムに負荷がかかるために、高耐久のフィルム方式像加熱装置を提供することが困難になってしまっていた。また、記録材のカールに対して定着ニップ部下流の加圧方法の影響が大きく、あらゆる種類の記録材に対してカールの発生を抑えることは困難になっていた。
そこで、本発明の目的は、記録材上のトナー画像の光沢度の選択幅が広く、カールの発生を防止し、分離爪等の分離手段を必要としない像加熱装置、画像形成装置及び光沢増大装置を提供することである。
本発明の他の目的は、各々加熱部材及び加圧部材を備えた第一及び第二の像加熱手段により記録材上のトナー画像の光沢度を広い範囲で形成することが可能で、ウォーミングアップタイム時間が短く、記録材のカールを効果的に除去することができ、かつ記録材と像加熱手段の分離性に優れた像加熱装置、画像形成装置及び光沢増大装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る像加熱装置、画像形成装置及び光沢増大装置にて達成される。要約すれば、本発明は、第一の態様によれば、記録材上の未定着トナー画像を加熱部材と加圧部材により形成されるニップ部を通過することにより記録材上に固着画像として加熱定着する像加熱装置において、
前記加熱部材は、加熱源を内部に備え内面より平坦な面で加圧、加熱される可撓性のベルト状部材である第一の加熱部材と、熱ローラである第二の加熱部材と、を備え、
前記加圧部材は、前記第一の加熱部材と定着ニップ部を形成する第一の加圧部材と、前記第二の加熱部材と加熱ニップ部を形成する第二の加圧部材と、を備え、
前記加熱ニップ部は、記録材の画像形成面と反対方向に凹形状を有する加熱ニップ形状とされ、
前記第一の加熱部材の前記第一の加圧部材に対する前記定着ニップ部の単位面積当りの加圧力に対して、前記第二の加熱部材の前記第二の加圧部材に対する前記加熱ニップ部の単位面積当りにおける加圧力の方を高くすることができる、
ことを特徴とする像加熱装置が提供される。
本発明の第二の態様によれば、記録材に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、この未定着トナー画像を記録材に熱定着させる定着装置とを備えた画像形成装置において、
前記定着装置は、上記構成の像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明の第三の態様によれば、記録材に定着された画像を像加熱装置にて加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢増大装置において、
前記像加熱装置は、上記構成の像加熱装置であることを特徴とする光沢増大装置が提供される。
本発明によれば、記録材上のトナー画像の光沢度の選択幅が広く、カールの発生を防止し、分離爪等の分離手段を必要としない像加熱装置及び画像形成装置、並びに、光沢増大装置を提供することができる。特に、各々加熱部材及び加圧部材を備えた第一及び第二の像加熱手段により記録材上のトナー画像の光沢度を広い範囲で形成することが可能で、ウォーミングアップタイム時間が短く、記録材のカールを効果的に除去することができる。しかも、記録材と像加熱手段の分離性に優れた像加熱装置及び画像形成装置、並びに、光沢増大装置を提供することができる。
以下、本発明に係る像加熱装置、画像形成装置及び光沢増大装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている像加熱装置に記録材を供給するまでの画像形成装置の構成、寸法、材質、形状それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。本発明の範囲を以下の実施例に限定する趣旨のものではない。
(1)画像形成装置の全体構成
図1に、本発明に係る画像形成装置の一実施例であるカラー画像形成装置の概略構成を示す。本実施例にて、カラー画像形成装置は、電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。
本実施例の画像形成装置100は、4つの画像形成部(画像形成手段)1(1Y、1M、1C、1Bk)を備えており、これらの4つの画像形成部1Y、1M、1C、1Bkは一定の間隔をおいて一列に配置されている。つまり、本実施例にて、画像形成部は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Bkである。
各画像形成部1Y、1M、1C、1Bkには、それぞれ感光ドラム2a、2b、2c、2dが設置されている。各感光ドラム2a、2b、2c、2dの周囲には、帯電ローラ3a、3b、3c、3d、現像装置4a、4b、4c、4d、転写ローラ5a、5b、5c、5d、ドラムクリーニング装置6a、6b、6c、6dがそれぞれ設置されている。帯電ローラ3a、3b、3c、3dと現像装置4a、4b、4c、4d間の上方には露光装置7a、7b、7c、7dがそれぞれ設置されている。各現像装置4a、4b、4c、4dには、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーが収納されている。
画像形成部1Y、1M、1C、1Bkの各感光ドラム2a、2b、2c、2dの各1次転写部Nに、転写媒体としての無端ベルト状の中間転写体50が当接している。中間転写ベルト50は、駆動ローラ51、支持ローラ52、2次転写対向ローラ53間に張架されており、駆動ローラ51の駆動によって矢印方向(時計方向)に回転(移動)される。
1次転写用の各転写ローラ5a、5b、5c、5dは、各1次転写ニップ部Nにて中間転写ベルト50を介して各感光ドラム2a、2b、2c、2dに当接している。
2次転写対向ローラ53は、中間転写ベルト50を介して2次転写ローラ54と当接して、2次転写部Mを形成している。2次転写ローラ54は、中間転写ベルト50に接離自在に設置されている。
中間転写ベルト50の外側の駆動ローラ51近傍には、中間転写ベルト50表面に残った転写残トナーを除去して回収するベルトクリーニング装置55が設置されている。
また、2次転写部Mの記録材Pの搬送方向下流側には像加熱装置200が設置されている。像加熱装置200については、後で詳述する。
また、この画像形成装置200内には環境センサー57とメディアセンサー58が設置されている。
画像形成動作開始信号が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される画像形成部1Y、1M、1C、1Bkの各感光ドラム2a、2b、2c、2dは、それぞれ帯電ローラ3a、3b、3c、3dによって一様に本実施の形態では負極性に帯電される。
そして、露光装置7a、7b、7c、7dは、入力されるカラー色分解された画像信号をレーザ出力部(不図示)にて光信号にそれぞれ変換し、変換された光信号であるレーザ光を帯電された各感光ドラム2a、2b、2c、2d上にそれぞれ走査露光する。これにより、各感光ドラム2a、2b、2c、2dに静電潜像を形成する。
次いで、先ず、静電潜像が形成された感光ドラム2a上に、感光ドラム2aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aによりイエローのトナーを感光体表面の帯電電位に応じて静電吸着させることで静電潜像を顕像化し、現像像とする。このイエローのトナー像は、1次転写部Nにて1次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ5aにより、回転している中間転写ベルト50上に1次転写される。イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト50は画像形成部1M側に回転される。
そして、画像形成部1Mにおいても、前記同様にして感光ドラム2bに形成されたマゼンタのトナー像が、1次転写部Nにて中間転写ベルト50上のイエローのトナー像上に重ね合わせて転写される。
以下、同様にして中間転写ベルト50上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部1C、1Bkの感光ドラム2c、2dで形成されたシアン、ブラックのトナー像を各1次転写部Nにて順次重ね合わせる。これにより、フルカラーのトナー像を中間転写ベルト50上に形成する。
そして、中間転写ベルト50上のフルカラーのトナー像先端が2次転写部Mに移動されるタイミングに合わせて、レジストローラ56により記録材(転写材)Pを2次転写部Mに搬送する。この記録材Pに、2次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された2次転写ローラ54によりフルカラーのトナー像が一括して2次転写される。
フルカラーのトナー像が形成された記録材Pは、像加熱装置である定着装置200に搬送される。本実施例にて、定着装置200は、第一の像加熱手段(第一の像加熱装置)200Aと第二の像加熱手段(第二の像加熱装置)200Bを備えている。第一の像加熱装置200Aは、第一の加熱部材(即ち、定着部材)10及び第一の加圧部材20より構成され、第二の像加熱装置200Bは、第二の加熱部材(即ち、定着部材)30及び第二の加圧部材40より構成される。
記録材Pのフルカラーのトナー像は、第一及び第二の像加熱装置200A、200Bのそれぞれの定着ニップ部で加熱、加圧して記録材P表面に溶融定着した後に外部に排出され、画像形成装置100の出力画像となる。そして、一連の画像形成動作を終了する。
尚、画像形成装置100内には環境センサ57を有しており、帯電、現像、1次転写、2次転写のバイアスや定着条件は、画像形成装置内の雰囲気環境(温度、湿度)に応じて変更可能な構成となっている。環境センサ57は、記録材Pに形成されるトナー像濃度の調整のためや、最適な転写、定着条件を達成するために用いられる。
また、画像形成装置100内にはメディアセンサ57を有しており、記録材Pの判別を行うことによって、転写バイアスや定着条件は記録材に応じて変更可能な構成となっており、記録材Pに対する最適な転写、定着条件を達成するため用いられる。
上記した1次転写時において、感光ドラム2a、2b、2c、2d上に残留している1次転写残トナーは、ドラムクリーニング装置6a、6b、6c、6dによって除去されて回収される。また、2次転写後に中間転写ベルト50上に残った2次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置55によって除去されて回収される。
(2)像加熱装置
図2〜図4に、本発明に係る像加熱装置の一実施例を示す。上述のように、本実施例にて像加熱装置は、記録材に転写された未定着トナー画像を記録材に熱定着させる定着装置200とされる。
図2は、本実施例の定着装置200の概略構成断面図であり、図3及び図4は、それぞれ、定着装置200を構成する第一の像加熱装置200A及び第二の像加熱装置200Bの長手方向概略構成を示す図である。
本実施例の定着装置200は、定着ベルト加熱方式、加圧用回転体駆動方式(テンションレスタイプ)の第一の像加熱装置200Aと、定着ローラと加圧ローラより構成される第二の像加熱装置200Bとを備えている。これら第一及び第二の2つの像加熱装置200A、200Bは順列した装置構成とされる。
上述したように、本実施例にて、第一の像加熱装置200Aは、第一の定着部材10及び第一の加圧部材20を備え、第二の像加熱装置200Bは、第二の定着部材30及び第二の加圧部材40を備えている。
(第一の像加熱装置200Aの全体的構成)
図2及び図3において、第一の像加熱装置200Aにおける第一の定着部材10は、定着ベルト13を備えており、定着ベルト13は、可撓性を有する耐熱性ベルト状部材に弾性層を設けてなる円筒状(エンドレスベルト状)の部材である。この定着ベルト13は、後で詳述する。
第一の像加熱装置200Aは、更に、加熱体保持部材としての、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するヒータホルダ14と、ヒータホルダ14の下面に該ホルダの長手に沿って配設してある加熱体(加熱源)としての定着ヒータ11とを備えている。定着ベルト13は、このヒータホルダ14にルーズに外嵌させてある。定着ヒータ11は、後で詳述するように、セラミックヒータである。
ヒータホルダ14及び長手方向両端部に配置する端部フランジ15は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂、フェノール樹脂、PPS等で形成し、定着ヒータ11を保持し、定着ベルト13をガイドする役割を果たす。本実施例においては、共に液晶ポリマーとして、デュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用した。ゼナイト7755の最大使用可能温度は、約270℃である。
第一の像加熱装置200Aにおける加圧部材20は、加圧ローラとされる。加圧ローラ20は、アルミ製、ステンレス製、或いは、SUM材(研削鋼)等の芯金21に、射出成形により、厚み約3mm程度のシリコーンゴム層22を形成し、その上に離型性層23として厚み約50μmのPFA樹脂チューブを被覆して構成される。
この加圧ローラ20は、芯金21の両端部を不図示の装置フレームの奥側と手前側の側板間に、回転自由に軸受24によって保持させて配設してある。また、加圧ローラ20の端部には回転駆動ギア25が取り付けられており、所定の回転速度で回転可能となっている。
この加圧ローラ20の上側に、前記の定着ヒータ11・ヒータホルダ14・定着ベルト13・端部フランジ15等から成る定着ベルトユニットを定着ヒータ11側が下向きになるようにして加圧ローラ20に並行に配置する。そして、ヒータホルダ14と嵌合された両端部の端部フランジ15を加圧機構としての加圧バネ16により所定の圧力で加圧ローラ20の軸線方向に付勢する。これにより、定着ヒータ11の下向き面を定着ベルト13を介して加圧ローラ20の弾性層22に該弾性層22の弾性に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部Nhを形成させてある。
定着ニップ部は、長手方向に対して、幅W1で形成され、この内、記録材最大搬送幅Lを形成している。加圧機構は、圧解除機構を有し、ジャム処理時等に、加圧を解除し、記録材Pの除去が容易な構成となっている。
第一の像加熱装置200Aには、温度検知手段としてのサーミスタ12が配置されている。温度検知手段としてのサーミスタ12は、定着ヒータ11の定着ニップ部Nhとは反対側に所定の加圧力で接触配置されており、不図示の制御回路部(CPU)に接続されている。制御回路部は、サーミスタ12の出力をもとに、定着ヒータ11温調制御内容を決定し、電力供給部(加熱手段)としての定着ヒータ11への通電を制御する。または、サーミスタ12を定着ベルト13の内面に弾性的に接触させ、定着ベルト13の内面の温度を検知して定着ヒータ11への通電を制御する方法であっても良い。
第一の像加熱装置200Aにおける定着部材10と加圧部材20によって形成される定着ニップ部Nh内に、未定着トナー画像T1が形成された記録材Pを案内する部材として定着入口ガイド101が配置されている。入口ガイド101としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の耐熱樹脂を使用している。
加圧ローラ20は、駆動手段により矢印の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ20の回転駆動による該加圧ローラ20の外面と定着ベルト13との定着ニップ部Nhにおける圧接摩擦力により円筒状の定着ベルト13に回転力が作用する。従って、該定着ベルト13はその内面側が定着ヒータ11の下向き面に密着して摺動しながらヒータホルダ14の外回りを矢印の時計方向に従動回転状態になる。定着ベルト13内面にはグリスが塗布され、ヒータホルダ14と定着ベルト13内面との摺動性を確保している。
加圧ローラ20が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト13が従動回転状態になる。また、定着ヒータ11に通電がなされ、該定着ヒータ11が昇温して所定の温度に立ち上げ温調された状態となる。この状態において、定着ニップ部Nhの定着ベルト13と加圧ローラ20との間に未定着トナー像T1を担持した記録材Pが入り口ガイド101に沿って案内されて導入される。
定着ニップ部Nhにおいて記録材Pのトナー像担持面側が定着ベルト13の外面に密着して定着ベルト13と一緒に定着ニップ部Nhを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、定着ヒータ11の熱が定着ベルト13を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像T1が記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。
定着ニップ部Nhを通過した記録材Pは、定着されたトナー画像T2を保持したまま、定着ベルト13から曲率分離され、後述する第二の像加熱装置の加熱ニップ部へ搬送される。
(定着ヒータ11)
熱源としての定着ヒータ11は、本実施例では、セラミックヒータを使用している。セラミックヒータは、アルミナや窒化アルミの基板上に、銀・パラジウム合金を含んだ導電ペーストをスクリーン印刷法によって均一な厚さの膜状に塗布することで抵抗発熱体を形成した上に耐圧ガラスによるガラスコートを施したものである。
この定着ヒータ11は、
(1)通紙方向と直交する方向を長手とする横長の基板(アルミナ或いは窒化アルミ)、
(2)上記の基板の片面側に長手に沿ってスクリーン印刷により線状或いは帯状に塗工した、電流が流れることにより発熱する銀パラジウム(Ag/Pd)合金を含んだ導電ペーストの、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の抵抗発熱体層、
(3)上記の抵抗発熱体層に対する給電パターンとして、同じくアルミナ基板の片面側に銀ペーストのスクリーン印刷等によりパターン形成した、第一と第二の電極部、
(4)抵抗発熱体層の保護と絶縁性を確保するためにその上に形成した、定着ベルト13との摺擦に耐えることが可能な、厚み50μm程度の薄肉ガラスコートの摺動層(或いは、窒化アルミのような高熱伝導基板を用いる場合には、抵抗発熱体層と反対側の基板上に形成した摺動面としてのポリイミド層等の樹脂製摺動層でも良い)、
(5)基板の定着ニップ側と反対の面上に設けたサーミスタ12、
等からなる。
上記の定着ヒータ11は摺動面側を下向きに露呈させてヒータホルダ14に固定して支持させてある。上記定着ヒータ11の電極部には不図示の給電用コネクタが装着される。ヒータ駆動回路部から給電用コネクタを介して電極部に給電されることで抵抗発熱体層が発熱して定着ヒータ11が迅速に昇温する。ヒータ駆動回路部は制御回路部(CPU)により制御される。
通常使用においては、加圧ローラ20の回転開始とともに、定着ベルト13の従動回転が開始し、定着ヒータ11の温度の上昇とともに、定着ベルト13内面温度も上昇していく。定着ヒータ11への通電は、PID制御によりコントロールされ、定着ヒータ11温度、或いは定着ベルト13の内面温度、すなわち、サーミスタ12の検知温度が所定温度になるように、入力電力が制御される。
また、定着ニップ部Nhでは、前記従来の方法で説明した図7に示すように、略平坦面のヒータ摺動面に定着ベルト13が密着して走行し、記録材P上のトナー画像Tを加熱定着する。なお、このように略平坦面の定着ニップとすることで、後述する定着ベルトへの負荷が軽減され、定着ベルトの高寿命化を達成することが可能になる。
(定着ベルト13)
本実施例において、定着ベルト13は、ベルト状部材に弾性層を設けてなる円筒状(エンドレスベルト状)の部材である。具体的には、図6に示すように、材質にSUSを用い、厚み30μmの円筒状に形成したエンドレスベルト(ベルト基材)13a上に、厚み約300μm程度のシリコーンゴム層(弾性層)13bを、リングコート法により形成する。更に、その上に、厚み20μmのPFA樹脂チューブ(最表面層)13cを被覆して形成される。
このような構成で作成した定着ベルト13の熱容量を測定したところ、0.12J/cm2・K(2.9×10-2cal/cm2・℃、定着ベルト1cm2あたりの熱容量)であった。
定着ベルト13の各層の構成と定着ニップ部Nh内でのトナー画像定着の様子を図6に示す。
(1)定着ベルトの基層13a
定着ベルト13の基層13aにはポリイミドなどを用いることもできるが、ポリイミドよりもSUSのほうが、熱伝導率がおよそ10倍と大きく、より高いオンデマンド性を得ることができる。このことから、本実施例においては、定着ベルト13の基層13aにはSUSを用いた。
(2)定着ベルトの弾性層13b
定着ベルト13の弾性層13bには熱伝導率の高いゴム層を用いている。これはより高いオンデマンド性を得るためである。本実施例で用いた材質は比熱が約1.21J/ g・K(2.9×10-1cal/g・℃)である。
(3)定着ベルトの離形性層13c
定着ベルト13の表面には、フッ素樹脂層等の離型性層13cを設けることで、表面の離型性を向上し、定着ベルト13表面にトナーが一旦付着し、再度記録材Pに移動することで発生するオフセット現象を防止することができる。また、定着ベルト13表面のフッ素樹脂層を、PFAチューブとすることで、より簡便に、均一で表面性が良好なフッ素樹脂層を形成することが可能となる。
(4)定着ベルトの熱容量
一般に、定着ベルト13の熱容量が大きくなると、温度立ち上がりが鈍くなり、オンデマンド性が損なわれる。たとえば、定着装置の構成にも拠るが、スタンバイ温調無しで、20秒以内での立ち上がりを想定した場合、定着ベルト13の熱容量は約0.51J/cm2・K(0.123cal/cm2・℃)以下である必要がある。
本実施例においては、朝一立ち上げの際に、定着ヒータ11に700Wの電力を投入して、定着ベルト13表面が室温から190℃に20秒以内に立ち上がるように設計してある。シリコーンゴム層13bには、比熱が約1.21J/g・K(2.9×10-1cal/g・℃)の材質を用いており、このとき、シリコーンゴムの厚みは500μm以下でなければならない。定着ベルト13の熱容量は、約0.19J/cm2・K(4.5×10-2cal/cm2・℃)以下である必要がある。また、逆に、0.042J/cm2・K(1.0×10-2cal/cm2・℃)以下にしようとすると、定着ベルト13のゴム層13bが極端に薄くなる。そのため、OHT透過性やグロスムラなどの画質の点において、弾性層を持たないオンデマンド定着装置と同等になってしまう。
本実施例においては、OHT透過性やグロスの設定など高画質な画像を得るために必要なシリコーンゴムの厚みは180μm以上であった。この際の熱容量は0.088J/cm2・K(2.1×10-2cal/cm2・℃)であった。
つまりは、本実施例と同様の定着装置の構成における、定着ベルト13の熱容量は0.042J/cm2・K以上0.51J/cm2・K以下が一般的に対象となる。この中で、よりオンデマンド性と高画質の両立を図ることができる、0.088J/cm2・K以上0.19J/cm2・K以下の定着ベルトを用いることとした。
なお、比重に関しては、AUW−SGMシリーズ(商品名、(株)島津製作所製)や電子比重計(型番SD−200L、アルファーミラージュ株式会社製)の等の測定装置を用いることができる。また、比熱に関しては、DSC6200(商品名、セイコーインスツルメンツ(株)製)や示差走査熱量計(型番DSC8240、株式会社リガク製)等の測定装置を用いて測定することが可能である。これらの測定結果より熱容量を求める。
また、定着ニップ部Nhにおける記録材上のトナー画像の定着の様子を図6にて説明する。
上述したように、定着ベルト13は弾性層13bを具備しているため、記録材P上のトナー画像Tに対して、定着ニップ部Nhで定着ベルト13の表面がトナー画像の段差に応じて弾性変形することが可能となる。従って、トナー画像T1を包み込む効果があり、一様な定着性能が達成される。このため、定着ベルト13の弾性層13bの硬度は定着一様性に密接に関係している。JIS K7312やSRIS0101規格に準じたASKER−C型硬度計(商品名、高分子計器(株)製)を用いて測定した硬度(以下、「ASKER−C硬度」と記す。)で、1〜50度にあるものが好ましい。弾性層のASKER−C硬度をこの範囲にすることにより、加熱定着部材の弾性層が被記録材やトナー像の凹凸への追従が容易となり、十分な画像均一性が確保できる。なお、ASKER−C硬度を測定するのに充分な厚みが確保できない試料では、弾性層だけを切り出し、数枚を重ねて測定することで測定する。
以上が第一の像加熱装置の全体的な構成及び主要部分の構成の詳細であるが、画像形成装置の速度やトナーの種類によって、それぞれの構成は、形状や材質を適宜選択するものであり、一意に決定されるものではない。但し、定着ベルト13の外径としては、直径16〜30mm程度、弾性層13bのASKER−C硬度15〜30度程度、厚み180〜350μm、PFAチューブ13cの厚みは12〜35μm程度に設定する。また、定着ヒータ11としては、基板幅6〜13mm程度として、定着ニップ幅Nhを5〜10mm程度とするのが、定着性能の確保、像加熱装置の大きさ、記録材の搬送安定性、分離性の観点から良好な範囲とされる。
また、加圧部材20としての加圧ローラの外径は、直径20〜30mm程度がオンデマンド性を確保するという熱容量の観点からも適度な範囲である。また、弾性ゴム単体のASKER−C硬度は15〜40°、離型性層被覆後の硬度45〜65°程度がニップ幅Nh確保と記録材搬送性の観点から良好な範囲である。
また、上記範囲で第一の様々な像加熱装置200Aを構成し、様々な記録材P上のトナー画像を加熱定着したところ、定着ニップ部Nhより排出された記録材Pは前述した図8(a)及び(b)のようなカール状の変形が発生した。また、これらのカールは、前述したように記録材P中の繊維に含まれていた水分が蒸発した際に発生することから、記録材Pが定着ニップ部Nhにて受ける熱量と大きな相関がある。また、記録材Pの繊維自体には大きなダメージ(熱ローラで見られるような繊維の断裂等)は見受けられなかった。
(第二の像加熱装置200Bの全体的構成)
図2及び図4を参照して、本実施例に係る第二の像加熱装置200Bの説明をする。
本実施例にて、第二の像加熱装置200Bは、定着部材30と加圧部材40とを備えている。それぞれの部材30、40により第二の加熱ニップ部Ngを形成して記録材上のトナー画像の加熱を可能としている。
第二の像加熱装置200Bの定着部材30は、中空定着ローラとされ、中空定着ローラ30の内部には、ローラ内部から加熱する加熱源としてのハロゲンヒータ31が配置されている。ハロゲンヒータ31は、350W〜600W定格程度の加熱源である。また、ハロゲンヒータ31は、両端の封止部31aから外部に繋がれた給電電極31bへ給電を行うことでタングステンを発光し、輻射熱を発生させる。
定着ローラ30は、オンデマンド性を確保し、記録材の分離性を確保するため、直径8〜16mmのSUM材或いはステンレス等の金属スリーブであり、厚みを0.4〜1.0mmと薄く形成した中空芯金31にて形成されている。また、強度を高めるためにその厚さ方向全域に軟窒化処理による窒素の拡散層が形成された円筒体としていたり、内部に強度upのためのリブが形成されてあっても良い。内面には麒化処理として黒色塗装(材質オキツモ8000番;三井油化製等)を塗布し、ハロゲンヒータ31の輻射熱の吸収効率を高めている。
定着ローラ30を構成する芯金32の最表面には離型性層32aとして厚み10〜30μm程度のフッ素樹脂層が形成されている。フッ素樹脂層としては、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、フッ化エチレンポリプロピレン共重合体樹脂(FEP)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)等を挙げることができる。
また、上記材料に高熱伝導性を有する部材を添加して、高熱伝導の離型性層を形成しても良い。例えば一つの方法として、PFA中に熱伝導率が少なくとも10.0W/m・K以上の材料から成る繊維状或いはフレーク状の高熱伝導フィラーを10vol%〜50vol%混入させた層を厚み10〜30μmで形成する。但し、本目的のトナー画像の光沢度選択幅を広げるために第二の像加熱装置200Bに具備される定着ローラ30の表面は、粗さが少ない平滑な表面にした方が、高い光沢度を達成するのに適しており、表面性を良好に保った状態での高熱伝導化が適している。
上記の繊維状或いはフレーク状の高熱伝導フィラーは、例えば、AlN、グラファイト、アルミナ等の金属酸化物、カーボンナノチューブ、ダイアモンド、アルミ、チタン合金、銅合金等の金属、チッ化ホウ素、チッ化珪素、炭化珪素、結晶性シリカ等である。
或いは、表面性が良好な離型性層として厚み10〜30μmのPFAチューブを被覆する方法でも良い。PFAチューブ中に熱伝導を向上させるための上記フィラーが混入されていても勿論良い。
また、上記定着ローラ30を構成する円筒状芯金32と離型性層32aの間に極薄く弾性ゴムを介在させてあっても良い。ただし、後述するカール除去効果を得るためには、厚み1mm以下、弾性ゴムのASKER−C硬度は30°以上とすることが好ましい。これにより、後述する加圧部材40としての加圧ローラの弾性層42との撓みにおいて、定着ローラ30のゴムの撓み量が加圧ローラ40の弾性層42の撓み量より少なくすることで、カール除去効果が得られる。
定着ローラ30の単位面積当りの熱容量としては、オンデマンド性を考慮して20秒以内に定着ローラ表面温度が所定温度に達するためには、0.35J/cm2・K以下にする必要がある。このため、より小径の定着ローラ30が適している。また、ある程度の加圧力に対して機械的強度を満足するためには、0.13J/cm2・K以上の熱容量が必要となる。よって、0.13J/cm2・K以上0.35J/cm2・K以下の熱容量で定着ローラを形成することが望ましい。
また、定着ローラ30は、第二の像加熱装置200Bであり、第一の像加熱装置200Aによって既に加熱された記録材P上のトナー画像の最表面を加熱することで光沢度を高めることを目的とする。そのため、定着ローラ30の加熱ニップ部Ngとしては、通紙方向(記録材搬送方向)幅が3mm以下で十分である。また、加熱ニップ幅Ngを狭くすることで、加圧力に対して加熱ニップ部Ng中で十分な線圧を与えることが可能になるため、記録材上のトナー画像の光沢度を効果的に上げることができる。
また、定着ローラ30は、直径16mm以下(8mm以上)の小径とすることで、狭い加熱ニップ部Ngでも定着ローラ30の曲率により、カール除去が効果的に達成される。
特に、第一の像加熱装置200Aによって記録材中の水分が蒸発した安定した状態となって第二の像加熱装置200B内に記録材が突入する。そのため、定着ローラ30を小径とすることにより、記録材中の水分量に寄与しないカール補正が可能となるため、非常に安定した記録材のカール補正が可能となる。また、定着ローラ30が小径のため、加熱ニップ部Ngから排出された記録材は曲率分離により、記録材自身の腰だけで、自然と定着ローラ30から分離する。よって、分離爪等の定着ローラ30表面に傷を付ける可能性のある部材を配置する必要もなく、長寿命の像加熱装置となる。
定着ローラ30の表面には温度検知素子33としてのサーミスタが配置されており、定着ローラ表面が所定の温度に維持加熱されるように制御されている。
また、定着ローラ30を構成する円筒状芯金の長手方向端部には、図4に示すように、駆動ギア34が固定されており、画像形成装置の駆動を受け、回転駆動される構成となっている。
また、加圧部材40としての加圧ローラは、アルミ、ステンレス、SUM材等の金属芯金41の外面にシリコーンゴム等からなる弾性層42を被覆してある。弾性層42としては、シリコーンゴムを厚み1〜3mm程度で被覆するのが好ましく、上記定着ローラ30との間で記録材カール除去に効果のある加圧ローラ側が凹形状となる設定が、即ち、記録材Pの画像形成面と反対方向に凹形状を有するのが好ましい。弾性ゴムのASKER−C硬度は15〜40°程度が良い。加圧ローラ全体のASKER−C硬度としては、1kgf加重で50〜65°程度が良い。
また、弾性層42として、断熱弾性層とすることも定着ローラ昇温を速くするために有効である。
断熱弾性層42としては、熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物100重量部に、平均粒子径が500μm以下の中空フィラーを0.1〜200重量部配合してなるシリコーンゴム組成物を加熱硬化して形成される。
ここで、中空フィラーとしては、硬化物内に気体部分を持つことでスポンジゴムのように熱伝導率を低下させるもので、マイクロバルーン材等がある。このような材料としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、カーボンバルーン、フェノールバルーン、アクリロニトリルバルーン、塩化ビニリデンバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、シラスバルーンなど、如何なるものでも構わない。
無機系マイクロバルーンの具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。シラスバルーンとしては、イヂチ化成(株)製のウインライト、三機工業(株)製のサンキライトが挙げられる。ガラスバルーンとしては、日本板硝子(株)製のカルーン、旭ガラス(株)製のセルスター、3M(株)製のグラスバブルズフィラーが挙げられる。シリカバルーンとしては、旭硝子(株)製のQ−CELが挙げられる。フライアッシュバルーンとしては、PFAMARKETING(株)製のCEROSPHERESが挙げられる。アルミナバルーンとしては、昭和電工(株)製のBWが挙げられる。ジルコニアバルーンとしては、ZIRCOA(株)製のHOLLOW ZIRCONIUM SPHEESが挙げられる。カーボンバルーンとしては、呉羽化学(株)製クレカスフェアなどが挙げられる。
中空フィラー自体が弾性を有するものが好適である。例えば、熱可塑性樹脂製中空バルーン、特に塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合物或いはこれらのうち2種以上の共重合物などからなるものが好適である。
更には、熱膨張マイクロバルーン材として、松本油脂製薬株式会社の松本マイクロスフェア−Fシリーズ、エクスパンセル社のエクスパンセルシリーズ等などを挙げることができる。
また、加圧ローラ40の最外層にPFAチューブ等の離型性層を形成してあっても良い。
加圧ローラ40の外径としては、直径10〜20mm程度の小径で構成することが望ましい。これにより、上記定着ローラ30のオンデマンド性を確保するため、熱容量を抑えることができ、また、第二の像加熱装置200Bとして、既に加熱状態にある記録材上のトナー画像の最表面だけを更に溶かしてトナー面を平滑化させることができる。
加圧ローラ40は、図4に示すように、端部の軸41aを軸受け43で受けており、軸受け43には加圧バネ44が取り付け可能になっている。不図示の定着フレームに加圧バネ44の他端を固定することで、定着ローラ30との間に所定の加圧力を与えられる構成となっている。これにより長手方向W2の長さで定着ローラ30と加圧ローラ40の間に加熱ニップ部Ngを形成している。
定着ローラ30及び加圧ローラ40から構成される第二の像加熱装置200Bに対して、第一の像加熱装置200Aから排出された記録材Pを、そのまま連続的に第二の像加熱装置200Bへ導入する。このとき、第一の像加熱装置200Aから排出された記録材P上のトナー画像T2は、さらに第二の像加熱装置200Bによってトナー像表面が加熱され、固着画像T3となって排紙ガイド102に案内されて排出される。排紙ガイド102はPPS等の耐熱樹脂により形成されている。
以上の構成において、第一の像加熱装置200Aによって発生したカールを除去し、記録材上のトナー画像の光沢度をどの程度上げることが可能になるかを確認した。
実験に用いた画像形成装置100は、プロセススピード180mm/secの電子写真方式タンデム型のフルカラープリンタであり、1分間に30枚のカット紙(LTRサイズ、A4サイズ)を通紙可能な装置である。
また、この画像形成装置100は、半速の90mm/secでの通紙も可能であり、厚紙やラフ紙、グロスペーパーを通紙する際に、画像形成装置のパネル操作を実施することで選択可能な機能を有する。
上記画像形成装置100に、以下に説明する本実施例の像加熱装置(定着装置)200を搭載した。
第一の像加熱装置200Aは、前述した構成(SUS30μm、シリコーンゴム300μm、PFAチューブ20μm)の外径24mmの定着ベルト13の内部に、幅10mm、厚み0.6mmの窒化アルミヒータ11を接触させた定着部材10を備えている。また、加圧部材20は、外径18mmのSUM材よりなる中実芯金21の外側に、ASKER−C硬度25°のシリコーンゴム22を厚み3mmで形成し、最外層23に厚み50μmのPFAチューブを被覆した直径25mmの加圧ローラとした。
なお、加圧ローラ20のPFAチューブ被覆後のASKER−C硬度は、1kg加重で56°である。また、窒化アルミヒータ11は、ニップと反対面に抵抗発熱体を形成し、ニップ面側には厚み6μmのポリイミド層を形成した。窒化アルミヒータ11と加圧ローラ20間に定着ベルト13を介在させ、加圧力は24kgfとした。加圧領域の長手寸法は230mm、定着ニップ部Nhの記録材搬送方向幅は6.7mmである。よって単位面積当りの線圧は約15.6g/mm2程度である。
次に、第二の像加熱装置200Bは、厚み0.6mmの中空芯金32の表面に厚み20μmのPFAチューブ32aを被覆した定着ローラ30の内部に500W出力の直径6mmハロゲンヒータ31を具備したものであった。加圧ローラ40としては、SUM材よりなる直径14mmの中実芯金41にASKER−C硬度(1kgf加重)が15〜40°のシリコーンゴム42を2mm厚で形成後、厚み50μmのPFAチューブを被覆したものであった。ローラ全体の硬度として、ASKER−C硬度(1kgf加重)を45〜70°まで様々に振ったサンプルを用意した。
また、定着ローラ30としては、高温オフセットが発生しない範囲として、表面温度を150℃で温調し、外径を7mm〜20mmで振って、カール補正効果、記録材の分離性、光沢度の向上効果を確認した。加圧力は、適宜振って、ニップ幅と線圧を調整してそれぞれの特性を確認した。光沢度の測定方法としては、日本電飾社製PG−3Dを使った入射角75°での測定値を用いた。
なお、それぞれのニップ幅の測定方法としては、加熱状態で全面ベタ黒画像を形成した記録材(画像形成装置の搬送可能な最大長手幅の記録材)を搬送し、ニップ内で10秒間以上停止した後、除去した際におけるベタ黒上の光沢の違いよりニップ幅を測定する。
本実験では、第一の像加熱装置200Aの定着ニップ幅も含め、上記方法によりニップ幅を各々5回測定し、その平均値をそれぞれのニップ幅として定義した。
また、それぞれの像加熱装置200A、200Bの線圧は、図3、図4に示した長手方向のニップ幅W1及びW2と、上記ニップ幅測定方法によって測定した記録材搬送方向のニップ幅より各ニップの総面積を計算し、総加圧力をこの総面積で除して計算した。
使用した記録材は、坪量60g/m2、75g/m2、90g/m2、105g/m2、120g/m2、160g/m2のLTR紙である。紙質としては、普通コピー用紙、再生紙、グロス紙(コート紙)をそれぞれ搬送方向に対して繊維方向が平行及び垂直となる記録材、総数36種類用意して確認した。確認結果を表1に示す。
なお、表中のカール補正は、
(1)○は、全ての記録材で第二の像加熱装置200Bによってカールが低減され、問題ないレベル、
(2)△は、7割以上の記録材でカール低減され問題ないが、残りの紙種で若干カールが大きく、許容し難いレベル、
(3)×は、3割以上の記録材でカールへの改善が見られなかった場合、
を示す。
また、記録材の分離性は、トナー画像を記録材先端に各色ベタ状態で印字した場合に、
(1)○は、全ての紙種で問題なく通紙できた場合、
(2)△は記録材の1〜5種類にガイドに当たって発生した記録材頂点の角折れ等の不具合が発生した場合、
(3)×は、少なくとも1種類の紙種で定着ローラへの巻付きが発生してしまった場合、
を示す。
また、光沢度の向上効果は、第一の像加熱装置200Aのみで加熱定着した場合のグロス値をグロスメータ「PG−1」(日本電飾社製、75°入射角)にて測定した値に対して、
(1)第二の像加熱装置でグロス値を全ての紙種において、2倍以上増加することができた場合を○、
(2)7割の紙種で2倍以上のグロス向上が達成されたが残りの紙種で2倍に及ばなかった場合で、画像形成装置の速度を90mm/secに落とすことで2倍以上のグロス向上が図れた場合を△(許容範囲)、
(3)3割以上の紙種で2倍に及ばず、速度を90mm/secに落としても2倍以上が全てにおいて達成できなかった場合を×、
として評価した。
Figure 0005225028
以上の結果より、第二の像加熱装置200Bにおける加熱ニップ部Ngの線圧が第一の像加熱装置200Aより低い場合には、光沢度を向上する効果が少ないことが分かる。線圧が同等の場合には画像形成装置の速度を落とすことによりグロス向上が十分に図れる。
よって、第二の像加熱装置200Bで光沢度の選択幅を広げるためには、少なくとも第一の像加熱装置200Aにおける定着ニップ部の単位面積あたりの加圧力(線圧)より、第二の像加熱装置200Bにおける加熱ニップ部の単位面積当りの加圧力(線圧)が高い必要がある。これは、第二の像加熱装置200Bの定着ローラ表面における滑らかな表面形状をしっかりと記録材上のトナー画像へ転写する意味で重要となる。
また、カール補正に関しても、小径の定着ローラ30で線圧がしっかりとかかっていれば効果があることが分かる。
一方、外径が17mm以上の大きい定着ローラ30では、線圧がかかっていてもカール補正効果が少なくなり、さらに分離性が著しく悪化する傾向にあることが分かる。特に、上記実験で示した第二の像加熱装置200Bは、加圧ローラ40の弾性層42が加圧力によって撓むことで加熱ニップ部Ngを形成しているため、全ての場合において、加圧ローラ側に凹形状の窪みが発生する形態で加熱される。
一方、第一の像加熱装置200Aは、前述したように記録材のトナー画像形成面と反対方向にカールされ排出されるため、本方式の第二の像加熱装置200Bによってカールを補正する効果が現れていることが分かる。
このことを確認するため、上記実験において、第二の像加熱装置200Bにおける定着ローラ30の中空芯金32の外側に厚み2mmの弾性層を形成し、加圧ローラ40の弾性層42を削除したものを試作して同様の実験を行った。その結果、全ての場合において線圧が高くなる程、記録材のカールが助長され、悪化することが確認された。
以上のことから、第一のフィルム形式の像加熱装置200Aにおける平均線圧に比べ、第二の像加熱装置200Bの線圧を上げることで、記録材上のトナー画像の光沢を向上させる効果が高くなり、光沢度の選択幅が広がることが分かる。また、定着ローラ30の温度を150℃で温調して実験を実施したが、室温から150℃まで振ることで容易に記録材上のトナー画像の光沢度を変更可能であることが確認された。
更に、第二の像加熱装置200Bの定着ローラ30の外径を16mm以下とし、加熱リップ形状が加圧ローラ側に凹形状となる加熱ニップ部Ngを形成し、線圧をしっかり確保することで、カール補正を確実に行うことが可能となった。更に、分離性を確保することができた。
つまり、第一の像加熱装置200Aより第二の像加熱装置200Bにおけるニップ部での線圧を高めることで画像の光沢度の選択幅を広げることができる。また、上述のように、第二の像加熱装置200Bにおいて、定着ローラ30を直径16mm以下として加圧ローラ側に凹形状となる加熱ニップNgを形成することでカール補正、分離性を確実に達成することが可能となる。これにより、像加熱装置200Bの下流側でのカール補正手段の構成や分離性確保のための分離爪等の分離手段を特別設ける必要がない。
このことから、画像形成装置や像加熱装置の大型化を招く必要がなく、さらに分離爪等による定着ローラ表面の傷も発生することがない。更に、第一の像加熱装置200Aにおいて定着ニップ部を略フラットとすることから、定着ベルト13への負荷が少なく、耐久寿命の長い像加熱装置が構成される。
さらに、記録材の繊維が受ける負荷が実質第二の像加熱装置200Bからのみとなるため、画像形成装置から排出された記録材の腰が極端に低くなるようなことはない。
本実施例では、像加熱装置として、第一及び第二の像加熱装置200A、200Bを具備し、それぞれに第一、第二の加熱部材10、30、第一、第二の加圧部材20、40を構成する像加熱装置を説明した。しかし、加圧部材20、40は共通化することも可能である。即ち、第一の加圧部材20と第二の加圧部材40は、それぞれ異なる別個の加圧部材であるとしたが、一つの同じ加圧部材とすることもできる。
つまり、第一の加熱部材10が可撓性を有する定着ベルト13を略平坦面の加熱ヒータにより内面から加熱する構成とされる。そして、第二の加熱部材30が熱ローラ形状であり、加圧部材との間で形成する加熱ニップ形状が記録材の画像形成面と反対側に凹形状となる加熱ニップ部を形成するものであれば、同効果が得られる。
上述のように、本実施例の像加熱装置によれば、第一の加熱部材において、平坦な加熱面で可撓性のあるベルトを内面から加熱し、かつ平坦な加熱面と加圧部材の間に該ベルトを介して加圧する。そのため、平坦な加圧で記録材上の未定着トナー画像を加熱定着することになる。よって、記録材に折り曲げの負荷がかからず、記録材中の水分の蒸発による変形のみが発生する。
これに対して、第二の加熱部材と加圧部材において、記録材の画像形成面と反対方向へ凹形状となる加熱ニップ部で加熱及び加圧を行うため、第一の加熱部で形成された記録材の変形を補正することが可能になる。また、第一の加熱部材と加圧部材の間で形成される定着ニップ部の単位面積当りの圧力に対して、第二の加熱部材と加圧部材の間で形成される加熱ニップ部の単位面積当りの圧力を高く設定される。これにより、加熱状態の記録材上トナー画像の最表面を強い線圧で加圧及び加熱することで、第二の加熱部材によって記録材上のトナー画像の光沢度を高める効果が得られる。さらに、第二の加熱部材としての熱ローラの径を小さく形成することで、カール補正能力が向上し、さらに記録材の分離性が高まり、分離爪等の分離手段を必要としない。
実施例2
図5を参照して、本発明に係る像加熱装置である定着装置200の第二の実施例について説明する。
本実施例の定着装置200の構成は、前記実施例1で示した図2〜図4と同様であり、同じ構成及び作用をなす部材には同一符号を付し、前記実施例1の説明を援用し、説明を省略する。
本実施例では、第二の像加熱装置200Bにおける定着部材30と加圧部材40の間に付与する加圧力を目的に応じて可変としたことを特徴とする。
図5を参照して、本実施例における第二の像加熱装置200Bの構成を説明する。
図5において、加圧ローラ40の両端部における軸41aには、加圧力変更のためのレバー46が具備されている。レバー46は、回転軸45を中心に回転可能に取り付けられており、レバー46の加圧ローラ軸41a端とは反対側の端部において、加圧変更カム48と接触している。加圧変更カム48の周方向位置によってレバー46の一端が上下移動される結果、レバー46の他端が上下され、定着ローラ30と加圧ローラ40の間に付与される加圧力が加圧バネ44の伸縮によって変動される。
なお、加圧変更カム48は、回転軸47の周方向に回転可能であり、その頂点48a、48b、48cでそれぞれ所定の加圧力が定着ローラ30と加圧ローラ40間に付与されるようになっている。なお、定着ローラ30と加圧ローラ40は離間可能とされ、回転軸47から頂点48cが最も距離があり、このときには、定着ローラ30と加圧ローラ40は完全に離間した状態となるようにした。
また、加圧変更カム48のそれぞれの頂点がレバー46の真下の位置に来たことは、不図示のエンコーダーや加圧変更カムに固定された不図示のセンサレバーの位置をフォトインタラプタ等の検出素子で検出する等の方法で検出することが可能である。また、その検出方法は何れの方法であっても構わない。
これにより、加圧変更カム48の各頂点がレバー46の真下に位置する場合、無負荷(48c)、弱負荷(48b)、強負荷(48a)と3段階に加圧力を調整することが可能になる。なお、本実施例では、3段階の加圧状態で説明したが、さらに細かく加圧状態を変更する方法であっても、2段階の加圧状態変更の方法であっても良く、それぞれの目的に応じて多段階の加圧状態を達成する方法であれば、その形態は問わない。
市場では、様々な記録材が販売されており、さらにカラー画像に対してはユーザーの好みは千差万別である。写真画像を一つ取っても光沢度が高い銀塩写真のような画質を好む人もいれば、光沢の無いマットな画像を好む人もいる。また、文字画像なども、光沢があった方が目立ち易いと感じる人も居れば、光沢があると読むときにちらついて読み難いためにマットな方が良いと感じる人も居る。
そのため、ユーザーの嗜好に合わせて記録材上のトナー画像の光沢度の選択幅が広いことは、様々なユーザー、用途に対応することが可能になる。前記実施例1で示したように、第一の像加熱装置200Aでは、記録材上のトナー画像の光沢度は低い状態で排出される。よって、ユーザーがマットな画像を出力したい場合に、画像形成装置の操作パネル等から低グロスのモードを選択することで、加圧変更カム48が回転して、無負荷状態にすること可能になる。
または、各記録材の種類に応じて予めユーザーが操作パネルやパソコンから各記録材を使用してカラー画像を形成する際に、第二の像加熱装置200Bにおける加圧力をどのモードに設定するか決定して、画像形成装置に記憶しておくこともできる。
以上の方法によりユーザーが好むトナー画像の光沢度を選択可能にすることで、様々な画質の画像を形成することができる。
また、前記実施例1にて示した図1における環境センサー57やメディアセンサー58を活用して第二の像加熱装置200Bにおける加圧力を自動設定することもできる。
すなわち、環境センサー57で高温、高湿環境を検知した場合などは、第二の像加熱装置200Bの加圧力を高め、カール補正を強くすることもできる。
更に、メディアセンサー58によって第一の像加熱装置200Aでカールの発生が起こり難い厚紙を検知した場合には、第二の像加熱装置200Bの加圧力を低くして、第二の像加熱装置200Bによるカール除去効果を低く設定することも可能である。
特に、第一の像加熱装置200Aにおいてカールの発生が起こり難い厚紙等は、第二の像加熱装置200Bで屈曲の力を記録材に与えない方が排出された記録材の品質が高くなることもある。このため、このような場合には、第二の像加熱装置200Bの加圧力を低くすることで高品質の記録材を排出するよう選択することもできる。
以上、本実施例では、第二の像加熱装置200Bの加圧力を変動可能とすることで、記録材上のトナー画像の光沢度を広い範囲で選択可能としたり、第一の像加熱装置200Aで発生したカールのカール補正力を使用環境や記録材に応じて変更可能にする。これにより、使用するユーザーの好みに合わせた画像を形成し、排出した記録材の品質を高めることが可能になる。
実施例3
実施例1及び実施例2で説明した像加熱装置、即ち、定着装置200は、画像形成部にて形成され、転写された未定着トナー画像を記録材Pに熱定着させる定着装置200であった。
しかしながら、上記実施例の像加熱装置200は、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢増大装置として使用することもできる。
つまり、本実施例によれば、画像形成装置にて作製され、定着装置にて定着された固着画像を有する記録材を、再度、本実施例の光沢増大装置を通し、再加熱することにより、記録材上の画像の光沢度を増大させることができる。
勿論、本実施例においても、実施例1、2における像加熱装置が有すると同様の作用効果を達成し得る。
本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成断面図である。 本発明に係る像加熱装置の一実施例の概略構成断面図である。 本発明に係る像加熱装置の一実施例の長手方向概略構成正面図である。 本発明に係る像加熱装置の一実施例の長手方向概略構成断面図である。 本発明に係る像加熱装置の他の実施例における第二の像加熱装置の加圧力変更を説明する概略構成側面図である。 定着ニップ部におけるトナー画像定着を説明する概略図である。 定着ニップ部の記録材搬送方向を説明する概略図である。 加熱定着後の記録材の変形を説明する概略図である。 従来例における加熱定着装置における記録材の変形を説明する概略図である。
符号の説明
10 第一の加熱部材(定着部材)
11 加熱ヒータ(加熱源)
12 温度検知手段
13 定着ベルト(フィルム状部材)
14 断熱ステイホルダー
20 加圧回転体
30 第二の加熱部材(定着部材)
32 定着ローラ
33 温度検知手段
40 加圧回転体
Ng 加熱ニップ部
Nh 定着ニップ部
T トナー
P 記録材

Claims (8)

  1. 記録材上の未定着トナー画像を加熱部材と加圧部材により形成されるニップ部を通過することにより記録材上に固着画像として加熱定着する像加熱装置において、
    前記加熱部材は、加熱源を内部に備え内面より平坦な面で加圧、加熱される可撓性のベルト状部材である第一の加熱部材と、熱ローラである第二の加熱部材と、を備え、
    前記加圧部材は、前記第一の加熱部材と定着ニップ部を形成する第一の加圧部材と、前記第二の加熱部材と加熱ニップ部を形成する第二の加圧部材と、を備え、
    前記加熱ニップ部は、記録材の画像形成面と反対方向に凹形状を有する加熱ニップ形状とされ、
    前記第一の加熱部材の前記第一の加圧部材に対する前記定着ニップ部の単位面積当りの加圧力に対して、前記第二の加熱部材の前記第二の加圧部材に対する前記加熱ニップ部の単位面積当りにおける加圧力の方を高くすることができる、
    ことを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記熱ローラの外径が16mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記第一の加熱部材の加熱源がセラミックヒータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の像加熱装置。
  4. 前記第二の加熱部材と前記第二の加圧部材の間の加圧力が可変であることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の像加熱装置。
  5. 前記第二の加熱部材が前記第二の加圧部材から離間可能であることを特徴とする請求項4に記載の像加熱装置。
  6. 前記第一の加圧部材と前記第二の加圧部材は、それぞれ異なる別個の加圧部材であるか、又は、一つの同じ加圧部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の像加熱装置。
  7. 記録材に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、この未定着トナー画像を記録材に熱定着させる定着装置とを備えた画像形成装置において、
    前記定着装置は、請求項1〜6のいずれかの項に記載の像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 記録材に定着された画像を像加熱装置にて加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢増大装置において、
    前記像加熱装置は、請求項1〜6のいずれかの項に記載の像加熱装置であることを特徴とする光沢増大装置。
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