JP5218138B2 - 反射特性測定装置、反射特性測定装置の校正基準装置、および反射特性測定装置の校正基準板の劣化測定装置 - Google Patents

反射特性測定装置、反射特性測定装置の校正基準装置、および反射特性測定装置の校正基準板の劣化測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、試料の反射特性を測定する反射特性測定装置及び反射特性測定装置の校正に用いられる校正基準板に関する。
一般に、工業製品の表面色の検査などにおいて、検査の対象となる試料(「測定対象物」とも称する)の反射特性の測定は、照明系と受光系のジオメトリ(光学的条件)によって大きい影響を受ける。従って、分光測色計等の反射特性測定装置の多くは、CIE(国際照明委員会)が推奨する45/0(45°照明、垂直受光)、0/45(垂直照明、45°受光)や、d/0(拡散照明、垂直受光)、0/d(垂直照明、拡散受光)のジオメトリのいずれかを採用している。
このような反射特性測定装置では、一般に、試料を測定するときと同じジオメトリにおいて、反射特性が既知の白色校正板の測定を行った結果を校正データとして記憶しておき、この校正データと、試料の測定結果と、白色校正板の既知の反射特性とを用いて試料の反射特性を算出するようにしている。なお、この校正データを得る作業を白色校正とも称する。
ジオメトリ、照明系の光源の発光特性、受光系の光電変換特性などの反射特性測定装置の測定特定が同一条件で維持される限り、試料を測定する毎に白色校正を行う必要はなく、試料の反射特性を求める際には、同一の校正データを使用することができる。
しかし、経時や、熱的な変化などによって、反射特性測定装置の測定特性が変化した場合は、白色校正板を測定した測定条件と試料を測定する測定条件とが同一の測定条件ではなくなるため、測定特性が変化した反射特性測定装置を用いて再度白色校正を行うことが必要となる。
また、汚れ等によって、白色校正板自体の反射特性が変化した場合には、再度、白色校正板の反射特性を値付けし直す等の対応が必要となる。
ここで、反射特性測定装置の測定特性の変化に関しては、白色校正の頻度を上げれば上げるほど、高精度に反射特性測定装置の測定特性の変化を補正できる。しかし、白色校正の度に校正基準板を反射特性測定装置の測定部に設置し、校正基準板を測定する必要があるため、白色校正の頻度を上げることは測定者の負担を増すことになる。
このような問題に対して、特許文献1に示すように、反射特性測定装置が大型化することなく自動的に白色校正を行う反射特性測定装置に関する技術が開示されている。特許文献1の反射特性測定装置では、反射特性測定装置が専用の置き台に載置されると、置き台の構成部材によって反射特性測定装置の測定窓が閉塞され、反射特性測定装置が該閉塞を検出するとともに、所定の条件が満たされる場合に、該構成部材に設けられた校正基準板を自動的に測定することによって、白色校正を自動的に十分な頻度で行っている。
特開2001−221686号公報
しかし、特許文献1の反射特性測定装置では、汚れや劣化等によって白色校正板自体の光学的特性が白色校正板の反射特性を値付けしたときの光学的特性に対して変動した場合であっても、該変動を検出することができないため、白色校正板の反射特性を値付けし直す等の対応を該変動に応じて適宜行うことができないという問題がある。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、反射特性測定装置の校正に用いられる白色校正板や参照板などの校正基準板の光学的特性の変化を検出して反射特性測定装置の測定精度を保つことができる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、測定対象物に照明光を照射して測定対象物の反射特性を測定する反射特性測定装置であって、測定対象物の反射特性と校正基準板の反射特性とを測定する第1の照明受光手段と、前記校正基準板の光学的特性を測定する第2の照明受光手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の反射特性測定装置であって、前記校正基準板と前記第2の照明受光手段とを相対的に移動させる移動機構、をさらに備え、前記第2の照明受光手段は、前記移動機構によって前記校正基準板と前記第2の照明受光手段とを第1の相対位置とした状態で、前記第2の照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介さずに前記第2の照明受光手段の受光部に入射させた場合の受光光量に応じた第1の信号と、前記移動機構によって前記校正基準板と前記第2の照明受光手段とを第2の相対位置とした状態で、前記第2の照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介して前記第2の照明受光手段の受光部に入射させた場合の受光光量に応じた第2の信号とを、所定の順序で順次に測定可能とされていることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の反射特性測定装置であって、前記校正基準板が所定の位置に設置された状態で、前記第1の照明受光手段が前記校正基準板の反射特性を測定し、かつ、前記第2の照明受光手段が前記第1の信号または前記第2の信号のいずれかの信号を測定することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の反射特性測定装置であって、前記光学的特性の変化に基づいて警告信号を出力する制御処理手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、反射特性測定装置の校正基準装置であって、ハウジングと、 前記ハウジング内に収容されて、照明光を照射する照明部と入射した光の光量に応じた信号を測定する受光部とが、互いに間隔を隔てて設けられた照明受光手段と、前記照明部と前記受光部との間の前記間隔を横切る経路に沿って前記照明受光手段に対して相対的に移動可能に配置され、前記反射特性測定装置の光学的な校正基準となる校正基準板と、前記校正基準板と前記照明受光手段とを相対的に移動させる移動機構と、を備え、前記照明受光手段は、前記移動機構によって前記校正基準板と前記照明受光手段とを第1の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介さずに前記照明受光手段の受光部に入射させた場合の受光光量に応じた第1の信号と、前記移動機構によって前記校正基準板と前記照明受光手段とを第2の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介して前記照明受光手段の受光部に入射させた場合の受光光量に応じた第2の信号とを、所定の順序で順次に測定可能とされていることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、反射特性測定装置の校正基準板の劣化測定装置であって、照明光を照射する照明部と、入射した光の光量に応じた信号を測定する受光部とを有する照明受光手段と、前記校正基準板と前記照明受光手段とを相対的に移動させる移動機構と、を備え、前記照明受光手段は、前記移動機構によって前記校正基準板と前記照明受光手段とを第1の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介さずに前記照明受光手段の受光部に入射させて受光した光量に応じた第1の信号と、前記移動機構によって前記校正基準板と前記照明受光手段とを第2の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介して前記照明受光手段の受光部に入射させて受光した光量に応じた第2の信号とを、所定の順序で順次に測定可能とされていることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、反射特性測定装置の校正基準板の劣化測定装置であって、照明光を照射する照明部と、入射した光の光量に応じた信号を測定する受光部とを有する照明受光手段と、前記校正基準板と前記照明受光手段とを相対的に案内するガイドと、を備え、前記照明受光手段は、前記ガイドに基づいて前記校正基準板と前記照明受光手段とを第1の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介さずに前記照明受光手段の受光部に入射させて受光した光量に応じた第1の信号と、前記ガイドに基づいて前記校正基準板と前記照明受光手段とを第2の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介して前記照明受光手段の受光部に入射させて受光した光量に応じた第2の信号とを、所定の順序で順次に測定可能とされていることを特徴とする。
請求項1から請求項7に記載の発明によれば、測定対象物の反射特性を測定する第1の照明受光手段から独立した第2の照明受光手段を用いて校正基準板の光学的特性を測定できるので、第1の照明受光手段の測定特性が変動する影響を受けることなく、校正基準板の光学的特性の変化を監視することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、前記第2の照明受光手段は、前記第2の照明受光手段の照明部から照射された照明光が前記第2の照明受光手段の受光部に直接入射する光の光量に応じた第1の信号と、前記第2の照明受光手段の照明部から照射された照明光が校正基準板を介して第2の照明受光手段の受光部に入射する光の光量に応じた第2の信号とを測定するので、第1の信号と第2の信号とを比較することによって第2の照明受光手段の測定特性の変動による影響を減じて、校正基準板の光学的特性の変化を監視できる。
請求項3に記載の発明によれば、前記校正基準板が所定の位置に設置された状態で、前記第1の照明受光手段が前記校正基準板の反射特性を測定し、かつ、前記第2の照明受光手段が前記第1の信号または前記第2の信号のいずれかの信号を測定するので、同一状態の校正基準板を第1の照明受光手段と第2の照明受光手段で一度に測定可能となり、反射特性測定装置の小型化や、測定に必要な時間の短縮ができる。
請求項4に記載の発明によれば、前記校正基準板の光学的特性の変化に基づいて警告信号を出力できるので、その警告信号に基づいて校正基準板の交換や清掃や再校正をすべき時期を正確に検知できる。
請求項5に記載の発明によれば、反射特性測定装置の校正基準装置は、照明光が校正基準板を介さずに受光部に入射する光の光量に応じた第1の信号と、照明光が前記校正基準板を介して受光部に入射する光の光量に応じた第2の信号とを共通の照明部と受光部とで測定するので、照明部と受光部の測定特性の変動による影響を減じて、校正基準板の光学的特性の変化を監視できる。
実施形態1に係る反射特性測定装置の参照板測定時の概略構成を示す模式図である。 実施形態1に係る反射特性測定装置の試料測定時の概略構成を示す模式図である。 図1の校正基準装置の概略構成を示す側面模式図である。 図1の校正基準装置の概略構成を示す上面模式図である。 図2の校正基準装置の概略構成を示す側面模式図である。 図2の校正基準装置の概略構成を示す上面模式図である。 キャリアが格納ケース内の前端部に位置する状態の概略構成を示す斜視図である。 キャリアの駆動機構の概略を示す斜視図である。 キャリアに装着された校正基準板ホルダの概略構成を示す斜視図である。 実施形態1に係る校正基準板ユニットの上面外観図である。 実施形態1に係る校正基準板ユニットの断面模式図である。 実施形態1に係る反射特性測定装置の白色校正板の値付け動作の概要を示すフローチャートである。 実施形態1に係る反射特性測定装置の白色校正動作の概要を示すフローチャートである。 実施形態1に係る反射特性測定装置の測定動作の概要を示すフローチャートである。 実施形態1に係る反射特性測定装置の参照板劣化判定サブルーチンを示すフローチャートである。 実施形態2に係る反射特性測定装置の参照板測定時の概略構成を示す模式図である。 実施形態2に係る校正基準板ユニットの上面外観図である。 実施形態2に係る校正基準板ユニットの断面模式図である。 実施形態2に係る反射特性測定装置の白色校正板の値付け動作の概要を示すフローチャートである。 実施形態2に係る反射特性測定装置の白色校正動作の概要を示すフローチャートである。 実施形態2に係る反射特性測定装置の参照板劣化判定サブルーチンを示すフローチャートである。 実施形態2に係る反射特性測定装置の測定動作の概要を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は分光素子を有さない反射特性測定装置に対しても適用できるが、以下では、反射特性測定装置として分光式の反射特性測定装置を例に説明し、反射特性測定装置が測定する反射特性として分光反射率係数を例に説明する。また、図面には方向の説明を容易にするために適宜座標軸を設けている。
○白色校正板と参照板について:
本発明においては、測定対象物と同じジオメトリで測定される校正基準板であって、その既知の反射特性が測定対象物の反射特性を求める際の基準となるものを白色校正板と称する。
また、測定対象物とほぼ同じジオメトリで測定されて、白色校正時と測定対象物測定時とにおける反射特性測定装置の測定特性の差異を補正するために使用される校正基準板を参照板と称する。
<実施形態1>
<実施形態1に係る反射特性測定装置10Aの測定原理>
以下に、実施形態1に係る反射特性測定装置10Aの測定原理を説明する。
反射特性測定装置10Aは、白色校正時と、測定対象物測定時とにおける反射特性測定装置の測定特性の差異を、適正な補正データを用いて補正することによって、測定精度を保ちつつ、測定対象物の反射特性を測定する反射特性測定装置である。
この適正な補正データは、劣化していない、すなわち、光学的特性が変化していない参照板に対して測定対象物の反射特性を測定する第1の照明受光系から照明光を照射し、この照明光が参照板によって拡散反射される反射光の分光強度を、白色校正時と測定対象物測定時とにおいて測定して、双方の測定値の比を求めることによって与えられる。
このため、仮に、参照板を用いて反射特性測定装置の測定特性、すなわち、第1の照明受光手段の測定特性を補正するとともに、補正データの適正さを確認するために、第1の照明受光手段を用いて参照板の劣化を判定すると、測定特性の補正や劣化の判定における対象物と基準物とが、相互に循環し、適正な補正データや判定結果を得ることはできない。
そこで、本発明の反射特性測定装置においては、測定対象物の反射特性の測定及び補正データを得るための参照板の測定を行う第1の照明受光手段とは異なる第2の照明受光手段を用いて参照板の劣化を判定する。
第1の照明受光手段から独立した第2の照明受光手段を用いて参照板の光学的特性を測定して参照板の光学的特性の劣化を監視するので、第1の照明受光手段の測定特性が変動する影響を受けることなく、参照板の光学的特性の変化を監視することが可能となる。従って、補正の精度、すなわち、反射特性測定装置の測定精度を保つことができる。
具体的には、参照板の劣化の判定は、白色校正時における第2の照明受光手段の照明光の強度Idcに対する、第2の照明受光手段の照明光が参照板を拡散透過した透過光の強度Itrcの比によって表される拡散透過率Drcと、測定対象物測定時における第2の照明受光手段の照明光の強度Idに対する第2の照明受光手段の照明光が参照板を拡散透過した透過光の強度Itrの比によって表される拡散透過率Drとを比較して、比Dr/Drcが所定の範囲内である場合には、参照板は劣化していないと判断することによって行われる。
第2の照明受光手段の測定特性が変動しても、その変動の影響を受けない拡散透過率の変化に基づいて参照板の劣化を判定するので、第2の照明受光手段の測定特性が変動することによる影響を排除して参照板の劣化を精度良く判定することができる。
参照板が劣化していないと判断された場合には、 測定対象物測定時に第1の照明受光手段の照明光が参照板によって拡散反射された反射光を第1の照明受光手段の受光手段で測定した分光強度Ir(λ)と、白色校正時に第1の照明受光手段の照明光が参照板によって拡散反射された反射光を第1の照明受光手段の受光手段で測定した分光強度Irc(λ)とを用いて、第1の照明受光手段の白色校正時と測定対象物測定時とにおける測定特性の差異を補正する経時変化補正係数C(λ)が(1)式によって求められる。
Figure 0005218138
なお、参照板が第1の照明受光手段によって測定される際のジオメトリが、測定対象物が第1の照明受光手段によって測定される際のジオメトリに近ければ近いほど、経時変化補正係数C(λ)による補正の効果を高めることができる。
次に、白色校正板の値付けされた分光反射率係数Rw0(λ)と、測定対象物測定時に、第1の照明受光手段から照射された照明光が測定対象物で拡散反射された反射光を第1の照明受光手段で測定した分光強度Im(λ),白色校正時に、第1の照明受光手段から照射された照明光が白色校正板の表面で拡散反射された拡散反射光を第1の照明受光手段で測定した分光強度Iwc(λ)および経時変化補正係数C(λ)によって、測定対象物の分光反射率係数Rm(λ)が(2)式によって求められる。
Figure 0005218138
参照板が劣化していると判断された場合には、警告信号が出力されて、再度の白色校正の実施が促される。
<実施形態1の反射特性測定装置の構成>
○反射特性測定装置10A:
図1は、実施形態1に係る反射特性測定装置10Aの参照板測定時の概略構成を示す模式図であり、図2は、実施形態1に係る反射特性測定装置10Aの試料測定時の概略構成を示す模式図である。
反射特性測定装置10Aの動作は、CPU1(「制御処理手段」とも称する)によって制御される。CPU1は内部にRAMなどの一時記憶部を有するとともに情報を恒久的に記憶するための記憶部2が接続されている。記憶部2としては、例えば、フラッシュメモリやEEPROMなどが用いられる。また、CPU1には、反射特性測定装置に測定動作,白色校正動作および白色校正板劣化モニタ動作などを指示する各種操作ボタンや警告メッセージなどを表示する表示部を有する操作パネル42が接続されており、反射特性測定装置単体での操作も可能である。
CPU1と記憶部2には、USB制御回路3とUSBコネクタ3bからなるUSBインタフェースが接続されている。該USBインタフェースを介してコンピュータなどの外部機器から反射特性測定装置10Aを制御したり、該外部機器と反射特性測定装置10Aとの双方向の情報伝達を行うことが可能である。
反射特性測定装置10Aは、主測定系20A(「第1の照明受光手段」とも称する)によって測定開口部41に対向載置された試料mなどの測定対象物の反射特性を測定する。
主測定系20Aは、制御回路4と光源部5とレンズ6とを備えた照明系と、レンズ7と、分光素子9と受光センサアレイ10を有するポリクロメータ8と、処理回路11とを備えた受光系を有する。
光源部5としては、例えば、白色電球などが用いられる。光源部5から出力される照明光12aの強度は、制御回路4から光源部5に供給される制御電流をCPU1で操作することによって調整される。ここで、照明光12aはレンズ6によって測定開口部全面に照射される照明光を1つの光線によって代表的に示している。
レンズ7は、照明光12aが測定対象物表面で拡散反射された拡散反射光12bをポリクロメータ8に入射させる。
分光素子9は、入射した拡散反射光12bを波長に応じて分光し、受光センサアレイ10上に入射させる。分光素子9としては、例えば凹面回折格子などが用いられる。
受光センサアレイ10としては、例えばCCDセンサアレイやCMOSアレイなどが用いられ、入射光を光電変換する。
処理回路11は、受光センサアレイ10が変換した電荷を読み出して増幅処理やA/D変換処理などを行ってCPU1に出力する。
○校正基準装置50A:
図3は、図1の校正基準装置50Aの概略構成を示す側面模式図であり、図4は、図1の校正基準装置50Aの概略構成を示す上面模式図である。
図5は、図2の校正基準装置50Aの概略構成を示す側面模式図であり、図6は、図2の校正基準装置50Aの概略構成を示す上面模式図である。
図3に示すように、校正基準装置50Aは、校正基準板ユニット18Aと校正基準板劣化測定装置40Aを備えており、反射特性測定装置10A内に、取り外し可能に設置されている。校正基準装置50Aは、校正基準板劣化測定装置40Aによって校正基準板ユニット18Aに備えられた参照板の劣化を判定するための信号を測定し、CPU1に送信する。CPU1から、校正基準板劣化測定装置40A内の制御回路等に供給される制御信号等を伝達する配線が配設されており、該配線は、校正基準板劣化測定装置40A内の端子17に接続されている。
○校正基準板劣化測定装置40A:
図3に示すように、校正基準板劣化測定装置40Aは、収納ケース33と収納ケース33内部の部品によって構成される。
収納ケース33内部の光源25と、その制御回路26は、収納ケース33の底面33bに設けられており、受光センサ27と、受光センサ27が出力する信号を処理する処理回路28は、収納ケース33の上面33aに設けられている。光源25,制御回路26,受光センサ27および処理回路28は、校正基準板の劣化をモニタする副測定系(「第2の照明受光手段」とも称する)を構成している。
光源25は、例えばLEDなどであり、受光センサ27は、例えばシリコンフォトセル(SPC)などである。副測定系の目的は校正基準板の劣化を測定することであるため、副測定系の受光センサ27は、測定特性が変動しやすい分光素子などを備えていないことが望ましい。
CPU1が制御回路26を介して操作する電流によって光源25から照射される照明光29の強度は制御される。光源25から照射された照明光29は、受光センサ27に入射して入射光の強度に応じた電気信号に変換され、処理回路28によって処理されてCPU1に出力される。
図7は、校正基準板劣化測定装置40Aのキャリア22が収納ケース33(「ハウジング」とも称する)内の前端部に位置する状態の概略構成を示す斜視図であり、図8は、キャリア22の駆動機構の概略を示す斜視図であり、図9は、キャリア22に装着された校正基準板ホルダ44の概略構成を示す斜視図である。
副測定系(すなわち、前記第2の照明受光手段)は、図8に示されるキャリア22と送りネジ30などの移動機構によって校正基準板と副測定系とを第1の相対位置(すなわち、図3,図4および図7に示される、キャリア22が収納ケース33内の前端部に位置する状態)とした状態で、副測定系の照明部から照射された照明光29を校正基準板を介さずに副測定系の受光部に入射させた場合の受光光量に応じた第1の信号(すなわち、照明光29そのものの強度)と、キャリア22と送りネジ30などの移動機構によって前記校正基準板と副測定系とを第2の相対位置(すなわち、図5および図6に示される、キャリア22と校正基準板ユニット18Aが初期位置に位置する状態)とした状態で、副測定系の照明部から照射された照明光を校正基準板を介して副測定系の受光部に入射させた場合の受光光量に応じた第2の信号(すなわち、校正基準板を拡散透過した後、図10,図11に示す穴部H1を通過した照明光29の強度)とを測定する。
第1の信号と第2の信号の測定順序は任意であり、反射特性測定装置10Aの構造に応じて適切な所定の順序、例えば主測定系20Aと副測定系とによる測定時間全体がより短くなる所定の順序で、順次に同一の照明受光手段である副測定系によって測定可能とされている。
後述するように校正基準板の劣化(すなわち、光学的特性の変化)は、同一の副測定系によって測定された前記第1の信号に対する前記第2の信号の比である拡散透過率の変化をCPU1で検出することによって判定されるため、副測定系の測定特性が変動しても、その変動の影響をほとんど受けること無く、校正基準板の劣化を監視することができる。
次に、主測定系20Aによる測定と副測定系による測定との関係を説明する。反射特性測定装置10Aでは、図1に示されるように校正基準板が所定の位置(すなわち、図3,図4に示されるようにキャリア22が収納ケース33内の前端部に位置する状態)に設置された状態で主測定系20A(すなわち、第1の照明受光手段)が校正基準板の反射特性を測定するとともに、副測定系(すなわち、前記第2の照明受光手段)が前記第1の信号(すなわち、照明光29そのものの強度)を測定し、図2の状態においては、副測定系が前記第2の信号を測定する。
この構成によって、同一状態の校正基準板を主測定系と副測定系とで一度に測定可能となり、反射特性測定装置の小型化や、測定時間の短縮が可能である。
次に、校正基準板の劣化を判定する際には、前記第1の信号に対する前記第2の信号の比である拡散透過率の変化をCPU1で検出することによって校正基準板の劣化を判定する。例えば、参照板の劣化を判定する場合には、白色校正時の参照板rbに関する拡散透過率Drcと、測定対象物測定時の参照板rbに関する拡散透過率DrとがCPU1によって算出され、比Dr/Drcが所定の範囲を超える場合には、CPU1は、参照板rbが劣化していると判定して、操作パネル42に設けられた表示部に警告メッセージを表示したり、USBインタフェースによってコンピュータ等の外部機器に警告信号を送信する等の対応を行う。
この送信されたり表示等される警告信号によって、校正基準板の再度の白色校正などをすべき時期を正確に検知することができる。
ここで、反射特性測定装置10Aの副測定系による測定においては、照明光が校正基準板を透過する透過光と、照明光自体とを測定して得られる拡散透過率を劣化の判定指標として用いるが、透過光の代わりに反射光を測定し、照明光自体の強度に対する反射光の強度の比である反射率を劣化の判定指標として用いてもよい。
ただし、透過光を測定する場合には、測定対象物が多少傾いても測定値がほとんど変化しないという長所があるが、反射光を用いる場合には、校正基準板のわずかな傾きによっても反射光の強度変化が大きくなるという短所があるので、反射光を用いることはなるべく避けることが望ましい。
また、複数の光源や複数の受光センサによる測定値に基づく劣化の判定指標を用いると、判定指標は各光源間や各受光センサ間の測定特性のばらつきの影響を受けるが、照明光が校正基準板を透過する透過光と照明光自体とを測定する場合には、1つの光源25と1つの受光センサ27のみによって透過光と照明光自体とを測定することができるので、複数の光源や複数の受光センサを用いる場合に生ずる各光源間や各受光センサ間の測定特性のばらつきの影響を受けることがないという長所もある。
これに対して、反射光と照明光自体とを測定する場合には、例えば、1つの光源と2つの受光センサを用いる構成などが必要であり、各受光センサ間の測定特性のばらつきの影響を受けてしまうので、複数光源や複数受光センサの測定特性のばらつきの影響を回避する観点からも反射光を用いることはなるべく避けることが望ましい。
もっとも、要求される劣化検出精度によっては、例えば1つの光源と校正基準板を挟んだ2つの受光手段を用いて、1の受光手段で測定される照明光自体の強度と、他の受光手段で測定される拡散反射光の強度との比の変化を検出する手法や、1つの光源から校正基準板に照射される照明光をハーフミラーで直進光と反射光とに分割し、反射光を再度ミラーで反射させて校正基準板に入射させ、校正基準板を挟んで光源と反対側に設けられた2つの受光手段を用いて、照明光自体の強度と校正基準板を拡散透過した照明光の強度とを同時に測定する構成としても良い。
一般的に、受光センサの光電変換特性のばらつきより光源の発光特性のばらつきの方が大きいので、光源または受光センサを複数用いる場合には、上記例のように光源を1個とし、受光センサを複数用いることが望ましい。
図8,図9に示されるようにキャリア22のスロット22sには校正基準板ユニット18Aを構成する部材の1つである校正基準板ホルダ44が挿入されており、校正基準板ホルダ44の枠部においてキャリア22と校正基準板ユニット18Aとは図示しないネジ等によって固定されている。
キャリア22には耳部22a,22bが設けられており、収納ケース33内に固定されたリニアガイド31,32が、それぞれ耳部22a,22bに設けられた図示しない穴部を通って、キャリア22を支持する。
パルスモータ13に接続された送りねじ30は、耳部22bに設けられた図示しないナット部を通ってキャリア22を支持するとともに、パルスモータ13の双方向の回転動作によって図8の回転矢印YR1が示す双方向に回転し、リキャリア22と、キャリア22のスロット22sに挿入された校正基準板ユニット18Aとを矢印YL1示す双方向に搬送する。
収納ケース33の底面33bには、キャリア22の原点を指定する光スイッチなどの原点センサ23が設けられており、キャリア22の底部には、原点センサ23に原点を検出させる遮光板などの原点検出用基準部24が設けられている。原点検出用基準部24と原点センサ23に重なる位置(図5の状態)が、キャリア22と、キャリア22に固定された校正基準体ユニット18Aの初期位置となる。
ブラシ19a,19bは、上面33aと底面33bにそれぞれ設けられており、校正基準板ユニット18Aの基準板ホルダ44の上面と底面とをそれぞれ清掃するとともに収納ケース33の内部を外光から遮光する作用と、埃などが収納ケース33内部に入り込むことを防止する作用を有する。
校正基準板ホルダ44の前端部の大きさと収納ケース33の格納ケース開口33mの大きさはほぼ同じであり、キャリア22のスロット22sに校正基準板ユニット18Aが挿入されている状態においては、校正基準板ホルダ44とブラシ19a,19bによって収納ケース33内部が遮光される構造となっている。また、特にキャリア22が、格納ケース33の前端まで移動した状態(図3,図4の状態)においては、キャリア22の前面部22fとブラシ19a,19bによっても収納ケース33内部が遮光される構造となっている。
○校正基準板ユニット18A:
図10は、校正基準板ユニット18Aの上面外観図であり、図11は、図10の切断面線1A−1Aにおける校正基準板ユニット18Aの断面模式図である。
校正基準板ユニット18Aは、校正基準板ホルダ44と、校正基準板と、校正基準板に接合された遮光板bbとを備える。
校正基準板は、白色校正板wbまたは参照板rbである。校正基準板としては、例えば、薄板状のオパールガラスや、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)の粉末を焼結して得られる薄板状の多孔質PTFEなどが用いられる。近年は、コスト削減や、環境保護などの観点から、オパールガラスよりも製造コストが安く、鉛を含有しない多孔質PTFEが校正基準板として用いられることが多くなってきている。
多孔質PTFEは、表面に照射される照明光を反射するとともに、一部の照明光は透過させる拡散反射体である。多孔質であるために汚れが内部に入り込みやすく、汚れの除去が困難であるという短所がある。このため近年は、校正基準板の劣化をモニタする技術が重要となってきている。
校正基準板の厚さは、例えば、校正基準板を透過する照明光の拡散透過率が10%程度になるように設定され、校正基準板の材質が、例えば、PTFEである場合には、その厚さは、0.5mm程度である。
校正基準板ホルダ44としては、例えば、校正基準板と同じ厚さの黒塗装したアルミニウム板や、鉄板などの剛性がある金属板などが採用される。校正基準板ホルダ44の底面には穴部H2が設けられ、校正基準板がはめ込まれている。校正基準板に接合された遮光板bbは、穴部H2よりも大きな構造となっており、遮光板bbの縁部と校正基準板ホルダ44の底部とがねじ止め等によって接合されている。
遮光板bbに接合された校正基準板の交換作業などの際に校正基準板が落下などしないように、校正基準板ホルダ44は、周辺部が曲げ加工等されて枠部を形成し、箱状の形状をしているが、図18に示される校正基準板ホルダ44のように平面状であっても良い。
遮光板bbには、例えば、厚さ0.2mm程度の黒塗装したアルミニウム板や、鉄板などの金属板や、黒色の樹脂板などの遮光性を有する部材を用いる。
校正基準板としてPTFEを用い、遮光板bbとして金属板を用いる場合の校正基準板と遮光板bbとの接合においては、必要に応じて、金属ナトリウム溶液を用いた湿式エッチングや、特開2008−19393に開示されるプラズマ処理による方法によって、PTFEの接合面を改質した後、エポキシ系の樹脂などによって接合する方法等によって接合が可能である。
遮光板bbには、校正基準板と接する部分のうち、周辺部分に小さな穴部H1が設けられている。校正基準板の劣化をモニタするときは副測定系の光源27から照射された照明光29が校正基準板を拡散透過し、さらに穴部H1を通った拡散透過光と照明光29そのものの強度とを受光センサ27で測定して拡散透過率を求め、拡散透過率の初期状態からの変化に基づいて校正基準板の劣化の有無が判断される。
穴部H1の形状は、円に限定されず、四角や長穴であっても良い。また穴部H1が、複数合っても良い。穴部H1が複数ある場合や、長穴である場合には、例えば校正基準板の複数箇所の劣化を離散的に、若しくは連続的に監視することができる。
遮光板bbは、主測定系の照明光が校正基準板で拡散反射した光の分光強度を測定する際に、校正基準板の裏面から入射する外光が薄い校正基準板を透過してきて主測定系で測定されることを防止する作用と、薄い校正基準板を支持して破損等を防止する作用などを有する。
また、遮光板bbを黒塗装するのは、主測定系の照明光が校正基準板を透過して遮光板bb面で反射して再び校正基準板を透過して主測定系で測定されることを防止するためである。
また、遮光板bbの穴部H1が校正基準板ホルダ44に対して所定位置に設置する組み立て作業が容易になるように、例えば、遮光板bbの縁部および校正基準板ホルダ44に、それぞれ位置決めピンおよび位置決めピン用の穴を設けてもよい。
また、図3に示されるように、本実施形態においては反射特性測定装置10の副測定系は、キャリア22の後端(−X方向)の外側の空間を通過する照明光を測定しているが、例えば、校正基準板ホルダ44において校正基準板と遮光板bbが存在しない領域に照明光を通すための穴を設けて、副測定系によって照明光自体を測定するようにしても良い。
上述したように、校正基準装置50Aによれば、校正基準板と照明受光手段とを相対的に移動可能とする手段と、照明受光手段とによって、照明光が校正基準板を介さずに受光部に入射する光の光量に応じた第1の信号(すなわち、照明光自体の強度)と、照明光が前記校正基準板を介して受光部に入射する光の光量に応じた第2の信号(すなわち、拡散透過光強度)とを共通の照明部と受光部とで測定することができる。従って、第1の信号と第2の信号の測定結果を用いて、照明部と受光部の測定特性の変動が第1の信号と第2の信号の測定結果に与える影響が相殺された指標を求めることによって、校正基準板の光学的特性の変化を監視でき、反射特性測定装置の測定精度を保つことができる。
<実施形態1の反射特性測定装置の動作>
次に、反射特性測定装置10Aの動作モードについて、フローチャートを用いて説明する。
なお、この説明および関連するフローチャートにおいては記載が省略されているが、反射特性測定装置10Aおよび後述する実施形態2に係る反射特性測定装置110Aは、白色校正板の値付け、白色校正などの各処理において測定値や算出値などのデータを得た場合や、記憶部2に記憶されたデータを各処理において使用する場合には、これらのデータを各処理が終了するまで継続的にCPU1の内部にあるRAMや記憶部2のフラッシュメモリなどに保持しておき、必要な演算等に使用する。
○白色校正板の値付け
図12は、実施形態1に係る反射特性測定装置10Aが白色校正板値付けモードで作動する値付け動作S10の概要を示すフローチャートである。
先ず、準備として、操作パネル42の操作により反射特性測定装置10Aを「値付けモード」に設定する。そして、校正基準板劣化測定装置40Aを初期位置(図2)に駆動し、図12に示される値付け動作S10のステップS102に進む。
ステップS102において図2の測定開口41に、ジオメトリにほとんど依存しない分光反射率係数Rp0(λ)を持つ硫酸バリウム(BaSO4)粉末プレス板(「硫酸バリウムプレス板」,「硫酸バリウム板」とも称する)などが載せられ、操作パネル42上の測定ボタンが押されると、主測定系20Aの照明光12aが硫酸バリウムプレス板で拡散反射された反射光12bの分光強度Ip0(λ)を、主測定系20Aが測定する(ステップS102)。
その後、硫酸バリウムプレス板に替えて白色校正板が測定開口41に載置され、操作パネル42上の測定ボタンが押されると、主測定系20Aは、白色校正板に関する分光強度Iw0(λ)を測定する(ステップS104)。
次に、CPU1において、予め記憶部2に記憶されている分光反射率係数Rp0(λ)を用いた演算Rp0(λ)×Iw0(λ)/ Ip0(λ)を行って、白色校正板の分光反射率係数Rw0(λ)を算出(ステップS106)し、記憶部2に記憶(ステップS108)して、値付け動作S10を終了する。
○白色校正
次に、反射特性測定装置10Aは実際の使用環境におかれ、白色校正が行われる。
図13は、実施形態1に係る反射特性測定装置10Aの白色校正S20の動作の概要を示すフローチャートである。
先ず、測定開口41に白色校正板を載置した状態で操作パネル42上の白色校正ボタンが押されると、図2に示されるように、校正基準板ユニット18Aが初期位置にある状態から、パルスモータ13がキャリア22を移動させて校正基準板ユニット18Aを図1に示される主測定系の測定位置まで繰り出す(ステップS202)。
次に、主測定系20Aの照明光12aが参照板rbで拡散反射される反射光12bの分光強度Irc(λ)を主測定系20Aで測定し(ステップS204)、Irc(λ)は記憶部2に記憶される(ステップS206)。
次に、白色校正時の副測定系の照明光強度Idcが測定され(ステップS208)、パルスモータ13がキャリア22を繰り戻して、校正基準板ユニット18Aを図2の状態(初期位置)まで移動させる(ステップS210)。
校正基準板ユニット18Aが初期位置に戻ると、副測定系の光源25から照明光29を照射し、参照板rbを拡散透過した拡散透過光強度Itrcを測定し(ステップS212)、演算Itrc/Idcによって参照板rbの白色校正時の拡散透過率Drcを算出(ステップS214)して、Drcを記憶部2に記憶する(ステップS216)。
次に、主測定系20Aで白色校正時の白色校正板に関する分光強度Iwc(λ)を測定し(ステップS218)、Iwc(λ)を記憶部2に記憶(ステップS220)し、白色校正を終了する。
○測定対象物測定
白色校正が終了すると、測定対象物の反射特性を測定することが可能となる。
図14は、実施形態1に係る反射特性測定装置10Aの測定動作S30の動作の概要を示すフローチャートである。
先ず、測定対象物が測定開口41に載置された状態で、操作パネル42上の測定ボタンが押されると、図2に示されるように、校正基準板ユニット18Aが初期位置にある状態からパルスモータ13がキャリア22を移動させて、校正基準板ユニット18Aを図1に示される主測定系の測定位置まで繰り出す(ステップS302)。
次に、主測定系20Aの照明光12aが参照板rbで拡散反射される反射光12bの分光強度Ir(λ)が主測定系20Aによって測定される(ステップS304)とともに、副測定系によって測定対象物測定時の副測定系の照明光強度Idが測定される(ステップS306)。
次に、パルスモータ13がキャリア22を繰り戻して、校正基準板ユニット18Aを初期位置(図2の状態)まで移動させる(ステップS308)。
副測定系の照明光29が参照板rbを拡散透過した拡散透過光強度Itrが測定(ステップS310)され、演算Itr/Idによって参照板の測定時の拡散透過率Drが算出され(ステップS312)、処理が参照板の劣化判定サブルーチンS314へ移される。
○参照板の劣化判定サブルーチン
図15は、実施形態1に係る反射特性測定装置10Aの参照板劣化判定サブルーチンS314の動作の概要を示すフローチャートである。
先ず、測定時および白色校正時のそれぞれにおける参照板の拡散透過率DrおよびDrcの比Dr/Drcが算出され(ステップS3142)、比Dr/Drcが所定の範囲内であるかどうかが確認される(ステップS3144)。比Dr/Drcが、所定の範囲内である場合には参照板rbは劣化していないと判定され(ステップS3146)、そうでない場合は劣化していると判定される(ステップS3148)。
次に、測定対象物測定の処理フローに復帰し、参照板の劣化の有無が判断(ステップS316)されて、劣化している場合にはCPU1は、再度の白色校正処理を促すなどするための劣化警告信号を出力(ステップS318)して、測定を終了する。
参照板が劣化していないと判定された場合には、演算Irc(λ)/Ir(λ)によって主測定系の測定特性の変動を補正する経時変化補正係数C(λ)が算出(ステップS320)されるとともに、主測定系によって測定対象物に関する分光強度lm(λ)が測定される(ステップS322)。
次に(2)式によって測定対象物の分光反射率係数Rm(λ)が求められて(ステップS324)、測定を終了する。
上述のように、参照板は、測定対象物の測定ごとに経時変化補正係数C(λ)算出のために主測定系20Aによって測定されるので、短期間で劣化する可能性が高いため、実施形態1に係る反射特性測定装置10Aは、参照板の劣化監視機構を備える。参照板の劣化が検出されると、警告信号が発せられ、再度の白色校正が促されるので、適切な時期のみに再度の白色校正を行うことができ、白色校正に係る測定者の手間を大幅に省くとともに、白色校正に使用される白色校正板の使用頻度を抑え、白色校正板の劣化を防ぐことができる。
<実施形態2>
<実施形態2に係る反射特性測定装置110Aの測定原理>
以下に、実施形態2に係る反射特性測定装置110Aの測定原理を説明する。
反射特性測定装置110Aは、劣化していない、すなわち、光学的特性が変化していない白色校正板に対して、測定対象物の反射特性を測定する第1の照明受光系から照明光を照射し、この照明光が白色校正板によって拡散反射される反射光の分光強度を、白色校正板の値付け時と、その後の白色校正時とにおいて測定して、双方の分光強度の比を用いて値付け時と、白色校正時とにおける反射特性測定装置の測定特性の差異を補正することによって測定精度を保ちつつ、測定対象物の反射特性を測定する反射特性測定装置である。
このため、仮に、白色校正板を用いて反射特性測定装置の測定特性、すなわち、第1の照明受光手段の測定特性を補正するとともに、第1の照明受光手段を用いて白色校正板の劣化を判定すると、測定特性の補正や劣化の判定における対象物と基準物とが、相互に循環し、適正な補正データや判定結果を得ることはできない。
そこで、本発明の反射特性測定装置においては、測定対象物の反射特性の測定及び白色校正データを得るための白色校正板の測定を行う第1の照明受光手段とは異なる第2の照明受光手段を用いて白色校正板の劣化を測定する。
第1の照明受光手段から独立した第2の照明受光手段を用いて白色校正板の光学的特性を測定して白色校正板の光学的特性の劣化を監視するので、第1の照明受光手段の測定特性が変動する影響を受けることなく、白色校正板の光学的特性の変化を監視することが可能となる。従って、白色校正の精度、すなわち、反射特性測定装置の測定精度を保つことができる。
具体的には、反射特性測定装置110Aによる白色校正板の劣化の測定は、白色校正板の分光反射率係数Rw0(λ)の値付け時における第2の照明受光手段の照明光の強度Id0に対する白色校正板の値付け時における第2の照明受光手段の照明光が白色校正板を拡散透過した透過光の強度Itw0の比によって表される拡散透過率Dw0と、白色校正時における第2の照明受光手段の照明光の強度Idcに対する白色校正時における第2の照明受光手段の照明光が白色校正板を拡散透過した透過光の強度Itwcの比によって表される拡散透過率Dwcとを比較して、比Dwc/Dw0が所定の範囲内である場合には、白色校正板は劣化していないと判断することによって行われる。
第2の照明受光手段の測定特性が変動しても、その変動の影響を受けない拡散透過率の変化に基づいて白色校正板の劣化を判定するので、第2の照明受光手段の測定特性が変動することによる影響を排除して白色校正板の劣化を精度良く判定することができる。
白色校正板が劣化していないと判断された場合には、値付けされた白色校正板の分光反射率係数Rw0(λ),測定対象物測定時に第1の照明受光手段から照射された照明光が測定対象物で拡散反射された反射光を第1の照明受光手段で測定した分光強度Im(λ)および白色校正時に第1の照明受光手段から照射された照明光が白色校正板の表面で拡散反射された拡散反射光を第1の照明受光手段で測定した分光強度Iwc(λ)とによって、測定対象物の分光反射率係数Rm(λ)が(3)式によって求められる。
Figure 0005218138
白色校正板が劣化していると判断された場合には、警告信号が出力されて、後述する白色校正板の分光反射率係数の再値付けが促される。
<実施形態2の反射特性測定装置の構成>
○反射特性測定装置110A:
図16は、実施形態2に係る反射特性測定装置110Aの参照板測定時の概略構成を示す模式図である。
反射特性測定装置110Aは、実施形態1の反射特性測定装置10Aと多くの共通する構成を有しており、両者の相違点は、反射特性測定装置10Aが備える校正基準板劣化測定装置40Aおよび校正基準板ユニット18Aに代えて、反射特性測定装置110Aが、それぞれ校正基準板劣化測定装置40Bおよび校正基準板ユニット18Bを備える点である。以下では、反射特性測定装置10Aに対する反射特性測定装置110Aの相違点を説明することによって反射特性測定装置110Aの構成を説明する。
○校正基準板ユニット18B:
図17は、校正基準板ユニット18Bの上面外観図であり、図18は、図17の切断面線2A−2Aにおける校正基準板ユニット18Bの断面模式図である。
校正基準板ユニット18Bは、封止部22cおよび把持部22dを備えること、ならびに、校正基準板ホルダ44の形状が平面状であることを除いて、実施形態1に係る校正基準板ユニット18Aと同じ構成および機能を有する各部材によって構成される。
把持部22dは、校正基準板ユニット18Bを取り扱う際に把持するための樹脂などで作られる部材であり、封止部22cは、校正基準板ユニット18Bの校正基準板ホルダ44と把持部22dとを固定するための樹脂などで作られる部材である。
校正基準板ユニット18Bは、通常、校正基準板劣化測定装置40Bに格納されており、白色校正板の値付け時および白色校正時などにはスロット22s(図16)から、取り出されて校正に供される。校正後、校正基準板ユニット18Bは、スロット22sから再び校正基準板劣化測定装置40Bに格納される。
また、白色校正などを行うために校正基準板ユニット18Bを校正基準板劣化測定装置40Bへ出し入れする際には、把持部22dが把持される。
○校正基準板劣化測定装置40B:
図16に示すように、校正基準板劣化測定装置40Bは、収納ケース33と収納ケース33内部の部品によって構成され、反射特性測定装置110Aの内部に取り外し可能に設置されている。校正基準板劣化測定装置40Bは、間隔を隔てて対向配置された光源25および受光センサ27を有する。光源25および受光センサ27は、校正基準板劣化測定装置40Bの外部に設けられた制御処理回路16とともに副測定系(「第2の投受光手段」とも称する)を構成し、白色校正に使用される白色校正板wbの劣化を判定するための信号は、副測定系によって測定される。
校正基準板劣化測定装置40Bの収納ケース33の側面にはスロット22sが設けられており、校正基準板劣化測定装置40Bが反射特性測定装置110Aに取り付けられた状態において、スロット22sを有する収納ケース33の側面と、反射特性測定装置110Aの筐体の側面とが同じ面を形成する。
校正基準板劣化測定装置40Bの内部には、スロット22sを挟んでガイド56aおよび56bが設けられており、スロット22sから校正基準板劣化測定装置40Bに出し入れされる白色校正板wbを備えた校正基準板ユニット18Bは、ガイド56aおよび56bによって、光源25と受光センサ27との間の間隔を横切る経路に沿って光源25と受光センサ27に対して相対的に移動するように案内される。
ブラシ19aおよび19bは、収納ケース33の上面および底面にそれぞれ設けられており、校正基準板ユニット18Bの上面と底面とをそれぞれ清掃するとともに、ガイド56a,56bおよび封止部22cと協働して、収納ケース33の内部を外光から遮光する作用と、埃などが収納ケース33の内部に入り込むことを防止する作用を有する。
校正基準板劣化測定装置40Bの内部には、例えば、反射型フォトインタラプタなどが採用される原点センサ14が設けられており、原点センサ14は、校正基準板ユニット18Bの把持部22dがスロット22sに当たるまで、校正基準板ユニット18Bが校正基準板劣化測定装置40Bに差し込まれた状態で、校正基準板ユニット18Bの端面を検出でき、この状態において、図17,図18に示される遮光板bbに設けられた穴部H1が、副測定系の照明光29の光路上に位置している。
例えばLEDなどが採用される光源25は、収納ケース33の下面に設けられており、例えばSPCなどが採用される受光センサ27は、収納ケース33の上面に設けられている。校正基準板劣化測定装置40Bの近傍に設けられている制御処理回回路16は、光源25の駆動および受光センサ27の出力信号の処理を行うとともに、原点センサ14の駆動および出力信号の処理を行う。
制御処理回路16とCPU1の間には、CPU1が出力する制御信号や制御処理回路16の出力信号などの情報伝達に使用される配線が配設されており、CPU1が制御処理回路16を介して操作する電流によって光源25から照射される照明光29の強度は制御される。光源25から照射された照明光29は、受光センサ27に入射して入射光の強度に応じた電気信号に変換され、制御処理回路16によって処理されてCPU1に出力される。
白色校正時などでは、校正基準板ユニット18Bが校正基準板劣化測定装置40Bから取り出される。この取出しは、原点センサ14によって検出されるとともに、副測定系の光源25による照明光29の照射と受光センサ27による測定が開始され、照明光29は、白色校正板wbを拡散透過し、さらに穴部H1を通り、拡散透過光として受光センサ27によって測定され、照明光29の拡散透過光の信号強度として記憶されるとともに、光源25による照明光29の照射および受光センサ27による測定は、さらに続行される。
校正基準板ユニット18Bの取り出し動作が続行されると、照明光29は、遮光板bbと校正基準板ホルダ44によって一旦遮断された後、校正基準板ホルダ44の端面が照明光29の光路を通過すると再び、受光センサ27に直接入射する。受光センサ27が測定する信号の強度の変化によって、照明光29が受光センサ27に直接入射していることが認識され、照明光29そのものの信号強度として記憶されるとともに、光源25による照明光29の照射および受光センサ27の測定は停止される。
照明光29そのものの信号強度に対する照明光29の拡散透過光の信号強度の比をとることによって拡散透過率を求め、拡散透過率の校正基準板値付け時からの変化に基づいて校正基準板の劣化の有無が判断される。
なお、例えば、校正基準板ホルダ44上において、遮光板bbと封止部22cとの間に貫通孔を設けるとともに、把持部22dがスロット22sに当接する状態で、照明光29が、該貫通孔を通過する位置に光源25および受光センサ27を設けることによって、把持部22dがスロット22sに当接する状態で、先ず、照明光29そのものの信号強度を測定し、その後、校正基準板ユニット18Bの取り出し過程における信号強度の変化に基づいて、白色校正板wbを拡散透過して穴部H1を通過した照明光29の信号強度を認識して測定するようにしてもよい。
このように、校正基準板劣化測定装置40Bの構成を変更することによって、照明光29そのものの信号強度と、照明光29の拡散透過光の信号強度とを、所定の順序で、順次に測定することができる。
<実施形態2の反射特性測定装置の動作>
次に、反射特性測定装置110Aの動作について、フローチャートを用いて説明する。
○白色校正板の値付け
図19は、実施形態2に係る反射特性測定装置110Aが白色校正板値付けモードで作動する値付け動作S40の概要を示すフローチャートである。
先ず、準備として、校正基準板ユニット18Bが校正基準板劣化測定装置40Bに格納された状態で、既知の分光反射率係数Rp0(λ)を持つ硫酸バリウムプレス板を測定開口41上に載置し、操作パネル42の操作により反射特性測定装置10Aを「値付けモード」に設定する。
操作パネル42上の測定ボタンが押されると、主測定系20Aによって硫酸バリウムプレス板に関する分光強度Ip0(λ)が測定される(ステップS402)。
次に、校正基準板劣化測定装置40Bから校正基準板ユニット18Bの取り出しを開始すると、この取り出し開始は、原点センサ14によって検出される(ステップ404)。
校正基準板ユニット18Bの取り出し開始が検出されると、副測定系によって値付け時の白色校正板に関する拡散透過光強度Itw0が測定される(ステップS406)。
拡散透過光強度Itw0の測定が終了し、校正基準板ユニット18Bの移動にともなう副測定系の出力信号の強度変化によって、副測定系の出力信号が照明光29そのものの強度であることが認識されると、該信号強度が、白色校正板の値付け時の副測定系の照明光強度Id0として測定され(ステップS408)、演算Itw0/Id0によって値付け時の白色校正板の拡散透過率Dw0が算出(ステップS410)される。そしてDw0は記憶部2に記憶(ステップS412)される。
次に、校正基準板劣化測定装置40Bから取り出された校正基準板ユニット18Bが、硫酸バリウムプレス板に替えて測定開口41上に設置され、操作パネル42上の測定ボタンが押されると、主測定系20Aによって白色校正板wbに関する値付け時の分光強度Iw0(λ)が測定される(ステップS414)。
分光強度Iw0(λ)の測定が終了すると、予め記憶部2に記憶されている分光反射率係数Rp0(λ)を用いた演算Rp0(λ)×Iw0(λ)/Ip0(λ)によって値付け時における白色校正板の分光反射率係数Rw0(λ)が算出(ステップS416)されて、Rw0(λ)は記憶部2に記憶され(ステップS418)、値付けが終了する。
○白色校正
図20は、実施形態1に係る反射特性測定装置110Aの白色校正S50の動作の概要を示すフローチャートである。
先ず、準備として、操作パネル42の操作により反射特性測定装置10Aを「白色校正モード」に設定する。
校正基準板劣化測定装置40Bから校正基準板ユニット18Bの取り出しが開始されると、この取り出し開始は原点センサ14によって検出され(ステップS502)、副測定系によって白色校正時の白色校正板に関する拡散透過光強度Itwcが測定される(ステップS504)。
拡散透過光強度Itwcの測定が終了し、校正基準板ユニット18Bの移動にともなう副測定系の出力信号の強度変化によって、副測定系の出力信号が照明光29そのものの強度であることが認識されると、該信号強度が、白色校正時の副測定系の照明光強度Idcとして測定され(ステップS506)、演算Itwc/Idcによって白色校正時の白色校正板の拡散透過率Dwcが算出され(ステップS508)、処理が白色校正板の劣化判定サブルーチンS510へ移される。
○白色校正板の劣化判定サブルーチン
図21は、実施形態2に係る反射特性測定装置110Aの白色校正板の劣化判定サブルーチンS510の動作の概要を示すフローチャートである。
先ず、白色校正時と値付け時とにおける白色校正板の拡散透過率DwcとDw0との比Dwc/Dw0が算出(ステップS5102)され、比Dwc/Dw0が所定の範囲内であるかどうかが判定される(ステップS5104)。比Dwc/Dw0が所定の範囲内である場合には白色校正板は劣化していないと判定(ステップS5106)され、そうでない場合には白色校正板は劣化していると判定(ステップS5108)される。
次に、白色校正の処理フローに復帰し、白色校正板の劣化の有無が判断(ステップS512)されて、劣化している場合にはCPU1は、白色校正板の分光反射率係数の再値付け処理を促すなどするための劣化警告信号を出力(ステップS514)して、白色校正を終了する。
白色校正板が劣化していなければ、校正基準板ユニット18Bが測定開口41に設置された後、操作パネル42上の測定ボタンが押されると、主測定系20Aによって白色校正時の白色校正板に関する分光強度Iwc(λ)が測定(ステップS516)され、Iwc(λ)は記憶部2に記憶(ステップS518)されて、白色校正を終了する。
○測定対象物測定
図22は、実施形態1に係る反射特性測定装置110Aの測定動作S60の概要を示すフローチャートである。
測定開口41に測定対象物が設置され、操作パネル41上の測定ボタンが押されると、主測定系によって測定対象物に関する分光強度Im(λ)が測定(ステップS602)され、(3)式によって測定対象物の分光反射率係数Rm(λ)が算出されて(ステップS604)、測定が終了する。
○白色校正板wbの分光反射率係数の再値付け:
ここで、白色校正時に白色校正板wbが劣化していると判定された場合に行うべき白色校正板wbの分光反射率係数の再値付け処理について説明する。
白色校正板の値付け時に、白色校正板wbと同じ材質を有する第2の白色校正板を用意して、白色校正板wbの値付け時の分光反射率係数Rw0(λ)を求めるとともに、第2の白色校正板の値付け時の分光反射率係数R2w0(λ)も、予め求めて記憶部2に記憶しておく。第2の白色校正板は、反射特性測定装置の使用元、または製造元のサービス拠点などの劣化を生じにくい環境で保管される。
白色校正処理において、白色校正板wbの劣化が検出された場合には、硫酸バリウムプレス板に代えて、保管されている第2の白色校正板を用いて値付け動作S40を行い、第2の白色校正板に関する分光反射光強度I2wc(λ)と白色校正板wbに関する分光反射光強度Iwc(λ)を測定し、演算R2w0(λ)×Iwc(λ)/I2wc(λ)によって、白色校正板wbの現状の分光反射率係数Rw0’(λ)が算出されて、白色校正板wbの新たな分光反射率係数Rw0(λ)値付けとして上書き記憶され、以降の測定対象物の測定において使用される。
上述したように、校正基準板劣化測定装置40Bによれば、校正基準板と照明受光手段とを相対的に案内するガイドと、照明受光手段とによって、校正基準板と照明受光手段とを第1の相対位置(すなわち、照明光29が受光センサ27に直接入射する相対位置)とした状態で、照明光が校正基準板を介さずに受光部に入射する光の光量に応じた第1の信号(すなわち照明光そのものの強度)を、校正基準板と照明受光手段とを第2の相対位置(すなわち、照明光29が白色校正板wbを拡散透過して受光センサ27に入射する相対位置)とした状態で、照明光が校正基準板を介して受光部に入射する光の光量に応じた第2の信号(すなわち、拡散透過光強度)を、所定の順序で、順次に測定することが可能となる。
そして、第1の信号と第2の信号とを共通の照明部と受光部とで測定することができるので、第1の信号と第2の信号の測定結果を用いて、照明部と受光部の測定特性の変動が第1の信号と第2の信号の測定結果に与える影響が相殺された指標を求めることによって、校正基準板の光学的特性の変化を監視でき、反射特性測定装置の測定精度を保つことができる。
10A,110A 反射特性測定装置
18A,18B 校正基準板ユニット
40A,40B 校正基準板劣化測定装置
50A 校正基準装置
1 CPU
2 記憶部
3 USB制御回路
3b USBコネクタ
4,26 制御回路
5 光源部
6,7 レンズ
8 ポリクロメータ
9 分光素子
10 受光センサアレイ
11,28 処理回路
12a,29 照明光
12b 拡散反射光
13 パルスモータ
14,23 原点センサ
16 制御処理回路
17 端子
19a,19b ブラシ
20A 主測定系
22 キャリア
22a,22b 耳部
22c 封止部
22d 把持部
22f 前面部
22s スロット
24 原点検出用基準部
25 光源
27 受光センサ
30 送りねじ
31,32 リニアガイド
33 収納ケース
33a 上面
33b 底面
42 操作パネル
44 校正基準板ホルダ
YL1 矢印
YR1 回転矢印
H1,H2 穴部
rb 参照板
wb 校正白色板
bb 遮光板

Claims (7)

  1. 測定対象物に照明光を照射して測定対象物の反射特性を測定する反射特性測定装置であって、
    測定対象物の反射特性と校正基準板の反射特性とを測定する第1の照明受光手段と、
    前記校正基準板の光学的特性を測定する第2の照明受光手段と、
    を備えたことを特徴とする反射特性測定装置。
  2. 請求項1に記載の反射特性測定装置であって、
    前記校正基準板と前記第2の照明受光手段とを相対的に移動させる移動機構、
    をさらに備え、
    前記第2の照明受光手段は、
    (a) 前記移動機構によって前記校正基準板と前記第2の照明受光手段とを第1の相対位置とした状態で、前記第2の照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介さずに前記第2の照明受光手段の受光部に入射させた場合の受光光量に応じた第1の信号と、
    (b) 前記移動機構によって前記校正基準板と前記第2の照明受光手段とを第2の相対位置とした状態で、前記第2の照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介して前記第2の照明受光手段の受光部に入射させた場合の受光光量に応じた第2の信号とを、
    所定の順序で順次に測定可能とされていることを特徴とする反射特性測定装置。
  3. 請求項2に記載の反射特性測定装置であって、
    前記校正基準板が所定の位置に設置された状態で、前記第1の照明受光手段が前記校正基準板の反射特性を測定し、かつ、前記第2の照明受光手段が前記第1の信号または前記第2の信号のいずれかの信号を測定することを特徴とする反射特性測定装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の反射特性測定装置であって、
    前記光学的特性の変化に基づいて警告信号を出力する制御処理手段をさらに備えたことを特徴とする反射特性測定装置。
  5. 反射特性測定装置の校正基準装置であって、
    ハウジングと、
    前記ハウジング内に収容されて、照明光を照射する照明部と入射した光の光量に応じた信号を測定する受光部とが、互いに間隔を隔てて設けられた照明受光手段と、
    前記照明部と前記受光部との間の前記間隔を横切る経路に沿って前記照明受光手段に対して相対的に移動可能に配置され、前記反射特性測定装置の光学的な校正基準となる校正基準板と、
    前記校正基準板と前記照明受光手段とを相対的に移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記照明受光手段は、
    (a) 前記移動機構によって前記校正基準板と前記照明受光手段とを第1の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介さずに前記照明受光手段の受光部に入射させた場合の受光光量に応じた第1の信号と、
    (b) 前記移動機構によって前記校正基準板と前記照明受光手段とを第2の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介して前記照明受光手段の受光部に入射させた場合の受光光量に応じた第2の信号とを、
    所定の順序で順次に測定可能とされていることを特徴とする校正基準装置。
  6. 反射特性測定装置の校正基準板の劣化測定装置であって、
    照明光を照射する照明部と、入射した光の光量に応じた信号を測定する受光部とを有する照明受光手段と、
    前記校正基準板と前記照明受光手段とを相対的に移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記照明受光手段は、
    (a) 前記移動機構によって前記校正基準板と前記照明受光手段とを第1の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介さずに前記照明受光手段の受光部に入射させて受光した光量に応じた第1の信号と、
    (b) 前記移動機構によって前記校正基準板と前記照明受光手段とを第2の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介して前記照明受光手段の受光部に入射させて受光した光量に応じた第2の信号とを、
    所定の順序で順次に測定可能とされていることを特徴とする劣化測定装置。
  7. 反射特性測定装置の校正基準板の劣化測定装置であって、
    照明光を照射する照明部と、入射した光の光量に応じた信号を測定する受光部とを有する照明受光手段と、
    前記校正基準板と前記照明受光手段とを相対的に案内するガイドと、
    を備え、
    前記照明受光手段は、
    (a) 前記ガイドに基づいて前記校正基準板と前記照明受光手段とを第1の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介さずに前記照明受光手段の受光部に入射させて受光した光量に応じた第1の信号と、
    (b) 前記ガイドに基づいて前記校正基準板と前記照明受光手段とを第2の相対位置とした状態で、前記照明受光手段の照明部から照射された照明光を前記校正基準板を介して前記照明受光手段の受光部に入射させて受光した光量に応じた第2の信号とを、
    所定の順序で順次に測定可能とされていることを特徴とする劣化測定装置。
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