JP5216263B2 - 被覆におけるケイ光ポリマーの使用方法および被覆組成物 - Google Patents
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Description
本発明の第1の態様は、
被覆におけるケイ光ポリマーの使用方法であって、
被覆組成物が、エチレン性不飽和モノマーを;
ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオランテン、アクリジン、カルバゾール、ピレン、クリセン、トリフェニレン、ペリレン及びそれらの置換芳香族誘導体、並びに、ナフチルメチルメタクリレート、ナフチルエチルメタクリレート、9−アントリルメタクリレート、9−アントリルメチルメタクリレート、2−(9−アントリル)エチルメタクリレート、1’−(9−アントリル)エチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2−メチレン−3−(1−ナフチル)プロピオン酸、N−ジベンゾスベレニルアクリルアミド、(9−フェナントリル)メチルメタクリレート及び9−ビニルフェナントレン:からなる群から選択されるケイ光化合物の存在下で;
重合することによって得られるケイ光ポリマーを含み;得られるポリマーがケイ光基を含むことを特徴とする、
被覆におけるケイ光ポリマーの使用方法に関する。
本明細書中において用いられる以下の用語は、他に明確に示さない限り、以下の定義を有する。「ラテックス」又は「ラテックス組成物」は、例えば乳化重合のような公知の重合法によって調製することのできる水不溶性ポリマーの分散液を意味する。「ラテックス」は、また、水性組成物中に分散されたポリマーをも意味し、該ポリマーは、水性媒体中で直接調製することができるか、或いはまず非水性媒体中で(例えば溶液重合を用いて)調製し、次に引き続いて水性媒体中に分散させることもできる。「ケイ光体(fluorescent)」又は「ケイ光(fluorescence)」は、照射によって励起されると、「ケイ光を発する(fluoresce)」と称される第2の励起状態になるか、或いは元の励起状態よりも低いエネルギー(より長い波長)で放射線を発する化合物を意味する。「発色団」は、ポリマーに共有結合することのできる、ケイ光を有する化合物を意味する。「骨格」は、ペンダント基又は末端基を除くポリマーの主鎖を意味し、「ペンダント基」は、ポリマーの主鎖から懸垂された基を意味し、「末端基」は、ポリマー鎖の末端から懸垂された基を意味する。塗料に関して用いられる「PVC」という用語は、顔料容量濃度を意味する。「基」及び「部分」という用語は交換可能に用いられる。以下の略号を用いる。cm=センチメートル;mm=ミリメートル;nm=ナノメートル;ml=ミリリットル;HPLC=高圧液体クロマトグラフィー;UV=紫外線;ai=活性成分。特に他に示さない限り、示される範囲は両端を含めるように読まれるべきである。
光沢保持:
3ミル(0.076mm)のBirdフィルムアプリケーターを用いてLeneta−5Cチャート上にそれぞれの試験塗料のフィルムを形成させた。フィルムを、25℃で相対湿度50%において7日間乾燥させた。次に、Glossgard−II光沢計を用いて20°及び60°の光沢(垂直から20°及び60°の角度で反射された光)の初期の読みを採った。Weather−O−meterに曝露した後の20°及び60°光沢の読みを繰り返し、元の値の保持率(%)として報告した。光沢の損失は耐性が劣ることの指標である。したがって、保持率がより高いことは、耐性がより良好であることを示す。
3ミル(0.076mm)のBirdフィルムアプリケーターを用いてアルミニウムQパネル(Alodine−1200S)上にそれぞれの試験塗料のフィルムを形成させた。フィルムを、Weather−O−meter曝露の前に、25℃で相対湿度50%において7日間乾燥させた。曝露の後、反射率計を用いて塗料フィルムのY反射率を測定した。次に、酸化鉄スラリー(水250g、アニオン分散剤2滴、酸化鉄125gを十分に分散させる)を用いてパネルを「汚濁処理」し、3時間風乾させ、60℃で1時間オーブンで乾燥させた。パネルを室温に冷却した後、チーズクロスパッドを用いて流水下で塗料フィルムを洗浄し、4時間風乾した。反射率計を用いて、汚濁処理した領域についてY反射率を再測定し、元の読みに対する割合(%)として報告した。保持率がより高いことは、塗料フィルムがより清浄であることを示し、これは耐性がより良好であることを示す。
メカニカルブレードスターラー、温度を監視するための熱電対、還流凝縮器、加熱及び冷却するための手段、及び窒素雰囲気を具備した1リットルの4つ口丸底ガラスフラスコ内において重合を行った。フラスコに、脱イオン水200g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5gを入れ、85℃に加熱した。脱イオン水90g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5g、ブチルアクリレート118g、メチルメタクリレート130g、及び9−アントリルメタクリレート2.5gからモノマープレエマルジョンを調製した。プレエマルジョン(12.5g)をフラスコに加え、水5g中に溶解した過硫酸アンモニウム(APS)0.75gを加えた。15分後に、残りのプレエマルジョン及び脱イオン水75g中に溶解したAPS0.4gの2.5時間にわたる一定速度での供給を開始した。必要に応じて加熱及び冷却を行って反応温度を85℃に保持した。添加が完了したら、脱イオン水30gを用いてプレエマルジョン容器を濯ぎフラスコに加えた。30分後、フラスコを60℃に冷却し、全量で33.5gの脱イオン水中の0.003gのFeSO4×7H2O、70%のt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液1.5g、及びナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.9gをフラスコ混合物に加えた。反応混合物を室温に冷却し、濾過した。固形分含有率41.0重量%、粒径83nm及びpH2.5を有するポリマーラテックスが得られた。ポリマーは413nm(ex364nm)においてケイ光を有していた。
脱イオン水90g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5g、ブチルアクリレート118g、メチルメタクリレート130g、及びナフチルエチルメタクリレート2.3gからモノマープレエマルジョンを調製した他は実施例1の手順を繰り返した。固形分含有率41.4重量%、粒径103nm、及びpH2.3を有するポリマーラテックスが得られた。ポリマーは340nm(ex280nm)においてケイ光を有していた。
脱イオン水90g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5g、ブチルアクリレート125g、スチレン122.5g、及び9−アントリルメタクリレート2.5gの2.3gからモノマープレエマルジョンを調製し、反応の終了時に、全量で54.5gの脱イオン水中の0.003gのFeSO4×7H2O、t−ブチルヒドロペルオキシド2.5g、及びナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート1.5gを加えた他は実施例1の手順を繰り返した。固形分含有率34.8重量%、粒径91nm、及びpH2.2を有するポリマーラテックスが得られた。ポリマーは413nm(ex365nm)においてケイ光を有していた。
脱イオン水90g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5g、ブチルアクリレート125g、スチレン123g、及びナフチルエチルメタクリレート2.3gからモノマープレエマルジョンを調製した他は実施例1の手順を繰り返した。固形分含有率40.5重量%、粒径86nm、及びpH2.2を有するポリマーラテックスが得られた。ポリマーは340nm(ex280nm)においてケイ光を有していた。
脱イオン水90g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5g、エチルアクリレート247.5g、及び9−アントリルメタクリレート2.5gからモノマープレエマルジョンを調製した他は実施例1の手順を繰り返した。固形分含有率40.0重量%、粒径87nm、及びpH2.7を有するポリマーラテックスが得られた。ポリマーは413nm(ex364nm)においてケイ光を有していた。
ブチルメタクリレート250g及びアントラセン2.5g(アントラセンがほぼ溶解するまで共に攪拌した)、脱イオン水90g、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5gからモノマープレエマルジョンを調製した他は実施例1の手順を繰り返した。固形分含有率40.6重量%、粒径112nm、及びpH1.9を有するポリマーラテックスが得られた。ポリマーは426nm(ex364nm)においてケイ光を有していた。
メカニカルブレードスターラー、温度を監視するための熱電対、還流凝縮器、加熱及び冷却するための手段、及び窒素雰囲気を具備した3リットルの4つ口丸底ガラスフラスコ内において重合を行った。フラスコに、脱イオン水580g、活性成分(ai)60%のアンモニウムアルキルフェノールエトキシレートスルフェート界面活性剤(AAESS)5.3g、及びナトリウムカーボネート4.0gを入れた。次に、この混合物を83℃に加熱した。ブチルアクリレート550g、メチルメタクリレート435g、メタクリル酸15g、及びアントラセン10g(アントラセンがほぼ溶解するまで共に攪拌した)、並びに脱イオン水252.5g、ai60%のAAESS17g、及びナトリウムラウリルスルフェート1.0gからモノマープレエマルジョンを調製した。プレエマルジョン(55g)をフラスコに加え、水17g中に溶解したAPS3.0gを加えた。15分後に、残りのプレエマルジョン及び脱イオン水90g中に溶解したAPS1.5gの3.0時間にわたる供給を開始した。必要に応じて加熱及び冷却を行って反応温度を83℃に保持した。添加が完了したら、脱イオン水35gを用いてプレエマルジョン容器をすすぎ、フラスコ中に加えた。30分後、フラスコを65℃に冷却し、全量で132gの脱イオン水中の0.012gのFeSO4×7H2O、テトラナトリウムエチレンジアミン四酢酸0.012g、70%のt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液4.0g、及びイソアスコルビン酸2.0gを加えた。28%の水酸化アンモニウムでpHを6.8にした。次に、反応混合物を室温に冷却し、濾過した。固形分含有率46.7重量%、粒径130nm及びpH6.6を有するポリマーラテックスが得られた。ポリマーは422nm(ex364nm)においてケイ光を有していた。タンデムでUV検出器及び屈折率検出器を設えたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて、ケイ光基がポリマー鎖に共有結合していることを測定した。
プレエマルジョン中においてアントラセン5gを用い、全量で68gの脱イオン水中のt−ブチルヒドロペルオキシド2.0g及びイソアスコルビン酸1.0gを重合の終了時に用いた他は実施例7の手順を繰り返した。固形分含有率48.9重量%、粒径126nm、及びpH8.7を有するポリマーラテックスが得られた。ポリマーは422nm(ex364nm)においてケイ光を有していた。
脱イオン水175g、ai60%のAAESS17g、ブチルアクリレート550g、メチルメタクリレート435g、及びメタクリル酸15gからプレエマルジョンを調製し、重合の終了時に、全量で35gの脱イオン水中の0.006gのFeSO4×7H2O、テトラナトリウムエチレンジアミン四酢酸0.006g、70%のt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液1.0g、及びイソアスコルビン酸0.5gを加えた他は実施例7の手順を繰り返した。固形分含有率52.2重量%、粒径124nm、及びpH9.6を有するポリマーラテックスが得られた。ポリマーはケイ光を有していなかった。
メカニカルブレードスターラー、温度を監視するための熱電対、還流凝縮器、加熱及び冷却するための手段、及び窒素雰囲気を具備した3リットルの4つ口丸底ガラスフラスコ内において重合を行った。フラスコに脱イオン水400gを入れ、83℃に加熱した。脱イオン水12g中に溶解した過硫酸アンモニウム3.5g及び60nmの種ラテックス18g(固形分基準)を脱イオン水41.5gと共に加えた。ブチルアクリレート500g、スチレン460g、メタクリル酸40g及びアントラセン5g(アントラセンが溶解するまで共に攪拌した)、及び脱イオン水295g、ai35%のAAESS8.5g、及びナトリウムラウリルスルフェート3.2gからモノマープレエマルジョンを調製した。モノマープレエマルジョン及び脱イオン水90g中の過硫酸アンモニウム1.2gを3時間かけてフラスコに加えた。必要に応じて加熱及び冷却を行って反応温度を83℃に保持した。添加が終了したら、脱イオン水25gを用いて、プレエマルジョン容器をすすぎ反応フラスコ中に加えた。30分後、フラスコを65℃に冷却し、全量で46gの脱イオン水中の0.01gのFeSO4×7H2O、70%のt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液2.0g、及びイソアスコルビン酸1.0gを加えた。反応混合物を室温に冷却し、濾過した。固形分含有率52.7重量%、粒径216nm、及びpH2.5を有するポリマーラテックスが得られた。ポリマーは418nm(ex364nm)においてケイ光を有していた。
実施例7、8及び9からのラテックスポリマーを半光沢塗料中に配合し、促進屋外曝露の前後において評価した。塗料の配合を表1に示し、塗料の特性を表2に示す。
逆相HPLCを用いて、重合中にアントラセンを加えて調製したポリマーの試料、及び、重合後にアントラセンを加えて調製したポリマーの試料を、遊離アントラセンに関して分析した。ベースポリマーは、41.2BA/57.5MMA/1.3MAAの組成を有していた。
Claims (2)
- 被覆組成物のUV耐性を向上させるためのケイ光ポリマーの使用方法であって、
被覆組成物が、エチレン性不飽和モノマーを;
ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオランテン、アクリジン、カルバゾール、ピレン、クリセン、トリフェニレン、ペリレン及びそれらの置換芳香族誘導体、並びに、ナフチルメチルメタクリレート、ナフチルエチルメタクリレート、9−アントリルメタクリレート、9−アントリルメチルメタクリレート、2−(9−アントリル)エチルメタクリレート、1’−(9−アントリル)エチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2−メチレン−3−(1−ナフチル)プロピオン酸、N−ジベンゾスベレニルアクリルアミド、(9−フェナントリル)メチルメタクリレート及び9−ビニルフェナントレン:からなる群から選択されるケイ光化合物と共に;
共重合することによって調製されるケイ光ポリマーを含み;
ケイ光化合物の量が、モノマーの全重量を基準として0.001〜3.0重量%であり;並びに、
得られる前記ポリマーがケイ光基を含むことを特徴とする、方法。 - ケイ光化合物が、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオランテン及びそれらの置換芳香族誘導体、並びに、ナフチルエチルメタクリレート、9−アントリルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2−メチレン−3−(1−ナフチル)プロピオン酸、(9−フェナントリル)メチルメタクリレート、9−ビニルフェナントレン及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の使用方法。
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