JP5213545B2 - 記録ヘッドおよびその製造方法、ならびに記録ヘッドを備える記録装置 - Google Patents

記録ヘッドおよびその製造方法、ならびに記録ヘッドを備える記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数の発熱素子からなる素子列が湾曲しているヘッド基板を用いた記録ヘッドおよびその製造方法、並びに記録ヘッドを備える記録装置に関する。
ファクシミリやレジスターなどのプリンタとしては、サーマルヘッドおよびプラテンローラを備えるサーマルプリンタが用いられている。このようなサーマルプリンタに搭載されるサーマルヘッドとしては、ヘッド基板上に複数の発熱素子を配列したものがある。プラテンローラは、例えば感熱紙などの記録媒体を発熱素子上に対して押し当てる機能を有するものである。このような構成のサーマルプリンタでは、所望の画像に応じて発熱素子を発熱させるともに、発熱素子上に対して記録媒体をプラテンローラで略均等に押圧することにより発熱素子の発する熱を記録媒体に対して良好に伝達させている。記録媒体に対する所望の印画は、この処理を繰り返すことにより行われている。
上述のサーマルヘッドの中には、ヘッド基板となる領域を複数有する素基板を用意し、各領域上に発鉄素子を配列してからヘッド基板領域ごとに分割し、複数同時に生産したヘッド基板を採用しているものがある。しかしながら、このような多数個取りによりサーマルヘッドのヘッド基板を生産した場合、該ヘッド基板、ひいてはヘッド基板上に直線的に配列形成した筈の発熱素子が湾曲して配列される場合があった。発熱素子が湾曲して配列されると、記録媒体を押圧する力にバラツキが生じてしまい、印画の質が低下する場合があった。そこで、分割後にヘッド基板が湾曲する方向と逆方向に湾曲させて発熱素子を配列する技術が開発され、例えば特許文献1に開示されている。
特開平07−223328号公報
しかしながら、特許文献1に記載のサーマルヘッドでは、予めヘッド基板が湾曲する形状を把握しておく必要があった。
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、発熱素子からなる素子列が湾曲しているヘッド基板であっても、素子列の直線性を高めることが可能な記録ヘッドおよびその製造方法、ならびに記録ヘッドを備える記録装置を提供すること、を目的とする。
本発明の記録ヘッドは、ヘッド基板と、該ヘッド基板上に主走査方向に沿って配列されている発熱素子と、該発熱素子の駆動に寄与する導体層とを含んで構成されるヘッド基体と、前記導体層に接続されており、前記ヘッド基板よりも熱膨張係数の大きい配線体と、該配線体を支持する支持母材と、前記配線体と前記支持母材とを接着する接着層とを含んで構成される配線部材とを有しており、前記接着層は、ガラス転移温度が異なる複数の接着剤を含んでおり、該複数の接着剤は、前記主走査方向に交わる副走査方向に並んで配置されており、前記配線体の前記導体層に接続される側に設けられた前記接着剤は、他の前記接着剤に比べてガラス転移温度が高いことを特徴としている。
本発明の記録ヘッドにおいて、前記配線部材は、前記支持母材の前記接着層との接着面および該接着面と反対側に位置する面の少なくとも一方の面に、前記副走査方向に延びる窪み部を有することが好ましい。
本発明の記録装置は、上述の記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送機構とを備えるのが好ましい。
本発明の記録ヘッドの製造方法は、ヘッド基板上に設けられ、主走査方向に前記ヘッド基板の一方の長辺に沿って配列されている複数の発熱素子と、該発熱素子の駆動に寄与する導体層とを有し、前記ヘッド基板および前記複数の発熱素子からなる素子列が、平面視して、前記一方の長辺に向けて湾曲しているヘッド基体を準備するヘッド基体準備工程と、前記ヘッド基板の他方の長辺側に設けられた前記導体層に電気的に接続される配線体と、前記配線体の支持母材と、前記配線体および前記支持母材を接着する接着層とを含ん
で構成されている配線部材を準備する配線部材準備工程と、前記ヘッド基板に前記配線部材を接着する配線部材接着工程とを含んでなり、前記配線部材準備工程において、前記ヘッド基板に比べて前記配線体の熱膨張係数が大きい配線体とガラス転移温度が異なる複数の接着剤を含んでおり、該複数の接着剤は、前記主走査方向に交わる副走査方向に並んで配置され、前記配線体の前記導体層に接続される側に設けられた前記接着剤が、他の前記接着剤に比べてガラス転移温度が高い前記接着層と、を備える配線部材を準備し、前記配線部材接着工程において、前記複数の接着剤のガラス転移温度より高い温度で、前記ヘッド基体および前記配線部材を固着することを特徴としている。
本発明の記録ヘッドの製造方法は、前記ヘッド基体準備工程において、複数のヘッド基板領域を有する素体を準備する素体準備工程と、前記素体の前記ヘッド基板領域のそれぞれの上に複数の発熱素子および導体層を配列する素子配列工程と、該素子配列工程を経た前記素体を前記ヘッド基板領域ごとに分割する分割工程とを経て前記ヘッド基体を製造するのが好ましい。
本発明の記録ヘッドの製造方法は、前記配線部材準備工程において、前記支持母材の前記接着層との接着面および該接着面と反対側の面の少なくとも一方の面に前記副走査方向に延びる窪み部を有する配線部材を準備することが好ましい。
本発明の記録ヘッドは、ヘッド基板と、該ヘッド基板上に主走査方向に沿って配列されている発熱素子と、該発熱素子の駆動に寄与する導体層とを含んで構成されるヘッド基体と、前記導体層に接続されており、前記ヘッド基板よりも熱膨張係数の大きい配線体と、該配線体を支持する支持母材と、前記配線体と前記支持母材とを接着する接着層とを含んで構成される配線部材とを有しており、前記接着層は、ガラス転移温度が異なる複数の接着剤を含んでおり、該複数の接着剤は、前記主走査方向に交わる副走査方向に並んで配置されており、前記配線体の前記導体層に接続される側に設けられた前記接着剤は、他の前記接着剤に比べてガラス転移温度が高くなっている。そのため、本発明の記録ヘッドは、ガラス転移温度の違いを利用して配線体を熱膨張した状態で固定することができる。それゆえ、この記録ヘッドは、素子列の直線性をより良好に高めることができる。したがって、本発明の記録ヘッドは、素子列に対する押圧力の均一性を高め、画質を高めることができる。
本発明の記録ヘッドにおいて、前記配線部材は、前記支持母材の前記接着層との接着面および該接着面と反対側に位置する面の少なくとも一方の面に、前記副走査方向に延びる窪み部を有することから、窪み部により配線体からヘッド基板への印可される応力を窪み部間の領域ごとに分けることができる。そのため、ヘッド基板に過度な応力が印可されることを低減することができる。
本発明の記録装置は、上述の記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送機構とを備える。そのため、本発明の記録装置は、上述の記録ヘッドの有する効果を享受することができる。したがって、本発明の記録装置は、素子列の直線性を高め、画質を高めることができる。
本発明の記録ヘッドの製造方法は、ヘッド基板上に設けられ、主走査方向に前記ヘッド基板の一方の長辺に沿って配列されている複数の発熱素子と、該発熱素子の駆動に寄与する導体層とを有し、前記ヘッド基板および前記複数の発熱素子からなる素子列が、平面視して、前記一方の長辺に向けて湾曲しているヘッド基体を準備するヘッド基体準備工程と、前記ヘッド基板の他方の長辺側に設けられた前記導体層に電気的に接続される配線体と、前記配線体の支持母材と、前記配線体および前記支持母材を接着する接着層とを含んで構成されている配線部材を準備する配線部材準備工程と、前記ヘッド基板に前記配線部材を接着する配線部材接着工程とを含んでなり、前記配線部材準備工程において、前記ヘッド基板に比べて前記配線体の熱膨張係数が大きい配線体とガラス転移温度が異なる複数の接着剤を含んでおり、該複数の接着剤は、前記主走査方向に交わる副走査方向に並んで配置され、前記配線体の前記導体層に接続される側に設けられた前記接着剤が、他の前記接着剤に比べてガラス転移温度が高い前記接着層と、を備える配線部材を準備し、前記配線部材接着工程において、前記複数の接着剤のガラス転移温度より高い温度で、前記ヘッド基体および前記配線部材を固着する。そのため、本発明の記録ヘッドの製造方法では、配線体の導体層に接続される側に位置する配線体より熱膨張した状態で固着されることで生じる応力差によって、素子列の直線性を高めることができる。したがって、本発明の記録ヘッドの製造方法では、素子列に対する押圧力の均一性を高め、画質を高めることができる。また、本発明の記録ヘッドの製造方法では、湾曲したヘッド基板であっても良好に利用することができるので、生産性を高めることができる。
本発明の記録ヘッドの製造方法は、ヘッド基体準備工程において、複数のヘッド基板領域を有する素体を準備する素体準備工程と、素体のヘッド基板領域のそれぞれの上に複数の発熱素子および導体層を配列する素子配列工程と、該素子配列工程を経た素体をヘッド基板領域ごとに分割する分割工程とを経て前記ヘッド基体を製造する場合、発熱素子からなる素子列に湾曲が生じることがある。本発明の記録ヘッドの製造方法では、発熱素子からなる素子列が湾曲しているヘッド基板であっても素子列の直線性を高めることができるので、複数のヘッド基板を良好に生産できる。したがって、本発明の記録ヘッドの製造方法では、生産性をより高めることができる。
本発明の記録ヘッドの製造方法は、前記配線部材準備工程において、前記支持母材の前記接着層との接着面および該接着面と反対側の面の少なくとも一方の面に前記副走査方向に延びる窪み部を有する配線部材を準備する場合、窪み部により配線体からヘッド基板へ印加される応力を窪み部間の領域ごとに分けることができる。そのため、この記録ヘッドの製造方法では、ヘッド基板に過度な応力が印加されるのを低減することができる。
<記録ヘッド>
図1は、(a)が本発明に係る記録ヘッドの実施形態の一例であるサーマルヘッドXの概略構成を示す平面図あり、(b)がサーマルヘッドXの側面図である。
図2は、(a)が図1に示したサーマルヘッドXの要部を拡大した図であり、(b)が(a)に示したIIb−IIb線に沿った断面図である。
サーマルヘッドXは、ヘッド基体10と、駆動IC20と、配線部材30と、放熱体40とを含んで構成されている。
ヘッド基体10は、ヘッド基板11と、蓄熱層12と、電気抵抗層13と、導電層14と、保護層16とを含んで構成されている。
ヘッド基板11は、蓄熱層12と、電気抵抗層13と、導電層14と、接続層15と、保護層16と、駆動IC20とを支持する機能を有するものである。このヘッド基板11は、矢印D6方向視において矢印方向D1,D2に延びる矩形状に構成されている。ヘッド基板11を形成する材料としては、絶縁材料が挙げられ、例えばアルミナセラミックスなどのセラミックスと、エポキシ系樹脂やシリコン系樹脂などの樹脂材料と、シリコン材料と、ガラス材料とが挙げられる。本実施形態においてヘッド基板11は、アルミナセラミックスにより形成されており、その熱膨張係数は、約7.3×10−6[K−1]である。なお、本実施形態のヘッド基体10の熱膨張係数は、ヘッド基体11の熱膨張係数の影響により、このヘッド基体11の構成材料の熱膨張係数に略等しくなる。本実施形態のヘッド基板11は、配線部材30からの応力により矢印方向D1,D2における直線性が高められており、配線部材30からの応力が解放されると湾曲するものが採用されている。
蓄熱層12は、電気抵抗層13の後述する発熱素子Hにおいて発生する熱の一部を一時的に蓄積する機能を有するものである。すなわち、蓄熱層12は、発熱素子Hの温度を上昇させるのに要する時間を短くして、サーマルヘッドXの熱応答特性を高める役割を担うものである。この蓄熱層12は、ヘッド基板11の主面上に位置しており、矢印方向D1,D2に延びる帯状に構成されている。また、この蓄熱層12は、矢印方向D1,D2に直交する矢印方向D3,D4における断面形状が略半楕円状に構成されている。
電気抵抗層13は、導電層14と接続されている。この電気抵抗層13は、一部が蓄熱層12上に位置している。本実施形態では、導電層14から電圧が印加される電気抵抗層13のうち導電層14が形成されていない部位が発熱素子Hとして機能している。この電気抵抗層13を形成する材料としては、例えばTaN系材料と、TaSiO系材料と、TaSiNO系材料と、TiSiO系材料と、TiSiCO系材料と、NbSiO系材料とが挙げられる。
発熱素子Hは、導電層14からの電圧印加により発熱するものである。この発熱素子Hは、導電層14からの電圧印加による発熱温度が例えば200[℃]以上450[℃]以下の範囲となるように構成されている。この発熱素子Hは、蓄熱層12上に位置している。また、本実施形態の発熱素子Hは、配線部材30からの応力によって、当初の形状から湾曲し、矢印方向D1,D2に沿って配列された状態で保持されている。本実施形態では、この発熱素子Hの保持された状態での配列方向がサーマルヘッドXの主走査方向となる。
導電層14は、発熱素子Hに対して電圧を印加する機能を有するものである。この導電層14は、少なくとも一部が電気抵抗層13上に位置している。また、この導電層14は、第1導電層141と、第2導電層142とを含んで構成されている。導電層14を形成する材料としては、例えばアルミニウム、金、銀、銅のいずれか一種の金属、またはこれらの合金が挙げられる。
第1導電層141は、各々の一端が複数の発熱素子Hの一端部に接続されている。第1導電層141は、各々の他端部が駆動IC20に対して接続されている。この第1導電層141の一端は、発熱素子Hの矢印D3方向側に位置している。
第2導電層142は、その端が複数の発熱素子Hの他端部、及び図示しない電源に対して接続されている。この第2導電層142の一端は、発熱素子Hの矢印D4方向側に位置している。
接続層15は、第2導電層142および駆動IC20と、配線部材30とを電気的に接続する機能を有しており、発熱素子Hの駆動に寄与している。ここで、「発熱素子の駆動に寄与する」とは、発熱素子の駆動または駆動制御にともなって電流が流れることをいう。この接続層15は、その一端において駆動IC20に対して接続され、その他端において配線部材30に対して接続されている。この接続層15を形成する材料としては、例えばアルミニウム、金、銀、銅のいずれか一種の金属、またはこれらの合金が挙げられる。
保護層16は、発熱素子Hと、導電層14とを保護する機能を有するものである。この保護層16は、発熱素子Hと導電層14の一部とを覆っている。保護層16を形成する材料としては、例えばダイヤモンドライクカーボン系材料と、SiC系材料と、SiN系材料と、SiCN系材料と、SiAlON系材料と、SiO系材料と、TaO系材料とが挙げられる。ここで「ダイヤモンドライクカーボン系材料」とは、sp混成軌道をとる炭素原子(C原子)の割合が1[原子%]以上100[原子%]未満の範囲であるものをいう。なお、見やすさの観点から、図2(a)において省略している。
駆動IC20は、複数の発熱素子Hの電力供給状態を制御する機能を有するものである。この駆動IC20は、その接続端子が接続層15の一端部に導電性接続部材50を介して接続されている。このような構成とすることにより、接続層15を介して入力される電気信号に応じて発熱素子Hを選択的に発熱させることができる。
図3は、配線部材30の概略構成を表す分解斜視図である。
配線部材30は、接続層15に対して接続されるものである。この配線部材30は、外部から伝送される電気信号を駆動IC20および第2導電層142に伝達する機能を有している。この電気信号としては、発熱素子Hおよび駆動IC20の供給電力と、発熱素子Hの電力供給状態を選択的に制御するための画像情報などが挙げられる。本実施形態の配線部材30は、配線体31と、外部接続端子32と、支持板33と、接着層34とを含んで構成されている。
配線体31は、第1配線体311と、第2配線体312と、配線部313とを有している。この配線体31としては、例えば可撓性を有するものが採用されている。ここで、可撓性とは、JIS規格K7171に規定される曲げ弾性率が例えば2.5×10[N/mm]以上4.5×10[N/mm]以下であることをいう。
第1配線体311と第2配線体312とは、複数の配線部313を支持し、その電気的絶縁性を確保する機能を有している。この第1配線体311と第2配線体312とは、配線部313を狭持している。この第1配線体311と第2配線体312とを形成する材料としては、例えばポリイミド系樹脂と、エポキシ系樹脂と、アクリル系樹脂とを含む可撓性を有する樹脂材料が挙げられる。本実施形態において配線体31は、ポリイミド系樹脂により形成されており、その熱膨張係数は、約1.1×10−5[K−1]である。本実施形態における第1配線体311と第2配線体312との厚みとしては、例えば0.5[mm]以上2.0[mm]以下の範囲が挙げられる。
配線部313は、外部から伝送される電気信号を駆動IC20および第2導電層142に伝達する機能を主として担う部位である。この配線部313は、その一端部において第2導電層142の他部または接続層15の他端に導電性接続部材50を介して電気的に接続され、その他端部において外部接続端子32に対して電気的に接続されている。配線部313を形成する材料としては、金、銀、銅、アルミニウムのいずれか一種の金属またはその合金などが挙げられる。本実施形態において配線部132は、銅により形成されており、その熱膨張係数は、約1.7×10−5[K−1]である。
外部接続端子32は、外部から電気信号が入力される部位である。この外部接続端子32は、駆動IC20および第2導電層142に電気的に接続されている。なお、見やすさの観点から、図3において省略している。
支持板33は、配線体31を支持する機能を有するものである。この支持板33を形成する材料としては、例えばセラミックスと、樹脂と、セラミックスおよび樹脂の複合材とが挙げられる。ここで、セラミックスとしては、例えばアルミナセラミックスと、窒化アルミニウムセラミックスと、炭化珪素セラミックスと、窒化珪素セラミックスと、ガラスセラミックスと、ムライト質焼結体とが挙げられ、樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、およびポリエステル系樹脂などの熱硬化型、紫外線硬化型、または化学反応硬化型のものが挙げられる。本実施形態において支持板33は、ガラス繊維にエポキシ系樹脂を含有させたものにより形成されており、その熱膨張係数は、約1.7×10−5[K−1]である。
接着層34は、配線体31と、支持板33とを接着する機能を有している。この接着層34は、第1接着剤341と、第2接着剤342とを含んで構成されている。本実施形態における第1接着剤341および第2接着剤342の厚みとしては、例えば10[μm]以上35[μm]以下の範囲が挙げられる。第1接着剤341および第2接着剤342の厚みをこの範囲とすることで、第1接着剤341および第2接着剤342の熱膨張の影響を無視できる程度に低減することができる。
第1接着剤341および第2接着剤342は、支持板33の矢印方向D1,D2における両端に渡って延びている。この第1接着剤341は、第2接着剤342の矢印D3方向側に位置している。本実施形態の第1接着剤341と第2接着剤342とは、ガラス転移温度が異なっている。この第1接着剤341と第2接着剤342としては、例えば熱硬化型、紫外線硬化型、および化学反応硬化型の樹脂剤と、アクリル系接着剤とが挙げられる。また、この第1接着剤341と第2接着剤342との組み合わせとしては、接着力のバ
ラツキを低減するため、ガラス転移温度の異なる上述の樹脂剤のいずれか一種、またはアクリル系接着剤であるのが好ましい。本実施形態における第1接着剤341および第2接着剤342は、ガラス転移温度の異なる熱硬化型樹脂材により形成されており、一方のガラス転移温度は、70であり、他方のガラス転移温度は、約110である。第1接着剤341と第2接着剤342として、これらの熱硬化型接着剤を使用たことで、配線体31の矢印D3方向側と矢印D4方向側とでガラス転移温度の差である40に相当する応力差が生じ、この応力差により発熱素子Hからなる素子列の直線性が高められている。
放熱体40は、発熱素子Hを駆動することによって生じた熱を外部に伝達する機能を有するものである。また、本実施形態において放熱体40は、ヘッド基体10および配線部材30の支持母材として機能している。放熱体40を形成する材料としては、例えば銅およびアルミニウムを含む金属材料と、熱硬化型または紫外線硬化型の樹脂材料に熱伝導性の高い材料を混合させたものとが挙げられる。ここで「熱伝導性の高い材料」とは、ヘッド基板11を構成する材料よりも高い熱伝導率を有するものであって、金属材料やカーボンナノチューブなどが挙げられる。
導電性接続部材50は、導電層14の第2導電層142および接続層15と駆動IC20の接続端子とを、接続層15と配線部材30の配線部313とを、電気的に接続するとともに機械的に固着する機能を有するものである。導電性接続部材50としては、例えばハンダと、異方性導電材料とが挙げられる。
サーマルヘッドXは、ヘッド基板11と、ヘッド基板11上に矢印方向D1,D2に沿って配列されている発熱素子Hと、発熱素子Hの駆動に寄与する接続層15とを含んで構成されるヘッド基体10と、接続層15に接続されている配線体31と、配線体31を支持する支持板33と、配線体31と支持板33とを接着する接着層34とを含んで構成される配線部材30とを有しており、ヘッド基板11および複数の発熱素子Hからなる素子列が湾曲しているものの、配線部材30との接合によって、発熱素子Hからなる素子列の湾曲が、湾曲方向と逆方向に作用する応力により小さくなっている。すなわち、配線体31は、ヘッド基板11に比べて熱膨張係数が大きく、接着層34は、ガラス転移温度が異なる第1接着剤341と第2接着剤342とを含んでおり、第1接着剤341と第2接着剤342とは、各々が矢印方向D1,D2に伸ばして設けられているとともに、各々が矢印方向D1,D2に交わる矢印方向D3,D4に並べられており、かつ素子列の湾曲方向における内側に位置するもののガラス転移温度が最も高いので、ガラス転移温度の違いを利用して配線体31を熱膨張した状態で固定することができる。そのため、このサーマルヘッドXは、素子列の直線性をより良好に高めることができる。したがって、サーマルヘッドXは、素子列に対する押圧力の均一性を高め、画質を高めることができる。
<記録ヘッドの製造方法>
次に、本発明の記録ヘッドの製造方法を記録ヘッドの一例である上述のサーマルヘッドXを例に挙げて示す。
まず、素体準備工程を行う。具体的には、複数のヘッド基板領域を有するヘッド素体を準備する。
次に、蓄熱層形成工程を行う。具体的には、各ヘッド基板領域上に蓄熱層12を形成する。この形成方法としては、例えば印刷法および焼成法などの周知のものが挙げられる。
次に、素子配列工程を行う。具体的には、まず、各ヘッド基板領域上に形成された蓄熱層12上に抵抗体膜を成膜する。この成膜方法としては、例えばスパッタリング技術および蒸着技術を含む従来周知のものが挙げられる。次に、抵抗体膜を所定パターンにエッチングし、電気抵抗層13を形成する。このエッチング方法としては、例えばフォトレジスト技術およびウェットエッチング技術の組み合わせを含む従来周知のものが挙げられる。次に、電気抵抗層13を覆うように導電膜を成膜する。この成膜方法としては、例えばスパッタリング技術および蒸着技術を含む従来周知のものが挙げられる。次に、導電膜を所定パターンにエッチングし、導電層14および接続層15を形成するとともに、導電層14から電気抵抗層13の一部を露出させて発熱素子Hとして機能させる。このとき、複数の発熱素子Hからなる素子列を矢印方向D1,D2に沿って配列させる。このエッチング方法としては、例えばフォトレジスト技術およびウェットエッチング技術の組み合わせを含む従来周知のものが挙げられる。
次に、保護層16形成工程を行う。具体的には、発熱素子Hと導電層14の一部とを覆うように保護層16を形成する。
次に、素体分割工程を行う。具体的には、ヘッド素体をヘッド基板領域ごとに分割し、複数のヘッド基板20を得る。このとき、各ヘッド基板11は、ヘッド素体内に蓄積された収縮応力が解放されることにより湾曲する。
次に、配線部材準備工程を行う。具体的には、まず、第1配線体311と、第2配線体312と、配線部313とを含んで構成される配線体31を準備する。次に、支持板33を準備する。次に、支持板33の上面に第1接着剤341と第2接着剤342とを塗布する。このとき、第1接着剤341および第2接着剤342が矢印方向D1,D2における両端に渡って設けるとともに、第1接着剤341を第2接着剤342の矢印D3方向側に配置する。さらに、発熱素子Hの素子列の湾曲方向における最も内側に位置する第1接着剤341または第2接着剤342のガラス転移温度が他の接着剤よりも高くなるように、第1接着剤341および第2接着剤342の材料を選択する。ここで、「湾曲方向における最も内側」とは、矢印D6方向視において湾曲の外側から内側に向かう方向において最も外側に位置することをいう。この配置としては、例えば矢印D6方向視において矢印方向D1,D2におけるヘッド基板11の中央が両端に比べて矢印D3方向に突出している場合、第1接着剤341の材料として第2接着剤342に比べてガラス転移温度の低いものを用い、例えば矢印D6方向視において矢印方向D1,D2におけるヘッド基板11の中央が両端に比べて矢印D4方向に突出している場合、第1接着剤341の材料として第2接着剤342に比べてガラス転移温度の高いものを用いる。そして、配線体31と支持板33とを固着する。
次に、配線部材接着工程を行う。具体的には、まず、ヘッド基体10の接続層15上に導電性接続部材50となるハンダペーストを塗布する。次に、接続層15と配線部313とをハンダペーストを介して対向させる。このとき、上述したように、例えばヘッド基体10として、矢印D6方向視において矢印方向D1,D2におけるヘッド基板11の中央が両端に比べて矢印D3方向に突出しているものを用いる場合、配線部材30の第1接着剤341の材料として第2接着剤342に比べてガラス転移温度の低いものを用い、また、ヘッド基体10として、矢印D6方向視において矢印方向D1,D2におけるヘッド基板11の中央が両端に比べて矢印D4方向に突出しているものを用いる場合、配線部材30の第1接着剤341の材料として第2接着剤342に比べてガラス転移温度の高いものを用いる。そして、接続層15と配線部材30とを熱溶融したハンダにより固着する。このとき、配線部313を介して熱が伝達され、第1接着剤341および第2接着剤342が各々のガラス転移温度以上に加熱される。次に、固着されたヘッド基体10および配線部材30を冷やす。このとき、第1接着剤341および第2接着剤342のうち、ガラス転移温度の高い一方が先に硬化して該一方側に位置する配線体31が熱膨張した状態で固定される。その後に冷却が進み、ガラス転移温度の低い他方が後から硬化して該他方側に位置する配線体31が一方側に位置する配線体31に比べて収縮した状態で硬化される。そのため、配線体31の一方側と他方側との間に応力が生じ、この応力が導電性接続部材50を介してヘッド基板11に作用し、ヘッド基板11の湾曲が矯正される。このようにして、複数の発熱素子Hからなる素子列の直線性が高められる。このとき、複数の発熱素子Hからなる素子列の中心線の矢印方向D3,D4方向におけるズレが±80[μm]以下の範囲となるようにする。また、複数の発熱素子Hからなる素子列の変化量としては、例えば50[μm]以上100[μm]以下の範囲が挙げられる。素子列の変化量を50[μm]以上とすることにより素子列の湾曲を十分に矯正することができ、100[μm]以下とすることによりヘッド基板11に割れが生じるのを低減することができる。
次に、駆動IC搭載工程を行う。具体的には、まず、第2導電層142と接続層15上に導電性接続部材50となるハンダペーストを塗布する。次に、第2導電層142および接続層15のそれぞれにハンダペーストを介して接続端子を対向させる。次に、ハンダペーストを熱溶融させ、第2導電層142および接続層15と、接続端子とを接続する。
次に、放熱体配置工程を行う。具体的には、ヘッド基体10および配線部材30を放熱体40上に載置する。
以上のようにして、サーマルヘッドXが形成される。
サーマルヘッドXの製造方法は、矢印方向D1,D2に沿って配列されている複数の発熱素子Hと、該発熱素子Hの駆動に寄与する接続層15とをし、ヘッド基板11および複数の発熱素子Hからなる素子列が湾曲しているヘッド基板11を準備するヘッド基体準備工程と、接続層15に電気的に接続する配線体31と、配線体31の支持板33と、配線体31および支持板33を接着する接着層34とを含んで構成されている配線部材30を準備する配線部材準備工程とヘッド基板11に配線部材30を接着する配線部材接着工程とを含んでなり、配線部材準備工程において、ヘッド基板11に比べて配線体31の熱膨張係数が大きく、第1接着剤341と第2接着剤342との各々が矢印方向D3,D4に並べられるとともに、素子列の湾曲方向における内側に位置する接着剤のガラス転移温度が最も高い配線部材を準備し、配線部材接着工程において、複数の接着剤のガラス転移温度より高い温度で、ヘッド基板11および配線部材30を固着する。そのため、サーマルヘッドXの製造方法では、湾曲方向における内側に位置する配線体31が湾曲方向における外側に位置する配線体31より熱膨張した状態で固着されることで生じる応力差によって、素子列の直線性を高めることができる。したがって、サーマルヘッドXの製造方法では、素子列に対する押圧力の均一性を高め、画質を高めることができる。また、サーマルヘッドXの製造方法では、湾曲したヘッド基板11であっても良好に利用することができるので、生産性を高めることができる。
サーマルヘッドXの製造方法は、ヘッド基体準備工程において、複数のヘッド基板領域を有する素体を準備する素体準備工程と、素体のヘッド基板領域のそれぞれの上に複数の発熱素子Hを配列する素子配列工程と、該素子配列工程を経た素体をヘッド基板領域ごとに分割する素体分割工程とを経てヘッド基板11を製造するので、発熱素子Hからなる素子列に湾曲が生じることがある。サーマルヘッドXの製造方法では、発熱素子Hからなる素子列が湾曲しているヘッド基板11であっても素子列の直線性を高めることができるので、複数のヘッド基板11を良好に生産できる。したがって、サーマルヘッドXの製造方法では、生産性をより高めることができる。
<記録装置>
図5は、本発明の記録媒体の実施形態の一例であるサーマルプリンタYの概略構成を示す図である。
サーマルプリンタYは、サーマルヘッドXと、搬送機構60と、制御機構70とを有している。
搬送機構60は、記録媒体Pを矢印D3方向に搬送しつつ、該記録媒体PをサーマルヘッドXの発熱素子Hに接触させる機能を有するものである。この搬送機構60は、プラテンローラ61と、搬送ローラ62,63,64,65とを含んで構成されている。
プラテンローラ61は、記録媒体Pを発熱素子Hに押し付ける機能を有するものである。このプラテンローラ61は、発熱素子H上に位置する保護層16に接触した状態で回転可能に支持されている。このプラテンローラ61は、円柱状の基体の外表面を弾性部材により被覆した構成を有している。この基体は、例えばステンレスなどの金属により形成されており、この弾性部材は、例えば厚みの寸法が3[mm]以上15[mm]以下の範囲ブタジエンゴムにより形成されている。
搬送ローラ62,63,64,65は、記録媒体Pを搬送する機能を有するものである。すなわち、搬送ローラ62,63,64,65は、サーマルヘッドXの発熱素子Hとプラテンローラ61との間に記録媒体Pを供給するとともに、サーマルヘッドXの発熱素子Hとプラテンローラ61との間から記録媒体Pを引き抜く役割を担うものである。これらの搬送ローラ62,63,64,65は、例えば金属製の円柱状部材により形成してもよいし、例えばプラテンローラ61と同様に円柱状の基体の外表面を弾性部材により被覆した構成であってもよい。
制御機構70は、駆動IC20に画像情報を供給する機能を有するものである。つまり、制御機構70は、外部接続用部材61を介して発熱素子Hを選択的に駆動する画像情報を駆動IC20に供給する役割を担うものである。
サーマルプリンタYは、サーマルヘッドXと、記録媒体Pを搬送する搬送機構60とを備える。そのため、サーマルプリンタYは、サーマルヘッドXの有する効果を享受することができる。したがって、サーマルプリンタYは、素子列の直線性を高め、画質を高めることができる。
以上、本発明の具体的な実施形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
サーマルヘッドXの製造方法では、支持板33の主面が略平坦であるが、このような構成に限るものではない。例えば支持板33として矢印方向D3,D4に延びる窪み部を有するものを採用してもよく、この場合、窪み部により配線体31からヘッド基板11へ印加される応力を窪み部間の領域ごとに分けることができる。そのため、このサーマルヘッドXの製造方法では、ヘッド基板11に過度な応力が印加されるのを低減することができる。
(a)が本発明の記録ヘッドの実施形態の一例であるサーマルヘッドの概略構成を示す平面図、(b)が本発明の記録ヘッドの実施形態の一例であるサーマルヘッドの概略構成を示す側面図である。 (a)が図1に示したサーマルヘッドの要部を拡大した俯瞰図、(b)が(a)のIIb−IIb線断面図である。 図1に示した配線部材の分解斜視図である。 本発明の記録装置の実施形態の一例であるサーマルプリンタの概略構成を示す図である。
符号の説明
X サーマルヘッド
Y サーマルプリンタ
10 ヘッド基体
11 ヘッド基板
12 蓄熱層
13 電気抵抗層
14 導電層
141 第1導電層
142 第2導電層
15 接続層(導体層)
16 第1保護層
20 駆動IC
30 配線部材
31 配線体
311 第1配線体
312 第2配線体
313 配線部
32 外部接続端子
33 支持板(支持母材)
34 接着層
341 第1接着剤
342 第2接着剤
40 放熱体
41 粘着部材
50 導電性接続部材
60 搬送機構
61 プラテンローラ
62,63,64,65 搬送ローラ
70 制御機構
P 記録媒体
H 発熱素子

Claims (6)

  1. ヘッド基板と、該ヘッド基板上に主走査方向に沿って配列されている発熱素子と、該発熱素子の駆動に寄与する導体層とを含んで構成されるヘッド基体と、
    前記導体層に接続されており、前記ヘッド基板よりも熱膨張係数の大きい配線体と、該配線体を支持する支持母材と、前記配線体と前記支持母材とを接着する接着層とを含んで構成される配線部材とを有しており、
    前記接着層は、ガラス転移温度が異なる複数の接着剤を含んでおり、
    該複数の接着剤は、前記主走査方向に交わる副走査方向に並んで配置されており、
    前記配線体の前記導体層に接続される側に設けられた前記接着剤は、他の前記接着剤に比べてガラス転移温度が高いことを特徴とする記録ヘッド。
  2. 前記配線部材は、前記支持母材の前記接着層との接着面および該接着面と反対側に位置する面の少なくとも一方の面に、前記副走査方向に延びる窪み部を有することを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 請求項1または2に記載の記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送機構とを備える記録装置。
  4. ヘッド基板上に設けられ、主走査方向に前記ヘッド基板の一方の長辺に沿って配列されている複数の発熱素子と、
    該発熱素子の駆動に寄与する導体層とを有し、
    前記ヘッド基板および前記複数の発熱素子からなる素子列が、平面視して、前記一方の長辺に向けて湾曲しているヘッド基体を準備するヘッド基体準備工程と、
    前記ヘッド基板の他方の長辺側に設けられた前記導体層に電気的に接続される配線体と、前記配線体の支持母材と、前記配線体および前記支持母材を接着する接着層とを含んで構成されている配線部材を準備する配線部材準備工程と、
    前記ヘッド基板に前記配線部材を接着する配線部材接着工程とを含んでなり、
    前記配線部材準備工程において、
    前記ヘッド基板に比べて前記配線体の熱膨張係数が大きい配線体と
    ガラス転移温度が異なる複数の接着剤を含んでおり、該複数の接着剤は、前記主走査方向に交わる副走査方向に並んで配置され、前記配線体の前記導体層に接続される側に設けられた前記接着剤が、他の前記接着剤に比べてガラス転移温度が高い前記接着層と、を備える配線部材を準備し、
    前記配線部材接着工程において、前記複数の接着剤のガラス転移温度より高い温度で、
    前記ヘッド基体および前記配線部材を固着することを特徴とする記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記ヘッド基体準備工程において、複数のヘッド基板領域を有する素体を準備する素体準備工程と、
    前記素体の前記ヘッド基板領域のそれぞれの上に複数の発熱素子および導体層を配列する素子配列工程と、
    該素子配列工程を経た前記素体を前記ヘッド基板領域ごとに分割する分割工程とを経て前記ヘッド基体を製造することを特徴とする請求項4に記載の記録ヘッドの製造方法。
  6. 前記配線部材準備工程において、前記支持母材の前記接着層との接着面および該接着面と反対側の面の少なくとも一方の面に前記副走査方向に延びる窪み部を有する配線部材を準備することを特徴とする請求項4または5に記載の記録ヘッドの製造方法。
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