JPH1148513A - サーマルプリントヘッド - Google Patents

サーマルプリントヘッド

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JPH1148513A
JPH1148513A JP21091697A JP21091697A JPH1148513A JP H1148513 A JPH1148513 A JP H1148513A JP 21091697 A JP21091697 A JP 21091697A JP 21091697 A JP21091697 A JP 21091697A JP H1148513 A JPH1148513 A JP H1148513A
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driver
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JP21091697A
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Fumiko Tsuda
文子 津田
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体の膨張率と回路基板の膨張率との差に起
因して生じる応力を緩和するとともに、ドライバIC等
の半導体素子および接続線を機械的強度を保つように保
護することができ、品位の高い画像の印刷と優れた耐久
性とを実現したサーマルプリントヘッドを提供するこ
と。 【解決手段】 ドライバICおよび接続線の機械的強度
を保つよう該ドライバICおよび接続線を封止し、かつ
基体と回路基板とが向かい合う面に関する応力を緩和す
る部材を備えたサーマルプリントヘッドによる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルプリント
ヘッドに係わり、特に、基体の膨張率と回路基板の膨張
率との差に起因して生じる応力を緩和し、回路基板に配
設されたドライバICおよび基体とドライバICとを接
続する接続線を機械的に十分な強度を保つように封止し
たサーマルプリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、サーマルプリントヘッドは、熱
伝導性に優れた金属、例えば、アルミニウム等からなる
放熱板上に、発熱抵抗体を設けた基体と該発熱抵抗体を
発熱させるための回路基板とを接合しつつ接着し、基体
あるいは回路基板上に発熱抵抗体を駆動する駆動素子
(ドライバIC)を配置した構成となっている。また、
基体と回路基板とは半導体素子を介して電気的に接続さ
れ、半導体素子および電気的な接続部は樹脂により封止
されて外力より保護されている。
【0003】すなわち、図1に示したように、アルミニ
ウムからなる放熱板1上に両面接着テープ2が貼られて
おり、該両面接着テープ2上には、主走査方向に沿って
配置された発熱抵抗体3を有するセラミック基板4とガ
ラスエポキシ製の回路基板5とが近接して配置されてい
る。また、セラミック基板4または該回路基板5上には
ドライバIC6が配置されている。さらに、図2に示し
たように、セラミック基板4の主面側には、発熱抵抗体
3に給電するための個別電極7、共通電極8が形成さ
れ、回路基板5の主面側には、信号線9が形成されてい
る。また、ドライバIC6は、ボンディングワイヤ10
a、10bによりセラミック基板4および回路基板5と
電気的に接続されている。そして、図3にも示したよう
に、熱硬化型樹脂11によりドライバIC6およびボン
ディングワイヤ10a、10bが封止されている。そし
て、記録時には、プラテンローラ12によって発熱抵抗
体3に記録媒体13が供給され、発熱抵抗体3の発熱に
よって記録媒体上に記録がなされるようになっている。
【0004】なお、図2は、図1において、熱硬化型樹
脂11による封止がなされる以前のサーマルプリントヘ
ッドをセラミック基板4および回路基板5の主面側より
概観した図であり、図3は、図2において、熱硬化型樹
脂11による封止を実施した後のサーマルプリントヘッ
ドを概観した図である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、熱硬化型樹
脂11は、ドライバIC6およびボンディングワイヤ1
0a、10bを外力より保護するために、外力により歪
みが生じないよう適当な硬度を有している。上述したよ
うに、熱硬化型樹脂11は、セラミック基板4および回
路基板5にまたがるように配置されて硬化されるが、セ
ラミック基板4および回路基板5の膨張率は互いに大き
く異なるために、熱硬化型樹脂11が熱硬化する際の温
度領域において、セラミック基板4より大きな熱膨張率
を有する回路基板5がセラミック基板4より伸張する。
したがって、回路基板5がセラミック基板4より伸張し
たまま熱硬化型樹脂11は硬化することになる。こうし
て、回路基板5がセラミック基板4より伸張したまま熱
硬化型樹脂11が硬化すると、セラミック基板4の膨張
率と回路基板5の膨張率との差により、熱硬化型樹脂1
1の硬化する温度より低い温度領域においては、両基板
の収縮に差が生じる。しかしながら、該収縮差は熱硬化
型樹脂11によって緩和されないため、セラミック基板
4および回路基板5は、放熱板1上の両面接着テープ2
が貼られた面に沿って湾曲し、セラミック基板4に形成
された発熱抵抗体3も湾曲する。
【0006】このようにして発熱抵抗体3が湾曲する
と、サーマルプリントヘッドによる印刷に際し、発熱抵
抗体3の湾曲に対応して湾曲した画像が形成されるた
め、品位の高い画像を印刷することが困難となるという
問題があった。
【0007】また、発熱抵抗体3により記録媒体13に
対して正確な印刷を実行するためには、発熱抵抗体3に
対して、ある位置精度をもって該発熱抵抗体3に記録媒
体13を搬送するプラテンローラ12を配置する必要が
ある。しかしながら、セラミック基板4の湾曲に追従し
て発熱抵抗体3が湾曲すると、発熱抵抗体3に対するプ
ラテンローラ12の位置精度が、サーマルプリントヘッ
ドにより正確な印刷を実行できる範囲を越えてしまうた
めに、品位の高い画像を印刷することが困難となるとい
う問題があった。
【0008】さらに、セラミック基板4の膨張率と回路
基板5の膨張率との差により生じる両基板の収縮差を緩
和するために、封止部材としてシリコーン樹脂を用いた
場合には、両基板の収縮差は緩和されるものの、シリコ
ーン樹脂は外力によって容易に変形するために、ドライ
バIC6およびボンディングワイヤ10a、10bの機
械的強度を保つことが困難であるため、該封止部材を保
護する保護カバーが別途必要となるという問題があっ
た。
【0009】本発明は、上記従来例に鑑みてなされたも
ので、基体の膨張率と回路基板の膨張率との差に起因し
て生じる応力を緩和するとともに、ドライバIC等の駆
動素子および接続線を機械的強度を保つように保護する
ことができ、品位の高い画像の印刷と優れた耐久性とを
実現したサーマルプリントヘッドを提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るサーマルプ
リントヘッドは、発熱抵抗体を備えた基体と、前記基体
に近接して配置された回路基板と、前記基体または前記
回路基板に配設され、前記発熱抵抗体の駆動を制御する
ドライバICと、前記ドライバICを前記基体と前記回
路基板とに接続した接続線と、前記ドライバICおよび
前記接続線を封止し、60℃〜 100℃の範囲にガラス転移
点を有した部材とを具備したことを特徴としている。
【0011】本発明に係るサーマルプリントヘッドによ
れば、ドライバICおよび接続線を60℃〜 100℃の範囲
にガラス転移点を有した部材で封止したことにより、基
体と回路基板とが互いに向かい合う面に関する応力を緩
和し、かつドライバICおよび接続線の機械的強度を保
つことができるので、サーマルプリントヘッドの駆動時
における基体および回路基板の変形の防止と、封止され
たドライバICおよび接続線の保護とを実現できる。し
たがって、品位の高い画像の形成と優れた耐久性とを両
立することが可能となる。
【0012】また、本発明に係るサーマルプリントヘッ
ドは、発熱抵抗体を備えた基体と、前記基体に近接して
配置された回路基板と、前記基体または前記回路基板に
配設され、前記発熱抵抗体の駆動を制御するドライバI
Cと、前記ドライバICを前記基体に接続した接続線
と、前記ドライバICおよび前記接続線の機械的強度を
保つよう該ドライバICおよび接続線を封止し、かつ前
記基体と前記回路基板とが向かい合う面に関する応力を
緩和する部材とを具備したことを特徴としている。 本
発明に係るサーマルプリントヘッドによれば、ドライバ
ICおよび接続線の機械的強度を保つとともに、基体と
回路基板とが向かい合う面に関する応力を緩和する部材
を用いてドライバICおよび接続線を封止したことによ
り、サーマルプリントヘッドの駆動時における基体およ
び回路基板の変形の防止と、封止されたドライバICお
よび接続線の保護とを実現できるので、品位の高い画像
の形成と優れた耐久性とを両立することが可能となる。
【0013】通常、サーマルプリントヘッドにおいて
は、基体および回路基板は放熱板上で近接するように配
置されており、ボンディングワイヤ等の接続線により基
体および回路基板に電気的に接続されたドライバIC等
の駆動素子は、接続線とともに、基体と回路基板とにま
たがって備えられた樹脂等の部材によって封止され保護
されている。また、基体上の回路基板から遠位となる領
域には、通常、発熱抵抗体が形成されている。上記部材
を構成する樹脂としては、比較的容易に製造可能である
ことから熱硬化型樹脂が最も適用されやすい。このと
き、発熱抵抗体を備えた基体の膨張率と回路基板の膨張
率とが異なる場合には、熱硬化型樹脂の硬化時に、基体
および回路基板のうち膨張率が大きい方がより大きく伸
張し、この状態で熱硬化型樹脂が硬化されることにな
る。こうして、熱硬化型樹脂を硬化した後、基体と回路
基板とを熱硬化型樹脂の硬化温度より低い温度、例えば
常温に戻すと、硬化した樹脂は高い接着力を有するだけ
でなく、該樹脂は基体の膨張率と回路基板の膨張率との
差により、基体と回路基板とが互いに向かい合う面に関
する応力を緩和できないことから、基体および回路基板
が湾曲する。
【0014】ところで、基体と回路基板とが向かい合う
面に関する応力の大きさは、基体および回路基板の長
さ、幅、厚み、基体の膨張率と回路基板の膨張率との
差、基体および回路基板と放熱板との間に設けられた接
着媒体、基体および回路基板と放熱板との接着面積、樹
脂等の封止部材の使用量、塗布面積、硬化後の接着力や
応力および硬化条件等に依存している。しかしながら、
上記項目の中で、硬化後の樹脂の応力のみに着目し該応
力を小さくすることにより、基体と回路基板とが向かい
合う面に関する応力を緩和し、基体および回路基板の湾
曲を防止することができる。すなわち、上記部材となる
樹脂のガラス転移点を低く設定すれば、ガラス転移点以
上の温度領域では勿論のこと、樹脂が硬化した後の環
境、例えば、サーマルプリントヘッドを使用する環境に
おいても、基体と回路基板とが向かい合う面に関する応
力を緩和し、基体の膨張率と回路基板の膨張率との差に
起因して生じる基体および回路基板の湾曲等の変形を防
止することができる。また、ドライバICおよび接続線
の機械的強度を保つよう該ドライバICおよび接続線を
封止できるので、ドライバICおよびボンディングワイ
ヤの破損を防止することができる。なお、基体と回路基
板とが向かい合う面とは、基体と回路基板とを2つの異
なる領域に配置するようにサーマルプリントヘッドの内
部に想定された任意の面のことであり、該面に関する応
力としては法線応力や接線応力等を挙げることができ
る。また、基体と回路基板とが向かい合う面に関する応
力は、基体および回路基板の変形が防止される程度に緩
和されればよい。
【0015】本発明において、部材は、60℃〜 100℃の
範囲にガラス転移点を有する物質あるいは基体と回路基
板とが向かい合う面に関する応力を緩和し、ドライバI
Cおよび接続線の機械的強度を保つよう該ドライバIC
および接続線を封止できる物質であれば特に限定される
ものではない。しかしながら、上述したように、比較的
容易に製造可能であることから該部材として熱硬化型樹
脂を適用することが望ましい。熱硬化型樹脂からなる部
材を用いた場合には、熱硬化型樹脂がガラス転移点以下
の温度に到達すると硬度を増し、基体と回路基板とが向
かい合う面に関する応力を緩和する機能が低下すること
から、熱硬化型樹脂のガラス転移点は低い方が望まし
い。一方、熱硬化型樹脂の温度がガラス転移点またはガ
ラス転移点を越えたある温度より上回ると、熱硬化型樹
脂の硬度が低下するので、熱硬化型樹脂によりドライバ
ICおよび接続線の機械的強度を保つことが困難となる
ことから、サーマルプリントヘッドの使用環境におい
て、熱硬化型樹脂の温度がガラス転移点またはガラス転
移点を越えたある温度を越えないようにすることが望ま
しい。ここで、熱硬化型樹脂の温度がガラス転移点また
はガラス転移点を越えたある温度を越えないようにする
ことが望ましいとしたのは、熱硬化型樹脂によってガラ
ス転移点が異なるのは勿論、融点等の他の物性も当然異
なっているため、熱硬化型樹脂の温度がガラス転移点を
越えた場合に、熱硬化型樹脂の種類によってはドライバ
ICおよび接続線の機械的強度を保つことが可能である
からである。また、ドライバICおよび接続線の機械的
強度を保つために、熱硬化型樹脂をガラス転移点を越え
たどの温度まで用いることができるかは、熱硬化型樹脂
の物性により決定される。サーマルプリントヘッドは、
発熱抵抗体を発熱させて記録媒体に印刷を行うものであ
るから駆動に際してその温度が上昇する。一般に、サー
マルプリントヘッドの駆動時における温度保証条件は60
℃程度であるので、熱硬化型樹脂のガラス転移点は60℃
以上に設定すればよい。また、上述したように、熱硬化
型樹脂のガラス転移点は低い方が望ましいが、熱硬化型
樹脂のガラス転移点を 100℃までに設定すれば、サーマ
ルプリントヘッドの使用環境において、基体と回路基板
とが向かい合う面に関する応力を緩和する機能を維持す
ることができる。なお、熱硬化型樹脂のガラス転移点
を、60℃〜 100℃の範囲に設定した理由は、一般的なサ
ーマルプリントヘッドの駆動条件に鑑みて設定したから
にほかならず、熱硬化型樹脂のガラス転移点は、サーマ
ルプリントヘッドの種類や使用環境に応じて適宜設定す
ることができる。上述したように、本発明において、部
材としては、ドライバIC等の駆動素子、ボンディング
ワイヤ等の接続線、基体および回路基板に形成された配
線等に影響を与えないものであれば、特に制限されない
が、熱硬化型樹脂を好適に用いることができ、熱硬化型
樹脂の中でもエポキシ樹脂は、基体および回路基板に対
して強固な接着力を発揮し、かつその表面において粘着
性を発揮しないので特に好ましい。
【0016】また、本発明においては、発熱抵抗体を駆
動する際に生じる熱を放熱するために、基体と回路基板
とを放熱板に保持させることができる。このとき、該放
熱板としては、熱伝導性に優れ、かつ基体と回路基板と
を保持できるものであれば、材質および形状は特に制限
されないが、アルミニウムあるいはアルミニウム合金等
を採用すると好ましい。放熱板は、通常、基体および回
路基板の間に形成された接着層により基体および回路基
板を保持するが、接着層は放熱板、基体および回路基板
に対して充分な接着力を発揮するものであればよい。ま
た、通常、発熱抵抗体が形成される基体は、セラミック
基板、鉄一クロム合金等の金属基板にポリイミド等の耐
熱性樹脂を塗布した基板、ガラス基板あるいはほうろう
基板等を好適に用いることができる。さらに、回路基板
は、エポキシ樹脂あるいはフェノール樹脂をガラス繊維
に含浸して硬化させた積層板、セラミック基板、ポリイ
ミド等のフィルム等を用い、これに回路を形成した基板
として得ることができるが、比較的製造が容易であるこ
とから、エポキシ樹脂等をガラス繊維に含浸して硬化さ
せた積層板を用いるとよい。
【0017】なお、本発明の部材によれば、接続線の機
械的強度を保つのは勿論のこと、該接続線の耐湿性、耐
久性、耐環境性および耐溶剤性をも保証することがで
き、例えば、繰り返し温度変化が加わったり、振動およ
び衝撃等が加わった場合にも接続線を十分保護すること
ができるのはいうまでもない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るサーマルプリ
ントヘッドの実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0019】本実施形態において、サーマルプリントヘ
ッドは、図1に示した構成からなっている。すなわち、
アルミニウムからなる放熱板1上には、レーヨン不織物
にアクリル系接着剤を塗布した厚さ 150μmの両面接着
テープ2が貼られており、該両面接着テープ2上に、発
熱抵抗体3を有するセラミック基板4とガラスエポキシ
製の回路基板5とが配置されている。また、ドライバI
C6が該回路基板5上に配置されている。さらに、図4
に示したように、セラミック基板4の主面側には、発熱
抵抗体3に給電するための個別電極7、共通電極8が形
成され、回路基板5の主面側には、信号線9が形成され
ている。ドライバIC6は、ボンディングワイヤ10
a、10bによりセラミック基板4および回路基板5と
電気的に接続されている。そして、ドライバIC6およ
びボンディングワイヤ10a、10bは、ガラス転移点
が65℃のエポキシ樹脂からなる部材14により封止され
ている。部材14を硬化するにあたっては、90℃で10時
間に渡る処理が施された。また、サーマルプリントヘッ
ドは、Β4サイズの記録媒体に印刷できる長さとされ、
発熱抵抗体3のパターンの主走査方向での長さは 256m
mであり、発熱抵抗体3のパターンは部材14の硬化前
において直線であった。なお、ドライバIC6はセラミ
ック基板1上に配置される場合の他、回路基板5上に配
置される場合があり、また、ドライバIC6に対するワ
イヤボンディングはセラミック基板1および回路基板5
の双方になされる場合と、セラミック基板1のみになさ
れる場合がある。本実施の形態においては、ドライバI
C6が回路基板5上に配置され、ドライバIC6からの
ワイヤボンディングはセラミック基板1および回路基板
5の双方になされる構成となっている。
【0020】また、比較のために、図5に示すように、
ガラス転移点が 138℃である部材14を備えた以外は、
本実施の形態と同じ構成を備えたサーマルプリントヘッ
ドを準備した。なお、図5においては、セラミック基板
4および回路基板5の湾曲を示すために、部材14を透
過するように図示している。
【0021】そして、双方の部材14により、セラミッ
ク基板4と回路基板5とが向かい合う面に関する応力が
どの程度緩和されたかを確認するために、図6に示した
ように、発熱抵抗体3のパターンの主走査方向をX軸、
副走査方向をX軸と直交するY軸とし、発熱抵抗体3の
パターン中、最も端部に位置する2つの発熱抵抗体の位
置をY=0とした時に、発熱抵抗体3のパターンの最も
中央に位置する発熱抵抗体について、その位置の変化量
(y)をそれぞれ常温にて測定した。なお、測定は、そ
れぞれ5つのサンプルを用いて行われた。その結果を表
1に示す。
【0022】
【表1】 表1から明らかなように、本実施の形態におけるサーマ
ルプリントヘッドは、比較のために準備した従来のサー
マルプリントヘッドと比較して、発熱抵抗体3のパター
ンの、最も中央に位置した発熱抵抗体の変化量が著しく
減少していることが分かる。これは、本実施の形態にお
いて、セラミック基板4および回路基板5の変形が大き
く抑制されていることを示しており、セラミック基板4
と回路基板5とが向かい合う面に関する応力が大きく緩
和されたことを示している。
【0023】次に、上記各サーマルプリントヘッドに対
して実機走行試験を行い、 10000枚の転写媒体(A4版
の普通紙)に連続して形成させた画像の品位およびサー
マルプリントヘッドの耐久性を確認した。なお、各サー
マルプリントヘッドには、パルス幅 0.4ms、繰り返し周
期 2.6msとして、連続的に0.30W/ dotの電力のパルス印
加が行われた。その結果、本実施の形態に係るサーマル
プリントヘッドにおいては、比較のために準備したサー
マルプリントヘッドに認められた画像の歪み等を確認す
ることはできず、高い品位の画像を得ることができた。
また、実機走行試験後において、双方のサーマルプリン
トヘッドに部材14の機械的な破損を確認することはで
きず、本実施の形態に係るサーマルプリントヘッドは、
比較のために準備されたサーマルプリントヘッドと同等
の耐久性を発揮した。
【0024】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によるサ
ーマルプリントヘッドによれば、ドライバICおよび接
続線を60℃〜 100℃の範囲にガラス転移点を有した部材
で封止したことにより、基体と回路基板とが互いに向か
い合う面に関する応力を緩和し、かつドライバICおよ
び接続線の機械的強度を保つことができるので、基体お
よび回路基板の変形の防止と、封止されたドライバIC
および接続線の保護とを実現し、品位の高い画像の形成
と優れた耐久性とを両立したサーマルプリントヘッドを
提供することができる。
【0025】また、本発明によるサーマルプリントヘッ
ドによれば、ドライバICおよび接続線の機械的強度を
保つとともに、基体と回路基板とが向かい合う面に関す
る応力を緩和する部材を用いてドライバICおよび接続
線を封止したことにより、基体および回路基板の変形の
防止と、封止されたドライバICおよび接続線の保護と
を実現できるので、品位の高い画像の形成と優れた耐久
性とを両立したサーマルプリントヘッドを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なサーマルプリントヘッドの構成を示し
た図である。
【図2】図1において、熱硬化型樹脂11による封止が
なされる以前のサーマルプリントヘッドをセラミック基
板4および回路基板5の主面側より概観した図である。
【図3】図2において、熱硬化型樹脂11による封止を
実施した後のサーマルプリントヘッドを概観した図であ
る。
【図4】本実施の形態に係るサーマルプリントヘッド
を、セラミック基板4および回路基板5の主面側より概
観した図である。
【図5】比較のために準備したサーマルプリントヘッド
を、セラミック基板4および回路基板5の主面側より概
観した図である。
【図6】セラミック基板4と回路基板5とが向かい合う
面に関する応力がどの程度緩和されたかを確認する際の
基準を示した図である。
【符号の説明】
1……放熱板 2……両面接着テープ 3……発熱
抵抗体 4……セラミック基板 5……回路基板 6……ド
ライバIC 7……個別電極 8……共通電極 9……信号線 10a、10b……ボンディングワイヤ 11……熱
硬化型樹脂 12……プラテンローラ 13……記録媒体 14
……部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱抵抗体を備えた基体と、 前記基体に近接して配置された回路基板と、 前記基体または前記回路基板に配設され、前記発熱抵抗
    体の駆動を制御するドライバICと、 前記ドライバICを前記基体に接続した接続線と、 前記ドライバICおよび前記接続線を封止し、60℃〜 1
    00℃の範囲にガラス転移点を有した部材と、 を具備したことを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 発熱抵抗体を備えた基体と、 前記基体に近接して配置された回路基板と、 前記基体または前記回路基板に配設され、前記発熱抵抗
    体の駆動を制御するドライバICと、 前記ドライバICを前記基体に接続した接続線と、 前記ドライバICおよび前記接続線の機械的強度を保つ
    よう該ドライバICおよび接続線を封止し、かつ前記基
    体と前記回路基板とが向かい合う面に関する応力を緩和
    する部材と、 を具備したことを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 前記部材のガラス転移点は、60℃〜 100
    ℃の範囲に存在することを特徴とする請求項2に記載の
    サーマルプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記部材は、エポキシ樹脂であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のサーマルプリ
    ントヘッド。
JP21091697A 1997-08-05 1997-08-05 サーマルプリントヘッド Abandoned JPH1148513A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007331109A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Toshiba Hokuto Electronics Corp サーマルヘッド装置
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