JPH0994991A - サーマルプリントヘッド - Google Patents

サーマルプリントヘッド

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JPH0994991A
JPH0994991A JP25281995A JP25281995A JPH0994991A JP H0994991 A JPH0994991 A JP H0994991A JP 25281995 A JP25281995 A JP 25281995A JP 25281995 A JP25281995 A JP 25281995A JP H0994991 A JPH0994991 A JP H0994991A
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JP
Japan
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print head
thermal print
board
heating element
element array
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JP25281995A
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Inventor
Kazuo Kobayashi
一雄 小林
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動時の熱に起因するサーマルプリントヘッド
の破損を防止し、小型化を達成した、カードやフィルム
等の記録媒体が厚くあるいは硬く、また幅広の場合に記
録媒体を変形させることなく高速で良質な画質を得るこ
とができるサーマルプリントヘッドを提供すること。 【解決手段】一端面をテーパー面に形成し、該テーパー
面に続く主面に前記テーパー面に沿って発熱素子アレイ
を形成するとともに各発熱素子アレイから前記テーパー
面にかけて共通電極を形成してなる熱伝導性基板と、前
記熱伝導性基板のテーパー面に沿って配置され、前記熱
伝導素子アレイを駆動するドライバΙCを搭載し、前記
テーパー面に沿って複数に分割してなる駆動回路基板と
を具備し、前記熱伝導性基板のテーパー面と前記駆動回
路基板の前記ドライバΙCを搭載した面とが略平行にな
るように保持しつつ、前記熱伝導性基板の共通電極と前
記駆動回路基板のドライバICとを接続配線を介して接
続し、これらの接続配線を覆う保護カバーが設けられて
なるサーマルプリントヘッドによる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルプリント
ヘッドを使用した画像記録方式において、カードやフィ
ルム等の記録媒体が厚いあるいは硬い場合に記録媒体を
変形させることなく良質な画質を得ることができ、特
に、幅広の記録媒体に対し高速で記録を可能とするサー
マルプリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータ等のOA機器、
ファクシミリ等の情報通信機器、計測機等の出力用印刷
機器において、サーマルプリントヘッドを利用したハー
ドコピー方式はランニングコストが安価である点、メイ
ンテナンスが容易な点、画像記録が静かな点等の利点か
ら様々に組み込まれて多用されている。しかしながら、
従来のサーマルプリントヘッドは、発熱素子アレイが形
成された面に対して平行な面上にドライバICが形成さ
れているため(つまり一様な平面上に発熱素子アレイと
ドライバICとが形成されているため)、サーマルプリ
ントヘッドにより画像が記録される記録媒体(被印字
体)はドライバICなどの回路素子の厚み分の隆起を避
けてカバー上を移動させる必要があり、そのため湾曲等
の変形を受ける。従って、硬いあるいは厚い記録媒体に
対しては、画像記録が困難であるという問題があった。
【0003】そのーつの解決方法として、図5に示され
るように、熱伝導性基板101の基板エッジ部Aに発熱
素子アレイを形成したリアルエッジタイプと言われるサ
ーマルプリントヘッドも開発されている。
【0004】しかしながら、90度の角度を持った2つ
の面に高精細なパターンを形成し、電気的に接続するこ
とは実際上極めて困難であり、高々lmmあたり8ドッ
ト程度の解像度しか得られていなかった。また、パター
ンの接続部の信頼性が低く、品質の低いサーマルプリン
トヘッドしか得られなかった。
【0005】そこで、図6に示すような構造のサーマル
プリントヘッドが、硬いあるいは厚い記録媒体に対して
記録を行なうために提案され実用されている。
【0006】これは、発熱素子アレイが形成される絶縁
基板101の長手方向の一端面にテーパー面111を設
け、そのテーパー面111上に発熱素子アレイを形成し
て、このテーパー面111が記録媒体501の平板な面
と平行に正対するように設置されているもので、図6か
ら明らかなように、ドライバIC等の構造物503の厚
み分の隆起を避けて記録媒体501を湾曲させることな
く平板なまま記録を行なうことができるようにしたもの
である。なお、絶縁基板101には、放熱板103が裏
打ちされている。
【0007】図6に使用した絶縁基板のさらに詳細な構
造を図7および図8に示す。絶縁基板101の一端面に
鈍角なテーパー面を設け、テーパー面と主面との2つの
面で連続的に所望の解像度でパターンを形成することに
より、リアルエッジタイプと同様に変形出来ない記録媒
体に対しても画像記録を行なうことが可能となる。
【0008】しかしながら、この構造からなるサーマル
プリントヘッドにおいても、高速で所望の高解像度、高
画質の記録特性を得ることは困難であった。
【0009】すなわち、サーマルプリントヘッドに用い
られる熱伝導性の良好な絶縁基板としては、−般にアル
ミナセラミックスが用いられる。これは、サーマルプリ
ントヘッドの発熱素子としてスパッタリングによる薄膜
方式や印刷焼成にて形成する厚膜方式を用いて高精細な
パターンを形成する際に、熱伝導性基板表面の粗さや平
坦性、耐熱性に制約があるためである。しかしながら、
アルミナセラミックス等のセラミックスは硬度が高いこ
とから均一なテーパー面を形成するのが困難であり、形
成されたテーパー面の表面には波打ち等のむらがどうし
ても発生してしまう。また、熱伝導性基板表面には断熱
層としてグレーズ層がスプレー法あるいは印刷法等によ
り形成されるが、熱伝導性基板表面に波打ち等のむらが
存在するとグレーズ層の均一性も破れてしまい、グレー
ズ層の上に形成される発熱素子の発熱量の制御が困難と
なる。したがって、発熱素子で発生した熱エネルギーが
発熱素子の表面よりも熱伝導性基板側へ不均一に逃げる
ため、画像記録時に濃度むらが発生してしまう。
【0010】また、アルミナセラミックス製の基板は、
−般に0.5〜2mm程度の厚さのものが使用される。
0.5mm以下では割れの問題や平坦性の問題があり、
2mm以上の厚さではサーマルプリントヘッドへの適用
という関係から重量が重いという問題やコスト高となる
という問題があるからである。従って、熱伝導性基板の
厚さはあまり厚くできず、またサーマルプリントヘッド
を小さく形成するためにはテーパー面の幅をあまり大き
なものとすることはできない。
【0011】また、テーパー面上に熱伝導性基板の主面
上まで連続する配線パターンを形成しなければならない
ので、熱伝導性基板の主面とテーパー面とは大きな角度
を取って配置することは品質上不可能である。
【0012】さらに、図7および図8から明らかなよう
に、共通電極(及び補強電極)106と発熱素子アレイ
104が形成されている部分とをテーパー面111の部
分に形成する必要があるが、発熱素子アレイ104の素
子寸法は要求される解像度に依存して決定され、テーパ
ー面111の幅が限られているために共通電極106
(及び補強電極)を形成する幅は厳しく制限される。つ
まり共通電極(及び補強電極)106の寸法の自由度が
極めて小さく、設計上の制限が厳しいという問題があ
る。
【0013】また、高精細のサーマルプリントヘッドに
おいては、発熱素子アレイの形状を均一に形成すること
が極めて重要であるが、テーパー面上に発熱素子アレイ
を形成する場合、パターン形成に用いるガラスマスクを
絶縁基板のテーパー面に対して十分に近接させることが
物理的形状による制約上、極めて困難である。その結
果、形成された発熱素子アレイの形状は一定せず、発熱
量にバラツキが生じ記録画質が低下するという問題があ
る。
【0014】さらに、サーマルプリントヘッドを利用し
た画像記録方法として、インクフィルムを使用した転写
記録が普通紙への記録等で多用されている。記録紙が硬
いあるいは厚い場合には、グレーズ層の形状を凸状とし
た部分グレーズが特に有効である。しかしながら、テー
パー面上への部分グレーズの形成は、発熱素子アレイの
パタ−ニングと同様に精度が低く、正確なパターニング
が困難であるという問題がある。
【0015】また、発熱素子アレイ上には記録媒体の走
行による磨耗を防止するために、保護膜が形成される。
この保護膜は、薄膜方式のサーマルプリントヘッドでは
スパッタリングにより形成し、厚膜方式のサーマルプリ
ントヘッドでは印刷により形成される。この保護膜が薄
い場合にはサーマルプリントヘッドの耐磨耗性が低下
し、厚い場合には熱の伝導が阻害されて画質低下の要因
となる。従って、保護膜は、適切な厚さの範囲で均一に
形成することが必要となる。しかしながら、テーパー面
への保護膜の形成は、グレーズ層の形成の場合と同様に
厚さの制御が極めて困難であるという問題がある。
【0016】これらの問題を解決するために、図4に示
される構造のサーマルプリントヘッドが、硬いあるいは
厚い記録媒体に対して記録を行なうために提案されてい
る。すなわち、熱伝導性基板101の主面上に発熱素子
アレイ104を形成し、テーパー面111上に駆動回路
基板102上に実装されたドライバΙC108と接続す
るための接続パッドを設けることにより、テーパー面に
発熱素子アレイを形成した場合に発生するコモン補強電
極の大きさを十分には取れないという問題、転写記録に
有効な部分グレーズ等の凸状グレーズを形成できないと
いう問題、抵抗素子アレイの形状がバラツキ易いという
問題、グレーズ層の厚さを均一にすることが困難であり
画質が低下するという問題、保護膜の厚さがバラツキ易
い等の問題を回避しつつ、硬いあるいは厚い記録媒体に
対して記録を行なうサーマルプリントヘッドである。
【0017】この構造からなるサーマルプリントヘッド
においては、コネクタをセラミックス等の熱伝導性基板
に実装することが不可能であるため、コネクタを熱伝導
性基板とは異なったPCB(プリントサーキットボー
ド)等のガラスエポキシ基板からなる駆動回路基板に実
装する必要があり、そのため両基板間における膨脹率の
差は著しいものとなっている。
【0018】ところで、高精細のサーマルプリントヘッ
ドにおいては、発熱素子アレイの形状を均一に形成する
とともに、発熱素子アレイを高密度化する必要がある。
一般に、400dpi(dot per inch)といわれるサー
マルプリントヘッドでは、発熱素子アレイの密度は16
本/mm、さらに600dpi(dot per inch)といわ
れるサーマルプリントヘッドでは、発熱素子アレイの密
度は24本/mmである。しかも、印刷速度の高速化の
ため、発熱素子アレイには高電力パルスが印加されるの
で、発熱素子アレイに要求される熱条件はサーマルプリ
ントヘッドの高精細化に伴って厳しいものとなってきて
いる。
【0019】したがって、図4に示される構造のサーマ
ルプリントヘッドを駆動すると、駆動時に発生する熱に
より、駆動回路基板は熱伝導性基板と比べて大きく伸長
してしまう。ちなみに、サーマルプリントヘッドの駆動
時と静止時とにおける温度変化の差は50℃を越える
が、温度差が50℃の場合には駆動回路基板は熱伝導性
基板と比べて50μmも多く伸長する。この50μmと
いう値は、400dpi(dot per inch)のサーマルプ
リントヘッドにおいて各発熱素子アレイ間の距離にほぼ
相当する。すると、接続パッドとドライバΙCとを1対
1に接続しているボンディングワイヤには強いストレス
が作用しボンディングワイヤの破損が生じやすいという
問題があった。
【0020】また、接続パッド、ドライバΙCおよびボ
ンディングワイヤの保護のために保護層を設けなければ
ならないが、駆動回路基板と熱伝導性基板との伸長の差
を吸収する必要からシリコン樹脂等からなる柔軟な保護
層としなければならず、そのため取扱い中にサーマルプ
リントヘッドの破損が多くなり、一般には破損を防止す
るために保護層の上にステンレスからなる保護板をさら
に付加する必要があった。そのため、サーマルプリント
ヘッドの重量が増し、サイズも大型化してしまうという
問題があった。
【0021】そして、これらの問題は、A0サイズ等の
幅広の転写媒体に対する印刷に対応させた大型のサーマ
ルプリントヘッドにおいてより顕著となり、カードやフ
ィルム等の記録媒体が厚くあるいは硬く、また幅広の場
合に記録媒体を変形させることなく高速で良質な画質を
得ることができるサーマルプリントヘッドの提供は事実
上困難であるという問題があった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決するために成されたもので、駆動時の熱に起
因するサーマルプリントヘッドの破損を防止し、小型化
を達成した、カードやフィルム等の記録媒体が厚くある
いは硬く、また幅広の場合に記録媒体を変形させること
なく高速で良質な画質を得ることができるサーマルプリ
ントヘッドを提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のサーマルプリン
トヘッドは、一端面をテーパー面に形成し、該テーパー
面に続く主面に前記テーパー面に沿って発熱素子アレイ
を形成するとともに各発熱素子アレイから前記テーパー
面にかけて共通電極を形成してなる熱伝導性基板と、前
記熱伝導性基板のテーパー面に沿って配置され、前記熱
伝導素子アレイを駆動するドライバΙCを搭載し、前記
テーパー面に沿って複数に分割してなる駆動回路基板と
を具備し、前記熱伝導性基板のテーパー面と前記駆動回
路基板の前記ドライバΙCを搭載した面とが略平行にな
るように保持しつつ、前記熱伝導性基板の共通電極と前
記駆動回路基板のドライバICとを接続配線を介して接
続し、これらの接続配線を覆う保護カバーを設けてなる
ことを特徴とする。
【0024】尚、上記保護カバーは、好適には硬化性樹
脂を被覆することである。
【0025】容易に変形できない硬い記録媒体や厚い記
録媒体の場合、発熱素子アレイが形成された面より上部
に突起物の存在は許されないことになる。発熱素子アレ
イを用いて所望の画像を記録する場合、各発熱素子アレ
イにドライバΙCを接続する必要があるが、ドライバΙ
Cをワイヤボンディング・フリップチップ・TAΒ(テ
ープオートメイティッドボンディング)等いずれの接続
方法によって接続・実装しても、ドライバICを保護す
るためのカバーや樹脂モールド部を含めた厚さは少なく
とも1mm程度にはなってしまい、発熱素子アレイの形
成面と同一の高さを持つ面上に実装することは出来な
い。むしろドライバICや樹脂モールド部の厚さ(高
さ)は発熱素子アレイのそれよりもさらに厚く(高く)
なる。
【0026】そこで、ドライバICとの接続部をテーパ
ー面とし発熱素子アレイ形成面と平行でない面内におい
てドライバΙCを接続することにより、変形できない記
録媒体への画像記録が可能となる。したがって、発熱素
子アレイをテーパー面に形成する場合に発生するコモン
補強電極の大きさを十分には取れないという問題、転写
記録に有効な部分グレーズ等の凸状グレーズを形成でき
ないという問題、発熱素子アレイの形状がバラツキ易い
という問題、グレーズの厚さを均一にすることが困難で
画質が低下するという問題、保護膜の厚さがバラツキ易
い等の問題は一挙に解消される。
【0027】つまり、発熱素子アレイが形成される面は
テーパー面を形成しない一般的なサーマルプリントヘッ
ドと同様に平面的であるため、その上に形成される発熱
素子アレイのパタ−ニングはパタ−ニング用のマスクを
十分近接させることができることから高精細なものとな
り、高解像度のサーマルプリントヘッドに対応可能とな
る。
【0028】また、コモン補強電極も一般的なサーマル
プリントヘッドの仕様を適用でき、高速な画像記録にも
対応できる。断熱層であるグレーズの形成も一般のサー
マルプリントヘッドと同様に一般的な印刷法等により対
応でき、発熱素子のグレーズ厚は均一なものが得られ
る。同様に、保護膜の厚さもテーパー面上に発熱素子を
形成する必要がないためバラツキが発生することはな
い。逆に、テーパー面に形成するグレーズ層にはバラツ
キが生じるが、ドライバICと個別電極との接続にはグ
レーズ層のバラツキの影響はなく、表面特性は同一のた
め良好な接続が可能である。
【0029】また、ドライバICと個別電極との接続の
ためにテーパー部に形成したボンディングパッドとコネ
クタを接続するための駆動基板とを同一の平行面上に配
置することができるので、IC上のパッドやボンディン
グパッドも同一の平行面上に配置され、ドライバΙCの
実装の点についても良好な品質が実現できる。
【0030】さらに、発熱素子アレイを形成する熱伝導
性基板は耐熱性等を考慮して通常セラミックス基板であ
り、一方、駆動回路基板はコネクタを実装する関係から
通常PCB等の基板であるために両者の膨張率は著しく
異なり、サーマルプリントヘッド駆動時の温度変化によ
って駆動回路基板は熱伝導性基板に比べ大きく伸長す
る。
【0031】そこで、駆動回路基板を複数に分割するこ
とにより、サーマルプリントヘッド駆動時の温度変化に
よる駆動回路基板と熱伝導性基板との伸長差を小さくす
ることができるので、ボンディングワイヤにかかるスト
レスは解消され、駆動回路基板と熱伝導性基板との接続
部を硬度の大きなエポキシ樹脂等で保護することが可能
となる。
【0032】つまり、熱耐久性においても一般的なサー
マルプリントヘッドと同様であるため、発熱素子アレイ
に高電力のパルスを印加でき、また駆動回路基板と熱伝
導性基板との接続部を硬度の大きなエポキシ樹脂等で保
護して保護板を除去することができるので、高速印刷が
可能で小型のサーマルプリントヘッドに対応可能とな
る。
【0033】また、複数に分割した駆動回路基板に実装
されているドライバΙC間の接続を駆動回路基板の間で
行うと接続線の数が増加し、サーマルプリントヘッド駆
動時の温度変化による信頼性が低下するので、複数に分
割した駆動回路基板に実装された各ドライバΙC間の接
続は、熱伝導性基板に例えばAlからなる接続線を形成
し、これを介して行うことが好ましい。もちろん、大き
な電流を流す必要がある配線については、半田付け等に
より駆動回路基板間において接続してよい。
【0034】さらに、発熱素子アレイは熱伝導性基板の
テーパー面に続く主面上において、テーパー面からなる
べく遠位に形成することが望ましいが、この位置は、コ
モン補強電極の大きさ、発熱素子アレイの材質あるいは
印加する電力等の各要因の要請に基づいて適宜決定され
る。
【0035】本発明において、熱伝導性基板のテーパー
面に続く主面とは、テーパー面を形成することによりそ
の領域が減じた面のことであり、例えば熱伝導性基板の
断面を台形とした場合に、向かい合う平行な辺の短辺側
に相当する面のことである。本発明において、通常、熱
伝導性基板上にはグレーズ層を形成し、グレーズ層上に
発熱抵抗体層及びアルミニウム等の導電層を形成した
後、フォトエングレービングプロセスにより複数の発熱
抵抗体及び電極パターンを形成する。さらに、この複数
の発熱抵抗体および電極パターンを保護する為の保護膜
をスパッタ法等の薄膜形成方法により形成する。
【0036】本発明の熱伝導性基板としては、通常、ア
ルミナセラミックス等の基板が使用されるが、特に限定
されるものではない。熱伝導性基板にテーパー面を形成
する方法としては、従来テーパー面を形成する際に用い
ていた方法と同様でよく、例えばセラミックスからなる
砥石による研磨により形成する。
【0037】熱伝導性基板上にグレーズ層を形成するこ
とは必須ではないが、サーマルプリントヘッドの蓄熱性
を高め、熱伝導性基板の表面を円滑にして発熱素子アレ
イを均質に形成するために熱伝導性基板上にグレーズ層
を形成することが望ましい。グレーズ層としては、例え
ば、SiO2 あるいはSiO2 にCa、Ba、Al、S
r等が混合したものが使用されるが、特に限定されるも
のではない。ただし、サーマルプリントヘッドの抵抗値
の上昇を防止することから、グレーズガラス層のガラス
転移点は、670℃以上であることが望ましい。また、
グレーズガラス層の膜厚は、通常、10〜70μm程度
に形成される。また、グレーズ層は、印刷法あるいはス
プレー法を適宜用いることで形成される。
【0038】さらに、発熱素子アレイとしては、Ni、
Cr、Ta等の安定性の高い金属材料の窒化物や、Ta
−SiΟ2 、Νb−SiO2 、Ti−SiO2 等の各種
サーメット材料を適宜用いることができる。一方、発熱
素子アレイと接続される各電極としては、一般的に用い
られているAl、Al−Si、Al−Si−Cu等が用
いられるが、特に限定はされない。また、一般に発熱素
子アレイの膜厚は0.1〜1μm、電極の膜厚は3〜5
μm程度に形成される。発熱素子アレイおよび各電極
は、スパッタリング法等の各種成膜方法を用い、通常の
フォトエングレービングプロセスにより形成される。
【0039】また、発熱素子アレイおよび各電極を保護
する保護膜は、耐久性等の観点からSi−O−N系から
なる膜であると好ましく、スパッタリング法等の各種成
膜方法を用いて形成される。
【0040】駆動回路基板としては、通常、PCB(プ
リントサーキットボード)やFPC(フレキシブルプリ
ントサーキット)等が使用されるが、コネクタ等が実装
できるものであれば特に限定はされない。
【0041】駆動回路基板の分割は、駆動回路基板の種
類、サーマルプリントヘッドが駆動時に達する温度、サ
ーマルプリントヘッドの大きさ等により適宜決定される
が、通常駆動回路基板の長辺が30cmを越えた場合に
は分割することが好ましい。駆動回路基板にドライバΙ
Cを実装するには、通常、COΒ(Chip on Board)の形
態で実装される。また、各発熱素子アレイと接続された
共通電極にドライバΙCを接続する必要があるが、ドラ
イバΙCを各共通電極にワイヤボンディング・フリップ
チップ・TAΒ(テープオートメイティッドボンディン
グ)等いずれの接続方法によって接続・実装してもよ
い。
【0042】また、駆動回路基板に信号線を形成する場
合には、Al、Cu等を用いて通常の薄膜形成方法によ
り形成される。
【0043】さらに、熱伝導性基板と駆動回路基板とを
所定の位置関係に維持し、サーマルプリントヘッドに熱
をためすぎないように、熱伝導性基板と駆動回路基板
は、一般に放熱板上に固定される。放熱板は、通常Al
の削り出しにより成形される。また、熱伝導性基板と駆
動回路基板との接続部を保護するために、熱伝導性基板
と駆動回路基板との接続部は硬化性樹脂により被覆され
る。硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂の使用が望ま
しいが、応力が低く接続部の保護に際し十分な強度を有
するものであれば特に限定はされない。
【0044】熱伝導性基板と駆動回路基板とを硬化性樹
脂により被覆する場合は、熱伝導性基板と駆動回路基板
との接続部のみに硬化性樹脂を被覆することが望ましい
が、サーマルプリントヘッドの全長がそれほど長くない
ときには、厳密に熱伝導性基板と駆動回路基板との接続
部のみに硬化性樹脂を被覆する必要はなく、駆動回路基
板を分割するだけでよい。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るサーマルプリ
ントヘッドの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0046】図1は、本発明に係るサーマルプリントヘ
ッドの構造の概要を上方より示した図である。
【0047】図1に示すように、本発明のサーマルプリ
ントヘッドは、アルミナセラミックスからなる熱伝導性
基板101、PCBからなり分割された駆動回路基板1
02およびアルミ製放熱板103とからその主要部が構
成されている。
【0048】熱伝導性基板101には、Ta−SiO2
の発熱素子アレイ104、Alからなる個別電極10
5、共通電極および補強電極106、そして接続線10
7が形成されている。
【0049】一方、駆動回路基板102には、熱伝導性
基板101上の各個別電極105に接続されるドライバ
ΙC108がCOΒ(Chip on Board)の形態で実装さ
れ、さらに不図示のCPUからの信号をドライバΙC1
08に伝達するためのAlからなる信号線109が形成
されている。
【0050】そして、熱伝導性基板101と駆動回路基
板102は、放熱板103により所定の位置関係で固定
され、ドライバIC108と個別電極105、信号線1
09と接続線107とがボンディングワイヤ110によ
り接続されている。
【0051】図2に、図1のサーマルプリントヘッドの
断面を示す。
【0052】すなわち、熱伝導性基板101のテーパー
面111とドライバIC108が実装された駆動回路基
板102の面112とが平行となるように、熱伝導性基
板101と各駆動回路基板102とが放熱板103上に
固定されている。そして、熱伝導性基板101と各駆動
回路基板102との接続部は、エポキシ樹脂からなる保
護層114により被覆、保護されている。
【0053】尚、この保護層114の代わりに、保護カ
バーとして樹脂製筐体を用いてもよい。
【0054】また、図3に、熱伝導性基板101の詳細
な構成を示す。
【0055】熱伝導性基板101上にはSiO2 からな
るグレーズ層301が形成され、グレーズ層301上に
は、発熱素子アレイ104、個別電極105、共通電極
および補強電極106、Si−O−N系の保護膜302
が形成されている。また、個別電極105と同じ層上に
不図示の接続線107が形成されている。
【0056】このように構成されたサーマルプリントヘ
ッドにおいては、図4に示された従来のサーマルプリン
トヘッドに比べて熱の影響を受けにくくなり、幅広の転
写媒体にも対応できる大型のサーマルプリントヘッドと
することが可能となった。また、長時間の運転において
も信頼性が向上し、より高速の印刷が実現できた。さら
に、熱伝導性基板101と各駆動回路基板102との接
続部を、高硬度を有するエポキシ樹脂により被覆、保護
することにより、接続部を保護するために用いられる保
護板を省略でき、重量の削減および大きさの縮小を達成
することができる。
【0057】なお、凸状のグレーズ形状を持つサーマル
プリントヘッドは特に転写記録を高画質で行なうために
好適である。そこで、図9に示すように、本発明を凸状
のグレーズ形状を持つサーマルプリントヘッドに適用す
れば、より画質の向上を達成することができるのはいう
までもない。
【0058】
【発明の効果】以上、本発明によれば、熱伝導性基板の
ドライバICとの接続部をテーパー面とし、発熱素子ア
レイ形成面と平行でない面内においてドライバΙCを接
続するので、従来のサーマルプリントヘッドにおける共
通電極(及び補強電極)の寸法の設計上の自由度が極め
て小さいという問題、発熱素子アレイの形状にバラツキ
が生じることに起因した記録画質の低下の問題、グレー
ズ層や保護膜等の正確なパターン形成が困難であるとい
う問題、基板の厚さが厚くなりサーマルプリントヘッド
としての重量やコストが過大となるという問題を効果的
に解消でき、しかもドライバΙCを実装する駆動回路基
板を分割することによりサーマルプリントヘッド駆動時
の熱の影響を排除できるので、カードやフィルム等の記
録媒体が厚くあるいは硬く、また幅広の場合に記録媒体
を変形させることなく高速で良質な画質を得ることがで
きる軽量かつ小型のサーマルプリントヘッドを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサーマルプリントヘッドの構造の
概要を上方より示した図。
【図2】図1のサーマルプリントヘッドの断面を示す
図。
【図3】図1のサーマルプリントヘッドの熱伝導性基板
の詳細な構成を示す図。
【図4】従来のサーマルプリントヘッドの構造の概要を
上方より示した図。
【図5】リアルエッジタイプのサーマルプリントヘッド
の構造を示す図。
【図6】テーパー面部に発熱素子アレイを形成したサー
マルプリントヘッドの構造を示す図。
【図7】図6のサーマルプリントヘッドの熱伝導性基板
の詳細な構成を示す図。
【図8】図6のサーマルプリントヘッドの熱伝導性基板
を上方より示した図。
【図9】グレーズ層の形状を凸状とした部分グレーズを
採用した熱伝導性基板の詳細な構成を示す図。
【符号の説明】
101……熱伝導性基板 102……駆動回路基板 103……アルミ製放熱板 104……発熱素子アレ
イ 105……個別電極 106……共通電極および補強
電極 107……接続線 108……ドライバIC 10
9……信号線 110……ボンディングワイヤ 111……テーパー
面 112……面 113……接続パッド 114……
保護層 301……グレーズ層 302……保護膜 501
……転写媒体 502……プラテンローラ 503……構造物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端面をテーパー面に形成し、該テーパ
    ー面に続く主面に前記テーパー面に沿って発熱素子アレ
    イを形成するとともに各発熱素子アレイから前記テーパ
    ー面にかけて共通電極を形成してなる熱伝導性基板と、 前記熱伝導性基板のテーパー面に沿って配置され、前記
    熱伝導素子アレイを駆動するドライバΙCを搭載し、前
    記テーパー面に沿って複数に分割してなる駆動回路基板
    とを具備し、 前記熱伝導性基板のテーパー面と前記駆動回路基板の前
    記ドライバΙCを搭載した面とが略平行になるように保
    持しつつ、前記熱伝導性基板の共通電極と前記駆動回路
    基板のドライバICとを接続配線を介して接続し、これ
    らの接続配線を覆う保護カバーが設けられてなることを
    特徴とするサーマルプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 前記保護カバーは、硬化性樹脂を被覆し
    てなることを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリ
    ントヘッド。
  3. 【請求項3】 前記ドライバICは、分割された前記駆
    動回路基板上にそれぞれ搭載され、各ドライバICは前
    記熱伝導性基板上に形成された接続線を介して接続され
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載のサー
    マルプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 発熱素子アレイは、前記主面の前記テー
    パー面から遠位寄りに形成されていることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1に記載のサーマルプリン
    トヘッド。
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