JP2547325Y2 - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JP2547325Y2
JP2547325Y2 JP1990114907U JP11490790U JP2547325Y2 JP 2547325 Y2 JP2547325 Y2 JP 2547325Y2 JP 1990114907 U JP1990114907 U JP 1990114907U JP 11490790 U JP11490790 U JP 11490790U JP 2547325 Y2 JP2547325 Y2 JP 2547325Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、サーマルヘッドに関する。
[従来の技術] 第9図は典型的なサーマルヘッド1の断面図であり、
第10図はサーマルヘッド1の平面図である。サーマルヘ
ッド1は、たとえばセラミックなどから成る絶縁基板2
上に、たとえばガラスなどから帯状に形成されるグレー
ズ層3を設け、この上に絶縁基板2のほぼ全面に亘り、
たとえば窒化これを充填して被覆し、前記腐食現象を防
止して、信頼性を向上するようにしている。
[考案が解決しようとする課題] サーマルヘッド1が、感熱印画を行う際に用いられる
プラテンローラ9は弾性を有しており、第9図に示され
るように、グレーズ層3に対応する部分で凹状に変形
し、前記弾性に基づく発熱素子7への圧接力により感熱
印画の濃度を定めるようにしている。このような弾性を
有するプラテンローラ9は、グレーズ層3と隣接する前
記被覆層10にも当接し、したがって発熱素子7への圧接
力(以下、面圧と称する)が低下し、したがって所望の
濃度の感熱印画を行うことができず、印画品質が低下し
てしまうという課題を有している。
また前記被覆層10には、粘度や熱膨張率などを所望の
状態に制御するためシリカやアルミナの粒径15〜30μm
程度の粉粒体であるフィラが多く混入されており、この
ため被覆層10の表面の凹凸を拡大して示す第6図(1)
のライン1に示されているように、表面に多数の突起
が形成される。このため感熱印画中に、たとえば感熱記
録紙などに傷を与えたり、印画された文字や図形などに
印画に関与していない白条が掲載され、印画品質を低下
してしまうという課題を生じている。
本考案の目的は、上述の技術的課題を解消し、印字品
質が向上すると共に、信頼性をも向上することができる
サーマルヘッドを提供することである。
[課題を解決するための手段] 本考案は、アルミナから成る絶縁基板の上面に断面円
弧状のグレーズ層を形成するとともに、該グレーズ層の
頂部付近に複数の発熱素子を直線状に被着・配列させ、
これらを窒化シリコンから成る保護層で被覆して成るサ
ーマルヘッドにおいて、 前記グレーズ層端部から0.5mm以上離れた保護層の上
面に、最大粒径10μm以下のアルミナ粒子を含む合成樹
脂材料から成る被覆層が被着されていることを特徴とす
るサーマルヘッドである。
[作用] 本考案に従うサーマルヘッドは、アルミナから成る絶
縁基板上にグレーズ層を設け、グレーズ層の頂部付近に
複数の発熱素子を直線状に配列する。このような絶縁基
板を保護層で被覆し、保護層上にはグレーズ層に関し、
支持部材からの圧接力が予め定める程度未満となる距離
以遠の範囲、すなわちグレーズ層端部から0.5mm以上離
れた範囲に、最大粒径10μm以下のアルミナ粒子を含む
合成樹脂材料から成る被覆層を形成する。
これによって絶縁基板の表面に微小な凹凸が存在する
場合に、保護層に生じるピンホールを被覆層で被覆する
ことができ、たとえば電極材料が腐食する事態を防止で
き、信頼性を向上することができる。また被覆層は、グ
レーズ層端部から0.5mm以遠の範囲に設けられるので、
支持部材が絶縁基板に圧接される際に、発熱素子への圧
接力が前記被覆層によって阻害される事態を防止でき、
印画品質の低下を防止できる。また被覆層に含まれるア
ルミナ粒子の最大粒径は10μm以下であるので、合成樹
脂層はより平滑となり、厚い記録紙に印画する場合およ
び搬送中の記録紙に弛みが生じた場合に、記録紙が被覆
層に接触しても、記録紙の表面に傷がつかず、印画品質
をさらに向上させることができる。さらに絶縁基板がア
ルミナから構成され、前記被覆層中にアルミナ粒子が含
まれているため、被覆層の熱膨張率が絶縁基板の熱膨張
率に近づき、熱応力が起因する合成樹脂層の剥離が防止
される。被覆層の層厚は、15μm以下に選ばれれば好適
である。
[実施例] 第1図は本考案の一実施例のサーマルヘッド11の拡大
断面図であり、第2図は第1図の平面図であり、第3図
はサーマルヘッド11全体の平面図であり、第4図は第3
図の切断面線IV−IVから見た断面図であり、第5図は第
3図の切断面線V−Vから見た断面図である。サーマル
ヘッド11は、アルミナ(酸化アルミニウム)Al2O3
ら、長さL2、幅W1の矩形平板状に形成される絶縁基板13
を備える。
絶縁基板13上には、たとえばガラスなどのグレーズ層
14が高さh1(例として30〜50μm好適には40μm)の帯
状に形成され、絶縁基板13の全面にたとえば窒化タンタ
ルTa2Nから成る抵抗体層15がスパッタリングや蒸着など
の薄膜技術で膜厚t2(例として数100Å)で形成され
る。
抵抗体層15上に共通電極16および複数の個別電極17
を、たとえばアルミニウムAlなどから膜厚t3(例として
1μm)に形成し、これによりグレーズ層14の頂部付近
に複数の発熱素子18が直線状に連なって形成される発熱
素子列19が構成される。この上に全面に亘って耐摩耗層
20が膜厚t4(例として数μm)で形成される。
前記発熱素子列19を選択的に電力付勢して、感熱印画
を行わせる制御を行う駆動回路素子21が絶縁基板13上
で、前記個別電極17と接続されて配置され、この駆動回
路素子21に感熱印画のための印画データや制御信号を供
給する外部配線基板22が、パターン形成された信号ライ
ン23を介して接続される。外部配線基板22は、合成樹脂
材料の支持フィルム24と、この上に前記信号ライン23と
個別に接続されるように形成された回路配線25とを含ん
で構成される。前記駆動回路素子21は、合成樹脂材料な
どの保護層26で被覆される。
このような絶縁基板13と放熱板12とは、たとえばエポ
キシ系の接着剤や粘着剤などから成る接着剤層27で接着
される。この接着剤層27は、絶縁基板13と放熱板12との
固定に寄与するばかりでなく、放熱板12と絶縁基板13と
の相互に対向する表面に凹凸が存在する場合であって
も、これらを充填し、このような凹凸に基づいて、発熱
素子列19から放熱板12への熱伝導にむらが生じない作用
も有している。
このような保護層20上であって、グレーズ層14の端部
から距離L1(=0.5mm)以遠に、個別電極17を被覆し
て、被覆層28が層厚t5(例として、15μm以下)で形成
する。被覆層28は、たとえばエポキシ樹脂などの合成樹
脂材料に最大粒径10μm以下のアルミナ粒子(アルミナ
フィラ)を分散して得られる混合物であり、粘度を調整
してスクリーン印刷により形成する。この被覆層28の形
成方法は、このスクリーン印刷に限らず、いわゆるスピ
ンコート法によって行うようにしてもよい。
第6図(1)は、前記被覆層28に最大外径が15〜30μ
m程度のフィラを含有している従来例の場合の被覆層28
の表面性状を示す図であり、第6図(2)は最大外径10
μm以下、好適には10μmのフィラを含有している場合
の表面性状を示す図である。第6図(1)の場合には、
被覆層28の層厚が凹凸を含んで20μm以上となり、また
高さ10μm程度の凹凸が生じることが理解される。一
方、第6図(2)では、被覆層28の凹凸を含む最大層厚
は約10μmで凹凸は数μm程度に減少していることが理
解できる。また絶縁基板の材質と被覆層に分散する粒子
の材質とがともにアルミナであるので、被覆層の熱膨張
率は絶縁基板の熱膨張率に近づき、熱応力に起因する被
覆層の剥離が防がれる。したがって被覆層28に混合され
る粒子は、最大粒径10μm以下のアルミナにする必要が
ある。
第7図は発熱素子18の中心からの距離と、第1図示の
ように発熱素子18に圧接されているプラテンローラ29に
よる表面圧力の分布状態を有限要素法にて求めた図であ
る。第7図(2)においてグレーズ層14は、高さh1を40
μmに選ぶ。第7図(1)では、グレーズ層14上で絶縁
基板13に近付くほど表面圧力は低下し、絶縁基板13の主
面41上では表面圧力は0であり、グレーズ層14の端部か
ら100μm程度遠ざかった位置から再び圧力が増大し、
グレーズ層14の端部から500μm遠ざかった箇所で表面
圧力は再び0となる。
したがってグレーズ層14の端部から前記長さL1だけ隔
たった距離以遠に、被覆層28を形成すことにより、この
被覆層28からプラテンローラ29に不所望な押圧力が作用
してプラテンローラ29から発熱素子18への圧接力が阻害
され、印字品質が低下する事態が防がれる。
以上のように本実施例では、被覆層28を各個別電極17
を被覆する範囲に形成することにより、保護層20に形成
されるピンホールを被覆し、このピンホールから進入す
る水分により、共通電極16および個別電極17などが腐食
する事態が防がれ、信頼性が格段に向上される。
また本実施例のサーマルヘッド11は、いわゆるシリア
ルプリンタの種類であるが、たとえば日本工業規格(JI
S)A列3番などの寸法の記録紙と同一の長さの発熱素
子列を有する長尺のサーマルヘッド11aにおいても、本
実施例は実施されるものである。このような場合、第8
図に示されるように、絶縁基板13上でグレーズ層14の両
側に被覆層28a,28bを設けるようにしてもよい。このよ
うな構成であっても、前述の実施例で述べたような効果
と同一の効果を達成することができる。
[考案の効果] 以上のように本考案によれば、保護層上には支持部材
からの圧接力が予め定める程度未満となる距離、すなわ
ちグレーズ層端部から0.5mm以遠の範囲に、最大粒径10
μm以下のアルミナ粒子を含む合成樹脂材料から成る被
覆層を形成する。これによってアルミナから成る絶縁基
板の表面に微小な凹凸が存在する場合などに、保護層に
生じるピンホールを被覆層で被覆することができ、たと
えば電極材料が腐食する事態を防止でき、信頼性を向上
することができる。
また被覆層は、グレーズ層端部から0.5mm以遠の範囲
に設けられるので、支持部材が絶縁基板に圧接される際
に、発熱素子への圧接力が前記被覆層によって阻害され
る事態を防止でき、印画の品質の低下を防ぐことができ
る。さらに被覆層中には、絶縁基板と同一材料から成る
アルミナ粒子が含まれており、このため被覆層の熱膨張
率が絶縁基板の熱膨張率に近づき、熱膨張率の差による
被覆層の剥離を防ぐことができ、前記アルミナ粒子の最
大粒径が10μm以下であるので、被覆層の表面が平滑と
なり、記録紙の表面に傷がつくことがない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例のサーマルヘッド11の拡大断
面図、第2図は第1図の平面図、第3図はサーマルヘッ
ド11の平面図、第4図は第3図の切断面線IV−IVから見
た断面図、第5図は第3図の切断面線V−Vから見た断
面図、第6図は被覆層28の凹凸の状態を示す図、第7図
は本実施例の作用を説明するグラフ、第8図は他の実施
例の構成を示す断面図、第9図は従来例のサーマルヘッ
ド1の断面図、第10図はサーマルヘッド1の平面図であ
る。 11,11a……サーマルヘッド、13……絶縁基板、14……グ
レーズ層、15……抵抗体層、16……共通電極、17……個
別電極、18……発熱素子、20……保護層、28……被覆
層、29……プラテンローラ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−76378(JP,A) 特開 昭62−103159(JP,A) 特開 昭62−124963(JP,A) 特開 昭62−288060(JP,A) 特開 平4−83654(JP,A) 実開 平4−52056(JP,U) 実開 平2−115448(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナから成る絶縁基板の上面に断面円
    弧状のグレーズ層を形成するとともに、該グレーズ層の
    頂部付近に複数の発熱素子を直線状に被着・配列させ、
    これらを窒化シリコンから成る保護層で被覆して成るサ
    ーマルヘッドにおいて、 前記グレーズ層端部から0.5mm以上離れた保護層の上面
    に、最大粒径10μm以下のアルミナ粒子を含む合成樹脂
    材料から成る被覆層が被着されていることを特徴とする
    サーマルヘッド。
JP1990114907U 1990-10-31 1990-10-31 サーマルヘッド Expired - Fee Related JP2547325Y2 (ja)

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JPS62103159A (ja) * 1985-10-30 1987-05-13 Nec Corp サ−マルヘツドの製造方法
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