JP2008201013A - サーマルプリントヘッド - Google Patents

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淳一 樋口
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Abstract

【課題】発熱素子の支持基板を放熱基板にハイブリッド構造に貼着するサーマルプリントヘッドにおいて、ヘッド面の傾斜および界面剥離を容易に防止する。
【解決手段】サーマルプリントヘッド10の抵抗体基板部12Aでは、両面テープ層14が、放熱基板11主面において溝部13aを挟んだ凹陥部13b側に形成され、粉体含有接着層15がその逆側の少なくとも発熱部20の下方領域に形成される。そして、支持基板16がこの両面テープ層14と粉体含有接着層15を介して放熱基板11の主面に貼着される。ここで、支持基板16上にグレーズ層17が保温層として形成され、その表面に発熱抵抗体層18が形成される。そして、発熱抵抗体層18に重層して形成した第1の電極19aと第2の電極19bの間隙Gの露出部が発熱部20となり、全体が保護膜21で被覆される。
【選択図】図1

Description

本発明は、発熱素子を配置した基板と放熱板との接着が高い信頼性を有し、印画の高品位性を容易にするサーマルプリントヘッドに関する。
サーマルプリントヘッドは、発熱部の発熱を利用して感熱記録紙や熱転写インクリボン等の記録媒体に文字などから成る画像を形成する出力用デバイスである。そして、バーコードプリンタや計量機、デジタル製版機、ビデオプリンター、イメージャー、シールプリンター等の各記録機器に広く利用されている。一般的に、サーマルプリントヘッドは、画像形成のための発熱部を設けた抵抗体基板部および駆動ICを搭載した駆動回路基板部などを、放熱基板の一主面上に配置した構造になっている。図5はその一例を示し、ヘッド面上で記録媒体が搬送される方向(副走査方向)における断面図である。
図5に示すように、サーマルプリントヘッドでは、例えばAl(アルミニウム)製の放熱基板101の主面上に抵抗体基板部102Aおよび駆動回路基板部102Bが隣接して設けられている。そして、放熱基板101の主面の所定箇所に、副走査方向に直交する方向(主走査方向)に沿って延在する適度な深さの溝部103aおよび凹陥部103bが設けられている。
抵抗体基板部102Aでは、両面テープ層104が、放熱基板101主面において溝部103aを挟んだ凹陥部103b側に形成され、樹脂接着層105がその逆側の少なくとも後述の発熱部110となる領域の下方に形成されている。そして、Al23(アルミナ)等のセラミックス製の支持基板106がこの両面テープ層104および樹脂接着層105を介して放熱基板101の主面に貼着されている。ここで、両面テープ層104は例えばレーヨン不織布にアクリル系接着剤を塗布したものであり、樹脂接着層105はシリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂系の接着剤である。そして、両面テープ層104および樹脂接着層105の厚さはほぼ同一になるように、例えば40〜50μm程度に設定されている。
そして、支持基板106上に保温層となるグレーズ層107が、例えばガラス等の絶縁体材料により適度な厚さに形成され、グレーズ層107を被覆しサーメット材料から成る発熱抵抗体層108が形成されている。そして、この発熱抵抗体層108上に、第1の電極109aおよび第2の電極109bが間隙Gを挟んで対向して配置されている。ここで、第1の電極109aおよび第2の電極109bからなる一対の電極109はAl等の導電体材料から成る。そして、この一対の電極109は発熱抵抗体層108に重層して電気接続し、これ等の間隙Gで露出する発熱抵抗体層108が発熱部110となる。
そして、発熱部110の通電用電極となる上記一対の電極109および発熱部110が1つの発熱素子となり、サーマルプリントヘッドの主走査方向に、所定数例えば2056個の発熱素子アレイとして一列に配置される。更に、後述するボンディングワイヤー接続のために一対の電極109の縁端部が露出され全体が保護膜111により被覆されている。ここで、保護膜111は硬質で緻密な絶縁体材料から成る。
一方、駆動回路基板部102Bは、放熱基板101の凹陥部103b表面上に設けた両面テープ層104を介して貼着した例えばガラスエポキシ樹脂から成る駆動回路基板112等により構成される。そして、その基板表面に回路パターン(不図示)等が形成され、また駆動IC113等が搭載されている。そして、抵抗体基板部102Aの上記通電用電極と駆動IC113との間、および、駆動IC113と駆動回路基板部102Bの回路パターンとの間などがボンディングワイヤーWで電気的に接続されている。そして、これ等のボンディングワイヤーWおよび駆動IC113は、例えばエポキシ樹脂から成る封止材114によって気密封止されている。
上記サーマルプリントヘッドを用いた記録媒体への画像形成では、感熱記録紙等の記録媒体や熱転写インクリボン等(図示せず)が、発熱部110上方の保護膜111とプラテンローラ115との間で挟圧され、副走査方向に所定の速度で搬送される。この搬送において、上記感熱記録媒体が発熱部110により加熱され、その熱により記録媒体が印画される。
ところで、上記サーマルプリントヘッドにおいて、両面テープ層104は、放熱基板101と支持基板106の一部および駆動回路基板112との間にあって、それ等の熱膨張率の違いに起因する熱応力を吸収する緩衝材として機能する。このために、発熱部110が発熱する例えば画像形成時において、例えば放熱基板101の伸長に伴うバイメタル作用により生じる抵抗体基板部102Aの反り返りは抑制され、ヘッド面の平坦度が規格内になるように保証される。また、熱硬化性樹脂による封止材114形成の冷却時において、放熱基板101の収縮に伴う抵抗体基板部102Aのクラック発生等の損傷が防止される。
一方、樹脂接着剤105は、両面テープ層104に較べて熱伝導率が高い放熱性接着材である。そして、例えば画像形成時において、その上方の発熱部110から発する熱を放熱基板101側に伝熱しその放熱を速めて、印画における高画質化あるいは高速化を容易にするものである。
このように、上記両面テープ層104と樹脂接着層105を用いた放熱基板101主面への支持基板106の貼着におけるハイブリッド構造は、現在では必須なものの一つとなっている。
しかしながら、発熱部110の下方に在る樹脂接着層105はプラテンローラ115からの強い押圧力により収縮し易い。そして、長時間のサーマルプリントヘッドの使用において、抵抗体基板部102Aのヘッド面に傾斜が生じたり、放熱基板101と支持基板106の接着層での界面剥離が部分的に引き起こされて、印画の濃度ムラが生じてくるという問題があった。また、界面剥離が生じた領域では熱伝導が低下し、発熱部110の蓄熱性が高くなってその充分な放熱の確保ができなくなり、印画点の切れが劣化し、副走査方向での画質にじみが顕在化し視認されるようになる。このために、サーマルプリントヘッドの高信頼性およびその印画における高品位性が確保できず、高画質な画像形成あるいは印画の高速動作が低下するという問題があった。
上記問題は、サーマルプリントヘッド構造にも依存し、特にいわゆるニアエッジ構造を有するサーマルプリントヘッドにおいて生じ易い。このニアエッジ構造のサーマルプリントヘッドでは、例えばグレーズ層107が支持基板106の縁端部近くにあって、支持基板106の副走査方向における断面形状が山形に盛り上がった凸形状になる。そして、このグレーズ層の一斜面に発熱素子の発熱部110が形成され、そのグレーズ層の頭頂部を挟んで反対側に駆動IC113が配置される構造になる。そして、このような構造であると、プラテンローラ115は支持基板106の縁端部を押圧するようになり、樹脂接着層105圧縮応力がより増加するからである。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、支持基板を放熱基板にハイブリッド構造に貼着するサーマルプリントヘッドにおいて、ヘッド面の傾斜を防止すると共に貼着する樹脂接着層での剥離が生じないようにする。そして、その高信頼性および高品位性を容易に確保できるサーマルプリントヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかるサーマルプリントヘッドは、第1の面側に発熱素子の配置された基板が、放熱板上に載置され、前記第1の面と対向する第2の面の少なくとも前記発熱素子の下方領域で放熱性接着材を介在し、該放熱性接着材の存在しない領域で両面テープを介在して前記放熱板上に貼着してなるサーマルプリントヘッドにおいて、前記放熱性接着材は、樹脂を母材とし、セラミックスあるいは珪酸ガラスの粉体を含有している構成になっている。
本発明の構成により、支持基板を放熱基板にハイブリッド構造に貼着するサーマルプリントヘッドにおいて、ヘッド面の傾斜が防止されると共に貼着する樹脂接着層での剥離が抑制される。そして、その印画における高信頼性および高品位性を容易に確保するサーマルプリントヘッドを提供することができる。
以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。図1はヘッド面上で記録媒体が搬送される副走査方向における断面図である。図2は本実施形態の粉体含有接着層の一部拡大断面図である。図3は抵抗体基板部および駆動回路基板を放熱基板に貼着する方法を示す断面図である。図4は粉体含有接着層の粉体含有量とその効果をまとめて示す表である。
図1に示すように、サーマルプリントヘッド10では、放熱基板11の主面上に抵抗体基板部12Aおよび駆動回路基板部12Bが隣接して設けられている。そして、放熱基板11の主面の所定箇所にヘッドの主走査方向に沿って延在する適度な深さの溝部13aおよび凹陥部13bが設けられている。
抵抗体基板部12Aでは、両面テープ層14が、放熱基板11主面において溝部13aを挟んだ凹陥部13b側に形成され、粉体含有接着層15がその逆側の少なくとも後述の発熱部20の下方領域に形成されている。そして、セラミックス製の支持基板16がこの両面テープ層14および粉体含有接着層15を介して放熱基板11の主面に貼着されている。そして、支持基板16上に保温層であるグレーズ層17が適度な厚さに形成され、グレーズ層17表面を被覆して発熱抵抗体層18が形成されている。
そして、従来の技術で説明したように、発熱抵抗体層18に重層して電気接続する第1の電極19aおよび第2の電極19bが間隙Gを挟んで対向して配置されている。この間隙Gで露出する発熱抵抗体層18が発熱部20となる。このように、支持基板16の第1の面側に形成した第1の電極19aと第2の電極19bから成る一対の電極19および発熱部20を1つの発熱素子として、サーマルプリントヘッドの主走査方向に所定数の発熱素子アレイが一列に配置される。そして、後述するボンディングワイヤー接続のために上記一対の電極19の縁端部が露出され全体が熱伝導性のよい保護膜21により被覆されている。
駆動回路基板部12Bは、従来の技術で説明したのと同様に、放熱基板11の凹陥部13b表面に両面テープ層14を介して貼着した駆動回路基板22を有し、その基板表面に回路パターン等が形成され、駆動IC23等が搭載されている。この駆動IC23と上記一対の電極19および上記回路パターンとの間はボンディングワイヤーWで電気的に接続され、ボンディングワイヤーWおよび駆動IC23は例えばエポキシ樹脂から成る封止材24によって気密封止されている。
上記サーマルプリントヘッド10において、放熱基板11は例えばAl金属のような金属材料から成る。両面テープ層14は、従来の技術で説明したように、例えばレーヨン不織布にアクリル系接着剤を塗布したものである。
そして、粉体含有接着層15は、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成る接着剤の母材に、図1の領域Pを拡大した図2に示すように、粒子状の粉体25あるいは好適にはほぼ球状の粉体25を含有する。この粉体25としては、例えばAl23、AlN(窒化アルミニウム)、SiC(炭化珪素)、Si34(窒化珪素)のようなセラミックスあるいはSiO(酸化珪素)のような珪酸ガラスを粒子にしたものが挙げられる。その中でも後述するようにアルミナセラミックスが好適である。ここで、粒子の粒径は両面テープ層14の厚さと偏差±10%でほぼ同一にする。そして、その含有量は、混合させる粒子の種類により決められるが、例えば1質量%〜10質量%の範囲で適宜に設定される。
支持基板16は、通常、耐熱性を有する絶縁体材料から成る支持基板であり、アルミナセラミックスの他に、シリコン、石英、炭化珪素等により構成されてもよい。そして、グレーズ層17は、発熱部20の発する熱を蓄積および放散する作用を有し、表面平滑性のある絶縁体材料であればよい。例えば酸化珪素から成るガラス膜、あるいはポリイミド樹脂等の低熱伝導性材料から成る。
発熱抵抗体層18は、例えばTaSiO、NbSiO、TaSiNO、TiSiCO系の電気抵抗体材料から成る。そして、第1の電極19aおよび第2の電極19bから成り通電用電極となる一対の電極のような電極は低抵抗になるほど好ましく、例えば、Al、Cu(銅)あるいはAlCu合金等の金属を主材料に構成される。
そして、保護膜21は、Si34、SiONやSiC等の硬質で緻密な熱伝導性のある絶縁体材料から成る。ここで、保護膜21の最表面に少なくともSi(シリコン)と炭素(C)が含まれていると熱伝導性が高くなり好適である。この保護膜21は、発熱素子アレイの一対の電極19および発熱部20を被覆し記録媒体の圧接あるいは摺接による磨耗、並びに大気中に含まれている水分等の接触による腐食から保護する機能を有する。
次に、上記サーマルプリントヘッド10の製造方法について説明する。先ず、アルミナからなり副走査方向の幅が例えば5mm程度、板厚が0.5mm〜1mmの細長の支持基板16を用意する。そして、その表面に主走査方向に沿って、例えばSiOのガラス粉末に適当な有機溶媒、溶剤を添加・混合して得たガラスペーストを周知のスクリーン印刷法で塗布形成する。その後、所定の温度で焼成し、膜厚が例えば100μm〜200μmになるグレーズ層17を支持基板16表面に被着させる。
次に、グレーズ層17表面に、例えばスパッタ法により膜厚が0.05μm程度のTaSiO膜を成膜し、フォトエッチングプロセスにより発熱抵抗体層18を形成する。引き続いて、スパッタ法により上記発熱抵抗体層18を被覆して例えば膜厚が0.5μ程度のAl膜あるいはAlCu合金膜を成膜し、フォトエッチングプロセスにより、発熱素子アレイの通電用電極である第1の電極19aおよび第2の電極19bをパターニング形成する。ここで、発熱抵抗体層18および通電用電極を複数回のフォトエッチングプロセスにより同一パターンに形成してもよい。
その後、スパッタ法により全面を被覆する保護膜21を成膜する。ここで、保護膜21は、例えば膜厚が2μm〜5μm程度の熱伝導性の高いSi34膜、SiC膜等から成る。
次に、図3に示すように、アルミ板等から成る放熱基板11主面の所定の領域に両面テープ層14を貼付する。ここで、放熱基板11面には、予めその所定領域に溝部13aと凹陥部13bが形成されている。そして、例えばアルミナセラミックスから成る粉体25が混在するシリコーンゲル材15aを、上記両面テープ層14の貼付されない領域に例えばディスペンサーにより塗布形成する。そして、抵抗体基板部12Aの支持基板16の第2の面である裏面を、放熱基板11主面の所定の領域に貼付した両面テープ層14およびシリコーンゲル材15a上に所定の圧力で押圧して載置する。この押圧において余剰のシリコーンゲル材15aは溝部13aに流出する。
ここで、例えばアルミナ粉末の粒子から成る粉体25の好ましい粒径分布は、上記粉末の例えば篩による分級・配合の処理を通して、上述したように両面テープ層14の厚さとほぼ同一になるようにする。例えば、両面テープ層14の厚さが40μm程度である場合、偏差が±10%となる36μm〜44μmの範囲にする。そして、シリコーンゲル材15a中の粉体25の含有量は後述するが1質量%〜10質量%にすると好適である。なお、粉体25は球状でなく種々の形状になっても構わない。
次に、100〜120℃で1時間程度の熱処理を施し、シリコーンゲル材15aを熱硬化させ粉体含有接着層15を形成する。このようにして、両面テープ層14および粉体含有接着層15により、抵抗体基板部12Aの支持基板16を放熱基板11主面に貼着させる。ここで、両面テープ層14は、シリコーンゲル材15aが熱硬化するまで、放熱基板11上に抵抗体基板部12Aを固定し仮り止めする機能も有する。
次に、例えばベアチップの駆動IC23が予め組み込まれている駆動回路基板部12Bを上記放熱基板11の凹陥部13b面上に両面テープ層14を介して載置し固着させる。そして、発熱素子アレイの全ての通電用電極を駆動IC23の出力側のボンディンブパッドに例えばAl線あるいはAu線から成るボンディングワイヤーWで電気接続する。また、駆動IC23の入力側のボンディンブパッドを駆動回路基板22の回路パターンにボンディングワイヤーWで電気接続する。最後に、周知の実装技術により駆動IC23およびボンディングワイヤーWを封止材24により気密封止する。このようにして、本実施形態のサーマルプリントヘッド10が出来上がる。
上述したように、粉体含有接着層14の母材をシリコーン樹脂とし、粉体25をアルミナ粒子とする場合、粉体25の含有量は1質量%〜10質量%が好ましい。これについて、図4を参照して説明する。図4に示すように、アルミナ粉末の粒子から成る粉体25の混合率を種々に変えたシリコーンゲル材15aを調製した。そして、これ等のシリコーンゲル材15aを用いて上述したように抵抗体基板部12Aの支持基板16を放熱基板11主面に貼着させてサーマルプリントヘッドを作製した。図4は、これ等のサーマルプリントヘッドの所定回数の使用後のヘッド面の傾斜である図1に示したような抵抗体基板傾きθ、接着層における剥離の有無、そして発熱部20の蓄熱効果についてその効果をまとめて示した表となっている。
図4に示すように、上記粉体混合率が0質量%すなわち粉体25を含有させない従来の技術の場合には、上述したプラテンローラの押圧により樹脂接着層が収縮する。そして、抵抗体基板傾きθは−0.4°程度になり、一部で剥離が生じ、上述したように印画の輝度ムラが発生する。これに対して、粉体混合率が1質量%以上になると、プラテンローラの押圧による粉体含有接着層15の収縮はなくなり、抵抗体基板傾きθは+0.1°以上となる。そして、粉体含有接着層15の剥離は全く発生せず、上述したような印画の輝度ムラも生じない。これは、粉体25が粉体含有接着層15の母材であるシリコーン樹脂より硬質であり、粉体含有接着層15の収縮を防止するからである。
しかし、粉体混合率が10質量%を超えて例えば20質量%になると、発熱部20における蓄熱が充分にできなくなる。これは、シリコーン樹脂の熱伝導率に対してアルミナセラミックスの熱伝導率が150〜200倍と非常に高いことから、アルミナの含有量が増加すると必要以上の放熱が生じ、発熱部20の蓄熱と放熱の均衡が崩れるようになるからである。ここで、シリコーン樹脂の熱伝導率は0.2W/m・K程度であるのに対して、アルミナセラミックのそれは30〜402W/m・Kである。
以上のことから、粉体含有接着層15がシリコーン樹脂を母材にし、アルミナセラミックスを粉体として含有する場合には、粉体25の含有量は1質量%〜10質量%が好適となる。
本実施形態のサーマルプリントヘッド10では、両面テープ層14と粉体含有接着層15を用いた上記貼着のハイブリッド構造に、ヘッドの支持基板106が放熱基板11主面に接着される。ここで、粉体含有接着層15は、例えばシリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂を母材とし、セラミックスあるいは珪酸ガラスの粉体を含有する。このために、長時間のサーマルプリントヘッドの使用においても、プラテンローラからの押圧力による粉体含有接着層15の収縮はなくなる。そして、抵抗体基板部12Aのヘッド面に傾斜が生じることはなく、放熱基板11と支持基板16の接着層での界面剥離が部分的に引き起こされることはなくヘッド内の温度分布が均一に保たれる。このようにして、印画の濃度ムラが生じてくるという従来の問題は解消する。
また、上述したように界面剥離が生じその領域で熱伝導が悪くなり、発熱部20の蓄熱性が必要以上に高くなってしまい、印画点の切れが劣化し、副走査方向での画質にじみが顕在化するということもなくなる。
このようにして、印画における高信頼性および高品位性を容易に確保でき、しかも高画質な画像形成および印画の高速動作を可能にするサーマルプリントヘッドを提供することができる。特に、本実施形態で説明したハイブリッド構造の貼着は、いわゆるニアエッジ構造のサーマルプリントヘッドにおいて効果的になる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
例えば、上記駆動回路基板部12Bは、抵抗体基板部12Aと同一の支持基板16上に形成する構造であってもよい。また、この駆動回路基板部12Bはサーマルプリントヘッドとは別のところに配置されても構わない。例えば、記録機器の制御装置に取り付けられて例えば駆動IC23の出力がフレキシブル配線板の回路配線を通って抵抗体基板部12Aに伝送されるようになっていてもよい。
また、発熱素子は、上記印画用の発熱素子アレイ以外の構造であってもよく、例えばリライタブル感熱記録媒体の画像消去、あるいは記録媒体に形成した画像のオーバーコート等に用いられる単一ヒータ構造になっていても構わない。
本発明の実施形態にかかるサーマルプリントヘッドを示す断面図。 本発明の実施形態における粉体含有接着層の一部拡大断面図。 本発明の実施形態における抵抗体基板部および駆動回路基板部を放熱基板に貼着する方法を示す断面図。 本発明の実施形態における粉体含有接着層の粉体含有量とその効果をまとめて示す表。 従来の技術にかかるサーマルプリントヘッドを示す断面図。
符号の説明
10…サーマルプリントヘッド,11…放熱基板,12A…抵抗体基板部,12B…駆動回路基板部,13a…溝部,13b…凹陥部,14…両面テープ層,15…粉体含有接着層,16…支持基板,17…グレーズ層,18…発熱抵抗体層,19a…第1の電極,19b…第2の電極,20…発熱部,21…保護膜,22…駆動回路基板,23…駆動IC,24…封止材,25…粉体,G…間隙,W… ボンディングワイヤー

Claims (4)

  1. 第1の面側に発熱素子の配置された基板が、放熱板上に載置され、前記第1の面と対向する第2の面の少なくとも前記発熱素子の下方領域で放熱性接着材を介在し、該放熱性接着材の存在しない領域で両面テープを介在して前記放熱板上に貼着してなるサーマルプリントヘッドにおいて、
    前記放熱性接着材は、樹脂を母材とし、セラミックスあるいは珪酸ガラスの粉体を含有していることを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  2. 前記粉体の粒径は、前記両面テープの厚さとほぼ同一になることを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
  3. 前記粉体はアルミナセラミックスの粒子から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のサーマルプリントヘッド。
  4. 前記放熱性接着材の母材である樹脂はシリコーン樹脂であり、前記アルミナセラミックスの粒子の含有量は、1質量%〜10質量%の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載のサーマルプリントヘッド。
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