JPH0939282A - サーマルヘッド及びサーマルヘッドの製造方法 - Google Patents

サーマルヘッド及びサーマルヘッドの製造方法

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JPH0939282A
JPH0939282A JP19324395A JP19324395A JPH0939282A JP H0939282 A JPH0939282 A JP H0939282A JP 19324395 A JP19324395 A JP 19324395A JP 19324395 A JP19324395 A JP 19324395A JP H0939282 A JPH0939282 A JP H0939282A
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substrate
layer
heating resistance
chamfered surface
insulating layer
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JP19324395A
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Mitsuharu Endo
光治 遠藤
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TEC CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発熱抵抗素子を配置した部位の保護層の凹みを
無くし、熱伝達効率を上げて常に良好な印刷を行う。 【解決手段】端部角を平面に面取りして面取り面32を
形成した金属からなる基板31と、この基板の平面上に
面取り面まで延出して形成した無機絶縁層33と、基板
の面取り面からこの基板の平面上に延出し、かつ、面取
り面からこの基板の端面下部に延出して形成した多数の
発熱抵抗素子を構成する発熱抵抗層34と、面取り面と
基板の平面との境界位置の発熱抵抗層の上からこの発熱
抵抗層が無くなって絶縁層のみとなる位置まで形成した
多数の個別電極を構成する個別電極層35と、発熱抵抗
層、個別電極層を被覆した保護膜41とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッド及
びサーマルヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にサーマルヘッドは感熱記録に用い
られるが、従来のサーマルヘッドは、図5に示すよう
に、例えばAl2 3 からなる絶縁基板1の端部角に第
1斜面2を形成すると共にこの第1斜面2よりも傾斜角
が大きい第2斜面3を形成し、第1斜面2上に発熱素子
4を配置している。また、絶縁基板1の上に発熱素子4
等に接続され引き出された各種電気信号を伝える導体5
を形成すると共に発熱素子5を駆動制御するICチップ
6を配置している。そして、導体5とICチップ6を金
ワイヤ7で接続し、ICチップ6、金ワイヤ7等をシリ
コーン樹脂からなる保護樹脂8で保護すると共に発熱素
子4及びこの発熱素子近傍の導体5を保護膜9で保護し
ている。
【0003】こうした構成のサーマルヘッド10をアル
ミニウムからなる放熱板11に固定し、この放熱板11
に保護樹脂8の上を覆うようにカバー12を固定してい
る。カバー12は感熱紙13の搬送ガイドも兼ねてい
る。そして、サーマルヘッド10の発熱素子5をプラテ
ンローラ14に対向して配置し、サーマルヘッド10と
プラテンローラ14との間を感熱紙13を通過させ、発
熱素子5の通電制御により感熱紙13に対して印字を行
うようになっている。
【0004】このような従来装置に使用するサーマルヘ
ッド10は、第1斜面2の精度が悪く、これを改善する
ため、及び密着性や保温性を向上させるために、実際に
はガラスなどからなるグレーズ層が必要になる。
【0005】すなわち、従来のサーマルヘッドは、図6
に示すように、絶縁基板21の端部角を面取りし、この
面取り面21aにガラスなどからなるグレーズ層22を
形成し、絶縁基板21の面及びグレーズ層22の上に発
熱抵抗層23を形成し、この発熱抵抗層23の上に個別
電極層24とコモン電極層25をグレーズ層22の上に
位置する部位を開けて形成している。グレーズ層22の
上に位置する発熱抵抗層23で多数の発熱素子を構成
し、この各発熱素子の一端に個別電極層24からなる各
個別電極を個々に接続すると共にこの各発熱素子の他端
にコモン電極層25からなるコモン電極を接続してい
る。コモン電極層25のみでは電流容量が小さいので、
このコモン電極層25の上にAU 等のコモン電極強化膜
26を形成している。そして、発熱抵抗層23、個別電
極層24、コモン電極層25及びコモン電極強化膜26
の露出部を保護するように保護膜27を形成している。
【0006】また、図7に示すように、絶縁基板21の
端部角を面取りし、絶縁基板21の面全体にガラスなど
からなる薄いグレーズ層28を形成し、このグレーズ層
28の上に発熱抵抗層23を形成し、この発熱抵抗層2
3の上に個別電極層24とコモン電極層25を面取り面
21aの略中央部を開けて形成している。面取り面21
aの略中央部に位置する発熱抵抗層23で多数の発熱素
子を構成し、この各発熱素子の一端に個別電極層24か
らなる各個別電極を個々に接続すると共にこの各発熱素
子の他端にコモン電極層25からなるコモン電極を接続
している。コモン電極層25のみでは電流容量が小さい
ので、このコモン電極層25の上にAU等のコモン電極
強化膜26を形成している。そして、発熱抵抗層23、
個別電極層24、コモン電極層25及びコモン電極強化
膜26の露出部を保護するように保護膜27を形成して
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のサーマルヘッドは、個別電極層24とコモン電極層
25との間の発熱抵抗層23の上に位置する保護膜27
に約1μm程度の凹み29ができ、この凹み29による
エアギャップにより感熱紙やインクリボンとの十分な接
触ができず、このため熱伝達効率が低下して印刷不良を
招くという問題があった。
【0008】また、図8の(a) に示すようにプラテン3
0の周面はサーマルヘッドの発熱素子部に対して平面の
ようなものであるが、図8の(b) に示すように、個別電
極層24とコモン電極層25の形成位置が10〜30μ
m程度ずれて凹み29の位置がずれることがあると、ヘ
ッド当たりが悪くなってドット抜けが生じたり、逆転写
(本来ドット印字しない部分にドット印字が行われ
る。)が生じ、印刷不良を招くという問題があった。
【0009】そこで、請求項1対応の発明は、発熱抵抗
素子を配置した部位の上の保護層に凹みが生じることが
なく、従って、熱伝達効率が低下したり、ヘッド当たり
が悪くなることがなく、常に良好な印刷ができるサーマ
ルヘッドを提供する。
【0010】また、請求項2対応の発明は、発熱抵抗素
子を配置した部位の上の保護層に凹みが生じることがな
く、従って、熱伝達効率が低下したり、ヘッド当たりが
悪くなることがなく、常に良好な印刷ができ、しかも発
熱抵抗素子とコモン電極との接続状態を良好にできるサ
ーマルヘッドを提供する。
【0011】さらに、請求項3対応の発明は、発熱抵抗
素子を配置した部位の上の保護層に凹みが生じることが
なく、従って、熱伝達効率が低下したり、ヘッド当たり
が悪くなることがなく、常に良好な印刷ができ、しかも
発熱抵抗素子とコモン電極との接続状態を良好にできる
サーマルヘッドの製造方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1対応の発明は、
端部角を平面又は曲面にて面取りして面取り面を形成し
た比較的高い電気導電性を有する平坦な基板と、この基
板の平面上に面取り面まで延出して形成した絶縁層と、
面取り面上の絶縁層の上に基板の幅方向に沿って配置す
ると共に一端が基板と電気的に接続した多数の発熱抵抗
素子と、この各発熱抵抗素子の他端に面取り面から外れ
た位置にて個々に接続するように配置した複数の個別電
極と、少なくとも各発熱抵抗素子と基板との電気的接続
部、各個別電極及び各発熱抵抗素子の上に形成した保護
層とからなり、基板をコモン電極として使用するサーマ
ルヘッドにある。
【0013】請求項2対応の発明は、端部角を平面又は
曲面にて面取りして面取り面を形成した比較的高い電気
導電性を有する平坦な基板と、この基板の平面上に面取
り面まで延出して形成した絶縁層と、基板の絶縁層形成
部位を除く端面に形成した比較的高い電気導電性を有す
るコンタクト層と、面取り面上の絶縁層の上に基板の幅
方向に沿って配置すると共に一端がコンタク層と電気的
に接続した多数の発熱抵抗素子と、この各発熱抵抗素子
の他端に面取り面から外れた位置にて個々に接続するよ
うに配置した複数の個別電極と、少なくとも各発熱抵抗
素子とコンタク層との電気的接続部、各個別電極及び各
発熱抵抗素子の上に形成した保護層とからなり、基板を
コモン電極として使用するサーマルヘッドにある。
【0014】請求項3対応の発明は、比較的高い電気導
電性を有する平坦な基板の端部角を平面又は曲面にて面
取りして面取り面を形成し、続いて、基板の平面上に面
取り面まで延出して絶縁層を形成すると共に、絶縁層形
成部位を除く基板の端面に比較的高い電気導電性を有す
るコンタクト層を形成し、続いて、絶縁層及びコンタク
ト層の上に発熱抵抗層を形成すると共に面取り面に位置
する発熱抵抗層の部位を除く発熱抵抗層の上に電極層を
形成し、続いて、面取り面に位置する発熱抵抗層をエッ
チングして基板の幅方向に沿って多数の発熱抵抗素子を
形成すると共に電極層をエッチングして各発熱抵抗素子
と電気的に接続する個別電極を形成し、続いて、各発熱
抵抗素子とコンタク層との電気的接続部、各個別電極及
び各発熱抵抗素子の上に保護層を形成したサーマルヘッ
ドの製造方法にある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 (第1の実施形態)図1にサーマルヘッドの要部断面図
を示すように、金属などの比較的高い電気導電性を有す
る平坦な基板31の端部角を45度の角度で平面状に面
取りし、この基板31の上面である平面上に、面取り面
32まで延出して例えば無機絶縁層33を形成してい
る。この無機絶縁層33は、スパッタなどの膜形成プロ
セスにより形成し、その後エッチングプロセス等により
面取り面32の途中まで覆うように形成する。また、前
記無機絶縁層33は、薄膜プロセスで成膜できる材料で
あり、薄くでき、精度向上と共に熱容量が小さく、高速
印刷が可能である。
【0016】前記基板31の面取り面32からこの基板
31の平面上に延出し、かつ、この面取り面32からこ
の基板31の端面下部に延出して発熱抵抗層34を形成
している。そして、前記面取り面32と基板31の平面
との境界位置の前記発熱抵抗層34の上からこの発熱抵
抗層34が無くなって絶縁層33のみとなる位置まで個
別電極層35を形成している。前記面取り面32の上に
位置する発熱抵抗層34より基板31の幅方向に沿って
配置した多数の発熱抵抗素子を形成している。また、前
記個別電極層35により、前記各発熱抵抗素子と個々に
接続した発熱抵抗素子数と同数の個別電極を形成してい
る。
【0017】前記基板31の平面上にある絶縁層33の
上に、前記個別電極層35から所定距離離して各発熱抵
抗素子を駆動制御するICチップ36を配置し、さらに
このICチップ36から所定距離離して回路パターン3
7を配置している。そして、各個別電極とICチップ3
6を金ワイヤ38で電気的に接続し、また前記ICチッ
プ36と回路パターン37を金ワイヤ39で電気的に接
続している。前記ICチップ36、各金ワイヤ38,3
9を封止樹脂40で被覆して封止すると共に前記発熱抵
抗層34、個別電極層35を保護膜41で被覆して保護
している。
【0018】次に前記基板31の製造方法について述べ
る。金属などの比較的高い電気導電性を有する平坦な材
料、例えば、Al、SUS、Fe−Ni合金、Mo、S
iなどの材料を図2の(a) 、(b) 、(c) 、(d) に点線で
示すように加工して面取り面を形成する。この面取り面
は発熱体形成面となるため研磨して仕上げる。すなわ
ち、面取り面は平面であっても曲面であってもよい。こ
の実施形態では平面としている。
【0019】図2の(d) に示す場合は極めて浅い溝とな
っているが、例えば、300dpiの発熱抵抗素子は長
さが85〜140μm位なので溝の深さとしては100
μm程度でよい。400dpiや600dpiなどの高
解像度のものでは溝はもっと浅くてもよい。この程度の
加工であれば、エッチング、プレス加工、鋳造加工、切
削加工、研磨加工などにより容易に精度を向上すること
ができる。また、基板31の厚さは通常1mm程度であ
り、図2の(c) の場合には曲げ加工も有効である。ま
た、基板として厚さが0.1mm程度のものも可能であ
る。
【0020】基板としては金属の他に半導体や他の合金
で構成することもでき、また、磁性体の場合はチャッキ
ングが容易なことにより加工方法の選択の幅も広い。次
に基板31上に薄膜パターンを形成するプロセスについ
て説明する。
【0021】先ず、基板31のパターン形成面にスパッ
タリング法、蒸着法、CVD法等の薄膜プロセスで無機
絶縁層33を成膜する。この無機絶縁層33としては、
例えば、SiO2 層を5〜20μmの厚さに成膜して形
成する。なお、他の材料としてはSiNX が好適であ
る。これらの材料はドライエッチング等で所定のパター
ンに形成しやすく、また、スパッタリング法、蒸着法、
CVD法等で精度よく容易に形成しやすい特徴を有して
いる。この場合、金属基板41として通常の圧延材を使
用することにより、パターン形成面が所定の平坦度に加
工されており、薄膜形成には好適である。
【0022】無機絶縁層33の最適な厚さは、材質の熱
的特性(比熱、密度、熱伝導率、熱膨張率等)に依存す
るが、また、発熱抵抗素子を発熱駆動する条件にも依存
する。より高速の印字を実現するためには、できる限り
無機絶縁層33の熱容量を小さくし、かつ駆動条件とし
て短パルスで発熱抵抗素子に電力を印加することが好ま
しい。
【0023】次にマスクパターンを用いたドライエッチ
ング等により精度良く面取り面左端部分の無機絶縁層3
3を除去する。そして、その上に発熱抵抗層34を成膜
する。発熱抵抗層43としては、例えばBaRuO3
をスパッタリング法で0.1μmの厚さに成膜する。
【0024】その後、安定化のために熱処理を行ってか
ら、その上に個別電極層35を成膜する。個別電極層3
5としては、例えばAl層を1μmの厚さに成膜する。
次にフォトエッチングプロセスにより、所定のパターン
を形成する。すなわち、個別電極層35から多数の個別
電極を形成し、発熱抵抗層34から多数の発熱抵抗素子
を形成する。これにより、基板31の面取り面32の上
に基板31の幅方向に沿って多数の発熱抵抗素子が形成
され、この各発熱抵抗素子の一端が基板31と電気的に
接続し、他端が個々に個別電極と接続するようになる。
【0025】次に個別電極層35及び発熱抵抗層34の
上に保護膜41を形成すると共に前記ICチップ36、
各金ワイヤ38,39の上に封止樹脂40を被覆する。
前記保護膜41は、例えばムライト層を2〜4μmの厚
さに成膜した上にSiC層を3〜6μmの厚さに成膜し
て形成する。SiC層は熱伝導性もよく、また、耐磨耗
性も極めて良好であり保護層として好適した材料であ
る。また、ムライト層はSiC層をアシストする効果が
大きい。SiC層単独では、印字中にクラック等が生じ
やすく寿命の点で問題が生じるが、ムライト層と組み合
わせることでクラック等の発生の問題が解決でき、長寿
命化を図ることができる。また、ムライト層は熱伝導性
の良好なアルミナ成分の含有量が多いことから熱特性も
良好である。
【0026】こうして形成したサーマルヘッドの寸法関
係の一例を述べると、図3に示すように、発熱抵抗素子
を形成する面取り面32の上の幅aは300dpiで8
5μm程度、発熱抵抗層34が面取り面32で基板31
と接触する幅bは50μm以下、無機絶縁層33の厚さ
cは5〜20μm、発熱抵抗素子を形成する面取り面3
2の上の保護膜41の厚さdは5〜10μm、面取り面
32の角から個別電極層35の端面までの距離eは10
μm以下となる。
【0027】このような構成においては、基板31の面
取り面32の加工精度を向上でき、面取り面32の幅が
たとえ0.1mm程度であっても発熱抵抗素子の形成が
可能となる。また、基板31をコモン電極として利用し
ているので、従来のようなコモン電極強化膜が不要であ
り、製造が容易になると共にコスト低下を図ることがで
きる。また、コモン電極強化膜が不要なこと、個別電極
層35が面取り面32の上に直接位置していないので、
面取り面32上に形成した発熱抵抗層34の上に凹みが
生じることはなく、従って、印刷時に感熱紙やインクリ
ボンとの接触がよく、ヘッド加重の低減化を図ることが
できると共に熱伝達効率の向上を図ることができる。こ
れにより、消費エネルギーを低減でき、常に高画質の良
好な印刷ができる。
【0028】また、前記無機絶縁層33は、薄膜プロセ
スで成膜できる材料であり、薄くでき、精度向上と共に
熱容量が小さく、高速印刷が可能である。また、基板3
1の端部角の面取り面32上に発熱抵抗素子を形成して
いるので、記録媒体のストレートパス印字が可能とな
り、例えばプラスチックカードのような曲げることがで
きない媒体の上にも印刷が可能となる。また、インクリ
ボンを使用した熱溶融転写プリンタにおいては、高速印
刷時にインクが半溶融状態で転写する、いわゆる熱時剥
離を行う場合があり、このときにはインク剥離は発熱抵
抗素子により近い部分で剥離するが、この部分の形状精
度や位置精度はインク転写状態に大きく影響し、高速印
刷時の高画質化にはこの剥離部分の精度向上は不可欠と
なる。この部分は保護膜41のエッジになるが、基板3
1の精度がよいので、この剥離部の精度もよく、インク
リボンを使用した熱溶融転写の高速印刷を行っても高画
質印刷が実現できる。
【0029】(第2の実施形態)なお、前述した実施形
態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省
略する。図4に示すように、発熱抵抗層34が面取り面
32で基板31と接触する部位にCrやTiなど比較的
高い電気導電性を有するコンタクト層42を形成し、こ
のコンタクト層42を介して発熱抵抗層34が基板31
と電気的に接続するようにしている。前記コンタクト層
42は、発熱抵抗層34と基板31との相性が悪い場合
に極めて有効である。すなわち、コンタクト層42によ
り発熱抵抗層34は基板31に対して電気的に良好に接
触することになる。
【0030】次に基板31上に薄膜パターンを形成する
プロセスについて説明する。
【0031】先ず、基板31のパターン形成面にスパッ
タリング法、蒸着法、CVD法等の薄膜プロセスで無機
絶縁層33を成膜する。これは第1の実施形態の場合と
同様である。
【0032】次にドライエッチング等により不要部分を
除去する。そして、面取り面32に位置する無機絶縁層
33の端部から基板31の端面にわたってコンタクト層
42を成膜により形成し、ドライエッチング等により不
要部分を除去する。そして、その上に発熱抵抗層34を
成膜する。
【0033】以下も第1の実施形態の場合と同様であ
る。すなわち、発熱抵抗層34の上に個別電極層35を
成膜してから、フォトエッチングプロセスにより、多数
の個別電極及び多数の発熱抵抗素子を形成し、個別電極
層35及び発熱抵抗層34の上に保護膜41を形成する
と共に前記ICチップ36、各金ワイヤ38,39の上
に封止樹脂40を被覆する。
【0034】なお、この実施形態においても前述した実
施形態と同様の効果が得られるのは勿論である。
【0035】なお、各実施形態では絶縁膜として無機絶
縁膜を使用したが必ずしもこれに限定するものではな
く、ポリイミドなどの有機絶縁膜を使用してもよい。有
機絶縁膜を使用する場合はディッピングなどのコーティ
ング方法を使用して形成してもよい。
【0036】
【発明の効果】以上、請求項1対応の発明によれば、発
熱抵抗素子を配置した部位の上の保護層に凹みが生じる
ことがなく、従って、熱伝達効率が低下したり、ヘッド
当たりが悪くなることがなく、常に良好な印刷ができる
サーマルヘッドを提供できる。
【0037】また、請求項2対応の発明によれば、発熱
抵抗素子を配置した部位の上の保護層に凹みが生じるこ
とがなく、従って、熱伝達効率が低下したり、ヘッド当
たりが悪くなることがなく、常に良好な印刷ができ、し
かも発熱抵抗素子とコモン電極との接続状態を良好にで
きるサーマルヘッドを提供できる。
【0038】さらに、請求項3対応の発明によれば、発
熱抵抗素子を配置した部位の上の保護層に凹みが生じる
ことがなく、従って、熱伝達効率が低下したり、ヘッド
当たりが悪くなることがなく、常に良好な印刷ができ、
しかも発熱抵抗素子とコモン電極との接続状態を良好に
でき、かつ精度の良いサーマルヘッドの製造方法を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すサーマルヘッド
の要部断面図。
【図2】同実施例の基板の製造方法を説明するための
図。
【図3】同実施例の要部の部分拡大断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態を示すサーマルヘッド
の要部断面図。
【図5】従来例を示す断面図。
【図6】他の従来例を示す要部断面図。
【図7】他の従来例を示す要部断面図。
【図8】従来の課題を説明するための断面図。
【符号の説明】
31…基板 32…面取り面 33…無機絶縁層 34…発熱抵抗層(発熱抵抗素子) 35…個別電極層 41…保護層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部角を平面又は曲面にて面取りして面
    取り面を形成した比較的高い電気導電性を有する平坦な
    基板と、この基板の平面上に前記面取り面まで延出して
    形成した絶縁層と、前記面取り面上の絶縁層の上に前記
    基板の幅方向に沿って配置すると共に一端が前記基板と
    電気的に接続した多数の発熱抵抗素子と、この各発熱抵
    抗素子の他端に前記面取り面から外れた位置にて個々に
    接続するように配置した複数の個別電極と、少なくとも
    前記各発熱抵抗素子と基板との電気的接続部、前記各個
    別電極及び前記各発熱抵抗素子の上に形成した保護層と
    からなり、前記基板をコモン電極として使用することを
    特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】 端部角を平面又は曲面にて面取りして面
    取り面を形成した比較的高い電気導電性を有する平坦な
    基板と、この基板の平面上に前記面取り面まで延出して
    形成した絶縁層と、前記基板の前記絶縁層形成部位を除
    く端面に形成した比較的高い電気導電性を有するコンタ
    クト層と、前記面取り面上の絶縁層の上に前記基板の幅
    方向に沿って配置すると共に一端が前記コンタク層と電
    気的に接続した多数の発熱抵抗素子と、この各発熱抵抗
    素子の他端に前記面取り面から外れた位置にて個々に接
    続するように配置した複数の個別電極と、少なくとも前
    記各発熱抵抗素子とコンタク層との電気的接続部、前記
    各個別電極及び前記各発熱抵抗素子の上に形成した保護
    層とからなり、前記基板をコモン電極として使用するこ
    とを特徴とするサーマルヘッド。
  3. 【請求項3】 比較的高い電気導電性を有する平坦な基
    板の端部角を平面又は曲面にて面取りして面取り面を形
    成し、続いて、前記基板の平面上に前記面取り面まで延
    出して絶縁層を形成すると共に、絶縁層形成部位を除く
    前記基板の端面に比較的高い電気導電性を有するコンタ
    クト層を形成し、続いて、前記絶縁層及びコンタクト層
    の上に発熱抵抗層を形成すると共に前記面取り面に位置
    する発熱抵抗層の部位を除く発熱抵抗層の上に電極層を
    形成し、続いて、前記面取り面に位置する発熱抵抗層を
    エッチングして前記基板の幅方向に沿って多数の発熱抵
    抗素子を形成すると共に前記電極層をエッチングして前
    記各発熱抵抗素子と電気的に接続する個別電極を形成
    し、続いて、前記各発熱抵抗素子とコンタク層との電気
    的接続部、前記各個別電極及び前記各発熱抵抗素子の上
    に保護層を形成したことを特徴とするサーマルヘッドの
    製造方法。
JP19324395A 1995-07-28 1995-07-28 サーマルヘッド及びサーマルヘッドの製造方法 Pending JPH0939282A (ja)

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