JP2003054020A - サーマルヘッド及びその製造方法 - Google Patents

サーマルヘッド及びその製造方法

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JP2003054020A
JP2003054020A JP2001241966A JP2001241966A JP2003054020A JP 2003054020 A JP2003054020 A JP 2003054020A JP 2001241966 A JP2001241966 A JP 2001241966A JP 2001241966 A JP2001241966 A JP 2001241966A JP 2003054020 A JP2003054020 A JP 2003054020A
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heat insulating
insulating layer
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heat
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JP2001241966A
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Kyoji Shirakawa
享志 白川
Hisafumi Nakatani
壽文 中谷
Satoru Sasaki
悟 佐々木
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、熱伝導率の小さい保温層を多層に
形成して、熱容量が小さくて熱応答性が良く、高速印
刷、あるいは高印刷品質が実現できると共に、省電力化
が可能なサーマルヘッド、及びその製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 本発明のサーマルヘッドは、放熱性基板
11の上面に遷移金属からなる犠牲層Aを形成し、犠牲
層Aを含むグレーズ平滑層12の上面にサーメット、ま
たはセラミック材料からなるブリッジ層13を積層形成
し、このブリッジ層13とグレーズ平滑層12との間に
空洞保温層14を形成し、この空洞保温層14のスリッ
ト部Bを含むブリッジ層13の上面に有機保温層15を
形成し、この有機保温層15の上面に、有機保温層1
5、無機保護層16及びアンダーコート層17を介し
て、スリット部Bとスリット部Bの間の空洞保温層14
上に発熱抵抗体18を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルプリンタ
に使用されるサーマルヘッドに及びその製造方法に係わ
り、特に省電力なサーマルヘッド及びその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のサーマルヘッドは、一般に、図8
に示すように、アルミナ等からなる放熱性基板1の端部
上面の前面、または部分的に、グレーズ保温層2が略8
0μmの厚みに形成されている。前記グレーズ保温層2
の表面には、2〜10μmの高さの凸条部2aがフォト
リソ技術により形成されている。また、凸条部2aを含
むグレーズ保温層2の上面には、Ta−NやTa−Si
O2等からなる発熱抵抗体3がスパッタリング等により
積層され、その後、フォトリソ技術により発熱抵抗体3
のパターンが形成されている。
【0003】また、発熱抵抗体3の上面には、発熱抵抗
体3に電力エネルギーを供給するための共通給電体4及
び個別給電体5が、Al、Cu、Au等のスパッタリン
グ及びフォトリソ技術により積層形成されている。前記
発熱抵抗体3は、それぞれの給電体4、5に挟まれた間
に、ドット状に整列された複数個の発熱素子3aが形成
されている。
【0004】また、発熱抵抗体3や各各給電体4、5の
上面であって、外部回路への接続端子や、ドライバIC
等を実装するためのパッド部(図示せず)を除いた位置
には、発熱抵抗体3、及び各給電体4、5の酸化や摩耗
を防止するため保護層6が形成されている。この保護層
6は、耐酸化性及び耐摩耗性に優れたSi−O−Nや、
SiAlON等の硬質セラミックからなり、放熱性基板
1、グレーズ保温層2、発熱抵抗体3、各給電体4、5
の表面に、5〜10μmの厚みでスパッタリング等によ
り被覆形成されている。
【0005】そして、端子メッキ処理等の後工程の後
に、放熱性基板1をダイシングして形成した、ブロック
(チップ)状のサーマルヘッド基板(図示せず)に、ド
ライバICを実装(図示せず)して、従来のサーマルヘ
ッドが製造されている。
【0006】前述のような従来のサーマルヘッドを搭載
したサーマルプリンタにおいては、まず、印刷情報に基
づいて、サーマルヘッドに選択的に通電することによ
り、発熱素子3aがジュール熱を発生する。そして、保
護層6の表面に密着した感熱紙、あるいは熱転写インク
リボン等(図示せず)を加熱することにより、感熱紙の
発色、または普通紙からなる記録紙へのインク転写が行
われて、文字や画像等を用紙に印刷可能になっている。
このようなサーマルプリンタは、近年バッテリ駆動タイ
プで、容易に持ち運び可能な携帯性のあるもののニーズ
が高まっている。
【0007】そして、サーマルプリンタにおいて、最も
消費電力が大きい部品は、多数の発熱素子3aを有する
サーマルヘッドであり、サーマルプリンタのバッテリー
駆動を実現するために、サーマルヘッドに対して省電力
化の要求が強かった。そのために、従来のサーマルヘッ
ドの省電力化の方法として、グレーズ保温層2の膜厚を
厚く形成して、蓄熱を大きくすることが一般的に行われ
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のサーマ
ルヘッドは、グレーズ保温層2の膜厚を単に厚くするだ
けでは、グレーズ保温層2の熱容量が著しく大きくな
り、発熱素子3aの冷却速度が遅くなって、発熱素子3
aの熱応答性が劣る問題があった。このような発熱素子
3aの熱応答性が劣ると、単発パルスと連続パルス通電
時における発熱素子3aの発熱温度の差異が大きくなっ
て、発熱素子3aの熱制御が困難となる。そのために、
用紙に印刷する文字等の画像に印刷ムラが発生したり、
あるいは、高速印刷では、印刷ムラだけでなく放熱不足
による印刷の尾引き現象等の不具合が発生して、印刷品
質が劣化するおそれがあった。本発明は前述したような
問題点に鑑みてなされたもので、従来のグレーズ保温層
よりも熱伝導率の小さい保温層を多層に形成して、熱容
量が小さくて熱応答性が良く、高速印刷、あるいは高印
刷品質が実現できると共に、省電力化が可能なサーマル
ヘッド、及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の解決手段として本発明のサーマルヘッドは、放
熱性基板の上面に形成したグレーズ平滑層と、このグレ
ーズ平滑層の上面に設けた複数の発熱抵抗体と給電体と
により整列形成した発熱素子と、少なくとも前記発熱素
子の上面を被覆する保護層とを備え、前記放熱性基板
は、グレーズ度アルミナ基板からなり、前記グレーズ平
滑層の上面にサーメット、またはセラミック材料からな
るブリッジ層を積層し、このブリッジ層と前記グレーズ
平滑層との間に空洞状の空洞保温層を形成し、この空洞
保温層上の前記ブリッジ層には前記空洞保温層を露出す
る複数のスリット部を形成し、このスリット部を含む前
記ブリッジ層の上面に低熱伝導性の有機保温層を積層
し、この有機保温層の上面に、低熱伝導性のセラミック
材料からなる無機保温層を積層し、この無機保温層の上
面に絶縁性セラミック材料からなるアンダーコート層を
積層し、前記発熱素子は、前記ブリッジ層、前記有機保
温層、前記無機保温層及び前記アンダーコート層を介し
て、前記スリット部とスリット部の間の前記空洞保温層
上に形成した構成とした。
【0010】また、前記課題を解決するための第2の解
決手段として、前記空洞保温層は、前記スリット部を前
記有機保温層で塞いで空洞内部を密閉状態とし、少なく
とも前記空洞保温層、前記有機保温層、及び前記無機保
温層により、低熱伝導性の保温層を多層形成した構成と
した。
【0011】また、前記課題を解決するための第3の解
決手段として、前記多層構成のそれぞれの保温層は、前
記発熱素子側から前記放熱性基板側に向かって、熱伝導
率が順次小さくなるように積層形成した構成とした。
【0012】また、前記課題を解決するための第4の解
決手段として、前記有機保温層は、低熱伝導性のポリイ
ミド樹脂からなる構成とした。
【0013】また、前記課題を解決するための第5の解
決手段として、前記無機保温層は、シリコンと遷移金属
と酸素、または窒素を主成分とした、低熱伝導性の黒色
多元セラミック膜からなる構成とした。
【0014】また、前記課題を解決するための第6の解
決手段として、本発明のサーマルヘッドの製造方法は、
放熱性基板の上面にグレーズ平滑層を形成し、このグレ
ーズ平滑層の上面に金属からなる犠牲層を積層形成し、
この犠牲層を含む前記グレーズ平滑層の上面にサーメッ
ト、またはセラミック材料からなるブリッジ層を積層
し、前記犠牲層上の前記ブリッジ層に、フォトリソ技術
により前記犠牲層を部分的に露出する複数のスリット部
を形成し、このスリット部から前記犠牲層をエッチング
除去して前記グレーズ平滑層と前記ブリッジ層の間に、
空洞状の空洞保温層を形成し、この空洞保温層の前記ブ
リッジ層と前記スリット部の上面に、低熱伝導性の有機
保温層を積層し、この有機保温層の上面に、低熱伝導性
のセラミック材料からなる無機保護層を積層し、この無
機保温層の上面に絶縁性セラミック材料からなるアンダ
ーコート層を積層し、前記ブリッジ層、前記有機保温
層、前記無機保温層及び前記アンダーコート層を介し
て、前記スリット部とスリット部の間の前記空洞保温層
上に前記発熱抵抗体を形成した方法とした。
【0015】また、前記課題を解決するための第7の解
決手段として、前記有機保温層は、真空蒸着重合法によ
り前記スリット部を含む前記ブリッジ層の上面に積層形
成し、前記スリット部を前記有機保温層で塞いで、前記
空洞保温層を密閉状態に形成した方法とした。
【0016】また、前記課題を解決するための第8の解
決手段として、前記真空蒸着重合法により前記有機保温
層を形成時に、前記スリット部から前記空洞保温層内に
侵入した前記有機保温層が、前記空洞保温層上の前記ブ
リッジ層を支持するような方法とした。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のサーマルヘッド
及びその製造方法を図面に基づいて説明する。図1は本
発明に関するサーマルヘッドの要部断面図であり、図2
は本発明のその他の実施の形態の要部断面図であり、図
3は図1の3−3断面図であり、図4、5は本発明に係
わるスリット部及び犠牲層を説明する図であり、図6、
7は本発明に係わる空洞保温層の製造を説明する図であ
る。
【0018】まず、本発明のサーマルヘッドは、図1に
示すように、グレーズドアルミナ基板からなる放熱性基
板11の上面に、放熱性基板11の端部に沿ってグレー
ズ平滑層12が形成されている。前記グレーズ平滑層1
2の上面には、サーメット、またはセラミック材料等の
低熱伝導性の無機材料からなるブリッジ層13が、スパ
ッタ蒸着法等により、0.5〜1μmの厚みで形成され
ている。また、グレーズ平滑層12の上面とブリッジ層
13との間には、後述する犠牲層Aを溶解解除して、所
定の幅寸法で隙間が0.1〜1μmの空洞保温層14が
形成されている。この空洞保温層14が形成された部分
のブリッジ層13には、図4、5に示すような複数のス
リット部Bが所定のピッチ寸法で形成され、後述する犠
牲層Aが溶解解除されて、スリット部Bから空洞保温層
14内が露出している。
【0019】また、スリット部Bを含むブリッジ層13
の上面には、低熱伝導性のポリイミド樹脂からなる有機
保温層15が、真空蒸着重合法により、厚みが10〜3
0μmに蒸着形成されている。前記有機保温層15は、
真空状態のチャンバー(図示せず)内で蒸着形成される
ので、図3に示すように、有機保温層15によりスリッ
ト部Bが塞がれて、空洞保温層14が密閉された空隙に
形成されている。そのために、空洞保温層14を低熱伝
導性とすることができる。
【0020】また、真空蒸着重合法により有機保温層1
5を形成時に、図3に示すように、スリット部Bから空
洞保温層14内に侵入した有機保温層15が、空洞保温
層14上のブリッジ層13を支持するようになってい
る。そのために、ブリッジ層13は、有機保温層15を
介してグレーズ平滑層12に支持固定されるので、ブリ
ッジ層13の上方から荷重が加わったとしても、空洞保
温層14が変形したりすることがない。
【0021】また、有機保温層15の上面には、シリコ
ンと遷移金属と酸素、または窒素化合物の、黒色多元セ
ラミック膜からなり、熱伝導率が0.9W/m・kと低
熱伝導率の無機保温層16が、反応性スパッタ蒸着法に
より、厚みが5〜15μmに積層形成されている。即
ち、本発明のサーマルヘッドは、グレーズグレーズ平滑
層12の上面に、空洞保温層14、有機保温層15、無
機保温層16と、低熱伝導性の保温層が多層に形成され
ている。
【0022】また、無機保温層16の上面には、無機保
温層16を保護するための、SiO2、Al2O3等か
らなるアンダーコート層17が形成され、このアンダー
コート層17の上面には、Ta−SiO2等からなる、
高融点金属サーメットの発熱抵抗体18が積層形成され
ている。前記発熱抵抗体18の上面には、Al、Cu、
Au等からなる共通給電体19a、及び個別給電体19
bが積層形成されている。そして、共通給電体19a、
個別給電体19bに挟まれた発熱抵抗体18には、ドッ
ト状の発熱素子18aが形成されている。この発熱素子
18aは、図3に示すように、有機保温層15、無機保
温層16、及びアンダーコート層17を介して、スリッ
ト部Bとスリット部Bとの間の空洞保温層14の上部に
形成されている。また、発熱抵抗体18及び、各給電体
19a、19bのそれぞれの上面には、Si−O−Nや
Si−Al−O−N等の酸化や摩耗を防止するための保
護層20が積層形成されて、本発明のサーマルヘッドが
構成されている。
【0023】また、本発明のその他の実施の形態のサー
マルヘッドとして、図2に示すように、放熱性基板21
は、金属、シリコン、窒化アルミ、ガラス等のグレーズ
以外の材料からなり、放熱性基板21の上面にフォトリ
ソ技術やプレス技術等により、凸条部21aを一体に形
成している。そして、凸条部21a上に、本発明のサー
マルヘッドと同じ、ブリッジ層13、空洞保温層14等
を積層形成するようにしたものでも良い。
【0024】前述したような、本発明のサーマルヘッド
の製造方法を、空洞保温層14の製造を中心に説明する
と、まず、真空蒸着重合装置(図示せず)の真空雰囲気
のチャンバー内において、放熱性基板11に形成したグ
レーズ平滑層12の上に、図4に示すように、易選択エ
ッチング性を有する犠牲層Aを、スパッタリング等によ
り、0.1〜1μmの厚みでストライプ状のパターンを
積層形成する。次に、犠牲層Aを含むグレーズ平滑層1
2の上面に、ブリッジ層13をスパッタリング等によ
り、0.5〜1μmの厚みに積層形成し、フォトリソ技
術により、犠牲層A上のパターン上に、図5、6に示す
ような所定のピッチ寸法で、フォトリソ技術によって、
複数のスリット部Bを形成し、このスリット部Bから下
地の犠牲層Aを露出させる。前記スリット部は、後工程
で整列形成される複数の発熱素子18aと発熱素子18
aの間に形成されるようになっている。
【0025】次に、スリット部Bの部分から、選択性の
エッチング液を注入することにより、下地の犠牲層Aが
溶解除去される。すると、図7に示すように、犠牲層A
を形成していた部分のグレーズ平滑層12上面と、ブリ
ッジ層13と間に、0.1〜1μmのギャップの空洞保
温層14が形成される。次に、スリット部Bを含むブリ
ッジ層13の上面に、ポリイミド樹脂からなる有機保温
層15を真空重合蒸着法等により積層する。この時、有
機保温層15がスリット部Bから空洞保温層14に入り
込んで、図3に示すように成膜される。このようなスリ
ット部Bから空洞保温層14に入り込んだ有機保温層1
5により、ブリッジ層13の機械的な支持体となり、空
隙に形成された空洞保温層14上のブリッジ層13の機
械的強度を向上させることができる。
【0026】そのために、空隙の空洞保温層14があっ
ても、ブリッジ層13により、印刷時に発熱素子18a
に加わる繰り返しの剪断応力に耐えて、機械的強度を発
揮することができる。更にスリット部Bは、有機保温層
15で塞がれて、空洞保温層14内が密閉された空隙に
形成されるため、良好な断熱性を発揮して、本発明のサ
ーマルヘッドの省電力に大きく寄与することができる。
また、ブリッジ層13の機械的強度が向上することによ
り、上部の有機保温層15、無機保温層16の膜厚を薄
くすることができ、有機保温層15、無機保温層16の
熱容量(蓄熱)を更に小さくすることができ、更に大き
な省電力化が可能となる。
【0027】また、少なくとも空洞保温層14、有機保
温層15、無機保温層16により、低熱伝導性の保温層
が多層に形成されているので、熱容量(蓄熱)を増大さ
せずに高断熱性が実現できるため、発熱素子18aの熱
応答性に優れている。前記多層に形成されたそれぞれの
保温層14、15、16は、発熱素子18a側から放熱
性基板11側に向かって、熱伝導率が順次小さくなるよ
うに積層されている。そのために、発熱素子18aが発
生する熱の、放熱性基板11方向への放熱が著しく少な
くすることができ、少ない電力エネルギーの印加で、所
望の発熱素子の表面温度が得られるようになり、省電力
化が可能なサーマルヘッドとすることができる。
【0028】次に、無機保温層16の上に、絶縁セラミ
ックからなるアンダーコート層17を積層し、このアン
ダーコート層17の上面に高融点サーメットの発熱抵抗
体18を積層形成する。そして、発熱抵抗体18の上面
には、共通給電体19a、及び個別給電体19bからな
る給電体を形成することにより、共通給電体19a、及
び個別給電体19bとに挟まれた位置で、スリット部B
とスリット部Bとの間のブリッジ層13上に、発熱素子
18aがドット状に整列して形成される。
【0029】次に、発熱抵抗体18及び、共通給電体1
9a、個別給電体19bのそれぞれの上面に、保護層2
0を積層被覆することにより、本発明の製造方法による
サーマルヘッドの製造が終了する。図2に示すような、
その他の実施の形態のサーマルヘッドにおいても、同様
の製造方法で製造されている。
【0030】
【発明の効果】本発明のサーマルヘッドの発熱素子は、
ブリッジ層、有機保温層、、無機保温層及び前記アンダ
ーコート層を介して、前記スリット部とスリット部の間
の空洞保温層上に形成したので、少ない電力エネルギー
の印加で、所望の発熱素子の表面温度が得られるように
なり、省電力化が可能なサーマルヘッドを提供できる。
【0031】また、放熱性基板は、金属、シリコン、窒
化アルミ、ガラスから選ばれた材料からなり、放熱性基
板の上面に一体形成した凸条部を有し、この凸条部の上
面に前記空洞保温層を形成したので、低熱伝導性のサー
マルヘッドの基板コストを安価にすることができる。
【0032】また、空洞保温層は、スリット部を有機保
温層により塞いで空洞部を密閉状態とし、少なくとも空
洞保温層、有機保温層、無機保温層は、低熱導性の保温
層を多層形成したので、熱容量(蓄熱)を増大させずに
高断熱性が実現でき、発熱素子の熱応答性に優れてい
る。そのために、高印刷品質で高速印刷性能を有し、省
電力が可能なサーマルヘッドを提供できる。
【0033】また、前記多層形成のそれぞれの保温層
は、発熱素子側から放熱性基板側に向かって、熱伝導率
が順次小さくなるように積層形成しているので、発熱素
子の発熱を、放熱性基板方向に放熱するのを著しく小さ
くすることができる。そのために、サーマルヘッドの省
電力化が可能となり、本発明のサーマルヘッドを搭載し
たサーマルプリンタを、バッテリー駆動可能とすること
ができる。
【0034】また、前記有機保温層は、低熱伝導性のポ
リイミド樹脂からなるので、有機保温層の熱伝導率を著
しく小さくすることができる。
【0035】また、前記無機保温層は、シリコンと遷移
金属と酸素、または窒素を主成分とした、低熱伝導性の
黒色多元セラミック膜からなるので、無機保温層の熱伝
導率を著しく小さくできる。
【0036】また、本発明のサーマルヘッドの製造方法
は、スリット部から犠牲層を溶解除去して空洞状の空洞
保温層を形成し、前記スリット部を含む前記ブリッジ層
の上面に低熱伝導性の有機保温層を積層するようにした
ので、低熱伝導性の空洞保温層の製造が容易である。
【0037】また、前記有機保温層は、真空蒸着重合法
により前記スリット部を含む前記ブリッジ層の上面に蒸
着形成し、前記有機保温層で前記スリット部を密閉して
前記空洞保温層に空隙を形成したので、空洞保温層の熱
伝導性を著しく低くすることができる。
【0038】また、前記有機保温層を形成時に、前記ス
リット部から前記空洞保温層内に侵入した有機保温層
が、空洞保温層上のブリッジ層を支持するようにしたの
で、印刷次に空洞保温層上のブリッジ層に圧力が加わっ
ても、スリット部から侵入した有機保温層でブリッジ層
を支えることができ、空隙があったとしても、機械的強
度を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関するサーマルヘッドの要部断面図で
ある。
【図2】本発明のその他の実施の形態のサーマルヘッド
の要部断面図である。
【図3】図1の3−3断面図である。
【図4】本発明に係わるスリット部及び犠牲層を説明す
る図である。
【図5】本発明に係わるスリット部及び犠牲層を説明す
る図である。
【図6】本発明に係わる空洞保温層の製造を説明する図
である。
【図7】本発明に係わる空洞保温層の製造を説明する図
である。
【図8】従来のサーマルヘッドの要部断面図である。
【符号の説明】
11、21 放熱性基板 12 グレーズ平滑層 13 ブリッジ層 14 空洞保温層 A 犠牲層 B スリット部 15 有機保温層 16 無機保護層 17 アンダーコート層 18 発熱抵抗体 18a 発熱素子 19a 共通給電他 19b 個別給電体 20 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C065 JD01 JD05 JD06 JD08 JD09 JD12 JD13 JD16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放熱性基板の上面に形成したグレーズ平
    滑層と、このグレーズ平滑層の上面に設けた複数の発熱
    抵抗体と給電体とにより整列形成した発熱素子と、少な
    くとも前記発熱素子の上面を被覆する保護層とを備え、
    前記放熱性基板は、グレーズ度アルミナ基板からなり、
    前記グレーズ平滑層の上面にサーメット、またはセラミ
    ック材料からなるブリッジ層を積層し、このブリッジ層
    と前記グレーズ平滑層との間に空洞状の空洞保温層を形
    成し、この空洞保温層上の前記ブリッジ層には前記空洞
    保温層を露出する複数のスリット部を形成し、このスリ
    ット部を含む前記ブリッジ層の上面に低熱伝導性の有機
    保温層を積層し、この有機保温層の上面に、低熱伝導性
    のセラミック材料からなる無機保温層を積層し、この無
    機保温層の上面に絶縁性セラミック材料からなるアンダ
    ーコート層を積層し、前記発熱素子は、前記ブリッジ
    層、前記有機保温層、前記無機保温層及び前記アンダー
    コート層を介して、前記スリット部とスリット部の間の
    前記空洞保温層上に形成したことを特徴とするサーマル
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記空洞保温層は、前記スリット部を前
    記有機保温層で塞いで空洞内部を密閉状態とし、少なく
    とも前記空洞保温層、前記有機保温層、及び前記無機保
    温層により、低熱伝導性の保温層を多層形成したことを
    特徴とする請求項1記載のサーマルヘッド。
  3. 【請求項3】 前記多層構成のそれぞれの保温層は、前
    記発熱素子側から前記放熱性基板側に向かって、熱伝導
    率が順次小さくなるように積層形成したことを特徴とす
    る請求項2記載のサーマルヘッド。
  4. 【請求項4】 前記有機保温層は、低熱伝導性のポリイ
    ミド樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項記載のサーマルヘッド。
  5. 【請求項5】 前記無機保温層は、シリコンと遷移金属
    と酸素、または窒素を主成分とした、低熱伝導性の黒色
    多元セラミック膜からなることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれか1項記載のサーマルヘッド。
  6. 【請求項6】 放熱性基板の上面にグレーズ平滑層を形
    成し、このグレーズ平滑層の上面に金属からなる犠牲層
    を積層形成し、この犠牲層を含む前記グレーズ平滑層の
    上面にサーメット、またはセラミック材料からなるブリ
    ッジ層を積層し、前記犠牲層上の前記ブリッジ層に、フ
    ォトリソ技術により前記犠牲層を部分的に露出する複数
    のスリット部を形成し、このスリット部から前記犠牲層
    をエッチング除去して前記グレーズ平滑層と前記ブリッ
    ジ層の間に、空洞状の空洞保温層を形成し、この空洞保
    温層の前記ブリッジ層と前記スリット部の上面に、低熱
    伝導性の有機保温層を積層し、この有機保温層の上面
    に、低熱伝導性のセラミック材料からなる無機保護層を
    積層し、この無機保温層の上面に絶縁性セラミック材料
    からなるアンダーコート層を積層し、前記ブリッジ層、
    前記有機保温層、前記無機保温層及び前記アンダーコー
    ト層を介して、前記スリット部とスリット部の間の前記
    空洞保温層上に前記発熱抵抗体を形成したことを特徴と
    するサーマルヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記有機保温層は、真空蒸着重合法によ
    り前記スリット部を含む前記ブリッジ層の上面に積層形
    成し、前記スリット部を前記有機保温層で塞いで、前記
    空洞保温層を密閉状態に形成したことを特徴とする請求
    項6記載のサーマルヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記真空蒸着重合法により前記有機保温
    層を形成時に、前記スリット部から前記空洞保温層内に
    侵入した前記有機保温層が、前記空洞保温層上の前記ブ
    リッジ層を支持するようにしたことを特徴とする請求項
    7記載のサーマルヘッドの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007083532A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Seiko Instruments Inc 発熱抵抗素子、サーマルヘッド、プリンタ、及び発熱抵抗素子の製造方法
JP2009262439A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Seiko Instruments Inc 発熱抵抗素子部品の製造方法
JP2011116136A (ja) * 2011-03-14 2011-06-16 Seiko Instruments Inc 発熱抵抗素子、サーマルヘッド及びプリンタ
JP2012206298A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Toshiba Hokuto Electronics Corp サーマルヘッドおよびその製造方法

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