JP5212590B2 - ヘム加工装置およびヘム加工方法 - Google Patents
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Description
また、上記のヘム加工では、一般には、ワークの端部(タブなど)を曲げた予備曲げ加工を予備加工装置など行っておき、この予備加工をされた端部を折り返す本曲げ加工を本曲げ加工装置によって行って折り曲げ加工を完了している(例えば特許文献1、3参照)。
また、ヘム加工時に加工反力を、クランプしている同一フレームにて受けることができ、ロボットアームには反力が掛からないので、ロボットの小型、軽量化ができ、更には加工精度への悪影響も排除できる。
ヘム加工装置1は、図1に示すように、ロボット(図示しない)のロボットアーム2に取り付けられたフレーム3を有しており、該フレーム3は、ヘム加工装置1によってクランプしてヘム加工されるワーク(この形態ではボディサイドドアフレーム100)の形状に沿った形状を有している。すなわち、水平片と傾斜片とから成る逆へ字形状の上フレーム3aと、水平片からなる下フレーム3bと両端および中央に位置する縦フレーム3c、3d、3eを有している。また、上フレーム3aの水平片側は、端部の縦フレーム3cを僅かに超えて伸張し、端部側の縦フレーム3cは、上フレーム3aを僅かに超えて伸張して、ボディサイドドアフレーム100に対するクランプ位置等に合わせている。また、上フレーム3aと中央の縦フレーム3dの交差部において前記アーム2に取り付けがなされている。
上記ワーク搬送用クランプ機構ハンド10、10a、10b、10cは、クランプ位置が異なるため姿勢が異なり、また、フレーム3への固定方法が僅かに異なるが、構成は異なるところがない。
上記ワーク位置決め固定クランプ・ヘム加工機構ハンド30、30a、30b、30cは、クランプ位置およびヘム加工位置が異なるため姿勢が異なり、また、フレーム3への固定方法が僅かに異なるが、構成そのものは異なるところがない。
上記第1リンク40の他端側には、第2リンク41の基端が回転可能に枢止されており、該第2リンク41は、図示上方に伸張して、その他端が流体シリンダからなるアクチュエータ45の作動ロッド45aに回転可能に枢止されている。アクチュエータ45の本体は後方に位置して、上記作動ロッド45aが前方に伸張するように配置されており、アクチュエータ45の本体は基台31に固定されている。
なお、ヘム加工用ヘッド42と前記したクランプ部材37とは、互いに干渉をしないように、横方向(リンクの軸方向に沿った方向)において位置をずらして配置されており、この形態では、2枚のヘム加工用ヘッド42が、クランプ部材37を挟むように両側に位置している。上記のようにクランプ部材37に近接してヘム加工用ヘッド42を配置したことにより、ヘム加工時のタブ部等の折れ曲がりを精度良く容易に加工できる。
アクチュエータ35では、作動ロッド35aを後退させると、これに連れて屈曲リンク34が支持柱部33に対する軸止部分を中心にして図示時計回りに回転する。この屈曲リンク34の回転に伴って、短尺リンク36が後方に向けて斜め上方に移動する。短尺リンク36の移動に伴ってクランプ部材37が軸止部33bを中心にして図示時計回りに回転し、その結果、クランプ部37aは、固定側クランプ部32から遠ざかるように移動する(図5(a))。
なお、上記のようにして二つのワークを位置決め固定クランプする際には、アクチュエータ45の作動ロッド45aを後退させておく。該作動ロッドの後退により第2リンク41の一端が後方に引かれ、その結果、第2リンク41の基端は、第1リンク40の軸止部を中心にして回転する。また、作動ロッド45aの後退駆動力は、第2リンク41を介して第1リンク40にも伝達され、第1リンク40も図示時計回りに回転する。これらの移動において、第2リンク41に一体化されているヘム加工用ヘッド42も図示時計方向に回転しつつ後退する。この結果、ヘム加工用ヘッド42の加工用突部42aは、最終的には固定側クランプ部32のほぼ後方側に位置している。
すると、第1リンク40は、ほぼ直立した状態になり、その前面側がストッパ46に当たり、それ以上の回転が阻止される。この結果、作動ロッド45aの前進に伴い、第2リンク41は、第1リンク40との軸止部を中心にして回転のみがなされ、第2リンク41と一体化されているヘム加工用ヘッド42も図示反時計回りの回転のみの移動となり、フロントパネル200の端部200aを内側へと円滑に折り曲げて、ワーク100とワーク200との固着がなされる(工程6〜8)。
従来のヘミング加工においては、一旦90°に曲げて置いたものを、1乃至2工程でヘム加工しているが、加工硬化が大きく、曲げた先端のRが大きくなる。これに対し、本発明のように1度に180度を一気に曲げることにより、加工硬化が少なく、先端Rを小さくすることができる。
ヘム加工後は、各クランプ機構によるクランプを開放してロボット動作により各ハンドは原位置に戻して、次のワークの組み立てを行うことができる。
この例では、トラック用のキャブの組み立てラインにおいて、ワークとしてアンダーフロアー300を供給するキャブメインラインと、ワークとして右サイドのボディサイドドアフレーム100を供給する右ボディサイドサブラインと、ワークとして左サイドのボディサイドドアフレーム101を供給する左ボディサイドサブラインと、ワークとしてフロントパネル200を供給するフロントパネルサブラインとを備えている。各ラインによりワークが集合する地点には、それぞれのラインを供給されるワークの形状等に合わせて、ヘム加工装置1、1a、1bが設置されている。
各ラインを供給されるワークは、それぞれのヘム加工装置のワーク搬送用クランプ機構ハンドによって上記で説明したようにクランプされて、組み立て用の位置に搬送されて位置決めされる。ヘム加工を行うワーク同士では、上記したようにワーク位置決め固定クランプ機構ハンドによってワーク同士がクランプされる。このクランプされたワークに対し、同じフレームに備えるヘム加工機構ハンドによって上記で説明したようにヘム加工を行う。なお、ヘム加工を行う際の反力は、ワークをクランプしている共通するフレームで受けるため、ロボットアームに加わることはなく、したがって、ロボットに必要以上の高剛性化を求めることがなく、ロボットの小型軽量化が可能になり、さらに反力による加工精度への悪影響も排除できる。
2 ロボットアーム
3 フレーム
10 ワーク搬送用クランプ機構ハンド
10a ワーク搬送用クランプ機構ハンド
10b ワーク搬送用クランプ機構ハンド
10c ワーク搬送用クランプ機構ハンド
12 アクチュエータ
12a 作動ロッド
13 固定クランプ本体部
13a クランプ部
15 クランプ部材
15a クランプ部
30 ワーク位置決め固定クランプ・ヘム加工機構ハンド
30a ワーク位置決め固定クランプ・ヘム加工機構ハンド
30b ワーク位置決め固定クランプ・ヘム加工機構ハンド
30c ワーク位置決め固定クランプ・ヘム加工機構ハンド
32 固定側クランプ部
33 支持柱部
34 屈曲リンク
35 アクチュエータ
35a 作動ロッド
36 短尺リンク
37 クランプ部材
37a クランプ部
40 第1リンク
41 第2リンク
42 ヘム加工用ヘッド
42a 加工用突部
45 アクチュエータ
45a 作動ロッド
46 ストッパ
100 ボディサイドドアフレーム
200 フロントパネル
300 アンダーフロアー
Claims (4)
- ワークの折り曲げ加工により2つのワークを固着させるヘム加工装置において、ロボットアームと、該ロボットアームに取り付けられたフレームと、該フレームに設けられたワークの搬送用クランプ機構ハンドと、2つのワークを位置決め固定するクランプ機構ハンドと、一方のワークの端部を折り曲げ、他方のワークと一体化させるヘム加工機構ハンドとを備え、前記ヘム加工機構ハンドは、前記フレームに固定されている一つのアクチュエータと、前記ワーク端部の折り曲げを行う加工部と、前記アクチュエータの駆動力を前記加工部に伝達するとともに前記アクチュエータの作動ロッドが移動するだけの一動作により前記ワーク端部の折り曲げを完了可能とするリンク機構とを備え、前記リンク機構は、前記フレーム側に基端が回動可能に枢止された第1のリンクと、該第1のリンクの他方端に一端側が回動可能に枢止された第2のリンクとを備え、該第2のリンクの他端側に前記アクチュエータの駆動側が係止され、前記第2のリンクに前記加工部としてヘム加工用ヘッドが一体化されていることを特徴とするヘム加工装置。
- 前記リンク機構は、前記第1のリンクの回転移動を所定回転位置で規制するストッパを備えることを特徴とする請求項1記載のヘム加工装置。
- ワークの折り曲げ加工により2つのワークを固着させるヘム加工方法において、加工装置の一つのフレームに設けられた複数のハンドで二つのワークをクランプおよび位置決めしておき、前記フレーム側に基端が回動可能に枢止されたリンク機構を介して前記ワークのうちの一方における端部の折り曲げを行う加工部に前記フレームに固定されたアクチュエータの駆動力を伝達して前記ワーク端部に加工力を加えて、前記アクチュエータの作動ロッドを移動させるだけの一動作により前記ワーク端部を折り曲げ完了に至るまで加工し、前記リンク機構は、前記フレーム側に基端が回動可能に枢止された第1のリンクと、該第1のリンクの他方端に一端側が回動可能に枢止された第2のリンクとを備えており、前記第2のリンクの他端側に前記アクチュエータの駆動力を与えて前記第1のリンクと第2のリンクとを移動させ、該駆動力により移動する第2のリンクを介して前記ワークのうちの一方における端部に加工力を加えることを特徴とするヘム加工方法。
- 前記リンク機構により、加工力付与の当初では、加工力を前記ワーク端部に略向けて該ワーク端部を曲げ、その後、前記ワーク端部に回転力を加えてワーク端部を折り返して折り曲げ加工を行うことを特徴とする請求項3に記載のヘム加工方法。
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