JP3646647B2 - クランプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘミング装置によりヘミング加工されるワークを下型に固定するために用いられるクランプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ヘミング装置によりヘミング加工されるワークを下型に固定するクランプ装置として、例えば特開平8−197149号公報に開示される「被ヘミング材のクランプ装置」がある。
このクランプ装置では、1本のシリンダの作動により、クランプアームの振り込み・退去動作とクランプアームのクランプ・アンクランプ動作とを与えるダブルアクション構造により、予備曲げを行うロボットハンドの干渉領域外へクランプアームを退去させる得る構成にしている。これにより、クランプアームとロボットハンドとの干渉の問題を解決し、平行ローラを用いて予備曲げを行うことを可能にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来のクランプ装置によると、下型にワークを固定することはできても、ワークを下型にクランプする機能を備えているのみであるから、クランプ装置により固定する前に、下型に載置されたワークを適正な位置に合わせることはできない。そのため、別個に設けられた位置決め装置等によって、下型に載置されたワークの位置合わせを行わなければならず、設備の自動化や設備コストおよび設備保守の面において、クランプ装置と位置決め装置とを別々に取り扱わなければならないという問題が生じていた。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、一のシリンダの作動により、ワークの位置決めおよびワークの固定をし得るクランプ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1のクランプ装置では、
ヘミング装置によりヘミング加工されるワークを下型に固定するクランプアームを含んで構成される平行リンク機構を備えたクランプ装置であって、
前記下型に一端を回動自在に軸支されたスイングアームと、
前記スイングアームの他端に中間部を軸支され、先端に前記下型との間で前記ワークをクランプするクランプ爪を有するクランプアームと、
前記クランプアームの基端に一端を軸支され、前記スイングアームと同一長さに形成された第1リンクと、
前記第1リンクの他端に一端を軸支され、他端が前記スイングアームの一端に軸支されて前記スイングアームと前記第1リンクとを平行に保持する第2リンクと、
前記スイングアーム、前記クランプアーム、前記第1リンクおよび前記第2リンクからなる平行リンク機構に設けられ、前記クランプアームをアンクランプ方向に付勢する付勢手段と、
前記スイングアームと前記第1リンクとの間に位置するように前記スイングアームまたは前記第1リンクに設けられ、前記付勢手段による前記クランプアームのアンクランプ方向への回動を規制する第1ストッパと、
前記下型または前記スイングアームに設けられ、前記スイングアームが起立位置から前記下型側に回動するのを規制する第2ストッパと、
前記下型に回動自在に軸支され、先端が前記第1リンクに回動可能に連結されて、前記平行リンク機構を前記スイングアームの前記下型との軸支点を中心に起立位置と倒伏位置とに変位させ、かつ起立位置で前記平行リンク機構を作動させて前記クランプアームを前記付勢手段による付勢力に抗してクランプ方向に回動させるシリンダと、
前記スイングアームに設けられ、前記平行リンク機構が起立位置に変位したとき、前記下型に載置された前記ワークに当接して前記ワークを位置決めするワークガイドと、
を備えることを技術的特徴とする。
【0006】
また、請求項2のクランプ装置では、請求項1において、
前記第1リンクまたは前記スイングアームは、前記クランプアームのクランプ方向への回動を所定位置で規制する第3ストッパを備えることを技術的特徴とする。
【0007】
請求項1の発明では、スイングアーム、クランプアーム、第1リンクおよび第2リンクにより構成される平行リンク機構は、シリンダの作動により、スイングアームの下型との軸支点を中心に起立位置と倒伏位置とに変位する。また平行リンク機構は、シリンダによる平行リンク機構の起立位置での作動により、クランプアームをクランプ方向に回動させる。このため、平行リンク機構は、シリンダの作動により倒伏位置から起立位置に変位すると、第2ストッパにより、スイングアームが起立位置から下型側に回動するのを規制されるので、起立位置でクランプアームをクランプ方向に回動させることになる。これにより、ワークガイドは、下型に載置されたワークに当接してワークを位置決めすることができ、またクランプアームは、そのクランプ爪によりワークを下型にクランプすることができる。
【0008】
請求項2の発明では、第1リンクまたはスイングアームは、クランプアームのクランプ方向への回動を所定位置で規制する第3ストッパを備えるため、シリンダにより、平行リンク機構の起立位置で平行リンク機構を作動させても、第3ストッパによりクランプアームのクランプ方向への回動を所定位置で規制する。これにより、クランプアームのクランプ爪によるワークの押圧力を当該所定位置により設定することができるので、クランプ爪によりワークの表面に傷を付けるという不具合を回避することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のクランプ装置を、ローラ式ヘミング装置10のワーク固定治具に適用した一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
まず、ヘミング装置10の構成および作動の概要を図2を参照して説明する。図2に示すように、ヘミング装置10は、主に、ロボット12とヘムローラ15とを備えており、ロボットアーム12aの先端にヘムローラ15を取り付けて構成している。このロボットアーム12aの可動範囲内には、下型40を固定したテーブル50が位置しており、また下型40の外周壁には、下型40の周囲を取り囲むように複数台(例えば8台)のクランプ装置20が配置されている。
【0010】
このように構成された下型40の上に、ワークW(インナパネルWiとアウタパネルWo)を載置し、クランプ装置20によりワークWの周囲を固定する。そして、ロボットアーム12aの軌跡制御によって、ワークWの外周縁に相当するアウタパネルWoの折り曲げ部に沿ってヘムローラ15を転圧させると、この折り曲げ部が連続して内側に折り曲げられる。これにより、ワークWのヘミング加工を行うことができる。
【0011】
また、このときワークWの周囲を固定するクランプ装置20は、ヘムローラ15が接近すると、ワークWの固定を解放して下型40の側方外側に退去する。これにより、転圧中のヘムローラ15とクランプ装置20との干渉を回避できるため、ヘムローラ15による連続したヘミング加工を可能にしている。
【0012】
次に、クランプ装置20の構成を図1および図3、図4に基づいて説明する。図1および図3に示すように、クランプ装置20は、主に、ブラケット22、平行リンク機構、ワークガイド27、スプリング29、エアシリンダ35等から構成され、平行リンク機構は、スイングアーム23、クランプアーム24、第1リンク25および第2リンク26から構成されている。
【0013】
ブラケット22は、下型40に取付けられたタッププレート21を介してクランプ装置20を下型40に固定する機能を有し、ボルトによるねじ締結により下型40に固定されている。またこのブラケット22には、リンク機構支持部22aおよびシリンダ支持部22bが下型40の側方外側に突出するように形成されている。
【0014】
リンク機構支持部22aは、L字形状のプレートを2枚、所定間隔を隔てて面同士が対向するように並列に構成されており、端部には軸孔が形成されている。一方、シリンダ支持部22bは、略三角形状のプレートにより構成され、リンク機構支持部22aと同様に端部には軸孔が形成されている。これにより、リンク機構支持部22aでは、平行リンク機構を挟み込むようにして軸部30aにより回動自在に軸支し、またシリンダ支持部22bでは、軸部30fによりエアシリンダ35を回動自在に軸支している(図3参照)。
【0015】
スイングアーム23は、略矩形状のプレートを2枚、所定間隔を隔てて面同士が対向するように並列に構成されており、両端には軸孔が形成されている。スイングアーム23の一端23aは、ブラケット22のリンク機構支持部22aに挟まれるように、軸部30aにより回動自在に軸支されている。このため、スイングアーム23は、下型40に固定されたブラケット22に対して揺動可能に構成される。またスイングアーム23の一端23aには、後述するスプリング29の一端を掛止可能な棒状のポスト28bが立設されている(図3参照)。
【0016】
クランプアーム24は、細長の厚板プレートから構成されており、一端24aには逆L字形状に形成されたクランプ爪24dを備えている。一方、クランプアーム24の基端24bには、第1リンク25と連結するための軸孔が形成され、また中間部24cには、スイングアーム23の他端23bと連結するための軸孔が形成されている。これにより、クランプアーム24の中間部24cは、スイングアーム23の他端23bに挟み込まれるように軸部30bにより回動自在に軸支される。
【0017】
第1リンク25も、スイングアーム23と同様に、略矩形状のプレート2枚を対向するように並列に構成されており、スイングアーム23と同一長さに形成されている。また第1リンク25の両端には軸孔が形成されている。そして、一端25aは、クランプアーム24の基端24bを挟み込むように軸部30cより回動自在に軸支し、他端25bは第2リンク26の一端26aを軸部30dにより回動自在に軸支している。
【0018】
また、この第1リンク25は、その中間部にナックル受け部25cを形成しており、これによりシリンダロッド37の先端に取り付けられたナックル38の軸部30eを軸受している(図3参照)。さらに第1リンク25の一端25a側には、後述するスプリング29の他端を掛止可能な棒状のポスト28aが立設されている(図3参照)。
【0019】
第2リンク26は、略矩形状の1枚のプレートから構成されており、その両端には軸孔が形成されている。第2リンク26の一端26aは、第1リンク25の他端25bに挟まれるように軸部30dにより回動自在に軸支され、また他端26bはスイングアーム23の一端23aに挟まれるように軸部30aにより回動自在に軸支さている。
【0020】
上述したように、スイングアーム23、クランプアーム24、第1リンク25および第2リンク26と、これらを軸支する軸部30a〜30dとにより、略平行四辺形の限定連鎖、つまり平行リンク機構が構成される。またこの平行リンク機構は、ブラケット22および軸部30aにより下型40に回動自在に軸支されている。これにより、平行リンク機構は、全体が下型40の上下方向に揺動することができる。
【0021】
図1および図4に示すように、ワークガイド27は、へ字形状を有する厚板プレートから構成されており、一端部27aに切欠部27c、また他端部27bにはねじ孔27dがそれぞれ形成されている。この一端部27aの切欠部27cは、下型40の外周縁に位置する肩部40aの輪郭形状に適合して当接し得るように成形されており、また他端部27bのねじ孔27dは、スイングアーム23の中間部に図示しないボルトによりねじ固定し得るように形成されている。
【0022】
これにより、図4(A) に示すように、下型40に載置されたアウタパネルWo(ワークW)が所定位置に載置されることなく、下型40の外側に寄ったところに位置していると、下型40の肩部40aにワークガイド27の切欠部27cが当接したときに、アウタパネルWoの折り曲げ部にワークガイド27の一端部27aが当接する。これにより、図4(B) に示すように、下型40の内側方向にアウタパネルWoが押し戻されるため、ワークガイド27により下型40上のワークWを所定位置に位置合わせすることができる。
【0023】
図1および図3に示すように、スプリング29は、引張りコイルスプリングであり、両端が前述した第1リンク25のポスト28aおよびスイングアーム23のポスト28bに掛止されている。これにより、スイングアーム23と第1リンク25との対向間隔を狭くするように変位させる付勢力を平行リンク機構に及ぼしている。
【0024】
図1に示すように、第1ストッパ31は、スイングアーム23と第1リンク25との最小間隔を設定する役割を有するもので、スイングアーム23と第1リンク25との間に位置するようにスイングアーム23側に取り付けられている。これにより、スイングアーム23と第1リンク25との対向間隔を狭くする方向に両者を引っ張るスプリング29による付勢力が作用しても、この第1ストッパ31により両者間を一定の間隔に保つことができるため、スプリング29による平行リンク機構の変位状態を一定形態に維持することができる。
なお、第1ストッパ31は第1リンク25側に取り付けても、本実施形態による場合と同様の働きをする。
【0025】
第2ストッパ32は、スイングアーム23の上方向の回転移動を所定位置で規制する役割を有するもので、スイングアーム23が軸部30aを中心に下型40の上方向に回転したときに、ブラケット22とスイングアーム23との間に挟まれるところに位置するようにブラケット22側に取り付けられている。これにより、軸部30aを中心とした平行リンク機構全体の回転は、スイングアーム23が下型40の外周壁と略平行に位置するところで、第2ストッパ32により止められることになる。
なお、第2ストッパ32はスイングアーム23側に取り付けても、本実施形態による場合と同様の働きをする。
【0026】
第3ストッパ33は、平行リンク機構の上方向への変位を所定位置で規制する役割を有するもので、スイングアーム23と第1リンク25との間の第1ストッパ31の下方側に位置するように第1リンク25側に取り付けられている。これにより、スイングアーム23と第1リンク25との対向間隔を下型40の上方向に狭くするように変位させる駆動力が第1リンク25に作用しても、この第3ストッパ33の上方に位置する第1ストッパ31に当接する。そのため、後述するエアシリンダ35による駆動力が第1リンク25に作用しても、平行リンク機構の変位状態を一定形態に維持することができる。
なお、第1ストッパ31を第1リンク25側に取り付けた場合は、第3ストッパ33はスイングアーム23側の第1ストッパ31の上方に取り付けるように構成する。これにより、本実施形態による場合と同様の働きをする。
【0027】
図1および図3に示すように、エアシリンダ35は、供給口36a、36bに供給されるエアによる加圧により、シリンダロッド37を伸縮させる機能を有するもので、ブラケット22のシリンダ支持部22bに軸部30fにより回動自在に軸支されている。またシリンダロッド37の先端には、ナックル38が固定されており、このナックル38に取り付けられた軸部30eが第1リンク25のナックル受け部25cにより軸受されている。これにより、エアシリンダ35のシリンダロッド37の伸縮による駆動力を、ナックル38、軸部30eおよびナックル受け部25cを介して第1リンク25に伝達することができるため、軸支点としての軸部30aを中心に平行リンク機構全体を回動させることができる。
【0028】
なお、上述した平行リンク機構等の軸部30a〜30fは、いずれも潤滑油を必要としない軸受部材を介して軸受されている。これにより、高速動作や経年変化に伴う軸部30a〜30fの摩耗を抑制できるため、平行リンク機構自体やエアシリンダ35、シリンダロッド37のガタツキを防止することができる。したがって、クランプ装置20の各動作を円滑にすることができる。
また、上述したような平行リンク機構を用いることにより、特開平8−197149号公報に開示される「被ヘミング材のクランプ装置」にあるような長孔内を連結ピンが移動するものに比べて、連結ピンが折れるといった不具合等を防止できる。これにより、クランプ装置20の耐久性を向上することもできる。
【0029】
続いて、クランプ装置20の作動を図4および図5に基づいて説明する。
上述したように構成されるクランプ装置20は、エアシリンダ35に供給されるエアによりシリンダロッド37が伸び縮みするため、その伸張によって図5(A) 〜図5(C) に示すような一連の作動を行う。
【0030】
図5(A) に示すように、エアシリンダ35に供給されるエアによってシリンダロッド37が収縮状態にあるときは、平行リンク機構は、軸部30aを中心にシリンダロッド37に引っ張られ、下型40の下方に回転している。つまり、平行リンク機構は倒伏位置にあり、クランプアーム24およびワークガイド27は、下型40の側方に離れて位置している。したがって、クランプ装置20は、ワークWを下型40にクランプすることなく、ワークWを解放しているアンクランプの状態にある。
【0031】
この状態から、エアシリンダ35に供給されるエアによってシリンダロッド37が伸張し始めると、平行リンク機構は、スプリング29の付勢力によって一定の変位状態を維持したまま、全体が軸部30aを中心にシリンダロッド37に押し上げられて下型40の上方に回転する。これにより、クランプアーム24およびワークガイド27は下型40に徐々に接近し、平行リンク機構は起立位置に変位する。このとき、図4(A) に示すように下型40に載置したアウタパネルWo(ワークW)が下型40の外側にずれて位置していると、下型40の肩部40aにワークガイド27の切欠部27cが当接する前に、ワークガイド27の一端部27aがアウタパネルWoの端部に当接する。そのため、ワークガイド27によりアウタパネルWoが下型40の内側に向かって押し戻されるため、図4(B) に示すように、クランプアーム24による固定前にアウタパネルWoの位置合わせを行うことができる。
【0032】
図5(B) に示すように、シリンダロッド37の伸張により、平行リンク機構が起立位置に変位すると、スイングアーム23が第2ストッパ32に当接し、ほぼ同時期にワークガイド27が下型40に当接する。これにより、ワークガイド27によるアウタパネルWoおよびアウタパネルWo上に載置されたインナパネルWiの位置合わせが完了する。この状態では、平行リンク機構は、スプリング29の付勢力により一定の変位状態をまだ維持しており、またエアシリンダ35のシリンダロッド37は伸張途中の状態にある。
【0033】
そして、シリンダロッド37の伸張がさらに進むと、起立位置にある平行リンク機構は、第2ストッパ32により下型40側への回転が規制されているため、エアシリンダ35による駆動力は、スプリング29による付勢力に抗して平行リンク機構を下型40の上方向に変位させる方向に働く。即ち、スイングアーム23の位置を固定した状態で第1リンク25を下型40の上方向に移動させるように平行リンク機構が変位する。これにより、クランプアーム24は、その基端24bが上方向に押し上げられるため、スイングアーム23の軸部30bを中心にして、クランプアーム24のクランプ爪24dが下型40方向に押し下げられる。
【0034】
このため、図5(C) に示すように、エアシリンダ35に供給されるエアによってシリンダロッド37の伸張が完了すると、クランプアーム24のクランプ爪24dは、アウタパネルWo上に載置されたインナパネルWi(ワークW)を押圧するように押し下げられる。これにより、アウタパネルWoおよびインナパネルWiは、下型40とクランプアーム24との間にクランプされ、クランプ装置20によるクランプが完了する。
【0035】
なお、アンクランプは、上述したクランプアーム24の作動を逆方向に行う。つまり、エアシリンダ35に供給されるエアによりシリンダロッド37が収縮することにより、図5(C) 、図5(B) 、図5(A) の順番に平行リンク機構が作動するため、ワークWを固定していたクランプアーム24はワークWを解放し、さらに下型40の側方外側に退去する。これにより、転圧中のヘムローラ15とクランプ装置20との干渉を回避することができる。
【0036】
以上説明したように、クランプ装置20によると、スイングアーム23、クランプアーム24、第1リンク25および第2リンク26により構成される平行リンク機構は、シリンダ35の作動により、スイングアーム23の下型40との軸部30aを中心に起立位置と倒伏位置とに変位する。また平行リンク機構は、シリンダ35による平行リンク機構の起立位置での作動により、クランプアーム24をクランプ方向に回動させる。このため、平行リンク機構は、シリンダ35の作動により倒伏位置から起立位置に変位すると、第2ストッパ32により、スイングアーム23が起立位置から下型側に回動するのを規制されるので、起立位置でクランプアーム24をクランプ方向に回動させる。これにより、ワークガイド27は、下型40に載置されたアウタパネルWoに当接してアウタパネルWoを位置決めすることができ、またクランプアーム24は、そのクランプ爪24dによりインナパネルWiおよびアウタパネルWoを下型40にクランプすることができる。したがって、一のシリンダ35の作動により、ワークWの位置決めおよび固定をすることができる。
【0037】
また、第1リンク25は、クランプ方向への平行リンク機構の変位を所定位置で規制する第3ストッパ33を備えるため、エアシリンダ35により、平行リンク機構の起立位置で平行リンク機構を作動させても、第3ストッパ33によりクランプアーム24のクランプ方向への回動を所定位置で規制する。これにより、クランプアーム24のクランプ爪24dによるインナパネルWiおよびアウタパネルWoの押圧力を当該所定位置により設定することができるので、クランプ爪24dによりインナパネルWiの表面に傷を付けるという不具合を回避することができる。したがって、クランプによるインナパネルWiの表面品質の低下を防止することができる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1の発明では、スイングアーム、クランプアーム、第1リンクおよび第2リンクにより構成される平行リンク機構は、シリンダの作動により、スイングアームの下型との軸支点を中心に起立位置と倒伏位置とに変位する。また平行リンク機構は、シリンダによる平行リンク機構の起立位置での作動により、クランプアームをクランプ方向に回動させる。このため、平行リンク機構は、シリンダの作動により倒伏位置から起立位置に変位すると、第2ストッパにより、スイングアームが起立位置から下型側に回動するのを規制されるので、起立位置でクランプアームをクランプ方向に回動させることになる。これにより、ワークガイドは、下型に載置されたワークに当接してワークを位置決めすることができ、またクランプアームは、そのクランプ爪によりワークを下型にクランプすることができる。したがって、一のシリンダの作動により、ワークの位置決めおよびワークの固定をし得る効果がある。
【0039】
請求項2の発明では、第1リンクまたはスイングアームは、クランプアームのクランプ方向への回動を所定位置で規制する第3ストッパを備えるため、シリンダにより、平行リンク機構の起立位置で平行リンク機構を作動させても、第3ストッパによりクランプアームのクランプ方向への回動を所定位置で規制する。これにより、クランプアームのクランプ爪によるワークの押圧力を当該所定位置により設定することができるので、クランプ爪によりワークの表面に傷を付けるという不具合を回避することができる。したがって、前述の効果に加えて、クランプによるワークの表面品質の低下を防止し得る効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るクランプ装置の構成を示す側面図である。
【図2】本実施形態に係るクランプ装置を適用したヘミング加工装置の構成例を示す斜視図である。
【図3】図1に示すIII 線方向から見た矢視図である。
【図4】本実施形態に係るクランプ装置のワークガイドの構成および作動を示す説明図である。
【図5】本実施形態のクランプ装置の作動を示す説明図で、図5(A) はワークをアンクランプした状態、図5(B) はワークを位置合わせした状態、図5(C) はワークをクランプした状態をそれぞれ示すものである。
【符号の説明】
10 ヘミング装置
20 クランプ装置
22 ブラケット (下型)
23 スイングアーム(平行リンク機構)
23a 一端
23b 他端
24 クランプアーム(平行リンク機構)
24a 一端
24b 基端
24c 中間部
24d クランプ爪
25 第1リンク (平行リンク機構)
25a 一端
25b 他端
26 第2リンク (平行リンク機構)
26a 一端
26b 他端
27 ワークガイド
29 スプリング (付勢手段)
30a 軸部 (軸支点)
31 第1ストッパ
32 第2ストッパ
33 第3ストッパ
35 エアシリンダ (シリンダ)
40 下型
W ワーク
Wi インナパネル (ワーク)
Wo アウタパネル (ワーク)
Claims (2)
- ヘミング装置によりヘミング加工されるワークを下型に固定するクランプアームを含んで構成される平行リンク機構を備えたクランプ装置であって、
前記下型に一端を回動自在に軸支されたスイングアームと、
前記スイングアームの他端に中間部を軸支され、先端に前記下型との間で前記ワークをクランプするクランプ爪を有するクランプアームと、
前記クランプアームの基端に一端を軸支され、前記スイングアームと同一長さに形成された第1リンクと、
前記第1リンクの他端に一端を軸支され、他端が前記スイングアームの一端に軸支されて前記スイングアームと前記第1リンクとを平行に保持する第2リンクと、
前記スイングアーム、前記クランプアーム、前記第1リンクおよび前記第2リンクからなる平行リンク機構に設けられ、前記クランプアームをアンクランプ方向に付勢する付勢手段と、
前記スイングアームと前記第1リンクとの間に位置するように前記スイングアームまたは前記第1リンクに設けられ、前記付勢手段による前記クランプアームのアンクランプ方向への回動を規制する第1ストッパと、
前記下型または前記スイングアームに設けられ、前記スイングアームが起立位置から前記下型側に回動するのを規制する第2ストッパと、
前記下型に回動自在に軸支され、先端が前記第1リンクに回動可能に連結されて、前記平行リンク機構を前記スイングアームの前記下型との軸支点を中心に起立位置と倒伏位置とに変位させ、かつ起立位置で前記平行リンク機構を作動させて前記クランプアームを前記付勢手段による付勢力に抗してクランプ方向に回動させるシリンダと、
前記スイングアームに設けられ、前記平行リンク機構が起立位置に変位したとき、前記下型に載置された前記ワークに当接して前記ワークを位置決めするワークガイドと、
を備えることを特徴とするクランプ装置。 - 前記第1リンクまたは前記スイングアームは、前記クランプアームのクランプ方向への回動を所定位置で規制する第3ストッパを備えることを特徴とする請求項1記載のクランプ装置。
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