JP5212013B2 - 電子鍵盤楽器 - Google Patents
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Description
しかしながら、従来のスプリット機能では設定したスプリットポイントより高音側あるいは低音側の鍵域にしかボイスをアサインすることしかできず、図11に示すBないしDの例に示すボイスのアサインを行うことができない。すなわち、従来の電子鍵盤楽器においては、複数のボイスをボイス毎に任意の鍵域にアサインすることができないという問題点があった。
図1に示す電子鍵盤楽器1において、CPU(Central Processing Unit)10は管理プログラム(OS:Operating System)上で楽音発生プログラム等の動作ソフトウェアを実行することにより、電子鍵盤楽器1の全体の動作を制御する中央処理装置であり、ROM(Read Only Memory)11にはCPU10が実行する動作プログラムや、各種データ等が格納されている。RAM(Random Access Memory)12には、複数の発音ボイス情報やボイスリスト等の各種データの格納エリアや、CPU10のワークエリア等が設定される。外部記憶装置13には、OSや各種アプリケーションプログラム、各種データを記憶することができ、HDD(Hard Disk Drive)、FDD(Flexible Disk Drive)、CD(Compact Disk)−ROM、MO(Magneto Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)等により構成することができる。なお、ROM11をフラッシュメモリ等の書き換え可能なROMとすることで、動作ソフトウェアを書き換え可能となり動作ソフトウェアのバージョンアップを容易に行うことができる。
発音ボイス情報40における各パート1〜4には、ボイス割当情報41a〜41dによりそれぞれ1つのボイスが割り当てられており、コモンパラメータ40aのスプリットスイッチのパラメータがオン状態に設定されている場合は、各パート1〜4に割り当てられた各ボイスは発音鍵域指定情報43a〜43dの設定に従う発音鍵域にアサインされるようになる。すなわち、スプリットスイッチのパラメータがオン状態に設定されている場合は、発音鍵域指定情報43a〜43dで設定されるスプリット機能が使用される状態となる。また、スプリットスイッチのパラメータがオフ状態とされている場合は、発音鍵域指定情報43a〜43dで設定されるスプリット機能が不使用とされる状態となる。この場合は、各パート1〜4に割り当てられた各ボイスは鍵域情報42a〜42dで指定される鍵域が発音鍵域としてアサインされるようになる。これにより、本発明の電子鍵盤楽器1においては、複数のボイスを使用する際に発音鍵域指定情報43a〜43dにより、鍵域情報42a〜42dを補助的に用いてボイス毎に任意の範囲の発音鍵域に簡単にアサインすることができるようになる。
図3に示すボイスデータのデータ構造は、波形データがエレメントとして直接格納されている方式である。まず、ボイスデータには、当該ボイスデータを特定するための固有情報として、ボイスナンバ(ボイス名)が1つ付与されている。そして、波形データを特定するデータとして、波形データそのものがエレメントとして格納されている。本発明にかかる電子鍵盤楽器1では、1つのボイスデータに4つのエレメントが格納されており、エレメント1(51a)、エレメント2(52a)、エレメント3(53a)、エレメント4(54a)の4つのエレメントにそれぞれ格納されている4つの波形データは、それぞれ異なる波形データとされている。これらのエレメント1ないしエレメント4は使用する鍵域や使用するベロシティ(押鍵力)の範囲が異なっており、鍵域とベロシティの範囲の組み合わせにより楽音発生時に使用するエレメントは一つとされている。ボイス2以降のボイスデータも、それぞれ4エレメントから構成されるが、4エレメントに限るものではなくエレメント数は任意のエレメント数とすることができる。
図4に示すコモンパラメータエディット画面60は、コモンパラメータ40aをエディットする際にディスプレイ26に表示され、スプリットスイッチ(Split Sw)の欄に各パートの発音鍵域指定情報43a〜43dを使用するか不使用とするかが設定される。図示する場合はスプリットスイッチがオフ(off)に設定されており発音鍵域指定情報43a〜43dは不使用となっている。また、カーソルにより選択されて表示態様が異なっているスプリットポイント(Split Point)の欄に鍵域を2分割するときの分割点となるノートナンバが設定される。図示する場合は、スプリットポイントのノートナンバは「B3」に設定されており、鍵域はノートナンバB3においてスプリットされる。各パートの発音鍵域指定情報43a〜43dの設定がローとされている場合は、ノートナンバB3においてスプリットされた低音側の発音鍵域がアサインされ、ハイとされている場合はノートナンバB3においてスプリットされた高音側の発音鍵域にアサインされる。また、発音鍵域指定情報43a〜43dの設定がボースに設定されているパートの発音鍵域は、鍵域情報42a〜42dによる鍵域が発音鍵域としてアサインされる。コモンパラメータエディット画面60における各パラメータの編集は、ポインティングデバイスによりカーソルを移動させて編集するパラメータを選択し、設定操作子24を操作することにより編集を行う。
図5に示すディスプレイ26に表示されたボイスパラメータエディット画面61は1パート分のボイスパラメータエディット画面とされて、1パート分のボイスパラメータをエディットすることができる。カーソルにより選択されて表示態様が異なっているNote Limit Loの欄とNote Limit Hiの欄のパラメータは表示されているパートの鍵域情報42であり、鍵域の下限のノートナンバがNote Limit Loで設定され、鍵域の上限のノートナンバがNote Limit Hiで設定される。図示する場合は、Note Limit Loのノートナンバは「C3」に設定され、Note Limit Hiのノートナンバは「C4」に設定されており、C3−C4間の範囲の鍵域が鍵域情報42で設定されている。また、Velocity Limit LoとVelocity Limit Hiの欄のパラメータは押鍵力情報であり、ベロシティ範囲の下限がVelocity Limit Loで設定され、ベロシティ範囲の上限がVelocity Limit Hiで設定される。図示する場合は、Velocity Limit Loの強さは「1」に設定され、Velocity Limit Hiの強さは「127」に設定されており、1−127間の押鍵力の範囲において当該パートで発音される押鍵力情報とされている。さらに、Split Hi/Loの欄のパラメータは発音鍵域指定情報43aのパラメータである。図示する場合は、Split Hi/Loは「ボース(Both)」に設定されており、表示されている鍵域情報42の鍵域C3−C4が発音鍵域としてアサインされる。なお、Split Hi/Loが「ロー(Lo)」に設定されている場合は、コモンパラメータ40aのスプリットポイントB3によりスプリットされた低音側の発音鍵域にアサインされ、Split Hi/Loが「ハイ(Hi)」に設定されている場合は、コモンパラメータ40aのスプリットポイントB3によりスプリットされた高音側の発音鍵域にアサインされる。ボイスパラメータエディット画面61における各パラメータの編集は、ポインティングデバイスによりカーソルを移動させて編集するパラメータを選択し、設定操作子24を操作することにより編集を行う。
図6に示すボイスパラメータエディット画面62は4パート分のエディット画面であり、4パート分のボイスパラメータの内の鍵域情報42a〜42dと発音鍵域指定情報43a〜43dのパラメータとアサインされている発音鍵域の概略を示すグラフがディスプレイ26に表示され、表示されているパラメータをエディットすることができる。また、グラフにはコモンパラメータエディット画面60で設定されたスプリットポイントB3が表示されている。パート1の鍵域情報42aは鍵域C2−G3に設定されており、発音鍵域指定情報43aは「ボース(Both)」に設定されて、アサインされた鍵域情報42aの鍵域C2−G3が発音鍵域としてグラフ表示されている。パート2の鍵域情報42bは鍵域C3−C4に設定されており、発音鍵域指定情報43bは「ボース(Both)」に設定されて、アサインされた鍵域情報42bの鍵域C3−C4が発音鍵域としてグラフ表示されている。パート3の鍵域情報42cは鍵域C2−G8に設定されており、発音鍵域指定情報43cは「ロー(Lo)」に設定されて、アサインされたスプリットされた低音側の発音鍵域C2−B3がグラフ表示されている。パート4の鍵域情報42dは鍵域G7−G8に設定されており、発音鍵域指定情報43cは「ハイ(Hi)」に設定されて、アサインされたスプリットされた高音側の発音鍵域B3−G8がグラフ表示されている。ボイスパラメータエディット画面62における各パラメータの編集は、ポインティングデバイスによりカーソルを移動させて編集するパラメータを選択し、設定操作子24を操作することにより編集を行う。図示する場合は、パート1の鍵域の下限を示す「C2」がカーソルにより選択されて表示態様が異なっており、このパラメータを編集することができる。
スプリットスイッチを操作した際に、発音ボイス情報40が設定されていない場合は新たに発音ボイス情報40が設定される。この設定では、その時点まで利用していたボイスがパート1に割り当てられ、パート2が追加パートとされてパート2に割り当てるボイスのボイスパラメータの設定がボイス設定画面63において行われることにより、発音ボイス情報40が設定されるようになる。
また、スプリットスイッチを操作した際に、発音ボイス情報40が設定されていた場合は、使用されていないオフとされているパートのうちの一番若いナンバのパートが追加パートとされて、この追加パートに割り当てるボイスのボイスパラメータの設定がボイス設定画面63において行われる。この場合、スプリットスイッチを操作した際にカーソルにより選択されているパートがカレントパートとされる。
ボイス設定画面63上からの追加パートにおけるボイスのボイスパラメータの設定では、追加パートに割り当てるボイスをボイスリストから選択するようにしている。この選択は、ボイス設定画面63におけるカーソルにより選択されて表示態様が異なっているMainの欄に選択するボイスのメインカテゴリを入力し、Subの欄に選択するボイスのサブカテゴリを入力する。これにより、メインカテゴリの内のサブカテゴリで指定されるボイスが選択されるようになる。図示する例では、メインカテゴリ(Main)はドラム/パーカッションのメインカテゴリ「Dr/Pc」が入力されており、サブカテゴリ(Sub)にドラム(DRUMS)が入力されている。この場合、追加パートに割り当てるボイスを選択するボイス割当情報41は、メインカテゴリ「Dr/Pc」の内のサブカテゴリ「DRUMS」を示すアドレスとされて、ボイスとして「DRUMS」が割り当てられる。すなわち、入力されたカテゴリをボイス名とするボイスデータが割り当てられる。
検出回路21が演奏操作子22においてノートオンが発生したことを検出した際に、楽音発生処理がスタートされステップS1において演奏操作子22において押鍵された鍵の音高が検出される。次いで、ステップS2にて検出された音高の楽音を発音するボイス(音色)を決定する後述するボイス決定処理が行われる。そして、ボイス決定処理を行うことにより決定されたボイスを用いて、ノートオンに対応する検出された音高の所望の音色の楽音がステップS3にて発生されて発音され、楽音発生処理は終了する。
ボイス決定処理がスタートされると、ステップS10にて電子鍵盤楽器1にセットされている発音ボイス情報のスプリットスイッチがオンか否かが判断される。ここで、スプリットスイッチがオンされていると判断された場合はステップS11に進む。スプリットスイッチがオンされている場合は、電子鍵盤楽器1に発音ボイス情報40が設定されており、設定されている発音ボイス情報40における複数パートの内の例えば一番若いナンバのパートがステップS11にて処理する対象パートとして決められる。そして、ステップS12にて処理する対象パートにおける発音鍵域指定情報43の状態が、ハイ/ローとされているかボースとされているかが判断される。ここで、発音鍵域指定情報43がボースに設定されていると判断された場合は、ステップS13に進んで当該パートに設定された鍵域情報42により指定される鍵域の範囲が発音鍵域として、楽音発生処理のステップS1にて検出された音高と対比される。
設定操作子24におけるスプリットスイッチが操作されると、ステップS30にて発音ボイス情報40が設定されているか否かが判断される。ここで、発音ボイス情報40が設定されていると判断された場合(YES)は、ステップS31に進み使用されていないオフとされているパートのうちの一番若いナンバのパートが追加パートとされ、スプリットスイッチを操作した際にカーソルにより選択されているパートがカレントパートとされて、ステップS35に進む。この場合、使用されていないパートがない場合は、最後尾のパートが追加パートとされる。また、ステップS30にて発音ボイス情報40が設定されていないと判断された場合(NO)は、ステップS32に進み新たに発音ボイス情報40が設定される。次いで、ステップS33にてその時点まで利用していたボイスがカレントパートとされるパート1のボイスに割り当てられる。そして、ステップS34にてパート2を新たにボイスを割り当てる追加パートとして、ステップS35に進む。また、新たに設定される発音ボイス情報40におけるパート3及びパート4は共にオフされて使用されない。
上記した本発明の電子鍵盤楽器では、複数のボイスのボイスデータがRAMや外部記憶装置に保存されており、スプリットスイッチが操作された際に選択されていたボイスを第1のボイスとして、第1のボイスに第2のボイスを追加する際に、発音鍵域指定情報のパラメータを、スプリットポイント以下の鍵域にアサインするロー、および、スプリットポイント以上の鍵域にアサインするハイとする。この場合、スプリットスイッチが操作された際に1つだけのボイスを使用する状態に設定されていた場合は、その時点まで利用していたボイスが第1のボイスとされ、スプリットスイッチが操作された際に複数のボイスを使用可能な状態に設定されていた場合は、スプリットスイッチを操作した際にカーソルにより選択されているボイスが第1のボイスとされる。そして、スプリットポイントで分割されたそれぞれの鍵域に、第1のボイスと第2のボイスがそれぞれアサインされるように、ボイス設定画面63上において入力された第2のボイスの発音鍵域指定情報43と、第1のボイスの発音鍵域指定情報43との状態が相補的になるよう設定するようにしてもよい。このようにすると、第1のボイスと第2のボイスとがスプリットポイントで分割されたそれぞれの発音鍵域にそれぞれアサインされるようになり、スプリットスイッチを操作することによりスプリットを組むことができるようになる。
また、以上の説明ではスプリットポイントにより鍵域が分割された際に、スプリットポイントの音高が分割されたいずれの鍵域に含まれるか明記していないが、使用の態様に応じて何れか一つの鍵域に含ませるようにすればよい。
Claims (2)
- 複数のボイスのボイスデータが保存されていると共に、発音に使用する前記ボイスを割り当てる割当情報と、鍵域を2つに分割するスプリットポイントの情報と、鍵域の範囲を示す割り当てられた前記ボイス毎の鍵域情報と、割り当てられた前記ボイス毎に発音鍵域を指定する発音鍵域指定情報とを含む複数種類の発音ボイス情報が保存されている記憶手段と、
前記発音鍵域指定情報は、前記スプリットポイント以下の鍵域を発音鍵域にアサインするロー、前記スプリットポイント以上の鍵域を発音鍵域にアサインするハイ、前記鍵域情報により指定される鍵域を発音鍵域にアサインするボースとされ、前記ロー、前記ハイあるいは前記ボースのいずれかを前記各ボイスに指定する発音鍵域設定手段と、
複数種類の前記発音ボイス情報の内の一つの前記発音ボイス情報を選択する発音ボイス選択手段と、
押鍵された鍵の音高を検出する音高検出手段と、
前記発音ボイス選択手段により選択された前記発音ボイス情報の前記割当情報により割り当てられた前記各ボイスにおいて、前記発音鍵域指定情報により指定されている発音鍵域に、前記音高検出手段により検出された音高が含まれるか確認し、前記音高が前記発音鍵域に含まれる前記ボイスを発音に利用するボイスとして決定するボイス決定手段と、
前記ボイス決定手段で決定された前記ボイスの前記ボイスデータを前記記憶手段から読み出して、読み出された前記ボイスデータに基づいて前記音高検出手段により検出された音高の楽音を生成して発音する楽音生成手段と、
を備えることを特徴とする電子鍵盤楽器。 - 前記発音鍵域指定情報を不使用に設定するスイッチ手段を備え、
前記スイッチ手段により前記発音鍵域指定情報が不使用に設定された際には、前記楽音生成手段において、前記ボイス毎の前記鍵域情報による鍵域が前記各ボイスの前記発音鍵域とされることを特徴とする請求項1記載の電子鍵盤楽器。
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