以下に添付図面を参照して、本発明にかかる画像形成装置、および定着加熱制御方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は後述する実施の形態に限定されるものではない。
本実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態は、画像形成装置であるコピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能および入力画像(スキャナ機能により読取られた原稿画像や、プリンタあるいはFAX機能により入力された画像)を配信する機能等を複合したいわゆる複合機(MFP:MultiFunction Peripheral)に本発明を適用した例である。
まず、本実施の形態にかかる複合機の構成例について説明する。図1は、本実施の形態にかかる複合機の構成を示すブロック図である。
本実施の形態にかかる複合機100は、省エネ解除スイッチ101と、圧板開閉センサ102と、原稿セットセンサ103と、主電源スイッチ104と、コントローラ部110と、エンジン制御部120と、定着部130とを備えている。コントローラ部110と、エンジン制御部120は、汎用PCIバス140および専用線150で接続されている。
省エネ解除スイッチ101は、複合機100を省エネモードから通常モードへの復帰(切替え)を指示するスイッチである。ここで、省エネモードとは、定着部130や操作パネル等への電力の供給を停止または制限する状態をいう。通常モードとは、複合機100全体の電力が供給される状態をいう。省エネ解除スイッチ101の操作を検知すると、検知信号がコントローラ部110に送出される。
圧板開閉センサ102は、読取部で原稿を読取るためにコンタクトガラス上に置いた原稿を押圧する圧板の開閉を検知するセンサである。圧板開閉センサ102が圧板の開閉を検知すると、検知信号がコントローラ部110に送出される。
原稿セットセンサ103は、原稿自動搬送部(ADF:Auto Document Feeder)にセットされた原稿を検知するセンサである。原稿セットセンサ103が原稿を検知すると、検知信号がコントローラ部110に送出される。
上述の省エネ解除スイッチ101、圧板開閉センサ102、および原稿セットセンサ103は、いずれも複合機100に対するユーザによる所定の操作を検知可能な検知部である。例えば、省エネ解除スイッチ101は、ユーザによって操作されるスイッチであり、スイッチのON/OFFというユーザ操作を検知することができる。また、圧板開閉センサ102および原稿セットセンサ103は、それぞれ圧板の開閉および原稿のセットというユーザ操作を検知することができる。したがって、これらのスイッチまたはセンサから検知信号が送出されたことは、複合機100の周辺にユーザが存在することを意味する。
主電源スイッチ104は、複合機100への電力の供給または切断を行うスイッチである。
コントローラ部110は、省エネ解除スイッチ101、圧板開閉センサ102、原稿セットセンサ103、主電源スイッチ104、エンジン制御部120を含む複合機100全体を制御する。また、コントローラ部110は、さらに通信制御部111と、タイマ部112とを備える。
タイマ部112は、定着部130を作像調整した後の経過時間を計時する。ここで、作像調整とは、複合機100周辺の環境(例えば、温度や湿度等)による定着部130、感光体等の制御パラメータの調整である。
通信制御部111は、省エネ解除スイッチ101、圧板開閉センサ102、原稿セットセンサ103、主電源スイッチ104等に接続される。また、通信制御部111は、これらのスイッチやセンサから検知信号を受信した場合に、受信した検知信号に応じた値を省エネ復帰要因信号および復帰判別信号に設定する。そして、通信制御部111は、省エネ復帰要因信号および復帰判別信号を専用線150を介してエンジン制御部120に送出する。
ここで、省エネ復帰要因信号とは、ユーザが複合機100自体を操作することによって省エネモードから復帰したか否かを示す情報である。上述した省エネ解除スイッチ101、圧板開閉センサ102、原稿セットセンサ103から検知信号を受信した場合は、通信制御部111は、省エネ復帰要因信号に“0(Low)”を設定する。省エネ復帰要因信号に“0(Low)”が設定された場合とは、複合機100の周辺にユーザが存在することを意味する。また、省エネ解除スイッチ101、圧板開閉センサ102、原稿セットセンサ103から検知信号を受信しない場合は、通信制御部111は、省エネ復帰要因信号に“1(High)”を設定する。省エネ復帰要因信号に“1(High)”が設定された場合とは、ネットワークからデータが送信された場合等のように、複合機100の周辺にユーザが存在しないことを意味する。また、本発明にかかるユーザ操作信号は、省エネ復帰要因信号に“0(Low)”が設定されている場合、すなわちユーザ操作によって省エネモードから復帰した場合を示している。なお、省エネ復帰要因信号に“0”を設定する場合は、上述した場合のみに限らず、複合機100の近辺に存在するユーザによって操作される他のスイッチまたはセンサなどからの検知信号を受信した場合に設定するようにしてもよい。
また、復帰判別信号とは、複合機100が省エネモードからの復帰であるか否かを示す情報である。主電源スイッチ104がONに操作された場合は、通信制御部111は、復帰判別信号に“0(Low)”を設定し、それ以外で復帰した場合は復帰判別信号に“1(High)”を設定する。すなわち、復帰判別信号に“0(Low)”が設定された場合とは、主電源からの電源立上りであることを意味し、復帰判別信号に“1(High)”とは、省エネモードからの復帰であることを意味する。
また、通信制御部111は、コントローラ部110の電源が立ち上がっているか否かを示す信号であるコントローラ電源立上り信号を、専用線150を介してエンジン制御部120に送出する。コントローラ電源立上り信号には、コントローラ部110の電源が立ち上がっていない場合に“0(Low)”が設定される。そして、コントローラ電源立上り信号には、コントローラ部110の電源が立ち上がっている場合に“1(High)”が設定される。すなわち、主電源が立ち上がり、コントローラ部110に入力される電源が3.3Vに降圧されると、コントローラ電源立上り信号が“0(Low)”から“1(High)”に設定される。そして、主電源がOFFにされるまで、“1(High)”に設定されたコントローラ電源立上り信号が、専用線150を介して通信制御部111からエンジン制御部120に送出される。
また、通信制御部111は、タイマ部112によって計時された作像調整後の経過時間に応じた値を経過時間信号に設定し、専用線150を介して経過時間信号をエンジン制御部120に送出する。ここで、経過時間信号とは、定着部130で作像調整した後の経過時間が所定時間を超えたか否かを示す信号である。定着部130が作像調整した後の経過時間が所定時間を超えた場合は、通信制御部111は、経過時間信号に“1(High)”を設定する。また、定着部130が作像調整した後の経過時間が所定時間を超えていない場合は、通信制御部111は、経過時間信号に“0(Low)”を設定する。
また、コントローラ部110は、電源投入時や省エネモードからの復帰時において、コントローラ部110とエンジン制御部120が起動した後にエンジン制御部120との間で所定の処理手順に従って汎用PCIバス140の開通処理を行う。コントローラ部110は、汎用PCIバス140が開通した後には汎用PCIバス140を介してエンジン制御部120との間で情報を送受信する。
専用線150とは、コントローラ部110の通信制御部111とエンジン制御部120の通信制御部121とを接続する通信線である。専用線150は、コントローラ部110が上述した省エネ復帰要因信号、復帰判別信号、経過時間信号をエンジン制御部120に送出する際に用いられる。専用線150は、後述する汎用PCIバス140と異なり、各部間での開通処理を待つことなく、エンジン制御部120にこれらの信号を送出することができる。
汎用PCIバス140とは、複合機100の各部を接続するデータ伝送路(通信線)であり、PCI(Peripheral Components Interconnect)という規格のデータ伝送路である。コントローラ部110やエンジン制御部120を含む複合機100の各部は、各部間で所定の開通処理を実行することにより、汎用PCIバス140を介した各部間の通信が可能となる。コントローラ部110とエンジン制御部120とを接続する通信線は、汎用PCIバスに限るものではなく、他の規格のデータ伝送路であってもよい。
次に、エンジン制御部120について説明する。エンジン制御部120は、コントローラ部110からの信号に基づいて定着部130等を制御する。エンジン制御部120は、さらに通信制御部121と、定着制御部122とを備えている。
通信制御部121は、コントローラ部110から専用線150を介して送出されたコントローラ電源立上り信号、省エネ復帰要因信号、復帰判別信号、経過時間信号を受信する。また、通信制御部121は、汎用PCIバス140が開通した後は、汎用PCIバス140を介してコントローラ部110との間で様々な信号を送受信する。
定着制御部122は、汎用PCIバス140の開通処理が完了する前に、コントローラ部110から専用線150を介して通信制御部121が受信したコントローラ電源立上り信号、省エネ復帰要因信号、復帰判別信号、経過時間信号に基づいて、定着部130を加熱するか否かを判断し、判断結果に基づいて定着部130を制御する。
具体的には、定着制御部122は、受信したコントローラ電源立上り信号によってコントローラ部110の電源が立ち上がっているか否かを判断し、立ち上がっている場合に、受信した省エネ復帰要因信号、復帰判別信号、および経過時間信号を用いて定着部130を制御する。コントローラ部110の電源が立ち上がっていない状態で受信した信号は誤っている場合があり信頼性が低いためである。すなわち、通信制御部121は、コントローラ電源立上り信号からコントローラ部110の電源が立ち上がっており、受信した信号が信頼できると判断した場合にのみ、受信した省エネ復帰要因信号、復帰判別信号、および経過時間信号を用いて定着部130の制御処理を実行する。
例えば、定着制御部122は、受信した経過時間信号によって、定着部130を作像調整するか否かを判断する。定着部130を作像調整から所定時間が経過した場合には、複合機100の周辺環境が変化する可能性があり、高品質の画像を形成するために、改めて作像調整を実行することが望ましい。そこで、定着制御部122は、受信した経過時間信号によって改めて作像調整を行うか否かを判断する。なお、省エネ復帰要因信号、復帰判別信号、および経過時間信号を用いて定着部130を加熱するか否かを判断する処理の詳細は後述する。
上述のように、コントローラ部110は、省エネ復帰要因信号、復帰判別信号、および経過時間信号を専用線150を介して送出する。すなわち、コントローラ部110は、エンジン制御部120との間の汎用PCIバス140の開通処理の完了を待たずに信号を送出することができる。このため、エンジン制御部120は、汎用PCIバス140を介して送出した場合より早くこれらの信号を受信し、受信した信号に基づいて定着部130を加熱するか否かを判断し、定着部130を制御することができる。
定着制御部122は、汎用PCIバス140が開通した後は、汎用PCIバス140を介して送信される信号に基づいて定着部130等を制御する。
次に、以上のように構成されている複合機100のコントローラ部110による信号送出処理について説明する。図2は、コントローラ部110の通信制御部111が行う情報送出処理手順を示すフローチャートである。前提として、上述したように、主電源がONにされてから主電源がOFFにされるまでの間は、コントローラ電源立上り信号に“1”が設定され、コントローラ電源立上り信号は、常時コントローラ部110の通信制御部111からエンジン制御部120に送出される。
まず、通信制御部111は、主電源スイッチ104をONとした操作を示す検知信号を受信したか否かを判断する(ステップS201)。主電源スイッチ104をONとした操作を示す検知信号を受信したと判断した場合は(ステップS201:Yes)、通信制御部111は復帰判別信号に“0”を設定し(ステップS202)、ステップS212に進む。復帰判別信号=“0”は、主電源からの電源立上りであることを意味する。
主電源スイッチ104をONとした操作を示す検知信号を受信していないと判断した場合は(ステップS201:No)、通信制御部111は復帰判別信号に“1”を設定する(ステップS203)。復帰判別信号=“1”は、省エネモードからの復帰であることを意味する。通信制御部111は、省エネ解除スイッチ101をONとした操作を示す検知信号を受信したか否かを判断する(ステップS204)。省エネ解除スイッチ101をONとした操作を示す検知信号を受信していないと判断した場合は(ステップS204:No)、通信制御部111は圧板開閉センサ102の開閉を検知したことを表す検知信号を受信したか否かを判断する(ステップS205)。
圧板開閉センサ102の開閉を検知したことを表す検知信号を受信していないと判断した場合は(ステップS205:No)、通信制御部111は原稿セットセンサ103が原稿を検知したことを表す検知信号を受信したか否かを判断する(ステップS206)。原稿セットセンサ103が原稿を検知ことを表す検知信号を受信したしていないと判断した場合は(ステップS206:No)、通信制御部111は省エネ復帰要因信号に“1”を設定し(ステップS207)、ステップS212に進む。省エネ復帰要因信号=“1”は、ネットワークからのアクセスによる省エネモードからの復帰であることを意味する。
ステップS204において省エネ解除スイッチ101をONとした操作を示す検知信号を受信したと判断した場合は(ステップS204:Yes)、ステップS205において圧板開閉センサ102の開閉を検知したことを表す検知信号を受信したと判断した場合は(ステップS205:Yes)、またはステップS206において原稿セットセンサ103が原稿を検知したことを表す検知信号を受信したと判断した場合は(ステップS206:Yes)、通信制御部111は省エネ復帰要因信号に“0”を設定する(ステップS208)。省エネ復帰要因信号=“0”は、ユーザ操作による省エネモードからの復帰であることを意味する。
通信制御部111は、タイマ部112によって計時された前回の作像調整からの経過時間が所定値より大きいか否かを判断する(ステップS209)。経過時間が所定値より大きいと判断した場合は(ステップS209:Yes)、通信制御部111は経過時間信号に“1”を設定する(ステップS210)。経過時間信号=“1”は、前回の作像調整から所定時間が経過したことを意味する。経過時間が所定値より大きくないと判断した場合は(ステップS209:No)、通信制御部111は経過時間信号に“0”を設定する(ステップS211)。経過時間信号=“0”は、前回の作像調整から所定時間が経過していないことを意味する。
通信制御部111は、復帰判別信号、省エネ復帰要因信号、経過時間信号を、専用線150を介してエンジン制御部120に送出する(ステップS212)。通信制御部111は、エンジン制御部120との間で汎用PCIバス140の開通処理を行う(ステップS213)。なお、汎用PCIバス140が開通した後は、コントローラ部110とエンジン制御部120との情報のやりとりは汎用PCIバス140を介して行う。
次に、コントローラ部110から送出された情報に基づいて行うエンジン制御部120による定着加熱制御処理について説明する。図3は、エンジン制御部120の通信制御部121、定着制御部122が行う定着加熱制御処理手順を示すフローチャートである。
まず、定着制御部122は、コントローラ部110から送出され、通信制御部121によって受信されたコントローラ電源立上り信号に“1”が設定されているか否かを判断する(ステップS301)。コントローラ電源立上り信号=“1”は、コントローラ部110の電源が立上っていることを意味する。また、コントローラ電源立上り信号=“0”は、コントローラ部110の電源が立上っていないことを意味する。コントローラ電源立上り信号に“1”が設定されていないと判断した場合は(ステップS301:No)、ステップS301に戻る。コントローラ部110の電源が立ち上がっていない場合は、その後受信する種々の信号に設置された値が誤っている可能性が高いため、コントローラ部110が立ち上がるまでエンジン制御部120は処理を行わず待機する。
コントローラ電源立上り信号に“1”が設定されていると判断した場合は(ステップS301:Yes)、定着制御部122は、通信制御部121によって受信された復帰判別信号に“1”が設定されているか否かを判断する(ステップS302)。復帰判別信号=“1”は、省エネモードからの復帰であることを意味する。また、復帰判別信号=“0”は、主電源からの電源立上りであることを意味する。復帰判別信号に“1”が設定されていないと判断した場合は(ステップS302:No)、ステップS305に進む。復帰判別信号に“1”が設定されていると判断した場合は(ステップS302:Yes)、定着制御部122は、通信制御部121によって受信された省エネ復帰要因信号に“0”が設定されているか否かを判断する(ステップS303)。省エネ復帰要因信号=“0”は、ユーザ操作による省エネモードからの復帰であることを意味する。また、省エネ復帰要因信号=“1”は、ネットワークからのアクセスによる省エネモードからの復帰であることを意味する。
省エネ復帰要因信号に“0”が設定されていると判断した場合は(ステップS303:Yes)、定着制御部122は、通信制御部121によって受信された経過時間信号に“1”が設定されているか否かを判断する(ステップS304)。経過時間信号=“1”は、前回の作像調整から所定時間が経過したことを意味する。また、経過時間信号=“0”は、前回の作像調整から所定時間が経過していないことを意味する。経過時間信号に“1”が設定されていないと判断した場合は(ステップS304:No)、定着制御部122は定着部立上げ処理のみを行う(ステップS305)。定着部立上げ処理の詳細は後述する。なお、定着制御部122は、主電源スイッチ104から立ち上がった場合も(ステップS302:No)、定着部立上げ処理のみを実行する。これは、主電源スイッチ104から立ち上がった場合にはコントローラ部110にも電力が供給されていないため、コントローラ部110のタイマ部112で前回作像調整してからの経過時間を計時することができず、作像調整の要不要が判断できないためである。この場合は、定着制御部122は定着部立上げ処理のみを実行し、汎用PCIバス140が開通した後に必要であれば作像調整処理を実行する。
経過時間信号に“1”が設定されていると判断した場合は(ステップS304:Yes)、定着制御部122は、定着部立上げ処理を行い(ステップS306)、作像調整処理を行う(ステップS307)。作像調整を行なった後に所定の時間が経過した場合は、複合機100周辺の環境が変化している可能性が高いため、所定時間ごとに作像調整処理を行うことにより、高品質な画像形成処理を行うことができる。
ステップS303において、省エネ復帰要因信号に“0”が設定されていないと判断した場合は(ステップS303:No)、定着制御部122は、静音待機処理を行う(ステップS308)。省エネ復帰要因信号に“0”が設定されていない場合、すなわち、ネットワークからのアクセスによる省エネモードからの復帰の場合とは、例えばネットワークに接続されているパーソナルコンピュータからネットワークを介して送信された画像データを印刷、または記憶部に格納するなどの指示がなされる場合である。この場合、画像データの印刷指示であってもユーザは複合機100の近辺に存在しないので、汎用PCIバス140が開通するまでの待機時間が問題となることは少ない。また、記憶部への格納の場合は定着部130を加熱する必要はないため、定着部130への加熱処理は行わない。
通信制御部121は、コントローラ部110との間でバス開通処理を行う(ステップS309)。その後、定着制御部122は、コントローラ部110の指示により他の処理を行う。なお、バス開通後は、定着制御部122は、汎用PCIバス140を介してコントローラ部110との間で情報を送受信する。
このように、コントローラ部110とエンジン制御部120との間での汎用PCIバス140の開通処理が完了することを待たずに、コントローラ部110から専用線150を介して送出された省エネ復帰要因信号、復帰判別信号、経過時間信号に基づいてエンジン制御部120が定着部130を加熱するか否かを判断した上で定着部130への加熱を開始することができるため、印刷可能となるまでの待ち時間を短縮できる。また、エンジン制御部120で定着部130への加熱が必要か否かを判断し、不要な場合には定着部130への加熱を行わず、必要な場合のみ定着部130への加熱を行うため、無駄な電力を消費することがなく、電力を節約することができる。
なお、省エネ復帰要因信号、復帰判別信号、経過時間信号のうちのいずれか1つの信号または省エネ復帰要因信号、復帰判別信号、経過時間信号のうちのいくつかの信号に基づいてエンジン制御部120が定着部130を加熱するか否かを判断するようにしてもよい。
次に、エンジン制御部120の定着制御部122による定着部立上げ処理について説明する。図4は、エンジン制御部120の定着制御部122が行う定着部立上げ処理手順を示すフローチャートである。
定着制御部122は、不揮発性メモリにSC(Serviceman Call)コードが記録されているか否かを判断する(ステップS401)。不揮発性メモリにSCコードが記録されていると判断した場合(ステップS401:Yes)、すなわち定着部130に異常が発生している場合は、定着制御部122が定着加熱部への電力の供給をOFFにし(ステップS402)、電源供給リレーをOFFにする(ステップS403)。
不揮発性メモリにSCコードが記録されていないと判断した場合(ステップS401:No)、定着制御部122は定着部130の異常を検知したか否かを判断する(ステップS404)。定着部130の異常を検知したと判断した場合は(ステップS404:Yes)、定着制御部122は異常検知内容を不揮発性メモリに記録し(ステップS405)、ステップS402に進む。
定着部130の異常を検知していないと判断した場合は(ステップS404:No)、定着制御部122は不揮発性メモリから定着温度の設定値を読込む(ステップS406)。定着制御部122は、定着加熱部の温度が設定値以下であるか否かを判断する(ステップS407)。定着加熱部の温度が設定値以下であると判断した場合は(ステップS407:Yes)、定着制御部122は電力供給信号を定着加熱部に送出する(ステップS408)。定着加熱部の温度が設定値以下でないと判断した場合は(ステップS407:No)、ステップS409に進む。
定着制御部122は、定着加熱部の温度が設定値以上であるか否かを判断する(ステップS409)。定着加熱部の温度が設定値以上でないと判断した場合は(ステップS409:No)、ステップS404に戻る。定着加熱部の温度が設定値以上であると判断した場合は(ステップS409:Yes)、定着制御部122は電力供給OFF信号を定着過熱部に送出する(ステップS410)。
次に、コントローラ部110とエンジン制御部120との動作のタイミングについて説明する。図5−1は、主電源をONにした際のコントローラ部110とエンジン制御部120の動作タイミングの一例を示す説明図である。図5−1に示すように、ユーザが主電源スイッチ104をONにした場合、コントローラ部110ではコントローラ部110の電源が立上るための時間t11、コントローラ部110が起動するための時間t12、バス開通処理時間t13が必要である。コントローラ部110は、電源立上り後コントローラ電源立上り信号を、専用線150を介してエンジン制御部120に送出する。また、コントローラ部110は、コントローラ起動処理のうちのOSの初期化終了後、復帰判別信号、省エネ復帰要因信号および経過時間信号を、専用線150を介してエンジン制御部120に送出する。
一方、エンジン制御部120は、コントローラ部110の電源が立ち上がり、コントローラ起動処理のうちのOS初期化終了後、エンジン制御部120の起動を開始する。なお、エンジン制御部120は、復帰判別信号、省エネ復帰要因信号および経過時間信号とほぼ同時にコントローラ部110から送信される起動開始の指示に応じて起動を開始する。エンジン制御部120では、エンジン制御部120が起動するための時間t14、ソフト準備のための時間t15が必要である。上述した図3で示す定着加熱制御処理は、このソフト準備処理において実行される。復帰判別信号、省エネ復帰要因信号および経過時間信号は、定着加熱制御処理を実行する際の必要な時に参照することができる。定着加熱制御処理において定着部立上げ処理が必要と判断した場合はエンジン立上げ制御を開始する。
次に、省エネモードから復帰した際のコントローラ部110とエンジン制御部120との動作のタイミングについて説明する。図5−2は、省エネモードから復帰した際のコントローラ部110とエンジン制御部120の動作タイミングの一例を示す説明図である。図5−2に示すように、省エネモードから復帰した場合には、コントローラ部110の電源およびOSは立ち上がっている。コントローラ部110では、復帰要因を認識するための信号(省エネ解除スイッチ101、圧板開閉センサ102、原稿セットセンサ103からの検知信号)を受信して復帰要因を判定し、コントローラ起動処理(復帰)、バス開通処理を行う。コントローラ部110では、復帰要因を判定するための時間t21、コントローラ部110が起動(復帰)するための時間t22、バス開通処理時間t23が必要である。コントローラ部110は、復帰要因判定後、復帰判別信号、省エネ復帰要因信号および経過時間信号を、専用線150を介してエンジン制御部120に送出する。
一方、エンジン制御部120は、コントローラ部110での復帰要因判定後、エンジン制御部120の起動を開始する。エンジン制御部120では、エンジン制御部120が起動するための時間t24、ソフト準備のための時間t25が必要である。上述した図3で示す定着加熱制御処理は、ソフト準備処理において実行される。復帰判別信号、省エネ復帰要因信号および経過時間信号は、定着加熱制御処理を実行する際の必要な時に参照することができる。定着加熱制御処理において定着部立上げ処理が必要と判断した場合はエンジン立上げ制御を開始する。
このように、従来は、コントローラ部110が定着部130を加熱するか否かを判断し、バス開通処理が完了した後に、定着部130を加熱するか否かを指定するコマンドをバスを介してエンジン制御部120に送信し、このコマンドに応じてエンジン制御部120がエンジン立上げ制御を行っていた。すなわち、エンジン制御部120が起動完了後であっても、汎用PCIバス140の開通処理が完了しなければ、エンジン制御部120はエンジン立上げ制御を開始することができなかった。このため、本実施の形態と比較してバスが開通するまでの待ち時間ta(またはTb)が必要であった。しかしながら、本実施の形態では、エンジン起動し、ソフト準備処理後(図3に示す定着加熱制御処理後)必要であればすぐにエンジン立上げ制御を行うことができるため、画像形成処理を行う場合は定着部130の温度を設定値にいち早く加熱することができ、画像形成処理を迅速に行うことができる。
また、コントローラ部110から受信したコントローラ電源立上り信号、復帰判別信号、省エネ復帰要因信号および経過時間信号により、エンジン制御部120が定着部130の加熱が必要であるか否かを判断し、必要な場合にのみ定着部130の加熱を行うため、不要な定着部130の加熱が行われず、無駄な電力を消費することがない。
次に、本実施の形態にかかる複合機のハードウェア構成について説明する。図6は、本実施の形態にかかる複合機のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図6に示す複合機100は、複合機100の全体制御を行うコントローラ部110を備えている。コントローラ部110は、操作部502と、画像データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)503と、LANインタフェースボード505とに接続されている。また、コントローラ部110は、汎用PICバス140を介してFAXコントロールユニット506と、エンジン制御部120に接続されている。
複合機100は、コピー原稿(画像)を読み込むスキャナボード(SBU)511と、画像データを画像形成ドラム上に書き込むLDBボード512と、複合機100の負荷および各制御部に電源を供給する安定化電源回路514と、定着部130の定着加熱部への電力供給回路519、ゼロクロス検出回路を含むAC制御回路518等で構成されている。
コントローラ部110は、さらにCPU508と、コントローラ部110の制御を行うプログラムが記憶されたSDメモリボード507と、SDメモリボード507からのプログラムがダウンロードされるDRAMと、基本的なプログラムが記憶されたROMと、CPU508が使用する作業用メモリ(RAM)であるワークメモリ504およびフレームメモリ522と、リチウム電池を内蔵し、RAMのバックアップと時計機能を内蔵したNV−RAM528と、コントローラ部110のシステムバス制御、フレームメモリ制御、FIFO、CPU周辺、I/Oを制御するASIC530と、インタフェース回路等を搭載している。
ワークメモリ504は、プリンタで使用する画像展開(ドキュメントデータからイメージデータへの変換)の作業用メモリである。フレームメモリ522は、電源が供給され続けている状態で即座に印刷される読み取り画像や書込み画像のイメージデータを、一時蓄える作業用メモリである。
NV―RAM528に内蔵された時計は、内部に搭載されたクリスタルの基準クロック32,768Hzをカウントして、日時を発生させている。コントローラ部110のCPU508は、操作部502から入力された日時をNV−RAM528の内部レジスタに設定する。また、NV―RAM528には、画像形成するための作像調整情報、モード設定情報、定着部130を含む装置の異常情報等が記憶されている。
また、コントローラ部110の一部の回路には、安定化電源回路514の内部で生成された省エネ用電源529が供給されている。この省エネ用電源529から電源供給されるLANインタフェースボード505からの信号、操作部502に設けられた省エネ解除スイッチ101、圧板が開けられたことを検知する圧板開閉センサ102、ADFに原稿が積載されたことを検知する原稿セットセンサ103からの信号によりコントローラ部110は省エネモードから復帰する。
LANインタフェースボード505からの信号、省エネ解除スイッチ101、圧板開閉センサ102、原稿セットセンサ103の信号は、安定化電源回路514にも入力されており、この信号により安定化電源回路514を起動し、各制御部に電源が供給され省エネモードは解除される。
コントローラ部110のCPU508は、ASIC530のA/Dコンバータ530aにより安定化電源回路514から供給される電源の立ち上がりを検出している。
コントローラ部110は、電源の立上げ時に以下の判別を行い、その情報をエンジン制御部120に出力する。
まず、コントローラ部110で、コントローラ電源が通電しているか非通電であるかを判別して、専用線150を介してコントローラ電源立上り情報としてコントローラ部110からエンジン制御部120に送出する。
また、コントローラ部110は、主電源スイッチ104からの復帰であるか省エネモードからの復帰であるかを判別し、復帰判別情報をコントローラ部110からエンジン制御部120に送出する。コントローラ部110は、ユーザ操作による復帰であるかネットワーク復帰であるかを判別して、省エネ復帰要因情報をコントローラ部110からエンジン制御部120に送出する。
また、コントローラ部110は、前回作像調整してから経過した時間が所定の時間を経過したか経過していないかを判別して、経過時間情報をコントローラ部110からエンジン制御部120に出力する。エンジン制御部120は、コントローラ部110から送出された上記情報に基づいて立上げモードを判断する。エンジン制御部120が行う処理は、図3で説明した処理である。
また、コントローラ部110は、スキャナアプリケーション、ファクシミリアプリケーション、プリンタアプリケーションおよびコピーアプリケーション等の複数アプリケーションの機能を有し、システム全体の制御を行う。
また、コントローラ部110は、操作部502から入力された情報を解析し、複合機100の設定とその状態内容を表示部に表示する。汎用PCIバス140は、他のユニットと接続されており、画像データバス/制御コマンドバスで、画像データと制御コマンドを時分割で転送する。
LANインタフェースボード505は、社内LANに接続されている。社内LANとコントローラ部110との通信インタフェースボードであり、外部機器との通信はこのLANインタフェースボード505を経由して実施される。LANインタフェースボード505にも省エネ電源が供給されており、信号が入力されると、LANインタフェースボード505からの信号により省エネモードは解除される。
HDD503は、システムのアプリケーションプログラム、プリンタや作像プロセス機器の機器付勢情報を格納するアプリケーションデータベース、イメージデータ(画像データ)やドキュメントデータを蓄える画像データベース等として用いられる。
原稿を光学的に読み取るカラー原稿読取ユニット300は、原稿に対する原稿照明光源の走査を行い、カラーCCD521に原稿像を結像する。原稿像すなわち原稿に対する光照射の反射光をカラーCCD521で光電変換してR、G、Bの画像信号を生成する。
図6に示すカラーCCD521は、3ラインカラーCCDで、EVENch/ODDchのR、G、B画像信号を生成し、スキャナボード511のアナログASICに入力する。スキャナボード511は、アナログASICを備え、カラーCCD521とアナログASICの駆動タイミングを発生するタイミング発生回路/制御回路を備えている。カラーCCD521の出力は、アナログASIC内部のサンプルホールド回路によりサンプルホールドされ、その後A/D変換され、R、G、Bの画像データに変換される。画像データは、シェーディング補正され、そして出力I/F(インタフェース)520で画像データバスを介して画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下、IPPという)に送出される。
IPPは、画像処理をおこなうプログラマブルな演算処理手段であり、分離生成(画像が文字領域か写真領域かの判定:像域分離)、地肌除去、スキャナガンマ変換、フィルタ、色補正、変倍、画像加工、プリンタガンマ変換および階調処理を行う。スキャナボード511からIPPに転送された画像データは、IPPにて光学系およびデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化)を補正され、フレームメモリ522に書き込まれる。
操作部502には、CPU、ROM、RAM、LCD及びキー入力を制御するASIC(LCDC)が搭載されている。ROMには、操作部502の入出力を制御する制御プログラムが書き込まれている。RAMは、CPUで使用する作業用メモリである。操作部502は、コントローラ部110との通信により、ユーザによるシステム設定の入力を受付け、システムの設定内容、状態を表示している。
コントローラ部110のワークメモリ504から出力されたブラック(B)、イエロー(Y)、シアン(C)、マデンタ(M)の各色の書き込み信号は、LDB (Laser Diode control Board)のB、Y、M、CのLD書き込み回路に入力される。LD書き込み回路でLD電流制御(変調制御)が行われ、各LDに出力される。
エンジン制御部120は、複合機100の作像作成制御を主として行い、CPU523、画像処理を行うIPP、複写およびプリントアウトを制御するため必要なプログラムを内蔵したROM、その制御に必要なRAMおよびNV―RAM524を搭載している。
NV−RAM524は、SRAMと、電源OFFを検知してEEPROMにストアするメモリを搭載し、電源ON時にはEEPROMの内容がSRAMにダウンロードされる。NV―RAM524は、汎用PCIバス140が開通する前にエンジン制御部120で各部を制御するに必要な情報、例えばスキャナの初期化、作像調整情報、定着部130の温度設定データ、異常情報等が記憶されている。定着部130の異常情報としては、サーミスタ断線、定着がリロードしない、高温検知等がある。定着部130の定着加熱部の温度設定データとしては、各定着ローラの温度、通紙時の紙厚に対応した補正温度等のデータがある。また、他の制御を行うCPUとの信号の送受信を行なうシリアルインタフェースも備えている。
I/OASIC526には、複合機100を制御するモータ、ソレノイド、クラッチ、定着部130の定着加熱部に電力供給する電力供給回路519、複合機100を制御する各種センサ、スイッチ、圧板開閉センサ102、原稿セットセンサ103、トナーエンドセンサ、Pセンサ、Tセンサ、定着加熱部の温度検出回路515等のアナログ制御回路が接続されている。
エンジン制御部120のCPU523は、汎用PCIバス140を介してコントローラ部110とのコマンドの送受信も行うが、ポート530bを使用した専用線150を介した各種信号(コントローラ電源立上り情報、復帰判別情報、省エネ復帰要因情報、経過時間情報)の送受信を行う。
安定化電源回路514は、複合機100を制御する電源を供給するユニットである。主電源スイッチ104がONに操作されることによって商用電源が供給される。コピー動作が終了後、一定時間が経過すると省エネモード移行信号がエンジン制御部120のCPU523から出力される。安定化電源回路514は、省エネ用電源529を生成し、それ以外の電源出力を停止する。
AC制御回路518は、ゼロクロス検出回路と、定着部130の定着加熱部に電力供給する電力供給回路519とを備える。電力供給回路519は、トライアックで構成され、I/OASIC526を介してCPU523から出力される信号により電力供給される。ゼロクロス検出回路は、ゼロクロス信号を発生する回路である。この信号は、CPU523の割り込み端子に入力され、CPU523はこのゼロクロス信号を基準として電力供給信号を生成している。CPUの内部タイマによりこのゼロクロス信号の間隔を測定して商用周波数検出を行っている。
定着部130の定着加熱部(定着ヒータ)の温度が低下すると、定着加熱部に電力供給時に突入電流が流れ、この突入電流のために室内照明にチラツキが発生する場合がある。この対策として定着加熱部の点灯位相角を徐々に広げていくソフトスター方式が採用されている。この場合の位相角は50/60Hz同じにするので、商用周波数検出が必要になる。60Hzの場合には50Hzより3.4mS早く点灯させている。なお、省エネ解除時はNV−RAM524に記憶された商用周波数が使用される。
また、本実施の形態の複合機100で実行される定着加熱制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態の複合機100で実行される定着加熱制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
また、本実施の形態にかかる定着加熱制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本実施の形態の複合機100で実行される定着加熱制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
本実施の形態の複合機100で実行される定着加熱制御プログラムは、上述した各部(通信制御部、定着制御部等)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から定着加熱制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信制御部、定着制御部等が主記憶装置上に生成されるようになっている。
以上、本発明を本実施の形態を用いて説明してきたが、上述した実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。
例えば、主電源のみでは電力が不足する場合があることを考慮し、複合機がキャパシタなどにより構成される補助電源を備えている場合であれば、ユーザが複合機の周辺に存在するときにのみ補助電源を使用するように構成してもよい。
図7は、このように構成された本実施の形態の変形例にかかる複合機の構成を示すブロック図である。図7に示すように、本変形例の複合機は、メイン電源701と、補助電源702と、負荷703と、整流平滑回路704と、切替スイッチ(SW)705と、コントローラ部710と、を含んでいる。なお、同図では電源に関連する構成部のみを記載し、その他の構成部は省略している。
メイン電源701は、整流平滑回路704によって全波整流および平滑された交流電源705からの交流電流を入力し、コンバータを介して補助電源702および負荷703に直流電流を出力する。
補助電源702は、キャパシタなどの蓄電部711と、蓄電部711を充電する充電回路712と、蓄電部712の充電電流を検出する充電電流検出回路713と、蓄電部712の充電電圧を検出する充電電圧検出回路714と、蓄電部711から出力された電圧を定電圧化する定電圧生成回路715と、を備えている。
負荷703は、定着部130、スキャナ、DC負荷などを含み、メイン電源701または補助電源702から電力が供給される。
コントローラ部710は、省エネ復帰要因信号の値に応じて負荷703に補助電源702から電力を供給するか否かを切り替える。具体的には、コントローラ部710は、省エネ復帰要因信号に“0(Low)”が設定されている場合に、補助電源703からの電力を負荷703に供給するように切替SW705を切り替える。上述のように、省エネ復帰要因信号=“0(Low)”は、複合機100の周辺にユーザが存在することを意味する。したがって、コントローラ部710は、複合機100の周辺にユーザが存在する場合には、メイン電源701および補助電源703から電力を供給するように切替SW705を制御する。これにより、ユーザが複合機の周辺に存在する場合には補助電源703を使用し、定着部130等が使用可能となるまでの時間を短縮することができる。
また、コントローラ部710は、省エネ復帰要因信号に“1(High)”が設定されている場合に、補助電源703からの電力を負荷703に供給せず、メイン電源701のみから電力を供給するように切替SW705を切り替える。省エネ復帰要因信号=“1(High)”は、ネットワークからのアクセスによって省エネモードから復帰したことを意味する。このような場合は迅速な立上げが不要なため、補助電源703を使用せずにメイン電源701のみから定着部130などの負荷703に電力を供給することができる。
なお、上述した実施の形態では、複合機を一例として説明したが、本発明は複合機に限る必要はなく、コピー機、ファクシミリ、プリンタ等の定着部を備え、画像形成処理を行う装置に適用することができる。