JP5211825B2 - タイヤの評価方法及びタイヤの評価用コンピュータプログラム - Google Patents

タイヤの評価方法及びタイヤの評価用コンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、タイヤを設計する際に、タイヤの摩耗形態に基づいてタイヤの性能安定性を評価することに関する。
コンピュータを用いたシミュレーションによってタイヤの性能を評価し、これに基づいてタイヤを設計する手法が提案され、実用化されてきている。例えば、特許文献1には、タイヤを複数の構成要素に分割して近似したタイヤモデルに所定の条件を付与してタイヤの特性をシミュレーションする方法が開示されている。この方法は、製造上生じるばらつきと使用条件によるばらつきとの少なくとも一方を有するパラメータを選択し、選択したパラメータを変動させてタイヤモデルの計算を行い、当該パラメータの変動による誤差変動を、直交表による割り付けにしたがって算出する。
特開2002−099579号公報(0005〜0013)
ところで、タイヤの摩耗形態は、タイヤが取り付けられる車両の懸架装置のアライメントや前記車両の走行モード等の影響で大きく変化する。特許文献1に開示された技術は、使用条件としてはタイヤの回転速度のばらつきを考慮しているが、タイヤの摩耗形態の変動については考慮されていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤの摩耗形態が変化したことに起因するタイヤの性能変化を適切に評価することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤの評価方法は、コンピュータが、評価対象であるタイヤの摩耗形態を2以上定める摩耗形態設定手順と、前記コンピュータで解析可能な解析モデルであって、前記摩耗形態に基づいて評価対象のタイヤを摩耗させた形態の摩耗タイヤモデルを、前記摩耗形態の数だけ作成する摩耗モデル作成手順と、複数の前記摩耗タイヤモデルに対して転動解析を実行する解析手順と、前記解析手順を実行した後における前記摩耗タイヤモデルから、前記評価対象のタイヤの特性を表す特性情報を取得する特性情報取得手順と、前記摩耗形態が異なる複数の前記摩耗タイヤモデルに対応する前記特性情報間におけるばらつきを求める統計量演算手順と、前記ばらつきに基づいて、前記タイヤの性能安定性を評価するタイヤ評価手順と、を含む方法を実行することを特徴とする。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤの評価方法において、前記摩耗モデル作成手順においては、評価対象のタイヤから、コンピュータで解析可能な解析モデルである基準タイヤモデルを作成し、前記摩耗形態に基づいて前記基準タイヤモデルを摩耗させることが望ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤの評価方法は、コンピュータが、評価対象のタイヤから、前記コンピュータで解析可能な解析モデルである基準タイヤモデルを作成する基準モデル作成手順と、前記基準タイヤモデルに対して前記タイヤの摩耗形態を2以上定める摩耗形態設定手順と、前記摩耗形態に基づき、前記基準タイヤモデルを摩耗させた形態の摩耗タイヤモデルを、前記摩耗形態の数だけ作成する摩耗モデル作成手順と、前記基準タイヤモデル、及び複数の前記摩耗タイヤモデルに対して転動解析を実行する解析手順と、前記基準モデル作成手順を実行した後における前記基準タイヤモデル、及び前記摩耗モデル作成手順を実行した後における前記摩耗形態が異なる複数の前記摩耗タイヤモデルそれぞれから取得した、前記評価対象のタイヤの特性を表す特性情報間におけるばらつきを求める統計量演算手順と、前記ばらつきに基づいて、前記タイヤの性能安定性を評価するタイヤ評価手順と、を含む方法を実行することを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤの評価方法は、コンピュータが、評価対象のタイヤから、前記コンピュータで解析可能な解析モデルである基準タイヤモデルを作成する基準モデル作成手順と、前記基準タイヤモデルに対して転動解析を実行する第1解析手順と、前記基準タイヤモデルに対して2以上のタイヤの摩耗形態を定める摩耗形態設定手順と、前記摩耗形態に基づき、前記基準タイヤモデルを摩耗させた形態の摩耗タイヤモデルを、前記摩耗形態の数だけ作成する摩耗モデル作成手順と、複数の前記摩耗タイヤモデルに対して転動解析を実行する第2解析手順と、前記第1解析手順を実行した後における前記基準タイヤモデル、及び前記第2解析手順を実行した後における前記摩耗形態が異なる複数の前記摩耗タイヤモデルそれぞれから取得した、前記評価対象のタイヤの特性を表す特性情報間におけるばらつきを求める統計量演算手順と、前記ばらつきに基づいて、前記タイヤの性能安定性を評価するタイヤ評価手順と、を含む方法を実行することを特徴とする。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤの評価方法において、前記コンピュータは、前記基準タイヤモデルの子午断面における接地面に存在する少なくとも2点から、前記基準タイヤモデルの回転軸方向に向かって前記摩耗形態に応じて予め定めた摩耗量分離れた前記2点に対応する点を定めるとともに、対応する点同士を通る直線又は曲線を、前記摩耗タイヤモデルの子午断面における接地面とすることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤの評価方法において、前記コンピュータは、前記基準タイヤモデルの接地面に存在する少なくとも3点から、前記基準タイヤモデルの回転軸方向に向かって前記摩耗形態に応じて予め定めた摩耗量分離れた前記3点に対応する点を定めるとともに、対応する点同士を通る平面又は曲面を、前記摩耗タイヤモデルの接地面とすることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤの評価方法において、前記摩耗形態は、前記コンピュータが、前記基準タイヤモデルをシミュレーションによって摩耗させた結果に基づき、前記摩耗形態及びそれぞれの前記摩耗形態における摩耗量を定めることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記タイヤの評価方法において、前記コンピュータは、前記基準タイヤモデルを周方向に複数の領域に分割し、前記摩耗タイヤモデルは、分割されたそれぞれの前記領域に、設定されたそれぞれの摩耗形態が割り当てられることが望ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤの評価用コンピュータプログラムは、前記タイヤの評価方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明は、タイヤの摩耗形態が変化したことに起因するタイヤの性能変化を適切に評価できる。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。本発明は、空気入りタイヤに限られず、タイヤ全般に対して適用できる。
実施例1は、次の点に特徴がある。すなわち、評価対象であるタイヤの摩耗形態を2以上定めて、それぞれの摩耗形態に対応した形態で摩耗させた摩耗タイヤモデルを作成する。そして、摩耗形態が異なる複数の摩耗タイヤモデルに対応するそれぞれの特性情報の集まりを母集団とし、前記母集団における特性情報のばらつきに基づいて、摩耗形態が異なることに対するタイヤの性能安定性を評価する。ここで、特性情報とは、タイヤの特性を表すものであり、例えば、タイヤの径方向におけるばね剛性、応力、ひずみ、変形量、コーナーリング性能、コーナーリングフォース、スリップ角、摩擦係数、排水性能、騒音、振動等である。
図1は、タイヤの子午断面を示す断面図である。子午断面とは、タイヤの回転軸(Y軸)をと平行かつ前記回転軸を含む平面でタイヤ1を切ったときの断面である。タイヤ1の子午断面には、カーカス2、ベルト3、ベルトカバー4、ビードコア5が現れている。タイヤ1は、母材であるゴムを、強化材であるカーカス2、ベルト3、あるいはベルトカバー4等の補強コードによって補強した複合材料の構造体である。ここで、カーカス2、ベルト3、ベルトカバー4等の、金属繊維や有機繊維等のコード材料で構成される層を、コード層という。
カーカス2は、タイヤ1に空気を充填した際に圧力容器としての役目を果たす強度メンバーであり、その内圧によって荷重を支え、走行中の動的荷重に耐えるようになっている。ベルト3は、キャップトレッドとカーカス2との間に配置されたゴム引きコードを束ねた補強コードの層である。なお、バイアスタイヤの場合にはブレーカと呼ぶ。ラジアルタイヤにおいて、ベルト3は形状保持及び強度メンバーとして重要な役割を担っている。
ベルト3の接地面側には、ベルトカバー4が配置されている。ベルトカバー4は、例えば有機繊維材料を層状に配置したものであり、ベルト3の保護層としての役割や、ベルト3の補強層としての役割を持つ。ビードコア5は、内圧によってカーカス2に発生するコード張力を支えているスチールワイヤの束である。ビードコア5は、カーカス2、ベルト3、ベルトカバー4及びトレッドとともに、タイヤ1の強度部材となる。
キャップトレッド6の接地面9側には、溝7が形成される。これによって、雨天走行時の排水性を向上させる。また、タイヤ1の側部はサイドウォール8と呼ばれており、ビードコア5とキャップトレッド6との間を接続する。また、キャップトレッド6とサイドウォール8との間はショルダー部Shである。次に、本実施例に係るタイヤの評価方法を実行する装置について説明する。
図2は、実施例1に係るタイヤ評価装置の構成を示す説明図である。図2に示すタイヤ評価装置50が、本実施例に係るタイヤの評価方法を実行する。タイヤ評価装置50は、処理部50pと記憶部50mとを備えて構成される。処理部50pと記憶部50mとは、入出力部(I/O)59を介して接続される。
処理部50pは、モデル作成部51と、摩耗モデル作成部52と、解析部53と、統計量演算部54と、条件判定部55とを含んで構成される。これらが本実施例に係るタイヤの評価方法を実行する。モデル作成部51と、摩耗モデル作成部52と、解析部53と、統計量演算部54と、条件判定部55とは入出力部59に接続されており、相互にデータをやり取りできるように構成されている。
モデル作成部51は、評価対象であるタイヤの解析モデルを作成する。摩耗モデル作成部52は、予め設定された、評価対象であるタイヤの摩耗形態に基づき、前記摩耗形態を再現した摩耗解析モデルを作成する。解析部53は、摩耗解析モデルや解析モデルに対して転動解析を実行する。統計量演算部54は、転動解析を実行した後の摩耗解析モデルや解析モデルから、評価対象のタイヤの特性を表す特性情報を取得する。そして、統計量演算部54は、摩耗形態が異なる複数の前記摩耗タイヤモデル間における特性情報のばらつき、あるいは解析モデルと摩耗形態が異なる複数の前記摩耗タイヤモデルとの間における特性情報のばらつきを求める。条件判定部55は、本実施例に係るタイヤの評価方法において、例えば、タイヤの性能安定性が許容できるか否かを判定する。
また、入出力部59には、端末装置60が接続されており、本実施例に係るタイヤの評価方法を実行するために必要なデータ、例えば、タイヤ1を構成するゴムの物性値や繊維材料の物性値、あるいは転動解析における境界条件や走行条件等を、端末装置60に接続された入力装置61によってタイヤ評価装置50へ与える。また、タイヤ評価装置50からタイヤ評価データを受け取り、端末装置60に接続された表示装置62に、タイヤモデルを表示する。さらに、入出力部59には、ネットワーク63を介して、各種データサーバー641、642等が接続されている。そして、本実施例に係るタイヤの評価方法を実行するにあたっては、処理部50pが各種データサーバー641、642等内に格納されている各種データベースを利用できるように構成される。
記憶部50mには、本実施例に係るタイヤの評価方法(詳細は後述する)を処理部50pに実行させるためのコンピュータプログラムや、各種データサーバー641、642等から取得した、材料物性等のデータが格納されている。なお、材料物性等のデータは、本実施例に係るタイヤの評価方法を実行する際に用いる。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成できる。また、処理部50pは、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成できる。また、記憶部50mは、処理部50pに内蔵されるものであっても、他の装置(例えばデータベースサーバ)内にあってもよい。このように、上記タイヤ評価装置50は、通信により端末装置60から処理部50pや記憶部50mにアクセスするものであってもよい。
上記コンピュータプログラムは、処理部50pが備えるモデル作成部51や統計量演算部54等へ既に記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、本実施例に係るタイヤの評価方法の処理手順を実現できるものであってもよい。また、このタイヤ評価装置50は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、処理部50pが備えるモデル作成部51、摩耗モデル作成部52、解析部53、統計量演算部54及び条件判定部55の機能を実現するものであってもよい。次に、このタイヤ評価装置50を用いて、本実施例に係るタイヤの評価方法を実現する手順を説明する。
図3は、実施例1に係るタイヤの評価方法の手順を示すフローチャートである。図4は、タイヤモデルの全体を示す斜視図である。図5は、図4に示すタイヤモデルの子午断面を示す断面図である。図6−1〜図6−3は、評価対象のタイヤの摩耗形態を説明する模式図である。図7−1、図7−2は、摩耗タイヤモデルを作成する手法を示す説明図である。図8は、転動解析を示す模式図である。
本実施例に係るタイヤの評価方法を実行するにあたり、ステップS101において、まず、タイヤ評価装置50が備える処理部50pのモデル作成部51は、評価対象であるタイヤから、このタイヤの解析モデルである基準タイヤモデル10を作成する。本実施例において、基準タイヤモデル10は、有限要素法や有限差分法等の数値解析手法を用いて、転動解析や変形解析等を行うために用いるモデルで、コンピュータで解析可能なモデルであり、数学的モデルや数学的離散化モデルを含む。
本実施例では、基準タイヤモデル10を摩耗させた摩耗タイヤモデルの転動解析等に用いる解析手法として、有限要素法(Finite Element Method:FEM)を使用する。なお、本実施例に係るタイヤの評価方法に適用できる解析手法は有限要素法に限られず、境界要素法(Boundary Element Method:BEM)、有限差分法(Finite Difference Method:FDM)等も使用できる。また、境界条件等によって最も適当な解析手法を選択し、又は複数の解析手法を組み合わせて使用することもできる。なお、有限要素法は、構造解析に適した解析手法なので、特にタイヤのような構造体に対して好適に適用できる。
ステップS101において、モデル作成部51は、評価の対象(より具体的には性能安定性の評価の対象)であるタイヤを複数の節点で構成される有限個の要素に分割して、図4、図5に示す基準タイヤモデル10を作成する。本実施例では、基準タイヤモデル10を摩耗させて作成される摩耗タイヤモデルを用いて転動解析を実行するので、基準タイヤモデル10は、図5に示すような3次元形状とする。なお、図5は、基準タイヤモデル10の回転軸(Y軸)を含む平面で基準タイヤモデル10を切った場合の断面(子午断面)である。路面モデル20は基準タイヤモデル10と同様に作成してもよいし、弾性体として解析モデル化してもよいし、さらには剛体として解析モデル化してもよい。また、路面モデル20は、3次元離散化モデルでもよいし、サーフェスとして解析モデル化してもよい。
基準タイヤモデル10や路面モデル20を構成する要素には、例えば2次元平面では四辺形要素、3次元体では四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素や三角形シェル要素、四角形シェル要素等のシェル要素、面要素等、コンピュータで用い得る要素とすることが望ましい。このようにして分割された要素は、解析の過程においては、3次元モデルでは3次元座標を用いて、2次元モデルでは2次元座標を用いて逐一特定される。
図4、図5に示すように、モデル作成部51は、解析に用いる手法(本実施例では有限要素法)に基づき、性能の安定性を評価する対象のタイヤを有限個の要素10E1、10E2、・・・10En等に分割して、基準タイヤモデル10を作成する。なお、1〜nは要素の番号であり、個別の要素を示す場合を除いて番号は省略し、単に要素10Eという。ここで、タイヤの性能とは、コーナーリング性能、雨天走行性能、雪上走行性能、騒音等のタイヤに要求される一般的な性能である。また、性能安定性とは、外乱(本実施例では特に摩耗形態の相違)によるタイヤの性能の変化しにくさを表す尺度であり、性能安定性が高いとは、外乱によってタイヤの性能が変化しにくいことであり、性能安定性が低いとは、外乱によってタイヤの性能が変化しやすいことである。
それぞれの要素10E等は、複数の節点11Nによって構成される。ここで、節点11Nのうち11NS1〜11NSnで表されるものは、基準タイヤモデル10の表面を構成する節点であり、表面節点という。基準タイヤモデル10の接地面9に存在する表面節点11NS1〜11NSnのうちいくつかは、路面モデル20と接する。すなわち、これらは路面モデル20に接地する。
ステップS101で基準タイヤモデル10が作成されたらステップS102へ進み、評価対象であるタイヤの摩耗形態が2以上定められる。この手順は、摩耗形態設定手順である。一般に、図1に示すタイヤ1の摩耗は、接地面9で、転動、制駆動、旋回時に発生するスリップによって生じる。したがって、タイヤ1の摩耗は、路面状態が一定であれば、このスリップと接地面9内のせん断力が大きいほど多くなる。
摩耗形態は、評価対象であるタイヤの接地面9における摩耗の態様であり、均質摩耗、ショルダー摩耗、センター摩耗、ヒールアンドトゥ摩耗、片側摩耗、リブパンチ摩耗、レール摩耗、ダイアゴナル摩耗、アイランド摩耗等の様々な態様がある。図6−1〜図6−3には、様々な摩耗形態のうち、均質摩耗、ショルダー摩耗、センター摩耗を示す。図6−1〜図6−3の点線は、新品時におけるタイヤの解析モデル、すなわち、基準タイヤモデル10であり、実線は、基準タイヤモデル10を摩耗させた摩耗タイヤモデル10F1〜10F3を示す。
図6−1に示す摩耗タイヤモデル10F1は、基準タイヤモデル10が均質摩耗したものである。均質摩耗は、図1に示すタイヤ1の接地面9が均一に摩耗する態様であり、基準タイヤモデル10に均質摩耗が発生すると、摩耗タイヤモデル10F1が得られる。図6−2に示す摩耗タイヤモデル10Fは、基準タイヤモデル10にショルダー摩耗が発生したものである。ショルダー摩耗は偏摩耗の一種であり、図1に示すタイヤ1の接地面9のショルダー部Shが摩耗する態様である。基準タイヤモデル10にショルダー摩耗が発生すると、摩耗タイヤモデル10F2が得られる。図6−3に示す摩耗タイヤモデル10F3は、基準タイヤモデル10にセンター摩耗が発生したものである。センター摩耗は偏摩耗の一種であり、図1に示すタイヤ1の接地面9のセンター部CEが摩耗する態様である。基準タイヤモデル10にセンター摩耗が発生すると、摩耗タイヤモデル10F3が得られる。
本実施例では、タイヤの摩耗形態が変化しても、タイヤの性能の変化ができる限り小さくなるようなタイヤを設計する。このため、ステップS102においては、評価対象であるタイヤの仕様や使用態様等から想定される摩耗形態を設定する。タイヤの摩耗形態は、評価対象であるタイヤの仕様や使用態様等によっても変化するので、一般的に想定され得るすべての摩耗形態を設定する必要はない。例えば、激しいコーナーリングの頻度が低い場合、車両外側における片側摩耗は少なくなるので、ステップS102において設定される摩耗態様からは、車両外側における片側摩耗が除外されるようにしてもよい。
摩耗形態は、実際に摩耗したタイヤから摩耗状態を取得して用いてもよいし、予め摩耗シミュレーションを実行して得られた摩耗形態を用いてもよい。後者の場合、例えば、所定の条件を与えた転動シミュレーションによって基準タイヤモデル10を摩耗させた結果に基づき、摩耗形態及びそれぞれの摩耗形態に対応した摩耗量を求める。そして、基準タイヤモデル10を、求めた摩耗形態に対応する摩耗量だけ摩耗させることにより、摩耗タイヤモデルを作成する。シミュレーションによって摩耗形態及び摩耗量を求める手法によれば、実際の走行試験をすることなくタイヤの摩耗形態及び摩耗量を求めることができるので、実際の試験による手法と比較すれば、摩耗形態及び摩耗量を求める際の手間及び時間を軽減できる。
ステップS102でタイヤの摩耗形態を設定したら、ステップS103へ進む。ステップS103において、タイヤ評価装置50が備える処理部50pの摩耗モデル作成部52は、摩耗タイヤモデルを作成する。摩耗タイヤモデルは、コンピュータで解析可能な解析モデルであり、ステップS102、すなわち摩耗形態設定手順において設定された摩耗形態に基づいて、評価対象のタイヤを摩耗させた形態で作成される解析モデルである。摩耗タイヤモデルは、ステップS102で設定された摩耗形態の数だけ作成される。
本実施例では、ステップS101で作成した基準タイヤモデル10を利用して、摩耗タイヤモデルが作成される。摩耗タイヤモデルは、例えば、基準タイヤモデル10の子午断面において、すなわち、2次元の基準タイヤモデル10において、ステップS102で設定された摩耗形態の摩耗量分、基準タイヤモデル10の接地面9f1を回転軸(Y軸)側へ移動させることにより作成される。例えば、図7−1に示す例では、基準タイヤモデル10の子午断面における接地面9f1に存在する複数の節点(基準節点)Ai(i=1〜n、n≧1)から、基準タイヤモデル10の回転軸(Y軸)方向に向かってそれぞれの基準節点Aiの摩耗量δi分離れた位置に存在する節点(摩耗後節点)Bi(i=1〜n、n≧1)を定める。そして、摩耗後節点Bi同士を通る直線又は曲線が、摩耗タイヤモデル10Fの子午断面における接地面9f2となる。摩耗後節点Biを曲線で結ぶ場合、例えば、スプライン曲線やベジエ曲線を用いてもよい。それぞれの基準節点Aiの摩耗量δiは、ステップS102で設定された摩耗形態に応じて定められる。
摩耗後節点Biは、基準タイヤモデル10のトレッド内部又は溝7の溝壁7W上に存在する。また、基準節点Aiから、基準節点Aiに対応する摩耗後節点Bi(例えば、基準節点A1に対応する摩耗後節点はB1となる)へ向かう方向は、基準タイヤモデル10の接地面9f1に垂直な方向とすることが好ましい。また、基準タイヤモデル10の接地面9f1のエッジ部に基準節点がある場合(図7−1では基準節点A3)溝壁7Wに沿った方向に摩耗後節点(図7−1では摩耗後節点B3)を配置することが好ましい。
摩耗後節点B3を溝壁7Wに沿った方向に配置する場合、基準節点A3から摩耗後節点B3までの溝壁7Wに沿った距離δ3θは、基準タイヤモデル10の接地面9f1のエッジ部における基準節点A3の接地面9f1と直交する方向における摩耗量δ3を用いて式(1)で求めることができる。ここで、θは、溝7の溝底7Bの延長線と溝壁7Wの延長線とのなす角度のうち小さい方である。
δ3θ=δ3/(sinθ)・・(1)
また、摩耗タイヤモデルは、2次元の基準タイヤモデル10(すなわち基準タイヤモデル10の子午断面内)ではなく、3次元の基準タイヤモデル10から作成してもよい。すなわち、3次元の基準タイヤモデル10において、ステップS102で設定された摩耗形態の摩耗量分、基準タイヤモデル10の接地面9f1を基準タイヤモデル10の回転軸(図5に示すY軸)へ向かって移動させることにより作成される。例えば、図7−2に示す例では、基準タイヤモデル10の接地面9f1に存在する少なくとも3個の節点(基準節点)Ai(i=1〜n、n≧1、本実施例ではn=4)から、基準タイヤモデル10の回転軸(Y軸)方向に向かってそれぞれの基準節点Aiの摩耗量δi分離れた位置に存在する節点(摩耗後節点)Bi(i=1〜n、n≧1)を定める。そして、摩耗後節点Bi同士を通る平面又は曲面が、摩耗タイヤモデル10Fの接地面9f2となる。摩耗後節点Biを曲面で結ぶ場合、例えば、ベジエ曲面を用いてもよい。それぞれの基準節点Aiの摩耗量δiは、ステップS102で設定された摩耗形態に応じて定められる。
基準節点Aiから、基準節点Aiに対応する摩耗後節点Bi(例えば、基準節点A1に対応する摩耗後節点はB1となる)へ向かう方向は、基準タイヤモデル10の接地面9f1に垂直な方向とすることが好ましい。また、基準タイヤモデル10の接地面9f1のエッジ部に基準節点がある場合(図7−2では基準節点A2、A3)溝壁7Wに沿った方向に摩耗後節点(図7−2では摩耗後節点B2、B3)を配置することが好ましい。
本実施例では、上述したように、摩耗タイヤモデル10Fを作成するにあたって、予め設定した摩耗形態に基づき、基準タイヤモデル10の形状を変更する。このように、本実施例では、基準タイヤモデル10に摩耗シミュレーションを実行しないで摩耗タイヤモデル10Fを作成する。摩耗シミュレーションによって摩耗したタイヤモデルを作成するには一般に時間を要するが、本実施例では、比較的短時間で摩耗タイヤモデル10Fを作成できる。
また、本実施例では、基準タイヤモデル10から摩耗タイヤモデル10Fを作成したが、摩耗タイヤモデル10Fは、摩耗形態設定手順において設定された摩耗形態に基づいて、評価対象のタイヤを摩耗させた形態で作成されていればよい。したがって、基準タイヤモデル10を用いなくとも、例えば、ステップS102で設定した摩耗形態で実際に摩耗した評価対象のタイヤを解析モデル化することにより、摩耗タイヤモデル10Fを作成してもよい。
なお、基準タイヤモデル10から摩耗タイヤモデル10Fを作成すると、基準タイヤモデル10を基礎として、異なる摩耗形態及びその摩耗形態に対応した摩耗量に応じた新たな節点を作成するだけで済む。それぞれの摩耗形態に対応して個別に摩耗タイヤモデル10Fを作成すると、基礎となるタイヤモデルが存在しない分手間を要するが、基準タイヤモデル10から摩耗タイヤモデル10Fを作成すると、摩耗タイヤモデル10Fを比較的簡単に作成できる。
上述した手法により、ステップS103で摩耗タイヤモデル10Fが作成されたら、ステップS104へ進む。ステップS104において、タイヤ評価装置50が備える処理部50pの解析部53は、ステップS103で作成された複数の摩耗タイヤモデル10Fそれぞれに対して転動解析を実行する。この手順が解析手順である。転動解析は、例えば、図8に示すように、ホイールモデル25に装着した摩耗タイヤモデル10Fを路面モデル20上で転動させる。これによって、それぞれの摩耗タイヤモデル10Fの特性、例えば、径方向におけるばね剛性、応力、ひずみ、コーナーリング性能、騒音、摩擦係数、排水性能等を求めて、それぞれの摩耗形態に対する評価対象のタイヤの特性を把握する。摩耗タイヤモデル10Fは、ステップS103で作成したものである。転動解析は、必要に応じて直進時、加速時、制動時、定常走行時、旋回時等の条件で行われる。
転動解析が終了したら、ステップS105へ進み、タイヤ評価装置50が備える処理部50pの統計量演算部54は、解析手順における転動解析を実行した後におけるそれぞれの摩耗タイヤモデル10Fから、それぞれの摩耗タイヤモデル10Fに対応する特性情報を取得する。この手順が特性情報取得手順である。特性情報は、上述したように、評価対象のタイヤの特性を表すための情報であり、シミュレーションによって取得可能な物理量である。このような物理量としては、例えば、摩耗タイヤモデル10Fの径方向におけるばね剛性、応力、ひずみ、変形量、コーナーリングフォース、騒音、振動、摩擦係数等がある。
特性情報が取得されたら、ステップS106へ進み、統計量演算部54は、ステップS105で取得した特性情報のばらつきを求める。すなわち、統計量演算部54は、摩耗形態が異なる複数の摩耗タイヤモデル10F間における特性情報のばらつきを求める。この手順が統計量演算手順である。特性情報のばらつきとは、例えば、特性情報の分散、標準偏差、変動係数等の統計量(一組のデータに統計学的なアルゴリズムを適用して得られる数値)である。特性情報が複数ある場合、特性情報のばらつきは、それぞれの特性情報に対して求められる。
特性情報のばらつきを求める場合、より具体的には、摩耗形態が異なる複数の摩耗タイヤモデル10Fに対応するそれぞれの特性情報を母集団として、特性情報の分散、標準偏差、変動係数等を求める。例えば、摩耗形態がn(nは2以上の整数)個存在する場合、n個の摩耗タイヤモデル10Fが作成される。そして、ステップS104の転動解析の結果から、一種類の特性情報について、それぞれの摩耗タイヤモデル10F間に対応するn個の値が得られる。統計量演算部54は、一種類の特性情報について得られたn個の値から、摩耗形態が異なる複数の摩耗タイヤモデル10Fに対応する特性情報のばらつき、すなわち特性情報の分散、標準偏差、変動係数等を求める。
ステップS106で、それぞれの摩耗タイヤモデル10Fに対して特性情報のばらつきが求められたら、ステップS107に進む。ステップS107においては、ステップS106で得られたそれぞれの摩耗タイヤモデル10F間における特性情報のばらつきに基づいて評価対象のタイヤの性能安定性が評価される。すなわち、評価対象のタイヤを複数の異なる摩耗形態で摩耗させた場合に、摩耗形態が変化することによって評価対象のタイヤの特性がどの程度ばらつくかを評価して、評価対象のタイヤの性能安定性を評価する。この手順がタイヤ評価手順である。
例えば、ある評価対象のタイヤに複数の異なる摩耗形態を与えた場合、特性情報のばらつき(例えば、特性情報の分散)が大きいほど、その評価対象のタイヤは摩耗形態に対する性能変化が大きく、性能安定性は低いと判定する。反対に、ある評価対象のタイヤに複数の異なる摩耗形態を与えた場合、特性情報のばらつきが小さいほど、その評価対象のタイヤは摩耗形態に対する性能変化が小さく性能安定性は高いと判定する。
ステップS107において評価したタイヤの性能安定性が要求を満たしていれば(ステップS108:Yes)、ステップS109へ進み、現在評価している評価対象のタイヤの設計変数を、これから設計するタイヤの設計変数として確定する。そして、ステップS110へ進み、ステップS109で確定した設計変数を用いてタイヤを設計し、製造する。
ステップS107におけるタイヤの性能安定性の評価結果を判定するにあたっては、例えば、特性情報のばらつきの閾値を予め定めておき、ステップS106で求めた特性情報のばらつきが前記閾値よりも小さい場合には、タイヤ評価装置50が備える処理部50pの条件判定部55が、評価対象のタイヤの性能安定性は要求を満たしている(OK)と判断する。また、ステップS106で求めた特性情報のばらつきが前記閾値以上である場合には、条件判定部55が、評価対象のタイヤの性能安定性は要求を満たしていない(NG)と判断する。
ステップS107において評価したタイヤの性能安定性が要求を満たしていない場合(ステップS108:No)、ステップS111へ進み、現在評価している評価対象のタイヤを設計変更する。すなわち、現在評価している評価対象のタイヤの設計変数を変更する。この手順は、設計変更手順である。すなわち、タイヤ評価手順における評価結果に基づき、タイヤの設計変数を変更する手順である。
タイヤの設計変更が終了したら、タイヤの性能安定性が要求を満たすまで、ステップS101〜ステップS107を繰り返す。タイヤの設計変更にあたっては、例えば、実験計画法を用いて特性情報の平均値を最適化し、かつ特性情報のばらつきを最小化するような設計変数を求める。このようにすれば、効率的にタイヤの性能安定性が要求を満たす設計変数を得ることができる。
以上、本実施例では、評価対象であるタイヤの摩耗形態を2以上定めて、それぞれの摩耗形態に対応した形態で摩耗させた摩耗タイヤモデルを作成する。そして、摩耗形態が異なる複数の摩耗タイヤモデルに対応するそれぞれの特性情報の集まりを母集団として、前記母集団における特性情報のばらつきによって、タイヤの性能安定性、特に摩耗形態が異なることに対する性能安定性を評価する。このように、複数の異なる摩耗形態間における特性情報のばらつきを評価するので、タイヤの摩耗形態が変化したことに起因するタイヤの性能変化を適切に評価できる。そして、特性情報のばらつきが小さくなるようにタイヤの設計変数を変更してタイヤを設計する。これによって、タイヤの摩耗形態が変化したことに起因するタイヤの性能変化を抑制できる。
実施例2は、実施例1とほぼ同様であるが、摩耗タイヤモデル、及び新品、すなわち摩耗前のタイヤモデルに対応する前記特性情報間におけるばらつきに基づいて、評価対象のタイヤの性能安定性を評価する点が異なる。他の構成は実施例1と同様である。なお、上記実施例1で開示された構成は、適宜実施例2に対しても適用できる。
図9は、実施例2に係るタイヤの評価方法の手順を示すフローチャートである。実施例2に係るタイヤの評価方法は、実施例1で説明したタイヤ評価装置50(図2参照)によって実現できる。本実施例に係るタイヤの評価方法のステップS201は基準モデル作成手順であり、実施例1に係るタイヤの評価方法のステップS101と同様なので、説明を省略する。
基準タイヤモデル10(図4、図5参照)が作成されたら、ステップS202へ進む。ステップS202において、図2に示すタイヤ評価装置50が備える処理部50pの解析部53は、基準タイヤモデル10に対して転動解析を実行する。この手順が、第1解析手順である。第1解析手順が終了したら、ステップS203へ進む。ステップS203、ステップS204は、実施例1のステップS102、ステップS103と同様なので、説明を省略する。
摩耗タイヤモデル10F(図7−1、図7−2)が作成されたら、ステップS205へ進み、タイヤ評価装置50が備える処理部50pの解析部53は、ステップS204で作成された複数の摩耗タイヤモデル10Fそれぞれに対して転動解析を実行する。この手順が第2解析手順である。ステップS205の転動解析が終了したら、ステップS206へ進み、タイヤ評価装置50が備える処理部50pの統計量演算部54は、第1解析手順における転動解析を実行した後における基準タイヤモデル10、及び第2解析手順における転動解析を実行した後におけるそれぞれの摩耗タイヤモデル10Fから、基準タイヤモデル10及びそれぞれの摩耗タイヤモデル10Fに対応する特性情報を取得する。ここで、基準タイヤモデル10は、評価対象のタイヤが新品のとき、すなわち摩耗していないときにおけるタイヤモデルなので、基準タイヤモデル10に対応する特性情報は、評価対象のタイヤが新品であるときの特性情報に相当する。
ステップS206で特性情報が取得されたら、ステップS207へ進む。ステップS207において、統計量演算部54は、ステップS206で取得した特性情報のばらつきを求める。すなわち、統計量演算部54は、基準タイヤモデル10、及び摩耗形態が異なる複数の摩耗タイヤモデル10F間における特性情報のばらつきを求める。この手順が統計量演算手順である。
特性情報のばらつきを求める場合、より具体的には、基準タイヤモデル10に対応する特性情報、及び摩耗形態が異なる複数の摩耗タイヤモデル10Fに対応するそれぞれの特性情報を母集団として、特性情報の分散、標準偏差、変動係数等を求める。例えば、摩耗形態がn(nは2以上の整数)個存在する場合、n個の摩耗タイヤモデル10Fが作成される。そして、ステップS202の第1転動解析及びステップS205の第2転動解析の結果から、一種類の特性情報について、基準タイヤモデル10に対応する1個の値、及びそれぞれの摩耗タイヤモデル10F間に対応するn個の値が得られる。統計量演算部54は、一種類の特性情報について得られたn+1個の値から、基準タイヤモデル10に対応する特性情報及び摩耗形態が異なる複数の摩耗タイヤモデル10Fに対応する特性情報のばらつき、すなわち特性情報の分散、標準偏差、変動係数等を求める。
ステップS207で特性情報のばらつきが求められたら、ステップS208に進む。ステップS208〜ステップS212は、ステップS107〜ステップS111と同様なので、説明を省略する。本実施例では、ステップS205で摩耗タイヤモデル10Fの転動解析を実行する前に、ステップS202で基準タイヤモデル10の転動解析を実行したが、基準タイヤモデル10の転動解析は、摩耗タイヤモデル10Fの転動解析と同時に実行してもよい。すなわち、ステップS202を省略してもよい。
以上、本実施例では、評価対象であるタイヤの摩耗形態を2以上定めて、それぞれの摩耗形態に対応した形態で摩耗させた摩耗タイヤモデルを作成する。そして、新品時に対応する基準タイヤモデル及び摩耗形態が異なる複数の摩耗タイヤモデルに対応するそれぞれの特性情報の集まりを母集団として、前記母集団における特性情報のばらつきによって、タイヤの性能安定性、特に摩耗形態が異なることに対する性能安定性を評価する。このように、新品時、及び複数の異なる摩耗形態間における特性情報のばらつきを評価するので、タイヤの摩耗形態が変化したことに起因するタイヤの性能変化を適切に評価できる。そして、特性情報のばらつきが小さくなるようにタイヤの設計変数を変更してタイヤを設計する。これによって、タイヤの摩耗形態が変化したことに起因するタイヤの性能変化を抑制できるタイヤを設計できる。また、本実施例では、摩耗形態の変化による性能安定性に加え、タイヤが新品のときから摩耗するまでにおける性能安定性も評価できる。これによって、摩耗形態が異なった場合の性能変化及び経時変化による性能変化が小さいタイヤを設計できる。
実施例3は、実施例1及び実施例2において、摩耗形態の異なる複数の摩耗タイヤモデルを転動解析する場合や、実施例2において、基準タイヤモデル及び摩耗形態の異なる複数の摩耗タイヤモデルを転動解析する場合の計算効率を向上させるものである。このため、実施例1の転動解析や、実施例2の第1及び第2転動解析において、周方向に複数の摩耗形態を設定した摩耗タイヤモデルを用いる点に特徴がある。
図10は、実施例3に係る摩耗タイヤモデルを示す模式図である。摩耗タイヤモデル10Faは、図4、図5に示す基準タイヤモデル10を周方向に向かって複数(本実施例では4個)の領域R1、R2、R3、R4に分割したものである。領域R1の接地面である第1接地面9f2_1、領域R2の接地面である第2接地面9f2_2、領域R3の接地面である第3接地面9f2_3、領域R4の接地面である第4接地面9f2_4には、それぞれ異なる摩耗形態が設定される。ここで、摩耗形態には、摩耗していない形態、すなわち新品状態も含まれるものとする。
実施例1では、摩耗タイヤモデルを作成するステップS103で摩耗タイヤモデル10Faが作成され、周方向に向かって分割されたそれぞれの領域R1〜R4に異なる摩耗形態が割り当てられる。そして、それぞれの領域R1〜R4の第1接地面9f2_1〜第4接地面9f2_4は、それぞれの領域に割り当てられた摩耗形態に基づいて摩耗させられる。
実施例2では、摩耗タイヤモデルを作成するステップS204で摩耗タイヤモデル10Faが作成され、周方向に向かって分割されたそれぞれの領域R1〜R4に異なる摩耗形態が割り当てられる。なお、この場合は、基準タイヤモデル10の転動解析を行うステップS202は実行されない。それぞれの領域R1〜R4の第1接地面9f2_1〜第4接地面9f2_4は、それぞれの領域に割り当てられた摩耗形態に基づいて摩耗させられる。摩耗形態として摩耗していない形態、すなわち新品状態が割り当てられた領域は、新品の状態、すなわち、基準タイヤモデル10の状態が維持される。
分割されたそれぞれの領域R1〜R4の接地面における長さLは、接地長(摩耗タイヤモデル10Faと図8に示す路面モデル20とが接地した部分における摩耗タイヤモデル10Faの周方向の長さ)Cよりも長いことが好ましい。このようにすれば、摩耗タイヤモデル10Faを用いて転動解析を実行した場合、それぞれの領域R1〜R4の接地不足が解消されるので、それぞれの領域R1〜R4から取得される特性情報の精度低下が抑制できる。ここで、領域R1〜R4の接地面における長さLは式(2)で求められる。rは摩耗タイヤモデル10Faの半径、αmは分割された領域R1〜R4の中心角(単位はrad)である。なお、mは領域R1〜R4を識別するための番号であり、本実施例では1、2、3、4である。
L=r×αm・・(2)
このようにして作成した摩耗タイヤモデル10Faに対して転動解析を実行すれば、摩耗タイヤモデル10Faのそれぞれの領域R1〜R4に割り当てた摩耗形態に対応する特性情報が得られる。これによって、摩耗タイヤモデル10Faのみに対して転動解析を実行すれば、設定された摩耗形態に対応する特性情報が得られる。したがって、本実施例では、異なる摩耗形態に対応した複数の摩耗タイヤモデルを作成する必要がなく、また、それぞれの摩耗タイヤモデルに対して転動解析を実行する必要もない。その結果、摩耗タイヤモデルの作成に要する時間や手間を軽減でき、また、転動解析に要する時間を短縮できるので、効率的にタイヤの性能安定性を評価できる。
以上のように、本発明に係るタイヤの評価方法及びタイヤの評価用コンピュータプログラムは、タイヤの設計に有用であり、特に、摩耗形態が異なることに起因するタイヤの性能変化を適切に評価することに適している。
タイヤの子午断面を示す断面図である。 実施例1に係るタイヤ評価装置の構成を示す説明図である。 実施例1に係るタイヤの評価方法の手順を示すフローチャートである。 タイヤモデルの全体を示す斜視図である。 図4に示すタイヤモデルの子午断面を示す断面図である。 評価対象のタイヤの摩耗形態を説明する模式図である。 評価対象のタイヤの摩耗形態を説明する模式図である。 評価対象のタイヤの摩耗形態を説明する模式図である。 摩耗タイヤモデルを作成する手法を示す説明図である。 摩耗タイヤモデルを作成する手法を示す説明図である。 転動解析を示す模式図である。 実施例2に係るタイヤの評価方法の手順を示すフローチャートである。 実施例3に係る摩耗タイヤモデルを示す模式図である。
符号の説明
1 タイヤ
2 カーカス
3 ベルト
4 ベルトカバー
5 ビードコア
6 キャップトレッド
7 溝
7B 溝底
7W 溝壁
8 サイドウォール
9、9f1、9f2、9f2_1、9f2_2、9f2_3、9f2_4 接地面
10 基準タイヤモデル
10F、10F1、10F2、10F3、10Fa 摩耗タイヤモデル
10E、10E1 要素
20 路面モデル
25 ホイールモデル
50 タイヤ評価装置
50m 記憶部
50p 処理部
51 モデル作成部
52 摩耗モデル作成部
53 解析部
54 統計量演算部
55 条件判定部
A1、A2、A3、Ai 基準節点
B1、B2、B3、Bi 摩耗後節点
R1、R2、R3、R4 領域

Claims (9)

  1. コンピュータが、
    評価対象であるタイヤの摩耗形態を2以上定める摩耗形態設定手順と、
    前記コンピュータで解析可能な解析モデルであって、前記摩耗形態に基づいて評価対象のタイヤを摩耗させた形態の摩耗タイヤモデルを、前記摩耗形態の数だけ作成する摩耗モデル作成手順と、
    複数の前記摩耗タイヤモデルに対して転動解析を実行する解析手順と、
    前記解析手順を実行した後における前記摩耗タイヤモデルから、前記評価対象のタイヤの特性を表す特性情報を取得する特性情報取得手順と、
    前記摩耗形態が異なる複数の前記摩耗タイヤモデルに対応する前記特性情報間におけるばらつきを求める統計量演算手順と、
    前記ばらつきに基づいて、前記タイヤの性能安定性を評価するタイヤ評価手順と、
    を含む方法を実行することを特徴とするタイヤの評価方法。
  2. 前記摩耗モデル作成手順においては、評価対象のタイヤから、コンピュータで解析可能な解析モデルである基準タイヤモデルを作成し、前記摩耗形態に基づいて前記基準タイヤモデルを摩耗させることを特徴とする請求項1に記載のタイヤの評価方法。
  3. コンピュータが、
    評価対象のタイヤから、前記コンピュータで解析可能な解析モデルである基準タイヤモデルを作成する基準モデル作成手順と、
    前記基準タイヤモデルに対して前記タイヤの摩耗形態を2以上定める摩耗形態設定手順と、
    前記摩耗形態に基づき、前記基準タイヤモデルを摩耗させた形態の摩耗タイヤモデルを、前記摩耗形態の数だけ作成する摩耗モデル作成手順と、
    前記基準タイヤモデル、及び複数の前記摩耗タイヤモデルに対して転動解析を実行する解析手順と、
    前記基準モデル作成手順を実行した後における前記基準タイヤモデル、及び前記摩耗モデル作成手順を実行した後における前記摩耗形態が異なる複数の前記摩耗タイヤモデルそれぞれから取得した、前記評価対象のタイヤの特性を表す特性情報間におけるばらつきを求める統計量演算手順と、
    前記ばらつきに基づいて、前記タイヤの性能安定性を評価するタイヤ評価手順と、
    を含む方法を実行することを特徴とするタイヤの評価方法。
  4. コンピュータが、
    評価対象のタイヤから、前記コンピュータで解析可能な解析モデルである基準タイヤモデルを作成する基準モデル作成手順と、
    前記基準タイヤモデルに対して転動解析を実行する第1解析手順と、
    前記基準タイヤモデルに対して2以上のタイヤの摩耗形態を定める摩耗形態設定手順と、
    前記摩耗形態に基づき、前記基準タイヤモデルを摩耗させた形態の摩耗タイヤモデルを、前記摩耗形態の数だけ作成する摩耗モデル作成手順と、
    複数の前記摩耗タイヤモデルに対して転動解析を実行する第2解析手順と、
    前記第1解析手順を実行した後における前記基準タイヤモデル、及び前記第2解析手順を実行した後における前記摩耗形態が異なる複数の前記摩耗タイヤモデルそれぞれから取得した、前記評価対象のタイヤの特性を表す特性情報間におけるばらつきを求める統計量演算手順と、
    前記ばらつきに基づいて、前記タイヤの性能安定性を評価するタイヤ評価手順と、
    を含む方法を実行することを特徴とするタイヤの評価方法。
  5. 前記コンピュータは、前記基準タイヤモデルの子午断面における接地面に存在する少なくとも2点から、前記基準タイヤモデルの回転軸方向に向かって前記摩耗形態に応じて予め定めた摩耗量分離れた前記2点に対応する点を定めるとともに、対応する点同士を通る直線又は曲線を、前記摩耗タイヤモデルの子午断面における接地面とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のタイヤの評価方法。
  6. 前記コンピュータは、前記基準タイヤモデルの接地面に存在する少なくとも3点から、前記基準タイヤモデルの回転軸方向に向かって前記摩耗形態に応じて予め定めた摩耗量分離れた前記3点に対応する点を定めるとともに、対応する点同士を通る平面又は曲面を、前記摩耗タイヤモデルの接地面とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のタイヤの評価方法。
  7. 前記摩耗形態は、前記コンピュータが、前記基準タイヤモデルをシミュレーションによって摩耗させた結果に基づき、前記摩耗形態及びそれぞれの前記摩耗形態における摩耗量を定めることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のタイヤの評価方法。
  8. 前記コンピュータは、前記基準タイヤモデルを周方向に複数の領域に分割し、
    前記摩耗タイヤモデルは、分割されたそれぞれの前記領域に、設定されたそれぞれの摩耗形態が割り当てられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤの評価方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のタイヤの評価方法をコンピュータに実行させることを特徴とするタイヤの評価用コンピュータプログラム。
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