JP4569141B2 - 摩耗タイヤモデルの作成方法、摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム及び摩耗タイヤの性能予測方法 - Google Patents

摩耗タイヤモデルの作成方法、摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム及び摩耗タイヤの性能予測方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4569141B2
JP4569141B2 JP2004080023A JP2004080023A JP4569141B2 JP 4569141 B2 JP4569141 B2 JP 4569141B2 JP 2004080023 A JP2004080023 A JP 2004080023A JP 2004080023 A JP2004080023 A JP 2004080023A JP 4569141 B2 JP4569141 B2 JP 4569141B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire model
tread
wear
creating
worn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004080023A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005263070A (ja
Inventor
全一郎 信田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2004080023A priority Critical patent/JP4569141B2/ja
Publication of JP2005263070A publication Critical patent/JP2005263070A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4569141B2 publication Critical patent/JP4569141B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、タイヤの摩耗に関するものであり、さらに詳しくは、摩耗したタイヤの性能をより適切に予測できる摩耗タイヤモデルの作成方法、摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム及び摩耗タイヤの性能予測方法、並びに摩耗タイヤモデルに関する。
タイヤの摩耗を予測する方法には、例えば、特許文献1、2に開示されている方法が知られている。これらに開示されている予測方法は、次の手順から構成される。すなわち、(1)タイヤ表面のゴムの摩耗指数を測定する手順、(2)種々の運転条件下におけるタイヤの摩擦エネルギーを測定する手順、(3)各運転条件の頻度に応じて各運転条件の重み付けをする手順を経て、タイヤの摩耗を予測する。
特開平11−326143号公報 特開2001−1723号公報
ところで、特許文献1、2に開示されているタイヤの摩耗を予測する方法は、摩擦エネルギーを測定することによってタイヤの摩耗を予測するので、摩擦エネルギーの測定に手間を要していた。また、特許文献1、2に開示されているタイヤの摩耗を予測する方法はタイヤの摩耗量や寿命を予測するものであり、タイヤの摩耗形態(例えば、摩耗しやすい部分としにくい部分との分布等)やタイヤが摩耗したときのタイヤ性能を予測することはできなかった。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤの摩耗形態や摩耗したタイヤの性能を効率的に精度よく予測できる摩耗タイヤモデルの作成方法、摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム及び摩耗タイヤの性能予測方法、並びに摩耗タイヤモデルを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、摩耗タイヤモデルを作成するにあたり、新品の状態のタイヤを有限個の微小要素に分割することにより初期タイヤモデルを作成する手順と、作成しようとする前記摩耗タイヤモデルが経験したと想定される代表的な使用条件を設定する手順と、設定した前記代表的な使用条件で、前記初期タイヤモデル転動解析する手順と、前記転動解析により、前記初期タイヤモデルのトレッド接地域における単位面積当たりの摩擦エネルギーを求める手順と、前記初期タイヤモデルのトレッド表面における任意位置の摩耗量を設定するとともに、前記任意位置における前記摩擦エネルギーと前記トレッド表面の他の位置における前記摩擦エネルギーとの比率により、前記他の位置における摩耗量を決定する手順と、決定した摩耗量分、前記トレッド表面を移動させることにより摩耗タイヤモデルを作成する手順と、を含むことを特徴とする。
この摩耗タイヤモデルの作成方法は、タイヤの代表的な使用条件を考慮して、初期タイヤモデルの接地域における単位面積当たりの摩擦エネルギーを求め、これに基づいて摩耗タイヤモデルを作成する。この摩耗タイヤモデルは、タイヤの使用条件が考慮されているので、タイヤの摩耗形態を反映させることができる。そして、この摩耗タイヤモデルを用いれば、摩耗したタイヤの性能を精度よく予測できる。また、この摩耗タイヤモデルの作成方法は、コンピュータシミュレーションにより実現できるので、実際に摩擦エネルギーを測定する必要はない。このため、タイヤの摩耗形態や摩耗したタイヤの性能を効率的に精度よく予測できる。さらに、トレッド表面の任意位置における摩擦エネルギーと、他の位置における摩擦エネルギーとの比率によりトレッド表面を摩耗方向に移動させるので、ゴム材料の摩耗情報が存在しない場合でも座標変更対象節点の摩耗量を決定できる。ここで、摩耗方向とは、例えばブロックやリブの厚さが減少する方向であり、タイヤの中心軸方向である。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、摩耗タイヤモデルを作成するにあたり、タイヤを有限個の微小要素に分割することにより初期タイヤモデルを作成する初期タイヤモデル作成手順と、前記初期タイヤモデルから摩耗タイヤモデルを作成する摩耗タイヤモデル作成手順と、を備え、前記摩耗タイヤモデル作成手順は、作成しようとする前記摩耗タイヤモデルが経験したと想定される代表的な使用条件を設定する手順と、設定した前記代表的な使用条件で、前記初期タイヤモデル転動解析する手順と、前記転動解析により、前記初期タイヤモデルのトレッド接地域における単位面積当たりの摩擦エネルギーを求める手順と、前記初期タイヤモデルのトレッド表面における任意位置の摩耗量を設定するとともに、前記任意位置における前記摩擦エネルギーと前記トレッド表面の他の位置における前記摩擦エネルギーとの比率により、前記他の位置における摩耗量を決定する手順と、決定した摩耗量分、前記トレッド表面を移動させて中間摩耗タイヤモデルを作成する手順と、を含み、前記摩耗タイヤモデル作成手順を複数回実行するとともに、2回目以降の前記摩耗タイヤモデル作成手順においては、最新の中間摩耗タイヤモデルを前記初期タイヤモデルの代わりに用いることを特徴とする。
この摩耗タイヤモデルの作成方法により作成する摩耗タイヤモデルは、タイヤの使用条件が考慮されているので、タイヤの摩耗形態を反映させることができる。そして、この摩耗タイヤモデルを用いれば、摩耗したタイヤの性能を精度よく予測できる。また、この摩耗タイヤモデルの作成方法は、コンピュータシミュレーションにより実現できるので、実際に摩擦エネルギーを測定する必要はない。このため、タイヤの摩耗形態や摩耗したタイヤの性能を効率的に精度よく予測できる。さらに、設定した最終摩耗量まで、複数回のステップでトレッド表面を摩耗方向に移動させる。実際のタイヤにおいては、摩耗の進度によって摩耗の形態は変化するが、このようにすれば、摩耗の進度を考慮してタイヤモデルを作成できる。これによって、より実際の摩耗を再現したタイヤモデルを作成できる。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法において、前記代表的な使用条件が複数存在する場合、前記摩擦エネルギーは、それぞれの使用条件で求めた単位面積当たりの摩擦エネルギーに使用条件の重み付け係数を乗じて積算した、積算摩擦エネルギーであることを特徴とする。
この摩耗タイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同一の構成を備えるので、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この摩耗タイヤモデルの作成方法は、代表的な使用条件が複数存在する場合、各使用条件の重み付けをするので、タイヤの摩耗に対する各使用条件の寄与を考慮することができる。これにより、より実際の使用条件に即した摩耗タイヤモデルを作成することができる。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法において、前記トレッド表面の移動量は、前記トレッド表面の中で最も大きい移動量が、前記初期タイヤモデルの最大溝深さの20%以下であることを特徴とする。
この摩耗タイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同一の構成を備えるので、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この摩耗タイヤモデルの作成方法は、トレッド表面の中で最も大きい移動量が、初期タイヤモデルの最大溝深さの20%以下とするので、トレッド表面の1回あたりにおける移動量が極端に大きくならない。これにより、より実際のタイヤにおける摩耗の進度に近い状態を再現して摩耗タイヤモデルを作成できる。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法において、前記摩擦エネルギーは、前記微小要素の節点であって、かつ前記トレッド表面に位置する節点で算出するとともに、前記トレッド表面の移動は、前記トレッド表面に位置する節点の座標を変更することにより実現することを特徴とする。
このタイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同一の構成を備えるので、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この摩耗タイヤモデルの作成方法は、トレッド表面に位置する節点で算出した摩擦エネルギーに基づき、当該節点の座標を変更してトレッド表面を摩耗方向に移動させる。このように、摩擦エネルギーの算出、及びトレッド表面の移動ともに微小要素の節点について処理することで、精度よく、簡潔に摩耗タイヤモデルが作成できる。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、前記トレッド表面であって、トレッドパターン陸部の非端部に位置する前記節点については、前記節点を含む微小要素のすべてのトレッド表面における法線方向を平均した方向に移動させ、前記トレッド表面であって、トレッドパターン陸部の端部に位置する前記節点については、前記節点を含む微小要素の、溝壁面を除くすべてのトレッド表面における法線方向を平均した方向を、溝壁面に沿って投影した方向に移動させるとともに、トレッドパターン陸部の端部に位置する前記節点の前記摩擦エネルギーに基づいて決定した移動量以下になるように、トレッドパターン陸部の端部に位置する前記節点の移動量を補正することを特徴とする。
このタイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同一の構成を備えるので、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この摩耗タイヤモデルの作成方法は、節点の移動方向と移動量とを決定するにあたり、ブロックやリブのようなトレッドパターン陸部の端部に位置する節点に対して、非端部に位置する節点とは異なる処理を実行する。これにより、実タイヤの摩耗の再現精度を向上させた摩耗タイヤモデルを作成できる。
さらに、トレッドパターン陸部の端部に存在する節点の移動量については、次の本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法のように、さらにトレッドパターン陸部の端部に位置する前記節点の移動量を、溝壁面を除くすべてのトレッド表面における法線方向を平均した方向と、当該方向を溝壁面に沿って投影した方向とのなす角を用いて補正することが好ましい。これにより、溝壁面がトレッド表面と直角でない場合においてはこれを考慮できるので、実タイヤの摩耗の再現精度を向上させた摩耗タイヤモデルを作成できる。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法において、前記トレッド表面を移動させるにあたり、前記トレッド表面に位置する節点の移動量が、当該節点を含む微小要素の寸法よりも大きい場合には、当該微小要素を削除することを特徴とする。
このタイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同一の構成を備えるので、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この摩耗タイヤモデルの作成方法によれば、節点移動量が微小要素の寸法(摩耗方向における微小要素の寸法であり、微小要素の厚さ)を超える場合の処理を規定するので、摩耗が大きく進行した場合でも、摩耗タイヤモデルを作成することができる。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法において、前記トレッド表面を移動させるにあたり、前記トレッド表面を含むトレッド部の微小要素を再分割することを特徴とする。
このタイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同一の構成を備えるので、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この摩耗タイヤモデルの作成方法によれば、微小要素を再分割することにより、摩耗が大きく進行した状態であっても摩耗タイヤモデルを作成できる。同時に、トレッド形状が不適切な形状となることを抑制できる。これにより、実タイヤの摩耗の再現精度が低下することを抑制できる。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法において、前記トレッド表面を移動させるにあたり、前記トレッド表面に位置する節点に、前記摩耗量に相当する強制変位を与えるとともに、溝底に位置する節点及びとトレッド底部に位置する節点は拘束し、さらにポアソン比を0とすることを特徴とする。
このタイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同一の構成を備えるので、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この摩耗タイヤモデルの作成方法によれば、トレッド表面に位置する節点に、摩耗量に相当する強制変位を与えるので、微小要素の再分割が不要になる。これにより、トレッド形状が不適切な形状となることを抑制しつつ、簡易に摩耗タイヤモデルを作成することができる。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法において、作成した摩耗タイヤモデルは、前記摩耗タイヤモデルを構成する材料のうち少なくともゴム材料の物性値が前記初期タイヤモデルとは異なることを特徴とする。
このタイヤモデルの作成方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同一の構成を備えるので、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この摩耗タイヤモデルの作成方法によれば、摩耗タイヤモデルを構成する材料のうち少なくともゴム材料の物性値は、前記初期タイヤモデルとは異ならせている。これにより、タイヤを構成する材料の経時変化も考慮できるので、摩耗形態の予測精度を向上させ、さらに実際の摩耗に即した摩耗タイヤモデルを作成できる。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラムは、前記摩耗タイヤモデルの作成方法をコンピュータ上で実現させることを特徴とする。これにより、前記摩耗タイヤモデルの作成方法が、コンピュータを利用して実現できる。
次の本発明に係る摩耗タイヤの性能予測方法は、前記摩耗タイヤモデルの作成方法により作成した摩耗タイヤモデルを用いて、摩耗したタイヤの性能を予測することを特徴とする。これにより、タイヤの摩耗形態や摩耗したタイヤの性能を効率的に精度よく予測できる。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルは、作成しようとする摩耗タイヤモデルが経験したと想定される代表的な使用条件を設定し、設定した前記代表的な使用条件で、新品の状態のタイヤを有限個の微小要素に分割して作成した初期タイヤモデル転動解析し、前記転動解析により、前記初期タイヤモデルのトレッド接地域における単位面積当たりの摩擦エネルギーを求め、前記初期タイヤモデルのトレッド表面における任意位置の摩耗量を設定するとともに、前記任意位置における前記摩擦エネルギーと前記トレッド表面の他の位置における前記摩擦エネルギーとの比率により、前記他の位置における摩耗量を決定し、決定した摩耗量分、前記トレッド表面を移動させることにより作成されることを特徴とする。
この摩耗タイヤモデルは、タイヤの代表的な使用条件を考慮して、初期タイヤモデルの接地域における単位面積当たりの摩擦エネルギーを求め、これに基づいて摩耗タイヤモデルを作成される。これによりタイヤの使用条件が考慮されるので、タイヤの摩耗形態を反映させることができる。そして、この摩耗タイヤモデルを用いれば、摩耗したタイヤの性能を精度よく予測できる。また、この摩耗タイヤモデルの作成方法は、コンピュータシミュレーションにより実現できるので、実際に摩擦エネルギーを測定する必要はない。このため、タイヤの摩耗形態や摩耗したタイヤの性能を効率的に精度よく予測できる。
次の本発明に係る摩耗タイヤモデルは、前記摩耗タイヤモデルにおいて、作成した前記摩耗タイヤモデルは、少なくとも前記摩耗タイヤモデルを構成するゴム材料の物性値が前記初期タイヤモデルとは異なることを特徴とする。
この摩耗タイヤモデルは、前記摩耗タイヤモデルの作成方法と同一の構成を備えるので、前記摩耗タイヤモデルと同様の作用、効果を奏する。さらに、この摩耗タイヤモデルによれば、少なくともゴム材料の物性値は、初期タイヤモデルとは異ならせる。これにより、タイヤを構成する材料の経時変化も考慮できるので、摩耗形態の予測精度を向上させ、さらに実際の摩耗に即した摩耗タイヤモデルを作成できる。
本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法、摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム及び摩耗タイヤの性能予測方法、並びに摩耗タイヤモデルは、タイヤの摩耗形態や摩耗したタイヤの性能を効率的に精度よく予測できるという効果を奏する。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、発明を実施するための最良の形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、本発明はタイヤ全般に対して適用でき、空気入りタイヤに限定されるものではない。
本実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、次の点に特徴がある。すなわち、タイヤの代表的な使用条件に基づいてタイヤを転動解析して、トレッド接地領域における単位面積あたりの摩擦エネルギーを所得する。そして、トレッド表面の任意の点における摩耗量と摩擦エネルギーとを基準として、他の点における摩耗量を決定する。本実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法について説明する前に、評価対象であるタイヤについて説明する。
図1は、タイヤの回転軸を含む子午面で切ったタイヤ断面を示す一部断面図である。同図を用いて、振動特性評価対象であるタイヤ10の構造について、簡単に説明する。キャップトレッド11は、タイヤ10の路面接地部に配置されており、カーカス15、ベルト14又はブレーカの外側を覆うゴム層である。キャップトレッド11は、カット衝撃に対してカーカス15やベルト14を保護する役目を持っている。ここで、キャップトレッド11が路面と接する面をトレッド表面11pという。トレッド表面11pは、複数の溝18により区切られて、複数のブロック11Bが形成される。トレッド表面11pに形成された前記溝18あるいはブロック11Bのなすパターンを、トレッドパターンあるいはブロックパターンという。
アンダトレッド12は、キャップトレッド11とベルト14との間に配置されるゴム層で、発熱性、接着性等を向上させる目的で用いられる。サイドトレッド13は、サイドウォール部の最も外側に配置されて外からの傷がカーカス15に達するのを防止するとともに、ラジアルタイヤの場合には、車軸からの駆動力を路面に伝える補助的役割も担っている。ベルト14は、キャップトレッド11とカーカス15との間に配置されたゴム引きコード層である。なお、バイアスタイヤの場合にはブレーカと呼ぶ。ラジアルタイヤにおいて、ベルト14は形状保持及び強度メンバーとして重要な役割を担っている。カーカス15はタイヤ10の骨格をなすゴム引きコード層である。カーカス15は、タイヤ10に空気を充填した際に圧力容器としての役目を果たす強度メンバーであり、空気の内圧によって荷重を支え、走行中の動的荷重に耐える構造に構成される。
空気の内圧によって発生するカーカス15のコード張力は、スチールワイヤの束で支えられる。このスチールワイヤの束を硬質ゴムで固めたリングをビード16という。ビード16は、タイヤ10をホイールのリムに固定させる役割を果たす他、カーカス15、ベルト14及びトレッドとともに、タイヤ10の強度部材となる。ビードフィラ17は、カーカス15をビードワイヤの周囲に巻き込む際に生ずる空間へ充填するゴムである。カーカス15をビード16に固定するとともに、その部分の形状を整え、ビード部全体の剛性を高める。
次に、本実施例に係る摩耗タイヤモデル作成装置について説明する。図2は、この実施例に係るタイヤの振動特性評価装置の構成を示す説明図である。この摩耗タイヤモデル作成装置50により、本実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法が実現できるとともに、本実施例に係る摩耗タイヤモデルを作成することができる。摩耗タイヤモデル作成装置50は、処理部50pと記憶部50mとを備えて構成される。処理部50pと記憶部50mとは、入出力ポート(I/O)59を介して接続してある。
処理部50pは、モデル作成部51と、転動解析部52と、摩擦エネルギー算出部53と、トレッド形状変更部54とを含んで構成される。これらがこの実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法を実行する。モデル作成部51と、転動解析部52と、摩擦エネルギー算出部53と、トレッド形状変更部54とは入出力ポート(I/O)59に接続されており、相互にデータをやり取りできるように構成されている。
また、入出力ポート(I/O)59には、端末装置60が接続されており、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法を実行するために必要なデータ、例えば、タイヤ10を構成するゴムの物性値やホイールの物性値、あるいは転動解析における境界条件や走行条件等を、端末装置60に接続された入力装置61によって摩耗タイヤモデル作成装置50へ与える。また、摩耗タイヤモデル作成装置50から摩耗タイヤモデル作成データを受け取り、端末装置60に接続された表示装置62に、摩耗タイヤモデルを表示する。さらに、入出力ポート(I/O)59には、各種データサーバー641、642等が接続されている。そして、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法を実行するにあたっては、処理部50pが各種データサーバー641、642等内に格納されている各種データベースを利用できるように構成されている。
記憶部50mには、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法の処理手順を含むコンピュータプログラムや、各種データサーバー641、642等から取得した、材料物性等のデータが格納されている。なお、材料物性等のデータは、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法を実行する際に用いる。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。また、処理部50pは、メモリ及びCPUにより構成することができる。また、記憶部50mは、処理部50pに内蔵されるものであっても、他の装置(例えばデータベースサーバ)内にあってもよい。このように、上記摩耗タイヤモデル作成装置50は、通信により端末装置60から処理部50pや記憶部50mにアクセスするものであってもよい。
上記コンピュータプログラムは、処理部50pが備えるモデル作成部51やトレッド形状変更部54等へすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この摩耗タイヤモデル作成装置50は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、処理部50pが備えるモデル作成部51、転動解析部52、摩擦エネルギー算出部53及びトレッド形状変更部54の機能を実現するものであってもよい。次に、この摩耗タイヤモデル作成装置50を用いて、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法を実現する手順を説明する。
図3は、本実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法の手順を示すフローチャートである。この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法では、摩耗タイヤモデルを作成する際の転動シミュレーション等に用いる解析手法として、有限要素法(Finite Element Method:FEM)を使用する。なお、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法に適用できる解析手法は有限要素法に限られず、境界要素法(Boundary Element Method:BEM)、有限差分法(Finite Differences Method:FDM)等も使用できる。また、境界条件等によって最も適当な解析手法を選択し、又は複数の解析手法を組み合わせて使用することもできる。なお、有限要素法は、構造解析に適した解析手法なので、特にタイヤやホイールのような構造体に対して好適に適用できる。
図4は、タイヤモデルの一例を示す斜視図である。この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法を実行するにあたり、摩耗タイヤモデル作成装置50の処理部50pが備えるモデル作成部51は、図4に示す、新品の状態を再現したタイヤモデル(初期タイヤモデルに相当する)10Mを作成する(ステップS101)。このタイヤモデル10Mは、タイヤ内部構造と、トレッドパターンとを含む、タイヤ形状を再現したものである。タイヤモデル10Mを作成するにあたっては、有限要素法等の解析手法によって解析できるように、それぞれの解析手法に適したタイヤモデル10Mを作成する。
例えば有限要素法を使用する場合、図4に示すように、有限要素法に基づきタイヤ10を有限個の微小要素10M1、10M2、・・・10Mn等に分割する。これにより、有限要素法に基づいてタイヤモデル10Mを作成することができる。有限要素法に基づく微小要素とは、例えば2次元平面においては四辺形要素、3次元体としては四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素や、三角形シェル要素、四角形シェル要素等のシェル要素等、コンピュータで用いうる要素とすることが望ましい。このようにして分割された微小要素は、解析の過程においては、3次元座標を用いて逐一特定される。
タイヤモデル10Mの基となったタイヤのトレッドパターンが、複数のピッチからなるピッチ配列を採用している場合、このピッチ配列もモデル化してよい。この場合、トレッドパターンは、タイヤ周方向の全周にわたってモデル化することが好ましい。また、例えば、平均ピッチ長(=タイヤ外周長/ピッチ数)等の代表ピッチ長を用いた等ピッチモデルとしてタイヤモデル10Mを作成してもよい。この場合、トレッドパターンは、タイヤ周方向の全周にわたってモデル化してもよいが、周方向の一部のみを詳細にモデル化し、残りの部分は簡略化してもよい。このようにすれば、計算負荷を軽減できるので、計算速度を向上させることができるとともに、ハードウェア資源を有効に活用できる。
タイヤモデル10Mを作成したら、摩耗タイヤモデルを作成するために、タイヤの代表的な使用条件を設定する(ステップS102)。ここで、タイヤの使用条件とは、タイヤが装着される車両、積載条件、装着位置、走行モード等をいう。この代表的な使用条件は、作成しようとする摩耗タイヤモデルが経験すると想定される使用条件である。実際の摩耗状況を考慮すると、代表的な使用条件は、少なくとも4条件とすることが好ましい。このように代表的な使用条件を設定すれば、実際の使用条件を反映した摩耗タイヤモデルを作成することができる。例えば、作成しようとする摩耗タイヤモデルが駆動輪に装着されていたと仮定した場合、駆動条件、制動条件、左旋回条件及び右旋回条件を設定する。作成しようとする摩耗タイヤモデルが従動輪に装着されていたと仮定した場合、自由転動条件、制動条件、左旋回条件及び右旋回条件を設定する。
駆動条件を規定する駆動力、制動条件を規定する制動力及び旋回条件を規定する旋回力は、それぞれ最低1条件設定し、必要に応じて2条件以上設定する。また、タイヤモデル10Mのキャンバー角及びタイヤモデル10Mの転動速度は最低1条件とし、必要に応じて2条件以上とする。このようにすれば、高い解析精度が要求される条件を細かく設定し、解析精度に対する寄与が低い条件は大まかに設定できるので、転動解析の精度を維持しつつ転動解析の処理速度を向上させることができる。さらに、タイヤモデル10Mに負荷する荷重は、すべての代表的な使用条件において一定としてもよい。また、タイヤモデル10Mに負荷する前記荷重に対しては、駆動加速度、制動加速度及び旋回加速度に応じた車両の荷重変動量に相当する補正を加えることが好ましい。このようにすることで、実際の転動状況をより正確に再現できるので、摩耗状況の再現精度が向上する。
タイヤの代表的な使用条件を設定したら(ステップS102)、端末装置60から摩耗タイヤモデル作成装置50へ、設定した使用条件を入力する。そして、この使用条件の下で、転動解析部52はタイヤの転動解析を実行する(ステップS103)。図5は、転動解析の状態を示す模式図である。転動解析を実行するにあたっては、作成したタイヤモデル10Mを、モデル作成部51で別個に作成したホイールモデル3Mのリム、又はリムモデルに装着する。あるいはタイヤモデル10Mのリム部の境界条件を、リム装着に相当する境界条件に設定する。
そして、図5に示すように、転動解析部52は、設定した代表的な使用条件に基づき、タイヤモデル10Mに所定の荷重FRを負荷して路面モデル40Mに押し付ける。なお、路面モデル40Mは、モデル作成部51により、設定した代表条件な使用条件に基づいて路面40をモデル化する。例えば、路面40がアスファルト舗装路である場合や、ウェット条件である場合、あるいは非舗装路面である場合等を考慮してモデル化する。
図6−1は、タイヤモデルの軸を表す斜視図である。図6−2は、タイヤモデルと路面モデルとの関係を示す側面図である。図6−3は、タイヤモデルと路面モデルとの関係を示す正面図である。図6−1〜図6−3に示すように、タイヤモデル10Mの回転軸はY軸であり、回転軸に直交するとともに、タイヤモデル10Mの転動方向がX軸となる。また、Z軸は、前記Y軸及びX軸に直交する軸であり、路面モデル40Mの鉛直軸と平行な軸である。
路面モデル40Mの鉛直方向(タイヤモデル10MのZ軸方向)自由度を拘束して荷重FRをタイヤモデル10Mに負荷し、これを路面モデル40Mに押し付けてもよい。また、タイヤモデル10Mあるいはリムモデルの回転軸Yの鉛直方向(タイヤモデル10MのZ軸方向)自由度を拘束して荷重FRをタイヤモデル10Mに負荷し、これを路面モデル40Mに押し付けてもよい。タイヤモデル10Mを路面モデル40Mに押し付ける際の境界条件は、タイヤモデル10M又は路面モデル40Mの少なくとも一方に強制変位を与えてもよいし、タイヤモデル10M又は路面モデル40Mの少なくとも一方に荷重を負荷してもよい。しかし、所定荷重がタイヤモデル10M等に与えられるときの変位は一般に未知なので、タイヤモデル10M又は路面モデル40Mの少なくとも一方に荷重を負荷することが好ましい。
転動解析が終了したら(ステップS104)、摩擦エネルギー算出部53は、転動解析の結果から、単位面積当たりの摩擦エネルギーを取得あるいは計算する。この手順において、摩擦エネルギー算出部53は、タイヤモデル10Mが転動を開始し、コーナーリングフォースと前後力とがほぼ定常状態となった後の転動解析結果から単位面積当たりの摩擦エネルギーを取得する処理を開始する。転動解析の結果から単位面積当たりの摩擦エネルギーを直接取得できない場合は、すべり量と接触せん断応力を取得又は計算し、すべり量とせん断応力との積から単位面積当たりの摩擦エネルギーを計算する。次に、この手順の一例について説明する。
単位面積当たりの摩擦エネルギーを用いるのは、タイヤ10(タイヤモデル10M)のトレッド面11p(図1参照)の接地面11pmmにおける摩擦エネルギーの分布を正しく評価するためである。次にこの理由について説明する。図7−1、図7−2は、キャップトレッドが地面と接する接地面を微小要素に分割した例を示す説明図である。図7−1に示すように、接地面11pmを1分割した場合には、それぞれの節点N1〜N4には垂直接触力Fが均等に作用するので、各節点N1〜N4にはそれぞれF/4の垂直接触力が作用する。
一般に、FEMやBEM等の解析手法においては、一定とみなす要素の分割数を大きくする程、計算時間は多くなるが計算精度は高くなる。したがって、計算時間とのバランスを考慮した上で要素分割の数をできるだけ多くする。また、ブロック11Bの端部においては摩擦エネルギーが高くなるので、要素分割数が少ないとブロック11B内部の評価精度が低下する。このため、接地面11pmの摩擦エネルギーを予測する場合においては、図7−2に示すように、接地面11pmの分割数を多くする。図7−2に示した例では接地面11pmを4分割しているので、当該接地面11pmにはN1〜N9までの計9節点が含まれる。
ここで、接地面11pmの角部における節点N1、N3、N7、N9には、節点数と節点の場所との関係から、それぞれF/16の垂直接触力が作用する。同様に、接地面11pmの辺上における節点N2、N4、N6、N8にはそれぞれF/8の垂直接触力が作用し、接地面11pmの中心部における節点N1にはF/4の垂直接触力が作用する。ここで、摩擦係数をμ、すべり量をLとすると、せん断接触力はμ×垂直接触力で、摩擦エネルギーはμ×垂直接触力×Lで求めることができる。したがって、節点N1、N3、N7、N9における摩擦エネルギーはL×μ×F/16であり、節点N2、N4、N6、N8における摩擦エネルギーはL×μ×F/8であり、また、節点N1における摩擦エネルギーはL×μ×F/4である。
本来、この例の接地面11pmでは摩擦エネルギーが均一に分布する。しかし、各節点N1〜N9のせん断接触力及びすべり量から摩擦エネルギーを算出すると、要素分割数や節点数あるいは節点位置によって摩擦エネルギーの値が異なることとなり、接地面11pmの摩耗を正しく評価することはできない。そこで、本発明においては、単位面積当たりの摩擦エネルギーによって接地面11pmの摩耗を評価することとした。同時に、垂直接触力及びせん断接触力についても、単位面積当たりの垂直接触力(すなわち垂直接地圧Pn)と、単位面積当たりのせん断接触力(Ps=μ×Pn)として評価することとした。このようにすれば、接地面11pm表面における摩擦エネルギーの分布を正しく求めることができるので、接地面11pmの摩耗を正しく評価することができる。
単位面積当たりにおける摩擦エネルギー等の物理量によって評価する場合には、各節点が分担する分割要素の表面(以下分割要素表面)の面積を求める必要がある。次にこの手順の一例について説明する。図8−1、図8−2は、四角形要素によって9分割した接地面を示す平面図である。接地面11pmは9分割されているので、節点はN1〜N16の16節点となる。ここでは、節点N6の面積を算出する場合を説明する。まず、節点N6を含む分割要素表面の情報を取得する。この例において、N6を含む分割要素表面とはS1、S2、S4、S5である。また、分割要素表面の情報とは、当該分割要素表面を構成する節点、及び当該節点の座標といった情報である。
次に、各分割要素表面S1、S2、S4、S5それぞれの面積を算出する。これは、取得した各分割要素表面を構成する節点の座標、及び各分割要素表面の形状から算出することができる。各分割要素表面の面積を算出したら、節点N6が分担する面積を各分割要素表面の形状に応じて算出する。図8−1に示した例では、接地面11pmが四角形要素で分割されているので、各分割要素表面S1、S2、S4、S5の形状は四角形となる。この場合、すなわち分割要素によって分割された分割要素表面の形状が四角形である場合には、分割要素表面S1の面積の1/4を節点N6が分担する。
このように、接地面11pmにおける分割要素表面の形状が四角形である場合には、当該形状が占める面積の1/4の大きさを対象となる節点が分担することになる。また、図8−2に示すように、接地面における分割要素表面の形状が三角形である場合には、当該形状が占める面積の1/3の大きさを対象となる節点が分担することになる。次に、節点N6が分担する各分割要素表面S1、S2、S4、S5の面積をすべて加算する。この面積が、節点N6が分担する面積となる。同様の手順を残りの節点N1、N2等に対して適用して、接地面11pm上における各節点が分担する面積を算出する。
図9−1〜図9−3は、タイヤモデルの接地面を含む分割要素の一つを示す斜視図である。上記手順によって各節点が分担する面積を算出すると、図9−3に示す溝壁11sのような実際には接地していない分割要素表面の面積(図9−1のハッチング部分)も節点N1が分担する面積に含めてしまうことになる。これは、実際の接地面積よりも過大な面積によって単位面積当たりの摩擦エネルギーを求めることになるので、実際よりも小さい値の単位面積当たりの摩擦エネルギーによって接地面11pmの摩耗を評価することになる。この不都合を回避するために、接地しない分割要素表面を含む節点(例えばN1)の面積を算出する場合には、接地する分割要素表面20と接地しない分割要素表面21とを判定して、接地していない分割要素表面21の面積は除外して各節点が分担する面積を求める必要がある(図9−2)。次に、この判定方法について説明する。
図10−1、図10−2は、分割要素表面の接地を判定する方法の一例を示す説明図である。また、図11−1、図11−2、図11−3は、分割要素表面の接地を判定する方法の他の例を示す説明図である。分割要素表面の接地を判定する方法には、タイヤモデル10Mの初期形状に基づいて、接地する(あるいは接地する可能性のある)分割要素表面と、接地しない(あるいは接地する可能性の低い)分割要素表面とを節点が分担する面積を算出する前に判定する方法がある。
この判定法には、例えばタイヤモデル10Mの中心10cから判定対象である分割要素表面の中心に向かうベクトルを基準ベクトルとし、分割要素表面の法線ベクトルと前記基準ベクトルとがなす角度から接地の有無を判定するものがある。この場合、両ベクトルのなす角度が接地基準角度よりも小さい場合には当該分割要素表面は接地すると判定し、両ベクトルのなす角度が所定値よりも大きい場合には当該分割要素表面は接地しないと判定する。両ベクトルのなす角度は35度〜45度を接地基準角度とすれば、実用上十分な精度で接地の有無を判断できるので、接地面11pmの摩耗を精度よく評価できる。ここで、接地基準角度とは、当該角度よりも大きい場合には、その分割要素表面は接地しない角度をいうものとする。
例えば、図10に示した例においては、タイヤ10の中心10cから判定対象である分割要素表面20の中心に向かうベクトルを基準ベクトルV11とし、分割要素表面20の法線ベクトルV12と前記基準ベクトルV11とがなす角度θ1とする。接地基準角度を例えば35度とした場合、分割要素表面20における角度θ1は接地基準角度よりも小さいので、分割要素表面20は接地面(11p)であると判定される。一方、分割要素表面21は、基準ベクトルがV22であり、法線ベクトルはV21である。両ベクトルのなす角度はθ2であるが、θ2は接地基準角度よりも大きいので、分割要素表面21は接地しないと判定される。なお、分割要素表面21は、溝壁11sの一部である。
この判定方法によれば、各節点が分担する面積を求める際に、接地しない分割要素表面を除外できるので、精度良く接地面11pmの摩耗を予測することができる。また、タイヤの初期形状に基づいて各分割要素表面の接地状態を判定するので、各時間ステップ毎に各分割要素表面の接地状態を判定する必要はない。これにより、計算量を少なくできるのでコンピュータシミュレーションにおいては計算に要する時間を短くでき、また、ハードウェア資源が限られている場合でも有効な評価ができる。
他の判定方法としては、タイヤモデル10Mの転動時における変形形状を基に、接地する分割要素表面と接地しない分割要素表面とを各時間ステップ毎に判定する方法もある。この判定方法では、タイヤ10モデルの転動時における変形形状に応じて接地面を判断するので、より高い精度で接地面11pmの摩耗を予測することができる。この判定方法においては、基準ベクトルとして上記V11やV22を用いてもよいし、図11−1に示すように分割要素表面20、21の法線ベクトルVn1、Vn2と路面モデル40Mの法線ベクトルVbrとを用いてもよい。なお、路面モデル40Mの法線ベクトルVbrを使用する場合には、接地基準角は160度〜179度が好ましく、当該接地基準角よりも分割要素表面の法線ベクトルと路面モデル40Mの法線ベクトルとのなす角度が大きいときには接地すると判定される。
例えば、接地基準角を160度とした場合には、分割要素表面20における角度θ1は接地基準角よりも大きいので、当該分割要素表面20は接地すると判定される。一方、分割要素表面21における角度θ2は接地基準角よりも小さいので、当該分割要素表面21は接地しないと判定される。なお、本判定例において、分割要素表面の法線ベクトルと路面の法線ベクトルとのなす角度(図11−1のθ1、θ2)は、最大180度である。
また、路面モデル40Mの座標R(Xr、Yr、Zr)と判定対象である分割要素表面20等の座標T1(Xt1、Yt1、Zt1)等との差から、分割要素表面20の接地状態を判定してもよい。この場合には、鉛直方向の座標(図11−2中矢印Zで示す方向)を用いて分割要素表面20等の接触状態を判定する。例えば、Zt1とZrとの差δ=(Zt1−Zr)が基準値以下である場合には分割要素表面20は接地すると判定される。このような判定をするのは、次の理由による。すなわち、コンピュータを用いた数値シミュレーションの場合は数値誤差が避けられないので、δが完全に一致することはありえない。したがって、この数値誤差を考慮して接地するか否かを判定する必要があるからである。ここで、前記基準値は0.01mm〜2.00mm程度が好ましい。
また、分割要素表面20の座標には、当該分割要素表面20の中心における座標Ncを用いることができる。例えば、分割要素表面20に含まれる節点N1〜N4の鉛直方向における座標の平均値(Z1+Z2+Z3+Z4)/4を、当該分割要素表面20の中心における鉛直方向の座標値Zcとすることができる(図11−3参照)。そして、路面モデル40Mの鉛直方向における座標値Zrと分割要素表面20の鉛直方向における座標値Zcとを比較して、両者が等しい場合には分割要素表面は接地すると判定される。さらに、分割要素表面20に含まれる節点N1〜N4のうち、1節点の鉛直方向における座標が路面モデル40Mの鉛直方向における座標と等しくない場合には、分割要素表面20は接地しないと判断してもよい。
次に、単位面積当たりの摩擦エネルギーを求める手順について説明する。図12は、単位面積当たりの摩擦エネルギーを計算する手順を示すフローチャートである。この計算手順においては、タイヤモデル10Mの初期形状に基づいて、摩擦エネルギー算出部53が、接地する分割要素表面と接地しない分割要素表面とを、各節点が分担する面積を算出する前に判定する。まず、接地する分割要素表面か否かを判定する(ステップS201)。ここで、この判定手順を説明する。図13は、接地する分割要素表面か否かを判定する手順を示すフローチャートである。
この接地判定においては、まず、摩擦エネルギー算出部53が、タイヤモデル10Mのデータから、節点座標及び分割要素表面情報(例えば当該分割要素表面を構成する節点や分割形状等)を取得する(ステップS301)。次に、摩擦エネルギー算出部53は、当該分割要素表面がタイヤ表面の分割要素表面であるか否かを判定する(ステップS302)。当該分割要素表面がタイヤ表面である場合、摩擦エネルギー算出部53は、当該分割要素表面が接地するか否かを判定し、その結果を、例えば摩耗タイヤモデル作成装置50の記憶部50m(図2参照)に記憶させる(ステップS303)。なお、本手順をコンピュータで実行させる場合には、RAM上やハードディスクの所定記憶領域に前記判定結果を記憶させる。分割要素表面が接地するか否かの判定には、例えば上述した基準ベクトルと分割要素表面の法線ベクトルとのなす角に基づく手法を用いることができる。摩擦エネルギー算出部53は、タイヤ表面に存在する全分割要素表面について処理が終了したか否かを判断し(ステップS304)、全分割要素表面について処理が終了したら接地の判定手順が終了する。
次に、図12に戻って説明する。分割要素表面の接地判定手順が終了したら、摩擦エネルギー算出部53は、分割要素の節点が接地しているかどうかを判断する(ステップS202)。この判断手法は、例えば当該節点と路面との垂直接触力が0を超える場合には、当該節点は接地すると判断する。判定対象である節点が接地していると判定された場合には、摩擦エネルギー算出部53は前記節点が分担する面積(以下節点面積)を算出する(ステップS203)。節点面積の算出手順については後述する。
次に、摩擦エネルギー算出部53は、路面と平行な接触力の成分からせん断接触力Fsを算出し(ステップS204)、また、当該時間ステップと直前の時間ステップとの間における当該節点の変位Dnと路面変位Drとの変位差Dn−Drから、接地しているトレッド表面11pと路面とのすべり量Lを算出する(ステップS205)。ここで、ステップS203〜S205の順序は問わない。せん断接触力Fs、すべり量L及び節点面積Aから、摩擦エネルギー算出部53は、式(1)に基づいて単位面積当たりの摩擦エネルギーEを算出する(ステップS206)。この値を、当該節点が接地を開始してからにおける単位面積当たりの総摩擦エネルギーに追加する(ステップS207)。
E=Fs×L/A・・・(1)
ここでAは節点面積である。
このように、すべり量Lの算出に変位差Dn−Drを使用すると、すべり量Lを直接求めることができない場合に有効である。なお、すべり量Lを直接求めることができる場合は、直接求めたすべり量Lを用いてもよい。また、すべり量Lは、タイヤモデル10Mの速度から求めてもよい。この場合、トレッド表面11pの各接地部における速度と、路面の速度とを取得相対速度(すべり速度)を算出し、単位時間(例えばサンプリングタイム)との積からすべり量を算出する。路面と平行な接触力の成分からせん断接触力Fsを算出する方法は、転動解析結果からせん断接触力Fsを直接取得できない場合に有効である。せん断接触力Fs及びすべり量Lが時間履歴の離散情報として得られる場合、各サンプリングタイムにおける単位面積当たりの摩擦エネルギーを取得又は計算し、トレッド表面11pが接地を開始してから接地を終了するまで時間積分して、単位面積当たりの摩擦エネルギーを得る。また、すべり量L、せん断接触力Fs及び単位面積当たりの摩擦エネルギーは、それぞれタイヤの前後方向とタイヤの横方向とに分けて求め、その後、両者の和を求めることが好ましい。
摩擦エネルギー算出部53は全節点の処理が終了したか否かを判断し(ステップS208)、全節点の処理が終了していない場合にはステップS202〜S207を繰り返す。当該ステップにおいて全節点を処理したら、摩擦エネルギー算出部53は全ステップの処理が終了したか否かを判断し(ステップS209)、全ステップの処理が終了していない場合にはステップS202〜S208を繰り返して全ステップを処理して、摩擦エネルギーEの予測手順が終了する。
次に、節点面積の算出手順について説明する。図14は、節点面積の算出手順を示すフローチャートである。まず、節点面積を算出するため、摩擦エネルギー算出部53は、面積算出対象の節点を含む分割要素表面情報(当該分割要素表面を構成する節点の座標や分割要素表面の分割形状等)を取得する(ステップS401)。なお、摩擦エネルギーEを求める際にはトレッド内部の節点情報は不要なので、トレッド表面に存在する節点のみが節点面積算出の対象となる。次に、摩擦エネルギー算出部53は、上述した分割要素表面の接地判定手順で記憶手段に記憶させた、接地する分割要素表面か否かの判定結果を取得する(ステップS402)。なお、ステップS401とS402との順序は問わない。
節点面積を算出する手順においては接地する分割要素表面が対象となるので、摩擦エネルギー算出部53は、前記節点を含む分割要素表面が接地しているか否かを判断する(ステップS403)。これは、ステップS402で取得した、接地する分割要素表面か否かの判定結果に基づいて判断することができる。
接地する分割要素表面である場合には、摩擦エネルギー算出部53は、当該分割要素表面の面積と分割形状とから面積算出対象である節点の節点面積を算出して、既に求めた節点面積に加算する(ステップS404)。摩擦エネルギー算出部53は、接地している面積算出対象の節点を含む各分割要素表面すべてについて面積算出対象の節点面積を算出し、既に求めた節点面積に加算したら、当該節点の面積算出が終了する。そして、全分割要素表面の処理が終了していない場合、摩擦エネルギー算出部53はステップS403及びS404を繰り返して全分割要素表面を処理して(ステップS405)、全節点面積の算出が終了する。
上記手順では、タイヤモデル10Mの初期形状に基づいて、節点面積の算出前に分割要素表面の接地を判定し、単位面積当たりの摩擦エネルギーを算出する。これにより、各時間ステップ毎に各分割要素表面の接地状態を判定する必要はないので、単位面積当たりの摩擦エネルギーを算出するための計算量を少なくできる。その結果、コンピュータシミュレーションにおいては計算に要する時間を短くでき、また、ハードウェア資源が限られている場合でも有効な評価ができる。
ここで、図3に戻って説明する。上記手順等によって単位面積当たりの摩擦エネルギーを求めたら(ステップS104)、摩擦エネルギー算出部53は、タイヤ10の代表的な使用条件(代表条件)が2以上であるか否かを判定する(ステップS105)。タイヤ10の代表的な使用条件(代表条件)が単独である場合には(ステップS105;No)、トレッド形状の変更手順に移行する(ステップS108)。タイヤ10の代表的な使用条件(代表条件)が2以上ある場合には(ステップS105;Yes)、各使用条件の重み付け係数を決定する(ステップS106)。そして、各使用条件の摩擦エネルギーを重み付けして、式(2)により積算し、積算摩擦エネルギーを求める(ステップS107)。なお、この積算摩擦エネルギーは単位面積当たりの値である。
F=ΣCi×Efi;{i=1〜n}・・・(2)
なお、EFは積算摩擦エネルギー、Ciは各使用条件の重み付け係数、Efiは各使用条件における単位面積当たりの摩擦エネルギー、iは条件を表す添字、nは使用条件数である。各使用条件の重み付け係数Ciは、例えば、タイヤ10の使用条件、すなわち走行モードを考慮した平均加速度から決定することができる。このように、各使用条件を考慮して、各使用条件の重み付けをすることにより、タイヤ10の摩耗に対する各使用条件の寄与を考慮することができる。これにより、より実際の使用条件に即した摩耗タイヤモデルを作成することができる。
積算摩擦エネルギーEFを求めたら(ステップS107)、トレッド形状の変更手順に移行する(ステップS108)。図15は、トレッド接地領域に含まれるブロックの表面における積算摩擦エネルギー分布を示す概念図である。同図には、上記手順によって求めた、ブロック11B表面における単位面積当たりの積算摩擦エネルギーEFの値が色分けされて示されている。色の濃い部分は積算摩擦エネルギーEFの値が大きく、色が薄くなるにしたがって積算摩擦エネルギーEFの値が小さくなる。この手順においては、トレッド形状変更部54が、トレッド接地領域の節点の積算摩擦エネルギー値に応じてトレッド接地領域各部の節点座標を変更する。あるいは、節点座標を変更する代わりに、新たにタイヤモデルを作成してもよい。次に、節点座標を変更する方法について説明する。
図16−1、図16−2は、節点がブロック内部等にある場合において、節点座標を変更する方法を示す説明図である。まず、節点座標を変更する方向について説明する。なお、以下の説明において、トレッドパターンを構成するブロック11Bやリブがトレッドパターン陸部に相当する。そして、ブロック11Bやリブの端部がトレッドパターン陸部の端部に相当しブロック11Bやリブの内部、すなわち非端部がトレッドパターン陸部の非端部に相当する。実際の摩耗を想定すると、節点座標を変更する方向は、積算摩擦エネルギーEFを計算したタイヤモデル10Mのトレッド表面11p(ブロック11Bの表面)に存在する節点N1、N2等の位置における法線方向とすることが好ましい。図16−1、図16−2に示す節点N5のように、複数の微小要素10Miのトレッド表面によって座標変更しようとする節点が含まれる場合、すなわち、座標変更しようとする節点がブロック11Bの内部あるいはリブの内部にある場合、各微小要素10Miのトレッド表面11pにおける法線Vsを求める。そして、これらを平均した方向Vaを、前記節点N5の座標を変更する方向とすると、計算を簡素化できるので好ましい。
図17−1、図17−2は、節点がブロック端部等にある場合において、節点座標を変更する方法を示す説明図である。図17−1、図17−2に示す節点N6のように、座標変更しようとする節点がブロック11Bの端部あるいはリブの端部にある場合は次のように取り扱う。各微小要素10Miのトレッド表面11pにおける法線Vsを求め、これらを平均した方向Vaを、前記節点N6の座標を変更する方向とする。このとき、各微小要素10Miの溝壁面18wの法線方向Vwは使用しない。さらに、図16−2に示すように、溝壁面18wがトレッド表面11pと直角でない場合には、節点N6の平均化した法線方向Vaを溝壁面18wに沿って投影した方向Vpに、節点N6の座標を変更する。このように取り扱うと、ブロック11Bの端部やリブの端部における実際の摩耗を精度よく再現できる。
次に、節点座標を変更する大きさについて説明する。図18は、モデル化したブロックを示す斜視図である。節点座標を変更する大きさを決定するにあたっては、まず、トレッド表面11pにおける任意の節点(例えば図18のN1)の摩耗量WAを設定する。この節点の積算摩擦エネルギーの値をEFAとする。このとき、座標変更対象節点の摩耗量Wiは、式(3)により求めることができる。
i=WA×EFi/EFA・・・(3)
ここで、EFiは、座標変更対象節点の積算摩擦エネルギーであり、iは節点番号である。例えば、節点N5の摩耗量W5は、WAとEFAとを用いると、W5=WA×EF5/EFAで求めることができる。ここで、EF5は、節点N5の積算摩擦エネルギーである。
ここで摩耗量WAは、作成する摩耗タイヤモデルの最終摩耗量に基づいて決定する。また、摩擦エネルギーに対するゴム材料の摩耗情報(例えば減りやすさ)が、解析や実験からにより予め求められていれば、この結果と任意の節点における積算摩擦エネルギーとを用いて摩耗量を決定してもよい。このように、座標変更対象節点の摩耗量の絶対値ではなく、ある節点の摩耗量及び積算摩擦エネルギーを基準として、これとの比率で座標変更対象節点の摩耗量を決定すると、ゴム材料の摩耗情報(減りやすさ)が存在しない場合でも座標変更対象節点の摩耗量を決定できる。トレッド形状変更部54は、上記手順により各節点の摩耗量Wiを求め、各節点座標の変更量とする。
図19−1は、摩耗したブロックの断面図である。図19−2は、タイヤモデルのブロックが摩耗した状態を示す断面図である。図19−3は、ブロック端部の摩耗量に補正を加えて求めたタイヤモデルのブロックを示す断面図である。図19−1に示すように、一般にブロック11Bの端部あるいはリブの端部は丸く摩耗する。このことからわかるように、ブロック11Bの端部あるいはリブの端部における摩擦エネルギーは、非端部よりも大きい(図19−1)。タイヤモデルを作成する場合、図19−2、図19−3に示すように、トレッドパターンを構成するブロック11Bを有限個の微小要素に分割する。このとき、計算時間やデータ容量を考慮して現実的かつ実用的な分割数とすると、摩擦エネルギーの局所的な分布を再現できない。その結果、図19−2に示すように、摩耗したタイヤモデルのブロック11Bの形状は(図19−2の実線)、実際の摩耗したタイヤのブロック11Bの形状と異なってしまう。
これを抑制するため、タイヤモデルのブロック11Bの端部やリブ端部については、補正係数kを用いて、式(3)で求める摩耗量を補正する(式(4)参照)。
i=k×WA×EFi/EFA・・・(4)
トレッド形状変更部54は、この式(4)を用いて、タイヤモデルのブロック11Bの端部やリブ端部における摩耗量を求め、ブロック11Bの端部やリブ端部における節点座標の変更量とする。ここで、実際のタイヤの摩耗状態を考慮すると、補正係数kは、0.01以上1.00の範囲とすることが好ましく、さらには0.1以上0.8以下とすることが好ましい。このようにすれば、図19−3に示すように、摩耗したタイヤモデルのブロック11Bの形状は(図19−3の実線)、より実際のタイヤの摩耗後におけるブロック11Bの形状(図19−1の実線)に近いものとなる。
座標変更対象節点がブロック11Bやリブの端部に位置し、かつ溝壁面18wがトレッド表面と直角でない場合(例えば図17−2の節点N6)、摩耗量Wiは、式(5)で求めることができる。
i=k×(WA×EFi/EFA)×(1/cosθ)・・(5)
ここでθは、図17−2に示す、トレッド表面11pの法線方向Vsを平均化した法線方向Vaと、溝壁面18wに沿って投影した方向Vpとのなす角である。トレッド形状変更部54は、この式(5)を用いて、タイヤモデルのブロック11Bの端部やリブ端部における摩耗量を求め、ブロック11Bの端部やリブ端部における節点座標の変更量とする。
1回の節点座標変更により、最終的な摩耗タイヤモデルを作成してもよいが、節点座標変更を複数回繰り返すことで、最終的な摩耗タイヤモデルを作成してもよい。この手順について説明する。図20は、複数回の節点座標変更によりブロックを摩耗させる手順を示す断面図である。図21は、複数回の節点座標変更により最終的な摩耗タイヤモデルを作成する手順を示すフローチャートである。図20に示すように、最終的な摩耗タイヤモデルにおけるブロック11Bの表面は、摩耗トレッド表面11pfである。このときの最終摩耗量はWfである。
まず、モデル作成部51が初期タイヤモデルを作成する。そして、タイヤの代表的な使用条件を定め、摩耗タイヤモデル作成装置50の転動解析部52及び摩擦エネルギー算出部53はこの使用条件に基づいて、単位面積当たりの摩擦エネルギーを計算する(ステップS501)。この手順はすでに説明したので、説明を省略する。次にトレッド形状変更部54は、複数回の節点座標変更により最終摩耗量Wfに到達するように、1回の節点座標変更における摩耗量ΔW(図20)を決定する。そして、式(3)、式(4)、式(5)を用いてΔWづつ節点座標を変更して(ステップS502)、中間摩耗タイヤモデルを作成する(ステップS503)。このとき、1回の節点座標変更における摩耗量ΔWが最も大きくなる節点の摩耗量ΔWmaxは、初期におけるタイヤモデルの最大溝深さGdの20%を以下にすることが好ましい。
次に、トレッド形状変更部54は、現在の摩耗量が設定した最終摩耗量Wfに到達しているか否かを判定する(ステップS504)。到達していない場合(ステップS504;No)、タイヤの代表的な使用条件を定め、転動解析部52及び摩擦エネルギー算出部53はこの使用条件に基づいて、単位面積当たりの摩擦エネルギーを計算する(ステップS501)。そして、トレッド形状変更部54は、最新の中間摩耗タイヤモデルに対してトレッド表面11pにおける節点座標を変更して(ステップS502)、新たな中間摩耗タイヤモデルを作成する(ステップS503)。そして、トレッド形状変更部54は、現在の摩耗量が、最終摩耗量Wfに到達するまでステップS501〜ステップS503を繰り返す。現在の摩耗量が、設定した最終摩耗量Wfに到達した場合、(ステップS504;Yes)、最終的に必要な摩耗タイヤモデルが得られる。
実際のタイヤにおいては、摩耗の進度によって摩耗の形態(摩耗量や摩耗箇所あるいは摩耗の形態)は変化するが、このようにすれば、摩耗の進度を考慮してタイヤモデルを作成できる。これによって、より実際の摩耗を再現したタイヤモデルを作成できる。なお、この例では、1回あたりの節点座標変更における摩耗量ΔWは、すべての節点座標変更ステップで同じ大きさとしたが、節点座標変更ステップによって摩耗量Wを変更してもよい。
また、最終摩耗量Wfに到達する前における摩耗タイヤモデルや最終的に得られる摩耗タイヤモデルは、初期のタイヤモデルに対して、経時変化を考慮しながらゴム材料やカーカス材料等の物性値を変更させてもよい。なお、1回の節点座標変更により、最終的な摩耗タイヤモデルを作成する場合でも、最終的な摩耗タイヤモデルを構成する材料のうち、少なくともゴム材料の物性値を、前記初期タイヤモデルとは異ならせてもよい。このようにすれば、タイヤを構成する材料の経時変化も考慮できるので、摩耗形態の予測精度を向上させ、さらに実際の摩耗に即した摩耗タイヤモデルを作成できる。ゴム材料やカーカス材料等の物性値を変更するにあたっては、少なくともゴム材料の物性値を変更することが好ましい。ゴム材料が摩耗するため、この物性値の変化が最終的な摩耗タイヤモデルに最も影響を与えるからである。他の材料については、特に経時変化しやすい材料から物性値を変更することが好ましい。例えば、金属繊維と樹脂繊維とのいずれかでは、樹脂繊維の物性値を変更することが好ましい。
次に節点座標を変更する方法例について説明する。図22−1は、節点座標を変更する前のブロックを示す模式図である。図22−1に示すように、トレッドパターンを形成するブロック11Bの微小要素10Miが、ブロック11Bの厚さ方向に2個以上存在する場合、摩耗量Wの大きさによって、トレッド表面11p以外の節点座標を変更する必要がある。
図22−2、図22−3は、節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。いずれも、摩耗量Wが微小要素10Miの厚さ(すなわち摩耗が進行する方向の大きさ)ΔHEを超えない場合の節点座標変更例である。図22−2に示す例は、溝18の深さに対するブロック11Bの厚さ方向における節点位置の比率をほぼ一定に保って、各微小要素10Miの節点位置を変更するものである。図22−3に示す例は、ブロック11Bのトレッド表面11pの節点のみ、ブロック11Bの厚さを減少させるように座標を変更し、トレッド表面11p以外の節点の座標は変更しないようにするものである。
図23−1は、節点座標を変更する前のブロックを示す模式図である。図23−2、図23−3は、節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。いずれも、摩耗量Wが微小要素10Miの厚さΔHEを超える場合の節点座標変更例である。図23−2に示す例は、溝18の深さに対するブロック11Bの厚さ方向における節点位置の比率をほぼ一定に保って、各微小要素10Miの節点位置を変更するものである。図23−3に示す例は、厚さが0以下になった微小要素10Miは削除するものである。摩耗量Wが微小要素10Miの厚さΔHEを超えない場合と超える場合との節点座標変更例は、適宜組み合わせて使用することができる。
次に、トレッドパターン接地域において、溝深さ方向の微小要素分割数が異なる場合の節点座標を変更する方法例について説明する。図24−1は、節点座標を変更する前のブロックを示す模式図である。図24−2、図24−3は、節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。いずれも、摩耗量Wが微小要素10Miの厚さΔHEを超えない場合の節点座標変更例である。図24−2に示す例は、トレッド表面11pの節点のみ座標を変更し、トレッド表面11p以外の節点座標は変更しないようにするものである。図24−3に示す例は、溝18の深さに対するブロック11Bの厚さ方向における節点位置の比率をほぼ一定に保って、トレッド表面11pの節点位置及びトレッド表面11p以外の節点位置を変更するものである。ただし、溝底18b1、18b2の位置は変更しないように、各微小要素10Miの節点位置を変更する。
図25−1は、節点座標を変更する前のブロックを示す模式図である。図25−2、図25−3は、節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。いずれも、摩耗量Wが微小要素10Miの厚さΔHEを超える場合の節点座標変更例である。図25−2に示す例は、厚さが0以下になった微小要素10Miは削除するものである。図25−3に示す例は、トレッド表面11pに存在する節点の移動後における形状に基づき、新たに微小要素を分割し直すものである。摩耗量Wが微小要素10Miの厚さΔHEを超えない場合と超える場合との節点座標変更例は、適宜組み合わせて使用することができる。
次に説明する節点座標を変更する方法例は、座標を変更する節点に対して強制変位を与える解析を実行し、当該解析により得られた節点座標のデータを、摩耗タイヤモデルの節点座標データとするものである。図26−1は、節点座標を変更する前のブロックを示す模式図である。図26−2、図26−3は、節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。強制変位を与える解析は、有限要素法や境界要素法その他の解析手法を用いることができる。ここで、タイヤモデル全体について強制変位を与える解析を実行する必要はなく、トレッドパターン部分(ブロック11Bとトレッド底面19b1)のみについて前記解析を実行すればよい。このようにすれば、解析対象部分を少なくできるので、計算時間を短縮できるとともに、ハードウェア資源を有効に利用できる。
強制変位を与える解析において、境界条件は次のように設定する。トレッド表面11pに位置する節点については、上述の摩擦エネルギー取得方法により求めた単位面積当たりの摩擦エネルギーに応じた強制変位を与える(図26−2、図26−3)。トレッド底面19b1、及び溝底19b2の上面に位置する節点については変位が0になるように拘束する(図26−2、図26−3)。そして、その他の節点については拘束条件を設定しない。ここで、節点座標を変更するとき、ポアソン比は0とすることが好ましい。この理由について説明する。
図26−2は、ポアソン比をゴム材料本来の値(約0.5)として節点に変位を与えた例であるが、このようにするとブロック11Bの幅が広がる結果、溝181、182の幅が狭くなってしまう。図26−3は、ポアソン比を0にして節点に変位を与えた例であるが、このようにすればブロック11Bの幅は広がることはないので、溝181、182の幅が狭くなることはない。このように、トレッド表面11pに位置する節点に、摩耗量に相当する強制変位を与えることにより、微小要素の再分割が不要になる。これにより、トレッド形状が不適切な形状となることを抑制しつつ、簡易に摩耗タイヤモデルを作成することができる。この方法は、特に節点の変位が小さい場合、すなわち摩耗量が小さい場合に好ましい。
次に、トレッド表面に位置する一部の節点座標のみが変更される場合について説明する。この場合、初期のタイヤモデルで用いた微小要素とは異なる微小要素を用いて、ブロック11B等を再分割してもよい。図27−1は、初期のタイヤモデルの微小要素が六面体要素である例を示す説明図である。図27−2、図27−3は、再分割の例を示す説明図である。図27−1に示すブロック11Bを構成する六面体要素Eaのうち、一つの節点NX1が前記六面体要素Eaの厚さを超えて変更された場合、図27−2に示すように、4個の四面体要素E41と1個の六面体要素Ebとに再分割して、ブロック11Bn1として再構成してもよい。また、図27−3に示すように、2個の四面体要素E41と1個の五面体要素E51と1個の六面体要素Ebとに再分割して、ブロック11Bn2として再構成してもよい。
図28−1、図28−2、図28−3は、再分割の例を示す説明図である。図27−1に示すブロック11Bを構成する六面体要素Eaのうち、二つの節点NX1、NX2が前記六面体要素Eaの厚さを超えて変更された場合、図28−1に示すように、1個の五面体要素E52と1個の六面体要素Ebとに再分割して、ブロック11Bn3として再構成してもよい。
図27−1に示すブロック11Bを構成する六面体要素Eaのうち、三つの節点NX1、NX2、NX3が前記六面体要素Eaの厚さを超えて変更された場合、図28−2に示すように、2個の四面体要素E42と1個の六面体要素Ebとに再分割して、ブロック11Bn4として再構成してもよい。図27−1に示すブロック11Bを構成する六面体要素Eaのうち、四つの節点が前記六面体要素Eaの厚さを超えて変更された場合、図28−3に示すように、六面体要素Eaを削除して、六面体要素Ebのみでブロック11Bn3を再構成してもよい。
次に、初期のタイヤモデルの微小要素が五面体要素である場合について説明する。図29−1は、初期のタイヤモデルの微小要素が五面体要素である例を示す説明図である。図29−2、図29−3、図29−4は、再分割の例を示す説明図である。図29−1に示すブロック11B'を構成する五面体要素Ecのうち、一つの節点NY1が前記五面体要素Ecの厚さを超えて変更された場合、図29−2に示すように、2個の四面体要素E43と1個の五面体要素Edとに再分割して、ブロック11Bn1'として再構成してもよい。
図29−1に示すブロック11B'を構成する五面体要素Eaのうち、二つの節点NY1、NY2が前記六面体要素Eaの厚さを超えて変更された場合、図29−3に示すように、1個の四面体要素E43と1個の六面体要素Edとに再分割して、ブロック11Bn2'として再構成してもよい。図29−1に示すブロック11B'を構成する五面体要素Eaのうち、三つの節点NY1、NY2、NY3が前記五面体要素Ecの厚さを超えて変更された場合、図29−4に示すように、五面体要素Ecを削除して、五面体要素Edのみでブロック11Bn3'を再構成してもよい。
上記手順によりトレッド形状を変更することにより(ステップS108)、摩耗タイヤモデルが作成される(ステップS109)。図30−1は、初期におけるタイヤモデルのブロックを示す斜視図である。図30−2は、摩耗タイヤモデルのブロックを示す斜視図である。図30−2に示すように、摩耗タイヤモデルのブロック11Bnは、摩耗によりブロック厚さがHからHnへ減少している。このときの摩耗量は、H−Hnである。このように、本実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法により、所定量摩耗させた摩耗タイヤモデルを作成することができる。そして、この摩耗タイヤモデルを用いて、各種のタイヤ性能を予測する(ステップS110)。
予測できるタイヤ性能の例としては、例えばイングレート形状、荷重負荷時のタイヤ形状、タイヤのばね特性、応力、ひずみ、ひずみエネルギー、損失エネルギー、転がり抵抗、補強コード張力、接地形状、接地圧、コーナーリング性能、制動性能、駆動性能、ウェット性能、ハイドロプレーニング性能、スノー性能、アイス性能、接地面内のすべり、接触せん断応力、摩擦エネルギー、振動性能、騒音性能、突起乗り越し等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(評価例)
本実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法により作成した摩耗タイヤモデルを用いて、タイヤの騒音性能を予測した例について説明する。実車走行試験により、新品タイヤと摩耗タイヤ(新品時の30%摩耗)とのパターンノイズを測定した。また、新品タイヤモデルと摩耗タイヤモデルとに対して騒音シミュレーションを実行してパターンノイズを評価した。騒音シミュレーションは、パターンノイズ予測に対して有効なパラメータである接触反力の振動をタイヤの転動解析により取得し、接触反力の振動をフーリエ変換して得られる騒音指数を比較した。なお、この騒音指数は、接触反力のゲインである。ここで接触反力とは、タイヤに所定の荷重を与えてタイヤを転動させた場合に、タイヤの接地面と路面との間に発生する、路面からタイヤに与えられる力をいう。
試験条件は次の通りである。試験タイヤは、235/45ZR17の乗用車用ラジアルタイヤである。この試験タイヤを17×8JJのリムに装着し、220kPaの内圧を負荷する。試験車両は排気量2リットルの乗用車であり、走行速度は40km/hである。この条件で実車走行試験を行うとともに、前記サイズの新品タイヤモデルと摩耗タイヤモデルとを作成して騒音シミュレーションを実行し、両者の結果を比較した。
図31−1は、実車走行試験によるパターンノイズの測定結果を示す説明図である。図31−2は、騒音シミュレーションによる評価結果を示す説明図である。実車走行試験では、騒音の音圧と騒音の周波数との関係で結果を整理してある。騒音シミュレーションでは、騒音指数と騒音の周波数との関係で結果を整理してある。実車走行試験の結果では、摩耗タイヤは新品タイヤに対して、160Hz付近と315Hz付近との音圧が増加した。一方、騒音シミュレーションでは、摩耗タイヤモデルは新品タイヤモデルに対して、160Hz付近と315Hz付近との音圧が増加した。この結果から、本実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法により作成した摩耗タイヤモデルは、実車走行試験でのパターンノイズ測定における試験タイヤの特徴をよく再現していることが確認できた。
以上、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法及び摩耗タイヤの性能予測方法等によれば、タイヤの代表的な使用条件を考慮して、初期タイヤモデルの接地域における単位面積当たりの摩擦エネルギーを求め、これに基づいて摩耗タイヤモデルを作成する。この摩耗タイヤモデルは、タイヤの使用条件が考慮されているので、単なる摩耗量や寿命のみならずタイヤの摩耗形態を反映させることができる。そして、この摩耗タイヤモデルを用いれば、摩耗したタイヤの性能を精度よく予測できる。
また、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法及び摩耗タイヤの性能予測方法等は、コンピュータシミュレーションにより実現できるので、実際に摩擦エネルギーを測定する必要はない。このため、タイヤの摩耗形態や摩耗したタイヤの性能を効率的に精度よく予測できる。さらに、トレッド表面の任意位置における摩擦エネルギーと、他の位置における摩擦エネルギーとの比率によりトレッド表面を摩耗方向に移動させるので、ゴム材料の摩耗情報が存在しない場合でも座標変更対象節点の摩耗量を決定できる。
また、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法及び摩耗タイヤの性能予測方法等は、トレッド表面に位置する節点の移動方向と移動量とを決定するにあたり、ブロックやリブのようなトレッドパターン陸部の端部に位置する節点に対して、非端部に位置する節点とは異なる処理を実行する。これにより、実タイヤの摩耗の再現精度を向上させた摩耗タイヤモデルを作成できる。
また、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法及び摩耗タイヤの性能予測方法等は、節点移動量が微小要素の寸法(摩耗方向における微小要素の寸法であり、微小要素の厚さ)を超える場合、例えば微小要素を削除したり、トレッドパターンを再分割してタイヤモデルを再構築したりする。これにより、摩耗が大きく進行した場合でも、摩耗タイヤモデルを作成することができる。
また、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法及び摩耗タイヤの性能予測方法等は、摩耗タイヤモデルを構成する材料のうち少なくともゴム材料の物性値は、前記初期タイヤモデルとは異ならせている。これにより、タイヤを構成する材料の経時変化も考慮できるので、摩耗形態の予測精度を向上させ、さらに実際の摩耗に即した摩耗タイヤモデルを作成できる。
なお、この実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法は、上記摩耗タイヤモデル作成装置50を使用しなくとも、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上のように、本発明に係る摩耗タイヤモデルの作成方法、摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム及び摩耗タイヤの性能予測方法、並びに摩耗タイヤモデルは、タイヤの摩耗評価に有用であり、特に、タイヤの摩耗形態や摩耗したタイヤの性能を精度よく予測に適している。
タイヤの回転軸を含む子午面で切ったタイヤ断面を示す一部断面図である。 この実施例に係るタイヤの振動特性評価装置の構成を示す説明図である。 本実施例に係る摩耗タイヤモデルの作成方法の手順を示すフローチャートである。 タイヤモデルの一例を示す斜視図である。 転動解析の状態を示す模式図である。 タイヤモデルの軸を表す斜視図である。 タイヤモデルと路面モデルとの関係を示す側面図である。 タイヤモデルと路面モデルとの関係を示す正面図である。 キャップトレッドが地面と接する接地面を微小要素に分割した例を示す説明図である。 キャップトレッドが地面と接する接地面を微小要素に分割した例を示す説明図である。 四角形要素によって9分割した接地面を示す平面図である。 四角形要素によって9分割した接地面を示す平面図である。 タイヤモデルの接地面を含む分割要素の一つを示す斜視図である。 タイヤモデルの接地面を含む分割要素の一つを示す斜視図である。 タイヤモデルの接地面を含む分割要素の一つを示す斜視図である。 分割要素表面の接地を判定する方法の一例を示す説明図である。 分割要素表面の接地を判定する方法の一例を示す説明図である。 分割要素表面の接地を判定する方法の他の例を示す説明図である。 分割要素表面の接地を判定する方法の他の例を示す説明図である。 分割要素表面の接地を判定する方法の他の例を示す説明図である。 単位面積当たりの摩擦エネルギーを計算する手順を示すフローチャートである。 接地する分割要素表面か否かを判定する手順を示すフローチャートである。 節点面積の算出手順を示すフローチャートである。 トレッド接地領域に含まれるブロックの表面における積算摩擦エネルギー分布を示す概念図である。 節点がブロック内部等にある場合において、節点座標を変更する方法を示す説明図である。 節点がブロック内部等にある場合において、節点座標を変更する方法を示す説明図である。 節点がブロック端部等にある場合において、節点座標を変更する方法を示す説明図である。 節点がブロック端部等にある場合において、節点座標を変更する方法を示す説明図である。 モデル化したブロックを示す斜視図である。 摩耗したブロックの断面図である。 タイヤモデルのブロックが摩耗した状態を示す断面図である。 ブロック端部の摩耗量に補正を加えて求めたタイヤモデルのブロックを示す断面図である。 複数回の節点座標変更によりブロックを摩耗させる手順を示す断面図である。 複数回の節点座標変更により最終的な摩耗タイヤモデルを作成する手順を示すフローチャートである。 節点座標を変更する前のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更する前のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更する前のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更する前のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更する前のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。 節点座標を変更した後のブロックを示す模式図である。 初期のタイヤモデルの微小要素が六面体要素である例を示す説明図である。 再分割の例を示す説明図である。 再分割の例を示す説明図である。 再分割の例を示す説明図である。 再分割の例を示す説明図である。 再分割の例を示す説明図である。 初期のタイヤモデルの微小要素が五面体要素である例を示す説明図である。 再分割の例を示す説明図である。 再分割の例を示す説明図である。 再分割の例を示す説明図である。 初期におけるタイヤモデルのブロックを示す斜視図である。 摩耗タイヤモデルのブロックを示す斜視図である。 実車走行試験によるパターンノイズの測定結果を示す説明図である。 騒音シミュレーションによる評価結果を示す説明図である。
符号の説明
10 タイヤ
10M タイヤモデル
10M1、10Mi 微小要素
11 キャップトレッド
11p トレッド表面
11B ブロック
11pf 摩耗トレッド表面
11s 溝壁
18 溝
18w 溝壁面
18b1、19b2 溝底
19b1 トレッド底面
40 路面
40M 路面モデル
50 摩耗タイヤモデル作成装置
50m 記憶部
50p 処理部
51 モデル作成部
52 転動解析部
53 摩擦エネルギー算出部
54 トレッド形状変更部

Claims (11)

  1. 摩耗タイヤモデルを作成するにあたり、
    新品の状態のタイヤを有限個の微小要素に分割することにより初期タイヤモデルを作成する手順と、
    作成しようとする前記摩耗タイヤモデルが経験したと想定される代表的な使用条件を設定する手順と、
    設定した前記代表的な使用条件で、前記初期タイヤモデルを転動解析する手順と、
    前記転動解析により、前記初期タイヤモデルのトレッド接地域における単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順と、
    前記初期タイヤモデルのトレッド表面における任意位置の摩耗量を設定するとともに、前記任意位置における前記摩擦エネルギーと前記トレッド表面の他の位置における前記摩擦エネルギーとの比率により、前記他の位置における摩耗量を決定する手順と、
    決定した摩耗量分、前記トレッド表面を移動させることにより摩耗タイヤモデルを作成する手順と、
    を含み、
    前記摩擦エネルギーは、前記微小要素の節点であって、かつ前記トレッド表面に位置する節点で算出するとともに、前記トレッド表面の移動は、前記トレッド表面に位置する節点の座標を変更することにより実現し、
    前記トレッド表面であって、トレッドパターン陸部の非端部に位置する前記節点については、前記節点を含む微小要素のすべてのトレッド表面における法線方向を平均した方向に移動させ、
    前記トレッド表面であって、トレッドパターン陸部の端部に位置する前記節点については、前記節点を含む微小要素の、溝壁面を除くすべてのトレッド表面における法線方向を平均した方向を、溝壁面に沿って投影した方向に移動させるとともに、トレッドパターン陸部の端部に位置する前記節点の前記摩擦エネルギーに基づいて決定した移動量以下になるように、トレッドパターン陸部の端部に位置する前記節点の移動量を補正することを特徴とする摩耗タイヤモデルの作成方法。
  2. 摩耗タイヤモデルを作成するにあたり、
    タイヤを有限個の微小要素に分割することにより初期タイヤモデルを作成する初期タイヤモデル作成手順と、
    前記初期タイヤモデルから摩耗タイヤモデルを作成する摩耗タイヤモデル作成手順と、を備え、前記摩耗タイヤモデル作成手順は、
    作成しようとする前記摩耗タイヤモデルが経験したと想定される代表的な使用条件を設定する手順と、
    設定した前記代表的な使用条件で、前記初期タイヤモデルを転動解析する手順と、
    前記転動解析により、前記初期タイヤモデルのトレッド接地域における単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順と、
    前記初期タイヤモデルのトレッド表面における任意位置の摩耗量を設定するとともに、前記任意位置における前記摩擦エネルギーと前記トレッド表面の他の位置における前記摩擦エネルギーとの比率により、前記他の位置における摩耗量を決定する手順と、
    決定した摩耗量分、前記トレッド表面を移動させて中間摩耗タイヤモデルを作成する手順と、
    を含み、前記摩耗タイヤモデル作成手順を複数回実行するとともに、2回目以降の前記摩耗タイヤモデル作成手順においては、最新の中間摩耗タイヤモデルを前記初期タイヤモデルの代わりに用い、
    前記摩擦エネルギーは、前記微小要素の節点であって、かつ前記トレッド表面に位置する節点で算出するとともに、前記トレッド表面の移動は、前記トレッド表面に位置する節点の座標を変更することにより実現し、
    前記トレッド表面であって、トレッドパターン陸部の非端部に位置する前記節点については、前記節点を含む微小要素のすべてのトレッド表面における法線方向を平均した方向に移動させ、
    前記トレッド表面であって、トレッドパターン陸部の端部に位置する前記節点については、前記節点を含む微小要素の、溝壁面を除くすべてのトレッド表面における法線方向を平均した方向を、溝壁面に沿って投影した方向に移動させるとともに、トレッドパターン陸部の端部に位置する前記節点の前記摩擦エネルギーに基づいて決定した移動量以下になるように、トレッドパターン陸部の端部に位置する前記節点の移動量を補正することを特徴とする摩耗タイヤモデルの作成方法。
  3. 前記代表的な使用条件が複数存在する場合、前記摩擦エネルギーは、それぞれの使用条件で求めた単位面積当たりの摩擦エネルギーに使用条件の重み付け係数を乗じて積算した、積算摩擦エネルギーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の摩耗タイヤモデルの作成方法。
  4. 前記トレッド表面の移動量は、前記トレッド表面の中で最も大きい移動量が、前記初期タイヤモデルの最大溝深さの20%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の摩耗タイヤモデルの作成方法。
  5. さらにトレッドパターン陸部の端部に位置する前記節点の移動量を、溝壁面を除くすべてのトレッド表面における法線方向を平均した方向と、当該方向を溝壁面に沿って投影した方向とのなす角を用いて補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の摩耗タイヤモデルの作成方法。
  6. 前記トレッド表面を移動させるにあたり、前記トレッド表面に位置する節点の移動量が、当該節点を含む微小要素の寸法よりも大きい場合には、当該微小要素を削除することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の摩耗タイヤモデルの作成方法。
  7. 前記トレッド表面を移動させるにあたり、前記トレッド表面を含むトレッド部の微小要素を再分割することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の摩耗タイヤモデルの作成方法。
  8. 前記トレッド表面を移動させるにあたり、前記トレッド表面に位置する節点に、前記摩耗量に相当する強制変位を与えるとともに、溝底に位置する節点及びとトレッド底部に位置する節点は拘束し、さらにポアソン比を0とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の摩耗タイヤモデルの作成方法。
  9. 作成した摩耗タイヤモデルは、前記摩耗タイヤモデルを構成する材料のうち少なくともゴム材料の物性値が前記初期タイヤモデルとは異なることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の摩耗タイヤモデルの作成方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の摩耗タイヤモデルの作成方法をコンピュータ上で実現させることを特徴とする摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の摩耗タイヤモデルの作成方法により作成した摩耗タイヤモデルを用いて、摩耗したタイヤの性能を予測することを特徴とする摩耗タイヤの性能予測方法。
JP2004080023A 2004-03-19 2004-03-19 摩耗タイヤモデルの作成方法、摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム及び摩耗タイヤの性能予測方法 Expired - Fee Related JP4569141B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004080023A JP4569141B2 (ja) 2004-03-19 2004-03-19 摩耗タイヤモデルの作成方法、摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム及び摩耗タイヤの性能予測方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004080023A JP4569141B2 (ja) 2004-03-19 2004-03-19 摩耗タイヤモデルの作成方法、摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム及び摩耗タイヤの性能予測方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005263070A JP2005263070A (ja) 2005-09-29
JP4569141B2 true JP4569141B2 (ja) 2010-10-27

Family

ID=35088070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004080023A Expired - Fee Related JP4569141B2 (ja) 2004-03-19 2004-03-19 摩耗タイヤモデルの作成方法、摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム及び摩耗タイヤの性能予測方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4569141B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4782392B2 (ja) * 2004-07-08 2011-09-28 株式会社ブリヂストン タイヤ摩耗のシミュレーション方法、装置、プログラム及び媒体
JP5217107B2 (ja) * 2006-04-10 2013-06-19 横浜ゴム株式会社 タイヤの性能予測用コンピュータプログラム
JP4943893B2 (ja) * 2007-02-23 2012-05-30 株式会社ブリヂストン タイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、及びタイヤモデル作成プログラム
KR100916754B1 (ko) * 2007-11-01 2009-09-14 한국타이어 주식회사 차량용 타이어 제조방법
JP5211825B2 (ja) * 2008-04-21 2013-06-12 横浜ゴム株式会社 タイヤの評価方法及びタイヤの評価用コンピュータプログラム
JP5493434B2 (ja) * 2009-04-07 2014-05-14 横浜ゴム株式会社 環状構造体の振動解析方法及び環状構造体の振動解析用コンピュータプログラム
JP2012002756A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Bridgestone Corp 放射音予測装置、放射音予測方法、及びプログラム
JP5636776B2 (ja) * 2010-07-14 2014-12-10 横浜ゴム株式会社 タイヤ形状予測法、タイヤ形状予測装置、およびプログラム
JP6293478B2 (ja) * 2013-12-27 2018-03-14 東洋ゴム工業株式会社 タイヤの摩耗シミュレーション装置、その方法及びプログラム
JP6733137B2 (ja) * 2015-07-29 2020-07-29 住友ゴム工業株式会社 タイヤのシミュレーション方法
JP7003591B2 (ja) * 2017-11-15 2022-01-20 住友ゴム工業株式会社 タイヤのシミュレーション方法及びシミュレーション装置
JP7077759B2 (ja) * 2018-01-05 2022-05-31 住友ゴム工業株式会社 タイヤのシミュレーション方法
CN116249885A (zh) * 2020-09-30 2023-06-09 大金工业株式会社 预测装置及预测方法
CN113032965B (zh) * 2021-02-26 2022-05-27 中策橡胶集团股份有限公司 一种轮胎等节距复杂花纹四面体网格划分方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000052716A (ja) * 1998-08-12 2000-02-22 Bridgestone Corp 空気入りタイヤの設計方法、空気入りタイヤの加硫金型設計方法、空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体
JP2001124667A (ja) * 1999-10-25 2001-05-11 Bridgestone Corp 空気入りタイヤの設計方法、タイヤ用加硫金型設計方法、タイヤ用加硫金型製造方法、空気入りタイヤの製造方法、最適化解析装置及びタイヤの最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体
JP2004017903A (ja) * 2002-06-19 2004-01-22 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤの性能予測方法及びタイヤの設計方法
JP2004142571A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法及び予測装置、並びにコンピュータプログラム
JP2005047295A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Bridgestone Corp タイヤ経時変化予測方法、装置、プログラム及び媒体

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0676025A (ja) * 1992-08-24 1994-03-18 Daikin Ind Ltd 要素形状変更方法およびその装置
JP3431818B2 (ja) * 1998-01-19 2003-07-28 住友ゴム工業株式会社 タイヤ性能のシミュレーション方法
JP3277156B2 (ja) * 1998-05-08 2002-04-22 株式会社ブリヂストン タイヤ摩耗寿命予測方法
JP3277155B2 (ja) * 1998-05-08 2002-04-22 株式会社ブリヂストン タイヤ摩耗寿命予測方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000052716A (ja) * 1998-08-12 2000-02-22 Bridgestone Corp 空気入りタイヤの設計方法、空気入りタイヤの加硫金型設計方法、空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体
JP2001124667A (ja) * 1999-10-25 2001-05-11 Bridgestone Corp 空気入りタイヤの設計方法、タイヤ用加硫金型設計方法、タイヤ用加硫金型製造方法、空気入りタイヤの製造方法、最適化解析装置及びタイヤの最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体
JP2004017903A (ja) * 2002-06-19 2004-01-22 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤの性能予測方法及びタイヤの設計方法
JP2004142571A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法及び予測装置、並びにコンピュータプログラム
JP2005047295A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Bridgestone Corp タイヤ経時変化予測方法、装置、プログラム及び媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005263070A (ja) 2005-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4569141B2 (ja) 摩耗タイヤモデルの作成方法、摩耗タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム及び摩耗タイヤの性能予測方法
JP6286867B2 (ja) タイヤの摩耗予測方法、及び摩耗予測用コンピュータプログラム
JP4291561B2 (ja) タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法及び予測装置、並びにコンピュータプログラム
JP6293478B2 (ja) タイヤの摩耗シミュレーション装置、その方法及びプログラム
JP2009020123A (ja) タイヤの振動特性評価方法及びタイヤの振動特性評価用コンピュータプログラム、並びにタイヤの製造方法
JP4050133B2 (ja) 構造体モデルの作成方法、タイヤ性能予測方法、タイヤ製造方法、タイヤおよびプログラム
JP2009214696A (ja) タイヤモデルの作成方法及びタイヤモデルの作成用コンピュータプログラム
JP4460337B2 (ja) タイヤのシミュレーション方法
JP3431818B2 (ja) タイヤ性能のシミュレーション方法
JP4592431B2 (ja) タイヤ性能予測装置
JPH11153520A (ja) タイヤ性能のシミュレーション方法及びその装置
JP3431817B2 (ja) タイヤ性能のシミュレーション方法
JP4067934B2 (ja) タイヤモデルを用いたタイヤ性能予測方法、タイヤ性能予測プログラムおよび入出力装置
JP4233473B2 (ja) タイヤの振動特性評価方法及びタイヤの振動特性評価用コンピュータプログラム、並びにタイヤの製造方法
JP3314082B2 (ja) タイヤ有限要素モデルの作成方法
JP7091823B2 (ja) タイヤのトレッド部の摩耗予測方法
JP5526599B2 (ja) トレッドモデル作成方法及びそのコンピュータプログラム、並びにタイヤモデル作成方法及びそのコンピュータプログラム
JP7487567B2 (ja) タイヤのシミュレーション方法及びタイヤのシミュレーション装置
JP2019091302A (ja) タイヤのシミュレーション方法及びシミュレーション装置
JP4656952B2 (ja) 変動量算出装置
JP6006576B2 (ja) タイヤのシミュレーション方法
JP2010069955A (ja) タイヤ/内部構造体組立体のシミュレーション方法及びコンピュータプログラム
JP3363443B2 (ja) タイヤ性能のシミュレーション方法
JP3363442B2 (ja) タイヤ性能のシミュレーション方法
JP2005219604A (ja) 構造体のシミュレーションモデルの作成方法およびシミュレーション方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091022

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100125

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100427

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100713

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100726

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4569141

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees