JP5208196B2 - 酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナ - Google Patents

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Description

本発明は、酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナに関するものである。
近年、地球温暖化防止のために、二酸化炭素等の温室効果ガス排出量を削減することが望まれており、酸素燃焼ボイラから排出される排ガス中の二酸化炭素を回収して海洋や地中に廃棄処理する技術の開発が進められている。
このような酸素燃焼ボイラは、酸素燃焼ボイラ本体の入側のウインドボックスに接続された大気供給流路に対して酸素を導入する酸素導入流路と、酸素燃焼ボイラ本体の出側に接続された排ガス流路から分岐して大気供給流路に接続される排ガス循環流路とを備えており、起動時には、大気を大気供給流路から酸素燃焼ボイラ本体へ導入して燃料を燃焼し、起動完了後には、夫々の流路に配置されたダンパ等を切り替え、酸素燃焼ボイラ本体から排出される排ガスを排ガス循環流路等を介して酸素燃焼ボイラ本体へ循環させると共に、酸素導入流路から酸素を酸素燃焼ボイラ本体へ導入し、排ガスの循環による酸素濃度の低下を抑えつつ燃料の酸素燃焼を行い、排ガス中の二酸化炭素濃度を高めて排ガスの一部から二酸化炭素を回収するようにしている。
また、酸素燃焼ボイラには、オイルバーナ及び微粉炭供給流路を構成する微粉炭バーナと、微粉炭供給流路に酸素を供給する酸素噴射ノズルとを備え、微粉炭等をウインドボックスからの空気と混合して燃焼するようにしている（例えば、特許文献１参照）。
なお、このような酸素燃焼ボイラに関連する技術を示すものとしては、例えば、特許文献２〜５がある。
特開平０７−３１８０１６号公報 特開平０５−２３１６０９号公報 特開２００１−２３５１０３号公報 特開平０５−１６８８５３号公報 特開２００７−１４７１６２号公報
しかしながら、酸素燃焼ボイラに微粉炭バーナ及び酸素噴射ノズル等を単純に配置した際には、酸素を適切に供給することができず、微粉炭バーナからの燃焼が不均一になるという問題があり、また、酸素噴射ノズルや微粉炭バーナの先端が異常な高温になるという問題があった。特に、先行技術文献の如く酸素噴射ノズルを微粉炭供給流路内に配置した際には、酸素と微粉炭が十分に混合せず、燃焼の均一化を図ることができないという問題があった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、微粉炭バーナからの燃焼を均一化すると共に、酸素噴射手段の高温化を抑制する酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナを提供しようとするものである。
本発明は、ウインドボックスを貫通してスロート部に臨むようにバーナ内筒とバーナ外筒を配置し、バーナ内筒とバーナ外筒の間に微粉炭供給流路を形成し、前記バーナ外筒の前方に直接酸素を供給する複数の酸素噴射手段を、バーナ外筒の外周側に備え、
前記酸素噴射手段は、噴出側の先端がバーナ外筒の先端よりも後方に配置されると共に、噴射した酸素がバーナ外筒の先端に当たらないように構成されたことを特徴とする酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナ、にかかるものである。
酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナにおいて、複数の酸素噴射手段は、バーナ軸心の周方向に等間隔で配置されることが好ましい。
酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナにおいて、酸素噴射手段は、酸素を噴射する酸素噴射ノズルと、該ウインドボックスの空気と別系統で酸素噴射ノズルに酸素を供給する酸素供給流路とを備えることが好ましい。
本発明の酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナによれば、微粉炭供給流路を形成するバーナ外筒の外周側から直接酸素を微粉炭及び／または火炎に供給するので、微粉炭バーナからの燃焼を均一化することができると共に、酸素噴射手段の高温化を抑制することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明を実施する形態例の構成を示す概念図である。 図１のＩＩ−ＩＩ方向の矢視図である。 本発明を実施する形態例において酸素噴射手段から酸素を噴射する状態を示す概念図である。
符号の説明
２ ウインドボックス
３ スロート部
４ バーナ外筒
５ バーナ内筒
６ 先端部
７ オイルバーナ
９ 微粉炭供給流路
１１ 酸素噴射手段
１２ 酸素噴射ノズル
１２ａ 先端
１３ 酸素供給流路
以下、本発明を実施する形態例を添付図面を参照して説明する。
図１〜図３は本発明の酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナを実施する形態例である。
実施の形態例の酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナは、酸素燃焼ボイラ１に取り付けられたウインドボックス２を貫通し且つ酸素燃焼ボイラ１の炉壁（図示せず）に形成されたスロート部３に臨むようにバーナ外筒４とバーナ内筒５とを同芯状に配設し、バーナ外筒４及びバーナ内筒５の先端部６をスロート部３に向けて開口している。
バーナ内筒５の軸心部にはオイルバーナ７が備えられ、オイルバーナ７には、バーナ内筒５の外部からオイル等の燃料が供給されると共に、バーナ内筒５には、ウインドボックス２の空気が導入ライン８を介して導入されるようになっている。
バーナ内筒５とバーナ外筒４の間は、微粉炭を流通させる微粉炭供給流路９となっており、バーナ外筒４には、ウインドボックス２の外方側に位置するよう微粉炭導入部１０が設けられ、微粉炭導入部１０には、ミル（図示せず）等から微粉炭が供給される供給ライン（図示せず）が接続されると共に、微粉炭供給流路９へ微粉炭を供給する構造を備えている。
バーナ外筒４の外方には、ウインドボックス２を貫通してスロート部３に臨むよう、オイルバーナ７を軸心として周方向に等間隔で配置される複数の酸素噴射手段１１が備えられている（図２では４本）。
酸素噴射手段１１は、酸素を噴射する複数の酸素噴射ノズル１２と、ウインドボックス２の空気と別系統で配置されて複数の酸素噴射ノズル１２に酸素を供給し得る酸素供給流路１３の配管と、酸素供給流路１３に配置されて酸素の供給量を制御し得る流量調整弁１４と、酸素供給流路１３の配管に酸素を供給する酸素製造装置（図示せず）とを備えている。
また、酸素噴射手段１１の酸素噴射ノズル１２は、噴出側の先端１２ａがバーナ外筒４の先端（図３のＬ１の線）よりも前に出ない位置（酸素燃焼ボイラ１の炉壁側）に配置されると共に、噴射した酸素がバーナ外筒４の先端に衝突しないよう噴射方向が調整されている。ここで、酸素噴射手段１１は、噴射した酸素がバーナ外筒４の先端に当たらない構成ならば、図１の如く酸素供給流路１３の配管や酸素噴射ノズル１２をオイルバーナ７の軸線上に向かうように傾斜しても良いし、図３の如く酸素供給流路１３の配管をバーナ外筒４と略平行に配置しても良い。なお、図３中、Ｄ１は酸素の噴射方向を示し、Ｄ２は微粉炭及び火炎の噴射方向を示している。
一方、ウインドボックス２とスロート部３との間には、ウインドボックス２から酸素燃焼ボイラ１の火炉へ供給される燃焼用の二次空気に対して旋回力を与えるエアレジスタ１５が、酸素噴射手段１１の外方でスロート部３の周りを囲むように配置されている。
次に、本発明を実施する形態例の作用を説明する。
酸素燃焼ボイラ１の微粉炭バーナにより微粉炭を燃焼する際には、微粉炭を微粉炭供給流路９より供給してバーナ外筒４の先端部６から噴出することによりスロート部３へ火炎を生じると共に、酸素噴射手段１１によりバーナ外筒４の前方のスロート部３へ直接酸素を供給し、酸素との混合を介して火炎を安定させて灰中未燃分を減少させる。
この時、酸素噴射ノズル１２は、バーナ外筒４の先端部６から噴射される微粉炭に対して、酸素がバーナ外筒４の先端に当たることがないようバーナ外筒４の外周方向から均等に酸素を噴射し、酸素と微粉炭及び／または火炎と十分に混合させると共に、微粉炭及び／または火炎の方向や大きさの噴射状態を整える。
このように、実施の形態例によれば、微粉炭供給流路９を形成するバーナ外筒４の外周側から直接酸素を微粉炭及び／または火炎に供給して噴射状態を整えるので、微粉炭バーナからの燃焼を均一化することができると共に、酸素噴射手段１１の酸素噴射ノズル１２やバーナ外筒４の高温化を抑制することができる。
実施の形態例において、酸素噴射手段１１は、噴出側の先端がバーナ外筒４の先端よりも前に出ない位置に配置されると共に、噴射した酸素がバーナ外筒４の先端に当たらないように構成されると、酸素がバーナ外筒４の先端部６に衝突することなく供給されるので、酸素と先端部６の衝突による乱流を防止し、微粉炭バーナからの燃焼を均一化することができる。また、酸素噴射ノズル１２の先端がバーナ外筒４の先端よりも前に出ない位置に配置されると、火炎が酸素噴射ノズル１２の先端に当たることがなく、酸素噴射ノズル１２の高温化を抑制することができる。更に、噴射した酸素がバーナ外筒４の先端に当たらないように構成されると、バーナ外筒４の高温化を抑制することができる。
実施の形態例において、複数の酸素噴射手段１１は、バーナ軸心の周方向に等間隔で配置されると、噴射する酸素の供給量や噴射圧を周方向で均等にし得るので、微粉炭バーナからの燃焼を均一化することができる。
実施の形態例において、酸素噴射手段１１は、酸素を噴射する酸素噴射ノズル１２と、ウインドボックス２の空気と別系統で酸素噴射ノズル１２に酸素を供給する酸素供給流路１３とを備えると、微粉炭バーナからの燃焼を好適に均一化することができると共に、酸素噴射ノズル１２やバーナ外筒４の高温化を抑制することができる。また、酸素噴射手段１１に流量調整弁１４を備える場合や、酸素噴射ノズル１２を調整可能に配置した場合には、酸素の供給を微調整可能にし得るので、微粉炭バーナからの燃焼を好適に均一化することができると共に、酸素噴射ノズル１２やバーナ外筒４の高温化を容易に抑制することができる。
尚、本発明の酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、酸素噴射手段の本数は２本以上ならば特に制限されるものではないこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

Claims (3)

  1. ウインドボックスを貫通してスロート部に臨むようにバーナ内筒とバーナ外筒を配置し、バーナ内筒とバーナ外筒の間に微粉炭供給流路を形成し、前記バーナ外筒の前方に直接酸素を供給する複数の酸素噴射手段を、バーナ外筒の外周側に備え、
    前記酸素噴射手段は、噴出側の先端がバーナ外筒の先端よりも後方に配置されると共に、噴射した酸素がバーナ外筒の先端に当たらないように構成されたことを特徴とする酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナ。
  2. 複数の酸素噴射手段は、バーナ軸心の周方向に等間隔で配置されたことからなる請求項１に記載の酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナ。
  3. 酸素噴射手段は、酸素を噴射する酸素噴射ノズルと、該ウインドボックスの空気と別系統で酸素噴射ノズルに酸素を供給する酸素供給流路とを備えたことからなる請求項１に記載の酸素燃焼ボイラの微粉炭バーナ。
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