JP5206917B2 - ゴルフボール用材料、ゴルフボール、及びゴルフボール用材料の製造方法 - Google Patents
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Description
[I]下記(A)〜(C)成分、
(A)酸含量が0.5質量%以上5.0質量%未満である特定群から選ばれるオレフィン含有熱可塑性ポリマー、
(B)衝撃強度値35〜130J/m、曲げ弾性率2.50〜3.10GPaの範囲内を有するポリアセタールホモポリマー及び/又はポリアセタールコポリマーである樹脂組成物、及び
(C)上記(A)(B)両成分の樹脂組成物中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和可能な酸素含有無機金属化合物から選択され、その酸素含有無機金属化合物が、平均粒径0.005〜50μmの金属酸化物、金属炭酸塩、または金属水酸化物であり、その金属イオン種としては、周期率表第IA,IB,IIA,IIB,IIIA,IIIB,IVA,IVB,VA,VB,VIA,VIB,VIIB及びVIIIBから選択されるもの
を必須成分として配合してなることを特徴とするゴルフボール用材料。
[II]上記のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として用いることを特徴とするゴルフボール、特に、上記のゴルフボール用材料を、コアと該コアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材として用いることを特徴とするゴルフボール。
[III]下記(A)〜(C)成分、
(A)酸含量が0.5質量%以上5.0質量%未満である特定群から選ばれるオレフィン含有熱可塑性ポリマー、
(B)衝撃強度値35〜130J/m、曲げ弾性率2.50〜3.10GPaの範囲内を有するポリアセタールホモポリマー及び/又はポリアセタールコポリマーである樹脂組成物、及び
(C)上記(A)(B)両成分の樹脂組成物中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和可能な酸素含有無機金属化合物から選択され、その酸素含有無機金属化合物が、平均粒径0.005〜50μmの金属酸化物、金属炭酸塩、または金属水酸化物であり、その金属イオン種としては、周期率表第IA,IB,IIA,IIB,IIIA,IIIB,IVA,IVB,VA,VB,VIA,VIB,VIIB及びVIIIBから選択されるもの
を必須成分として配合してなるゴルフボール用材料を製造するに際し、上記(A)成分と上記(B)成分とを、両成分の融点の両方を超える温度で溶融混合し、樹脂組成物を調製した後、上記(C)成分を配合して上記樹脂組成物中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和可能にしたことを特徴とするゴルフボール用材料の製造方法。
本発明のゴルフボール用材料は、以下に詳述する(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を必須成分として配合したものである。
(i)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン系ポリマー(メタロセン触媒系ポリマーを含む)、
(ii)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸ポリマー、
(iii)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(iv)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(v)オレフィン−不飽和無水カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vi)オレフィン−不飽和ジカルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vii)オレフィン−不飽和ジカルボン酸ハーフエステル−不飽和カルボン酸エステルポリマー、及び
(viii)オレフィン−不飽和カルボン酸ポリマー
(ix)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
の1種又は2種以上を選択して用いることができる。これらの共重合体は、各単体等の材料を公知の方法により共重合及びグラフトさせることにより得ることができる。
(i)スクリュー有効長L/D(スクリューの長さとスクリューの直径との比率)が20以上、好ましくはL/Dが25以上、更に好ましくはL/Dが30以上であること
(ii)スクリューセグメント配置に関して、ニーディングディスクゾーンのL/Dが全体L/Dの10〜90%、好ましくは20〜80%、更に好ましくは30〜70%であること
なお、ニーディングディスクゾーンの構成ディスクは、RKD (Right−handed Kneading Disc),LKD (Left−handed Kneading Disc),リバース(Reverse Disc),各種ニュートラル(Neutral Disc)から構成される。
(iii)スクリューの直径が15mmΦ以上であること
(iv)ベントポート及びこれに連結した真空ラインを有すること
(v)液体滴下又は液体圧注入付帯設備を有すること
a)カバー表面が均一性に優れている。
b)耐擦過傷性に優れている。
c)耐久性(打撃回数)に優れている。
d)高硬度である。
e)耐熱性に優れている。
f)部分的な分子間相互侵入網目構造を有する。
表1に記載した配合割合で、ゴルフボール材料を調製した。POMとポリマーAを所定の割合でドライブレンド後、設定温度を180℃とした二軸押出機のホッパーへフィードし、スクリュー回転数70回転/分、押出量10Kg/hr、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練し、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、メルトブレンド物を得た。
実施例1で、ZnO−1の代わりに、下記の〔ZnO−2MBの調整〕の欄に示したZnO−2MB(マスターバッチを「MB」と略す。)を使用する以外は、表1に記載した配合割合で、実施例1と同じ操作を繰り返し、均一なPOM/ポリマーA/ZnO−2MB配合組成物を得た。得られた均一な配合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−2の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。
5リットル加圧ニーダー(設定温度100℃)を使用し、BR01とポリマーAとを、表1に記載した配合割合で2.5Kg仕込み、ローター回転数35回/分、混練温度が110℃〜120℃の範囲になるようにコントロールしながら、0.49MPaの加圧下、20分間混練した。その混練物を二軸一軸押出機40mmΦ(温度設定140℃)でストランド化し、冷却水槽、エアーナイフ及びペレタイザーを通して、ペレット化した。得られたBR01とポリマーAとの混練物を、設定温度170℃の二軸押出機ホッパーへフィードし、スクリュー回転数70回/分、押出量10Kg/hr、二軸押出機の途中から水酸化ナトリウム(NaOH)の配合量が表1に記載した割合になるように液体注入ポンプによる30質量%水酸化ナトリウム水溶液を7.44ml/min圧入しながら、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練し、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、均一なBR01/ポリマーA/NaOH配合組成物を得た。得られた均一な配合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、NaOHの未反応物がないこと、及びBRの塊状分散物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。
参考例Aで、BR01及びポリマーAに対してポリマーCを加え、30質量%水酸化ナトリウム水溶液の注入量を6.3ml/minに調整し、表1に記載した配合割合に変更する以外は、参考例Aで行った操作を繰り返し、均一なBR01/ポリマーA/ポリマーC/NaOH配合組成物を得た。得られた均一な配合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、NaOHの未反応物がないこと、及びBRの塊状分散物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。
参考例Bで、ポリマーA、ポリマーC及びNaOHを、表1に記載した配合割合(但し、30質量%水酸化ナトリウム水溶液の注入量6.3〜6.7ml/min)に変更する以外は、参考例Bで行った操作を繰り返し、均一なBR01/ポリマーA/ポリマーC/NaOH配合組成物を得た。得られた均一な配合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、NaOHの未反応物がないこと、及びBRの塊状分散物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。
参考例Cで、BR01、ポリマーA、ポリマーCにポリマーBを加え、表1に記載した配合割合に変更する以外は、参考例Cで行った操作を繰り返し、均一なBR01/ポリマーA/ポリマーB/ポリマーC/NaOH配合組成物を得た。得られた均一な配合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、NaOHの未反応物がないこと、及びBRの塊状分散物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。
5リットル加圧ニーダー(設定温度80℃)を使用し、BR01とPOとを、表1に記載した配合割合で2.5Kg仕込み、ローター回転数35回/分、混練温度が130℃以下になるようコントロールしながら、0.49MPaの加圧下、20分間混練し、PO/BR01混練物を得た。参考例Cで、BR01の代わりに、その得られたPO/BR01混練物を使用する以外は、表1に記載した配合割合で、参考例Cと同じ操作を繰り返し、均一なPO/BR01/ポリマーA/ポリマーC/NaOH配合組成物を得た。得られた均一な配合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、NaOHの未反応物がないこと、及びBRの塊状分散物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。
5リットル加圧ニーダー(ナニワ製造機械社製、設定温度90℃)を使用し、MB(マスターバッチ)用ベースポリマーにA−C580/Nucrel 599の質量配合比30/70を用いるとともに、酸化亜鉛ZnO−2(平均粒径0.6μm)を使用し、A−C580/Nucrel 599とZnO−2の配合比が50/50質量比で2.0Kg仕込み、ローター回転数35回/分、混練温度が120〜130℃の範囲になるようにコントロールしながら、0.49MPaの加圧下、20分間混練した。その混練物を二軸一軸押出機40mmΦ(ナニワ製造機械社製、設定温度170℃)でストランド化し、冷却水槽、エアーナイフ及びペレタイザーを通して、ペレット化した。得られたZnO−2含有量50質量%のMBのMFRは2.1g/10min(190℃、2160g荷重)であった。得られたMBをZnO−2MBと略す。
ZnO−2
酸化亜鉛1種、堺化学工業製、平均粒径0.8μm、粒度分布0.07〜3.00μm。
A−C580
トーメンプラスチック社製、ポリエチレンワックス、アクリル酸含有量9.6質量%、140℃における粘度650cps。
Nucrel 599
DuPont社製、エチレン−メタアクリル酸ポリマー、メタクリル酸含有量10質量%、MFR450g/10分。
実施例1の比較として、POMとポリマーAとのメルトブレンド物にZnO−1を配合する代わりに、予めポリマーAとZnO−1とをメルトブレンドした後に、POMを配合したものを調製した。即ち、表1に記載した配合割合で、設定温度を190℃とした二軸押出機のホッパーへポリマーAとZnO−1とを別々にフィードし、スクリュー回転数70回転/分、押出量10Kg/hr、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練し、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、均一なポリマーA/ZnO−1メルトブレンド物を得た。
参考例Aの比較として、BR01とポリマーAとのメルトブレンド物にNaOHを配合する代わりに、予めポリマーAとNaOHとをメルトブレンドした後にBR01を配合したものを調整した。即ち、ポリマーAを、設定温度170℃の二軸押出機ホッパーへフィードし、スクリュー回転数70回/分、押出量10Kg/hr、二軸押出機の途中から水酸化ナトリウム(NaOH)の配合量が表1に記載した割合になるように液体注入ポンプによる30質量%水酸化ナトリウム水溶液を8.3ml/min圧入しながら、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練し、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、均一なポリマーA/NaOH配合組成物を得た。
次に、5リットル加圧ニーダー(設定温度160℃)を使用し、ポリマーA/NaOHとBR01とを、表1に記載した配合割合で2.5Kg仕込み、ローター回転数35回/分、混練温度が170℃以下になるようにコントロールしながら、0.49MPaの加圧下、20分間混練した。その混練物を二軸一軸押出機40mmΦ(温度設定170℃)でストランド化し、冷却水槽、エアーナイフ及びペレタイザーを通して、ペレット化し、ポリマーA/NaOH/BR01配合組成物を得た。
得られた配合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、BR01の塊状分散物があることを確認し、系全体が不均一であった。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。
参考例Cの比較として、BR01、ポリマーA及びポリマーCのメルトブレンド物にNaOHを配合する代わりに、ポリマーA、ポリマーC及びNaOHをメルトブレンドした後に、BR01を配合したものを調製した。即ち、比較例2において、ポリマーAの代わりに、ポリマーAとポリマーCとを用い、液体注入ポンプによる30質量%水酸化ナトリウム水溶液が7.5ml/minである以外は、表1に記載した配合割合で、比較例2の操作を繰り返し、ポリマーA/ポリマーC/NaOH/BR01配合組成物を得た。
得られた配合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、BR01の塊状物がなく、均一に分散していることを確認した。ポリマーCがBR01及びポリマーAに対する相溶化剤として作用していた。
参考例Eの比較として、PO/BR01、ポリマーA及びポリマーCのメルトブレンド物にNaOHを配合する代わりに、ポリマーA、ポリマーC及びNaOHをメルトブレンドした後に、PO/BR01を配合したものを調製した。即ち、参考例Eに記載した5リットル加圧ニーダー(設定温度80℃)を使用し、BR01とPOとを、表1に記載した配合割合で2.5Kg仕込み、ローター回転数35回/分、混練温度が130℃以下になるようコントロールしながら、0.49MPaの加圧下、20分間混練し、PO/BR01混練物を得た。
参考例として、実施例1の配合組成中で、POMを除き、残りのポリマーAとZnO−1とを用いて、実施例1に記載した二軸押出機(設定温度190℃)のホッパーへ、表1に記載した所定の割合で、別々にフィードし、スクリュー回転数70回転/分、押出量10Kg/hr、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練し、上記同様、ペレット化し、均一なポリマーA/ZnO−1配合組成物を得た。得られた均一で透明な配合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−1の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られた材料の諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。
参考例として、参考例Aの配合組成中で、BR01を除いた残りのポリマーAとNaOHとを用い、参考例Aに記載した設定温度170℃の二軸押出機ホッパーへポリマーAをフィードし、スクリュー回転数70回/分、押出量10Kg/hr、二軸押出機の途中から水酸化ナトリウム(NaOH)の配合量が表1に記載した割合になるように、液体注入ポンプによる30質量%水酸化ナトリウム水溶液を8.3ml/min圧入しながら、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練し、上記同様、ペレット化し、均一なポリマーA/NaOH配合組成物を得た。得られた均一で透明な配合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、NaOHの未反応物がないことを確認した。得られた材料の諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。
PO
ジクミルパーオキサイド、NOR Corp.社製、1分間半減期温度175℃。
NaOH
20質量%水酸化ナトリウム水溶液使用、関東化学社製、特級グレード。
BR01
ポリブタジエンBR01、JSR社製、シス−1,4−結合含有量96%、ニッケル系重合触媒。
ZnO−1
酸化亜鉛NANOFINE−50、堺化学工業製、平均粒径20nm、粒度分布1〜100nm。粒径0.05μm以下の成分割合約60%。
ZnO−2MB
50質量%酸化亜鉛1種(ZnO−2)、ベース樹脂A−C580/Nucrel 599の質量配合比30/70。
POM
アミラスS761、東レ社製、ポリアセタール、MFR9.6g/10min、融点166℃、Rockwell硬度(Rスケール)115。
AN4214C、三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸含有量4質量%、MFR7g/10min。
ポリマーB(Polymer Bと同じ)
Polybond 3200、Uniroyal Chemical社製、 無水マレイン酸−g−ポリプロピレン、無水マレイン酸含有量1.0質量%、MFR110g/10min。
ポリマーC(Polymer Cと同じ)
Vamac G、DuPont社製、エチレン−アクリル酸メチルーマレイン酸モノエチルエステル三元共重合体、マレイン酸モノエチルエステル含有量1.0質量%、MFR7.0g/10min。
MFR(g/10min)
JIS−K7210に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下での測定値。
ショアD硬度
ASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度。
破断伸び(%),引張り強度(MPa)
JIS−K7161に準じて測定した。
次に、実施例1及び参考例Eで得られた材料をスリーピースゴルフボールのカバー材に使用し、コアにBR架橋体及び中間層にターポリマー(三元共重合体)アイオノマーを用いた2層構造体(外径39.7mmΦ、質量38.7g、圧縮歪4.20mm)へ、射出成形機(設定温度ホッパー:150℃、C1〜ヘッド:220〜200℃)で、射出圧力4.9〜8.2MPa、保持圧力4.4〜7.1MPa、射出・保持時間8秒、冷却時間30秒の条件下、射出成形を行い、スリーピースゴルフボール(直径42.7mmΦ、質量45.3g)を作製した。これらのゴルフボール評価を行い、その結果を表2に記載した。
上記の実施例8及び実施例9に相当する比較として、比較例1及び比較例4の材料をスリーピースゴルフボールのカバー材に使用し、実施例8及び実施例9と同じ射出成形条件下、スリーピースゴルフボールを作製した。これらのゴルフボール評価を行い、その結果を表2に併記した。
ボールを硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときのボールのたわみ量(mm)。
初速
初速は、R&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定した。ボールは23±1℃の温度で3時間以上温調し、室温23±2℃の部屋でテストされた。250ポンド(113.4kg)のヘッド(ストライキングマスク)を使って打撃速度143.8ft/s(43.83m/s)にてボールを打撃した。1ダースのボールを各々4回打撃して6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を計測し、初速を計算した。約15分間でこのサイクルを行った。
反発係数 (C.O.R)
空気砲弾によりボールをスチール板に向けて43m/sで発射させたとき、その跳ね返り速度を計測する。反発係数(C.O.R)は、ボール初速と跳ね返り速度との比率である。
耐久性
米国AUTOMATED DESIGN CORPORATION製のADC BALL COR DURABILITY TESTERによりゴルフボールの耐久性(Durability)を評価した。この試験機は、ゴルフボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させる機能を有する。ボールが割れるまでに要した発射回数の平均値を耐久性とした。この場合、平均値とは、同種のボールを7個用意し、それぞれのボールを発射させて7個のボールがそれぞれ割れるまでに要した発射回数を平均化した値である。試験機のタイプは横型CORであり、金属板への入射速度は43m/sであった。
耐擦過傷性
ボールを23℃に保温し、ピツチングウェッジをスイングロボットマシンに取り付け、ヘッドスピード33m/sにて打撃し、打撃傷を目視で判断した。下記の基準で評価した。
良好:傷がない、もしくは使用上、全く気にならない程度の傷。
悪い:表面が毛羽立つ、ディンプルが欠ける、などの傷
耐摩耗性 (砂)
内容量5リットルの筒状物に15個のゴルフボールと1.7リットルの砂を入れて、50rpm,2時間ミキシングした。その後にボールを取り出し、摩耗による表面の傷つきの度合い、光沢減少の度合いを、目視により評価した。
良好:傷が少ない、または使用上全く気にならない程度の傷、光沢低下なし
悪い:傷が目立つ、やや光沢低下
Claims (23)
- 下記(A)〜(C)成分、
(A)酸含量が0.5質量%以上5.0質量%未満であるオレフィン含有熱可塑性ポリマーであって、且つ下記の(i)〜(ix)
(i)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン系ポリマー(メタロセン触媒系ポリマーを含む)、
(ii)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸ポリマー、
(iii)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(iv)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(v)オレフィン−不飽和無水カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vi)オレフィン−不飽和ジカルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vii)オレフィン−不飽和ジカルボン酸ハーフエステル−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(viii)オレフィン−不飽和カルボン酸ポリマー、及び
(ix)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
から選ばれる1種又は2種以上であるオレフィン含有熱可塑性ポリマー、
(B)衝撃強度値35〜130J/m、曲げ弾性率2.50〜3.10GPaの範囲内を有するポリアセタールホモポリマー及び/又はポリアセタールコポリマーである樹脂組成物、及び
(C)上記(A)(B)両成分の樹脂組成物中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和可能な酸素含有無機金属化合物から選択され、その酸素含有無機金属化合物が、平均粒径0.005〜50μmの金属酸化物、金属炭酸塩、または金属水酸化物であり、その金属イオン種としては、周期率表第IA,IB,IIA,IIB,IIIA,IIIB,IVA,IVB,VA,VB,VIA,VIB,VIIB及びVIIIBから選択されるもの
を必須成分として配合してなることを特徴とするゴルフボール用材料。 - 上記(A)成分の共重合体に含まれる酸成分として、不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸,不飽和ジカルボン酸ハーフエステル,及び不飽和カルボン酸から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載のゴルフボール用材料。
- 上記(A)成分及び上記(B)成分を混練配合した樹脂組成物中における不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸,不飽和ジカルボン酸ハーフエステル,及び不飽和カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の酸含有量が0.1質量%以上5.0質量%未満である請求項2記載のゴルフボール用材料。
- 上記(A)成分と(B)成分との配合割合が(A)/(B)で50/50〜99/1(質量比)である請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
- 上記(C)成分として下記の事項から選ばれる少なくとも1つを採用した請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
(i)酸素含有無機金属化合物とポリマー材料とからなるマスターバッチとして用いること
(ii)酸素含有無機金属化合物の微粒子として用いること
(iii)酸素含有無機金属化合物の溶液として用いること - 上記(C)成分において、メルトフローレート(MFR)が50g/10分以上有する熱可塑性樹脂に、上記(A)(B)両成分の樹脂組成物中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和可能な酸素含有無機金属化合物を10〜90質量%配合したマスターバッチを用いる請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
- 上記(C)成分として、平均粒径0.005〜0.1μm、その粒度分布0.001〜1.0μmを有する微粒子金属酸化物を用いる請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
- 上記(C)成分が、炭酸マグネシウム,酢酸マグネシウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛,酢酸亜鉛,水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウム,酸化カルシウム,水酸化カルシウム,水酸化リチウム,炭酸リチウム,水酸化カリウム及び炭酸カリウムよりなる群から選択された1種又は2種以上である請求項1〜7のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
- 上記(C)成分が、酸化亜鉛,酸化マグネシウム及び酸化カルシウムから選ばれた請求項1〜8のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
- 上記(A)(B)両成分配合組成物中の酸基の中和度が2〜98モル%の範囲にある請求項1〜9のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
- 請求項1〜10のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として用いることを特徴とするゴルフボール。
- 請求項1〜10のいずれか1項記載のゴルフボール用材料を、コアと該コアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材として用いることを特徴とするゴルフボール。
- 下記(A)〜(C)成分、
(A)酸含量が0.5質量%以上5.0質量%未満であるオレフィン含有熱可塑性ポリマーであって、且つ下記の(i)〜(ix)
(i)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン系ポリマー(メタロセン触媒系ポリマーを含む)、
(ii)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸ポリマー、
(iii)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(iv)不飽和無水カルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸がグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(v)オレフィン−不飽和無水カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vi)オレフィン−不飽和ジカルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vii)オレフィン−不飽和ジカルボン酸ハーフエステル−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(viii)オレフィン−不飽和カルボン酸ポリマー、及び
(ix)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
から選ばれる1種又は2種以上であるオレフィン含有熱可塑性ポリマー、
(B)衝撃強度値35〜130J/m、曲げ弾性率2.50〜3.10GPaの範囲内を有するポリアセタールホモポリマー及び/又はポリアセタールコポリマーである樹脂組成物、及び
(C)上記(A)(B)両成分の樹脂組成物中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和可能な酸素含有無機金属化合物から選択され、その酸素含有無機金属化合物が、平均粒径0.005〜50μmの金属酸化物、金属炭酸塩、または金属水酸化物であり、その金属イオン種としては、周期率表第IA,IB,IIA,IIB,IIIA,IIIB,IVA,IVB,VA,VB,VIA,VIB,VIIB及びVIIIBから選択されるもの
を必須成分として配合してなるゴルフボール用材料を製造するに際し、上記(A)成分と上記(B)成分とを、両成分の融点の両方を超える温度で溶融混合し、樹脂組成物を調製した後、上記(C)成分を配合して上記樹脂組成物中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和可能にしたことを特徴とするゴルフボール用材料の製造方法。 - 上記(C)成分がマスターバッチ化された状態で上記樹脂組成物に配合される請求項13に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記(C)成分が微粒子金属酸化物で上記樹脂組成物に配合される請求項13又は14記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記(A)成分と上記(B)成分との溶融混合に際し、二軸押出機を使用した請求項13〜15のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- L/Dが20以上の二軸押出機を使用した請求項16記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機のスクリューセグメント配置について、ニーディングディスクゾーンのL/Dが全体L/Dの10〜90%である請求項16又は17記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機のニーディングディスクゾーンの構成ディスクが、RKD(Right−handed Kneading Disc),LKD(Left−handed Kneading Disc),リバース(Reverse Disc)及び各種ニュートラル(Neutral Disc)から構成された請求項16〜18のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機のスクリュー直径が15mmΦ以上である請求項16〜19のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機が、ベントポート及びこれに連結した真空ラインを有する請求項16〜20のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機が、液体滴下又は液体圧注入付帯設備を有する請求項16〜21のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記液体として、ROH(Rは水素又はアルキル基)で示される液体を使用し、その添加量を樹脂押出量に対して0.1〜10質量%である請求項22記載のゴルフボール用材料の製造方法。
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