JP5397211B2 - ゴルフボール用材料及びその製造方法 - Google Patents

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/09Carboxylic acids; Metal salts thereof; Anhydrides thereof

Description

本発明は、流動性、成形性が良好で、反発弾性、耐久性、柔軟性及び耐擦過傷性等に優れる高性能のゴルフボールを得ることができるゴルフボール用材料及びその製造方法に関する。
近年より、ゴルフボール用材料には、アイオノマー樹脂が広く用いられている。アイオノマー樹脂は、エチレン等のオレフィンと、アクリル酸、メタクリル酸あるいはマレイン酸等の不飽和カルボン酸からなるイオン性共重合体の酸性基を、部分的にナトリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム等の金属イオンで中和したもので、耐久性、反発弾性、耐擦過傷性などの面で優れた性質を有している。
現在、アイオノマー樹脂は、ゴルフボールカバー材のベース樹脂の主流であるが、常にユーザーからは、高反発性を有し飛行特性に優れたゴルフボールが求められており、様々な改良が行われている。特に、ボールの高反発化のために、最近では、アイオノマー同士をブレンドする手法、アイオノマーと他の熱可塑性樹脂や添加剤等をブレンドする手法、或いは、アイオノマーそのものを高中和化させることが行われている。
改良されたアイオノマー樹脂組成物の一例としては、米国特許第5312857号明細書(特許文献1)には、アイオノマー100質量部に対してステアリン酸金属塩25〜75質量部の割合で配合するアイオノマー樹脂組成物が提案されている。
また、特開2000−93557号公報(特許文献2)には、3元共重合体金属塩であるアイオノマーにステアリン酸金属塩を混合した材料を使用することによりボールの反発性を高める技術が開示されている。
しかしながら、上記のアイオノマー樹脂組成物では、ベース樹脂であるアイオノマーとステアリン酸金属塩等の各種添加剤との相溶性が悪かったり、アイオノマーの高中和化の度合が過多となり、結果として、ボールの耐久性に劣ることがあった。
米国特許第5312857号明細書 特開2000−93557号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、流動性、成形性が良好であり、射出成形により成形してゴルフボールの構成要素として使用した場合、耐久性を維持しつつ反発性に優れるゴルフボールが得られるゴルフボール用材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、アイオノマーまたはそのベース樹脂として、(a−I)オレフィン−アクリル酸共重合体、またはその金属中和物と、(a−II)オレフィン−メタクリル酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、またはその金属中和物との(a−I),(a−II)を組み合わせて使用し、かつこれらのポリマーの重量平均分子量、及び重量平均分子量/数平均分子量を特定範囲のものを選定し、これに有機酸またはその金属塩を添加し、更に、金属イオン種を加えて酸の中和反応を行うことにより得られるアイオノマー樹脂組成物については、流動性、成形性が良好なものであった。更に、この組成物の射出成形物をカバー材等に使用したゴルフボールについては、意外にも、耐久性を維持しつつ反発性に優れるものであった。本発明者らは上記の点を知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記のゴルフボール用材料及びその製造方法を提供する。
[1](a−I)重量平均分子量(Mw)が150,000〜200,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が3.0〜7.0であるオレフィン−アクリル酸共重合体、またはその金属中和物、
(a−II)重量平均分子量(Mw)が120,000〜200,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が3.0〜7.0であるオレフィン−メタクリル酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、またはその金属中和物、
(b)有機酸又はその金属塩、及び
(c)塩基性無機金属化合物
を含有し、上記(a−I)成分と上記(a−II)成分との混合比が、質量比で90:10〜95:5の割合であり、上記(b)成分の配合量が、上記(a−I),(a−II)の合計量100質量部に対して85〜130質量部であると共に、(c)成分中の金属イオンにより組成物中の酸基が完全に又は部分的に中和されてなる樹脂組成物を含有するゴルフボール用材料であり、このゴルフボール用材料が、コアと該コアを被覆する中間層と該中間層を被覆するカバーとからなるスリーピースソリッドゴルフボールにおける中間層材として用いられることを特徴とするゴルフボール用材料、
[2]190℃、2.16kgfの条件下のメルトフローレートが、3.0〜10.0g/10minである[1]記載のゴルフボール用材料、
[3]上記(a−I)及び(a−II)成分の酸含量が、いずれも15質量%以下である[1]又は[2]記載のゴルフボール用材料、
[4]上記[1]〜[3]のいずれか1項記載のゴルフボール用材料が単軸押出機、二軸押出機及びこれらの連結型押出機により製造されるゴルフボール用材料の製造方法。
本発明のゴルフボール用材料によれば、重量平均分子量、及び分子量分布の広さ(重量平均分子量/数平均分子量)が特定範囲である2元共重合体(または金属塩)及び3元共重合体(または金属塩)を併用したアイオノマー樹脂組成物に、所定量の多量の有機酸またはその金属塩及び中和可能な塩基性無機金属化合物を所定量添加することにより、流動性、成形性が良好な高中和アイオノマーを実現することができ、この材料をカバー材等として使用したゴルフボールは耐久性を維持しつつ反発性に優れるものである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボール用材料は、(a−I)オレフィン−アクリル酸共重合体、またはその金属中和物と、(a−II)オレフィン−メタクリル酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、またはその金属中和物と、(b)有機酸又はその金属塩と、(c)塩基性無機金属化合物とからなる樹脂組成物を含有するものである。
上記(a−I),(a−II),(b)及び(c)成分からなる樹脂組成物の割合は、ゴルフボール用材料の全量に対して、50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
以下、各成分(a−I),(a−II),(b)及び(c)について説明する。
本発明においては、(a−I)及び(a−II)の両方を併用する。これらは、本発明のゴルフボール用材料の主要なポリマーであり、これらのポリマーが他の成分である(b),(c)成分の配合と相俟って、その形質が大きく変化し、材料物性や、特に射出成形物の反発性及び耐久性等が改善されるものと推察される。
上記(a−I)のポリマーにおいて、重量平均分子量(Mw)は150,000〜200,000の範囲とし、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比は、3.0〜7.0の範囲とするものである。Mwが高すぎると、弾性になり易く、またペレットになり難い。また、Mwが低すぎると、材料の成形は可能ではあるが、成形物が脆くなってしまう。重量平均分子量(Mw)の好ましい範囲は、170,000〜190,000である。また、Mw/Mnの値は、好ましくは4.5〜6.5である。この値が上記範囲よりも低いと、分子構造が単一なものに近くなり、成形物に脆さが出るおそれがある。逆に、Mw/Mn値が高くなると、アイオノマーとしての有意性が小さくなり、本発明の効果が得られなくなるおそれがある。
一方、上記(a−II)のポリマーにおいて、重量平均分子量(Mw)は120,000〜200,000の範囲とし、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比は、3.0〜7.0の範囲とするものである。Mwが高すぎると、弾性になり易く、またペレットになり難い。また、Mwが低すぎると、材料の成形は可能ではあるが、成形物が脆くなってしまう。重量平均分子量(Mw)の好ましい範囲は、120,000〜180,000である。また、Mw/Mnの値は、好ましくは4.0〜6.5である。この値が上記範囲よりも低いと、分子構造が単一なものに近くなり、成形物に脆さが出るおそれがある。逆に、Mw/Mn値が高くなると、アイオノマーとしての有意性が小さくなり、本発明の効果が得られなくなるおそれがある。
この場合、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミェションクロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算にて算出されるものである。GPC分子量測定に関して述べると、2元共重合体及び3元共重合体は、分子中の不飽和カルボン酸基により、その分子がGPCのカラムに吸着されるため、そのままではGPC測定ができない。通常、不飽和カルボン酸基をエステル化後にGPC測定を行い、ポリスチレン換算した平均分子量Mw及びMnを算出する。
(a−I)または(a−II)成分に使用されるオレフィン成分としては、特に制限はないが、炭素数2〜6が好ましく、特に、エチレンが好ましい。また、(a−I)または(a−II)成分に使用される不飽和カルボン酸としては、それぞれ、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)に限定される。このように、本発明では、アクリル酸を有する2元共重合体または2元アイオノマーと、メタクリル酸を有する3元共重合体または3元アイオノマーとを併用するものであり、この樹脂組成物を射出成形したボール成形物の耐久性及び反発性が良好なものとなる。また、(a−II)成分のみに使用される不飽和カルボン酸エステルは、特に制限はないが、低級アルキルエステルが好ましく、特に、アクリル酸ブチル(n−アクリル酸ブチル、i−アクリル酸ブチル)が好ましい。
また、(a−I)または(a−II)成分中の不飽和カルボン酸の含有量(酸含量)については、特に制限はないが、いずれも、8質量%以上、15質量%以下の範囲とすることが好ましい。この酸含量が低いと、ゴルフボール用材料の成形物の高反発性が得られなくなるおそれがある。また、酸含量が高くなると、極端に硬度が高くなってしまい、耐久性に影響するおそれがある。
上述したように、本発明では、(a−I)または(a−II)成分において、オレフィン−アクリル酸共重合体(2元共重合体)又はその金属塩と、オレフィン−メタクリル酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体(3元共重合体)又はその金属塩とを併用するものである。これらの混合比は、特に制限はないが、本発明の効果をより有効に発揮させるために、(a−I):(a−II)=90:10〜95:5の質量割合となるように配合する。(a−I)成分が上記範囲よりも多く配合されると、材料の成形が困難になり、また、ボール耐久性が劣るおそれがある。逆に、(a−II)成分が上記範囲よりも多く配合されると、ボールの高反発性を発現させ難くなる。
また、(a−I),(a−II)成分において金属中和物を使用する場合、即ち、アイオノマーを使用する場合には、その金属中和物の種類や中和度については特に制限はない。その一例として具体的には、60モル%Zn(亜鉛中和度)のエチレン−アクリル酸共重合体、40モル%Mg(マグネシウム中和度)のエチレン−アクリル酸共重合体、及び40モル%Mg(マグネシウム中和度)のエチレン−メタクリル酸−イソブチレンアクリレート三元共重合体、60モル%Zn(亜鉛中和度)のエチレン−メタクリル酸−イソブチレンアクリレート三元共重合体等が挙げられる。
(a−I),(a−II)成分は、上述したように、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布の広さ(U=Mw/Mn)を特定範囲に設定した共重合体またはアイオノマーを使用するものである。具体的には、(a−I)成分については、商品名「エスコール5100」、「エスコール5200」(ExxonMobil Chemical社製)等の市販品を例示することができる。また、(a−II)成分については、商品名「ニュクレルN035C」(三井・デュポンポリケミカル社製)等の市販品を例示することができる。
次に、(b)有機酸又はその金属塩としては、特に限定されないが、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、マレイン酸、またはこれらの金属塩の群から選ばれる1種又は2種以上であることが好適である。また、(b)成分の有機酸金属塩は金属石鹸であり、その金属塩としては、1〜3価の金属イオンが用いられるものであり、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム及び亜鉛の群から好適に選ばれ、特に、ステアリン酸金属塩を使用することが好ましい。具体的には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウムを使用するが好ましく、この中では特にステアリン酸マグネシウムを使用することが好適である。
上記(b)成分の配合量は、上記(a−I),(a−II)成分の合計量100質量部に対して85〜130質量部の範囲内とされ、下限値として、好ましくは90質量部以上、より好ましくは100質量部以上であり、また、上限値としては、好ましくは125質量部以下、より好ましくは120質量部以下である。即ち、本発明では、(a−I)成分のアクリル酸を有する2元共重合体または2元アイオノマーと、(a−II)成分のメタクリル酸を有する3元共重合体または3元アイオノマーとの混合樹脂に対して、比較的多量の有機酸又はその金属塩を配合するものであり、ゴルフボールの耐久性を維持しつつ反発性を高めようとするものである。上記(b)成分の配合量が少ないと、ボールの高反発性を発現させ難い。逆に、(b)成分の配合量が多いと、樹脂材料の流動性が著しく上昇し、成形に最適なペレット形状を有する樹脂混合物を得ることができなくなる。
上記(c)成分の塩基性無機金属化合物の金属イオンとしては、例えば、Na+、K+、Li+、Zn2+、Ca2+、Mg2+、Cu2+、Co2+等を挙げることができ、好ましくは、Na+、Zn2+、Ca2+、Mg2+であり、より好ましくはMg2+である。これら金属塩は、ギ酸塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物及び水酸化物などを使用して、樹脂中へ導入することができる。
上記(c)塩基性無機金属化合物は、その金属イオンにより組成物中の酸基を完全に又は部分的に中和する目的で使用されるものである。(c)塩基性無機金属化合物の添加量については、所望の中和度を得るためにその配合量を適宜選定することができる。具体的には、上記(a−I),(a−II)及び(b)成分中の酸基の60モル%以上を中和するのに相当する量を配合することが好ましく、より好ましくは65モル%以上、更に好ましくは70モル%以上を中和する量とされる。また、その上限値は、上記酸基の100モル%以下を中和するのに相当する量とされ、好ましくは95モル%以下、より好ましくは90モル%以下を中和する量とすることができる。
本発明のゴルフボール用材料には、本発明の効果を損なわない範囲で熱可塑性樹脂を配合することができる。この熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系エラストマー(ポリオレフィン、メタロセンポリオレフィン含む)、ポリスチレン系エラストマー、ジエン系ポリマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアセタールなどを任意に配合することができる。
更に、本発明のゴルフボール用材料には、任意の添加剤を用途に応じて適宜配合することができる。例えば、本発明のゴルフボール用材料をカバー材として用いる場合、上記樹脂組成物中に、顔料,分散剤,老化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤などの各種添加剤を加えることができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量としては、上記樹脂組成物中100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、上限として、好ましくは10質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
本発明のゴルフボール用材料のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、射出成形時の流動性、成形加工性を良好なものにする観点から、JIS K 7210に準拠して、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下で測定した場合に、好ましくは1.0g/10min以上、より好ましくは2.0g/10min以上、更に好ましくは3.0g/10min以上とすることができ、上限としては、好ましくは10.0g/10min以下、より好ましくは6.0g/10min以下であることが推奨される。
本発明のゴルフボール用材料の製造方法としては、特に制限はないが、(a−I),(a−II)成分のアイオノマーまたは未中和のポリマーと(b)成分と(c)成分とを一緒にホッパーに投入し、所望の条件で押出す方法を採用することができ、また、(b)成分については、別のフィーダーから投入しても良い。この場合、上記の(c)成分である金属カチオン源による(a−I),(a−II)及び(b)成分中のカルボン酸への中和反応を各種の押出機によって行うことができる。その押出機としては、単軸押出機、2軸押出機のどちらでも良く、2軸押出機がより好ましい。また、これら押出機の連結型でも良く、例えば、単軸押出機−2軸押出機、2軸押出機−2軸押出機等の連結タイプが挙げられる。これらの装置の構成は特別なものではなく、既存の押出機で十分である。
本発明のゴルフボール用材料は、ワンピースゴルフボールそれ自体の材料として使用されるほか、コアと該コアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材として用いることができる。
以上説明したように、本発明のゴルフボール用材料によれば、重量平均分子量、及び分子量分布の広さ(重量平均分子量/数平均分子量)が特定範囲である2元共重合体(または金属塩)及び3元共重合体(または金属塩)を併用したアイオノマー樹脂組成物に、所定量の多量の有機酸またはその金属塩及び中和可能な塩基性無機金属化合物を所定量添加することにより、流動性及び成形性が良好な高中和アイオノマーを実現することができ、この射出成形物をカバー材等に使用したゴルフボールは耐久性を維持しつつ反発性に優れるものである。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1、2、比較例1〜3〕
下記のコア配合によるシス−1,4−ポリブタジエンを主成分とするコア材料を用いて、直径37.50mm、重量32.80gのソリッドコアを得た。
コア配合
シス−1,4−ポリブタジエン 100 質量部
酸化亜鉛 5.0質量部
硫酸バリウム 26.0質量部
老化防止剤 0.1質量部
アクリル酸亜鉛 23.0質量部
架橋剤(有機過酸化物) 1.2質量部
次に、表1に示す組成の中間層材を200℃で混練型二軸押出機にてミキシングし、ペレット状の中間層の材料を得た後、上記ソリッドコアを配備した金型内に射出し、厚さ1.5mmの中間層を有する球体を製造した。
次に、最外層(カバー)の材料として、商品名「ハイミラン1605」と「ハイミラン1706」とを質量比50:50でブレンドしたカバー組成物を用い、射出成形し、表1の直径及び重量を有するスリーピースソリッドゴルフボールを作成した。
得られた実施例及び比較例の各ゴルフボールについて、諸特性を下記の通り評価した。結果を表1に併記する。
Figure 0005397211
※上記の配合量の数字は質量部で表される。
上記表中の各材料の詳細は下記のとおりである。
AA系アイオノマー(2元アイオノマー)
エチレン−アクリル酸2元共重合体、ExxonMobil Chemical社製
Mw「188,000」、Mw/Mn「6.37」
MAA系アイオノマー(3元アイオノマー)
エチレン−メタクリル酸−イソブチレンアクリレート三元共重合体、三井・デュポンポリケミカル社製、Mw「127,000」、Mw/Mn「4.37」、酸含量10質量%
「ハイミラン1557」(商品名)
エチレン−メタクリル酸共重合体の亜鉛イオン中和物(アイオノマー樹脂)
三井・デュポンポリケミカル株式会社製
Mw「94,600」、Mw/Mn「4.19」
HPF1000(商標名)
約75〜76質量%のエチレン、約8.5質量%のアクリル酸、および約15.5〜16.5質量%のn−ブチルアクリレートからなるターポリマーであり、全て(100%)の酸基がマグネシウムイオンにより中和されている。DuPont社製、Mw「105,000」、Mw/Mn「3.72」
なお、上記の各ポリマーの分子量及び分子量分布の測定・算出方法については、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)における測定で、ポリスチレン換算にて算出したものである。
ステアリン酸マグネシウム
商品名「マグネシウムステアレートG」(日油(株)製)
ゴルフボール用材料及びゴルフボールの諸物性の測定方法は下記のとおりである。
MFR(g/10min)
JIS K 7210に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下での測定値。
たわみ変形量(mm)
23±1℃の温度で、ゴルフボールを鋼板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときのゴルフボールのたわみ量(mm)。
初速(m/s)
初速はR&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定した。ボールは23±1℃の温度で3時間以上温調し、同温度で測定した。250ポンド(113.4kg)のヘッド(ストライキングマスク)を使って打撃速度143.8ft/s(43.83m/s)にてボールを打撃した。10個のボールを各々2回打撃して6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を計測し、初速を計算した。15分間でこのサイクルを行った。
連続打撃時の耐久性
米国Automated Design Corporation製のADC Ball COR Durability Testerにより、ボールの耐久性(Durability)を評価した。ボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させ、ボールが割れるまでに要した発射回数の平均値を用い、下記の基準に従って耐久性を評価した。
(この場合、平均値とは、同種のボールを4個用意し、それぞれのボールを発射させて4個のボールがそれぞれ割れるまでに要した発射回数を平均化した値である。試験機のタイプは、縦型CORであり、金属板への入射速度を43m/sとした。)
○:150回以上
△:100回以上150回未満
×:100回未満
上記表1の結果から分かるように、比較例1〜3のゴルフボールは、下記の欠点を有する。
比較例1では、ステアリン酸マグネシウムの配合量を本発明の範囲よりも少なくしたものであり、実施例1、2と比較すると、耐久性は良いが反発性は低下した。
比較例2では、AA系アイオノマーは同じではあるが、MAA系アイオノマーの分子量が低いものを併用したものであり、実施例1、2と比較すると、初速および耐久性が低下した。
比較例3では、分子量が比較的低い市販のアイオノマーのみを使用したものであり、実施例1、2と比較すると、初速および耐久性が低下した。

Claims (4)

  1. (a−I)重量平均分子量(Mw)が150,000〜200,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が3.0〜7.0であるオレフィン−アクリル酸共重合体、またはその金属中和物、
    (a−II)重量平均分子量(Mw)が120,000〜200,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が3.0〜7.0であるオレフィン−メタクリル酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、またはその金属中和物、
    (b)有機酸又はその金属塩、及び
    (c)塩基性無機金属化合物
    を含有し、上記(a−I)成分と上記(a−II)成分との混合比が、質量比で90:10〜95:5の割合であり、上記(b)成分の配合量が、上記(a−I),(a−II)の合計量100質量部に対して85〜130質量部であると共に、(c)成分中の金属イオンにより組成物中の酸基が完全に又は部分的に中和されてなる樹脂組成物を含有するゴルフボール用材料であり、このゴルフボール用材料が、コアと該コアを被覆する中間層と該中間層を被覆するカバーとからなるスリーピースソリッドゴルフボールにおける中間層材として用いられることを特徴とするゴルフボール用材料。
  2. 190℃、2.16kgfの条件下のメルトフローレートが、3.0〜10.0g/10minである請求項1記載のゴルフボール用材料。
  3. 上記(a−I)及び(a−II)成分の酸含量が、いずれも15質量%以下である請求項1又は2記載のゴルフボール用材料。
  4. 請求項1〜のいずれか1項記載のゴルフボール用材料が単軸押出機、二軸押出機及びこれらの連結型押出機により製造されるゴルフボール用材料の製造方法。
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