JP2011167499A - ゴルフボール用材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおける上記中間層に用いられるゴルフボール用材料であって、該ゴルフボール用材料が、
(a)重量平均分子量(Mw)が120,000〜200,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が4.4〜7.0であるオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、またはその金属中和物 100質量部、及び
(b)有機酸又はその金属塩 50〜90質量部
を必須成分とする樹脂組成物を含有することを特徴とするゴルフボール用材料。
【効果】本発明のゴルフボール用材料は、流動性、成形性が良好な高中和アイオノマーを実現し得、この射出成形物をカバー材等に使用したゴルフボールは反発性及び耐久性に優れる。
【選択図】なし

Description

本発明は、1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおける上記中間層部材として用いられるゴルフボール用材料及びその製造方法に関する。
近年より、ゴルフボール用材料には、アイオノマー樹脂が広く用いられている。アイオノマー樹脂は、エチレン等のオレフィンと、アクリル酸、メタクリル酸あるいはマレイン酸等の不飽和カルボン酸からなるイオン性共重合体の酸性基を、部分的にナトリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム等の金属イオンで中和したもので、耐久性、反発弾性、耐擦過傷性などの面で優れた性質を有している。
現在、アイオノマー樹脂は、ゴルフボールカバー材のベース樹脂の主流であるが、常にユーザーからは、高反発弾性を有し飛行特性に優れたゴルフボールが求められており、様々な改良が行われている。特に、ボールの高反発化のために、最近では、アイオノマー同士をブレンドする手法、アイオノマーと他の熱可塑性樹脂や添加剤等をブレンドする手法、或いは、アイオノマーそのものを高中和化させることが行われている。
アイオノマーを高中和させる手法の一例として、米国特許第6653382号明細書には、アイオノマーに脂肪酸金属塩及び金属カチオンを配合するアイオノマー樹脂組成物が記載されており、アイオノマー100質量部に対して多量の脂肪酸金属塩を添加すると共に、アイオノマーの中和度を90モル%以上とする技術が提案されている。
しかしながら、多量の脂肪酸金属塩を使用した上記アイオノマー樹脂組成物を射出成形してゴルフボールのカバー材に使用した場合、カバー硬度等の上昇の影響によりボール全体の耐久性に劣る面があり、また、脂肪酸又はその金属塩がブリードし、表面加工性や成形性に問題があった。また、多量の脂肪酸金属塩を使用すると、成形材料の流動性が悪くなり、ボール硬度を軟化させると反発性や耐久性が悪くなり、所望のボール物性が得られ難かった。
米国特許第6653382号明細書
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、流動性、成形性が良好であり、ボール硬度を設計する上で硬度バリエーションが多様であり、ボール硬度が軟化しても反発性が高く耐久性に優れたマルチピースソリッドゴルフボールを得ることができるゴルフボール用材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、アイオノマーまたはそのベース樹脂であるオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体を使用する際、これらのポリマーの重量平均分子量、及び重量平均分子量/数平均分子量を特定範囲のものを選定し、これに有機酸またはその金属塩を多量に添加することなく、所定の範囲内で配合したアイオノマー樹脂組成物については、流動性、成形性が良好であることを知見した。また、アイオノマーを中和させる際に、塩基性無機金属化合物と有機酸(それらの塩)の添加量を最適化することで、良好な流動性を持つ組成物を得ることを知見した。さらに、本発明のゴルフボール用材料を使用したマルチピースソリッドゴルフボールは、耐久性を維持し、ボール硬度が軟化していても反発性が高いことを知見した。本発明は上記の知見により完成するに至ったものである。
従って、本発明は、下記のゴルフボール用材料及びその製造方法を提供する。
[1]1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおける上記中間層に用いられるゴルフボール用材料であって、該ゴルフボール用材料が、
(a)重量平均分子量(Mw)が120,000〜200,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が4.4〜7.0であるオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、またはその金属中和物 100質量部、及び
(b)有機酸又はその金属塩 50〜90質量部
を必須成分とする樹脂組成物を含有することを特徴とするゴルフボール用材料。
[2]上記樹脂組成物には、上記(a),(b)成分中の酸基を中和するため塩基性無機金属化合物を添加されており、その配合量が上記(a),(b)成分中の酸基に対して30〜100モル%に相当する量である[1]記載のゴルフボール用材料。
[3]190℃、2.16kgfの条件下のメルトフローレートが、3.0〜30.0g/10minである[1]又は[2]記載のゴルフボール用材料。
[4]上記(a)成分の酸含量が15質量%以下である[1]、[2]又は[3]記載のゴルフボール用材料。
[5]上記(b)成分の有機酸が、炭素数36以下の一官能性の脂肪族である[1]〜[4]のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
[6]上記(b)成分の有機酸金属塩の金属イオンが、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム及び亜鉛の群から選ばれる1種又は2種以上である[1]〜[5]のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
[7]上記(a)成分の不飽和カルボン酸が、アクリル酸またはメタクリル酸である[1]〜[6]のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
[8][1]〜[7]のいずれか1項記載のゴルフボール用材料が、単軸押出機、二軸押出機及びこれらの連結型押出機により製造されることを特徴とするゴルフボール用材料の製造方法。
本発明のゴルフボール用材料によれば、重量平均分子量、及び分子量分布の広さ(重量平均分子量/数平均分子量)を特定範囲に設定した共重合体をベース樹脂とするアイオノマー樹脂組成物に、適量の有機酸またはその金属塩、必要により中和可能な塩基性無機金属化合物を所定量添加することにより、流動性、成形性が良好であり、ボール硬度を設計する上で硬度バリエーションが多様で高品質なマルチピースソリッドゴルフボールを得ることができる。また、本発明のゴルフボール用材料を使用すると、ボール硬度が軟化しても反発性が高く耐久性に優れたマルチピースソリッドゴルフボールを得ることができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボール用材料は、1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおける上記中間層部材に使用されるものであり、下記(a)及び(b)成分、
(a)オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、またはその金属中和物、
(b)有機酸又はその金属塩
を必須成分とする樹脂組成物を含有するものである。
上記(a)及び(b)成分の樹脂組成物の割合は、ゴルフボール用材料の全量に対して、50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
以下、(a)及び(b)成分について説明する。
(a)成分とは、具体的には、
(a1)重量平均分子量(Mw)が120,000〜200,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が4.4〜7.0であるオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、または
(a2)オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体の金属中和物であり、そのオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体の重量平均分子量(Mw)が120,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が4.4〜7.0の範囲であるもの
を意味する。
本発明においては、(a1)及び(a2)の両方用いても良いが、(a1)及び(a2)のうち少なくとも1つを用いる。これらは、本発明のゴルフボール用材料の主要なポリマーであり、このポリマーが他の成分である(b)成分の配合と相俟って、その形質が大きく変化し、材料物性や、特に射出成形物の反発性及び耐久性等が改善されるものと推察される。
なお、(a)成分は、使用されるポリマー全量に対して、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
上記(a1)または(a2)のポリマーにおいて、重量平均分子量(Mw)を120,000〜200,000の範囲とし、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)を4.4〜7.0の範囲とするものである。Mwが高すぎると、弾性になり易く、またペレットになり難い。また、Mwが低すぎると、材料の成形は可能ではあるが、成形物が脆くなってしまう。重量平均分子量(Mw)の好ましい範囲としては、120,000〜190,000の範囲である。また、Mw/Mnの値は、好ましく4.6〜6.5である。この値が上記範囲よりも低いと、分子構造が単一なものに近くなり、成形物に脆さが出るおそれがある。逆に、Mw/Mn値が高くなると、アイオノマーとしての有意性が小さくなり、本発明の効果が得られなくなるおそれがある。
この場合、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算にて算出されるものである。GPC分子量測定に関して述べると、2元共重合体及び3元共重合体は、分子中の不飽和カルボン酸基により、その分子がGPCのカラムに吸着されるため、そのままではGPC測定ができない。通常、不飽和カルボン酸基をエステル化後にGPC測定を行い、ポリスチレン換算した平均分子量Mw及びMnを算出する。
(a1)または(a2)成分に使用されるオレフィン成分としては、炭素数2〜6が好ましく、特に、エチレンが好ましい。また、(a1)または(a2)成分に使用される不飽和カルボン酸としては、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)等が使用されるが、特に、メタクリル酸(MAA)とすることが好適である。また、(a1)または(a2)成分に使用される不飽和カルボン酸エステルは、炭素数1〜8の低級アルキルエステルが好ましく、特に、アクリル酸ブチル(n−アクリル酸ブチル、i−アクリル酸ブチル)が好ましい。
また、(a1)または(a2)成分中の不飽和カルボン酸の含有量(酸含量)については、特に制限はないが、8質量%以上、15質量%以下の範囲とすることが好ましい。この酸含量が低いと、ゴルフボール用材料の成形物の反発性が得られなくなるおそれがある。また、酸含量が高くなると、極端に硬度が高くなってしまい、耐久性に影響するおそれがある。
本発明では、(a1)または(a2)成分において、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体(2元共重合体)又はその金属塩と、オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体(3元共重合体)又はその金属塩とを併用することができる。即ち、2元共重合体又はその金属塩(I)と、3元共重合体又はその金属塩(II)とを併用する場合、(I):(II)=0:100〜80:20の質量割合となるように配合することが好適である。(I)の配合が上記範囲よりも多く配合されると、材料の成形が困難になり、また、ボール耐久性が劣るおそれがある。
また、(a)成分として、(a2)成分を使用する場合、即ち、アイオノマーを使用する場合には、その金属中和物の種類や中和度については特に制限はない。その一例として具体的には、60モル%Zn(亜鉛中和度)のエチレン−メタクリル酸共重合体、40モル%Mg(マグネシウム中和度)のエチレン−メタクリル酸共重合体、及び40モル%Mg(マグネシウム中和度)のエチレン−メタクリル酸−イソブチレンアクリレート三元共重合体等が挙げられる。
(a)成分は、上述したように、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布の広さ(U=Mw/Mn)を特定範囲に設定した共重合体またはアイオノマーを使用するものであり、具体的には、「ハイミラン1705」、「ニュクレルN1035」、「ニュクレルN035C」(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、「エスコール5100」(ExxonMobil Chemical社製)などの市販品を使用することができる。
次に、(b)成分としては、特に限定されないが、炭素数は36以下の一官能性の脂肪族であることが好ましい。具体的には、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、マレイン酸、またはこれらの金属塩の群から選ばれる1種又は2種以上であることが好適である。また、(b)成分の有機酸金属塩は金属石鹸であり、その金属塩としては、1〜3価の金属イオンが用いられるものであり、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム及び亜鉛の群から好適に選ばれ、特に、ステアリン酸金属塩を使用することが好ましい。具体的には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウムを使用するが好ましく、この中では特にステアリン酸マグネシウムを使用することが好適である。
上記(b)成分の配合量は、上記(a)成分のポリマーまたはその金属中和物であるアイオノマー100質量部に対して、50〜90質量部の範囲内とされ、好ましくは60〜90質量部である。上記(b)成分の配合量が少ないと、ボールは軟化し難くなり、高反発性を発現させ難い。逆に、(b)成分の配合量が多いと、樹脂材料の流動性が著しく、または耐久性が悪くなる。
また、必要に応じて、本発明の所定の目的を達成するために、塩基性無機金属化合物の金属イオンを添加することができ、例えば、Na+、K+、Li+、Zn2+、Ca2+、Mg2+、Cu2+、Co2+等を挙げることができ、好ましくは、Na+、Zn2+、Ca2+、Mg2+であり、より好ましくはMg2+である。これら金属塩は、ギ酸塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物及び水酸化物などを使用して、樹脂中へ導入することができる。
上記塩基性無機金属化合物は、上記(a),(b)成分中の酸基を中和するための成分であり、その配合量を上記(a),(b)成分中の酸基に対して30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%に相当する量とする。この場合、塩基性無機金属化合物については、所望の中和度を得るためにその配合量を適宜選定することができる。
本発明のゴルフボール用材料には、本発明の効果を損なわない範囲で、下記の熱可塑性樹脂を配合することができる。具体的に熱可塑性樹脂としては、これらに限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系エラストマー(ポリオレフィン、メタロセンポリオレフィン含む)、ポリスチレン系エラストマー、ジエン系ポリマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアセタールなどを任意に配合することができる。
更に、本発明のゴルフボール用材料には、任意の添加剤を用途に応じて適宜配合することができる。例えば、本発明のゴルフボール用材料をカバー材として用いる場合、顔料,分散剤,老化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤などの各種添加剤を樹脂組成物に加えることができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量としては、上記(a)及び(b)成分の総和100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、上限として、好ましくは10質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
本発明のゴルフボール用材料のメルトインデックス(MI)について、JIS−K7210に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下での測定値としては、特に制限はないが、射出成形時の流動性、成形加工性を良好なものにするために、好ましくは3.0g/10min以上、より好ましくは5.0g/10min以上、更に好ましくは10.0g/10min以上にすることができ、上限としては、好ましくは100.0g/10min以下、より好ましくは60.0g/10min以下、さらに好ましくは40.0g/10min以下であることが推奨される。
本発明のゴルフボール用材料の製造方法としては、特に制限はないが、(a)成分としてのアイオノマーまたは未中和のポリマーと(b)成分とを一緒にホッパーに投入し、所望の条件で押出す方法を採用することができる。また、(b)成分については、別のフィーダーから投入しても良い。この場合、塩基性無機金属化合物を添加する場合、塩基性無機金属化合物の金属イオンによる(a)及び(b)成分中のカルボン酸への中和反応を各種の押出機によって行うことができる。その押出機としては、単軸押出機、二軸押出機のどちらでも良く、二軸押出機がより好ましい。また、これら押出機の連結型でも良く、例えば、単軸押出機−二軸押出機、二軸押出機−二軸押出機等の連結タイプが挙げられる。これらの装置の構成は特別なものではなく、既存の押出機で十分である。
本発明のゴルフボール用材料は、1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおける中間層材として用いられ、当該中間層とコアとカバーの3層以上が相乗的に作用することにより、反発性及び耐久性に優れたマルチピースソリッドゴルフボールを得ることができる。
また、本発明のゴルフボール用材料は、ボール硬度を適宜設計する上で硬度バリエーションが多様であり、ボール硬度を軟化させても反発性が高く耐久性に優れたゴルフボールが得られる。ここで、本発明ゴルフボール用材料の樹脂成形物の好ましい硬度としては、ショアDで30以上、より好ましくは40以上であり、上限としては、好ましくは60以下、より好ましくは55以下である。また、本発明ゴルフボール用材料を使用したゴルフボールの硬度、即ち、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのボール変形量(mm)は、特に制限はないが、好ましくは3.1mm以上、より好ましくは4.0mm以上であり、上限として、好ましくは12.0mm以下、より好ましくは10.0mm以下である。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〜3、比較例1〜3〕
下記のコア配合によるシス−1,4−ポリブタジエンを主成分とするコア材料を用いて、直径37.50mm、質量32.80gのソリッドコアを得た。
コア配合
シス−1,4−ポリブタジエン 100 質量部
酸化亜鉛 5.0質量部
硫酸バリウム 26.0質量部
老化防止剤 0.1質量部
アクリル酸亜鉛 23.0質量部
架橋剤(有機過酸化物) 1.2質量部
次に、表1に示す組成の中間層材を200℃で混練型二軸押出機にてミキシングし、ペレット状の中間層材を得た後、上記ソリッドコアを配備した金型内に射出し、厚さ1.5mmの中間層を有する球体を製造した。
次に、最外層(カバー)の材料として、商品名「ハイミラン1605」と「ハイミラン1706」とを質量比50:50でブレンドしたカバー組成物を用い、射出成形し、表1の直径及び質量を有するスリーピースソリッドゴルフボールを作成した。
得られた実施例及び比較例の各ゴルフボールについて、諸特性を下記の通り評価した。結果を表1に併記する。
Figure 2011167499

*上記の配合量の数字は質量部で表される。
上記表中の各材料の詳細は下記のとおりである。
MAA系アイオノマー(1)
エチレン−メタクリル酸−イソブチレンアクリレート三元共重合体、三井・デュポンポリケミカル社製、酸含量10wt%、Mw「155,000」、Mw/Mn「5.76」
MAA系アイオノマー(2)
エチレン−メタクリル酸二元共重合体、三井・デュポンポリケミカル社製、酸含量15wt%、Mw「110,000」、Mw/Mn「4.95」
MAA系アイオノマー(3)
エチレン−メタクリル酸−イソブチレンアクリレート三元共重合体、三井・デュポンポリケミカル社製、酸含量8wt%、Mw「127,000」、Mw/Mn「4.37」
HPF1000(商標名)
約75〜76質量%のエチレン、約8.5質量%のアクリル酸、及び約15.5〜16.5質量%のn−ブチルアクリレートからなるターポリマーであり、マグネシウムイオンにより酸基が中和されている。DuPont社製、Mw「105,000」、Mw/Mn「3.72」、酸含量14wt%
なお、上記の各ポリマーの分子量及び分子量分布の測定・算出方法については、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)における測定で、ポリスチレン換算にて算出したものである。
ステアリン酸マグネシウム
商品名「マグネシウムステアレートG」(日油(株)製)
ゴルフボール用材料及びゴルフボールの諸物性の測定方法は下記のとおりである。
MI(g/10min)
JIS−K7210に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下での測定値。
たわみ変形量(mm)
23±1℃の温度で、ゴルフボールを鋼板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときのゴルフボールのたわみ量(mm)。
初速度(m/s)
初速はR&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定した。ボールは23±1℃の温度で3時間以上温調し、同温度で測定した。250ポンド(113.4kg)のヘッド(ストライキングマスク)を使って打撃速度143.8ft/s(43.83m/s)にてボールを打撃した。10個のボールを各々2回打撃して6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を計測し、初速を計算した。15分間でこのサイクルを行った。
連続打撃時の耐久性
米国Automated Design Corporation製のADC Ball COR Durability Testerにより、ボールの耐久性(Durability)を評価した。ボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させ、ボールが割れるまでに要した発射回数の平均値を用い、下記の基準に従って耐久性を評価した。
(この場合、平均値とは、同種のボールを4個用意し、それぞれのボールを発射させて4個のボールがそれぞれ割れるまでに要した発射回数を平均化した値である。試験機のタイプは、縦型CORであり、金属板への入射速度を43m/sとした。)
○:150回以上
△:100〜150回
×:100回以下
上記表1の結果から分かるように、比較例1〜3のゴルフボールは、下記の欠点を有する。
比較例1は、ステアリン酸マグネシウムの配合量を実施例よりも増量したところ、ボールの反発性は高く維持できるが、耐久性が低下した。
比較例2は、ボールの硬度が硬くなり、反発性は良いが、耐久性が低下した。
比較例3は、分子量が実施例より比較的低い市販のアイオノマーのみを使用した例であり、ボール初速度は同等でも耐久性が低下した。

Claims (8)

  1. 1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおける上記中間層に用いられるゴルフボール用材料であって、該ゴルフボール用材料が、
    (a)重量平均分子量(Mw)が120,000〜200,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が4.4〜7.0であるオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、またはその金属中和物 100質量部、及び
    (b)有機酸又はその金属塩 50〜90質量部
    を必須成分とする樹脂組成物を含有することを特徴とするゴルフボール用材料。
  2. 上記樹脂組成物には、上記(a),(b)成分中の酸基を中和するため塩基性無機金属化合物を添加されており、その配合量が上記(a),(b)成分中の酸基に対して30〜100モル%に相当する量である請求項1記載のゴルフボール用材料。
  3. 190℃、2.16kgfの条件下のメルトフローレートが、3.0〜30.0g/10minである請求項1又は2記載のゴルフボール用材料。
  4. 上記(a)成分の酸含量が15質量%以下である請求項1、2又は3記載のゴルフボール用材料。
  5. 上記(b)成分の有機酸が、炭素数は36以下の一官能性の脂肪族である請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
  6. 上記(b)成分の有機酸金属塩の金属イオンが、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム及び亜鉛の群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
  7. 上記(a)成分の不飽和カルボン酸が、アクリル酸またはメタクリル酸である請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載のゴルフボール用材料が、単軸押出機、二軸押出機及びこれらの連結型押出機により製造されることを特徴とするゴルフボール用材料の製造方法。
JP2010139045A 2010-02-16 2010-06-18 ゴルフボール用材料及びその製造方法 Pending JP2011167499A (ja)

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