JP5817367B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、コアと、該コアを被覆する少なくとも1層の中間層と、最外層のカバーとからなるゴルフボールに関する。
ゴルフボールには従来からイオン性樹脂、即ちアイオノマーが使用されている。特にボールの高反発化や低スピン化を図るためには、酸含量が高いイオン性樹脂を用いることが有効である。また、イオン性樹脂を高中和化させることにより、ボールの高反発化や低スピン化を図る技術も提案されている。具体的には、アイオノマー同士をブレンドする方法、アイオノマーに他の熱可塑性樹脂や添加剤をブレンドする方法、あるいは、アイオノマーそのものを高中和化させる方法などが提案されている。
アイオノマー同士をブレンドする方法では、重量平均分子量の異なる2種類のアイオノマーを組み合わせて使用した技術がいくつか提案されている。例えば、米国特許第7462113号明細書(特許文献1)には、重量平均分子量80,000〜500,000の3元アイオノマーと重量平均分子量2,000〜30,000の3元アイオノマーとを併用してカバー材に使用することが記載されている。また、米国特許第7273903号明細書(特許文献2)には、重量平均分子量80,000〜500,000の3元アイオノマー、重量平均分子量2,000〜30,000の2元アイオノマー、及び必要により熱可塑性エラストマーを配合したカバー材が提案されている。
また、不飽和カルボン酸の含量(以下、「酸含量」と省略することもある。)が特定範囲にあるアイオノマー及びブレンド物を使用したゴルフボール用材料が提案されている。例えば、米国特許第6267693号明細書(特許文献3)には、酸含量が18.5〜21.5%のアイオノマーブレンド物が記載されており、米国特許第5873796号明細書(特許文献4)には、酸含量19%のアイオノマーと酸含量15%のアイオノマーとのブレンド物が記載されている。更には、米国特許第5222733号明細書(特許文献5)には、酸含量20〜30%のアイオノマーを配合中に少なくとも30%含むゴルフボール用組成物が記載されている。
しかしながら、酸含量の高いイオン性樹脂を高中和化させると、耐久性が劣るという欠点があったため、ゴルフボールに積極的には使用されていないのが実情であった。また、酸含量の高いイオン性樹脂は、メルトインデックス(MI)が低すぎるものが多く、射出成形が困難となり、ゴルフボールを製造する上で作業性が悪くなる場合があった。
このように、ゴルフボールの各部を形成する材料を改良することにより、反発性や耐久性等の改善がなされてきたが、未だ改善の余地がある。更に、イオン性樹脂をゴルフボールの外層カバーに用いた場合には、耐擦過傷性が悪くなる欠点があった。
米国特許第7462113号明細書 米国特許第7273903号明細書 米国特許第6267693号明細書 米国特許第5873796号明細書 米国特許第5222733号明細書
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、反発性が高く、優れた低スピン効果を有し、耐久性にも優れるゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、コアと、少なくとも1層の中間層と、最外層のカバーとを具備するゴルフボールにおいて、上記中間層の少なくとも1層を、高酸含量の非イオン性ポリマーと低・中酸含量の非イオン性ポリマーとをブレンドし、酸含量を特定範囲に中和させた材料で形成し、かつ上記カバーを、高酸含量のイオン性ポリマー及び/又は低・中酸含量のイオン性ポリマーを含有する材料で形成することにより、より一層の高反発性・低スピン性能を有し、更に耐久性にも優れたゴルフボールが得られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のゴルフボールを提供する。
〔1〕コアと、少なくとも1層の中間層と、最外層のカバーとを具備するゴルフボールにおいて、上記中間層の少なくとも1層が、
(a)重量平均分子量(Mw)が40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%以上である非イオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体と、
(b)重量平均分子量(Mw)が40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が4.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%未満である非イオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体と、
(c)有機酸又はその金属塩と、
(d)上記(a)〜(c)成分中の酸基のうち70モル%以上を中和するための塩基性無機金属化合物と
を含有し、その材料硬度がショアD硬度で40〜60である樹脂組成物で形成され、上記カバーが、
(A)重量平均分子量(Mw)=40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=4.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%以上であるイオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、及び/又は
(B)重量平均分子量(Mw)=40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=4.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%未満であるイオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体
を含有し、その材料硬度がショアD硬度で55以上である樹脂組成物で形成されることを特徴とするゴルフボール。
〔2〕上記(a)成分及び(b)成分の混合割合が、質量比で(a):(b)=20:80〜80:20、上記(c)成分の配合量が上記(a)成分及び(b)成分の合計量100質量部に対して30〜80質量部であり、かつ上記(A)成分及び(B)成分の混合割合が、質量比で(A):(B)=20:80〜80:20である〔1〕記載のゴルフボール。
〔3〕上記(c)成分が、ステアリン酸又はその金属塩である〔1〕又は〔2〕記載のゴルフボール。
〔4〕上記(a)成分、(b)成分、(A)成分及び(B)成分に含まれる不飽和カルボン酸が、アクリル酸又はメタクリル酸である〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のゴルフボール。
本発明のゴルフボールは、反発性が高く、優れた低スピン効果を有し、耐久性にも優れるゴルフボールである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボールは、コアと、少なくとも1層の中間層と、最外層のカバーとを具備するものであり、上記中間層の少なくとも1層を、高酸含量の非イオン性ポリマーと低・中酸含量の非イオン性ポリマーとをブレンドし、酸含量を特定範囲に中和させた材料で形成し、かつ上記カバーを、高酸含量のイオン性ポリマー及び/又は低・中酸含量のイオン性ポリマーを含有する材料で形成したものである。
まず、コアは、公知の基材ゴムに、共架橋剤、有機過酸化物、不活性充填剤、硫黄、有機硫黄化合物等を含有するゴム組成物を用いて形成することができる。この場合、該基材ゴムとしては、ポリブタジエンが好ましく用いられる。
また、上記の基材ゴムには、不飽和カルボン酸及びその金属塩等の共架橋剤、酸化亜鉛、硫酸バリウム及び炭酸カルシウム等の無機充填剤、ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩等の有機硫黄化合物、ジクミルパーオキサイドや1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物等を適宜配合することができる。また、必要により、市販品の老化防止剤等を適宜添加することができる。
上記成分を含有するコア用ゴム組成物は、通常の混練機、例えばバンバリーミキサーやロール等を用いて混練することにより調製される。また、該ゴム組成物を用いてコアを成形する場合、所定のコア用金型を用いて圧縮成形又は射出成形等により成形すればよい。得られた成形体については、ゴム組成物に配合された架橋剤及び共架橋剤が作用するのに十分な温度条件で加熱硬化し、所定の硬度分布を有するコアとする。加硫条件は特に限定されるものではないが、例えば、架橋剤としてジクミルパーオキサイドを用い、共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用いた場合には、通常約100〜200℃、特に150〜180℃で10〜40分、特に12〜20分の条件とされる。
上記の製造方法により得られるコアの直径は、特に制限されないが、25.0mm以上とすることが好ましく、より好ましくは30.0mm以上、更に好ましくは35.0mm以上とすることができる。また、直径の上限にも制限はないが、好ましくは40.0mm以下、より好ましくは39.5mm以下である。
なお、上記コアの構造については1層に限られず、2層以上の多層構造としてもよい。コアを多層構造とすることにより、ドライバー打撃時のスピン量を低減させることができ、更なる飛距離増大を図ることができる。また、打撃時のスピン特性及びフィーリング特性を更に改良することもできる。この場合、上記コアは、少なくとも内層コア(内芯球)及び外層コアを具備するものとなる。
本発明のゴルフボールは、上記コアを被覆する少なくとも1層の中間層と、該中間層を被覆するカバーとを有するものである。以下、上記中間層及びカバーを形成する材料について詳述する。
上記中間層を形成する材料は、(a)重量平均分子量(Mw)が40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%以上である非イオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体と、(b)重量平均分子量(Mw)が40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が4.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%未満である非イオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体とをベース樹脂とするものである。
上記(a)成分の重量平均分子量(Mw)は、40,000〜200,000であり、好ましくは40,000〜150,000である。(a)成分の重量平均分子量(Mw)が小さすぎた場合は、材料を調製する際に、流動性が高くなりすぎてペレットの形状が不均一なものとなりやすい。そして、形状が不均一なペレットは、使用時にフィードが安定せず材料の不均一化を招くことが多い。かつ、ゴルフボールとして十分な反発性を得ることが困難となる。大きすぎた場合は、流動性が低くなりすぎて良好な成形性が得られないことがある。また、(a)成分の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の値は、2.0〜10.0であり、好ましくは2.5〜7.5である。この値が、上記範囲から逸脱した場合は、材料がガラス状になってしまい、ゴルフボール用材料としての耐久性が得られないことがある。
一方、(b)成分の重量平均分子量(Mw)は、40,000〜200,000であり、好ましくは50,000〜190,000である。(b)成分の重量平均分子量(Mw)が小さすぎた場合は、材料を調製する際に、流動性が高くなりすぎてペレットの形状が不均一なものとなりやすい。そして、形状が不均一なペレットは、使用時にフィードが安定せず材料の不均一化を招くことが多く、硬くなりすぎてしまうことがある。また、ゴルフボールとしての打感や耐久性を損ねることが多い。大きすぎた場合は、流動性が低くなりすぎて良好な成形性が得られないことがある。また、(b)成分の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の値は、4.0〜10.0であり、好ましくは4.0〜9.5である。この値が、上記範囲から逸脱した場合は、材料がガラス状になってしまい、ゴルフボール用材料としての耐久性が得られないことがある。
ここで、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算にて算出されるものである(以下、同様。)。GPC分子量測定に関して述べると、2元共重合体及び3元共重合体は、分子中の不飽和カルボン酸基により、その分子がGPCのカラムに吸着されるため、そのままではGPC測定ができない。通常、不飽和カルボン酸基をエステル化後にGPC測定を行い、ポリスチレン換算した平均分子量Mw及びMnを算出する。
(a)成分又は(b)成分中のオレフィンは、炭素数2〜6が好ましく、特に、エチレンが好ましい。また、(a)成分又は(b)成分中の不飽和カルボン酸は、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)等であることが好適であり、特にメタクリル酸(MAA)であることが好適である。また、(a)成分又は(b)成分中の不飽和カルボン酸エステルは、適切な反発性及び硬度を得る観点から、アルキルエステルであることが好ましく、特に炭素数1〜8の低級アルキルエステルであることが好ましい。その中で最も好ましいものは、アクリル酸ブチル(n−アクリル酸ブチル、i−アクリル酸ブチル)である。
(a)成分中の不飽和カルボン酸の含有量(酸含量)は、16質量%以上であり、好ましくは16〜23質量%、より好ましくは16〜22質量%である。(a)成分の酸含量が低すぎた場合、十分な反発性が得られなくなるおそれがある。
一方、(b)成分中の不飽和カルボン酸の含有量(酸含量)は、16質量%未満であり、好ましくは7〜15質量%である。(b)成分の酸含量が高すぎた場合、耐久性が悪くなるおそれがある。
本発明では、(a)成分と(b)成分とを併用することが必要である。この場合、(a)成分及び(b)成分の混合割合は、特に制限されるものではないが、質量比で(a):(b)=20:80〜80:20とすることができ、好ましくは30:70〜70:30である。(a)成分の割合が上記範囲よりも小さくなると、ボールの反発性が十分に得られなくなるおそれがある。また、(a)成分の割合が上記範囲よりも大きくなると、ボールの耐久性が悪くなるおそれがある。
上記の(a)成分及び(b)成分は、市販品を使用することができ、具体例として、「ニュクレル」シリーズ(三井・デュポンポリケミカル社製)や「エスコール」シリーズ(ExxonMobil Chemical社製)等を例示することができる。
次に、(c)成分の有機酸又はその金属塩は、特に限定されないが、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、マレイン酸、又はこれらの金属塩の群から選ばれる1種又は2種以上であることが好適である。特に、ステアリン酸、オレイン酸及びこれらの混合物の群から選ばれることが好ましい。また、(c)成分の有機酸金属塩は金属石鹸であり、その金属塩としては、1〜3価の金属イオンが用いられるものであり、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム及び亜鉛の群から好適に選ばれ、特に、ステアリン酸金属塩を使用することが好ましい。具体的には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウムを使用するが好ましく、この中では特にステアリン酸マグネシウムを使用することが好適である。
上記(c)成分の配合量は、特に制限されるものではないが、上記(a)成分及び(b)成分の合計量100質量部に対して、30〜80質量部とすることができ、好ましくは40〜80質量部である。上記(c)成分の配合量が少ないと、樹脂組成物の流動性を十分に確保することが困難になり、逆に、配合量が多いと、ゴルフボールの耐久性が悪くなるおそれがある。
上記(d)成分の塩基性無機金属化合物の金属イオンとしては、例えば、Na+、K+、Li+、Zn2+、Ca2+、Mg2+、Cu2+、Co2+等を挙げることができ、好ましくはNa+、Zn2+、Ca2+、Mg2+であり、より好ましくはMg2+である。これら金属塩は、ギ酸塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物及び水酸化物などを使用して、樹脂中へ導入することができる。
上記(d)成分は、上記(a)〜(c)成分中の酸基を中和するための成分であり、その配合量は上記(a)〜(c)成分中の酸基に対して70モル%以上に相当する量とすることができる。この場合、上記(d)成分の配合量は、所望の中和度を得るために適宜選定することができる。より具体的には、用いられる(a)成分及び(b)成分の中和度にもよるが、本発明ではおおむね(a)成分及び(b)成分の合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部とすることができ、好ましくは1〜5質量部とすることができる。
上記(a)〜(c)成分中の酸基の中和度は70モル%以上である必要があり、好ましくは75モル%以上、より好ましくは80モル%以上であり、上限として、好ましくは120モル%以下、より好ましくは110モル%以下、更に好ましくは100モル%以下である。上記の数値範囲を満たさないと、ボールの耐久性が劣ったり、高い反発性が得られなくなるおそれがある。また、中和度が高すぎると、適度な柔軟な材料硬度が得られ難くなり、射出成形時の成形性が悪くなるおそれがある。
上記(a)〜(d)成分の総量は、中間層用材料の全量に対して、50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
上記中間層用材料には、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の熱可塑性樹脂を配合することができる。上記熱可塑性樹脂としては、これらに限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系エラストマー(ポリオレフィン、メタロセンポリオレフィン含む)、ポリスチレン系エラストマー、ジエン系ポリマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアセタールなどを任意に配合することができる。
更に、上記中間層用材料には、更に、顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤及び光安定剤等の各種添加剤を適宜配合することができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量は、特に制限されるものではないが、上記(a)〜(d)成分の合計量100質量部に対して、0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上とすることができる。また、配合量の上限も特に制限されないが、10質量部以下、好ましくは4質量部以下である。
上記中間層用材料のメルトインデックス(MI)は、特に制限されるものではないが、射出成形時の流動性、成形加工性を良好なものにするために、好ましくは1.0g/10min以上、より好ましくは2.0g/10min以上、更に好ましくは3.0g/10min以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは20.0g/10min以下、より好ましくは15.0g/10min以下、更に好ましくは10.0g/10min以下であることが推奨される。なお、上記のメルトインデックス(MI)は、JIS−K7210に準拠して測定されるものであり、ここでは試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)の条件下で得られた測定値を意味する(以下、同様。)。
上記中間層用材料の材料硬度は、適度に柔軟な硬度を得る観点から、ショアD硬度で40以上とすることができ、好ましくは45以上、より好ましくは50以上とすることができる。また、その上限は、60以下である。材料硬度が低すぎた場合は、良好な反発性を得ることができない。高すぎた場合は、耐久性が悪化するおそれがある。
上記中間層用材料の調製する方法としては、公知の混練方法を採用し得、特に制限されるものではないが、本発明では押出機を用いて混練する方法を好適に採用し得る。この場合、押出機としては、単軸押出機及び二軸押出機のいずれも使用することができるが、本発明ではより混練効果が高い二軸押出機を好適に用いることができる。また、複数の押出機を連結した連結型の押出機を用いることもでき、例えば、単軸押出機−二軸押出機、二軸押出機−二軸押出機等の二段連結タイプが挙げられる。なお、これらの装置の付帯設備を含めた構成は特別なものではなく、既存の構成で十分に対応することができる。押出機を用いて、上記中間層用材料を調製する場合、その方法は特に制限されるものではないが、上記(a)〜(d)成分を所定の配合となる比率で同一のホッパーに投入し、該ホッパーに接続されるフィーダーにより押出機に供給する構成とすればよい。また、(c)成分については、定量供給やブリッジ防止の観点から、ホッパーを他の成分とは別に設けて、別のフィーダーから押出機に供給する構成としてもよい。
上記の中間層用材料を用いて上記コアの周囲に中間層を形成する方法としては、公知の方法を採用し得、例えば、上記コアを所定の射出成形用金型内に配置し、上記中間層用材料を射出する方法や、予め半殻球状に成形した一対のハーフカップでコアを包み加熱加圧成形する方法を好適に用いることができる。
ここで形成される中間層の厚さは、特に制限されないが、0.5mm以上とすることが好ましく、より好ましくは0.7mm以上、更に好ましくは1.0mm以上とすることができる。また、厚さの上限にも制限はないが、好ましくは3.5mm以下、より好ましくは3.0mm以下である。なお、上記の厚さは、中間層が2層以上である場合は、全ての層の厚さの合計を意味する。
次に、上記カバーは、
(A)重量平均分子量(Mw)=40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=4.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%以上であるイオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、及び/又は
(B)重量平均分子量(Mw)=40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=4.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%未満であるイオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体を含有する材料で形成される。上記の共重合体は、オレフィン類に、任意にエステル又はカルボン酸、及び他の選択されたモノマー類を、触媒(及び可能な他の触媒成分)を含む遷移金属と接触させることで生成されるものである。
上記(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、40,000〜200,000であり、好ましくは40,000〜150,000である。(A)成分の重量平均分子量(Mw)が小さすぎた場合は、材料を調製する際に、流動性が高くなりすぎてペレットの形状が不均一なものとなりやすい。そして、形状が不均一なペレットは、使用時にフィードが安定せず材料の不均一化を招くことが多い。かつ、ゴルフボールとして十分な反発性を得ることが困難となる。大きすぎた場合は、流動性が低くなりすぎて良好な成形性が得られないことがある。また、(A)成分の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の値は、4.0〜10.0であり、好ましくは4.0〜7.5である。この値が、上記範囲から逸脱した場合は、材料がガラス状になってしまい、ゴルフボール用材料としての耐久性が得られないことがある。
一方、(B)成分の重量平均分子量(Mw)は、40,000〜200,000であり、好ましくは50,000〜190,000である。(B)成分の重量平均分子量(Mw)が小さすぎた場合は、材料を調製する際に、流動性が高くなりすぎてペレットの形状が不均一なものとなりやすい。そして、形状が不均一なペレットは、使用時にフィードが安定せず材料の不均一化を招くことが多く、硬くなりすぎてしまうことがある。また、ゴルフボールとしての打感や耐久性を損ねることが多い。大きすぎた場合は、流動性が低くなりすぎて良好な成形性が得られないことがある。また、(B)成分の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の値は、4.0〜10.0であり、好ましくは4.0〜9.5である。この値が、上記範囲から逸脱した場合は、材料がガラス状になってしまい、ゴルフボール用材料としての耐久性が得られないことがある。
(A)成分又は(B)成分中のオレフィンは、炭素数2〜6が好ましく、特に、エチレンが好ましい。また、(A)成分又は(B)成分中の不飽和カルボン酸は、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)等であることが好適であり、特にメタクリル酸(MAA)であることが好適である。また、(A)成分又は(B)成分中の不飽和カルボン酸エステルは、適切な反発性及び硬度を得る観点から、アルキルエステルであることが好ましく、特に炭素数1〜8の低級アルキルエステルであることが好ましい。その中で最も好ましいものは、アクリル酸ブチル(n−アクリル酸ブチル、i−アクリル酸ブチル)である。
(A)成分中の不飽和カルボン酸の含有量(酸含量)は、16質量%以上であり、好ましくは16〜23質量%、より好ましくは16〜21質量%である。(A)成分の酸含量が低すぎた場合、十分な反発性が得られなくなるおそれがある。
一方、(B)成分中の不飽和カルボン酸の含有量(酸含量)は、16質量%未満であり、好ましくは7〜15質量%である。(B)成分の酸含量が高すぎた場合、耐久性が悪くなるおそれがある。
本発明では、(A)成分と(B)成分とを併用することが必要である。この場合、(A)成分及び(B)成分の混合割合は、特に制限されるものではないが、質量比で(A):(B)=20:80〜80:20とすることができ、好ましくは30:70〜70:30である。(A)成分の割合が上記範囲よりも小さくなると、ボールの反発性が十分に得られなくなるおそれがある。また、(A)成分の割合が上記範囲よりも大きくなると、ボールの耐久性が悪くなるおそれがある。
上記の(A)成分及び(B)成分は、市販品を使用することができ、具体例として、「アイオテック」シリーズ(ExxonMobil Chemical社製)、「サーリン」シリーズ(米国デュポン社製)及び「ハイミラン」シリーズ(三井・デュポンポリケミカル社製)等を例示することができる。
上記(A)及び(B)成分の総量は、カバー用材料の全量に対して、50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
上記カバー用材料には、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の熱可塑性樹脂を配合することができる。上記熱可塑性樹脂としては、これらに限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系エラストマー(ポリオレフィン、メタロセンポリオレフィン含む)、ポリスチレン系エラストマー、ジエン系ポリマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアセタールなどを任意に配合することができる。
更に、上記カバー用材料には、顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤及び光安定剤等の各種添加剤を適宜配合することができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量は、特に制限されるものではないが、上記(A)及び(B)成分の合計量100質量部に対して、0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上とすることができる。また、配合量の上限も特に制限されないが、10質量部以下、好ましくは4質量部以下である。
上記カバー用材料の材料硬度は、耐久性、反発性、耐擦過傷性などの観点から、ショアD硬度で50以上とすることができ、好ましくは55以上とすることができる。また、その上限は、70以下である。材料硬度が低すぎた場合は、耐擦過傷性が悪くなることがあり、高すぎた場合は、耐久性が悪くなることがある。
上記カバー用材料を調製する方法としては、公知の混練方法を採用し得、特に制限されるものではないが、本発明では押出機を用いて混練する方法を好適に採用し得る。この場合、押出機としては、単軸押出機及び二軸押出機のいずれも使用することができるが、本発明ではより混練効果が高い二軸押出機を好適に用いることができる。また、複数の押出機を連結した連結型の押出機を用いることもでき、例えば、単軸押出機−二軸押出機、二軸押出機−二軸押出機等の二段連結タイプが挙げられる。なお、これらの装置の付帯設備を含めた構成は特別なものではなく、既存の構成で十分に対応することができる。
上記のカバー用材料を用いて上記中間層の周囲にカバーを形成する方法としては、公知の方法を採用し得、例えば、コアの周囲に中間層を形成した球体を所定の射出成形用金型内に配置し、上記カバー用材料を射出する方法や、予め半殻球状に成形した一対のハーフカップで上記球体を包み加熱加圧成形する方法を好適に用いることができる。
ここで形成されるカバーの厚さは、特に制限されないが、0.5mm以上とすることが好ましく、より好ましくは0.7mm以上、更に好ましくは1.0mm以上とすることができる。また、厚さの上限にも制限はないが、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下である。
本発明のゴルフボールでは、上記中間層用材料で形成した中間層と、上記カバー用材料で形成したカバーとを組み合わせることにより、材料間のエネルギーロスを減らすことができるため、優れた反発性及び耐久性を付与することができる。
本発明のゴルフボールにおいては、特に制限されるものではないが、更に空力特性を改善して飛距離を向上させるために、通常のゴルフボールと同様にカバーの表面に多数のディンプルを形成することができる。上記ディンプルの種類の数及び総数等を適正化することにより、弾道がより安定し、飛距離性能に優れたものとすることができる。なお、ゴルフボールのデザイン性や耐久性を向上させるために、該カバー上に下地処理、スタンプ、塗装等の種々の処理を行うことも任意である。
また、上記の各材料を使用したゴルフボールの硬度、即ち、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ変形量(mm)は、特に制限されるものではないが、好ましくは3.0mm以上、より好ましくは3.1mm以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.5mm以下である。
以上説明したように、本発明のゴルフボールは、重量平均分子量、及び分子量分布の広さ(重量平均分子量/数平均分子量)の特定範囲が異なる2種の非イオン性樹脂をベース樹脂とし、これに有機酸又はその金属塩及び中和可能な塩基性無機金属化合物を添加した高中和樹脂混合物で形成される中間層と、特定範囲の重量平均分子量、及び分子量分布の広さ(重量平均分子量/数平均分子量)を有するイオン性樹脂で形成されるカバーとを組み合わせることにより、優れた反発性及び耐久性を有するものとなる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〜5、比較例1〜6〕
下記の配合のゴム組成物を調製した後、155℃、20分間の条件で加硫成形することにより直径37.5mmのソリッドコアを作製した。
コア配合
シス−1,4−ポリブタジエン 100 質量部
酸化亜鉛 5.0質量部
硫酸バリウム 26.0質量部
老化防止剤 0.1質量部
アクリル酸亜鉛 23.0質量部
架橋剤(有機過酸化物) 1.2質量部
次いで、上記で作製したコアの周囲に、表1に示す中間層用材料を射出成形により被覆して、直径40.2mmの中間層を被覆した球体を得た後、該球体の周囲に表1に示すカバー用材料を射出成形により被覆して、直径42.7mmのスリーピースソリッドゴルフボールを作製した。なお、ここでは特に説明しないが、実施例及び比較例で作製した全てのボールの表面には、同一の態様で多数のディンプルが形成され、公知のウレタン塗料によるクリア塗装が施されている。また、上記中間層用材料は、表1に示した各原料(単位:質量部)を混練型二軸押出機に供給し、通常の条件で混練りすることにより調製した。ここで得られた材料は、長さ3mm、直径1〜2mmのペレット状であった。
得られた実施例及び比較例の各ゴルフボールについて、諸特性を下記の通り評価した。結果を表1に併記する。
Figure 0005817367

*上記の配合量の数字は質量部で表される。
上記表中の各材料の詳細は下記の通りである。
MAA系 非イオン性樹脂(1)
エチレン−メタクリル酸−イソブチレンアクリレート三元共重合体、商品名「ニュクレルN035C」(三井・デュポンポリケミカル社製)、酸含量10質量%、Mw「155,000」、Mw/Mn「5.76」
MAA系 非イオン性樹脂(2)
エチレン−メタクリル酸二元共重合体、商品名「ニュクレルN2060」(三井・デュポンポリケミカル社製)、酸含量20質量%、Mw「73,400」、Mw/Mn「3.12」
MAA系 非イオン性樹脂(3)
エチレン−メタクリル酸二元共重合体、商品名「ニュクレルN2030H」(三井・デュポンポリケミカル社製)、酸含量20質量%、Mw「49,500」、Mw/Mn「4.83」
AA系 非イオン性樹脂(4)
エチレン−アクリル酸二元共重合体、商品名「ニュクレルAN4221C」(三井・デュポンポリケミカル社製)、酸含量12質量%、Mw「181,000」、Mw/Mn「6.99」
MAA系 イオン性樹脂(5)
エチレン−メタクリル酸−イソブチレンアクリレート三元共重合体、Mg系アイオノマー、商品名「サーリン6320」(米国デュポン社製)、酸含量9.6質量%、Mw「181,000」、Mw/Mn「4.98」
MAA系 イオン性樹脂(6)
エチレン−メタクリル酸二元共重合体、Na系アイオノマー、商品名「ハイミランAM7318」(三井・デュポンポリケミカル社製)、酸含量18質量%、Mw「104,000」、Mw/Mn「4.65」
MAA系 イオン性樹脂(7)
エチレン−メタクリル酸二元共重合体、Zn系アイオノマー、商品名「ハイミランAM7329」(三井・デュポンポリケミカル社製)、酸含量15質量%、Mw「85,900」、Mw/Mn「4.86」
MAA系 非イオン性樹脂(8)
エチレン−メタクリル酸二元共重合体、商品名「ニュクレルN1035」(三井・デュポンポリケミカル社製)、酸含量10.5質量%、Mw「168,000」、Mw/Mn「6.39」
なお、上記の各ポリマーの分子量及び分子量分布は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)における測定で、ポリスチレン換算にて算出したものである。
ステアリン酸マグネシウム
商品名「マグネシウムステアレートG」(日油(株)製)
上記の材料及びゴルフボールの諸物性の測定方法は下記の通りである。
MI(g/10min)
JIS−K7210に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下での測定値。
材料硬度(ショアD)
組成物を厚さ2mmのシート状に成形し、それを3枚重ね合わせてショアD硬度計にて測定した。
たわみ変形量(mm)
23±1℃の温度で、ゴルフボールを鋼板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときの変形量を計測した。
初速度(m/s)
初速はR&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定した。ボールは23±1℃の温度で3時間以上温調し、同温度で測定した。250ポンド(113.4kg)のヘッド(ストライキングマス)を使って打撃速度143.8ft/s(43.83m/s)にてボールを打撃した。10個のボールを各々2回打撃して6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を計測し、初速を計算した。15分間でこのサイクルを行った。
連続打撃時の耐久性
米国Automated Design Corporation製のADC Ball COR Durability Testerにより、ボールの耐久性(Durability)を評価した。ボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させ、ボールが割れるまでに要した発射回数の平均値を用い、下記の基準に従って耐久性を評価した。(この場合、平均値とは、同種のボールを4個用意し、それぞれのボールを発射させて4個のボールがそれぞれ割れるまでに要した発射回数を平均化した値である。試験機のタイプは、縦型CORであり、金属板への入射速度を43m/sとした。)
○:150回以上
△:100〜150回
×:100回以下
耐擦過傷性
ノンメッキのピッチングサンドウェッジを打撃ロボットにセットし、ヘッドスピード40m/sにて1回打撃し、ボール表面の状態を目視にて観察し、下記の基準に従って評価した。
○:擦過傷が目立たない
△:塗料の剥離が目立つ
×:ささくれが目立つ
上記表1の結果から分かるように、比較例1〜6のゴルフボールは、下記の欠点を有する。
比較例1は、中間層用材料のベース樹脂として酸含量16質量%未満の非イオン性樹脂を単独で用いたものであるが、実施例1、2及び3に比べてボール硬度(たわみ変形量)は軟化し耐久性は良いが、反発性(初速度)は低下した。
比較例2は、中間層用材料のベース樹脂として酸含量16質量%以上の非イオン性樹脂を単独で用いたものであるが、実施例1、2及び3に比べてボールの反発性は向上したが、材料硬度が高く耐久性が低下した。
比較例3は、中間用材料のベース樹脂として酸含量16質量%以上の非イオン性樹脂と酸含量16質量%未満のイオン性樹脂とを組み合わせて用いたものであるが、実施例1、2及び3に比べてボール硬度は軟化したが、反発性も低下した。
比較例4は、中間層用材料のベース樹脂として酸含量16質量%未満の非イオン性アクリル酸系樹脂を単独で用いたものであるが、実施例4に比べて材料硬度が高くなり、ボールの耐久性が低下した。
比較例5は、中間層用材料のベース樹脂として酸含量16質量%未満の非イオン性樹脂を単独で用い、かつカバー用材料のベース樹脂として酸含量16質量%未満のイオン性樹脂を単独で用いたものであるが、実施例1、2及び3に比べてボールの反発性が低下した。
比較例6は、カバー用材料のベース樹脂としてイオン性樹脂と非イオン性樹脂とを併用したものであるが、実施例1に比べてボールの反発性が低下し、またボール表面の耐擦過傷性も悪かった。

Claims (4)

  1. コアと、少なくとも1層の中間層と、最外層のカバーとを具備するゴルフボールにおいて、上記中間層の少なくとも1層が、
    (a)重量平均分子量(Mw)が40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%以上である非イオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体と、
    (b)重量平均分子量(Mw)が40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が4.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%未満である非イオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体と、
    (c)有機酸又はその金属塩と、
    (d)上記(a)〜(c)成分中の酸基のうち70モル%以上を中和するための塩基性無機金属化合物と
    を含有し、その材料硬度がショアD硬度で40〜60である樹脂組成物で形成され、上記カバーが、
    (A)重量平均分子量(Mw)=40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=4.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%以上であるイオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、及び/又は
    (B)重量平均分子量(Mw)=40,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=4.0〜10.0であり、かつ不飽和カルボン酸の含量が16質量%未満であるイオン性のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体
    を含有し、その材料硬度がショアD硬度で55以上である樹脂組成物で形成されることを特徴とするゴルフボール。
  2. 上記(a)成分及び(b)成分の混合割合が、質量比で(a):(b)=20:80〜80:20、上記(c)成分の配合量が上記(a)成分及び(b)成分の合計量100質量部に対して30〜80質量部であり、かつ上記(A)成分及び(B)成分の混合割合が、質量比で(A):(B)=20:80〜80:20である請求項1記載のゴルフボール。
  3. 上記(c)成分が、ステアリン酸又はその金属塩である請求項1又は2記載のゴルフボール。
  4. 上記(a)成分、(b)成分、(A)成分及び(B)成分に含まれる不飽和カルボン酸が、アクリル酸又はメタクリル酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフボール。
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