JP2008023332A - ゴルフボール用材料、ゴルフボール、及びゴルフボール用材料の製造方法 - Google Patents

ゴルフボール用材料、ゴルフボール、及びゴルフボール用材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本発明は、(A)2種以上の異種金属イオンをそれぞれマスターバッチ化した材料(A1)または2種以上の異種金属イオンを同時にマスターバッチ化した材料(A2)、(B)ジエン系ポリマー、熱可塑性ポリマー、及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択されたポリマー、及び(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択されたポリマーを配合したゴルフボール用材料、製造方法及びゴルフボールを提供する。
【効果】本発明は、熱安定性、流動性、成形性が良好で、射出成形に適しており、しかも成形物の反発性を損なうことなく、耐久性、耐擦過傷性、柔軟性等に優れる高性能のゴルフボールを形成するのに最適な材料である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱安定性、流動性、成形性が良好で、しかも反発性、耐久性、柔軟性等に優れる高性能のゴルフボールを得ることができるゴルフボール用材料、該ゴルフボール用材料の製造方法及び該ゴルフボール用材料の成形物を構成要素として具備するゴルフボールに関する。
近年より、ゴルフボールのカバー材にはアイオノマー樹脂が広く用いられている。アイオノマー樹脂は、エチレン等のオレフィンと、アクリル酸、メタクリル酸あるいはマレイン酸等の不飽和カルボン酸からなるイオン性共重合体の酸性基を、部分的にナトリウム,リチウム,亜鉛,マグネシウム等の金属イオンで中和したもので、耐久性、反発性、耐擦過傷性などの面で優れた性質を有している。
現在、アイオノマー樹脂はゴルフボールカバー材のベース樹脂の主流であるが、常にユーザーからは高反発性を有し飛行特性に優れたゴルフボールが求められており、様々な改良が行われている。
例えば、アイオノマーカバー材の反発性、コスト性を改善する提案として、アイオノマー樹脂に多量の金属せっけんを添加したカバー材(例えば、米国特許第5312857号明細書,米国特許第5306760号明細書,国際公開第98/46671号パンフレット)等を挙げることができる。
しかしながら、これら提案は、カバー材中の金属せっけんが射出成形時に分解・気化して多量の脂肪酸ガスを発生させるため、成形不良を起こし易く、発生したガスが成形物の表面に付着して塗装性を著しく低下させる。しかも、金属せっけんの種類によっては、成形性、反発性を著しく損なわせる場合があり、実用レベルからは程遠いものである。
また、一般にアイオノマーカバー材料において、反発性と耐久性(耐カット性、耐低温衝撃性など)を向上する目的で異種金属のアイオノマーを混練後、ゴルフボールカバーとして使用することが頻繁に行われている。例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のナトリウムアイオノマーにエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の亜鉛アイオノマーを混練し、反発性を向上したゴルフカバー材料として、ゴルフボールカバーに使用されている(米国特許第3819768号明細書)。しかしながら、この製法においては、一旦、異種金属の各アイオノマーを調製した上で、各アイオノマーを一緒に溶融混練し、コルフカバー材料を得ており、このように、ツーステップで行われているため、熱履歴や混練不足による物性低下やコストアップに繋がることが懸念された。
更に、最近、ゴルフボール材料用アイオノマーで、第一成分として、例えばエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、第二成分として、異種の熱可塑性樹脂を用い、両者を混練後、その樹脂組成物中に分散された第一成分の酸を、第三成分として、金属イオン種を配合して中和し、IPN構造を有する、均一相で高反発弾性の材料が開発されている(米国特許出願公開第2004/0044136号明細書)。しかし、この製法においては、上述の如く、単一の金属イオン含有樹脂材料なので、異種金属イオンの組み合わせ樹脂材料に比較し、物性低下が懸念された。また、金属イオン種である金属酸化物、金属水酸化物、または金属炭酸塩などの固体(粉、粒状)を直接使用するため、しかも第一成分の酸含量が多いと酸の中和に要する金属イオン種を多量に配合する必要があるため、金属イオン種の配合時、分散不良を起こし、未反応の金属イオン種が残存する場合があり、また、部分中和反応(不完全中和度)を起こし、押出機でのワンステップ(一段反応)では目標とする中和度に達することができず、数回パスをするため、生成したアイオノマー材料の物性低下に繋がることが懸念された。
米国特許第5312857号明細書 米国特許第5306760号明細書 国際公開第98/46671号パンフレット 米国特許第3819768号明細書 米国特許出願公開第2004/0044136号明細書
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ワンステップ(1段反応)で、異種金属イオン共存による酸含有ポリマー組成物中の酸中和反応を同時に完結させ、目標とする酸の中和度を達成し、異種金属イオン架橋(異種金属アイオノマー)が共存する材料を得ることができる、即ち、熱安定性、流動性、成形性が良好で、しかも反発性を損なうことなく、耐久性、耐擦過傷性、適正硬度等に優れる高性能のゴルフボールを得ることができるゴルフボール用材料の製造方法と該ゴルフボール用材料の成形物を構成要素として具備するゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、酸素含有無機金属化合物等の金属イオン種を用い、これらをマスターバッチ化したものを2種以上(A1)、または異種金属イオン種を同時に含むマスターバッチ(A2)を使用する(以下、A1及びA2を含め、総称してAと略す)と共にニーディングディスクゾーンを有する反応用二軸押出機の使用により、(B)ジエン系ポリマー、熱可塑性ポリマー、及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマー、及び(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマーを配合して得られる(B)成分及び(C)成分の酸含有ポリマー組成物に、(A)成分を配合した場合、(A)成分による(B)成分及び(C)成分中の酸の中和反応がスムーズに進み、ワンステップ(一段反応)で均一な異種金属イオン架橋が共存した材料が得られることを知見した。更に、上記ゴルフボール用材料は、意外にも熱安定性、流動性、成形性が良好で、射出成形に適しており、しかも成形物の反発性を損なうことなく、耐久性、耐擦過傷性、柔軟性等に優れる高性能のゴルフボールを形成するのに最適な材料であることを知見した。
また、本発明者らは更に検討を行ったところ、上記ゴルフボール用材料の成形物を構成要素(例えば、コアとこのコアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、一層以上のコアとこのコアを被覆する一層以上の中間層とこの中間層を被覆する一層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材、以下、同じ。)として具備したゴルフボールは、反発性を損なうことなく、優れた耐久性、耐擦過傷性、柔軟性を有することを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記のゴルフボール用材料、該ゴルフボール用材料の製造方法、及び該ゴルフボール用材料の成形物を構成要素として具備するゴルフボールを提供する。
即ち、本発明は、下記〔I〕〜〔III〕に示されるゴルフボール用材料、ゴルフボール、及びゴルフボール用材料の製造方法を提供する。
〔I〕下記(A)〜(C)成分、
(A)2種以上の異種金属イオンをそれぞれマスターバッチ化した材料(A1)または2種以上の異種金属イオンを同時にマスターバッチ化した材料(A2)
(B)ジエン系ポリマー、熱可塑性ポリマー、及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマー、
及び
(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマー
を必須成分として配合してなることを特徴とするゴルフボール用材料。
〔II〕上記(A)〜(C)成分を配合してなるゴルフボール用材料の製造方法において、予め上記(B)成分及び(C)成分を溶融混練し、その配合組成物に(A)成分を配合することにより、ワンステップで酸含有ポリマー中の酸中和反応を行うことを特徴とするゴルフボール用材料の製造方法。
〔III〕上記ゴルフボール用材料の成形物を構成要素として用いることを特徴とするゴルフボール、好ましくは、上記ゴルフボール用材料を、コアと該コアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材として用いることを特徴とするゴルフボール。
本発明のゴルフボール用材料及びその製造方法によれば、ワンステップ(1段反応)で、酸含有ポリマー中の酸中和反応を完結せしめ、異種金属イオン架橋の材料を得ることにより、2種以上のアイオノマー材料を後工程で混練する必要がなく、熱安定性、流動性、成形性が良好で、しかも反発性を損なうことなく、耐久性、耐擦過傷性、柔軟性等に優れる高性能のゴルフボールを得ることができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボール用材料は、以下に詳述する(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を必須成分として配合したものである。
また、本発明のゴルフボール用材料の製造方法は、異種金属イオンの2種以上を用い、これらの金属イオンをマスターバッチ化した材料を使用することにより、2種以上の異種ポリマーである(B)成分及び(C)成分からなる酸含有ポリマー組成物中の酸中和反応をワンステップ(一段反応)で行い、異種金属イオン架橋が共存する材料を得る方法である。
即ち、(B)成分及び(C)成分からなる酸含有ポリマー組成物中の酸中和反応をワンステップで行うため、中和反応に使用される異種金属イオンのマスターバッチ(2種以上)(A1)、または2種以上の金属イオンを同時に含むマスターバッチ化した材料(A2)について、及び中和反応用押出機、特に、特殊スクリューセグメント配置を有する二軸押出機について、鋭意検討した結果である。
本発明は、ワンステップで異種金属イオンにより、目標とする中和度の中和反応を完結させ、数回パスによって得られるポリマー材料及び異種ポリマーのメルトブレンドによる熱履歴を回避し、より良いゴルフボール材料を製造することを目的として、使用する2種以上の異種金属イオンの各マスターバッチ(2種以上)(A1)または2種以上の金属イオンを同時に含むマスターバッチ(A2)を意味する材料(A)は、異種酸素含有無機化合物をマスバッチ化したものであり、そのマスターバッチ化に使用される異種酸素含有無機金属化合物の平均粒径が0.005〜50μmであり、その粒度分布が0.001〜300μmである。但し、平均粒径が大きすぎると、中和反応が完結しない場合があり、一方、小さすぎると、マスターバッチ化時、分散不良を起こす場合がある。ここで、本発明において平均粒径、粒度分布とは、レーザー回折式粒度分布測定(レーザー回折・散乱法)に準拠して測定した値を意味する。
本発明では、異種金属イオンの2種以上用い、これらの金属イオンをマスターバッチ化した材料を(A)成分として使用する。即ち、2種以上の異種金属イオンをそれぞれマスターバッチ化した材料(A1)(2種以上のマスターバッチを含む。)または2種以上の異種金属イオンを同時にマスターバッチ化した材料(A2)を使用する。このようなマスターバッチ化した材料を使用することにより、(B)成分及び(C)成分からなる酸含有ポリマー組成物中の酸中和反応において、均一に共存する異種酸素含有無機金属化合物を分散させることができ、更に異種金属イオンの均一な反応を促し、ひいては異種金属イオン架橋を有するゴルフボール用材料の均一性状に寄与する。
仮に、金属イオンをマスターバッチ化しない場合、例えば、異種酸素含有無機金属化合物(2種以上)を上記ポリマー組成物(B)及び(C)成分中に直接配合する場合には、その多くの場合、そのポリマー組成物中に異種酸素含有無機金属化合物を均一分散することが困難であり、粉状の塊状物となり、結果として不均一な反応となり、ひいてはゴルフボール用材料の目標とする物性が得られず、不均一性状を有する材料になる。特に、粗粉末状の異種酸素含有無機金属化合物を用いると、ゴルフボール用材料中に未分散塊状物が残存することになる。通常、この場合、何回も押出機をパスすることによって、目標とする中和度の中和反応を完結させている。このような例に、単一の金属イオン種として、水酸化マグネシウムを使用し、酸含有ポリマーを中和するために二軸押出機を数回パスした例が米国特許出願公開第2004/0044136号明細書に記載されている。
上記の異種金属イオンの組み合わせとしては、特に制限はないが、一価金属イオンと二価金属イオンとの組み合わせが好ましく、例えば、Na/Mg,Li/Mg,Na/Zn,Na/Ca及びNa/Zn/Caであることが好ましい。金属イオン種の比率は、一価金属イオン/二価金属イオンが質量比で2/98〜98/2であることが好ましい。
本発明における、2種以上の異種金属イオンをそれぞれマスターバッチ化した材料(A1)または2種以上の異種金属イオンを同時にマスターバッチ化した材料(A2)に使用される異種酸素含有無機化合物としては、金属酸化物、金属炭酸塩、または金属水酸化物であり、金属イオン種は、周期率表第IA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、VIB、VIIB及びVIIIBから選択される。異種の酸素含有無機化合物の具体例としては、これに限定されるものではないが、炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸亜鉛,水酸化マグネシウム,酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム及び酸化亜鉛などが挙げられ、2種以上が使用される。
上記の酸素含有無機金属化合物の平均粒径は、特に制限はないが、0.005〜50μmであることが好ましく、より好ましくは0.010〜20μmである。その粒度分布は、特に制限はないが、0.001〜300μmであることが好ましく、より好ましくは0.005〜100μmである。
また、中和反応後に有機酸を遊離しない非有機酸の異種酸素含有無機金属化合物を優先的にマスターバッチ化すれば、均一な反応を促進することができると共に、製造設備への腐食性を抑制することができるので、このような手段は好適に採用される。
この場合、(A)成分のマスターバッチに用いられるベースポリマー材料としては、高いメルトフローレート(MFR)の値を有するものが好適である。具体的には、MFR値(g/10min)が、好ましくは10g/10min以上、より好ましくは50g/10min以上、更に好ましくは100g/10min以上のものが用いられる。また、液状のワックスも使用することができ、例えば、高MFRのエチレン系ワックス、低酸含量高MFRのエチレン系ポリマー等が挙げられ、具体的には、ポリエチレンワックスAC5120(アクリル酸含有量15質量%、MFR1000g/10分以上、トーメンプラスチック社製)、Nucrel 599(メタクリル酸含有量10質量%、MFR450g/10分、DuPont社製)、Nucrel 699(メタクリル酸含有量11質量%、MFR100g/10分、DuPont社製)、Nucrel N0200H(メタクリル酸含有量2質量%、MFR130g/10min、DuPont社製)などが例示される。
上記の異種酸素含有無機金属化合物の質量%(濃度)は、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%である。マスターバッチ中の異種酸素含有無機金属化合物の質量%(濃度)が高くなり過ぎると、マスターバッチのMFRが0.1g/10min未満と極端に低下してしまう場合がある。この場合、上記酸含有ポリマー組成物〔(B)成分及び(C)成分〕に上記マスターバッチを配合した際、マスターバッチ中の異種酸素含有無機金属化合物の分散不良が起こり、逆に、低濃度の場合、マスターバッチの添加量が多くなり、マスターバッチに使用される高MFRの熱可塑性樹脂(特に、エチレン系ワックス、低酸含量高MFRのエチレン系ポリマー等)の影響が出てしまい、ゴルフボール用材料の物性が低下するおそれがある。
上記(A)成分の配合量は、上記酸含有ポリマー組成物〔(B)及び(C)成分〕の組成物中に含まれる酸基の目標中和度になるよう、必然的に決定される。配合量が多すぎると、過剰中和度になり、ゴルフボール用材料としての流動性(MFR)が低下し、成形性が損なわれる。一方、配合量が少なすぎると、ゴルフボール用材料としての物性、反発弾性や耐久性が損なわれるおそれがある。
上記(A)成分のマスターバッチの調製法としては、加圧ニーダー等のニーダーと強制フィーダ付き二軸一軸押出機(ニーダールーダー含む)、タンデム型押出機(上段:二軸ローター、下段:真空ベント付き押出機)、または真空ベント付き二軸押出機のいずれかを使用することができる。より好ましくは、ニーダーと強制フィーダ付き二軸一軸押出機(ニーダールーダー含む)、又はタンデム型押出機を使用し、これらの押出機により、異種酸素含有無機化合物とベースポリマー材料とをドライブレンド又は個別フィードで混練することができる。その際の混練温度は、通常50℃〜250℃、好ましくは80℃〜230℃の範囲で調製される。
上記(A)成分による酸含有ポリマー組成物〔(B)成分及び(C)成分〕の中和反応は、例えば、二軸押出機,バンバリー,ニーダー,ラボプラストミル等のインターナルミキサー等を用いて、上述の各成分を混合することにより行うことができる。製造押出機としては二軸押出機を使用することが好適であり、特に、下記(i)〜(v)の特徴を有する二軸押出機を用いることが好適である。
(i)スクリュー有効長L/D(スクリューの長さとスクリューの直径との比率)が20以上、好ましくはL/Dが25以上、更に好ましくはL/Dが30以上であること
(ii)スクリューセグメント配置に関して、ニーディングディスクゾーンのL/Dが全体L/Dの10〜90%、好ましくは20〜80%、更に好ましくは30〜70%であること
なお、ニーディングディスクゾーンの構成ディスクは、RKD(Right-handed Kneading Disc),LKD(Left-handed Kneading Disc),リバース(Reverse Disc),各種ニュートラル(Neutral Disc)から構成される。
(iii)スクリューの直径が15mmΦ以上であること
(iv)ベントポート及びそれに連結した真空ラインを有すること
(v)液体滴下又は液体圧注入付帯設備を有すること
本発明において、2種以上の異種金属イオンのマスターバッチ化した材料(A)によるワンステップの中和反応では、上記(B)成分と上記(C)成分とを溶融混合し、溶融状態のポリマー組成物〔(B)成分及び(C)成分〕を調製した後、その溶融状態の樹脂組成物に更に上記(A)成分を配合し、上記ポリマー組成物〔(B)及び(C)成分〕中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和する反応を促進のために、液体を添加(圧注入または滴下)してもよい。この場合、上記の液体としてはROH(Rは水素又はアルキル基)で示される液体を使用することが好ましい。また、上記の液体の添加量は、樹脂押出量全量に対し、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、更に好ましくは1.0〜5.0質量%であることが好適である。
ここで、加熱条件としては、例えば100℃〜250℃とすることができるが、上記(B)成分の融点及び(C)成分の融点のいずれをも超える温度で溶融混合することが好適である。
また、混合方法としては特に制限されるものではないが、(B)成分をより良好に微分散させる観点から、予め(B)成分と(C)成分とを十分に溶融混合したポリマー組成物〔(B)及び(C)成分〕を得た後に、(A)成分〔(A1)成分及び/又は(A2)成分〕を配合し混練することが好適である。添加剤を配合する場合には、(A)成分を混練した後に添加剤を加えて混練することも可能である。
本発明では、2種以上の異種金属イオンをマスターバッチ化した材料(A)による酸含有ポリマー組成物〔(B)成分及び(C)成分〕の酸中和反応を、ワンステップで行うものであるが、この場合に使用される二軸押出機の中和反応条件としては、設定温度110℃〜260℃、好ましくは130℃〜240℃、更に好ましくは170℃〜230℃である。そして、押出量は二軸押出機スクリュー径(D)32mmΦで、2kg/hr〜60kg/hr、好ましくは4kg〜40kg、更に好ましくは5kg/hr〜30kg/hrである。また、二軸押出機のスクリュー径比D1/D2(但し、D2よりもD1の方が径が大きい)をAとすると、A1.0〜A3.0の範囲内において、二軸押出機のスケールアップ時の押出量がA1.0〜A3.0に比例することが好ましく、特に好ましくは1.5〜2.7乗の範囲で比例、即ちA1.5〜A2.7の範囲内である。
本発明のゴルフボール用材料は、射出成形に特に適した流動性を確保し、成形性を改良するため、一定範囲のメルトフローレート(MFR)値を具備することが好適であるが、MFR値としては通常0.1g/10min以上、好ましくは0.5g/10min以上、上限として通常50g/10min以下、好ましくは30g/10min以下である。MFRが大きすぎても小さすぎても加工性が著しく低下する場合がある。なお、本発明においてMFRとは、JIS−K7210に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下での測定値を意味する。
また、本発明のゴルフボール用材料は、FT−IR測定において、1690〜1710cm-1にカルボニル伸縮振動に帰属する吸収ピーク及び1530〜1630cm-1にカルボン金属塩のカルボキシアニオン伸縮振動に帰属する吸収ピークがあること、即ち、中和反応と金属イオン架橋の存在を確認している。
本発明のゴルフボール用材料を用いた成形物のショアD硬度としては、通常50以上、好ましくは52以上、上限として75以下、好ましくは70以下である。ショアD硬度が高すぎると形成されたゴルフボールの打撃時のフィーリングが著しく低下する場合があり、ショアD硬度が低すぎると反発性が低下する場合がある。
本発明における(B)成分は、ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマーである。具体的には、ポリオレフィン系エラストマー,ポリスチレン系エラストマー,ポリアクリレート系ポリマー,ポリアミド系エラストマー,ポリウレタン系エラストマー,ポリエステル系エラストマー,ジエン系ポリマー,ポリアセタール(POM),エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,シリコーン樹脂及びABS系樹脂よりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマー組成物などを挙げることができる。
本発明において、(B)成分が熱可塑性ポリマーである場合、上記酸含有ポリマー組成物〔(B)及び(C)成分〕中の配合比について、(B)成分/(C)成分が質量比で99/1〜1/99の割合である。
また、(B)成分が熱硬化性ポリマーである場合、上記酸含有ポリマー組成物〔(B)及び(C)成分〕中の配合比について、(B)成分/(C)成分が質量比で49/51〜1/99の割合である。
本発明における(C)成分としては、オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%、好ましくは1.0〜25質量%を有するポリマー組成物が用いられる。
上記(C)成分であるオレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体の場合、オレフィンが有する炭素数としては通常2以上、上限として通常8以下、特に6以下である。このようなオレフィンとしては、例えばエチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,オクテン等を挙げることができ、特にエチレンが好適に用いられる。また、不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸,メタクリル酸,ジメチルアクリル酸,エタアクリル酸,(無水)マレイン酸,フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。
また、上記(C)成分であるオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体の場合、オレフィンと不飽和カルボン酸とは、上述したオレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体と同じものを挙げることができ、また、不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、上述した不飽和カルボン酸の低級アルキルエステルを好適に用いることができ、具体的には、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ブチル,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸プロピル,アクリル酸ブチル等を挙げることができる。特に、アクリル酸ブチル(アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル)が好適に用いられる。
更に、上記(C)成分が、不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーの中から選ばれる場合、不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸,不飽和ジカルボン酸ハーフエステルから選ばれる少なくとも1種とオレフィンとからなるポリマーが好ましい。ここで、上記不飽和無水カルボン酸としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸等を挙げることができ、特に、無水マレイン酸が好適であり、また、不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等を、不飽和ジカルボン酸ハーフエステルとしては、それらジカルボン酸のモノエステルであり、例えば、マレイン酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、イタコン酸モノエチルエステル等を挙げることができ、特に、マレイン酸モノエチルエステルが好適に用いられる。一方、上記オレフィンとしては、炭素数が通常2以上、上限として通常8以下、特に6以下であることが好ましい。このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,オクテン等を挙げることができ、特に、エチレンが好適に用いられる。
また、上記(C)成分における、不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーの具体例としては、下記のポリマーを挙げることができるが、これらのポリマーに限定されるものではない。
(i)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン系ポリマー、
(ii)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸ポリマー、
(iii)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(iv)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(v)オレフィン−不飽和無水カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vi)オレフィン−不飽和ジカルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vii)オレフィン−不飽和ジカルボン酸ハーフエステル−不飽和カルボン酸エステルポリマー
それぞれ上述した材料を公知の方法で共重合及びグラフトさせることにより上記共重合体を得ることができる。上記共重合体中の酸含量が少なすぎると反発性や強度(破断点引張強度)が低下する場合があり、多すぎると加工性が低下する場合がある。
上記(C)成分の具体的な市販品としては、オレフィン−不飽和カルボン酸ポリマーとして、例えば、Nucrel 960,Nucrel 2806(いずれもDuPont社製)、ESCOR 5200,ESCOR 5100,ESCOR 5000(いずれもExxon-Mobil Chemical社製)などを挙げることができる。
オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマーとしては、例えば、Bynel 2002,Bynel 2014,Bynel 2022,Bynel E403(いずれもDuPont社製)、ESCOR ATX325,ESCOR ATX320,ESCOR ATX310(いずれもExxon-Mobil Chemical社製)等を挙げることができる。
不飽和無水カルボン酸系ポリマーとしては、MODIPER A8100、MODIPER A8200,MODIPER A8400(いずれもNOR Corp.社製)、LOTADER 3200,LOTADER 3300,LOTADER 5500,LOTADER 6200,LOTADER 7500,LOTADER 8200,LOTADER TX8030,LOTADER TX8390(いずれもATOFINA社製及びARKEMA社製)などが例示される。
不飽和無水カルボン酸グラフト化ポリマーとしては、市販品を使用してもよく、例えば、Polybond 3009,Polybond 3200,Royaltough 498(いずれもUniroyal Chemical社製),ADOMER NF518,ADOMER QE800(三井化学社製)、Bynel 2167,Bynel 2174,Bynel 4206,Bynel 4288,Bynel 50E561,Bynel 50E571(いずれもDuPont社製)、Exxelor VA1801,Exxelor VA1803,Exxelor VA1840,Exxelor PO1020(いずれもExxonMobil Chemical社製)等を挙げることができる。
本発明では、上記(A)成分,(B)成分及び(C)成分の必須成分に対して、更に、ノルボルネンジカルボン酸無水物及び/又はその誘導体を過酸化物と共に配合することにより、ノルボルネンジカルボン酸無水物及び/又はその誘導体のグラフト化反応と共に酸を中和(中和反応)することによって、(B)成分の層剥離現象を抑制したIPN構造を有する樹脂組成物を得ることができる。上記ノルボルネンジカルボン酸無水物及び/又はその誘導体には、次のようなものが例示される。
ノルボルネン環誘導体がハロゲン,アルキル,アリル及びアラアルキルノルボルネンであり、ジカルボン酸無水物誘導体がジカルボン酸、またはジカルボン酸イミド及びその誘導体であり、ジカルボン酸無水物及びその誘導体の立体構造がExo体,Endo体及びこれらの混合体である。具体的には、cis−5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン酸無水物、cis−5−ノルボルネン−exo−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−cis−5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン酸無水物、cis−5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン酸イミド、1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの化合物の配合量は、上記(B)成分及び(C)成分の合計量100質量部に対して0.05〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜5.0質量部である。これらの化合物を過剰に配合すると、得られる樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)が極端に低下し、ゲル状物が生成し、正常な成形品を得ることができなくなる場合がある。逆に、少なすぎると、得られる樹脂組成物が、射出成形時に層剥離現象を起こし、低擦過傷性や低反発性を来たし、最終製品のゴルフボール物性に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明において、ノルボルネンジカルボン酸無水物及び/又はその誘導体を配合する場合には、上記(A)成分,(B)成分及び(C)成分を含有する樹脂組成物の調製過程において、ノルボルネンジカルボン酸無水物及び/又はその誘導体のほか、過酸化物を予め過酸化物が分解しない低温で(B)成分及び(C)成分を溶融混練し、その後、(A)成分である酸素含有無機金属化合物等の金属イオン種を配合し、過酸化物の分解温度以上の温度で溶融混練することにより、ノルボルネンジカルボン酸無水物及び/又はその誘導体のグラフト化反応と共に酸を中和(中和反応)することによってIPN構造を有する樹脂組成物が得られるものである。この場合、ノルボルネンジカルボン酸無水物及び/又はその誘導体,過酸化物,(B)成分を過酸化物が予め分解しない程度の低温で溶融混練し、その後、(C)成分である酸含有ポリマーを過酸化物が分解しない程度の低温で溶融混練し、更にその後、(A)成分である酸素含有無機金属化合物の金属イオン種を配合し、過酸化物の分解温度以上の温度で溶融混練し、ノルボルネンジカルボン酸無水物及び/又はその誘導体のグラフト化反応と共に、酸の中和(中和反応)を行うことが好適に採用される。
上記のノルボルネンジカルボン酸無水物及び/又はその誘導体と共に併用される過酸化物については、その分解温度と用いられる(B)成分及び/又は(C)成分の混練可能な溶融温度を参考にして適宜選択することができる。具体的には、1分半減期温度が140℃〜250℃、好ましくは150℃〜230℃、より好ましくは160℃〜210℃のもので、例えば、ジクミルパーオキサイド(1分半減期温度175℃)、ジ−t−ブチルパーオキサイド(185℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン(194℃)、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート(173℃)、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(175℃)、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド(177℃)、p−メンタンハイドロパーオキサイド(200℃)などから選ばれる1種又は2種以上を採用することができる。これらの中では、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンを採用することが好ましい。その過酸化物の配合量については、(B)成分及び(C)成分の合計量100質量部に対して0.01〜20質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.05〜15質量部、更に好ましくは0.09〜10質量部、最も好ましくは0.1〜5.0質量部である。
本発明のゴルフボール用材料には、更に任意の添加剤を用途に応じて適宜配合することができる。本発明のゴルフボール用材料をカバー材として用いる場合には上記(A)〜(C)に加え、例えば、顔料,分散剤,相溶化剤,老化防止剤,紫外線吸収剤,架橋剤などの各種添加剤を加えることができる。例えば、相溶化剤としてノルボルネン誘導体酸無水物、架橋剤としてパーオキサイドなどを配合できる。これら添加剤を配合する場合、その配合量としては、上記(A)〜(C)の総和100質量部に対して通常0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、上限として通常20質量部以下、好ましくは15質量部以下である。
本発明のゴルフボール用材料の比重としては、通常0.9以上、好ましくは0.92以上、より好ましくは0.94以上、上限として通常1.3以下、好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.05以下である。
本発明のゴルフボールは、上記本発明のゴルフボール用材料を使用して形成された成形物を構成要素とするゴルフボールであり、上記ゴルフボール用材料の成形物が用いられる箇所はゴルフボールの一部又は全部のいずれであってもよく、例えば、カバーが単層又は2層以上の多層構造を有する糸巻きゴルフボールのカバー,ワンピースゴルフボール,ツーピースソリッドゴルフボール,スリーピースソリッドゴルフボール等のマルチピースゴルフボールにおけるソリッドコア、中間層、カバー等を挙げることができる。本発明のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として具備するゴルフボールであれば、ゴルフボールの種類は特に制限されるものではない。
特に、本発明のゴルフボール用材料は、コアと、該コアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボールや、1層以上のコアと、該コアを被覆する1層以上の中間層と、該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材、中間層材として好適に使用される。
上記に記載された製造法で得られたゴルフボール材料を射出成形によりカバー材料に使用し、ポリブタジエン(BR)系コアのツーピースソリッドゴルフボールを作成し、ゴルフボール評価を行った結果、下記の機能又は効果を有するゴルフボールが得られる。この場合、酸素含有無機金属化合物のマスターバッチ(A)により同時中和反応で得られたカバー材料(本発明)と、それに相当するメルトブレンドにより得られたカバー材料(比較例)とをそれぞれ使用した両ゴルフボールを比較したものである。
a)カバー表面が均一性に優れている。
b)耐擦過傷性に優れている。
c)耐久性(打撃回数)に優れている。
d)流動性(MFR)が高い。
e)高反発性を有する。
f)海島構造以外に分子間相互侵入網目構造を有する。
以下、参考例及び実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、本発明の実施例に使用した中和反応用二軸押出機は、スクリュー径32mmΦ、全体L/D41、ニーディングディスクゾーンL/Dが全体L/Dの40%、真空べントポート及び水圧注入装置付きである。
〔参考例1〕
水酸化マグネシウム・マスターバッチの調製例
5リットル加圧ニーダー(ナニワ製造機械社製、設定温度100℃)を使用し、マスターバッチ(MB)用ベースポリマーとしてエチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル3元共重合体(デュポン社製、MFR130g/10min)を用い、水酸化マグネシウム「Mg(OH)2」(協和化学工業社製、平均粒径0.6μm)を使用し、そのベースポリマーと水酸化マグネシウムとの配合比が50/50質量比で2.5kg仕込み、ローター回転数20rpm、混練温度が105℃以下になるようにコントロールしながら、0.49MPaの加圧下、20分間混練した。その混練物を二軸一軸押出機40mmΦ(ナニワ製造機械社製、温度設定170℃)でストランド化し、冷却水槽、エアーナイフ及びペレタイザーを通して、ペレット化した。得られた水酸化マグネシウム含有量50質量%の水酸化マグネシウム・マスターバッチのMFRは1.9g/10min(190℃、2160g荷重)であった。得られた水酸化マグネシウム・マスターバッチを“MgMB”と略す。
〔参考例2〕
炭酸ナトリウム・マスターバッチの調製例
水酸化マグネシウムの代わりに炭酸ナトリウム「Na2CO3」(トクヤマ社製、粉砕平均粒径5μm)を使用する以外は、同配合割合、即ち、そのべースポリマーと炭酸ナトリウムとの配合比が50/50質量比で、参考例1を繰り返した。得られた炭酸ナトリウム含有量50質量%の炭酸ナトリウム・マスターバッチのMFRは2.5g/10min(190℃、2160g荷重)であった。得られた炭酸ナトリウム・マスターバッチを“NaMB”と略す。
〔参考例3〕
混合マスターバッチの調製例
表1に記載した各金属イオンによる中和度が所定のモル%になるように、水酸化マグネシウム「Mg(OH)2」と炭酸ナトリウム「Na2CO3」との配合割合(1.30/3.70)を決め、その所定量を使用する以外は、参考例1を繰り返した。得られた50質量%の水酸化マグネシウムと炭酸ナトリウムとの混合マスターバッチのMFRは1.3g/10min(190℃、2160g荷重)であった。得られた混合マスターバッチを“MgNaMB”と略す。
〔実施例1〕
本発明における(B)成分として、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)〔ディーアイシーバイエルポリマー社製、商品名「パンデックス」ショアA硬度85〕を使用すると共に、(C)成分として、エチレン・メタアクリル酸共重合体(Polymer−1)〔デュポン社製、MFR60g/10min〕及びエチレン・メタアクリル酸共重合体(Polymer−2)〔デュポン社製、MFR500g/10min〕及びエチレン・メタアクリル酸・アクリル酸イソブチル三元共重合体(Polymer−3)〔デュポン社製、MFR31g/10min〕を使用し、表1に記載した配合割合で、160℃に設定した二軸押出機で溶融混練を行い、ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、均一な混合組成物TPU/Polymer−1/Polymer−2/Polymer−3を得た。
次いで、得られたTPU/Polymer−1/Polymer−2/Polymer−3混練物のペレット、参考例2で調製したNaMB及び参考例1で調製したMgMBを表1記載の所定割合でドライブレンドし、195℃に設定した二軸押出機ホッパーへフィードし、スクリュー回転数120回転/分、押出量5.5kg/hr、二軸押出機の途中から液体注入ポンプによる水を樹脂押出量に対し3wt%になるように圧入しながら、真空ベントによる揮発分留去の条件下、中和反応(各中和度40モル%)し、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、均一なTPU配合Na・Mg−アイオノマー組成物を得た。この得られた均一で透明な混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、NaMB及びMgMBの未反応物及び粉塊状がないことを確認した。
更に、この均一なTPU配合Na・Mg−アイオノマー組成物に酸化チタン及び青色顔料を、表1記載の配合割合でドライブレンドし、195℃に設定した二軸押出機で、真空ベント使用、スクリュー回転数100回転/分、押出量8.5kg/hrの条件下、溶融混練し、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、TPU配合Na・Mg−アイオノマーゴルフボール材料(TPU−NaMgアイオノマー1)を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。表1に示されるように、このゴルフボール用材料は、適度な硬度と射出成形可能なMFRを示した。
上記のゴルフボール用材料をツーピースゴルフボールのカバー材に使用し、コアにポリブタジエン(BR)架橋体(外径38.9mmΦ、重量36.0g、圧縮歪3.35mm)を用い、射出成形機(設定温度ホッパー:160℃、C1〜ヘッド:180℃〜210℃)を使用し、射出圧力5.9MPa、保持圧力4.9MPa、射出・保持時間8秒、冷却時間25秒の条件下、射出成形を行い、ツーピースゴルフボール(直径42.7mmΦ、重量45.5g)を作製した。これらのゴルフボール評価を行い、その結果を表1に記載した。その結果、射出成形後のゴルフボール表面研磨(トリミング)でササクレなし(表面スムース)、良好な耐擦過傷性、ボール耐久性(比較例1及び比較例2参照)、高い初速度と反発係数C.O.Rを有した。また、そのメルトブレンドに相当する比較例5と同等のボール物性を示した。そのメルトブレンドに相当する比較例5と同等のボール物性であり、このように、同時異種金属イオン共存によるゴルフボール物性の効果を確認することができた。
〔実施例2〕
低分子量相溶化剤兼架橋剤としてノルボルネン誘導体酸無水物(α−1)〔日立化成社製、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物〕及び過酸化物(PO)〔NOR社製、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3〕を、表1記載の配合割合で加える以外は、実施例1の操作を繰り返し、均一なTPU配合Na・Mg−アイオノマーゴルフボール材料(TPU−NaMgアイオノマー2)を得た。得られたゴルフボール用材料及びそのゴルフボールの評価を行い、その結果を表1に記載した。そのメルトブレンドに相当する比較例6と同等のボール物性であり、このように、同時異種金属イオン共存による効果を確認することができた。
〔実施例3〕
実施例2において、Polymer−3の代わりにエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸3元共重合体Polymer−4(ARKEMA社製、MFR7g/10min)を使用する以外は、表1記載の配合割合で、実施例2の操作を繰り返し、均一なTPU配合Na・Mg−アイオノマーゴルフボール材料(TPU−NaMgアイオノマー3)を得た。得られたゴルフボール用材料及びそのゴルフボールの評価を行い、その結果を表1に記載した。そのメルトブレンドに相当する比較例7と同等のボール物性であり、このように、同時異種金属イオン共存による効果を確認することができた。
〔実施例4〕
実施例3におけるNaMB及びMgMBの代わりに、参考例3で調製したNa・MgMBを使用する以外は、表1記載の配合割合で実施例3の操作を繰り返し、均一なTPU配合Na・Mg−アイオノマーゴルフボール材料(TPU−NaMgアイオノマー4)を得た。得られたゴルフボール用材料及びそのゴルフボールの評価を行い、その結果を表1に記載した。その結果、本実施例では、実施例3と同等の優れた物性を示した。
〔比較例1〕
表1に記載した配合割合で、参考例2で調製したNaMBを使用し、実施例1で行った二軸押出機による中和反応をPolymer−1に行い、実施例1で調製されたTPU−NaMgアイオノマー1組成物の中和度に相当するNa−アイオノマー成分(40モル%Na−Polymer−1)を調製し、酸化チタン及び青色顔料を溶融混合したNaアイオノマー1を得た。得られたゴルフボール用材料及びそのゴルフボールの諸特性を評価し、結果を表1に記載した。単独ナトリウムイオン種では、ゴルフボールの耐久性及び耐擦過傷性が異種金属イオン共存の実施例1に比較し、劣っていた。
〔比較例2〕
実施例1で調製されたTPU−NaMgアイオノマー1組成物の中和度に相当するTPU配合Mg−アイオノマー成分(40モル%Mg−Polymer−1・Polymer−2・Polymer−3)を、参考例1で調製したMgMBを使用し、表1記載の配合割合で、実施例1記載の方法によりTPU−Mgアイオノマー1を得た。得られたゴルフボール用材料及びそのゴルフボールの諸特性を評価し、結果を表1に記載した。単独マグネシウムイオン種では、実施例1に比較し、耐久性が著しく劣っていた。
〔比較例3〕
実施例2で調製されたTPU−NaMgアイオノマー2組成物の中和度に相当するTPU、α−1及びPO配合Mg−アイオノマー成分(40モル%Mg−Polymer−1・Polymer−2・Polymer−3)を、表1に記載の配合割合で、実施例2記載の方法によりTPU−Mgアイオノマー2を得た。得られたゴルフボール用材料及びそのゴルフボールの諸特性を評価し、結果を表1に記載した。実施例2の比較である比較例6のメルトブレンド用に調整した材料であり、架橋性相溶化剤α−1及びPOを配合することによりゴルフボール物性は、比較例2に比べ改良されていた。
〔比較例4〕
実施例3で調製されたTPU−NaMgアイオノマー3組成物の中和度に相当するTPU、α−1及びPO配合Mg−アイオノマー成分(40モル%Mg−Polymer−1・Polymer−2・Polymer−4)を、表1に記載の配合割合で、実施例3記載の方法により、TPU−Mgアイオノマー3を得た。得られたゴルフボール用材料及びそのゴルフボールの諸特性を評価し、結果を表1に記載した。実施例3及び実施例4の比較である比較例7のメルトブレンド用に調整した材料であり、柔軟成分Polymer−4を配合したため、ゴルフボールの表面研磨後、やや表面が粗かった。
〔比較例5〕
(実施例1の比較例)
比較例1で調製したNaアイオノマー1と比較例2で調製したTPU−Mgアイオノマー1を表1に記載した配合割合でドライブレンドし、実施例1で使用した二軸押出機を使用し、水注入なし、195℃、真空ベント使用、スクリュー回転数100回転/分、押出量8.5kg/hrの条件下、溶融ブレンドし、TPU−NaMgブレンド1を得た。得られたゴルフボール用材料及びそのゴルフボールの諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。比較例1及び比較例2に比べて異種金属イオンのメルトブレンド効果、特に耐久性の改良が観察された。
〔比較例6〕
(実施例2の比較例)
比較例1で調製したNaアイオノマー1と比較例3で調製したTPU−Mgアイオノマー2を表1に記載した配合割合でドライブレンドし、実施例1で使用した二軸押出機を使用し、比較例5の操作を繰り返し、TPU−NaMgブレンド2を得た。得られたゴルフボール用材料及びそのゴルフボールの諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。
〔比較例7〕
(実施例3の比較例)
比較例1で調製したNaアイオノマー1と比較例4で調製したTPU−Mgアイオノマー3を表1に記載した配合割合でドライブレンドし、実施例1で使用した二軸押出機を使用し、比較例5の操作を繰り返し、TPU−NaMgブレンド3を得た。得られたゴルフボール用材料及びそのゴルフボールの諸特性を評価し、その結果を表1に記載した。
Figure 2008023332
Figure 2008023332
Figure 2008023332
上記表1,表2の各アルファベット名の詳細は下記の通りである。
a. Na・MgMB
水酸化マグネシウム/炭酸ナトリウム/エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル三元共重合体=13.0/37.0/50質量%
b. NaMB
炭酸ナトリウム/エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル三元共重合体=50/50質量%
c. MgMB
水酸マグネシウム/エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル三元共重合体=50/50質量%
d. TPU
脂肪族系ポリウレタン(HMDI-PCL)DIC-Bayer社製
e. α-1
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、日立化成社製
f. PO
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、NOF社製
g. Polymer-1
エチレン−メタクリル酸共重合体、MFR60g/10min、デュポン社製
g'. Polymer-1
上記のgと同じ意味。(実施例と比較例とを対比するために便宜上Polymer−1を分けて記載した。)
h. Polymer-2
エチレン−メタクリル酸共重合体、MFR500g/10min、デュポン社製
i. Polymer-3
エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル三元共重合体、MFR31g/10min、デュポン社製
j. Polymer-4
エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸3元共重合体、MFR7g/10min、ARKEMA社製
K. 二酸化チタン
タイペーク(TIPAQUE)PF737 石原産業社製
l. 青色顔料
カラーインデックス Pigment Blue 29,東洋インキ社製
試験項目の詳細については下記のとおりである。
MFR (g/10min)
JIS−K7210に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下での測定値。
ショアD硬度
ASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度。
破断伸び(%),引っ張り強度(MPa)
JIS−K7161に準じて測定した。
たわみ量(mm)
23±1℃の温度で、ゴルフボールを鋼板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときのゴルフボールのたわみ量(mm)。
初速度(m/sec)
初速はR&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定した。ボールは23±1℃の温度で3時間以上温調し、同温度で測定した。250ポンド(113.4kg)のヘッド(ストライキングマスク)を使って打撃速度143.8ft/s(43.83m/s)にてボールを打撃した。10個のボールを各々2回打撃して6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を計測し、初速を計算した。15分間でこのサイクルを行った。
C.O.R(Coefficient of Restitution)反発係数
空気砲弾によりボールをスチール板に向けて43m/sで発射させたとき、その跳ね返り速度を計測した。反発係数(C.O.R)は、ボール初速と跳ね返り速度との比率である。10回測定の平均値で示した。
耐久性(発射回数)
米国Automated Design Corporation製のADC Ball COR Durability Testerにより、ボールの耐久性を評価した。ボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させ、ボールが割れるまでに要した発射回数の平均値を耐久性とした。この場合、平均値とは、同種のボールを4個用意し、それぞれのボールを発射させて4個のボールがそれぞれ割れるまでに要した発射回数を平均化した値である。試験機のタイプは横型CORであり、金属板への入射速度は43m/sであった。
耐擦過傷性
ボールを23±1℃の温度に保温し、ピッチングウエッジをスイングロボットマシンに取り付け、ヘッドスピード33m/sにて打撃し、打撃傷を目視で判断し、下記の点数の基準で評価を行った。
最良 1点
より良い 2点
良い,普通 3点
悪い 4点
より悪い 5点
最悪 6点
耐摩耗性
内容量5リットルの筒状物に15個のゴルフボールと1.7リットルの砂を入れて、50rpm、2時間ミキシングした。その後、ボールを取り出し、磨耗による表面の傷つきの度合い、光沢減少の度合いを目視により、「最良/より良い/良い,普通/悪い/より悪い/最悪」の基準で評価した。
表面研磨後のボール外観
射出成形後のゴルフボールを#1000のホイールで4.5秒の条件で表面研磨し、「表面スムース/表面やや粗い/表面粗い」の基準で評価した。

Claims (23)

  1. 下記(A)〜(C)成分、
    (A)2種以上の異種金属イオンをそれぞれマスターバッチ化した材料(A1)または2種以上の異種金属イオンを同時にマスターバッチ化した材料(A2)
    (B)ジエン系ポリマー、熱可塑性ポリマー、及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマー、及び
    (C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマー
    を必須成分として配合してなることを特徴とするゴルフボール用材料。
  2. (A)成分の異種金属イオンの組み合わせが、一価金属イオンと二価金属イオンとの組み合わせから選ばれる請求項1記載のゴルフボール用材料。
  3. (A)成分の金属イオン種が酸素含有無機金属化合物であり、その平均粒径が0.005〜50μmである請求項1又は2記載のゴルフボール用材料。
  4. 上記酸素含有金属化合物が、炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸亜鉛,水酸化マグネシウム,酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム及び酸化亜鉛の群から選ばれる化合物の1種又は2種以上である請求項3記載のゴルフボール用材料。
  5. 上記(A)成分は、酸素含有無機金属化合物とMFR10g/10分以上のベースポリマー材料とからなる請求項1記載のゴルフボール用材料。
  6. 上記(A)成分が、ニーダーと強制フィーダ付き二軸一軸押出機,タンデム型押出機及び真空ベント付き二軸押出機のいずれかを使用し、混練温度が50℃〜250℃の範囲で調製される請求項5記載のゴルフボール材料。
  7. (B)成分が、ポリオレフィン系エラストマー,ポリスチレン系エラストマー,ポリアクリレート系ポリマー,ポリアミド系エラストマー,ポリウレタン系エラストマー,ポリエステル系エラストマー,ジエン系ポリマー,ポリアセタール,エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,シリコーン樹脂及びABS系樹脂からなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマー組成物である請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
  8. 上記(B)成分及び(C)成分の配合割合が、質量比で99/1〜1/99である請求項1〜7のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
  9. 上記(B)成分が熱硬化性ポリマーであり、かつ上記(B)成分及び(C)成分の配合割合が、質量比で49/51〜1/99である請求項1記載のゴルフボール用材料。
  10. 上記(A)〜(C)の必須成分に、顔料,分散剤,相溶化剤,老化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤,架橋剤よりなる群から選択された添加剤を1種又は2種以上配合する請求項1〜9のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
  11. 上記(A)〜(C)の必須成分に、更に、ノルボルネンジカルボン酸無水物及び/又はその誘導体と過酸化物とを配合した請求項1〜10のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
  12. 下記(A)〜(C)成分、
    (A)2種以上の異種金属イオンをそれぞれマスターバッチ化した材料(A1)または2種以上の異種金属イオンを同時にマスターバッチ化した材料(A2)
    (B)ジエン系ポリマー、熱可塑性ポリマー、及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマー、及び
    (C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマー
    を配合してなるゴルフボール用材料の製造方法において、予め上記(B)成分及び(C)成分を溶融混練し、その配合組成物に(A)成分を配合することにより、ワンステップで酸含有ポリマー中の酸中和反応を行うことを特徴とするゴルフボール用材料の製造方法。
  13. 上記(A)成分による酸含有ポリマー組成物の酸中和反応を、ワンステップで行う反応押出機として、ニーディングディスクゾーンを有するスクリューセグメント配置の二軸押出機を使用した請求項12記載のゴルフボール用材料の製造方法。
  14. L/Dが20以上の二軸押出機を使用した請求項13記載のゴルフボール用材料の製造方法。
  15. 上記二軸押出機のスクリューセグメント配置について、ニーディングディスクゾーンのL/Dが全体L/Dの10〜90%である請求項13又は14記載のゴルフボール用材料の製造方法。
  16. 上記二軸押出機のニーディングディスクゾーンの構成ディスクが、RKD(Right-handed Kneading Disc)、LKD(Left-handed Kneading Disc)、リバース(Reverse Disc)、各種ニュートラル(Neutral Disc)からなる請求項13、14又は15記載のゴルフボール用材料の製造方法。
  17. 上記二軸押出機のスクリュー直径が15mmΦ以上である請求項13〜16のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
  18. 上記二軸押出機が、ベントポート及びそれに連結した真空ラインを有する請求項13〜17のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
  19. 上記二軸押出機が、液体滴下又は液体圧注入付帯設備を有する請求項13〜18のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
  20. 上記液体として、ROH(Rは水素又はアルキル基)で示される液体を使用し、その添加量が樹脂押出量に対して0.1〜10質量%である請求項19記載のゴルフボール用材料の製造方法。
  21. 上記二軸押出機の中和反応条件として、設定温度110℃〜260℃、押出量が二軸押出機スクリュー径(D)32mmΦで、2kg/hr〜60kg/hrであると共に、スクリュー径比D1/D2(但し,D2よりもD1の方が径が大きい)をAとすると、A1.0〜A3.0の範囲内において二軸押出機のスケールアップ時の押出量がA1.0〜A3.0に比例する請求項13〜20のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
  22. 請求項1〜11のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として用いることを特徴とするゴルフボール。
  23. 請求項1〜11のいずれか1項記載のゴルフボール用材料を、コアと該コアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材として用いることを特徴とするゴルフボール。
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